JP3357996B2 - 金属イオン封鎖性オリゴマー化合物の製造方法及びそのオリゴマー化合物を含む洗浄剤組成物 - Google Patents
金属イオン封鎖性オリゴマー化合物の製造方法及びそのオリゴマー化合物を含む洗浄剤組成物Info
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る生分解性が高くかつ金属イオン封鎖能にすぐれたオリ
ゴマー化合物の製造方法に関するものである。
物としては、例えば、カルボキシル基を導入したα−D
−グルコピラノシド化合物(特開昭63−54390
号)や、糖類とα、β−不飽和ジカルボキシル化合物と
アルカリ土類金属水酸化物の反応生成物を中和したもの
(特開昭50−82106号)等が知られている。一
方、多糖化合物から金属封鎖性化合物を得る方法も知ら
れており、このような方法としては、例えば、多糖類を
構成する単糖単位中の隣接する2級アルコールの結合す
る炭素−炭素結合を酸化開裂させることにより、多糖類
ポリカルボン酸塩を製造する方法がある(特公昭49−
1281号)。しかし、この方法で得られた製品は、金
属イオン封鎖性にすぐれているものの、生分解性の点で
未だ不満足のものである。
を原料として、これから金属イオン封鎖性及び生分解性
にすぐれた製品を製造することをその課題とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、多糖化合物を酸化処
理して、ポリカルボキシル基含有重合体となした後、ア
ルカリ性条件下で加水分解処理することを特徴とする金
属イオン封鎖性及び生分解性にすぐれたオリゴマー化合
物の製造方法が提供される。
公知の各種のものが用いられ、このようなものにはホモ
グリカンやヘテログリカンが包含される。ホモグリカン
としては、例えばデンプン、アミロース、アミロペクチ
ン、セルロース、グリコーゲン、カロニン、ラミナラ
ン、デキストラン等のグルカン類、イヌリン、レバン等
のフルクタン類、ゾウゲヤシマンナン等のマンナン類、
イネワラキシラン等のキシラン類、ペクチン酸等のガラ
クツロナン類、アルギン酸等のマンヌロナン類、キチン
等のN−アセチルグルコサミン重合体等が挙げられる。
一方、ヘテログリカンとしては、例えば、グアラン、コ
ンニャクマンナン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒ
アルロン酸等のジヘテログリカン類、メスキットガム、
カッチガム、植物粘質物、ゴム質、細菌多糖類等のトリ
ヘテログリカン類の他、アラビアゴム、アサの実の粘質
物、他の植物粘質物、ゴム質、細菌多糖類等のテトラヘ
テログリカン類が挙げられる。これらは一種単独で又は
二種以上を混合した形のいずれでも使用出来る。
合物を酸化処理し、ポリカルボキシル基含有重合体に変
換する。この場合の反応を、例えば、アミロースを例に
とると、次式で示すことができる。
す。金属イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属を示す。x、y、zは重合度を示
す。
は、酸化剤として、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、ハロ
ゲン(塩素や臭素等)、キセノン酸、クロム酸等を用い
る化学的酸化方法の他、生物学的酸化方法がある。一
方、前記化2で表される2段階酸化方法においてその酸
化Iの工程の酸化方法としては、酸化剤として、過ヨウ
素酸、過ヨウ素酸塩、四酢酸鉛、クロム酸、塩化銅
(I)、水酸化銅(II)、タリウム(I)塩、タリウ
ム(III)塩、酸性硫酸セリウム(IV)、ビスマス
酸塩、過酸化ニッケル、キセノン酸、ペルオキソ硫酸一
銀(I)塩、酸素を用いる方法の他、陽極酸化や生化学
的酸化方法がある。一方、酸化IIの工程の酸化方法と
しては、亜塩素酸、過酸化水素/亜塩素酸、過マンガン
酸塩、クロム酸、有機過酸化物、ペルオキソ硫酸、硝
酸、酸化銀(I)、酸化銀(II)酸素、酸化水銀(I
I)、過酸化水素を用いる方法の他、陽極酸化、生化学
酸化、カニッツァロ反応等がある。
れたポリカルボキシル基含有重合体(III)(未酸化
のグリコキシド単位(I)を含む)を加水分解してオリ
ゴマーを生成させるが、この場合、その加水分解をpH
7.5〜11のアルカリ性条件下で行うことを特徴とす
る。このようなアルカリ性条件下で行うときには、アセ
タール結合(−O−CH(COOM)−O−)の加水分
解を選択的に行わせて、重合体(III)を低分子量化
させることができる。酸性条件下での加水分解では、重
合体(III)のアセタール結合及び未酸化のグルコシ
ド結合がランダムに加水分解されるため、一定構造の製
品を得ることができない。重合体(III)の加水分解
反応によりそのオリゴマー(低分子化物)が得られる
が、このオリゴマーとしては、その数平均分子量が30
00以下、好ましくは1000〜3000の範囲のもの
が好ましい。このようなオリゴマーの収率は加水分解条
件を調節することによって高めることができる。また、
オリゴマーから前記分子量範囲のものを分別することも
できるが、この分別は、従来公知の分別法により行うこ
とができる。
イオン封鎖能、特にカルシウムイオン封鎖能にすぐれる
とともに、生分解性にすぐれたオリゴマーを得ることが
できる。このオリゴマーは、生分解性ビルダーとしてす
ぐれた作用を示し、しかも、このものを含む洗浄剤は高
い洗浄性能を示す。
する。なお、以下において示した生分解率、洗浄力、カ
ルシウムイオン封鎖能は以下のようにして測定されたも
のである。また、実験において使用した機器類は以下の
通りである。
D14)は、公共の汚水処理場の活性汚泥を使い、BOD
TESTERによって求めた。生分解試験後の培養液
中の残存ポリマーは少量の非イオン活性剤存在下超音波
処理をした後、直接GPCにより分析した。また、生分
解率はBOD14/ThOD(理論酸素要求量)の比
(%)として求めた。 (洗浄力)洗浄力試験は、はじめにテストポリマーと比
較する標準値を得るために、トリポリリン酸ナトリウム
(STPP)とオキサジ酢酸ナトリウム(ODA)につ
いて洗浄力を求めた。すなわち、STPP又はODA:
25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:20
%、ケイ酸ナトリウム:5%、炭酸ナトリウム:3%、
カルボキシメチルセルロース(CMC):0.5%、硫
酸ナトリウム:46.5%を含有する洗浄剤組成物で実
施した。テストポリマーの評価においては、上記組成物
において、そのSTPP又はODAを同じ重さのテスト
ポリマーと置き換えて洗浄力を評価した。洗浄力試験は
人工汚垢布を使用し、Terg−O−Tometerを
用いて25℃の水道水中で浴比1:50にて行い、その
際上記組成物の洗浄剤濃度は1.2g/lにした。試験
布の反射率は緑色のフィルターを付した反射率計で測定
し、K/S比はKubelka−Munk式より算出し
た。なお、洗浄力は下記の式により求められる数値であ
る。 洗浄力(%)=(A−B)/(A−C)×100 ここでA、B、Cそれぞれ洗浄前の汚垢布、洗浄後の汚
垢布、汚垢をつける前の布のK/S比である。またRを
反射率としたときのK/Sは下記のように求められる。 K/S=(1−R)/2R 相対洗浄力はSTPPを10、ODAを0としたときの
各テストポリマーの相対的な値である。 (カルシウムイオン封鎖能)カルシウムイオン封鎖能を
計算するために遊離カルシウムイオンの平均濃度を測定
した。約20mgのポリマーに正確に1.00%となる
ように蒸留水を加え、そのポリマー水溶液1.00gを
50mlの1.00×10-3MCaCl2、0.08M
KCl水溶液に加えた。これをpH 9に調整し30℃
で10分間以上撹拌した後、イオン濃度の測定に供し
た。カルシウムイオン封鎖能はテストポリマー1gあた
りが封鎖したカルシウムイオン量を炭酸カルシウムとし
てmg単位で表した。 (使用機器)13C−NMRスペクトルはJEOLのJN
M−90Aを用い22.5MHzにて測定した。IRス
ペクトルの測定はJASCO,FT/IR−5000を
使用した。また数平均分子量(Mn)、分子量分散(M
w/Mn)はGPCによって測定した。なお、カラムは
東ソー(株)のTSK−gel G5000PW+G2
500PWを用い、溶離液として0.1Mリン酸バッフ
ァー/0.3MNaClを用いた。カルシウムイオン封
鎖能は堀場製作所製のイオン電極(N−8F)とイオン
メーター(8203−06T)を用いて測定した。
OH(0.25eq.vs.単糖)を加え氷冷し、10
g(0.028mol 単糖)のペクチン酸を加えた。
この懸濁液に13.37g(1.leq.vs.単糖)
のNaIO4を加え、4℃で24時間撹拌した。反応
後、3N NaOHでPH11に調整し、蒸留水中で二
日間透析した後、エバポレーターで溶媒を留去した。
9.01gのジアルデヒドペクチン酸ナトリウム塩が8
0.9%の収率で得られた。得られたジアルデヒド体
8.55gを320mlの蒸留水に加え50℃で1時間
撹拌した後アイスバス中で冷却しながら窒素置換し、3
0.7g(6.6eq.vs.単糖)のNaClO2を
加えた。反応溶液のpHを氷酢酸で4に調整し、室温で
24時間撹拌した。生じたClO2が完全に除かれるま
で窒素を通じることにより得られた白色の溶液のpHを
11とし、蒸留水中で5日間透析した。少量の不溶物を
濾別後母液をエバポレーターで濃縮し凍結乾燥した。
7.41gのジカルボキシペクチン酸ナトリウム塩DC
Pa−9300(69)(数平均分子量=9300、ジ
カルボキシル化率=69mol%)が白色粉末として6
2.5%の収率で得られた。ジカルボキシル化率は、N
ealら及び松村らの方法により求めた。このDCPa
−9300(69)の生分解率は0%であった。
9)を1%となるように蒸留水に溶解すると溶液のpH
は塩基性を示した。この溶液を110℃のオイルバス中
で27時間加熱還流した。得られた黄色溶液を蒸留水中
で48時間透析し、濃縮後凍結乾燥した。この操作によ
り低分子量化ジカルボキシペクチン酸ナトリウム塩DC
Pa−1700が、1.21g得られた。収率は40.
3%であった。今、Mn=数平均分子量、Mw=量平均
分子量とすると、GPCにより測定したMn、Mw/M
nはそれぞれ1700、2.0であった。IR,NMR
の結果を以下に示した。IR(KBr):3441cm
-1(OH)、2937(CH)、1612,1402
(COONa)、1095、1024(C−O−C)13
C−NMR(22.5MHz,D2O):δ=69.9
(C−2)、72.6(C−4)、74.4(C−
3)、78.4(C−5)、79.8〜81.0(C−
4’、C−5’)、100.5(C−1)、102.5
〜103.1(C−1’)、174.5〜179.1
(C−6、C−2’C−3’、C−6’)ここでC−1
〜C−6は酸化開裂された単糖単位の炭素である。この
DCPa−1700のカルシウムイオン封鎖能を測定し
たところ、213の値が得られた。また洗浄力は、9.
7であり、生分解率は30%に向上した。
の2,3位を酸化開裂し、反応後透析のかわりに濾過す
ると、ジアルデヒドアミロースが80.8%の収率で得
られた。ジアルデヒド体を更に実施例1と同様の方法で
酸化すると、ジカルボキシアミロースナトリウム塩、D
CAm−11900(82)(数平均分子量Mn=11
900、ジカルボキシル化率=82mol%)が87.
3%の収率で得られ、その生分解率は8.4%であっ
た。
実施例2と同様の方法で熱加水分解すると、DCAm−
2500(数平均分子量Mn=2500、Mw/Mn=
1.4)が42.3%の収率で得られた。このDCAm
−2500のカルシウムイオン封鎖能は、173、洗浄
力は9.3、生分解率は18%に向上した。
チンの2,3位を酸化開裂し、反応後透析のかわりに濾
過すると、ジアルデヒドアミロペクチンが89.2%の
収率で得られた。ジアルデヒド体を更に、実施例1と同
様の方法で酸化すると、ジカルボキシアミロペクチンナ
トリウム塩DCAp−11000(71)(数平均分子
量Mn=11000、ジカルボキシル化率=71mol
%)が88.1%の収率で得られ、生分解率は3.9%
であった。
施例2と同様の方法で熱加水分解すると、DCAp−1
400(Mn=1400、Mw/Mn=1.4)が、5
0.5%の収率で得られた。このDCAp−1400の
カルシウムイオン封鎖能は141、洗浄力は5.5、生
分解率は45%に向上した。
Claims (1)
- 【請求項1】 多糖化合物を酸化処理して、ポリカルボ
キシル基含有重合体となした後、アルカリ性条件下で加
水分解処理することを特徴とする金属イオン封鎖性及び
生分解性を有するオリゴマー化合物の製造方法。
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---|---|---|---|
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JP09234793A Expired - Fee Related JP3357996B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 金属イオン封鎖性オリゴマー化合物の製造方法及びそのオリゴマー化合物を含む洗浄剤組成物 |
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AU5199599A (en) * | 1998-07-31 | 2000-02-21 | Cooperatieve Verkoop- En Productievereniging Van Aardappelmeel En Derivaten Avebe B.A. | Oxidation of starch |
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