JP3362747B2 - オレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体の製造方法

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JP3362747B2 JP29044193A JP29044193A JP3362747B2 JP 3362747 B2 JP3362747 B2 JP 3362747B2 JP 29044193 A JP29044193 A JP 29044193A JP 29044193 A JP29044193 A JP 29044193A JP 3362747 B2 JP3362747 B2 JP 3362747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はオレフィン系重合体の製
造方法の改良に関する。さらに詳しくは、高価なメチル
アルミノキサンやホウ素化合物を用いなくても、高活性
を有し、かつ既存触媒との併用又は混合使用が可能なメ
タロセン担持触媒を使用して、パウダーモルフォロジー
の良好なオレフィン系単独重合体や共重合体を効率よく
製造する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ポリエチレン類やポリプロピレン類など
のオレフィン系重合体は、汎用樹脂として多くの分野に
おいて幅広く用いられている。このオレフィン系重合体
は、チーグラー・ナッタ型触媒を基本とする触媒系で製
造されることが知られているが、近年、高活性の均一系
触媒であるカミンスキー型触媒が注目されるようになっ
てきた。しかしながら、このカミンスキー型触媒は、
(1)高価なメチルアルミノキサンやホウ素化合物を必
須成分として用いているために、触媒コストが高くつく
のを免れない、(2)均一系触媒であるために、ポリオ
レフィン製造用主要プロセス(スラリー重合法,気相重
合法)への適用が、得られるポリマーのパウダーモルフ
ォロジー不良などにより不可能である、(3)上記理由
のために既存触媒との併用若しくは混合使用が困難であ
る、などの欠点を有している。したがって、このような
欠点を解消するために、メチルアルミノキサンやホウ素
化合物を使用しなくても高活性を有する担持型触媒の開
発が望まれていた。このような担持型触媒については、
この目的を達成しようとする先駆的な例は、「マクロモ
レキュラル・ケミストリイ(Makromol.Chem.) 」第19
4巻,第1745ページ(1993年)に記載されてお
り、触媒の活性の一定程度の改善が図られている。しか
し、この触媒は、工業的なレベルで使用するには、更に
触媒活性の向上並びに得られるポリマーのパウダーモル
フォロジーの改善という課題を有するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高価なメチルアルミノキサンやホウ素化
合物を用いなくても高活性を有し、かつ既存触媒との併
用又は混合使用が可能なメタロセン担持型触媒を使用し
て、パウダーモルフォロジーの良好なオレフィン系単独
重合体や共重合体を効率よく製造する方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のマグネ
シウム化合物と特定のハロゲン含有アルミニウム化合物
との反応により得られたアルミニウム及びマグネシウム
含有固体成分と、シクロペンタジエニル基含有チタン化
合物とを反応させて得られた固体触媒成分、及び有機ア
ルミニウム化合物からなる触媒を用いることにより、そ
の目的を達成しうることを見出した。本発明はかかる知
見に基づいて完成したものである。 【0005】すなわち、本発明は、(A)(イ)(a)
一般式(I) Mg〔R1(O)k m 1 2-m ・・・(I) 〔式中、X1 はハロゲン原子、R1 は炭素数1〜20の
炭化水素基,kは0または1,mは0〜2の実数を示
し、R1(O)k が複数ある場合は、各R1(O)k は同じ
でも異なっていてもよく、X1 が複数ある場合は、各X
1 は同じでも異なっていてもよい。〕で表されるマグネ
シウム化合物と(b)一般式(II) AlR2 n 2 3-n ・・・(II) 〔式中、R2 は炭素数1〜20の炭化水素基,X2 はハ
ロゲン原子,nは0〜2の実数を示し、R2 が複数ある
場合は、各R2 は同じでも異なっていてもよく、X2
複数ある場合は、各X2 は同じでも異なっていてもよ
い。〕で表されるアルミニウム化合物との反応により得
られたアルミニウム及びマグネシウム含有固体成分と、
(ロ)置換若しくは無置換のシクロペンタジエニル基を
少なくとも1個有するチタン化合物(ここで、該シクロ
ペンタジエニル基を複数有する場合は、各シクロペンタ
ジエニル基は同じでも異なっていてもよい。)とを反応
させることにより得られた固体触媒成分、及び(B)有
機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下、オレフィ
ン類を単独重合又はオレフィンと他のオレフィン類及び
/又は他の重合性不飽和化合物とを共重合させることを
特徴とするオレフィン系重合体の製造方法を提供するも
のである。 【0006】本発明の方法においては、重合用触媒とし
て、(A)固体触媒成分及び(B)有機アルミニウム化
合物からなるものが用いられる。上記(A)固体触媒成
分は、(イ)成分であるアルミニウム及びマグネシウム
含有固体成分と、(ロ)成分である置換若しくは無置換
のシクロペンタジエニル基を少なくとも1個有するチタ
ン化合物とを反応させることにより得られたものであ
り、また該(イ)成分のアルミニウム及びマグネシウム
含有固体成分は、(a)マグネシウム化合物と(b)ア
ルミニウム化合物との反応により得られたものである。
ここで、上記(a)成分のマグネシウム化合物として
は、一般式(I) Mg〔R1(O)k m 2-m ・・・(I) で表される化合物が用いられる。 【0007】一般式(I)において、X1 は塩素原子や
臭素原子などのハロゲン原子、R1は炭素数1〜20の
炭化水素基、kは0又は1を示す。該R1(O)k として
は、炭素数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基,炭
素数6〜20のシクロアルキル基又はシクロアルコキシ
基,炭素数6〜20のアリール基又はアリールオキシ
基,炭素数7〜20のアリールアルキル基又はアリール
アルコキシ基などが挙げられる。mは0〜2の実数を示
す。また、X1 が複数ある場合は、各X1 は同じでも異
なっていてもよく、R1(O)k が複数ある場合は、各R
1(O)k は同じでも異なっていてもよい。 【0008】上記一般式(I)で表されるマグネシウム
化合物の具体例としては、ジエチルマグネシウム,エチ
ルブチルマグネシウム,エチルヘキシルマグネシウム,
エチルオクチルマグネシウム,ジブチルマグネシウム,
ブチルヘキシルマグネシウム,ブチルオクチルマグネシ
ウム,ジヘキシルマグネシウム,ジシクロヘキシルマグ
ネシウム,ジメトキシマグネシウム,ジエトキシマグネ
シウム,ジ−n−プロポキシマグネシウム,ジブトキシ
マグネシウム,ジフェノキシマグネシウム,ジベンジロ
キシマグネシウム,エトキシフェノキシマグネシウム,
ブチルマグネシウムイソプロポキシド,メトキシマグネ
シウムクロリド,エチルマグネシウムクロリド,エトキ
シマグネシウムクロリド,ブチルマグネシウムクロリ
ド,ブトキシマグネシウムクロリド,エチルマグネシウ
ムブロミド,エトキシマグネシウムブロミド,マグネシ
ウムジクロリド,マグネシウムジブロミドなどが挙げら
れる。これらの中では、エチルブチルマグネシウム,ジ
メトキシマグネシウム,ジエトキシマグネシウム,ジブ
トキシマグネシウム,エチルマグネシウムクロリド,エ
チルマグネシウムブロミド,エトキシマグネシウムクロ
リド,エトキシマグネシウムブロミド,マグネシウムジ
クロリド,マグネシウムジブロミドなどが好適である。
これらのマグネシウム化合物は一種用いてもよいし、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。 【0009】また、上記(b)成分のアルミニウム化合
物としては、一般式(II) AlR2 n 2 3-n ・・・(II) で表される化合物が用いられる。一般式(II)におい
て、R2 は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、飽和基
や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分岐鎖を
有するもの、あるいは環状のものであってもよく、さら
には、硫黄,窒素,酸素,珪素,リンなどのヘテロ原子
を有するものであってもよいが、好ましいものとして
は、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜20のア
ルケニル基,炭素数6〜20のシクロアルキル基,炭素
数6〜20のシクロアルケニル基,炭素数6〜20のア
リール基,炭素数7〜20のアリールアルキル基を挙げ
ることができる。X2 は塩素原子や臭素原子などのハロ
ゲン原子を示し、nは0〜2の実数を示す。R2 が複数
ある場合は、各R2 は同じでも異なっていてもよく、X
2 が複数ある場合は、各X2 は同じでも異なっていても
よい。 【0010】上記一般式(II)で表されるアルミニウム
化合物の具体例としては、アルミニウムトリクロリド,
メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジ
クロリド,n−プロピルアルミニウムジクロリド,イソ
プロピルアルミニウムジクロリド,n−ブチルアルミニ
ウムジクロリド,イソブチルアルミニウムジクロリド,
ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウム
クロリド,ジ−n−プロピルアルミニウムクロリド,ジ
イソプロピルアルミニウムクロリド,ジ−n−ブチルア
ルミニウムクロリド,ジ−イソブチルアルミニウムクロ
リド,エチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げら
れる。これらの中で、特にエチルアルミニウムジクロリ
ド,エチルアルミニウムセスキクロリド及びジエチルア
ルミニウムクロリドが好適である。これらのアルミニウ
ム化合物は一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。 【0011】該(イ)成分、すなわちアルミニウム及び
マグネシウム含有固体成分の調製は、上記(a)成分の
マグネシウム化合物と(b)成分のアルミニウム化合物
とを、Al/Mg原子比が好ましくは0.5〜100、よ
り好ましくは2〜20になるような割合で反応させるこ
とにより行われる。反応方法としては、触媒粒径制御の
点から、まず0〜50℃程度の低温で0.1〜6時間、好
ましくは0.5〜2時間反応させ、次いで、反応を完結さ
せるために50〜100℃程度の高温で0.1〜6時間、
好ましくは0.5〜2時間反応させるのが望ましい。最終
的な固体成分中のアルミニウム含有量は0.01〜10重
量%の範囲に制御するのがよい。このようにして得られ
た(イ)成分の固体成分に反応させる(ロ)成分の遷移
金属化合物としては、置換若しくは無置換のシクロペン
タジエニル基を少なくとも1個有するチタン化合物(こ
こで、該シクロペンタジエニル基を複数有する場合は、
各シクロペンタジエニル基は同じでも異なっていてもよ
い。)が用いられる。このチタン化合物としては、様々
なものがあるが、例えば一般式(III) Cp* a 3 b TiX3 4-a-b ・・・(III) で表される化合物を好ましく挙げることができる。上記
一般式(III) において、Cp* はシクロペンタジエニル
基又は置換シクロペンタジエニル基、R3 は水素原子,
水酸基,炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水
素基,炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキ
シ基,アミノ基又は置換アミノ基、X3 は塩素原子や臭
素原子などのハロゲン原子を示す。また、a及びbは、
それぞれ1≦a≦4,0≦b≦3及び1≦a+b≦4の
関係を満たす整数である。Cp* ,R3 及びX3 がそれ
ぞれ複数ある場合は、複数のCp* ,複数のR3 及び複
数のX3 は、ぞれぞれにおいて同じでも異なっていても
よい。 【0012】上記一般式(III) で表されるチタン化合物
の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムモノクロリドハイドライド,ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムモノブロミドハイドライド,ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジブロミド,ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムエチルクロリ
ド,ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェニル
クロリド,ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメ
チルハイドライド,ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムエチルハイドライド,ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムフェニルハイドライド,ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジハイドライド,ビス(シク
ロペンタジエニル)チタニウムメチルブトキシド,ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムブトキシクロリ
ド,ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムヒドロキ
シクロリド,ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
ジエチルアミノクロリド,ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロリド,ビス(1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド,ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロリド,ビス(インデニル)チタニウムジクロリド,エ
チレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド,シク
ロペンタジエニルチタニウムトリクロリド,シクロペン
タジエニルチタニウムメチルジクロリド,シクロペンタ
ジエニルチタニウムエチルジクロリド,シクロペンタジ
エニルインデニルチタニウムジクロリド,シクロペンタ
ジエニルチタニウムトリメチル,シクロペンタジエニル
チタニウムトリフェニル,シクロペンタジエニルチタニ
ウムジメチルハイドライドなどが挙げられる。これらの
中では、特にビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
ジクロリド及びビス(インデニル)チタニウムジクロリ
ドが好適である。これらのチタン化合物は一種用いても
よいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。 【0013】該重合用触媒における(A)成分の固体触
媒成分の調製は、前記(イ)成分のアルミニウム及びマ
グネシウム含有固体成分と上記(ロ)成分のチタン化合
物とを、Ti/Mg原子比が好ましくは0.01〜10
0、より好ましくは0.05〜50になるような割合で、
0〜200℃程度、好ましくは10〜80℃の範囲の温
度において1分〜48時間程度、好ましくは0.5〜24
時間反応させることにより、行われる。 【0014】本発明における重合用触媒においては、上
記(A)成分の固体触媒成分と共に、(B)成分として
有機アルミニウム化合物が用いられる。この有機アルミ
ニウム化合物については、特に制限はないが、通常一般
式(IV)及び(V) R4 p AlX4 3-p ・・・(IV) R4 2 AlOR5 ・・・(V) で表されるものが用いられる。上記一般式(IV)及び
(V)において、R4 及びR5 は、それぞれ炭素数1〜
20のアルキル基,炭素数2〜20のアルケニル基,炭
素数6〜20のシクロアルキル基,炭素数6〜20のシ
クロアルケニル基,炭素数6〜20のアリール基,炭素
数7〜20のアリールアルキル基などの炭化水素基、X
4 は塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を示す。p
は1〜3の実数である。また、R4 が複数ある場合は、
各R4 は同じでも異なっていてもよく、X4 が複数ある
場合は、各X4 は同じでも異なっていてもよい。 【0015】該有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウ
ム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルア
ルミニウム,ジエチルアルミニウムクロリド,ジイソプ
ロピルアルミニウムクロリド,ジイソブチルアルミニウ
ムクロリド,ジエチルアルミニウムメトキシド,ジメチ
ルアルミニウムエトキシド,ジエチルアルミニウムブト
キシド,ジエチルアルミニウムフェノキシド,エチルア
ルミニウムジクロリド,イソプロピルアルミニウムジク
ロリド,メチルアルミニウムセスキクロリド,エチルア
ルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。これらの
中では、トリアルキルアルミニウムが好適である。これ
らの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよいし、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。上記(B)成分の
有機アルミニウム化合物は、(A)成分の固体触媒成分
における(ロ)成分のチタン化合物1モルに対して、通
常10-1〜105 モル、好ましくは1〜104 モルの割
合で用いられる。 【0016】本発明の方法においては、上述した重合用
触媒の存在下、オレフィン類を単独重合又はオレフィン
と他のオレフィン類及び/又は他の重合性不飽和化合物
とを共重合させて、オレフィン系重合体を製造する。該
オレフィン類については、特に制限はないが、炭素数2
〜20のα−オレフィンが好ましい。このα−オレフィ
ンとしては、例えばエチレン;プロピレン;ブテン−
1;ペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1;ノネ
ン−1;デセン−1;ウンデセン−1;ドデセン−1;
テトラデセン−1;ヘキサデセン−1;オクタデセン−
1;エイコセン−1などの直鎖状モノオレフィン、3−
メチルブテン−1;3−メチルペンテン−1;4−メチ
ルペンテン−1;2−エチルヘキセン−1;2,2,4
−トリメチルペンテン−1などの分岐鎖モノオレフィン
などを挙げることができる。これらのオレフィン類は一
種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。二種以上のオレフィンの共重合を行う場合、上記オ
レフィン類を任意に組み合わせることができる。 【0017】また、本発明においては、上記オレフィン
類と他の重合性不飽和化合物とを共重合させてもよく、
この際用いられる他の重合性不飽和化合物としては、例
えばスチレン,p−メチルスチレン,イソプロピルスチ
レン,t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、
ブタジエン,イソプレン,クロロプレンなどの共役ジオ
レフィン類、1,5−ヘキサジエン;1,6−ヘプタジ
エン;1,7−オクタジエン;1,8−ノナジエン;
1,9−デカジエン;2,5−ジメチル−1,5−ヘキ
サジエン;1,4−ジメチル−4−t−ブチル−2,6
−ヘプタジエンなどの非共役ジオレフィン類、シクロブ
テン;シクロペンテン;シクロヘキセン;シクロヘプテ
ン;シクロオクテン;ノルボルネン;1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン;2−ノルボルネンなどの環状オレ
フィン類、ノルボルナジエン,5−エチリデンノルボル
ネン,5−ビニルノルボルネン,ジシクロペンタジエン
などの環状ジオレフィン類、1,5,9−デカトリエン
などのポリエン類、アクリル酸エチル,メタクリル酸メ
チルなどの不飽和エステル類、β−プロピオラクトン,
β−ブチロラクトン,γ−ブチロラクトンなどのラクト
ン類、ε−カプロラクタム,δ−バレロラクタムなどの
ラクタム類、エポキシプロパン;1,2−エポキシブタ
ンなどのエポキシド類などを挙げることができる。 【0018】本発明の方法は、特にエチレン系重合体の
製造に好ましく適用される。この場合、エチレンを単独
で重合させてもよいし、エチレンと上記他のオレフィン
類及び/又は上記他の重合性不飽和化合物とを共重合さ
せてもよい。本発明において、重合方法は特に制限され
ず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重
合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよい
が、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。重合
温度及び重合圧力については、特に制限はないが、重合
温度は、通常40〜150℃の範囲で選ばれ、また重合
圧力は、通常1〜30気圧の範囲で選ばれる。また、反
応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記
(ロ)成分のチタン化合物(モル比)が、好ましくは1
〜108 、より好ましくは100〜105 となるように
選ぶのがよい。重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族
炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシ
クロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサ
ン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロ
ホルム,ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素など
を用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用
いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。ま
た、α−オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いて
もよい。得られるオレフィン系重合体の分子量の調節
は、従来触媒と同様に水素を用いて行うことができる。 【0019】本発明においては、前記重合用触媒を用い
て予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒
成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることに
より行うことができるが、その方法に特に制限はなく、
公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオ
レフィンについては特に制限はなく、前記に例示したも
のと同様のもの、例えばエチレン、炭素数3〜20のα
−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げるこ
とができるが、該重合において用いるオレフィンと同じ
オレフィンを用いることが有利である。なお、図1は本
発明の実施態様の一例を示すフローチャートである。 【0020】 【実施例】更に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。 実施例1 (1)固体触媒成分(A)の調製 充分に乾燥し、予め窒素で置換した内容積500ミリリ
ットルの三つ口セパラブルフラスコに、ジエトキシマグ
ネシウム〔Mg(OEt)2 〕14g及び精製ヘキサン
120ミリリットルを仕込み、次いで、エチルアルミニ
ウムジクロリド(AlEtCl2 )の50wt%ヘキサ
ン溶液140ミリリットルを1時間かけて加えた。この
際、反応温度は30〜40℃に、攪拌回転数は350r
pmに制御した。次いで、昇温して、還流温度で1時間
反応を続けたのち、得られた固相部を大過剰の精製ヘキ
サンで洗浄し、固体成分(イ)を得た。この固体成分
(イ)中のアルミニウム含有量は1.3wt%であった。
次に、上記固体成分(イ)2gに対して、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジクロリド(Cp2 TiC
2 )0.88ミリモルを含むトルエン溶液170ミリリ
ットルを加え、30℃で20時間攪拌下に反応させたの
ち、固相部を精製トルエンで充分に洗浄して固体触媒成
分(A)を得た。 【0021】(2)エチレンの重合 内容積1リットルのオートクレーブに乾燥ヘキサン40
0ミリリットル,トリイソブチルアルミニウム(Ali
−Bu3)4.0ミリモル及び上記(1)で調製した固体触
媒成分(A)20mgを仕込み、次いで、エチレンを6
kg/cm2 Gまで供給し、80℃で1時間重合を行っ
たのち、メタノールで反応を停止させた。パウダー性状
の良好なポリマーが140g得られた。重合条件、ポリ
マーの性状などを第1表に示す。 【0022】実施例2〜4 実施例1において、Ali−Bu3 の量を変えた以外
は、実施例1と同様にして実施した。その結果を第1表
に示す。 【0023】比較例1 実施例1において、固体成分(イ)の代わりに比表面積
80m2 /gのマグネシウムジクロリド(MgCl2)を
用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。その結
果を第1表に示す。 【0024】比較例2 実施例1において、固体成分(イ)の代わりにジエトキ
シマグネシウム〔Mg(OEt)2〕を用いた以外は、実
施例1と同様にして実施した。その結果を第1表に示
す。 【0025】実施例5 実施例1において、Ali−Bu3 の代わりにトリエチ
ルアルミニウム(AlEt3)を用いた以外は、実施例1
と同様にして実施した。その結果を第1表に示す。 【0026】実施例6 実施例1において、Ali−Bu 3の代わりにトリオク
チルアルミニウム(AlOct3)を用いた以外は、実施
例1と同様にして実施した。その結果を第1表に示す。 【0027】実施例7〜8 実施例1において、重合時に水素を加えた以外は、実施
例1と同様にして実施した。その結果を第1表に示す。 【0028】実施例9 実施例1において、Cp2 TiCl2 の代わりに、シク
ロペンタジエニルチタニウムトリクロリド(CpTiC
3)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。
その結果を第1表に示す。 【0029】実施例10 実施例9において、重合時に水素を加えた以外は、実施
例9と同様にして実施した。その結果を第1表に示す。 【0030】比較例3 実施例9において、固体成分(イ)の代わりに比表面積
80m2 /gのマグネシウムジクロリド(MgCl2)を
用いた以外は、実施例9と同様にして実施した。その結
果を第1表に示す。 【0031】 【表1】 【0032】 【表2】【0033】注1)極限粘度〔η〕:135℃のデカリ
ン中で測定 【0034】 【発明の効果】本発明のオレフィン系重合体の製造にお
いて用いられる重合用触媒は、高価なメチルアルミノキ
サンやホウ素化合物を用いなくても高活性を有するメタ
ロセン担持触媒であって、該触媒を用いることにより、
パウダーモルフォロジーの良好なオレフィン系単独重合
体や共重合体を効率よく製造することができる。また、
該触媒は既存触媒との併用又は混合使用が可能であると
ともに、既存プラントでの使用が可能であるなどの長所
を有している。本発明のオレフィン系重合体の製造方法
は、特にエチレン系重合体、例えば高密度ポリエチレン
(HDPE)や線状低密度ポリエチレン(L−LDP
E)などの製造に適している。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施態様の一例を示すフローチャー
トである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−168408(JP,A) 特開 昭60−90203(JP,A) 特開 昭53−134888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/64 - 4/658 CA(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)(イ)(a)一般式(I) Mg〔R1(O) k m 1 2-m ・・・(I) 〔式中、X1 はハロゲン原子、R1 は炭素数1〜20の
    炭化水素基、kは0又は1、mは0〜2の実数を示し、
    1(O) k が複数ある場合は、各R1(O)k は同じでも
    異なっていてもよく、X1 が複数ある場合は、各X1
    同じでも異なっていてもよい。〕で表されるマグネシウ
    ム化合物と(b)一般式(II) AlR2 n 2 3-n ・・・(II) 〔式中、R2 は炭素数1〜20の炭化水素基、X2 はハ
    ロゲン原子、nは0〜2の実数を示し、R2 が複数ある
    場合は、各R2 は同じでも異なっていてもよく、X2
    複数ある場合は、各X2 は同じでも異なっていてもよ
    い。〕で表されるアルミニウム化合物との反応により得
    られたアルミニウム及びマグネシウム含有固体成分と、
    (ロ)置換若しくは無置換のシクロペンタジエニル基を
    少なくとも1個有するチタン化合物(ここで、該シクロ
    ペンタジエニル基を複数有する場合は、各シクロペンタ
    ジエニル基は同じでも異なっていてもよい。)とを反応
    させることにより得られた固体触媒成分、及び(B)有
    機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下、オレフィ
    ン類を単独重合又はオレフィンと他のオレフィン類及び
    /又は他の重合性不飽和化合物とを共重合させることを
    特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
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