JP3360682B2 - 超電導線の臨界電流値を測定する装置 - Google Patents

超電導線の臨界電流値を測定する装置

Info

Publication number
JP3360682B2
JP3360682B2 JP2000320928A JP2000320928A JP3360682B2 JP 3360682 B2 JP3360682 B2 JP 3360682B2 JP 2000320928 A JP2000320928 A JP 2000320928A JP 2000320928 A JP2000320928 A JP 2000320928A JP 3360682 B2 JP3360682 B2 JP 3360682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting wire
section
current value
voltage
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000320928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001183435A (ja
Inventor
哲幸 兼子
哲明 指田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2000320928A priority Critical patent/JP3360682B2/ja
Publication of JP2001183435A publication Critical patent/JP2001183435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3360682B2 publication Critical patent/JP3360682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超電導線の臨界
電流値を測定する装置に関し、特に、長さが100mを
超える長尺超電導線の臨界電流値を測定する装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、長さが100mを超える長尺超電導線の臨界電流値
を測定する場合には、超電導線の特定区間において臨界
電流値を測定し、その臨界電流値を超電導線全体の臨界
電流値とする方法や、冷却装置に収納できるような長さ
に超電導線を切断し、切断した超電導線をたとえばコイ
ル状にしてその両端に電極をつけてコイル状の超電導線
の臨界電流値を長尺超電導線の臨界電流値とする方法な
どが用いられていた。
【0003】しかしながら、上述のような従来の方法に
おいては、以下に示すような欠点がある。
【0004】まず、超電導線の特定の区間をサンプリン
グする方法においては、超電導線の臨界電流値は、超電
導線全体にわたって一定ではないため、サンプリングし
た部分の臨界電流値が必ずしも超電導線全体にわたる臨
界電流値を示すとは限らないという問題があった。
【0005】また、コイル状にして臨界電流値を測定す
る方法では、そのコイルに電流を流すことで磁場が発生
し、その磁場によって臨界電流値が影響を受けるため、
正確な臨界電流値の測定が困難となるという問題があっ
た。さらに、超電導線をコイル状にする場合には、超電
導線を切断しなければならないため、生産装置から連続
的に製造されるような超電導線に関しては、切断のため
生産性が低下するという問題があった。なお、超電導線
の長さが長くなると、コイル状にした場合でも大きさが
大きくなりすぎ、臨界電流値を測定するのが困難となる
という問題があった。
【0006】また、上述のいずれの方法でも、超電導線
の長さ方向における臨界電流値のばらつきを正確に把握
することはできなかった。
【0007】さらに、超電導線が冷却された状態で超電
導線の任意の位置において電気コンタクトをとるような
手段もなかった。
【0008】そこで、この発明は、上述のような問題を
解決するためになされたものであり、超電導線の全体に
わたって正確な臨界電流値を計測できる装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】また、この発明は、超電導線の長さ方向に
おける臨界電流値のばらつきを正確に把握することがで
きる超電導線の臨界電流値を測定する装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】さらに、この発明は、冷却された超電導線
の任意の位置において良好な電気的コンタクトをとるこ
とができる超電導線の臨界電流値を測定する装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の1つの局面に
従った、超電導線の臨界電流値を測定する装置は、以下
の〜で示すステップを実施する。
【0012】 超電導線の全長を一定の長さの第1区
間から第n区間のn個の長さに分割するステップ。
【0013】 第1区間から第n区間までのそれぞれ
の区間に電流を流してその電流値を変化させることによ
り、m個の電流値(I1 ,I2 ,…,Im )のそれぞれ
に対して電圧値(V1,1 〜V1,m ,V2,1 〜V2,m
…,Vn,1 〜Vn,m ;ただし、Vk,i は第k区間、第i
番目の電流値に対する電圧値である(kは1〜nの整
数、iは1〜mの整数))を測定するステップ。
【0014】 m個の電流値(I1 ,I2 ,…,
m )の各々について第x区間から第y区間で測定した
電圧値の和(Vsum(1)=Vx,1 +Vx+1,1 +…+
y,1 ,Vsum( 2)=Vx,2 +V+x+1,2 +…+Vy,2
…,Vsum(m)=Vx,m +Vx+1,m +…+Vy,m )を計算
するステップ。ここで、x,yは整数であり、1≦x≦
y≦nである。
【0015】 電流値(I1 〜Im )と、電圧値の和
(Vsum(1)〜Vsum(m))との関係を求めるステップ。
【0016】 電流値と電圧値の和との関係より、電
圧値の和が超電導線の第x区間から第y区間に対応した
所定の基準電圧であるときの電流値を求めて、この電流
値を臨界電流値(Ic )とするステップ。
【0017】このようなステップを実施する、超電導線
の臨界電流値を測定する装置においては、で示すステ
ップにおいて、超電導線の第1区間〜第n区間、すなわ
ち、超電導線の全長にわたってそれぞれの区間で電流と
電圧との関係を求めている。この関係をもとに〜で
示すステップにおいて超電導線全長または必要な区間で
の臨界電流値を求めている。したがって、この方法で求
めた臨界電流値は超電導線の各部分での臨界電流値を考
慮したものとなるため、この方法を用いれば超電導線の
全体または必要な区間正確な臨界電流値を測定すること
ができる。
【0018】また、この方法では、超電導線を各区間の
長さに応じて直線状に保ったままで示すステップによ
り超電導線の電流と電圧の関係を求めることができる。
よって、超電導線をコイル状にしなくてもよいため、磁
場が発生しにくい。その結果、正確な臨界電流値を測定
することができる。
【0019】さらに、超電導線をn個の区間に分割する
ため、どれだけ長い超電導線であっても全長または特定
区間の臨界電流値を測定することができる。
【0020】また、超電導線を切断する工程がないた
め、超電導線を切断する場合に比べて、測定の工程を少
なくできる。そのため、生産装置から連続的に製造され
る超電導線を切断せずにその臨界電流値を計測でき、超
電導線の生産性も向上する。
【0021】この発明の別の局面に従った超電導線の臨
界電流値を測定する方法は、以下の〜で示すステッ
プを備える。
【0022】 超電導線の全長を一定の長さの第1区
間から第n区間のn個の長さに分割するステップ。
【0023】 第1区間から第n区間までのそれぞれ
の区間に電流を流してその電流値を変化させることによ
り、m個の電流値(I1 ,I2 ,…,Im )のそれぞれ
に対して電圧値(V1,1 〜V1,m ,V2,1 〜V2,m
…,Vn,1 〜Vn,m ;ただし、Vk,i は第k区間、第i
番目の電流値に対する電圧値である(kは1〜nの整
数、iは1〜mの整数))を測定して第1区間から第n
区間までの各区間ごとに電流値と電圧値との関係を求め
るステップ。
【0024】 電流値と電圧値との関係より、電圧値
(V1,1 〜V1,m ,V2,1 〜V2,m,…,Vn,1 〜V
n,m )が超電導線の各区間の長さに対応する基準電圧で
あるときの電流値を各区間ごとに求めてその電流値を第
1区間から第n区間の各区間における臨界電流値(I1c
〜Inc)とするステップ。
【0025】このようなステップを備えた、超電導線の
臨界電流値を測定する方法においては、で示すステッ
プにおいて、超電導線の第1区間〜第n区間、すなわ
ち、超電導線の各部分ごとに電流と電圧の関係を求めて
いる。この関係をもとにで示すステップにおいて、超
電導線の各部分での臨界電流値を求めている。したがっ
て、この方法に従えば、超電導線の各部分での臨界電流
値を正確に測定することができ、超電導線の長さ方向に
おける臨界電流値のばらつきを正確に把握することがで
きる。
【0026】また、この方法では、超電導線を直線状態
に保ったままで示すステップにより電流と電圧の関係
を求めることができる。よって、超電導線をコイル状に
しなくてもよいため磁場が発生しにくい。その結果、超
電導線の各部分において正確な臨界電流値を求めること
ができる。
【0027】この発明に従った超電導線の臨界電流値を
測定する装置は、冷却手段と、測定手段と、送り手段
と、演算手段とを備える。冷却手段は、一定長さの第1
区間から第n区間のn個の長さに分割された超電導線の
それぞれの1つの区間を冷却する。測定手段は、冷却さ
れた超電導線の1つの区間に電流を流してその電流値を
変化させることによりm個の電流値(I1 〜Im )に対
する電圧値(V1 〜Vm)を測定する。送り手段は、第
1区間から第n区間のそれぞれの区間で順次、電流値と
電圧値の関係を測定手段によって測定するために超電導
線を移動させる。演算手段は、測定手段によって測定さ
れた超電導線の各区間での電流値と電圧値との関係デー
タを受取り、その関係データより超電導線の長さに応じ
た基準電圧における臨界電流値を計算する。
【0028】このように構成された、超電導線の臨界電
流値を測定する装置においては、測定手段が超電導線の
1つの区間での電流と電圧の関係を求めた後、送り手段
が超電導線を移動させることにより、測定手段が次の1
つの区間での電流と電圧との関係を求めることができ
る。そのため、超電導線の全区間で電流と電圧との関係
を求めることが可能となる。したがって、これらの関係
を用いれば、超電導線の各部分での特性を考慮した臨界
電流値を得ることができる。さらに、全区間で電流と電
圧との関係を求めることができるため、超電導線の長さ
方向における臨界電流値のばらつきを正確に把握するこ
とができる。
【0029】また、測定手段は、超電導線の1つの区間
に電流を流すための電流源と、超電導線に電流が流れて
いるときに超電導線の1つの区間の両端での電位差を計
測する電圧計とを含み、電流源は超電導線に当接可能な
電流電極と接続され、電圧計は超電導線に当接可能な電
圧電極と接続されていることが好ましい。この場合、電
流電極と電圧電極とが任意の位置で超電導線に接するこ
とができる。したがって、これらの電極を移動させるこ
とにより、冷却された超電導線の任意の位置において良
好な電気的コンタクトをとることができる。その結果、
超電導線の電流と電圧との関係を確実に測定することが
できる。
【0030】また好ましくは、電流電極と電圧電極とが
ローラ状電極である。
【0031】
【実施例】(実施例1)図1は、この発明の実施例1に
従った測定装置を示す模式図である。図2は図1中のI
Iで囲んだ部分を拡大して示す模式図である。図3は超
電導線と電極が接触した状態を示す図である。図1〜図
3を参照して、測定装置1は、送りローラ11と、受け
ローラ12と、演算・制御用コンピュータ20と、電極
部30と、冷却槽40と、測定器50とを備えている。
【0032】送りローラ11と受けローラ12が送り手
段を構成する。送りローラ11および受けローラ12は
円筒形状である。送りローラ11および受けローラ12
には超電導線70が巻付けられている。測定を開始する
前には、送りローラ11にのみ超電導線70が巻付けら
れており、受けローラ12には超電導線70の端部が固
定されているのみである。超電導線70は銀シース材に
収められた酸化物超電導材からなる。この酸化物超電導
材の材質は特に限定されるものではないが、たとえば、
(BiX −Pb2-X )Sr2 Ca2 Cu310を用いる
ことができる。また、超電導線70の長さは100m以
上であることが好ましい。また、超電導線70の形状は
特に限定されるものではないが、好ましくは、テープ状
であり、幅が3mm程度、厚さが0.2mm程度であれ
ばよい。測定が開始されると、超電導線70は、送り部
11から受け部12へ順次巻取られる。また、送り部1
1、受け部12、補助ローラ13はともに回転可能であ
る。演算・制御用コンピュータ20が送りローラ11と
受けローラ12と測定器50に接続されている。演算・
制御用コンピュータ20は送りローラ11および受けロ
ーラ12に信号を与え、送りローラ11および受けロー
ラ12を回転させる。このとき、演算・制御用コンピュ
ータ20は、送りローラ11のみを回転させることが可
能であり、また、演算・制御用コンピュータ20は、受
けローラ12のみを回転させることも可能である。その
ため、演算・制御用コンピュータ20は、送りローラ1
1および受けローラ12に信号を与えることにより、超
電導線70に加わる張力を適宜調整することができる。
また、演算・制御用コンピュータ20は測定器50と接
続されているため、測定器50で得られたデータから、
さまざまな演算を行なうことができる。
【0033】電極部30は、下部電流電極31a、31
bと、上部電流電極32a、32bと、下部電圧電極3
3a、33bと、上部電圧電極34a、34bと、電極
支持部35と、電極駆動部36とを備えている。これら
の電極31a、31b〜34a、34bは銀からなり、
一辺が3cmであり、ほぼ直方体形状である。下部電流
電極31a、31bと下部電圧電極33a、33bは冷
却槽40に固定されており、冷却槽40から電気的に絶
縁されている。上部電流電極32a、32bと上部電圧
電極34a、34bはともに電極支持部35に固定され
ている。電極支持部35は電極駆動部36により図2中
の上下方向に移動可能である。そのため、電極駆動部3
6が下方向へ移動すれば、上部電流電極32a、32b
と上部電圧電極34a、34bは超電導線70と接し、
さらに、超電導線70を下方向へ押し下げる。そのた
め、図3に示すように上部電流電極32a、32bと下
部電流電極31a、31bが超電導線70を挟み込むよ
うな形になる。また、上部電圧電極34a、34bと下
部電圧電極33a、33bが超電導線70を挟み込むよ
うな形となる。電極駆動部36は演算・制御用コンピュ
ータ20と接続されており、演算・制御用コンピュータ
20からの信号を受けて電極を移動させる。下部電流電
極31a、31bおよび上部電流電極32a、32bは
ともに電流計51に接続されている。また、上部電圧電
極34a、34bおよび下部電圧電極33a、33bは
ともに電流計52に接続されている。下部電圧電極33
aと、下部電圧電極33bとの距離および上部で電圧電
極34aと上部電圧電極34bとの距離は4mである。
【0034】冷却槽40には液体窒素41が満たされて
いる。液体窒素41は超電導線70を冷却するためのも
のである。
【0035】測定器50は、電流源51と、電圧計52
とを備えている。電流源51は、超電導線70に一定値
の電流を流すことができる。電圧計52は、下部電圧電
極33aおよび上部電圧電極34aと、下部電圧電極3
3bおよび上部電圧電極34bとの間の電位差を計測す
ることができる。電流計51および電圧計52より得ら
れたデータは、演算・制御用コンピュータ20に渡され
る。
【0036】次に、このように構成された測定装置を用
いて超電導線の臨界電流値を測定する方法について説明
する。まず、一定長さの超電導線70を用意する。この
実施例では、超電導線70の長さは100mとする。超
電導線70を図1で示されるように配置する。次に、演
算・制御用コンピュータ20が電極駆動部36へ電極支
持部35を下へ動かすように信号を送る。この信号を受
けた電極駆動部36は電極支持部35を降下させる。こ
れにより、図3に示すように、超電導線70は、上部電
流電極32aと下部電流電極31aとに挟まれる。ま
た、超電導線70は、上部電圧電極34aと下部電圧電
極33aとに挟まれる。また、図1中の左側に位置する
電極部でも超電導線70が上部電流電極32bと下部電
流電極31bに挟まれ、かつ超電導線70が上部電圧電
極34bと下部電圧電極33bとに挟まれる。このよう
な状態で、電流源51から所定の電流が超電導線70に
流される。このときの上部および下部電圧電極34aお
よび33aと、上部および下部電圧電極34bおよび3
3bとの間の電位差、すなわち測定区間100での電位
差が電圧計52により計測される。
【0037】このようにして、導電線70の第1区間に
おいて電流源51が超電導線70に0.50A〜50A
の電流を流したときの電位差の変化を電圧計が測定し
た。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】図4は、表1で示す電流と電圧との関係を
示したグラフである。表1および図4から、電流値が4
0Aを超えると電圧値が高くなっている、すなわち、電
流値が40Aを超えると超電導線の電気抵抗が大きくな
ることがわかる。
【0040】次に、演算・制御用コンピュータ20は電
極支持部35を上部へ動かすように電極駆動部36へ信
号を与える。この信号を受けた電極駆動部36は電極支
持部35を上へ動かすため、超電導線70と各電極と
は、図2に示すような位置関係となる。次に、演算・制
御用コンピュータ20は、送りローラ11には、超電導
線70を4mだけ送るように、受けローラ12には、超
電導線70を4mだけ巻取るように信号を与える。この
信号を受けた送りローラ11は超電導線70を4mだけ
送り、受けローラ12は超電導線70を4mだけ巻取
る。これにより、前のステップで計測した第1区間に隣
接する第2区間が測定区間100に位置することにな
る。そして、上述のようなステップを経ることにより、
この第2区間でも電流と電圧の関係を求めることができ
る。
【0041】以上のようにして、超電導線70の第1〜
第25区間において、超電導線70の電流と電圧との関
係が測定される。これらの電流と電圧の関係のデータを
測定した測定器50は、これらのデータを演算・制御用
コンピュータ20へ渡す。演算・制御用コンピュータ2
0は、これらのデータをもとに、以下に示す式を用い
て、超電導線70における各電流値に対する電圧値V
sum(1)〜Vsum(m)を求める。この場合、m=100、n
=25である。
【0042】
【数1】
【0043】図5は、(数1)で示す式により求めた電
圧値Vsum と、電流値との関係を示すグラフである。図
5中、黒丸はこの発明により計算した超電導線の電流と
電圧の関係を示す点である。図5から、電流値が40A
を超えると、電圧値が大きくなっていることがわかる。
すなわち、電流値が40Aを超えると超電導線70の電
気抵抗が増大することがわかる。
【0044】また、比較のため、長さ100mの超電導
線をコイル状にせずに超電導線に電流を流し、その電流
値を変化させたときの超電導線の両端での電圧を測定し
た。その結果も図5中に実線で示す。図5からわかるよ
うに、本発明により測定した電流と電圧の関係と、長さ
100mの超電導線をコイル状にせず一括して測定した
場合の電流と電圧との関係はほぼ一致していることがわ
かる。また、この超電導線においては、基準電圧を長さ
1cm当り1μVとした場合には、この超電導線の長さ
は100mであるから、基準電圧は10mVとなり、図
5中の矢印で示す値(47.5A)がこの発明で得られ
る臨界電流値となる。また、一括測定で測定した臨界電
流値は47.3Aであった。よって、この方法により測
定した臨界電流値と一括測定により測定した臨界電流値
とはほぼ一致していることがわかった。
【0045】(実施例2)上述の実施例1では、超電導
線70の長さを100mとしたが、実施例2では、超電
導線70の長さを200mとした。この超電導線を第1
〜第50区間に分割して実施例1と同様に各区間におい
て電流と電圧の関係を求め、この関係から超電導線全体
の電流と電圧の関係を求めた。また、実施例1と同様
に、長さ200mの超電導線をコイル状にせずに一括し
て電流と電圧との関係を求めた。
【0046】図6は、長さ200mの超電導線の全体の
電流と電圧との関係を示すグラフである。図6中黒丸は
この発明により計算した超電導線の電流と電圧の関係を
示す点であり、実線は一括測定により求めた超電導線の
電流と電圧との関係を示す。図6からわかるように、一
括測定した場合と、本発明により分割して測定した場合
にも、電流と電圧との関係は、ほぼ一致していることが
わかる。また、超電導線の長さ1cm当りの基準発生電
圧を1μVとしたとき、長さ200mにおける基準電圧
は20mVとなる。そのため、図6中の矢印で示した値
(48A)がこの発明で得られる臨界電流値となる。ま
た、一括測定で測定した臨界電流値は47.8Aであっ
た。このように、分割して測定した場合と一括して測定
した場合はその長さによらず、電流と電圧の関係はぼ一
致することがわかった。
【0047】(実施例3)まず、長さ1000mの超電
導線を準備した。この超電導線の長さ4mの部分を1区
間とし、この超電導線の第1区間での電流と電圧との関
係を図1で示す測定装置1を用いて調べた。図7は、長
さ1000mの超電導線の第1区間での電流と電圧との
関係を示すグラフである。図7より、超電導線の長さ1
cm当りの基準発生電圧を1μVとした場合に、この区
間の長さは4mとなるため、基準電圧は0.4mVとな
る。そのため、この第1区間での臨界電流値は47Aと
なる。次に、同様の測定を超電導線の第2〜第250区
間で行なった。図8は長さ1000mの超電導線の第1
〜第250区間での臨界電流値を示すグラフである。こ
のグラフから、たとえば臨界電流値が45A以上で長さ
が100mの超電導線を必要とするのであれば、図8中
のA、B、C、D、EおよびG区間を用いればよいこと
がわかる。逆に、図8中のFおよびH区間は使えないこ
とがわかる。このような方法を用いることにより、超電
導線の長さ方向における臨界電流値のばらつきを把握す
ることができ、超電導線の必要な部分のみを採取するこ
とが可能となる。
【0048】(実施例4)図9は、この発明の実施例4
に従った測定装置2を示す模式図である。図1で示した
測定装置1は、下部電流電極31a、31b、上部電流
電極32a、32b、下部電圧電極33a、33b、上
部電圧電極34a、34bがすべて回転不可能であるの
に対し、図9中のローラ電流電極38a、38bは、ロ
ーラ電圧電極39a、39bはともにローラ状であり回
転可能であるという点で両装置は異なる。その他の点に
関しては、図1で示す測定装置1と図9で示す測定装置
は同一である。図9中のローラ電流電極38a、38
b、ローラ電圧電極39a、39bは円筒状であり、直
径が10cm、幅が10cmであり、銀からなる。電極
をこのようにローラ状とすることにより超電導線70に
圧縮力があまり加わらないため、超電導線70が破壊さ
れることがないという効果がある。また、電極をローラ
状にした場合も超電導線と電極は面接触するので、電極
と超電導線70は確実に電気的に接触することになる。
【0049】以上、この発明の実施例について述べた
が、この発明によって得られる効果をまとめると以下の
ようになる。
【0050】 この発明では超電導線の全区間にわた
って電流と電圧の関係を求めてこの関係をもとに超電導
線全体の臨界電流値を求めている。したがって、この方
法で求めた臨界電流値は超電導線の各部分の特性を考慮
したものとなるため、この方法を用いれば、正確な臨界
電流値を測定することができる。
【0051】 この方法では、超電導線を直線状に保
ったまま超電導線の電流と電圧の関係を求めている。そ
のため、超電導線周辺に磁場が発生しにくくなり正確な
臨界電流値を求めることができる。
【0052】 この発明では、超電導線を切断せずに
臨界電流値を求めている。そのため、超電導線の生産性
が向上する。
【0053】 この発明では、超電導線の全区間で臨
界電流値を測定している。そのため、超電導線の長さ方
向における臨界電流値のばらつきを把握することができ
る。
【0054】 この発明では、上部電流電極32a、
32bおよび上部電圧電極34a、34bを往復させる
ことにより液体窒素41中でそれぞれの電極が超電導線
70と接する。このため、超電導線70を冷却したまま
電流と電圧の関係の測定を行なうことができる。
【0055】 この発明では、ローラ状のローラ電流
電極38a、38bおよびローラ電圧電極39a、39
bを用いている。そのため、超電導線に圧縮力が加わら
ないため、超電導線を破壊することはない。また、ロー
ラ状の電極を用いた場合には、超電導線と電極が面接触
するため、接触不良が起こりにくい。
【0056】今回開示された実施例はすべての点で例示
であって制限的なものではないと考えられるべきであ
る。そのため、以上に示した実施例はさまざまに変形可
能である。たとえば、この実施例では、演算・制御用コ
ンピュータ20がすべてのデータを収集して演算を行な
ったが、この機能を測定器50に持たせることも可能で
ある。また、それぞれの電極の寸法や材質は必要に応じ
て変えることが可能である。本発明の範囲は上記した実
施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれることが意図されるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に従った測定装置を示す
模式図である。
【図2】 図1中のIIで囲んだ部分を拡大して示す図
である。
【図3】 超電導線と電極が接触した状態を示す図であ
る。
【図4】 長さ100mの超電導線の第1区間での電流
と電圧の関係を示す図である。
【図5】 長さ100mの超電導線の全体にわたっての
電流と電圧との関係を示す図である。
【図6】 長さ200mの超電導線の全体にわたっての
電流と電圧との関係を示す図である。
【図7】 長さ1000mの超電導線の第1区間での電
流と電圧との関係を示す図である。
【図8】 長さ1000mの超電導線の第1〜第250
区間での臨界電流値を示すグラフである。
【図9】 この発明の実施例4に従った測定装置を示す
模式図である。
【符号の説明】
1,2 測定装置、11 送りローラ、12 受けロー
ラ、20 演算・制御用コンピュータ、30 電極部、
31a,31b 下部電流電極、32a,32b 上部
電流電極、33a,33b 下部電圧電極、34a,3
4b 上部電圧電極、38a,38b ローラ電流電
極、39a,39b ローラ電圧電極、40 冷却槽、
50 測定器、51 電流源、52 電圧計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/00,33/12 G01N 27/02 - 27/04 G01N 27/82 H01F 6/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線の全長を一定の長さの第1区間
    から第n区間のn個の長さに分割するステップと、 前記第1区間から前記第n区間までのそれぞれの区間に
    電流を流してその電流値を変化させることにより、m個
    の電流値(I1 ,I2 ,…,Im )のそれぞれに対して
    電圧値(V1,1 〜V1,m ,V2,1 〜V2,m ,…,Vn,1
    〜Vn,m ;ただし、Vk,i は第k区間、第i番目の電流
    値に対する電圧値である(kは1〜nの整数、iは1〜
    mの整数))を測定するステップと、 m個の前記電流値(I1 ,I2 ,…,Im )の各々につ
    いて第x区間から第y区間(ここで、x,yは整数であ
    り、1≦x≦y≦n)で測定した電圧値の和(Vsum(1)
    =Vx,1 +Vx+1,1 +…+Vy,1 ,Vsum(2)=Vx,2
    V+x+1,2 +…+Vy,2 ,…,Vsum(m)=Vx,m +V
    x+1,m +…+Vy,m )を計算するステップと、 前記電流値(I1 ,I2 ,…,Im )と、前記電圧値の
    和(Vsum(1)〜Vsum( m))との関係を求めるステップ
    と、 前記電流値と前記電圧値の和との関係より、前記電圧値
    の和が前記超電導線の前記第x区間から前記第y区間に
    対応した所定の基準電圧であるときの電流値を求めて、
    この電流値を臨界電流値とするステップとを備えた超電
    導線の臨界電流値(Ic )を測定する方法を実施するた
    めの装置であって、 一定長さの第1区間から第n区間のn個の長さに分割さ
    れた超電導線のそれぞれの1つの区間を冷却するための
    冷却手段と、 冷却された前記超電導線の1つの区間に電流を流してそ
    の電流値を変化させることによりm個の電流値(I1
    m)に対する電圧値(V1〜Vm)を測定する測定手段
    と、 前記第1区間から前記第n区間のそれぞれの区間で順
    次、電流値と電圧値との関係を前記測定手段によって測
    定するために前記超電導線を移動させるための送り手段
    と、 前記測定手段によって測定された前記超電導線の各区間
    での電流値と電圧値との関係データを受取り、その関係
    データより前記超電導線の長さに応じた基準電圧におけ
    る臨界電流値を計算するための演算手段とを備えたこと
    を特徴とする、超電導線の臨界電流値を測定する装置。
  2. 【請求項2】 前記測定手段は、前記超電導線の1つの
    区間に電流を流すための電流源と、前記超電導線に電流
    が流れているときに前記超電導線の1つの区間の両端で
    の電位差を計測する電圧計とを含み、前記電流源は前記
    超電導線に当接可能な電流電極と接続され、前記電圧計
    は前記超電導線に当接可能な電圧電極と接続されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の超電導線の臨界電
    流値を測定する装置。
  3. 【請求項3】 前記電流電極と前記電圧電極とがローラ
    状電極であることを特徴とする、請求項2に記載の超電
    導線の臨界電流値を測定する装置。
JP2000320928A 2000-10-20 2000-10-20 超電導線の臨界電流値を測定する装置 Expired - Fee Related JP3360682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000320928A JP3360682B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 超電導線の臨界電流値を測定する装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000320928A JP3360682B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 超電導線の臨界電流値を測定する装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04088797A Division JP3171131B2 (ja) 1997-02-25 1997-02-25 超電導線の臨界電流値を測定する方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001183435A JP2001183435A (ja) 2001-07-06
JP3360682B2 true JP3360682B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=18799137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000320928A Expired - Fee Related JP3360682B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 超電導線の臨界電流値を測定する装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3360682B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009270916A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Fujikura Ltd 臨界電流測定装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100557810B1 (ko) 2004-07-19 2006-03-10 한국전기연구원 장선 초전도 테이프의 임계전류 측정장치
JP4579107B2 (ja) * 2005-09-06 2010-11-10 財団法人国際超電導産業技術研究センター 連続型磁束観察装置および方法
KR101048884B1 (ko) * 2009-12-14 2011-07-13 한국전기연구원 연속 임계전류 측정장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009270916A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Fujikura Ltd 臨界電流測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001183435A (ja) 2001-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3171131B2 (ja) 超電導線の臨界電流値を測定する方法および装置
EP1972931B1 (en) Method of measuring critical electric current value of superconducting wire
Badcock et al. Progress in the manufacture of long length YBCO Roebel cables
JP5066480B2 (ja) 臨界電流測定装置
EP2336797B1 (en) Continuous critical current measurement apparatus and method of measuring continuous critical current using the same
JP3360682B2 (ja) 超電導線の臨界電流値を測定する装置
US20140303916A1 (en) Four-line electrical impedance probe
JP4223744B2 (ja) 高温超電導線材の臨界電流測定方法
JPH10197468A (ja) 超電導線材の臨界電流測定方法及びその測定装置
JP4670839B2 (ja) 超電導線材の損失の測定方法および測定装置
Buravov et al. Mechanism of Conductivity of Well-conducting Complexes on the Basis of Tetracyanquinodimethyl
CN101520302B (zh) 一种超细钨丝直径的测量方法及其测量装置
US3339138A (en) Apparatus for measuring the resistivity of molten glass
JP2799536B2 (ja) 通信ケーブルの撚ピッチ測定装置
JP3996830B2 (ja) 超電導線材の臨界電流特性を測定する方法および装置
US4060461A (en) Method and apparatus for correcting error in corrosion rate measurements
Schmalzried et al. Investigation of metal transport across AgI/Ag2S-interfaces with miniaturized solid state galvanic cells
JP2001221819A (ja) 導電性繊維の電気抵抗測定方法及びその測定装置
US3947329A (en) Method of measuring accelerated corrosion rate
CN114280514B (zh) 一种超导带材临界电流低点快速定位方法及装置
JPH0197876A (ja) 超電導線の臨界電流測定法
Langereis et al. Measuring conductivity, temperature and hydrogen peroxide concentration using a single sensor structure
JP5436166B2 (ja) 磁化測定装置およびその測定用ロッド
CN117554427A (zh) 基于电阻的铜比测量方法、装置、计算机设备和存储介质
SU1455327A1 (ru) Способ определени поперечного электрического сопротивлени многоволоконного сверхпровод щего провода

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071018

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101018

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131018

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees