JP3356678B2 - 光学接続部品およびその作製方法 - Google Patents

光学接続部品およびその作製方法

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JP3356678B2 JP06134198A JP6134198A JP3356678B2 JP 3356678 B2 JP3356678 B2 JP 3356678B2 JP 06134198 A JP06134198 A JP 06134198A JP 6134198 A JP6134198 A JP 6134198A JP 3356678 B2 JP3356678 B2 JP 3356678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光素子、光回路パ
ッケージ、光回路装置等の光通信、光情報処理に用いら
れる光素子、部品、装置間を相互に接続するための光学
接続部品(光配線板)およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光回路パッケージ内の複数の光素子の接
続や、複数の光回路パッケージ相互間、或いは光パッケ
ージを搭載する光回路装置との光学接続では、一般に光
素子や光回路パッケージ、光回路装置等の端部に光コネ
クタを配置して、光ファイバによって相互に接続してい
る。その場合、光ファイバは余長を持って配置する必要
があるため、例えば、光回路パッケージ上や光回路装置
の内部および/または背面では、光ファイバによる複雑
な配線が鳥の巣状に、または輻輳して張り巡らされ、そ
のために大きな空間を占めているのが現状である。この
ような複雑で場所を必要とする光学接続方法に対して、
光ファイバを二次元平面上に任意に配線することによる
簡便な方法として、特許第2574611号公報に開示
されているように、粘着剤の塗布してあるシートまたは
基板を用い、それによって光ファイバを固定することが
提案されている。
【0003】ところで、特許第2574611号公報に
記載の光学接続部品は、その作製に際して、基材(ベー
ス層)上またはファイバージャケット上の粘着剤により
光ファイバを敷設して配線パターンを形成し、その上
を、基材で用いた材料と同様な材料を用いて被覆して保
護層を形成し、光学接続部品を得ている。しかしなが
ら、この方法では、敷設した光ファイバの数が多くなっ
て、形成された配線パターンにおける光ファイバの重な
り部分(交差配線)が増加するに伴い、光ファイバ配線
層の厚みが増加し、また、光ファイバの重なり部分で
は、光ファイバが接する粘着面が減少することから、保
護層を均質に設けることができないという問題があっ
た。また、配線パターンにおける光ファイバの重なり部
分において粘着剤による固定力が弱くなって、光ファイ
バが動いて、配線パターンにおける光ファイバが位置ず
れ(配線パターンの崩れ)を引き起こすという問題があ
った。さらにまた、通常の光ファイバは直径125〜2
50μmであり、例えば3本の重なり部分では375〜
750μmの厚さになり、配線パターンにおける光ファ
イバの重なり部分が多くなると、保護層の下の光ファイ
バ周囲に保護層の浮き部分(空気層)が生じ、温度およ
び湿度に対する信頼性等に問題が生じるほか、光配線板
の屈曲等の変形による破壊に対して著しく弱くなる。
【0004】この問題を解決するために、塗工または印
刷等の方法で樹脂層を形成することによって輻輳して配
線された光ファイバを固定することが考えられるが、光
ファイバが重なり部分を持って配線されている場合に
は、塗工等によって形成される樹脂層に大きな凹凸が生
じるという問題があり、また、光ファイバの終端部分に
光コネクタが設けられている場合や、光ファイバ配線部
分が複雑な形状を有する場合には、塗工および印刷等の
方法によっては、満足すべき樹脂層を設けることは不可
能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点を解決することを目的とし
てなされたものである。すなわち、本発明の目的は、上
記のように輻輳した光ファイバ配線に対して、簡単に光
学接続ができる新規な光学接続部品を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、敷設された光ファイバの配線
パターンを崩さずに、配線された光ファイバを外力(引
っ張り、曲げ、引っ掻き等)に対して固定し保護する樹
脂固定層を経済的に歩留まりよく形成して光学接続部品
を作製する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光学接続部品
は、二次元平面を有する基材、その基材上に配線された
複数の光ファイバ、基材の二次元平面に配線された複数
の光ファイバを固定し、保護するための樹脂固定層、そ
の樹脂固定層の形成の際に樹脂材料が流出するのを阻止
するための上記基材の周縁または周縁近傍に設けられた
堰状物、および上記光ファイバの端部に設けられた光学
接続するための終端部分を有し、上記樹脂固定層が、基
材の周縁または周縁近傍に設けた堰状物の内側に樹脂材
料を満たして形成されたものであることを特徴とする。
本発明の光学接続部品は、上記樹脂固定層の表面に保護
のための保護層が設けられていてもよい。
【0007】本発明の光学接続部品は、二次元平面を有
する基材の上に、複数の光ファイバを、端部に光学接続
するための終端部分が設けられるように配線した後、該
基材の周縁または周縁近傍に堰状物を設け、その堰状物
の内側部分に樹脂材料を満たし、樹脂固定層を形成する
ことによって製造することができる。また、本発明にお
いては、上記樹脂固定層の上に保護層を形成してもよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の光学接続
部品の一例の一部破砕した平面図であり、図2はその断
面図である。図において、二次元平面を有する基材1の
上に、複数の光ファイバ2が配線されており、そして光
ファイバの端部は光学接続するための終端部分3になっ
ていて、光部品4、例えば光コネクタが接続されてい
る。基材1の周縁部には堰状物5が設けられており、そ
して、その堰状物の内側には、樹脂材料を満たすことに
よって形成される樹脂固定層6が設けられている。さら
に樹脂固定層の上には保護層7が設けられている。
【0009】本発明の光学接続部品において、配線され
た光ファイバを支持するための2次元平面を有する基材
は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス−エ
ポキシ複合基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルム等、通常電気部品、電子部品で使用される基材な
らば、如何なるものでも使用することが可能である。ま
た、本発明の光学接続部品は可撓性である必要はなく、
剛直なものでもよいから、基材としては、例えば、剛直
な高分子基板、セラミック基板等を使用することもでき
る。また、その形状も如何なるものでもよい。
【0010】基材の上に配線される光ファイバは、光学
接続部品の適用目的に応じて適宜選択して使用され、例
えば、石英またはプラスチック製のシングルモード光フ
ァイバ、マルチモード光ファイバ等が好ましく使用され
る。また、光ファイバは、カーボンコート光ファイバで
あるのが好ましい。一般に光ファイバの寿命を決める大
きな要因としては、雰囲気の水、水素の侵入があげられ
るが、カーボンコート光ファイバは、水および水素の侵
入が抑えられるため、高い信頼性と寿命が得られるから
である。また、本発明の光学接続部品では、通常の光ケ
ーブルのごとき耐環境性能を付与するケーブル外皮を設
けないため、信頼性の高いカーボンコート光ファイバを
用いるのがより有効である。
【0011】上記基材上に光ファイバを固着するための
接着剤としては、配線される光ファイバの曲げで生じる
張力に対応して光ファイバの形状を維持する接着力を有
するものであれば、如何なるものでも使用でき、例え
ば、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ナイロン
系、フェノール系、ポリイミド系、ビニル系、シリコー
ン系、ゴム系、フッ素化エポキシ系、フッ素化アクリル
系等各種の感圧接着剤(粘着剤)、熱可塑性接着剤、熱
硬化性接着剤を使用することができる。光ファイバの配
線の容易さからは、感圧接着剤および熱可塑性接着剤が
好ましく使用される。
【0012】本発明の光学接続部品においては、上記の
ようにして基材の二次元平面上に光ファイバを固着して
配線した後、その配線部材を固定し、保護するために樹
脂固定層を設けるが、樹脂固定層を形成するために、ま
ず、基材の周縁または周縁近傍に堰状物を設ける。その
場合、堰状物は、通常は基材の周縁または周縁近傍にそ
の全周にわたって設ければよい。しかしながら、基材の
周縁近傍に光コネクタ、光モジュール、光デバイス等の
光学部品を載置する場合には、それら光学部品が堰状物
としての役割を果たすことになるので、その光学部品が
載置された部分には堰状物を設ける必要はない。図3
(a)は、その場合を説明するものであって、基材の周
縁近傍に載置された光学部品41および42が、堰状物
5の代替物となっている場合を示している。また、本発
明においては、これら光学部品と樹脂固定層との接触を
避けるために、堰状物をこれら光学部品を避けてそれら
の周囲に設けてもよい。図3(b)は、その場合を示す
ものであって、光学部品41および42の周囲に堰状物
5aおよび5bが設けられている。上記のように堰状物
を設けることによって、樹脂固定層の形成に際して樹脂
材料が堰状物の外に流出するのを阻止することができ
る。
【0013】堰状物を構成する材料としては、特に限定
されるものではなく、好適には、光学接続部品の適用目
的に応じて適宜選択すればよいが、特に、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン等の有機繊維よりなる不
織布、ガラス繊維の不織布、およびシリコーン系、エポ
キシ系、ウレタン系またはアクリル系樹脂よりなるシー
リング剤(充填剤)等が好適に使用される。堰状物は、
その内側に満たされる樹脂材料が外側に流れ出ないよう
にする限り、そのサイズおよび形状は限定されるもので
はない。
【0014】上記堰状物の内側は、樹脂材料で満たされ
て樹脂固定層が形成され、それによって配線された光フ
ァイバが固定され、保護される。本発明において、樹脂
固定層を構成する材料は特に限定されるものではない
が、好適には光ファイバにかかる応力を緩和するため
に、ゲル状またはゴム状の有機材料、紫外線硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂で
可撓性を有するもの、可撓性を有する熱可塑性樹脂等が
使用される。より具体的には、ゲル状の有機材料として
は、シリコーンゲル、アクリル系樹脂ゲル、フッ素樹脂
系ゲル等があげられ、ゴム状の有機材料としては、シリ
コーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリル系ゴ
ム、エチレン−アクリル系ゴム、SBR、BR、NB
R、クロロプレン等があげられる。可撓性のある硬化性
樹脂としては、エポキシ樹脂、紫外線硬化性接着剤、シ
リコーン樹脂等があげられ、熱可塑性樹脂としては、可
撓性を有しているものであれば如何なるものでもよく、
例えば、ポリ酢酸ビニル、メタクリル酸エチル樹脂等の
アクリル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリアミド樹脂等のホットメルト型接着剤
を構成する樹脂があげられる。これら樹脂材料は、液体
の場合は直接に、また、固体の場合は、例えば、加熱に
より液状として、または溶剤に溶解して塗布液とした状
態で樹脂固定層形成のために使用することができる。ま
た、樹脂材料を堰状物の内側に固体状態で充填し、その
後、樹脂材料または光学接続部品全体を加熱して樹脂材
料を溶融状態にし、その後固化して樹脂固定層を形成す
ることも可能である。
【0015】なお、必要な場合には樹脂固定層の上に、
保護層を設けてもよい。保護層は、光ファイバを配線す
る上記基材と同一のものでもよく、有機高分子材料およ
びセラミック等のシートおよび板状体等が用いられる。
【0016】本発明の光学接続部品においては、通常、
光コネクタとの接続のために基材端面の所望の位置(ポ
ート)から光ファイバが伸びて終端部分を形成してお
り、そこに光コネクタが接続されるか、または光コネク
タに接続された光ファイバと融着接続される。本発明の
光学接続部品に接続される光コネクタは特に限定されな
いが、好適には単芯あるいは多芯の小型光コネクタが選
択される。例えば、MPO光コネクタ、MT光コネク
タ、MU光コネクタ、FPC光コネクタ(NTTR&
D、Vol.45 No.6、589頁)等が挙げられ
る。
【0017】本発明の上記光学接続部品を製造するため
には、まず、二次元平面を有する基材上に上記のような
接着剤を用いて光ファイバによる所望パターンの配線を
行う。その際、光ファイバの端部は、光コネクタと光学
接続するための終端部分となるように基材から引き出さ
れた状態にする。次いで、基材の周縁または周縁近傍に
上記の材料を用いて堰状物を設け、形成された堰状物の
内側部分に樹脂材料を満たし、固化する。例えば、樹脂
材料を適当な溶剤に溶解した塗布液の状態で滴下し、乾
燥させる方法、液体状態の熱硬化性樹脂を滴下し、加熱
硬化させる方法、加熱溶融した状態の熱可塑性樹脂を滴
下し、冷却することによって固化させる方法、固体のま
ま堰状物の内側に充填し、加熱溶融した後、固化する方
法等によって樹脂固定層を形成する。それによって配線
された光ファイバは固定され、保護された状態になる。
さらに、所望により、樹脂固定層の上には保護層を設け
る。保護層は、樹脂固定層の樹脂材料が固化する前に、
フィルム状物を積層し、その後樹脂材料を固化してもよ
く、また、樹脂材料が固化した後、保護層形成用塗布液
を塗布することによって形成してもよい。
【0018】上記のようにして作製された光学接続部材
において、引き出された光ファイバの終端部分には、光
コネクタを接合させる。例えば、光コネクタに固定され
た光ファイバ端面と、光ファイバ配線部材から引き出さ
れた各光ファイバの端面とを、融着接続させる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 基材として、厚さ125μmのポリイミドフィルムを用
い、その上にアクリル系粘着剤を厚さ100μmになる
ように塗工した基材シート(サイズ210mm×297
mm)を用意した。これに、ポート(光学接続部材から
の光ファイバ取り出し部分)当りの光ファイバ芯線(古
河電工社製、カーボンコート光ファイバ、250μm
径)を配線するにあたり、光ファイバ16本を300μ
mピッチで並列し、基材シートの短辺の両側に各8ポー
ト(各ポートは光ファイバ16本で構成)を25mmピ
ッチで作製した。各光ファイバは基材シートの一方の短
辺から他方の短辺に配線し、両側の各ポートへの配線
は、設計により各光ファイバ毎に所望のフリーアクセス
配線(128本)とし、光ファイバの配線を調整して最
大の重なり数が3本となるようにした。
【0020】その後、光ファイバを配線した基材シート
の周囲に、ポリプロピレン繊維よりなる不織布(東燃タ
ピルス社製、P100SW−00X)を用いて幅5m
m、厚さ1mmの堰状物を形成した。次いで、その内側
にシリコーンゲル塗液(東レ・ダウコーニング社製、S
E−1880)を滴下し、その上に125μmのポリイ
ミドフィルムをオーバーコートして保護層を設け、12
0℃で1時間の条件下にシリコーン樹脂ゲルを硬化させ
て厚さ1.25mmの光配線板を作製した。その後、引
き出された光ファイバの端部にMUコネクタを接続して
最終製品の光配線板を得た。
【0021】上記の堰状物を設けることにより、樹脂固
定層形成用のシリコーン樹脂ゲル塗液は、光ファイバを
配線した基材シートの端面から流れ出すことがなく、堰
状物のポリプロピレン繊維よりなる不織布に含浸され、
基材シート、光ファイバ、樹脂固定層、保護層および堰
状物が一体化された光学配線板が得られた。また、各ポ
ートから引き出された光ファイバの端部も樹脂固定層形
成用塗液に汚染されることなく、光コネクタと良好な接
続を行うことができた。
【0022】作製した光配線板について、75℃、90
%RHで5000時間放置の高温多湿試験、および−4
0℃から75℃、500回の温度サイクル試験を行った
ところ、光損失の変化、変動ともに0.2dB以下であ
り、光学接続部品として十分使用可能なことが分かっ
た。
【0023】実施例2 実施例1において、各ポートが8本の光ファイバで構成
され、MUコネクタの代わりにMTコネクタ(8心光コ
ネクタ)を用い、かつ光ファイバを配線する前に片側の
みMTコネクタを接続したものを用いた以外は、実施例
1と同様にして光配線板を作製した。
【0024】堰状物を設けることにより、樹脂固定層形
成用のシリコーンゲル塗液は、光ファイバを配線した基
材シートの端面から流れ出すことがなく、堰状物のポリ
プロピレン繊維よりなる不織布に含浸され、基材シー
ト、光ファイバ、樹脂固定層、保護層および堰状物が一
体化された光学配線板が得られた。また、予め接続され
たMTコネクタおよび各ポートから伸びた光ファイバ端
部も樹脂固定層形成用塗液に汚染されることなく、光コ
ネクタと良好な接続を行うことができた。
【0025】作製した光配線板について、75℃、90
%RHで5000時間放置の高温多湿試験を行ったとこ
ろ、光損失の変化、変動とも0.25dB以下である光
学接続部品として十分使用可能なことが分かった。光損
失を測定したところ、光コネクタの接続損失も含めて
0.8dB以下であった。
【0026】実施例3 実施例2において、ポリプロピレン繊維よりなる不織布
の代わりに、幅5mm、厚さ500μmのナイロン繊維
よりなる不織布(東燃タピルス社製、N050SS−0
0X)を用い、樹脂固定層形成用の樹脂材料として、エ
ポキシ樹脂(共栄油脂社製、エポライト400E)およ
びエポキシ樹脂と当量の硬化剤(油化シェル社製、エポ
メートB002)を用い、150℃、1時間の条件下で
エポキシ樹脂を硬化させ、全光ファイバの総数が64本
であり、かつ光ファイバの最大の重なりが2本であるこ
と以外は、実施例2と同様にして、厚さ0.75mmの
光配線板を作製した。
【0027】堰状物を設けることにより、樹脂固定層形
成用のエポキシ樹脂塗液は、光ファイバを配線した基材
シートの端面から流れ出すことがなく、ナイロン繊維よ
りなる不織布に含浸され、基材シート、光ファイバ、樹
脂固定層、保護層および堰状物が一体化された光配線板
が得られた。また、予め接続された光コネクタおよび各
ポートから伸びた光ファイバの端部も樹脂固定層形成用
塗液に汚染されることなく、光コネクタと良好な接続を
行うことができた。
【0028】接続したすべての光ファイバの損失を測定
したところ、光コネクタの接続損失も含めて、0.6d
B以下であった。作製した光配線板について、75℃、
90%RHで5000時間放置の高温多湿試験、及び−
40℃から75℃、500回の温度サイクル試験を行っ
たが、光損失の変化、変動とも0.20dB以下であり
光学接続部品として十分使用可能なことが分かった。
【0029】実施例4 厚さ1.6mmのガラス−エポキシ複合材基板上にアク
リル系粘着剤よりなる厚さ100μmの粘着層を設けた
基板(サイズ210mm×297mm)を用意した。こ
の粘着剤層は予め剥離シート上に作製しておき、それを
ガラス−エポキシ複合材基板に貼り付けて形成した。こ
の上に実施例2と同様にして、8心のMTコネクタが既
に接続されている光ファイバを配線し、シリコーン系の
充填剤(シーリング剤、コニシ:バスボンド)を用い
て、光ファイバを配線したガラス−エポキシ複合材基板
の周囲に、幅5mm、厚さ800μmの堰状物を設け
た。樹脂固定層形成用の樹脂材料としてはシリコーンゴ
ム塗液(東芝シリコン社製、YE−5822)を用い
て、100℃、1時間の条件でシリコーンゴムを硬化し
た以外は実施例2と同様にして光配線板を作製した。
【0030】堰状物を設けることにより、樹脂固定層形
成用のシリコーンゴム塗液は、上記光ファイバを配線し
たガラス−エポキシ複合材基板の端面から流れ出すこと
がなく、基板、光ファイバ、樹脂固定層、保護層および
堰状物が一体化された光配線板が得られた。また、あら
かじめ配線された光コネクタも樹脂固定層形成用塗液に
汚染されることがなかった。
【0031】作製した光配線板について、75℃、90
%RHで5000時間放置の高温多湿試験を行ったとこ
ろ、光損失の変化は0.30dB以下であり、光学接続
部品として十分使用可能なことが分かった。光損失を測
定したところ、光コネクタの接続損失も含めて0.85
dB以下であった。
【0032】実施例5 実施例4において、樹脂固定層形成用の樹脂材料として
紫外線硬化型粘着剤(大阪有機化学工業社製、ビスコタ
ックPM−654)を用いて20mW/cm2の紫外線
を2分間照射し、その上に厚さ125μmのポリイミド
フィルムを貼り合わせた以外は、実施例4と同様にして
光配線板を作製した。
【0033】堰状物を設けることにより、樹脂固定層形
成用の紫外線硬化型粘着剤塗液は、上記光ファイバを配
線したガラス−エポキシ複合材基板の端面から流れ出す
ことがなく、基板、光ファイバ、樹脂固定層、保護層お
よび堰状物が一体化された光配線板が得られた。また、
あらかじめ接続された光コネクタも樹脂固定層形成用塗
液によって汚染されることがなかった。
【0034】作製した光配線板について、75℃、90
%RHで5000時間放置の高温多湿試験を行ったとこ
ろ、光損失の変化は0.20dB以下であり、光学接続
部品として十分使用可能なことが分かった。光損失を測
定したところ、光コネクタの接続損失も含めて0.75
dB以下であった。
【0035】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の光学接続部
品においては、基材の周縁または周縁近傍に堰状物を設
けることにより、樹脂固定層形成用の樹脂材料が、光フ
ァイバを配線した基材の端面から流れ出すことがなく樹
脂固定層が形成される。したがって、基材上から伸びた
光ファイバ端部や保護層設置前に予め接続された光コネ
クタまたは基材上に予め設置された光コネクタを汚染す
ることがなく、かつ、光ファイバの配線パターンを乱す
ことなく配線された光ファイバを基材上に固定し、保護
することができる。したがって、本発明の光学接続部品
の作製方法によれば、光学接続部品の信頼性が増すとと
もに、光ファイバ、コネクタの汚れや破損による歩留ま
りの低下を防止することができる。また、樹脂固定層形
成用の樹脂材料として、可撓性を有する材料を選択する
ことにより、光ファイバにかかる応力を緩和し、それに
より光学接続部品の信頼性を更に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学接続部品の一例の一部破砕した
平面図である。
【図2】 図1の光学接続部品の断面図である。
【図3】 基材上に光学部品が載置された場合における
堰状物の形態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…基材、2…光ファイバ、3…終端部分、4…光コネ
クタ,光モジュール等の光部品、5…堰状物、6…樹脂
固定層、7…保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有島 功一 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 平山 守 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−247747(JP,A) 特開 平6−265763(JP,A) 特開 平7−281052(JP,A) 特開 昭62−196607(JP,A) 実開 昭55−12248(JP,U) 実開 昭57−155508(JP,U) 特公 昭47−3773(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 G02B 6/06 G02B 6/38 G02B 6/44

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元平面を有する基材、該基材上に配
    線された複数の光ファイバ、該基材の二次元平面に配線
    された複数の光ファイバを固定し、保護するための樹脂
    固定層、該樹脂固定層の形成の際に樹脂材料が流出する
    のを阻止するための該基材の周縁または周縁近傍に設け
    られた堰状物、および該光ファイバの端部に設けられた
    光学接続するための終端部分を有し、該樹脂固定層が、
    該基材の周縁または周縁近傍に設けた堰状物の内側に樹
    脂材料を満たして形成されたものであることを特徴とす
    る光学接続部品。
  2. 【請求項2】 樹脂固定層の表面に保護層が設けられて
    いる請求項1に記載の光学接続部品。
  3. 【請求項3】 光ファイバがカーボン被覆光ファイバで
    ある請求項1に記載の光学接続部品。
  4. 【請求項4】 堰状物が有機繊維よりなる不織布または
    ガラス繊維よりなる不織布より形成される請求項1に記
    載の光学接続部品。
  5. 【請求項5】 堰状物がシリコーン系、エポキシ系、ウ
    レタン系またはアクリル系樹脂よりなるシーリング剤で
    形成される請求項1に記載の光学接続部品。
  6. 【請求項6】 樹脂固定層がゲル状材料またはゴム状材
    料より形成されたものである請求項1に記載の光学接続
    部品。
  7. 【請求項7】 樹脂固定層が熱硬化性樹脂または紫外線
    硬化性樹脂より形成されたものである請求項1に記載の
    光学接続部品。
  8. 【請求項8】 二次元平面を有する基材の上に、複数の
    光ファイバを、端部に光学接続するための終端部分が設
    けられるように配線した後、該基材の周縁または周縁近
    傍に堰状物を設け、該堰状物の内側部分に樹脂材料を満
    たすことによって樹脂固定層を形成することを特徴とす
    る光学接続部品の作製方法。
  9. 【請求項9】 樹脂固定層の上に、保護層を形成するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の光学接続部品の作製方
    法。
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