JP3364406B2 - ピークホールド回路 - Google Patents

ピークホールド回路

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JP3364406B2 JP08726697A JP8726697A JP3364406B2 JP 3364406 B2 JP3364406 B2 JP 3364406B2 JP 08726697 A JP08726697 A JP 08726697A JP 8726697 A JP8726697 A JP 8726697A JP 3364406 B2 JP3364406 B2 JP 3364406B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素子数が少ない簡
単な構成回路でありながら、入力振幅のダイナミックレ
ンジが広く、かつ、高速バースト波形入力に応答する特
性を有するピークホールド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、マルチメディア機器など、高速で
アナログ信号を取り込んでディジタル化して処理するこ
とが、不可欠な技術となってきている。アナログ・ディ
ジタル変換するためにはサンプル・ホールド回路が重要
である。かかるサンプル・ホールド回路の一つの回路と
して、高速のスイッチ回路と併せて、タイムスロットで
サンプリングされたアナログ信号を取り込み、その尖頭
値を保持する高速のピークホールド回路がある。
【0003】また、始めからディジタル信号を処理する
回路にあって、入力信号レベルが変動する、または受信
レベルが不明であることの多い光通信や光配線、磁気及
び半導体メモリー信号読出し回路などでは、前置増幅器
の入力レベルを自動的に検出して最適動作点を決め、再
生波形パルスの波形歪みを最小に抑えることが重要であ
る。
【0004】かかる再生波形パルスの波形歪みを最小と
するため、入力パルス信号のピークレベルを検出して規
格化し、入力レベルの変動に関係無く、常にパルス振幅
の半分のレベルで信号を弁別する自動識別型波形再生回
路が使われるようになってきた。
【0005】以上の例で共通に重要な回路要素はピーク
ホールド回路である。特に光配線のように任意のパター
ンを持つ信号を扱う回路では、バースト波形にも応答で
きるようにすることが望ましく、最初に入力した一発目
のパルスでもピーク値を正しく検出・保持できる、ナノ
秒以下の高速応答性が重要である。また、比較的に回路
規模が小さく、かつ、外部容量を付加しなくてもIC内
に搭載できるコンパクトな回路であることの要請が強く
なっている。更に、この種のピークホールド回路に要求
される仕様としては、多チャンネルのアレイに組み込む
ため、回路構成のコンパクト化と併せて、低消費電力化
も望まれている。
【0006】従来のピークホールド回路の基本構成とし
て、図6又は図7に示す回路が知られている。これらの
回路の動作原理は次のようになっている。すなわち、図
6の回路では、トランジスタQ100,トランジスタQ
101から構成される差動増幅器のInput端子に入
力されたパルスは、ピークホールド出力のOutput
と比較増幅され、出力に対して入力電圧が高くなると、
誤差増幅されてトランジスタQ102のベース電圧が上
昇する。従って、スイッチトランジスタQ102がオン
し、スイッチトランジスタQ102のコレクタ−エミッ
タ間に電流が流れると、電圧保持容量C100の両端に
は、抵抗R100の電圧とスイッチトランジスタQ10
2のベース−エミッタ間の電圧とを加えた電圧が印加さ
れ、電圧保持容量C100の充電が始まる。充電が進行
してトランジスタQ103によるエミッタフォロワ出力
が入力パルス値に到達すると、ベース電圧が下がり、ト
ランジスタQ102の電流が遮断される。遮断される迄
の間、入力パルスの尖頭電圧が保たれている時には、電
圧保持容量C100に充電された電圧が入力のピーク電
圧に等しくなる。
【0007】ここに、トランジスタQ103のベース電
流は小さいので、放電の時定数は長く、そのピーク値電
圧は保持される。基本動作は以上の通りであるが、もう
少し詳細にスイッチトランジスタQ102の動作を見て
みる。トランジスタQ102はバイポーラトランジスタ
なので、ベース・エミッタ間電圧に対して指数関数的に
電流が流れる特性を持つ。従って、ベースの入力振幅電
圧が小さい時には、インピーダンスが高くて注入電流値
が小さく、ピークに到達する時間が長い。
【0008】一方、入力振幅がある程度以上大きくなる
と、逆にインピーダンスが非常に小さくなって充電速度
が早くなる。延いては帰還が間に合わなくなってスイッ
チの遮断が遅れ、オーバーシュートが生じる特性を示
す。
【0009】従って、正常に動作する入力電圧は制限さ
れ、ダイナミックレンジを広くとることは難しい。ま
た、余り入力電圧が大きくなると、トランジスタの許容
電流を超えたり、遮断周波数が下がって応答が遅れる現
象も見られる。
【0010】これらの不都合をある程度除き得る回路
が、図7に示す例である。この図7の回路は、インピー
ダンスが急激に変る図6におけるnpnトランジスタの
スイッチに代って、pnpトランジスタを使った電流出
力型増幅器を用いて、増幅された誤差電圧振幅にほぼ比
例する電流にて電圧保持容量C100を充電する回路で
ある。ただし、この図7の回路では、図6の回路に比べ
て高い電源電圧を必要とする他、高速のpnpトランジ
スタを使用する必要がある。
【0011】しかし、一般にpnpトランジスタは、n
pnトランジスタに比べると、一桁ほど低い帯域幅を持
つものしか実現できず、図7の回路は必要な高速性を得
ることができない本質的な問題を抱えている。
【0012】原理的に図6の回路で問題なのは、スイッ
チ素子の入力電圧に対する指数関数的な著しい非線形応
答であるが、図7の回路と同様に、図6におけるnpn
トランジスタを、線形応答するスイッチ特性を示すよう
に動作させれば問題を解決できる。
【0013】しかし、元々著しい非線形特性を持つ素子
を線形に動作させるには、大きな利得を持つ増幅器を使
った帰還回路を採用することも考えられる。この場合に
は、通常、回路規模が大きくなってチップ面積が増えた
り、消費電力が増大する問題が提起されるに加えて、帰
還での時間遅れによって、高速動作が得られないなどの
問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のピークホールド回路では、高速を実現できる回路で
は、入力に対する広いダイナミックレンジを確保するこ
とが難しかった。逆に、ダイナミックレンジを改善しよ
うとすると高い電源電圧を必要としたり、十分な高速性
が得られないという問題があった。
【0015】本発明の目的は、素子数が少ない簡単な構
成回路でありながら、入力振幅のダイナミックレンジが
広く、かつ、高速バースト波形入力に応答する特性を有
するピークホールド回路を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明に係るピークホールド回路は、入力電圧を受ける第
1トランジスタ部とこの第1トランジスタ部と共に差動
型誤差増幅器を構成する第2トランジスタ部とを有し、
前記第2トランジスタ部は複数のトランジスタからなり
且つ個別動作するように並列接続してなる誤差増幅回路
と、前記第2トランジスタ部の各トランジスタの動作電
圧に応じてスイッチ動作する複数のスイッチトランジス
タを有するスイッチ回路と、キャパシタンスを有し、前
記スイッチ回路の各スイッチトランジスタのスイッチ動
作に応じ段階的に前記キャパシタンスを充電する充電回
路と、前記キャパシタンスの充電電位を前記入力電圧の
ピーク値として信号出力する出力回路とを具備すること
を特徴とする。
【0017】かかるピークホールド回路について説明す
るに、先ず、本発明に係るピークホールド回路は、原理
的に高速応答と低い電源電圧動作とが共に実現できる図
6の回路を基本形として据える。この回路で根本的に特
性上の不都合を惹起する要因がスイッチ回路であること
は、既に述べた。すなわち、npnスイッチトランジス
タは、入力電圧に対して指数関数的に電流を伝達する。
この著しく非線形に変化する電流伝達特性に代えて、略
線形に変化する電流を通す特性を持つスイッチを用いれ
ば良い。ただし、ピークホールド回路は帰還増幅回路で
あるから、所望の特性からのズレはループ利得で割った
値まで低減されるので、線形に近い特性を実現できれば
厳密な意味における線形特性を実現する必要は無い。
【0018】かかる一定の誤差範囲内で線形性を実現す
る手段として、一個のスイッチトランジスタで構成する
代わりに、複数のスイッチを使い、しかも電圧入力に対
して異なる電圧値で段階的にスイッチが入り、さらに後
段になる程最大電流値を大きくなるようにして、合成電
流の積分値がほぼ線形特性になるように構成する。
【0019】具体的には、誤差増幅用差動増幅器の一組
の増幅トランジスタの各々を2個以上の複数の基本トラ
ンジスタエレメント群で構成し、各々ベースとエミッタ
は共通接続する。ただし、片方の増幅作用を司るトラン
ジスタ群は、全てのコレクターを纏めて接続して一括使
用する。一方、他方のトランジスタ群は2個以上の小群
に分割し、かつ、各々の小群のコレクターには別々に負
荷抵抗と電圧保持容量に電荷を注入する電流スイッチト
ランジスタを接続する。ベースとエミッタは全て共通に
接続し、同じ群に属するトランジスタエレメントのコレ
クターには各々同一の単位電流が流れる。小群のエレメ
ント数と単位電流、負荷抵抗値を掛け算して得られる電
圧の差が、スイッチが入る電圧の差となる。
【0020】複数段構成の電流スイッチトランジスタの
エミッタは、電流帰還抵抗を介して一つの電圧保持容量
に接続する。同時に、電流スイッチトランジスタのベー
ス・スイッチ開始電圧は段階的にスイッチ動作するよう
に設定し、初めに動作する段を構成するトランジスタエ
レメント数は小さく設定し、次段以降、次第にエレメン
ト数を増やす構成とする。また、必要に応じてスイッチ
のインピーダンス低下を制限する電流帰還抵抗値を調節
したり前段の電流を制限するために、トランジスタを飽
和させる役割のコレクター負荷抵抗を設ける。
【0021】これによって段階的に小さいトランジスタ
からスイッチが入り、充電される容量の電圧は折れ線近
似ではあるが、一定時間以内に入力電圧にほぼ到達し、
かつ、入力振幅に比例して変化する特性が実現できる。
【0022】ピークホールド回路を動作させる電源電圧
が低くて、多段のスイッチトランジスタとエミッタフォ
ロワのトランジスタの縦積み構造では動作電圧が確保で
きない場合には、電圧保持容量に直接エミッタフォロワ
回路を接続する構成に代りに保持容量の後に差動増幅回
路を介してエミッタフォロワ回路に接続ことによって、
ベース・エミッタ間電圧の0.65V−0.85Vが稼
ぎ、この電圧分だけ低い電源電圧でも動作可能となる。
【0023】新たに挿入した差動増幅器の同相入力端子
は容量出力電圧に接続し、逆相入力端子は、ピークホー
ルド出力電圧と入力電圧の基準電圧に各々抵抗を介して
接続された節点に接続する。
【0024】逆相入力端に接続される抵抗の値を調整す
ることによって、1以上の増幅率が得られる。増幅率を
大きくすれば、その分だけ電圧保持容量の充電出力電圧
は小さくて済み、一方スイッチの入力電圧に対する稼働
範囲は変わらないので、回路全体としては入力に対する
ダイナミックレンジを広げる効果も期待できる。
【0025】本発明に係るピークホールド回路が応用さ
れる回路によっては、必ずしも入力の基準電圧が絶対的
に固定されていない場合がある。かかる場合は、正相と
逆相の信号が与えられ、それらの中点が基準電圧となっ
ていることがある。この場合には、基準電圧とそれに接
続された抵抗に代わって、逆相入力端子に2倍の値を持
つ別々の抵抗を介して、正相信号と逆相信号に接続する
構成を使うことによって、大掛かりな変動する外部基準
電圧を設けたものと同じ性能を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
るピークホールド回路の好適な実施形態を説明する。図
1は、本実施形態のピークホールド回路を示しており、
誤差増幅回路100と、スイッチ回路110と、充電回
路120と、出力回路130とを具備する。
【0027】誤差増幅回路100は、入力電圧を受ける
第1トランジスタ部101(1011 ,1012 ,…1
01n )とこの第1トランジスタ部101と共に差動型
誤差増幅器を構成する第2トランジスタ部102(10
1 ,1022 ,…102n)と、第1トランジスタ部
101と電源Vccとの間に接続される抵抗103と、
第2トランジスタ部102と電源Vccとの間に接続さ
れる抵抗104(1041 ,1042 ,…104n
と、第2トランジスタ部102の各トランジスタ102
1 ,1022 ,…102n を所定電圧にクランプするた
め、抵抗103と共にクランプ回路を構成するダイオー
ド105(1051 ,1052 ,…105n )とを有す
る。
【0028】また第1トランジスタ部101は、一括動
作するように並列接続された複数のトランジスタ101
1 ,1012 ,…101n を有する。さらに第2トラン
ジスタ部102は個別動作するように並列接続した複数
のトランジスタ1021 ,1022 ,…102n を有す
る。
【0029】スイッチ回路110は、第2トランジスタ
部102の各トランジスタ1021,1022 ,…10
n の動作電圧に応じてスイッチ動作する複数のスイッ
チトランジスタを有する。
【0030】充電回路120は、キャパシタンスを有
し、スイッチ回路110の各スイッチトランジスタのス
イッチ動作に応じ段階的にキャパシタンスを充電する。
出力回路130はエミッタフォロワ回路等の回路を有
し、充電回路120のキャパシタンスの充電電位を第1
トランジスタ部101に与えられる入力電圧のピーク値
として信号出力する。
【0031】次に、図2を参照して図1に示す本実施例
の具体的な回路構成を説明する。すなわち、本例の回路
は、本発明の機能を実現するのに最小の素子数で構成し
たものであり、図1の誤差増幅回路100に相当する差
動型誤差増幅器は、トランジスタQ11、抵抗R11、
バイアス電圧Vbbから構成される電流I1を発生する
定電流回路と、トランジスタエレメントn+1個からな
るトランジスタQ1と、2個の小群の組合わせで合計n
+1個のトランジスタをなすn個のエレメントからなる
小トランジスタQ21及び1個のエレメントからなるト
ランジスタQ22と、負荷抵抗R1、抵抗R2、抵抗R
3とから構成されている。
【0032】トランジスタQ21及びトランジスタQ2
2のエミッタ及びベースは、共通接続されているので、
トランジスタQ21のコレクター電流はトランジスタQ
22のn倍の電流が流れる。InputとOutput
とが同一レベルになっている定常状態では、スイッチト
ランジスタQ4が導通と遮断のしきい値にある。また、
負荷抵抗R2と抵抗R3を適当に選んで、発生する電圧
差(抵抗R3−n・抵抗R2)/2(n+1)が正とな
るように設定する。Input電圧が上昇し、この値だ
けトランジスタQ3のベース電圧が下がった時に、スイ
ッチトランジスタQ3が遮断から導通に転ずる。この電
圧差は、トランジスタの特性やバイアス電圧に依存する
が、典型的なSiバイポーラトランジスタに対しては、
0.1Vから0.9Vの間に設定するのが良い。
【0033】一般に、トランジスタQ4のトランジスタ
エレメント数は複数であるが、非常に小さい入力電圧か
ら応答させたい場合で、しかも容量C1が小さい場合に
おけるエレメント数は1個が良い。容量C1の値が大き
くて、充電電流を大きくする必要があったり、入力電圧
がそれ程小さく無いときには、エレメント数は1以上と
するのが良い。
【0034】一方、トランジスタQ3のサイズmは、C
1の最大充電電流をトランジスタエレメントの最大許容
電流で割った値と同じ、又は少し大きい整数値とする。
また、初段のスイッチトランジスタQ4は、入力電圧が
小さいときでもインピーダンスをある程度小さくする必
要があることから、誤差電圧入力に対して許容電流を越
したり、または、線形応答の折れ線近似からはみ出す過
大電流が流れる問題が生じる。この問題の解決策とし
て、最大電流を制限するために、抵抗R6をコレクター
に接続し、抵抗値を最大制限電流で丁度トランジスタQ
4が飽和電圧になる値に選ぶ。
【0035】振幅が0.03Vから0.4Vある最初の
パルスが入力した時、抵抗R4=30Ω、抵抗R5=2
50Ω、抵抗R6=3.9kΩ、m=5とした場合に、
電圧保持容量C1=4pFに流入する電流をシミュレー
ションした例が図3である。図3に示すように、入力振
幅が小さい時はトランジスタQ4だけがスイッチし、入
力が大きくなると約0.4mAに制限され、続いてトラ
ンジスタQ3がスイッチ開始して電流が次第に増えてい
く様子が判る。これを積分した値に比例して電圧が発生
し、ほぼ入力に比例した電圧が得られる。
【0036】図3から明らかなように、電流波形は入力
振幅に応じて複雑に変化し、通常のアナログ回路で見ら
れる相似形でスムーズに変化する振る舞いとは大きく異
なっていることが特徴である。
【0037】トランジスタに流れる電流は、ベース・エ
ミッタ間電圧に対して指数関数的になるので、エミッタ
に電流帰還抵抗R4、抵抗R5を設けて非線型性を改善
する。最適な電流帰還抵抗の値は、増幅器内で扱える誤
差増幅電圧振幅、電圧保持容量C1に充電したい電流、
トランジスタQ3とトランジスタQ4のトランジスタサ
イズ、ピークホールドする最大電圧振幅に応じて最適化
して決める。電圧保持容量C1に一旦充電された電圧を
保持するために、定電流発生回路I3とトランジスタQ
10で構成する漏れ電流の小さいエミッタフォロワ回路
でバッファ増幅して出力する。
【0038】Input入力がパルス入力の場合、ピー
ク値を示すハイから反転したロウの電圧になっている期
間は、トランジスタQ21とトランジスタQ22が飽和
する。飽和によって、次のパルスが入力した時には復帰
時間が長くなり、応答が遅くなる。また、飽和の期間に
ベースに流れる電流が著しく増えるので、トランジスタ
Q10の電流が増大して電圧保持容量C1の漏れ電流が
多くなって保持時間が短くなる現象が見られる。これを
抑える目的で、抵抗R1とダイオードD1、D2を接続
し、トランジスタQ21とトランジスタQ22の飽和が
浅いレベルに留まるようにした。すなわち、抵抗R1と
ダイオードD1とによりトランジスタQ21のコレクタ
電位を抵抗R1とダイオードD1とにより電位にクラン
プし、また、抵抗R1とダイオードD2とによりトラン
ジスタQ22のコレクタ電位を抵抗R1とダイオードD
2とにより電位にクランプしている。
【0039】抵抗R1の値は、定常状態ではD1とD2
が遮断した状態が保て、かつ、トランジスタQ21とト
ランジスタQ22の飽和が浅いレベルになるように選
ぶ。以上の例では、誤差増幅回路が動作するのに必要な
負荷抵抗R3と抵抗R6の端子電圧に加えて、スイッチ
トランジスタQ3、トランジスタQ4のベース・エミッ
タ電圧、さらにトランジスタQ10のエミッタフォロワ
が正常に動作する電圧、抵抗R13とトランジスタQ1
3からなる定電流発生回路に必要な電圧を合計した値
が、電源電圧としての最低限必要な量となる。
【0040】Siバイポーラーでも高速のトランジスタ
の場合には、動作点ではベース・エミッタ間電圧が0.
85Vほどであるので、図2の回路構成では、0.5V
程度の振幅の場合でも、電源電圧3.3V以下で動作さ
せるのは難しくなる。この場合には図4の回路で解決で
きる。図2では電圧保持容量C1に直接にトランジスタ
Q10によるエミッタフォロワ回路を接続していたが、
トランジスタQ12、抵抗R12、Vbbからなる定電
流発生回路を共通エミッタ接続したトランジスタQ5、
トランジスタQ6、抵抗R7からなる差動増幅回路を介
して、トランジスタQ10のエミッタフォロワ回路に接
続する。同相入力のトランジスタQ5のベースにはC1
の電圧を、反転入力のトランジスタQ6のベースには、
エミッタフォロワ出力のOutputに抵抗R8を介し
たものを、同時に入力Inputの基準電圧に等しい外
部入力Vrefには抵抗R9を介して接続する。
【0041】この差動増幅回路の挿入によって、新たな
二つの効果が生じる。第1に、エミッタフォロワに必要
であったベース・エミッタ間電圧の0.65V−0.8
5Vが不要となり、この電圧分だけ低い電源電圧でも動
作可能となる。
【0042】第2に、ループ利得が、1+抵抗R8/抵
抗R9倍だけ大きくなることである。抵抗R8が零のと
きには利得が変わらないが、零以上に選ぶことによっ
て、1以上の増幅率が得られる。増幅率が大きくなれ
ば、その分だけ電圧保持容量の充電出力電圧は小さくて
済むのが、入力電圧に対するスイッチの動作可能範囲は
変わらないので、その分、入力Inputに対するダイ
ナミックレンジを広げる効果が得られる。
【0043】なお、図4の実施形態ではInputに対
する基準電圧を供給する必要があった。設計したい回路
によっては、必ずしも入力の基準電圧が絶対的には固定
されていないが、正相と逆相の信号が前段で得られ、そ
れらの中点が基準電圧となる場合がある。例えば、差動
型のトランスインピーダンス回路など一般に差動増幅回
路の出力の場合である。この場合には、図5に示される
ように、基準電圧Vrefとそれに接続された抵抗R9
に代わって、逆相入力のトランジスタQ6のベースに、
抵抗R9の抵抗値の2倍の抵抗R91、抵抗R92を介
して、正相信号Inputと逆相信号Input/に接
続する構成を使うことができる。
【0044】このような回路では、変動する外部基準電
圧に追従する大掛かり回路を設けること無く、図4の実
施形態と同じ機能が得られる。以上、スイッチトランジ
スタを2個の小群に分ける場合の実施形態を、しかも初
段のスイッチトランジスタサイズが1の場合について説
明してきたが、初段のトランジスタサイズが2以上の場
合や、小群の分割数を3以上にして線形近似を良くする
場合にも適用できることは言うまでもない。実際のこの
様な構成を採るかどうかは、回路規模の増大や設計の複
雑さと最終的に得られる性能とのバランスで決まる。ま
た、上記実施形態では、Siバイポーラを例にとって説
明したが、GaAs、InP、SiGeなどのHBTを
使った場合にも適用できることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明にれば、回路規模を
それ程増やさずに、しかもピークホールド動作の高速性
を損なわずに、入力のダイナミックレンジの広がりを確
保することが可能となり、また、低い電源電圧でも動作
可能とし得るピークホールド回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピークホールド回路を示す回路
図。
【図2】本発明の一実施形態に係るピークホールド回路
を示す回路図。
【図3】電圧保持容量に流入する電流波形のシミュレー
ション例を示す図。
【図4】本発明の一実施形態に係るピークホールド回路
を示すものであって、低電圧に対応した回路の一例を示
す回路図。
【図5】本発明の一実施形態に係るピークホールド回路
を示すものであって、低電圧に対応した回路を他の他例
を示す回路図。
【図6】従来のピークホールド回路の一例を示す回路
図。
【図7】従来のピークホールド回路の他例を示す回路
図。
【符号の説明】
Q1〜Q106…トランジスタ R1〜R106…抵抗 C1〜C100…容量 D1、D2…ダイオード Vcc…電源入力 Vee…接地 Vbb…定電流発生用バイアス入力

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力電圧を受ける第1トランジスタ部と
    この第1トランジスタ部と共に差動型誤差増幅器を構成
    する第2トランジスタ部とを有し、前記第2トランジス
    タ部は複数のトランジスタからなり且つ個別動作するよ
    うに並列接続してなる誤差増幅回路と、 前記第2トランジスタ部の各トランジスタの動作電圧に
    応じてスイッチ動作する複数のスイッチトランジスタを
    有するスイッチ回路と、 キャパシタンスを有し、前記スイッチ回路の各スイッチ
    トランジスタのスイッチ動作に応じ段階的に前記キャパ
    シタンスを充電する充電回路と、 前記キャパシタンスの充電電位を前記入力電圧のピーク
    値として信号出力する出力回路とを具備することを特徴
    とするピークホールド回路。
  2. 【請求項2】 前記誤差増幅回路の前記第1トランジス
    タ部は、一括動作するように並列接続された複数のトラ
    ンジスタを具備することを特徴とする請求項1に記載の
    ピークホールド回路。
  3. 【請求項3】 前記スイッチ回路の各スイッチトランジ
    スタのうち最初にスイッチ動作するスイッチトランジス
    タは、電流制限抵抗を具備することを特徴とする請求項
    1又は2に記載のピークホールド回路。
  4. 【請求項4】 前記出力回路は、エミッタフォロワ回路
    を具備することを特徴とする請求項1乃至3に記載のピ
    ークホールド回路。
  5. 【請求項5】 前記出力回路は、差動型誤差増幅回路及
    びエミッタフォロワ回路を具備することを特徴とする請
    求項1乃至3に記載のピークホールド回路。
  6. 【請求項6】 前記スイッチ回路は、前記誤差増幅回路
    の前記第2トランジスタ部の各トランジスタを所定電圧
    にクランプするクランプ回路を具備することを特徴とす
    る請求項1乃至5に記載のピークホールド回路。
  7. 【請求項7】 前記差動型誤差増幅回路は、正相信号入
    力端子及び逆相信号入力端子を介して入力した正相信号
    と逆相信号とを比較増幅するものであって、正相入力ト
    ランジスタと逆相入力トランジスタとを具備し、当該逆
    相入力トランジスタのベースと前記正相信号入力端子及
    前記逆相信号入力端子とはそれぞれ抵抗を介して接続
    されていることを特徴とする請求項5記載のピークホー
    ルド回路。
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