JP3356937B2 - 濾過膜板支持構造 - Google Patents

濾過膜板支持構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前記浄化槽内に水
密な複数の水処理空間を区画形成可能な一対の仕切板を
設けるとともに、前記水処理空間内に、偏平な濾過面を
有する平板型の濾過膜板を内装して支持する濾過膜板支
持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の濾過膜板支持構造として
は、濾過膜板1を支持するとともにその濾過膜板1と一
体化した状態で自立可能にユニット化された膜分離装置
12を、浄化槽内に区画形成される水処理空間E2内に
内装する構造が採用されている(図5、6参照)。とこ
ろが、このような構造を採用すると、ユニット単位で濾
過膜板1を設置する必要が生じるために、濾過膜の総膜
面積の異なる浄化槽を構成する事が困難になるととも
に、膜分離装置12を一体のものとして取り扱う必要性
が生じるために、浄化槽内のメンテナンスする場合の作
業性が低下するという問題点があった。そのため、この
ような問題点を解消するために、前記仕切板に濾過膜板
の取付部を並設するとともに、その仕切板間にわたって
前記濾過膜板を直接取り付ける構成が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、通常の浄化
槽は、被処理水量に応じて各水処理槽の大きさを決定す
るために、処理水量が異なる浄化槽ごとに、あるいは、
断面積−長さの比率が異なる浄化槽ごとに前記仕切板間
の距離が異なり、既存の濾過膜板を、一概に仕切板間に
架設固定することができない場合があった。また、複数
枚の濾過膜板を上述の濾過膜板支持構造を有する浄化槽
に取り付ける場合には、前記濾過膜板をマンホールから
出し入れする操作が、その濾過膜板の枚数に応じて濾過
膜板の配設作業における負荷になるために、同じ膜面積
を得るためには、小さな濾過膜を多数設けるのに比べて
大きめの濾過膜を小数枚設けたほうが、濾過膜板の配設
作業性が向上する。そのため、従来の浄化槽の構成を維
持しながらも大きめの濾過膜を配設容易にして利用可能
にし、濾過膜の配設作業性を向上したいという要望もあ
った。
【0004】従って、本発明の目的は、上記実情に鑑
み、濾過膜板の大きさに係わらず種々の大きさ、形状の
浄化槽の水処理槽に対してその濾過膜板の取り付けを容
易にできる濾過膜板支持構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、浄化槽内に水密な複数の水処理
空間を区画形成可能な一対の仕切板を設けるとともに、
前記水処理空間内に、偏平な濾過面を有する平板型の濾
過膜板を内装して支持するに、前記濾過膜板の端部を上
下スライド可能に係合させるスリット部を多数並設した
スリットパネルを設け、前記一対の仕切板間にわたっ
て、複数のスリットパネルを並列状態で取り付け固定す
るとともに、前記濾過膜板の両端部を並設する前記スリ
ットパネルどうしの間で互いに対向するスリット部に各
別に係合させて、前記スリットパネル間に架設固定可能
に構成してあることにあり、一対の仕切板に対して複数
の前記スリットパネルを、互いに離間距離変更自在に取
り付け可能に構成してあってもよく、その作用・効果は
以下の通りである。
【0006】〔作用効果〕つまり、浄化槽に水密な複数
の水処理空間を区画形成可能な一対の仕切板を設ける
と、浄化槽内に、濾過膜板を設置して被処理水を固液分
離処理する膜分離槽を形成することができる。この様に
して形成した膜分離槽には、濾過膜板の端部を上下スラ
イド可能に係合させるスリット部を多数並設したスリッ
トパネルを、前記仕切板間に取付可能に構成できること
になる。そこで、そのスリットパネルを、使用する濾過
膜板の幅に離間させて設けておけば、そのスリットパネ
ル間に濾過膜板を上下スライド自在に取り付けることが
できるようになる。そのため、スリットパネルを仕切板
に取付固定する離間距離を濾過膜板の幅に対応したもの
に設定しておくだけで、濾過膜板の多数を前記膜分離槽
内に配設可能に構成する事ができる。したがって、この
ような浄化槽の膜分離槽には濾過膜の寸法形状に係わる
ことなく取付可能に構成する事ができるようになって、
例えば、前記膜分離槽の仕切板間の距離より幅狭な濾過
膜板であっても、浄化槽に対して、個々に並設容易に取
り付ける事ができるようになるとともに、前記膜分離槽
の仕切板間の距離より幅広な濾過膜板も取り付ける事が
できるようになり、濾過膜板全体として、浄化槽内に取
り付ける作業効率を向上させることができるようになっ
た。逆にいえば既存の濾過膜板を用い、規模の異なる各
種浄化槽に適応させる事が可能になった。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、本発明の浄化
槽は、円筒状の浄化槽本体Xの両端に鏡部X1,X2を
設けて内部に密閉空間を形成するとともに、内部に複数
の水処理空間を水密に区画形成可能な複数の仕切板を設
けて区分けして、上流側から、流量調整槽N、脱窒素槽
E1、膜分離槽E2、放流ポンプ槽Tを上流側から順に
形成してあり、さらに消毒槽Qを設けて構成してある。
また、前記各槽の上部には、メンテナンス等に用いるマ
ンホールHを設けてある。
【0008】前記流量調整槽Nは、前記浄化槽本体Xの
一方の鏡部X1に設けてなる流入口Iから浄化槽内に流
入した被処理水の原水を受けて、その被処理水中の夾雑
物を沈殿除去しつつ、内部に生育する嫌気性菌により、
被処理水を嫌気処理しつつ、被処理水を一時貯留する水
処理室内に、被処理水を脱窒素槽E1に移送する第一ポ
ンプP1を設け、被処理水が大量に流入した場合や、長
期にわたって被処理水の流入が無い場合にも、被処理水
を定常的に脱窒素槽E1に移送して、後続の各水処理室
での水処理に支障をきたさないようにしてある。尚、前
記被処理水中の夾雑物のうち比較的大きなものは、濾過
スクリーンFによって固液分離された状態で流量調整槽
Nへ流入するとともに、固液分離された夾雑物は、散気
装置Cによって、破砕細分化されて前記流量調整槽Nへ
流入する構成にしてある。
【0009】前記脱窒素槽E1は、前記流量調整槽Nに
隣接する水処理室に、前記流量調整槽Nからの被処理水
を流入させる流入管A1を、前記第一ポンプP1に接続
して設け、被処理水の流入路を構成してある。また、第
二ポンプP2を内装し、その第二ポンプP2に移送管A
2を設け、被処理水を前記膜分離槽E2へ移送する構成
にしてある。また、槽内の被処理水を攪拌循環させる攪
拌ポンプP3を内装してあり、槽内の被処理水の混合を
図り、BOD負荷の高い被処理水と、硝化済の被処理水
とを混合し、高度な脱窒処理を行える構成にしてある。
【0010】前記膜分離槽E2は、前記脱窒素槽E1と
の間を仕切る仕切板に、前記流入路A3を設けるととも
に、前記脱窒素槽E1から過剰に流入した被処理水を前
記脱窒素槽E1に返送する返送口A4を設けて、被処理
水の返送路を構成してある。尚、通常、前記流入路A3
から流入する被処理水のうち、約8割の被処理水は、前
記返送路A4から返送される構成とする。図2、3に示
すように、前記膜分離槽E2には、前記水処理空間内
に、偏平な濾過面を有する平板型の濾過膜板1の端部を
上下スライド可能に係合させるスリット部21を多数並
設したスリットパネル2を設け、両端を前記膜分離槽E
2に隣接する水処理槽から仕切る一対の仕切板W,W間
にわたって、一対ののスリットパネル2を並列状態で取
り付け固定するとともに、前記濾過膜板1の両端部11
を、並設する前記スリットパネル2どうしの間で互いに
対向するスリット部21に各別に係合させて、前記スリ
ットパネル2間に架設固定可能に構成してある。尚、前
記一対の前記仕切板W,Wには、スリットパネル2の取
付部W1,W1………を多数設けてあり、前記スリット
パネル2どうしを、互いに離間距離変更自在に取り付け
可能に構成してあり、濾過膜板1の寸法、形状によらず
取り付け固定容易に構成してある(図4(イ)、(ハ)
参照)。前記濾過膜板1の下方には、濾過膜板1に気泡
を供給して、その膜面に汚泥等の付着しすぎるのを防止
し、かつ、前記膜分離槽E2内に循環流を形成しながら
被処理水に酸素を供給する散気装置Dを内装してある。
また、前記濾過膜板には取水管M1を連設するととも
に、前記取水管M1からの濾過水を合流させて膜分離槽
E2外へ導く集水管M2を接続して、被処理水移流管を
構成するとともに、その被処理水移流管の開口端部を隣
接する濾過水貯留槽T内で下向きに開口させてある。
【0011】前記濾過水貯留槽Tは、前記膜分離槽E2
から、移送される被処理水を貯留するとともに、被処理
水をほぼ定量的に移送する放流ポンプP4を内装し、化
学消毒剤Q1を内装してある消毒槽Qに被処理水を移送
可能に構成してある。
【0012】消毒槽Qは、前記濾過水貯留槽Tの上方側
に形成される容器内に消毒剤Q1を内装するとともに、
前記濾過水貯留槽Tから移送される処理水を前記消毒剤
Q1に接触自在に設けるとともに、消毒剤Q1に接触し
消毒された処理水を外部に放流自在に構成してある。
尚、化学消毒剤を含めて、被処理水を消毒する薬剤一般
を消毒剤Q1と総称する。
【0013】〔別実施形態〕以下に別実施形態を説明す
る。先の構成では膜分離槽E2に対して2つのスリット
パネル2を設けて濾過膜板を取り付ける構成にしたが
(図4(イ)参照)、これに限らず、3つあるいはそれ
以上のスリットパネル2を設けて、そのスリットパネル
2間にそれぞれ濾過膜板1を並設して、より多数の濾過
膜板1を並設可能に構成する事もできる(図4(ロ)参
照)。また、スリットパネル間の一か所にのみ濾過膜板
1を設ける場合であっても、その配設位置は必ずしも浄
化槽の幅方向の中央部である必要性はなく、浄化槽の幅
方向でいずれかの方向に偏在していてもかまわない。こ
のように濾過膜板の配設位置を変更自在に構成してある
ものの場合、各浄化槽ごとに被処理水の流れが各濾過膜
板に対して適切に
【0014】尚、本発明にいう水処理空間とは、仕切板
で水密に区画形成され被処理水を収容する空間の一般呼
称であり、水処理空間のうち濾過膜板を内装しているも
のを特に膜分離槽と称するものとする。尚、特許請求の
範囲の項に、図面との対照を便利にするために符号を記
すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定され
るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】浄化槽の縦断側面図
【図2】膜分離装置の分解斜視図
【図3】膜分離装置の平面図
【図4】本発明の種々の態様を示す平面図
【図5】従来の膜分離装置の平面図
【図6】従来の膜分離装置の全体斜視図
【符号の説明】
1 濾過膜板 11 両端部 2 スリットパネル 21 スリット部 W 仕切板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 公一 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会 社クボタ 技術開発研究所内 (72)発明者 本田 和之 滋賀県甲賀郡甲西町高松2番地の1 株 式会社クボタ 滋賀工場内 (56)参考文献 特開 平6−210142(JP,A) 特開 平6−218247(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/00 ZAB C02F 1/44 B01D 63/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化槽内に水密な複数の水処理空間を区
    画形成可能な一対の仕切板(W)を設けるとともに、前
    記水処理空間内に、偏平な濾過面を有する平板型の濾過
    膜板(1)を内装して支持する濾過膜板支持構造であっ
    て、 前記濾過膜板(1)の端部を上下スライド可能に係合さ
    せるスリット部(21),(21)………を多数並設した
    スリットパネル(2)を設け、 前記一対の仕切板(W),(W)間にわたって、複数のス
    リットパネル(2),(2)を並列状態で取り付け固定す
    るとともに、前記濾過膜板(1)の両端部(11),(1
    1)を並設する前記スリットパネル(2),(2)どうし
    の間で互いに対向するスリット部(21)に各別に係合
    させて、前記スリットパネル(2),(2)間に架設固定
    可能に構成してある濾過膜板支持構造。
  2. 【請求項2】 一対の仕切板(W),(W)に対して複数
    の前記スリットパネル(2),(2)を、互いに離間距離
    変更自在に取り付け可能に構成してある請求項1に記載
    の濾過膜板支持構造。
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