JP3356564B2 - マイクロスコープの光量制御装置 - Google Patents

マイクロスコープの光量制御装置

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JP3356564B2
JP3356564B2 JP29297494A JP29297494A JP3356564B2 JP 3356564 B2 JP3356564 B2 JP 3356564B2 JP 29297494 A JP29297494 A JP 29297494A JP 29297494 A JP29297494 A JP 29297494A JP 3356564 B2 JP3356564 B2 JP 3356564B2
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  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小な被写体に接触ま
たは近接して使用され、被写体に光を照射し、固体撮像
素子で撮影した映像をモニター画面上で観察したり、必
要に応じ外部メモリに記録するために、レンズを通して
拡大するマイクロスコープに関し、特にその光量を制御
するための光量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロスコープでは、可変電子
シャッター方式のCCDカメラと被写体照明用の光源を
本体ケース内に一体的に内装しており、被写体に対し常
に適正な画像を得るようにするため、レンズのF値やC
CDの感度値などのデータに基づき光学的な計算を行
い、それにより必要な被写体照度の値を求めた後、この
照度値より十分高い照度値が得られるような光源の光量
でもって被写体に照明を施している。このように、照度
に余裕をもたせて照明を行うと、通常は明るすぎてCC
D(固体撮像素子)に入力される光量が大きくなりすぎ
るが、可変電子シャッター方式のCCDカメラでは電子
絞り動作が行われ、露光時間を短くしてCCDの出力が
飽和しないよう制御される。
【0003】また、光量が同じでも被写体の明暗(白っ
ぽい被写体か黒っぽい被写体か)に応じて映像出力レベ
ルに差が生じるので、これについても露光時間の長さを
制御して常に一定レベルの映像出力が得られるよう制御
される。これらの制御動作は可変電子シャッターの制御
動作と呼ばれ、CCDへの入射光量の大小にかかわらず
CCDの出力レベルが常に一定となるよう露光時間の長
さを制御することによって行われる。
【0004】また、マイクロスコープに装着するレンズ
はマイクロスコープの拡大倍率を決定するものであり、
マイクロスコープの商品仕様として多種の拡大倍率が要
求されるときはレンズ交換によって対応することにな
る。一般的に倍率の高いレンズほどF値が大きくなるた
め、光の透過率が低下し暗くなる。したがって、拡大倍
率の異なる多種のレンズを交換によってマイクロスコー
プに装着できる仕様の場合は、最も倍率の高いレンズす
なわち最も暗いレンズを装着するときのことを考慮して
光源の光量を決めている。
【0005】さらに、光源としては小型で光量の大きな
ハロゲンランプを用いることが多いが、一般にランプは
印加電圧に応じて光量と寿命が変化する(印加電圧が高
くなる程光量は大きくなるが寿命は短くなる)。したが
って、寿命を考慮に入れながらランプの印加電圧を決め
る必要がある。
【0006】次に、マイクロスコープで撮像した画像を
外部メモリに記録する場合、外部メモリの仕様としては
フレームメモリ方式またはフィールドメモリ方式が用い
られる。フレームメモリ方式とは画面の偶数フィールド
と奇数フィールドの映像信号両方をメモリに記憶させる
方式であり、フィールドメモリ方式とはいずれかのフィ
ールドの映像信号をメモリに記憶させる方式である。フ
レームメモリ方式はからみ合わされる画面(偶数フィー
ルドと奇数フィールドの両画面)を全て記録する方式の
ため、フィールドメモリ方式に比べ垂直解像度がよくな
るが、撮像回路における露光タイミングが2回あり、こ
の2回の露光タイミングにおいて被写体に動きがある
と、偶数フィールドと奇数フィールドの映像信号に時間
的なずれができ、画面ではぶれとなって現れる。マイク
ロスコープは撮像回路と光源を本体に一体的に内装する
ことによって、手でもって操作する(撮像する)ことも
可能なものであり、このようなタイプのマイクロスコー
プでは手ぶれを考慮して画像を記録するときには撮像回
路における露光タイミングが1回だけのフィールドメモ
リ方式が使用される。しかしながら、このフィールドメ
モリ方式においても撮像回路における露光時間が長い場
合は手ぶれによる影響があり、これは水平解像度の低下
となって現れる。したがって、この手ぶれの影響を少な
くするためには、できるだけ露光時間が短くなるよう光
量を大きくする必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のCCDカメラと
被写体照明用の光源を本体ケース内に一体的に内装し、
手でもって操作することを可能としたマイクロスコープ
では、外部メモリへの記録時における手ぶれによる影響
を低減するため、撮像回路における露光時間を短くし、
そのため光源の光量を大きくする必要がある。そのた
め、光源として光量の大きいハロゲンランプが多く用い
られるが、一般にランプの光量を大きくするためにはラ
ンプへの印加電圧を大きくする必要があり、逆に印加電
圧を大きくするとランプの寿命が短くなるという欠点が
ある。
【0008】また、レンズを交換することによって拡大
倍率の異なる多種のレンズを装着できるマイクロスコー
プの場合は、最も倍率の高いレンズすなわち最も暗いレ
ンズに合わせてランプの光量すなわちランプへの印加電
圧を設定する必要があるが、逆にこれよりも倍率の低い
レンズすなわちこれよりも明るいレンズを装着したとき
には必要以上に光量が大きすぎ(必要以上に印加電圧が
高く)、無駄に寿命を縮めていることになる。しかも、
レンズのF値やランプの光量、CCD感度値など光学系
を構成する部品にはバラツキがあり、そのため余裕をも
ってランプの光量すなわちランプへの印加電圧を設定す
る必要があるが、これによってもランプの寿命を縮めて
いることになる。そこで、寿命を伸ばすためランプへの
印加電圧を下げてその光量を小さくし、その代わり撮像
回路における露光時間を長くする方法をとると、外部メ
モリへの画像記録時に手ぶれがある場合、解像度が低下
するという問題が生じる。
【0009】ここで、特公平6−16146号公報ある
いは実開平3−114802号公報には、被写体を照明
する光源の光量を自動的に調整して、適性な映像信号を
得ようとすることが記載されているが、ぶれの低減を図
るものではなく、しかも光源の寿命に関しては一切考慮
されていない。また、特開平3−130711号公報に
は、露光時間に基づいて光量を調整することが記載され
ているが、撮影面に露光される光の明るさの出力信号が
積分されて積分状態値が出力され、その時間変化率から
露光時間が予想されており、撮影前に露光時間と光量を
適切に制御しようとするものであるため、常時露光時間
を監視するようにはなっておらず、撮影中に露光時間が
変化するような場合には対応できない。しかも、光源の
寿命に関しても同様に考慮されていない。
【0010】本発明は、上記に鑑み、適正な画像を得る
ための必要最小限の電圧を光源としてのランプに印加し
て、ランプの寿命を伸ばすとともに、外部メモリに画像
を記録するときのぶれの低減を可能にするマイクロスコ
ープの光量制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、固体撮像素子(CCD)20と、被写体照明用光
源2と、被写体照度に応じて露光時間を制御する撮像回
路21とを備えたマイクロスコープにおいて、撮像時の
露光時間を検出する露光検出手段11と、露光時間が設
定範囲内になるように前記光源2への印加電圧を可変す
る光量制御手段13とが設けられたものである。
【0012】さらに、CCD20の入射光量に対応した
出力レベルを検出する出力レベル検出手段10と、出力
レベルが設定範囲内になるように露光時間を可変する露
光制御手段12とが設けられ、前記光量制御手段13は
前記露光制御手段12により可変された露光時間が設定
範囲外になるとき光源2への印加電圧を可変するもので
ある。
【0013】そして、画像ノイズあるいは画像記録時の
ぶれをさらに低減させるために露光時間を設定範囲外の
時間に変更する設定手段14が設けられている。また、
撮像時のぶれを検出するぶれ検出手段15と、ぶれが検
出されたとき露光時間を設定した値より小さい値に切換
えるぶれ低減手段16とが設けられている。さらに、被
写体7の有無を検出する被写体検出手段17と、被写体
7がないとき光源2への印加電圧を低下させる待機手段
18とが設けられている。
【0014】
【作用】上記課題解決手段において、画像のノイズや画
像記録時のぶれ等を考慮してCCD20の出力レベルや
露光時間は設定されている。しかし、被写体7の明暗に
よって設定された範囲から外れるときがある。この場
合、まず出力レベル検出手段10によりCCD20の出
力レベルを検出し、その出力レベルが設定範囲内になる
ように露光制御手段12により露光時間を変える。次
に、露光検出手段11によりこの露光時間を検出して、
設定範囲より外れているとき、光量制御手段13により
光源2への印加電圧を変えて光量を制御する。これによ
って、CCD20の出力レベルや露光時間が設定範囲内
に維持され、適性な画像を得ながら、なおかつ外部メモ
リ等への画像記録時のぶれもなくしながら、光源2の寿
命を最大限に伸ばすことができる。
【0015】そして、画像ノイズや画像記録時のぶれを
さらに低減させたい場合は、設定手段14により露光時
間を設定範囲外の時間に切換える。例えば、露光時間を
より短くすると、画像記録時のぶれをさらに低減するこ
とができる。露光時間をより長くすると、画像ノイズを
さらに低減することができる。
【0016】また、ぶれ検出手段15により撮像時にぶ
れが検出されると、ぶれ低減手段16により自動的に露
光時間が短くなり、画像記録時のブレが低減される。
【0017】さらに、被写体検出手段17により被写体
7の有無を検出して、待機手段18により、ありの場合
には通常の動作が行われ、なしの場合には光源2への印
加電圧が低下され、無駄な光源2の寿命の消費が抑えら
れる。
【0018】
【実施例】本実施例のマイクロスコープでは、図1〜4
の如く、CCDカメラ1と、被写体照明用光源としての
ハロゲンランプ(以下ランプと称す)2と、これらを総
合的に制御する制御回路3とが合成樹脂製本体ケース4
に一体的に内装されており、手で持って撮像することを
前提にしているため、できるだけコンパクトな外形とな
るようにランプ2の電源回路5や外部メモリ6はケース
本体4とは別に設けられている。なお、これらがケース
本体4に内装されていても差し支えはない。
【0019】そして、本実施例では、ランプ2の寿命を
伸ばすために適性な画像が得られる必要最小限の電圧を
ランプ2に印加し、同時に外部メモリ6に画像を記録す
るときのぶれを低減する光量制御のための手段として、
図1の如く、CCDカメラ1の入射光量に対応した出力
レベルを検出する出力レベル検出手段10と、撮像時の
露光時間を検出する露光検出手段11と、出力レベルが
設定範囲内になるように露光時間を可変する露光制御手
段12と、露光時間が設定範囲内になるようにランプ2
への印加電圧を可変する光量制御手段13と、露光時間
を設定範囲外の時間に変更する設定手段14と、撮像時
のぶれを検出するぶれ検出手段15と、ぶれが検出され
たとき露光時間を設定した値より小さい値に切換えるぶ
れ低減手段16と、被写体7の有無を検出する被写体検
出手段17と、被写体7がないときランプ2への印加電
圧を低下させる待機手段18とが設けられている。
【0020】前記CCDカメラ1は、固体撮像素子であ
るCCD20と、被写体照度に応じて露光時間を制御す
る可変電子シャッター方式の撮像回路21とを備えたも
ので、ケース本体4の前側に配され、その後方にランプ
2が配され、最後部にランプ2から発生する熱を排気口
22から外部へ排出するための冷却ファン23が配され
ている。ランプ2の前面には、防熱フィルタ24、集光
レンズ25、光ファイバー26が順に配置されている。
なお、図2中、27は吸入口、28は整流板、29はカ
バー、30は遮蔽リブである。
【0021】そして、ランプ2の光は、防熱フィルタ2
4を介して集光レンズ25で集光され、光ファイバー2
6を通じて被写体7を照射する。被写体7からの反射光
がレンズ31を通して拡大され光信号SOとしてCCD
20に入力され、CCD20からの出力信号OSが撮像
回路21において電気信号へ変換されケーブルを介して
C.Video(複合映像信号)信号として出力され
る。このC.Video信号はそのままモニターテレビ
32へ入力されて動画像として映し出されたり、一旦外
部メモリ6に記録後、モニターテレビ32へ入力されて
静止画像として映し出されたりする。外部メモリ6はフ
ィールドメモリで構成され、1フィールド分のC.Vi
deo信号を記憶することができる。
【0022】前記撮像回路21は、図3の如く、CDS
回路40、AGC(オートゲインコントロール)回路4
1、MIX回路42、タイミング発生回路43、シャッ
タースピードアップダウン制御回路44を備えており、
シャッタースピードアップダウン制御回路44は、増幅
器(AMP)45、低域通過フィルタ(LPF)46、
比較器47,48および抵抗49,50,51からなる
コンパレータ回路52を有している。
【0023】前記制御回路3は、図4の如く、マイクロ
コンピュータ60と、ぶれ検出手段15の一部を構成す
る低域通過フィルタ(LPF)61、高域通過フィルタ
(HPF)62および比較器63と、被写体検出手段1
7を構成する低域通過フィルタ(LPF)64、比較器
65および抵抗66,67と、R/2Rラダー68とを
備えている。なお、図中、69はR/2Rラダー68の
出力を低インピーダンス化するバッファ、70は電圧制
御用オペアンプであり、電源回路5を構成する。
【0024】ここで、可変電子シャッター方式の制御動
作について説明する。CCD20に入力された光信号は
光電変換され、その出力信号OSはタイミング発生回路
43より出力されるクランプパルスS3およびサンプル
ホールドパルスS4によりCDS回路40にてクランプ
およびサンプルホールドされ、出力信号Yとして出力さ
れる。出力信号Yは被写体7の明暗に1対1に対応した
輝度信号であり、その後AGC回路41に入力される。
そして、制御回路3には、露光時間の値の監視のための
OFDシャッターパルスS9と、撮像動作中のぶれの検
出と被写体7の有無を検出するための出力信号Y、垂直
基準信号VDおよび水平基準信号HDとが入力される。
【0025】なお、AGC回路41は、入力レベルに応
じてその利得を制御し出力レベルを常に一定のレベルに
する回路であり、またAGC回路41の利得はプラス方
向のみならず、マイナス方向に制御することも可能であ
り、入力レベルが大きすぎるときはそのレベルを下げる
こともできる。
【0026】AGC回路41の出力信号Y′はMIX回
路42でタイミング発生回路43からのC.Sync信
号(複合同期信号)と混合され、C.Video信号と
して出力される。このように、CDS回路40の出力信
号Yは、AGC回路41へ入力されて最終出力のC.V
ideo信号の源となると共にシャッタースピードアッ
プダウン制御回路44の入力信号ともなる。
【0027】なお、シャッタースピードアップダウン制
御回路44のLPF46は、輝度信号である出力信号Y
をAMP45で増幅した後、時間軸上である程度平均化
し、次のコンパレータ回路52におけるレベル比較動作
およびタイミング発生回路43における時間長識別動作
を安定化させるためのものである。
【0028】シャッタースピードアップダウン制御回路
44において、コンパレータ回路52の第1比較器47
はスレッシュホールドレベルaとLPF出力S6とのレ
ベル比較を行い、第2比較器48はスレッシュホールド
レベルbとLPF出力S6とのレベル比較を行い、図5
に示すようにその結果をそれぞれ出力信号EENR、E
EUDとしてタイミング発生回路43に出力する。タイ
ミング発生回路43では、入力された出力信号EENR
と出力信号EEUDの“H”レベルの時間長をチェック
し、これが1/2フイールド期間を超えておれば、あら
ためて“H”と判定し、そうでないときは“L”と判定
する。
【0029】そして、タイミング発生回路43における
判定結果に基づき、シャッタースピードを制御するため
のOFDシャッターパルスS9を出力する。具体的に
は、判定結果がEENR=“H”、EEUD=“L”の
ときはシャッタースピードをダウンさせ(露光時間を長
くし、出力信号OSの出力を大きくするように動作さ
せ)、また逆にEENR=“L”、EEUD=“H”の
ときはシャッタースピードをアップさせる(露光時間を
短くし、出力信号OSの出力を小さくするように動作さ
せる)。シャッタースピードをダウンまたはアップさせ
て露光時間を変えることによって、CCD20からの出
力信号OSの出力レベルを変化させ、EENR=
“H”、EEUD=“H”となるように制御するのであ
る。なお、EENR=“H”、EEUD=“H”のと
き、シャッタースピードの制御は停止される。
【0030】CCD20はOFDシャッターパルスS9
が入力されると、その受光部で光電変換され、蓄積され
た電荷を全て掃き出すという動作を行うため、OFDシ
ャッターパルスS9の入力が停止している期間が露光時
間となる(図6参照)。以上の如く、タイミング発生回
路43には露光時間を制御する機能が備えられているこ
とになる。
【0031】ここで、コンパレータ回路52内の第1比
較器47と第2比較器48でLPF出力S6に対し、ス
レッシュホールドレベルをa,bという2つの値を設け
てそのレベルに差を設けているのは、ハンティング現象
(短時間にシャッタースピードがアップとダウンを繰り
返す現象で、これが起こると画像がチカチカする)を避
けるためであり、このためシャッタースピード制御後の
安定状態における露光時間はスレッシュホールドレベル
aとスレッシュホールドレベルbのそれぞれに対応した
露光時間Aと露光時間Bの間の設定範囲内の値となる。
シャッタースピードで言えば、シャッタースピード制御
後の安定状態ではシャッタースピードは1/B〜1/A
の範囲内の値になっている。露光時間A,Bの標準設定
値は、コンパレータ回路52における基準レベル設定用
の抵抗49〜51によるスレッシュホールドレベルa,
bの値、CCD20の出力信号OSすなわち出力信号Y
のレベル、およびAMP45の利得の3つの要素で決ま
る。
【0032】なお、標準設定の方法は、まずCCD20
の出力レベルである出力信号Yのレベルと露光時間の標
準設定値を定め、そして、この両者が定めた値となるよ
うにAMP45の利得を決めるという手順に基づいて行
う。露光時間の値はA,Bと2つの値があるが、まず
(A+B)/2のセンター値を決め、次にその許容変動
幅A−(A+B)/2=(A−B)/2を定めればよ
い。
【0033】次に、撮像時のぶれの検出は、撮像回路2
1からの出力信号Yに対しLPF61およびHPF62
を通すことによって、出力信号Yに含まれる、ぶれに関
してパルス列の移動の大小を検出する際に不要あるいは
邪魔となる高周波成分および低周波成分を除去する。そ
して、比較器63を通して時間軸上のパルス列S14に
変換する。マイクロコンピュータ60において、各水平
ライン毎に一連の2値化したパルス列に変換され、パル
ス列は1フィールド(1画面)当たりNTSC方式の場
合で240本できる(ブランキングのラインを除く)。
この各パルス列の中からぶれの検出精度とマイクロコン
ピュータ等の制御回路3の処理能力を考えて適切な数と
適切な水平ラインを選択し、その水平ラインに関するパ
ルス列をフレーム(2フィールド)毎に移動の大小を検
出し、ぶれの有無を判定する。また、このパルス列の移
動の大小をフレーム毎にチェックするためには、このパ
ルス列が各水平ラインの何番目のものかをマイクロコン
ピュータ60が認識していなければならないので、撮像
回路21からマイクロコンピュータ60へ垂直基準信号
VDと水平基準信号HDも入力されている。
【0034】図7に1水平ラインにおける一例を示す
が、(a)は画面の左右で平均的な輝度レベルが異なる
場合の被写体7の輝度レベルの信号波形であり、HPF
62およびLPF61を通過することにより、におけ
る輝度の急峻な変化(高周波分)およびとにおける
輝度レベルの段差(低周波分)が除去され、(b)のよ
うな信号波形となる。すなわち、HPF62によってぶ
れを検出する上で必要な高周波成分である画面上の細か
な部分が取り出され、比較器63によって(c)のよう
なパルス列に変換している。このとき、ぶれを検出する
上で不必要で、かつパルス列に変換した際非常に時間幅
の狭いパルスとなり、後の制御回路3においてその移動
の大小の判別が難しくなるような更に周波数の高い成分
は、LPF61によって除去している。なお、ぶれの有
無を検出する手段の具体的な方法は、特願平4−281
703号(特開平6−131602号)において映像信
号を時間軸上のパルス列に変換し、その移動の大小でも
って人の動きの有無を判定する処理方法が記載されてお
り、これと同じ処理方法を用いる。
【0035】また、被写体7の有無の検出は、出力信号
YよりLPF64でノイズを除去した後、そのレベルを
比較器65で規定のレベルと比較することにより行う。
この規定のレベルは、抵抗66,67によってあらかじ
め決められている。すなわち、被写体7がないとき、あ
るいは被写体7を撮像する行為を行っていないときは、
マイクロスコープのランプ2から照射される光が被写体
7に当たっておらず、被写体7からの反射光がCCD2
0へ入射されない。したがって、CCD出力もほとんど
ノイズ成分のみとなり非常に小さなレベルとなる。この
CCD出力のレベルの大小を検出することにより、被写
体7の有無、言い換えれば「被写体7を撮像する」とい
う行為を行っているかどうかが判定できる。
【0036】ところで、可変電子シャッター方式の撮像
回路では、CCD20への入射光量の大小にかかわらず
CCD20の出力レベルはあらかじめハードウェアで設
定した定数に基づきCCD20の露光時間の長さを制御
することにより一定に保たれる。ランプ2の光量が一定
の場合は被写体7の“明暗”に対応してCCD20への
入射光量が大小に変化し、この入射光量の“大小”に対
応して露光時間が“短長”に変化し、被写体7の明暗に
かかわらずCCD20の出力レベルは常に一定となる。
【0037】このように、CCD20の出力レベルは常
に標準設定された一定の値となるように制御されるが、
本発明はさらに(同時に)露光時間についても標準設定
された一定の値となるよう、ランプ2への印加電圧を変
えてその光量を制御するものである。この標準設定され
た露光時間をぶれの検出や被写体の有無によって自動的
に、また好みに応じて手動で別の設定値に変えることも
できる。その方法は、例えば露光時間の値を小さくする
ときは、まずゲインコントロール信号S11によって撮
像回路21内のAMP45のゲインを上げる。ゲインを
上げたことによってCCD20への入射光量が変わらな
いにもかかわらず、撮像回路21内のコンパレータ回路
52への入力(LPF出力S6)が増える。これによっ
てタイミング発生回路43への入力(出力信号EENR
およびEEUD)が変化し、タイミング発生回路43は
OFDシャッターパルスS9の出力期間を長く、逆に露
光時間を短くすることによって、CCD出力を下げ、コ
ンパレータ回路52への入力レベルを元の値に戻すよう
に制御する。
【0038】マイクロコンピュータ60はこの短くなっ
た露光時間の値(長くなったOFDシャッターパルスの
出力期間の値)を検出し、目的とする値に到達していな
いときは、さらにAMP45のゲインを上げ、露光時間
をさらに短くする。これを露光時間が目的とする値に到
達するまで繰り返す。逆に露光時間の値を大きくするに
は、AMP45のゲインを下げるようマイクロコンピュ
ータ60がゲインコントロール信号S11を出力する。
このようにCCD20の出力レベルとCCDカメラ1の
露光時間の設定値が一つの値ではなく、ある一定の範囲
をもって設定されるのは、制御が離散的(デジタル的)
に行われるため、制御の結果として、ランプ2への印加
電圧がばたつかないようヒステリシスをもたせているた
めである。
【0039】そして、AMP45のゲインが定まると、
次はこの露光時間の値を検出し、これが設定した一定範
囲内の値より外れたときは、後述の光量制御手段13に
よりランプ2への印加電圧がより高くまたはより低くな
るようランプ2の電源回路5へ制御を施すことによっ
て、ランプ2の光量が制御される。
【0040】すなわち、マイクロコンピュータ60は撮
像回路21内でCCD20へ入力されるOFDシャッタ
ーパルスS9を同時にマイクロコンピュータ自身へも入
力し、そのパルス出力期間をチェックすることにより露
光時間の値を監視している。そして、前記光量制御手段
13では、この露光時間の値が設定値より外れないよう
にR/2Rラダー68へ出力する値(4bit)を変え
ることにより、ランプ2への印加電圧、すなわちランプ
2の光量を制御している。具体的には次のような制御に
なる。
【0041】被写体7を入れ替える等の操作をして例え
ばCCD出力が設定値より低下したとすると、撮像回路
21はOFDシャッターパルスS9の出力期間を(図6
参照)短くして、CCDカメラ1の出力の低下を補おう
とする。すると、OFDシャッターパルスS9の出力さ
れていない期間である露光時間が設定値より長くなる。
マイクロコンピュータ60は、露光時間の値が設定値よ
り長くなったのを検知すると、R/2Rラダー68への
出力値(4bit)を変えてランプ2への印加電圧を上
げるように制御する。すると、CCDカメラ1への入射
光量が増加し、その結果CCD出力も増加する。このラ
ンプ2への印加電圧を上げる制御は露光時間の値が徐々
に小さくなって設定値に戻るまで行ない、露光時間が設
定値に戻ったとき、CCD出力も設定値に戻る。ランプ
2への印加電圧V1は、マイクロコンピュータ60の出
力(4bit)をR/2Rラダー68でD/A変換した
値V2と抵抗R1,R2とにより、V1=V2×(R1
+R2)/R2の式から求まり、電圧制御用オペアンプ
70で上式の電圧がでるよう制御している。
【0042】このように、露光時間が一定で変化せずし
かも一定のCCD出力レベルを得ようとするならば、C
CD20の入射光量も一定でなければならず、結果的に
被写体7の“明暗”に対応してランプ2の光量を“大
小”に変化させる必要がある。この一定のCCD出力レ
ベルと一定の露光時間が画像のノイズと画像記録時のぶ
れの両面に対して適切であれば、このときのランプ2の
光量は必要十分な光量であって、必要以上に大きな光量
または不十分な光量というものではない。ランプ2の光
量はランプ2の印加電圧によって変化するが、上記の光
量を得るための印加電圧も適切な電圧であり、必要以上
に高い電圧または低く不十分な電圧というわけではな
い。印加電圧が必要以上に高くないため、ランプ2の寿
命を必要以上に費やしていることもない。
【0043】したがって、あらかじめ画像のノイズと画
像記録時のぶれの両面を考慮してCCD20の出力レベ
ルとCCDカメラ1の露光時間の標準値を設定(これを
標準設定と呼ぶ)し、この両者が変化しないように被写
体7の明暗の変化に対してはランプ2の光量すなわちラ
ンプ2への印加電圧を変化させて対応すれば適正な画像
を得ながら、かつ外部メモリ6への画像記録時のぶれも
問題のないレベルのものを得ながら、ランプ2の寿命を
最大限に伸ばすことができる。
【0044】また、あらかじめ設定したCCD20の出
力レベルとCCDカメラ1の露光時間に関しての標準値
(標準設定値)は画像ノイズと画像記録時のぶれの両面
で適切な値であるが、マイクロスコープを実際に使用し
ているうちに、更に画像ノイズを低減させたい、あるい
は画像記録時のぶれを更に低減させたいという要求が生
まれることがある。そのため、前記設定手段14が設け
られ、露光時間を後から変更できるような構成にするこ
とによって可能となる。具体的にはマイクロスコープに
露光時間の切り換えスイッチを設ければよい。また、露
光時間の切換えに伴って同時にランプ2への印加電圧を
変化させることもできるし、印加電圧を一定のままにし
ておくこともできる。
【0045】ここで、ランプ2の印加電圧を一定のま
ま、すなわちランプ2の光量を一定にしておいて露光時
間の値を標準設定値より小さな値に変える(シャッター
スピードを上げる)と、画像記録時のぶれを標準設定値
に比べ更に低減することができるが、CCD出力が標準
設定値に比べ小さくなっており、小さくなった分につい
てはCCD20の後に続くAGC回路41でゲインアッ
プされ補正される。このゲインアップはCCD出力の中
に含まれるノイズ成分に対しても同時に行われるため、
その結果、標準設定の場合に比べ画像ノイズが増加する
ことになる。一方、露光時間の値を標準設定値より大き
な値に変える(シャッタースピードを下げる)と、CC
D出力が標準設定値に比べ大きくなり、この補正のため
AGC回路41のゲインが標準設定の場合に比べて下が
り、その結果、ノイズ成分も小さくなり画像ノイズが減
少する、しかし、露光時間が長くなったため、画像記録
時のぶれが標準設定の場合に比べ大きくなる。このよう
に画像ノイズと画像記録時のぶれとはその性能面で相反
する関係にあり、一方の性能をよくすると他方の性能が
悪くなる。
【0046】ところで、標準設定値において画像ノイズ
が全く問題のないレベルに設定されている場合は、これ
以上画像ノイズを低減させる必要はなく、画像記録時の
ぶれを低減するため露光時間の値を標準設定値より小さ
な値に変えた場合についてのみ考慮すればよく、そのた
め、AMP45の利得を標準設定において定めた値より
も高くする前記ぶれ低減手段16が設けられている。
【0047】このとき、画像ノイズは増加するが、もと
もと画像ノイズはマイクロスコープの使用条件において
は、もっとも一般的でこの条件で使用される頻度が最も
高いと想定される標準設定において全く問題のないレベ
ルであり、標準設定より外れた条件で使用したときに少
々画像ノイズが増加するくらいであれば許容されること
が多い。これが許容できないときの画像ノイズの増加へ
の対応としては、露光時間の値をより小さな値に変える
と同時にランプ2への印加電圧を高くする機能をぶれ低
減手段16に付加しておく。この高くする電圧の値は画
像ノイズの状況を考慮しながらできる限り低く抑えるよ
うにしてランプ2の寿命を伸ばすことを図る。
【0048】これまでは、光源としてのランプ2の寿命
をできる限り伸ばすため、ランプ2への印加電圧に対し
て制御を施す種々の方法を説明してきたが、この他無駄
にランプ2の寿命を費やしている期間があり、これはマ
イクロスコープのランプ2の電源をオンにしているにも
かかわらず、「被写体7を撮像する」という行為を行っ
ていない待機状態の期間である。そのため、前記待機手
段18が設けられ、この待機状態の期間はできるだけラ
ンプ2への印加電圧を下げてランプ寿命の節約を行い、
「被写体7を撮像する」という行為を行ったときには、
ランプ2への印加電圧を上げて通常の動作状態に戻れる
ように制御している。
【0049】そして、「被写体7を撮像する」という行
為を行っていない、言いかえれば被写体7がないと判定
されたときは待機状態であり、このときはできるだけラ
ンプ2への印加電圧を下げ、ランプ2の寿命の節約を行
うが、この待機状態で「被写体7を撮像する」という行
為を行ったときには、被写体7があると判定して待機状
態から通常の動作状態に自動的に戻れるようにする必要
がある。このため、ランプ2の印加電圧が低くランプ2
の光量が小さい状態においても被写体7の有無が判定で
きるようにする必要があり、これがため待機状態におい
ては露光時間の値を最大値にして被写体なしからありへ
の変化の検出を容易にしておく。また、待機状態におけ
る露光時間の値を上記の最大値にするに際し、ランプ2
への印加電圧は被写体7の有無が判定可能な最小値に設
定されるが、露光時間の標準設定値と最大値の比が大き
いほど待機状態におけるランプ2への印加電圧を低くす
ることができる。
【0050】図8は動作状態における露光時間の標準設
定値=1/1000秒、待機状態における露光時間の最
大値=1/60秒の場合の例で、待機状態におけるラン
プ2への印加電圧を動作状態の約1/4にすることがで
きることを示している。ただし、ここではランプ2の光
量がランプ2の印加電圧の2乗に比例すると仮定して計
算している。
【0051】これによって、マイクロスコープの電源を
オンしているにもかかわらず撮像行為を行っていないと
きに、無駄なランプ2の寿命の消費を抑えることができ
る。また、マイクロスコープで被写体7を撮像中、被写
体7の入れ替えなどのために一時的に被写体7のない状
態になり、このため一瞬ランプ2が暗くなるといった実
使用上における不具合については、被写体7がないと判
定された時間を計測し、これがある一定の時間を超えた
とき初めてランプ2への印加電圧を下げるようにすると
いう方法によって対応できる。
【0052】また、これまでランプ2の光量を制御する
方法として、時間的に変わらないDCまたはACの電源
電圧をランプ2に印加し、その電圧レベルを制御する方
法で説明してきたが、ランプ2に印加する電源をスイッ
チングし、そのオン時間とオフ時間の値を制御して時間
的に平均した電圧を変えることによっても同じ制御が可
能である。具体的には、印加電圧のオフはR/2Rラダ
ー68への出力を0とすることで行い、またOFDシャ
ッターパルスS9の出力期間を検出し、この期間中は必
ず電圧が印加しているようにタイミングを合わせて行
う。タイミングの合わせ方は、図9に示すように、マイ
クロコンピュータ60が入力された垂直基準信号VDを
元にフィールドの始まりを検出した後、OFDシャッタ
ーパルスS9が出力されていない期間、すなわち露光期
間を検出する。そして、次のフィールドでは露光期間が
印加電圧のオン期間に必ず含まれるように印加電圧のオ
ン/オフ時間を制御する。印加電圧のオン/オフ時間の
制御と共にオン時の電圧の値を制御することにより、時
間的に平均したランプ2の光量を変える。なお、図9
中、(a)はランプ2への印加電源として時間的に変わ
らない電圧を印加した場合、(b)はスイッチングした
電圧を印加した場合を示す。
【0053】上記のランプ2に印加する電源をスイッチ
ングし、そのオン時間にタイミングを合わせて撮像回路
21の露光動作を行うことにより、これまで述べてきた
露光時間の値を標準設定値より小さい値に変えることに
よって生じる画像ノイズの増加への対応がランプ2への
印加電圧(時間的に平均した電圧)を変えることなく行
うことができる。図10はその例を示したもので、
(a)が標準設定のとき、(b)が露光時間の値を標準
設定値t1より小さな値t2に切換えたときのそれぞれの
ランプ2への平均印加電圧Va,VbとCCD入射光量
(CCD出力)La,Lbである。
【0054】ここで、Va=V1×t1′/t0 Vb=V2×t2′/t0 La=k×V1 2×t1 Lb=k×V2 2×t2 (kは比例定数) であり、Va=Vb、La=Lbとおくと、露光時間t
2に切換えたときのランプ2への印加電圧のオン時間
2′はt2′=t1′×√(t2/t1)となる。t2′が
この値となるようランプ2のオン時間を制御することに
より、露光時間の値を標準設定値より小さな値に切換え
たとき、ランプ2への印加電圧(時間的に平均した値)
を変えなくても標準設定の場合と同一のCCD出力が得
られる。すなわち、露光時間を短くしても画像ノイズを
増加させないですむということで、画像記録時のぶれに
対して非常に有効である。なお、図9はt2=t1/2の
場合を示したものである。
【0055】このように、ランプへの電源をスイッチン
グし、撮像回路の露光動作に合わせて電源をオンする方
法によれば、手ぶれ対応によって露光時間が短くなった
ために生じた画質の劣化に対してランプへの印加電圧を
変えずに補償が可能となる。また、この方法はランプへ
の入力電力に対する光量の比率を高め、効率を上げるこ
とができる。
【0056】以上の如く、CCDの出力レベルとCCD
カメラの露光時間の標準値を設定し、この両者が変化し
ないよう光源の光量すなわち光源としてのランプへの印
加電圧を変化させることにより、マイクロスコープが撮
像する被写体の明暗の違いに対してCCDの出力レベル
とCCDカメラの露光時間の値は変化しない。すなわ
ち、被写体が変わることにより画像ノイズが増加した
り、画像記録時のぶれが大きくなったりする不具合は生
じない。また、拡大倍率の異なる多種のレンズを交換に
よって装着できるマイクロスコープにおいてもレンズの
F値の違いによるレンズの明暗差を吸収し、このレンズ
の違いによるCCDの出力レベルとCCDカメラの露光
時間の変化はない。すなわち、レンズを交換しても画質
のぶれの度合は変化しない。また、CCDの出力レベル
を検出し、これを一定値に制御するが、これはレンズの
F値やランプの光量、CCDの感度値など光学系の構成
部品の個々のバラツキも含めてランプへの印加電圧を変
化させて行っており、これらのバラツキに対する余裕を
考慮する必要がなくなる。
【0057】また、あらかじめ設定した標準値としての
CCD出力レベルとCCDカメラの露光時間に対し、後
からスイッチ操作により露光時間の値を変更できるよう
にすることにより、マイクロスコープを使って実際に微
小な被写体を撮像しているうちに生じた画質が気にな
る、または操作方法によっては手ぶれによって画像記録
がうまくいかないといった事柄に対して対応が可能とな
る。そして、特に標準設定における露光時間の値を小さ
くできないときは、前述のスイッチ操作による対応以外
にも撮像回路における輝度レベル信号を時間軸上のパル
ス列に変換し、そのパルス列の時間軸上の動きの度合の
大小によって撮像時のぶれの有無を判定し、その結果に
基づき自動的に露光時間の値を調節するという方法をと
ることもできる。
【0058】さらに、撮像動作中、常にぶれの大きさを
監視し、その度合が大きい場合は手ぶれがあると判断
し、このまま外部メモリへ記録動作を行うとこの手ぶれ
のため解像度が低下すると判断されるときは、露光時間
が自動的に短くされ、マイクロスコープを使用する際に
操作性の向上が図られる。
【0059】しかも、マイクロスコープはその使用条件
において手で持って操作する場合と架台に固定して操作
する場合があり、また被写体に接触させて撮像する場合
と接触させず被写体から離して(非接触で)撮像する場
合(被写体に凹凸がある場合など)があり、この使用条
件の違いによって手ぶれの度合は大きく異なる。また、
レンズの拡大倍率によっても手ぶれの度合が異なる。撮
像時に手ぶれがあっても、標準設定における露光時間は
手ぶれの度合を考え、あるレベル以下の手ぶれでは画像
記録時のぶれ、あるいはぶれによる解像度の低下がでな
いよう考慮して設定されるため、通常は問題にならな
い。例えば露光時間の標準設定値が1/1000秒に設
定されておれば、手ぶれがあっても1/1000秒の範
囲で見たとき、画像の動きがなければフィールドメモリ
へ画像を記録したときにはその手ぶれの影響はでない。
【0060】このように、画像ノイズの面から露光時間
の標準設定値が小さくできない場合は、撮像動作中にお
ける手ぶれの影響が画像記録時に現れてくるため、ぶれ
の有無を検出し、その結果に基づき露光時間の値を自動
的に切り換えることが有効になる。この場合、手ぶれが
あると自動的に露光時間の値が小さな値に切り換えら
れ、その結果画像ノイズが逆に増加するが、これが不都
合なときは、露光時間の値の切り換えと共にランプへの
印加電圧をより高くすることによって対応が可能とな
る。標準設定とはマイクロスコープを使用する上でもっ
とも一般的な使用条件を想定して決められ、この標準設
定において使用される期間が最も長いと考えられるの
で、上記のように手ぶれによってランプへの印加電圧が
高くなる場合があっても、使用期間が最も長い標準設定
においてランプへの印加を可能な限り低く抑えておくこ
とはランプの寿命を伸ばす上で有効である。
【0061】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。上記実施例
は白黒CCDカメラを用いた撮像回路に基づくものであ
るが、カラーCCDカメラを用いた撮像回路においても
同様な制御が可能である。図11にカラーCCDカメラ
80を用いた撮像回路のブロック図の一例(一部のみ)
を示すが、この中のYH信号に対し、図3または図4に
おける出力信号Yと同じ処理を施せばよい。図11にお
いて、81はサンプルホールド回路(S/H)、82は
減算器、83は加算器、SP1,2はサンプルパルスで
あり、図2と共通のブロック、信号は一部省略してい
る。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、発明に
よると、マイクロスコープにおいて撮像する際、被写体
への照明を行う光源の光量に関して必要以上の光量を照
射することがなく、すなわち光源への印加電圧を可能な
限り低く抑えるようにしているため、光源の寿命を最大
限に伸ばすことができる。しかも、レンズの交換や光学
系の部品のバラツキに対しても自動的に対応して常に適
切な画像が得られる。
【0063】また、画質が気になる場合や手ぶれによっ
て画像記録がうまくいかず画像の解像度の低下がある場
合において、画像記録時のぶれ、あるいは画像ノイズの
低減の目的に応じて光源の電源電圧を変化させることな
く露光時間を切換えることができるので、マイクロスコ
ープ使用の際、画質が気になる場合やぶれがあっても容
易に対応することが可能となる。
【0064】ぶれに対してはこれを検出して自動的に
対応することができ、マイクロスコープを使用する上で
操作性が向上する。しかも、手ぶれ対応で露光時間を短
くしたため画質の劣化があるときは露光時間を短くする
と共に光源への印加電圧を上げることを行うようにする
と、適正な画像を得ることができる。
【0065】そして、被写体がなくて撮像動作を行わな
いときは自動的に光源への印加電圧を下げ、無駄な光源
の寿命消費を抑えることができる。しかも、光源からの
発熱が低下することにより、装置の信頼性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すマイクロスコープの光量
制御装置の機能ブロック図
【図2】マイクロスコープの断面図
【図3】撮像回路の制御ブロック図
【図4】マイクロスコープの制御ブロック図
【図5】撮像回路のコンパレータ回路の動作を示す図
【図6】露光時間を説明する図
【図7】撮像時におけるぶれを検出するために映像の輝
度レベル信号をパルス列に変換する過程を示す図
【図8】被写体の有無における露光時間および印加電圧
の対比を示す図
【図9】時間的に変わらない電圧を光源に印加した場合
と、露光期間にタイミングを合わせてスイッチングした
電圧を光源に印加した場合の印加電圧および露光時間を
示す図
【図10】時間的に平均した電圧を変えることなく露光
期間が変えられることを示す図
【図11】カラーCCDカメラにおけるカラー撮像回路
の制御ブロック図
【符号の説明】
2 ランプ 3 制御回路 4 ケース本体 6 外部メモリ 10 出力レベル検出手段 11 露光検出手段 12 露光制御手段 13 光量制御手段 14 設定手段 15 ぶれ検出手段 16 ぶれ低減手段 17 被写体検出手段 18 待機手段 20 CCD 21 撮像回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/36 G03B 15/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体撮像素子と、被写体照明用光源とを
    備えた電子シャッター方式のマイクロスコープにおい
    て、 露光時間を可変して前記固体撮像素子の出力レベルを設
    定範囲内にする露光制御手段と、 被写体の明暗に応じて前記光源の光量を可変して露光時
    間を設定範囲内にする光量制御手段と、 被写体の有無を検出する被写体検出手段と、 被写体がないとき前記光源の光量を低下させる待機手段
    とが設けられたことを特徴とするマイクロスコープの光
    量制御装置。
  2. 【請求項2】 画像ノイズあるいは画像記録時のぶれを
    さらに低減させるために露光時間を設定範囲外の時間に
    変更する設定手段が設けられたことを特徴とする請求項
    1記載のマイクロスコープの光量制御装置。
  3. 【請求項3】 撮像時のぶれを検出するぶれ検出手段
    と、ぶれが検出されたとき露光時間を設定した値より小
    さい値に切換えると同時に光源の光量を大きくするぶれ
    低減手段とが設けられたことを特徴とする請求項1記載
    のマイクロスコープの光量制御装置。
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