JP3363087B2 - 窓枠用断熱性カバーの取付構造およびサッシ窓 - Google Patents

窓枠用断熱性カバーの取付構造およびサッシ窓

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JP3363087B2
JP3363087B2 JP05357798A JP5357798A JP3363087B2 JP 3363087 B2 JP3363087 B2 JP 3363087B2 JP 05357798 A JP05357798 A JP 05357798A JP 5357798 A JP5357798 A JP 5357798A JP 3363087 B2 JP3363087 B2 JP 3363087B2
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哲也 荒川
茂男 保前
弘悦 中川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物に設けられる
引違い窓、片引き窓、開き窓、辷り出し窓、上げ下げ
窓、内開き窓、外開き窓等の各種サッシ窓において、断
熱性能を向上させるために設けられる窓枠用断熱性カバ
ーの取付構造およびこの断熱性カバーが設けられたサッ
シ窓に関する。
【0002】
【背景技術】サッシ窓では、外気に触れて冷やされた窓
枠が室内の暖かい空気に触れると結露が発生してしまう
ため、窓枠において室内側に露出する露出面部に、合成
樹脂等で形成された断熱性カバーを取り付けて窓枠が室
内空気に触れることを防止し、結露発生を抑えるように
したものがあった。
【0003】ところで、このような断熱性カバーは、窓
枠を構成する上枠、下枠および縦枠の各枠に対して各断
熱性カバーが窓枠の開口内周面側に移動しないように規
制する係合部を備えており、各枠に対してはその端面側
から枠長手方向にスライドさせることで窓枠に一体的に
組み込まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな工場等で予め窓枠に一体的に組み込まれた窓枠用断
熱性カバーは、サッシ窓の設置後等の窓枠を四周枠組み
した後には、サッシ窓を取り外すなどして窓枠をばらさ
ない限り、取り外すことはできなかった。この場合、窓
枠を工場から施工現場に搬送する際や、建物開口に窓枠
を取り付ける際、さらには窓枠設置後に、断熱性カバー
に傷が付いたり破損しても、断熱性カバーを交換するこ
とが困難なため、断熱性カバー表面に補修材を塗布する
程度の補修しかできないという問題があった。
【0005】本発明の目的は、窓枠を四周枠組みした後
であっても、窓枠用断熱性カバーを容易に交換すること
ができる窓枠用断熱性カバーの取付構造およびサッシ窓
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の窓枠用断熱性カ
バーの取付構造は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周
枠組みした窓枠の室内側露出面部を被覆する窓枠用断熱
性カバーであって、前記窓枠用断熱性カバーは、窓枠の
上枠、下枠および縦枠に沿ってそれぞれ設けられ、かつ
窓枠の開口内周面に配置されるとともに、この開口内周
面側から前記断熱性カバーを介して窓枠にねじ込まれた
ビスにより窓枠に対してその開口面内方向に着脱可能に
取り付けられ、前記各断熱性カバーのうち、上下枠に取
り付けられる上下カバーおよび縦枠に取り付けられる縦
カバーの一方は他方に対して納まりが勝った状態で窓枠
に取り付けられ、かつ、前記勝った状態のカバーの両端
面とその端面に対向する枠との間の各寸法の合計値は、
負けた状態の2つのカバーのうちの少なくとも一方のカ
バーの見付け寸法よりも大きく設定されていることを特
徴とする。
【0007】窓枠用断熱性カバーを窓枠の開口内周面か
ら配置してビス止めしているので、ビスを外すことで断
熱性カバーを窓枠から容易に取り外して交換することが
できる。このため、断熱性カバーが窓枠輸送時や設置時
に破損しても、カバーのみを交換して補修することがで
きる。また、窓枠用断熱性カバーは、窓枠の開口面内方
向、つまり開口面に沿ってその開口の中心側に向かう方
向に取り外しているので、四周枠組みされた状態の窓枠
からでも窓枠用断熱性カバーを取り外すことができ、窓
枠の設置後においても窓枠用断熱性カバーを交換するこ
とができる。
【0008】また、納まりが勝った状態のカバーのビス
を外した後にそのカバーの一端をカバー端面が対向する
枠側に寄せることで、カバーの他端を納まりが負けた状
態のカバーから外すことができ、負けた状態のカバーを
取り外さずに勝った状態のカバーを取り外すこともでき
る。
【0009】本発明の窓枠用断熱性カバーの取付構造
は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みした窓枠
の室内側露出面部を被覆する窓枠用断熱性カバーの取付
構造であって、前記窓枠用断熱性カバーは、窓枠の開口
内周面に配置されるとともに、この開口内周面側から前
記断熱性カバーを介して窓枠にねじ込まれたビスにより
窓枠に対してその開口面内方向に着脱可能に取り付けら
れ、前記断熱性カバーを固定するビスは、窓枠の開口内
周面側に取り付けられる付属物の固定にも兼用されてい
ることを特徴とする。
【0010】本発明においても、窓枠用断熱性カバーを
窓枠の開口内周面から配置してビス止めしているので、
ビスを外すことで断熱性カバーを窓枠から容易に取り外
して交換することができる。このため、断熱性カバーが
窓枠輸送時や設置時に破損しても、カバーのみを交換し
て補修することができる。また、窓枠用断熱性カバー
は、窓枠の開口面内方向、つまり開口面に沿ってその開
口の中心側に向かう方向に取り外しているので、四周枠
組みされた状態の窓枠からでも窓枠用断熱性カバーを取
り外すことができ、窓枠の設置後においても窓枠用断熱
性カバーを交換することができる。 さらに、窓枠には、
風止板、障子ストッパー、クレセントストッパーなどの
各種付属物が付属されている。これらの付属物を固定す
るにあたって、断熱性カバーを固定するビスを利用すれ
ばビスの本数を少なくでき、コストを低減できるととも
に、断熱性カバーの交換時の作業性も向上することがで
きる。
【0011】本発明のサッシ窓は、上枠、下枠および左
右の縦枠を四周枠組みした窓枠と、上框、下框および左
右の竪框を四周框組みして面材を組み込んだ障子とを備
えて構成されるサッシ窓であって、前記窓枠の開口内周
面には、前記障子を閉めた際に室内側に露出する露出面
部を被覆する窓枠用断熱性カバーが、前記開口内周面側
から前記断熱性カバーを介して窓枠にねじ込まれたビス
により窓枠の開口面内方向に着脱可能に取り付けられて
いるとともに、前記上枠および下枠には内外のレールが
それぞれ形成され、前記障子は外レールでガイドされる
外障子と、内レールでガイドされる内障子とを備えてお
り、前記上枠の開口内周面における外レールの室内側に
は上枠用の断熱性カバーが着脱可能に取り付けられ、下
枠の開口内周面における内レールの室内側には下枠用の
断熱性カバーが着脱可能に取り付けられ、下枠の開口内
周面における内レールの室外側でかつ各障子を閉めた際
に外障子が配置される部分には、前記外障子の室内面に
接するシールを有しかつ外障子の室内面部分から内レー
ルまでの下枠を被覆する断熱性カバーが着脱可能に取り
付けられ、一方の縦枠の開口内周面において内障子の戸
先側の竪框と対向した位置に設けられたガイド片の室内
側には縦枠用の断熱性カバーが着脱可能に取り付けら
れ、 他方の縦枠の開口内周面において外障子の室内面
に沿って形成された突部の室内側には縦枠用の断熱性カ
バーが着脱可能に取り付けられていることを特徴とす
る。
【0012】このようなサッシ窓においても、窓枠用断
熱性カバーを窓枠の開口内周面から配置してビス止めし
かつ開口面内方向に着脱可能にしているので、ビスを外
すことで断熱性カバーを四周枠組みされた窓枠から容易
に取り外して交換することができる。このため、断熱性
カバーが窓枠輸送時や設置時に破損しても、カバーのみ
を交換して補修することができ、工場等で予め断熱性カ
バーを窓枠に組み込んで輸送することもできる。
【0013】
【0014】さらに、このような引違い窓では、各枠と
障子との位置関係を考慮して窓枠の開口内周面において
各障子を閉めた際に露出する露出面部分のみに断熱性カ
バーを配置することができるため、断熱性カバーで被覆
する部分を最小限に抑えることができ、その分コストも
低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を見
やすくするために、窓枠や障子等の主要な構成部材には
断面を示すハッチングを省略して記載している。図1お
よび図2は、本実施形態のサッシ窓10の縦断面図およ
び横断面図である。
【0016】サッシ窓10は、窓枠1とアルミ樹脂複合
障子6とを組み合わせて構成されている。窓枠1は、上
枠11、下枠12と左右両端の縦枠13とを四角枠状に
接合して形成されている。上枠11、下枠12および縦
枠13は、それぞれ非鉄金属であるアルミ製の形材で構
成されている。
【0017】これらの上枠11、下枠12、縦枠13に
は、各枠11,12,13が取り付けられるまぐさ7、
窓台8、柱9の室外面に当接する取付片が形成され、こ
れらの取付片は、釘やビスによりまぐさ7、窓台8、柱
9に取り付けられている。
【0018】上枠11の下面には、外レール16が垂設
され、この外レール16の室内側つまり窓枠1の開口内
周面には断熱性カバー201が取り付けられている。上
枠11は、上枠11の室内側に配置される仕上げ材であ
る額縁210の下面(室内側表面)まで延長されていな
いが、断熱性カバー201は額縁210の下面まで延長
されており、上枠11の室内側露出面部を被覆してい
る。なお、露出面部とは、窓枠1の開口内周面において
アルミ樹脂複合障子6を閉めた際に室内側に露出する部
分(見えがかり部)を意味する。
【0019】また、上枠11には、断熱性カバー201
を介して内レール17用の部材が内レール取付ビス95
により取り付けられている。これにより、内レール17
部分は室内側に露出するが、断熱性カバー201が介在
されていることで上枠11からの熱の伝達が抑えられて
いる。
【0020】下枠12の上面には、外、内の各レール1
8,19が立設されている。また、上下枠11,12の
室外側には網戸レール20がそれぞれ設けられている。
【0021】窓枠1内に配置されるアルミ樹脂複合障子
6は、室外側に配置されて外レール16,18でガイド
される外障子6Aと、室内側に配置されて内レール1
7,19でガイドされる内障子6Bとを備えている。
【0022】これらの各障子6A,6Bは、上框61,
62と、下框63,64と、左右の竪框65,66と、
外召合せ框67および内召合せ框68とをそれぞれ四角
枠状に組んで構成されている。そして、各框61〜68
の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介し
て嵌合されている。なお、本実施形態では、室外側のガ
ラスは網入りガラスとされている。
【0023】各框61〜66,68は、それぞれアルミ
製の室外部材61A〜66A,68Aと、ポリ塩化ビニ
ル樹脂等の合成樹脂製や木製等の断熱性を有する室内部
材61B〜66B,68Bとを接合して構成されてい
る。外召合せ框67は、アルミ製の形材で構成されてい
る。
【0024】なお、各框61〜66,68の室外部材6
1A〜66A,68Aには、複層ガラス29を保持する
2つのガラス保持辺が形成されている。そして、前記室
内部材61B〜66B,68Bは、このガラス保持辺を
含めて各室外部材61A〜66A,68Aが室内側の露
出しないように、ビスや係合により取り付けられてい
る。
【0025】また、各上框61,62には、前記各レー
ル16,17を挟み込む摺動片31が嵌入され、各下框
63,64には、前記各レール18,19上を転動する
戸車32が回転自在に支持されている。また、これらの
障子6A,6Bの室外側には、網戸レール20でガイド
された網戸33がレール20に沿って移動可能に配置さ
れている。
【0026】さらに、下枠12および縦枠13には、上
枠11における断熱性カバー201と同様に、各障子6
A,6Bを閉めた際に室内側に露出する露出面部を被覆
する断熱性カバー203〜206がそれぞれ取り付けら
れている。
【0027】断熱性カバー203は、下枠12の内レー
ル19の室内側部分に取り付けられ、下枠12の室内側
に露出する露出面部つまり下枠12の開口内周面(上
面)側を被覆している。なお、下枠12は膳板211の
上面(室内側表面)まで延長され、断熱性カバー203
もこの下枠12の延長部分を完全に被覆するように延長
されている。
【0028】断熱性カバー204は、前記内レール19
の室外側に配置されている。他の断熱性カバー201〜
206は各枠11〜13の全長に渡って設けられている
のに対し、断熱性カバー204は外障子6Aを閉めた際
に外障子6Aが配置される部分、つまり本実施形態では
下枠12の全長の約半分の部分に配置されている。そし
て断熱性カバー204には軟質のヒレ204Aが室外側
に向けて一体に形成され、外障子6Aを閉めた際に外障
子6Aの室内面に圧接してシールするように構成されて
いる。
【0029】断熱性カバー205は、一方の縦枠13
(室内側から見て右側つまり内観右端部の縦枠13)に
おいて内障子6Bの戸先側の竪框66と対向した位置に
設けられたガイド片13Dの室内側部分に取り付けら
れ、ガイド片13Dの室内側における開口内周面側、つ
まり内障子6Bを閉めた際に室内側に露出する露出面部
を被覆している。
【0030】断熱性カバー206は、他方の縦枠13
(内観左端部の縦枠13)において外障子6Aの戸先側
の竪框65の室内面にほぼ沿った位置に設けられて竪框
65の室内面に接するシール材が取付可能に形成された
突部13Eの室内側部分に取り付けられ、突部13Eよ
りも室内側における開口内周面側、つまり外障子6Aを
閉めた際に室内側に露出する露出面部をそれぞれ被覆し
ている。なお、本実施形態では断熱性カバー206に竪
框65に接するシール部分を設けており、突部13Eに
はシール材を設けていないが、断熱性カバー206では
なく突部13Eにシール材を設けてもよい。
【0031】なお、各縦枠13および断熱性カバー20
5,206も、下枠12および断熱性カバー204と同
様に、額縁212の内面まで延長されている。
【0032】各断熱性カバー201,203〜206
は、それぞれ窓枠1の開口内周面側からねじ込まれたビ
スで各枠11〜13および額縁210,212、膳板2
11に固定されている。
【0033】すなわち、上枠11の開口内周面(下面)
に配置された断熱性カバー201は、断熱性カバー20
1のアングル部を額縁210に固定するアングル部取付
ビス91と、前記内レール取付ビス95と、断熱性カバ
ー201を上枠11に固定するカバー取付ビス100に
より、上枠11および額縁210に対して開口面内方向
つまり上枠11に対して下方に着脱可能に取り付けられ
ている。従って、内レール取付ビス95は、レール17
および断熱性カバー201の取り付けに共用されてい
る。なお、本実施形態では、断熱性カバー201のアン
グル部にアルミ等の金属製の補強部材90を配置してビ
ス止め時に波打ちや凹み等が生じないように補強してい
るが、この補強部材90は設けなくてもよい。
【0034】また、断熱性カバー203の室内側端部
(アングル部)は、下枠12を介して額縁210にアン
グル部取付ビス91で開口面内方向つまり下枠12に対
して上方に着脱可能に固定されている。また、断熱性カ
バー203の室外側は、室外側に形成された凹溝に断熱
性カバー204を固定するビス207の先端を係合させ
ることで固定されている。断熱性カバー204は、その
下端片が下枠12に形成された突部12Eに係合される
とともに、その上端片がビス207で下枠12に開口面
内方向に着脱可能に取り付けられている。
【0035】縦枠13に取り付けられた各断熱性カバー
205,206は、図2に示すように、アングル部取付
ビス91により縦枠13を介して額縁212に着脱可能
に取り付けられるとともに、カバー取付ビス100によ
り縦枠13に開口面内方向に着脱可能に取り付けられて
いる。
【0036】また、各断熱性カバー201,203,2
05,206の室内側端縁には、図示しない軟質のヒレ
が形成されており、このヒレが各額縁210,212や
膳板211に圧接することで室内側の空気が断熱性カバ
ー201,203,205,206の裏面側(仕上げ材
側)に侵入しないようにシールしている。
【0037】このような本実施形態において、サッシ窓
10を構成するには、窓枠1を、まぐさ7、窓台8、柱
9にビスや釘等で固定した後、各障子6A,6Bを窓枠
1内に組み込む。この際、各断熱性カバー201〜20
6は、各枠11,12,13に工場などで予めあるいは
現場で窓枠1を建物開口に固定した後に各ビス91,1
00等で固定する。
【0038】そして、各断熱性カバー201〜206を
交換する必要が生じた場合には、次のようにして行う。
なお、各カバー201〜206を交換する場合、予め各
障子6A,6Bは窓枠1から取り外しておく。
【0039】まず、内観左端部の縦枠13の断熱性カバ
ー206を取り外すには、図3にも示すように、まず、
アングル部取付ビス91、カバー取付ビス100を外
す。そして、下枠12の内レール19の一部に係合され
ている下枠クレセントストッパー301を、ドライバー
などを下枠12および下枠クレセントストッパー301
間に差し込み、持ち上げること等で取り外す。また、上
枠クレセントストッパー302の取付ビス101を外
し、上枠クレセントストッパー302を取り外す。そし
て、断熱性カバー206を上端側から順次取り外す。
【0040】なお、断熱性カバー206は、図2に示す
ように、縦枠13の突部13Eに係合する係合突部20
6Aを備えている。本実施形態では、この係合突部20
6Aの突出寸法を小さくすることで、カバー取付ビス1
00で固定されている場合には係合突部206Aが突部
13Eに係合してカバー206の室外側端縁が外れない
ようにするとともに、各ビス91,100を外した場合
にはカバー206の室内側を縦枠13から離すことで係
合突部206Aの係合を容易に解除して取り外せるよう
にされている。また、カバー206は、上下枠11,1
2のレール16〜19等の突起部分と干渉する部分は加
工により削除してある。
【0041】一方、新しいカバー206を縦枠13に取
り付けるには、前記取り外し工程とは逆に施工すればよ
い。すなわち、新しいカバーを縦枠13の内周面にはめ
込み、まずアングル部取付ビス91でカバー206を額
縁212に固定し、カバー206の固定部に波打ちが無
いことを確認の上、カバー取付ビス100をねじ込んで
カバー206を縦枠13に取り付ける。さらに、各スト
ッパー301,302は、ビス101やレール19への
嵌合で取り付ければよい。
【0042】同様に、内観右端部の縦枠13の断熱性カ
バー205を取り外すには、図4に示すように、アング
ル部取付ビス91、カバー取付ビス100を外し、断熱
性カバー205を上端側から取り外せばよい。このカバ
ー205もレール17,19と干渉する部分は加工によ
り削除されている。
【0043】新しいカバー205を縦枠13に取り付け
る場合も、カバー206と同様に行えばよい。すなわ
ち、新しいカバー205を縦枠13の内周面にはめ込
み、まずアングル部取付ビス91でカバー205を額縁
212に固定し、カバー205に波打ちが無いことを確
認の上、カバー取付ビス100をねじ込んでカバー20
5を縦枠13に取り付ける。
【0044】一方、上枠11および下枠12の各カバー
201,203,204を取り外す場合には、これらの
各カバー201,203,204が縦枠13のカバー2
05,206に対して納まりが勝っているため、先にカ
バー205,206を前述の手順で取り外してから行
う。
【0045】すなわち、断熱性カバー201を取り外す
には、まずカバー205,206を取り外した後、図
5、6に示すように、断熱性カバー201を固定してい
るアングル部取付ビス91、内レール取付ビス95、カ
バー取付ビス100をそれぞれ取り外す。さらに、上枠
風止板303,上枠障子ストッパー304等の上枠11
に取り付けられている付属品のビス101を緩めて取り
外し、各付属品も取り外す。
【0046】次に、内観左端部における上枠11の外レ
ール16と樹脂製の断熱性カバー201との間にマイナ
スドライバーなどを差し込み、断熱性カバー201を室
内側に引き出す。なお、外レール16部分は、図7に示
すように、その下端が室内側に折曲されてポケット部1
6Aが形成され、このポケット部16Aに断熱性カバー
201の僅かに折曲された端部201Aが嵌入されてい
る。そして、外レール16の左端の折曲部は一部が切り
欠かれており、その切り欠き部16Bにマイナスドライ
バー250などを差し込むことで断熱性カバー201の
端部を室内側に引き出すことができるようになってい
る。
【0047】そして、ドライバー250をそのまま外レ
ール16に沿って移動すると、順次断熱性カバー201
のポケット部16Aに嵌入されていたレール先端部20
1Aが外レール16の室内側に引き出される。そして、
断熱性カバー201を内観左端側から下方に引っ張り、
上枠11から取り外す。
【0048】一方、断熱性カバー201を取り付けるに
は、上記取り外し手順とは逆に、まず上枠11の内観右
端部側に断熱性カバー201を差し込み、左側を持ち上
げて上枠11と額縁210間に嵌合する。さらに、断熱
性カバー201のレール先端部201Aを外レール16
のポケット部16Aに手で全長押し込む。
【0049】次に、各ビス91,95,100をねじ込
んで断熱性カバー201を上枠11および額縁210に
固定する。さらに、上枠風止板303,上枠障子ストッ
パー304をそれぞれ取付ビス101を用いて固定す
る。以上により断熱性カバー201が上枠11に取り付
けられ、さらに断熱性カバー201を交換するために外
していた断熱性カバー205,206を縦枠13に取り
付けることで、断熱性カバー201の交換作業が完了す
る。
【0050】また、下枠12の断熱性カバー203,2
04を取り外す場合も、まずカバー205,206を取
り外した後、図8に示すように、断熱性カバー203,
204を固定しているアングル部取付ビス91、ビス2
07をそれぞれ取り外す。さらに、下枠風止板305等
の下枠12に取り付けられている付属品のビス101を
緩めて取り外し、各付属品も取り外す。
【0051】次に、断熱性カバー203を図9に示すよ
うに、室内側から持ち上げて上方に引き出して取り外
す。断熱性カバー203の室外側端部の上縁は、レール
19の室内面に僅かに突出された突出部19Aに係合さ
れているが、図9に示すように引き出すことで断熱性カ
バー203を容易に取り外すことができる。
【0052】また、断熱性カバー204は、図9に示す
ように、斜め下方に引き出して取り外す。この断熱性カ
バー203も、下枠12の突部12Eやレール19の室
外面に突出された突出部19B等に係合されているが、
図9に示すように引き出すことで容易に取り外すことが
できる。
【0053】一方、断熱性カバー203,204を取り
付けるには、上記取り外し手順とは逆に、まず断熱性カ
バー203,204を下枠12にはめ込み、下枠風止板
305をビス101で取り付ける。さらに、断熱性カバ
ー203をアングル部取付ビス91で取り付け、断熱性
カバー203のアングル部に波打ちが無いことを確認の
上、断熱性カバー204および断熱性カバー203を固
定するビス207を取り付ける。以上により断熱性カバ
ー203,204が下枠12に取り付けられ、さらに断
熱性カバー203,204を交換するために外していた
断熱性カバー205,206を縦枠13に取り付けるこ
とで、断熱性カバー203,204の交換作業が完了す
る。
【0054】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。 1)各断熱性カバー201〜206を窓枠1の開口内周
面側に配置すると共に、各カバー201〜206を取り
付けるビス91,95,100,101,207を全て
開口内周面側からねじ込んでいるので、ビス91,9
5,100,101,207を取り外すことで各断熱性
カバー201〜206を窓枠1の開口面内方向(開口内
部側)に容易に取り外すことができる。このため、サッ
シ窓10の施工後などであっても、四周枠組みされた窓
枠からカバー201〜206を取り外すことができ、窓
枠1の輸送時等や建物に設置後にカバー201〜206
が破損したり傷ついても、カバー201〜206を交換
して容易に補修することができ、傷などによるカバー2
01〜206の外観低下も無くすことができる。その
上、リフォームなどで室内壁面の色を変えた場合等に、
断熱性カバー201〜206を交換して室内壁面色等に
応じた色のカバー201〜206に変更することもで
き、意匠性を向上することもできる。
【0055】2)各カバー201〜206を固定するビ
スの一部を、風止板などの付属品の固定にも兼用してい
るので、ビスの本数を少なくでき、コストを低減できる
とともに、断熱性カバーの交換時の作業性も向上するこ
とができる。
【0056】3)各カバー201〜206は、各枠11
〜13に係止される部分を利用しながらビス止めしてい
るので、ビスの本数を少なくでき、この点でもコストを
低減できるとともに、断熱性カバー201〜206の交
換時の作業性も向上することができる。また、各カバー
201〜206が係止される係合突部206A、突出部
19A,19B,突部12E等の係止部は、最小限の寸
法に形成されているので、ビスを取り外した状態にすれ
ば、各カバー201〜206を係止状態から取り外すこ
とも容易であり、作業性を向上できる。
【0057】4)下枠12、縦枠13を各カバー20
3,205,206の裏面側に配置して補強しているの
で、アングル部取付ビス91をねじ込んでも断熱性カバ
ー203,205,206に波打ちや凹み等が生じず、
意匠性の低下を防止することができる。
【0058】5)窓枠1の露出面部には断熱性カバー2
01〜206が被覆されているので、窓枠1での結露を
抑えることができ、窓枠1における断熱性能を高めるこ
とができる。
【0059】6)各断熱性カバー201,203,20
5,206には、軟質樹脂製のヒレを設けているので、
ヒレを各額縁210,212、膳板211に接触させて
その隙間をシールすることができる。このため、室内の
空気が断熱性カバー201,203,205,206の
裏面側(仕上げ材側)に流入することを防止でき、その
部分での結露発生も抑えることができる。
【0060】7)断熱性カバー201,203,20
5,206を、額縁210,212、膳板211の室内
側表面まで延長しているので、額縁210,212、膳
板211と窓枠1,2との接続ラインが断熱性カバー2
01,203,205,206で被覆されて室内側に露
出しないので意匠性を向上できる。さらに、各枠11,
12,13に室内側の空気が触れることがほとんど無く
なるため、断熱性カバー201,203,205,20
6の裏面側での結露発生も一層抑えることができる。
【0061】なお、本発明は、前述の実施形態に限定さ
れない。例えば、前記実施形態では、各カバー201〜
206の納まりを横勝ちにしていたが、縦勝ちにしても
よい。この納まりによって、カバー201〜206を取
り外す順序を適宜設定すればよい。
【0062】また、例えば、図10(A)に示すよう
に、勝った状態のカバー201,203の両端面と縦枠
13との隙間寸法(a+b)を、負けた状態の一方のカ
バー205,206の見付け寸法cよりも大きく形成す
れば、カバー201,203のビスを外した後に、図1
0(B)に示すように、カバー201,203を一方の
枠13側に寄せることで、カバー205,206を取り
外さずにカバー201,203を取り外すこともでき
る。このため、特に納まりが勝った状態のカバー20
1,203を容易に取り外すことができて交換作業性を
向上することができる。
【0063】さらに、断熱性カバー201,203の長
さ寸法は、各縦枠13間の間隔よりも短くなるため、各
カバー205,206を取り外した後に取り外す場合で
も、断熱性カバー201,203の端面が縦枠13から
僅かに離れていて摩擦なども生じないため、各カバー2
01,203を比較的簡単に外すことができる。なお、
各カバー201,203と縦枠13との間に隙間が生じ
るが、この隙間部分は断熱性カバー205,206の形
状等を適宜工夫することで隠すことができ、外観や断熱
性能の低下も防止できる。
【0064】さらに、各カバー201〜206の具体的
な形状、係合構造などは前記実施形態に限らず、実施に
あたって適宜設定すればよい。例えば、前記実施形態で
は、上枠11の断熱性カバー201はレール17を取り
付け可能に構成していたが、カバー201のみでレール
17部分を構成してもよい。また、図11に示すよう
に、レール16等と断熱性カバー201等との係合構造
を変更し、レール16等から断熱性カバー201が容易
に取り外すことができるように構成してもよい。
【0065】各断熱性カバー201〜206を窓枠1に
取り付けるビスは、91,95,100,101のよう
に各枠11〜13の内周面に直交する方向から取り付け
られるものに限らず、ビス207のように室内外方向か
ら取り付けられるものでもよい。要するに、ビスは、窓
枠の開口内周面側つまり開口内部側でのビス止め作業に
より前記断熱性カバーを介して窓枠にねじ込まれていれ
ばよい。
【0066】また、サッシ窓の窓枠としては、前記実施
形態のように各枠11〜13がアルミなどの非鉄金属で
構成されたものに限らず、各枠が合成樹脂などの断熱性
部材で構成されたもの、非鉄金属製の室内部材および室
外部材とこの室内外部材を連結する断熱部材とで構成さ
れたもの、非鉄金属製の室外部材と合成樹脂製の室内部
材とで構成されたものなどが利用できる。
【0067】さらに、障子としては前記実施形態のもの
に限らず、例えば非鉄金属製の室外部材と室内部材とを
別々に成形し、合成樹脂製の板状の2枚の断熱部材を各
部材間に配置してかしめて連結した框材を組み合わせた
断熱障子を用いてもよい。また、非鉄金属製の室外部材
と木製の室内部材とを接合して構成された框材を組み合
わせた断熱複層障子を用いてもよい。さらには、各框が
アルミ形材などで構成される一般的な障子を用いてもよ
い。また、障子6には複層ガラス29を配置していた
が、単板ガラスを配置してもよく、これらも断熱性能な
どを考慮して設定すればよい。
【0068】さらに、前記実施形態では、引違い窓とし
て用いられるサッシ窓について説明したが、本発明は、
引違い窓以外の片引き窓、開き窓、辷り出し窓、縦辷り
出し窓、上げ下げ窓、内開き窓、外開き窓等の窓枠と障
子とを有する各種サッシ窓に適用することができる。
【0069】
【発明の効果】このような本発明の窓枠用断熱性カバー
の取付構造およびサッシ窓によれば、サッシ窓の設置後
であっても四周枠組みされた窓枠の断熱性カバーを交換
することができ、断熱性カバーが破損したり、傷ついた
際に新しい断熱性カバーに交換することなどで簡単に補
修することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるサッシ窓を示す縦
断面図である。
【図2】図1に示すサッシ窓の横断面図である。
【図3】図1に示すサッシ窓の縦枠に取り付けられた断
熱性カバーの取り外し工程を示す概略図である。
【図4】図1に示すサッシ窓の縦枠に取り付けられた断
熱性カバーの取り外し工程を示す概略図である。
【図5】図1に示すサッシ窓の上枠に取り付けられた断
熱性カバーの取り外し工程を示す概略図である。
【図6】図1に示すサッシ窓の上枠に取り付けられた断
熱性カバーの取り外し工程を示す概略図である。
【図7】サッシ窓の上枠と断熱性カバーの外レール部分
における係合構造を示す断面図である。
【図8】図1に示すサッシ窓の下枠に取り付けられた断
熱性カバーの取り外し工程を示す概略図である。
【図9】図8に示すサッシ窓の下枠に取り付けられた断
熱性カバーの取り外し工程を示す動作説明図である。
【図10】本発明の変形例を示す概略構成図である。
【図11】サッシ窓の上枠と断熱性カバーの外レール部
分における係合構造の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】 1…窓枠、6…アルミ樹脂複合障子、6A…外障子、6
B…内障子、10…サッシ窓、11…上枠、12…下
枠、13…縦枠、91…アングル部取付ビス、95…内
レール取付ビス、100…カバー取付ビス、201,2
03〜206…断熱性カバー、207…ビス、210、
212…額縁、211…膳板、301,302…クレセ
ントストッパー、304…上枠障子ストッパー、30
3,305…風止板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−177318(JP,A) 特開 平7−26843(JP,A) 特開 平10−325280(JP,A) 特開 平11−241566(JP,A) 実開 昭59−190873(JP,U) 実開 昭57−1278(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 1/34 E06B 1/56 - 1/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組
    みした窓枠の室内側露出面部を被覆する窓枠用断熱性カ
    バーの取付構造であって、前記窓枠用断熱性カバーは、窓枠の上枠、下枠および縦
    枠に沿ってそれぞれ設けられ、かつ 窓枠の開口内周面に
    配置されるとともに、この開口内周面側から前記断熱性
    カバーを介して窓枠にねじ込まれたビスにより窓枠に対
    してその開口面内方向に着脱可能に取り付けられ 前記各断熱性カバーのうち、上下枠に取り付けられる上
    下カバーおよび縦枠に取り付けられる縦カバーの一方は
    他方に対して納まりが勝った状態で窓枠に取り付けら
    れ、かつ、前記勝った状態のカバーの両端面とその端面
    に対向する枠との間の各寸法の合計値は、負けた状態の
    2つのカバーのうちの少なくとも一方のカバーの見付け
    寸法よりも大きく設定されている 窓枠用断熱性カバーの
    取付構造。
  2. 【請求項2】 上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組
    みした窓枠の室内側露出面部を被覆する窓枠用断熱性カ
    バーの取付構造であって、 前記窓枠用断熱性カバーは、窓枠の開口内周面に配置さ
    れるとともに、この開口内周面側から前記断熱性カバー
    を介して窓枠にねじ込まれたビスにより窓枠に対してそ
    の開口面内方向に着脱可能に取り付けられ、 前記断熱性カバーを固定するビスは、窓枠の開口内周面
    側に取り付けられる付属物の固定にも兼用されている窓
    枠用断熱性カバーの取付構造。
  3. 【請求項3】 上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組
    みした窓枠と、上框、下框および左右の竪框を四周框組
    みして面材を組み込んだ障子とを備えて構成されるサッ
    シ窓であって、 前記窓枠の開口内周面には、前記障子を閉めた際に室内
    側に露出する露出面部を被覆する窓枠用断熱性カバー
    が、前記開口内周面側から前記断熱性カバーを介して窓
    枠にねじ込まれたビスにより窓枠の開口面内方向に着脱
    可能に取り付けられているとともに、 前記上枠および下枠には内外のレールがそれぞれ形成さ
    れ、前記障子は外レールでガイドされる外障子と、内レ
    ールでガイドされる内障子とを備えており、 前記上枠の開口内周面における外レールの室内側には上
    枠用の断熱性カバーが 着脱可能に取り付けられ、 下枠の開口内周面における内レールの室内側には下枠用
    の断熱性カバーが着脱可能に取り付けられ、 下枠の開口内周面における内レールの室外側でかつ各障
    子を閉めた際に外障子が配置される部分には、前記外障
    子の室内面に接するシールを有しかつ外障子の室内面部
    分から内レールまでの下枠を被覆する断熱性カバーが着
    脱可能に取り付けられ、 一方の縦枠の開口内周面において内障子の戸先側の竪框
    と対向した位置に設けられたガイド片の室内側には縦枠
    用の断熱性カバーが着脱可能に取り付けられ、 他方の縦枠の開口内周面において外障子の室内面に沿っ
    て形成された突部の室内側には縦枠用の断熱性カバーが
    着脱可能に取り付けられている サッシ窓。
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