JP3356412B2 - 電荷発生型検知素子の信号処理回路 - Google Patents

電荷発生型検知素子の信号処理回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焦電センサ、赤外
線センサ、圧力センサなどの電荷発生型検知素子におい
て発生した電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換回路を
備えた電荷発生型検知素子の信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、監視カメラ装置や物体選別装置な
どの分野において、物体の位置、大きさ、移動速度、個
数、他の物体への接触などの情報に基づいて高度な情報
処理を行うシステムが要求されてきている。例えば、監
視カメラ装置では、高度な防犯を実現するために、人か
ら発する赤外線を検知し、検知された赤外線に基づいて
上述した情報を生成することが要求されてきている。
【0003】図8は、電荷発生型検知素子の信号処理回
路の一例として、従来の赤外線検出回路800の構成を
示す。
【0004】赤外線検出回路800は、赤外線センサ8
09において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧
変換回路801を含む。電荷−電圧変換回路801は、
入力端子812と、出力端子813と、制御端子814
とを有している。
【0005】赤外線センサ809の一方の端子は信号グ
ランド電位Vsgに接続され、他方の端子は電荷−電圧変
換回路801の入力端子812に接続される。
【0006】電荷−電圧変換回路801は、赤外線セン
サ809において発生した電荷を蓄積する容量811
と、容量811に帰還接続されたオペアンプ810と、
容量811に並列に接続されたリセット用スイッチとし
ての電界効果トランジスタ(以下、FETと略す)80
2とを含む。
【0007】FET802は、制御端子814に印加さ
れる制御電圧Vcに応じて制御される。すなわち、Vc
DDの場合にFET802はONし、Vc=VSSの場合
にFET802はOFFする。ここで、VDDは電源電圧
を示し、VSSはグランド電圧を示す。このように、制御
電圧Vcに応じて、FET802のON/OFF動作が
繰り返される。
【0008】このように、電荷−電圧変換回路801
は、スイッチトキャパシタ積分回路(SC積分回路)と
して機能する。
【0009】以下、電荷−電圧変換回路801の動作を
説明する。
【0010】Vc=VDDとすると、FET802がON
になる。その結果、電荷−電圧変換回路801が初期化
され、容量811の電荷量がゼロとなる。この場合、出
力端子813における出力電圧Voは、式(1)によっ
て表される。
【0011】Vo=Vsg ・・・(1) 次に、Vc=VSSとすると、FET802がOFFにな
る。その結果、赤外線センサ809から電荷−電圧変換
回路801に入力される電荷量の積分が開始される。F
ET802がOFFしていた期間において、赤外線セン
サ809から電荷−電圧変換回路801に流入した電荷
量をQとすると、出力端子813における出力電圧Vo
は、式(2)によって表される。
【0012】Vo=Vsg−Q/C811 ・・・(2) ここで、C811は、容量811の容量値を示す。
【0013】式(1)、式(2)から、FET802が
OFFしていた期間に赤外線センサ809において発生
した電荷量Qに対応する出力端子813の電圧変化量Δ
oは、式(3)によって表される。
【0014】ΔVo=−Q/C811 ・・・(3) このように、電荷−電圧変換回路801は赤外線センサ
809において発生した電荷量Qに応じた電圧を発生す
ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】電荷−電圧変換回路8
01のFET802には寄生容量が存在する。FET8
02の寄生容量は、図8に示されるように、FET80
2のゲート・ソース間の寄生容量803と、FET80
2のゲート・ドレイン間の寄生容量804とを含む。こ
こで、寄生容量803の容量値をCgsとし、寄生容量8
04の容量値をC gdとする。
【0016】FET802がONからOFFに移行する
時(すなわち、制御端子814に印加される制御電圧V
cがVDDからVSSに移行する時)にFET802におい
てクロックフィードスルーが発生する。このクロックフ
ィードスルーにより、電荷qが容量811の一端に供給
され、電荷qoがオペアンプ810の出力に供給され
る。
【0017】電荷qは、式(4)によって表され、電荷
oは、式(5)によって表される。
【0018】 q=−Cgs・(VDD−VSS) ・・・(4) qo=−Cgd・(VDD−VSS) ・・・(5) 電荷qによって出力端子813にオフセット電圧ΔV
offsetが発生する。オフセット電圧ΔVoffsetは、式
(6)によって表される。
【0019】 ΔVoffset=Cgs/C811・(VDD−VSS) ・・・(6) 式(6)からわかるように、オフセット電圧ΔVoffset
は一定の電圧である。オフセット電圧ΔVoffsetが出力
電圧Voに加算されるため、オフセット電圧ΔVoffset
は出力電圧Voの直流オフセット電圧誤差となる。この
誤差が赤外線を高感度に検出することに対して大きな障
害となっていた。
【0020】また、オペアンプ810の出力は出力端子
813に接続される素子の中で最低インピーダンスZo
を持つように設計される。従って、式(5)に示される
電荷qoがオペアンプ810の出力に全て流入する。そ
の結果、電荷qoによって出力端子813にオフセット
電圧ΔVoffset(t)が発生する。オフセット電圧ΔV
offset(t)は、式(7)によって表される。
【0021】 ΔVoffset(t)=Zo・{∂(qo)/∂t} ・・・(7) 式(7)からわかるように、オフセット電圧ΔVoffset
(t)は時間に応じて変動する過渡的な電圧である。オ
フセット電圧ΔVoffset(t)は、出力電圧V oに対す
る高周波雑音となる。この高周波雑音が赤外線を高感度
に検出することに対して大きな障害となっていた。
【0022】また、赤外線強度が大きいと赤外線センサ
809において発生する電荷量Qが増加する。電荷量Q
が大きい領域では、出力電圧Voが式(2)に従って変
化せず、電源電圧VDDまたはグランド電圧VSSに飽和す
る状態が発生する。その結果、広いダイナミックレンジ
を有する赤外線検出回路を実現することができないとい
う問題点があった。
【0023】さらに、1次元または2次元に配列された
複数の赤外線センサを含む赤外線検出装置を実現するた
めには、その赤外線検出装置が複数の電荷−電圧変換回
路を含む必要がある。その結果、赤外線検出装置の回路
規模が増加し、高価かつ大型化してしまうという問題点
があった。
【0024】さらに、外来雑音、特に、50Hzまたは
60Hzの商用周波数を有する雑音が出力電圧Voに重
畳すると、赤外線検出性能が低下する。この雑音を低減
するために、フィルタ回路が使用される。しかし、従
来、このフィルタ回路を電荷−電圧変換回路に内蔵する
ことができなかった。このため、フィルタ回路を電荷−
電圧変換回路とは別回路として電荷−電圧変換回路の後
段に配置せざるを得なかった。その結果、赤外線検出装
置の回路規模が増加し、高価かつ大型化してしまうとい
う問題点があった。なお、従来、フィルタ回路を電荷−
電圧変換回路に内蔵できなかった理由は、容量811の
容量値C811が小さいため、フィルタ回路の遮断周波数
を所望の値に設定するために必要な大きな抵抗値を有す
る抵抗を電荷−電圧変換回路内に設けることができなか
ったためである。
【0025】また、赤外線検出装置では、入射される赤
外線を約30Hz程度の低周波数で入射と遮断の繰り返
し処理、すなわち、チョッパ処理が行われる。つまり、
赤外線検出信号は、このチョッパ周波数と同一の周波数
成分を有する情報を持つことになる。ここで、電荷−電
圧変換回路のオペアンプにスイッチなどをCMOS型ト
ランジスタで構成した半導体回路を採用した場合はフリ
ッカ雑音、すなわち、1/f雑音による影響が大きく、
かつ、スイッチトキャパシタ回路を採用した場合は量子
化雑音による影響が大きくなり、信号対雑音比を悪化さ
せることで検出性能を低下させてしまうという問題点が
あった。
【0026】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、(1)出力電圧の直
流オフセット誤差を低減し、出力電圧に対する高周波雑
音を低減することが可能な電荷発生型検知素子の信号処
理回路を提供すること、(2)広いダイナミックレンジ
を実現することが可能な電荷発生型検知素子の信号処理
回路を提供すること、(3)回路規模を低減することが
可能な電荷発生型検知素子の信号処理回路を提供するこ
と、(4)1/f雑音および量子化雑音を低減すること
が可能な電荷発生型検知素子の信号処理回路を提供する
ことを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の電荷発生型検知
素子の信号処理回路は、電荷発生型検知素子において発
生した電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換回路を備
え、前記電荷−電圧変換回路は、前記電荷発生型検知素
子において発生した前記電荷を蓄積する第1の容量と、
前記第1の容量に帰還接続されたオペアンプと、前記第
1の容量に並列に接続され、前記第1の容量に蓄積され
た前記電荷を放電するための第1のスイッチとを含み、
前記第1のスイッチは、第1のクロックフィードスルー
を発生する第1のトランジスタと第2のクロックフィー
ドスルーを発生する第2のトランジスタとを含み、前記
第1のスイッチは、前記第1のクロックフィードスルー
の少なくとも一部が前記第2のクロックフィードスルー
によって相殺されるように構成され、前記電荷−電圧変
換回路の出力を前記電荷−電圧変換回路の入力にフィー
ドバックするフィードバック回路をさらに備え、前記電
荷−電圧変換回路前記フィードバック回路からなる回
路構成がデルタ・シグマ変調機能を有するように構成さ
れており、これにより、上記目的が達成される。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】前記フィードバック回路は、前記電荷−電
圧変換回路から出力される出力電圧と所定の電圧とを比
較する比較器と、前記比較器の出力を遅延させる遅延器
と、前記遅延器から出力されるデジタル信号をアナログ
信号に変換すると共に、該アナログ信号を前記オペアン
プの反転入力にフィードバックするデジタル・ツー・ア
ナログ変換器とを含んでいてもよい。
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
【0036】(実施の形態1)図1は、電荷発生型検知
素子の信号処理回路の一例として、本発明の実施の形態
1の赤外線検出回路1の構成を示す。以下の説明では、
電荷発生型検知素子は、赤外線センサであると仮定す
る。しかし、電荷発生型検知素子として焦電センサ、圧
力センサなどの、電荷を発生するタイプの任意のセンサ
が使用され得る。
【0037】赤外線検出回路1は、赤外線センサ109
において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換
回路100を含む。電荷−電圧変換回路100は、入力
端子112と、出力端子113と、制御端子114とを
有している。
【0038】赤外線センサ109は、赤外線による微少
な温度変化を電気的に変換する検知素子であり、被測定
物から放出される赤外線強度に応じた電荷を発生する焦
電効果を有する。赤外線センサ109の一方の端子は信
号グランド電位Vsgに接続されており、他方の端子は電
荷−電圧変換回路100の入力端子112に接続されて
いる。
【0039】電荷−電圧変換回路100は、赤外線セン
サ109において発生した電荷を蓄積する容量111
と、容量111に帰還接続されたオペアンプ110と、
容量111に並列に接続され、容量111に蓄積された
電荷を放電するためのCMOS型のスイッチ107とを
含む。すなわち、CMOS型のスイッチ107は、電荷
−電圧変換回路100のリセット用スイッチとして使用
される。
【0040】オペアンプ110の反転入力110aは入
力端子112に接続されている。オペアンプ110の非
反転入力110bは信号グランド電位Vsgに接続されて
いる。オペアンプ110の出力110cは出力端子11
3に接続されている。
【0041】容量111の一端111aは、オペアンプ
110の反転入力110aに接続されている。容量11
1の他端111bは、オペアンプ110の出力110c
に接続されている。
【0042】CMOS型のスイッチ107は、Pチャネ
ル型トランジスタ(以下、P−Trと略す)101と、
Nチャネル型トランジスタ(以下、N−Trと略す)1
02とを含む。
【0043】P−Tr101のソース101aおよびN
−Tr102のソース102aは、オペアンプ110の
反転入力110aに接続されている。P−Tr101の
ドレイン101bおよびN−Tr102のドレイン10
2bは、オペアンプ110の出力110cに接続されて
いる。P−Tr101のゲート101cは、インバータ
108を介して制御端子114に接続されている。N−
Tr102のゲート102cは、制御端子114に接続
されている。
【0044】CMOS型のスイッチ107は、制御端子
114に印加される制御電圧Vcに応じて制御される。
すなわち、Vc=VDDの場合にP−Tr101およびN
−Tr102は共にONし、Vc=VSSの場合にP−T
r101およびN−Tr102は共にOFFする。ここ
で、VDDは電源電圧を示し、VSSはグランド電圧を示
す。このように、制御電圧Vcに応じて、P−Tr10
1およびN−Tr102のON/OFF動作が繰り返さ
れる。
【0045】このように、電荷−電圧変換回路100
は、スイッチトキャパシタ積分回路(SC積分回路)と
して機能する。
【0046】電荷−電圧変換回路100のCMOS型の
スイッチ107には寄生容量が存在する。CMOS型の
スイッチ107の寄生容量は、図1に示されるように、
P−Tr101のゲート・ソース間の寄生容量103
と、P−Tr101のゲート・ドレイン間の寄生容量1
04と、N−Tr102のゲート・ソース間の寄生容量
105と、N−Tr102のゲート・ドレイン間の寄生
容量106とを含む。ここで、寄生容量103の容量値
をCpgsとし、寄生容量104の容量値をCpgdとし、寄
生容量105の容量値をCngsとし、寄生容量106の
容量値をCngdとする。
【0047】式(8)および式(9)を満たすように、
CMOS型のスイッチ107が形成されている。例え
ば、式(8)および式(9)を満たすように、P−Tr
101のサイズおよびN−Tr102のサイズが予め設
定される。
【0048】Cpgs=Cngs ・・・(8) Cpgd=Cngd ・・・(9) CMOS型のスイッチ107がONからOFFに移行す
る時(すなわち、N−Tr102のゲート102cに印
加される電圧がVDDからVSSに移行し、P−Tr101
のゲート101cに印加される電圧がVSSからVDDに移
行する時)にP−Tr101およびN−Tr102のそ
れぞれにクロックフィードスルーが発生する。このクロ
ックフィードスルーにより、電荷qsが容量111の一
端111aに供給され、電荷qdがオペアンプ110の
出力110cに供給される。
【0049】電荷qsは、式(10)によって表され、
電荷qdは、式(11)によって表される。
【0050】 qs=(Cpgs−Cngs)・(VDD−VSS) ・・・(10) qd=(Cpgd−Cngd)・(VDD−VSS) ・・・(11) 式(10)、(11)に、式(8)、(9)をそれぞれ
代入すると、式(12)、(13)が得られる。
【0051】qs=0 ・・・(12) qd=0 ・・・(13) 従って、式(10)に示される電荷qsによって出力端
子113に発生するオフセット電圧ΔVoffsetは、ゼロ
となる。すなわち、式(14)が成立する。
【0052】ΔVoffset=0 ・・・(14) 式(14)から、出力電圧Voの直流オフセット電圧誤
差が全く発生しないことがわかる。
【0053】また、式(11)に示される電荷qdによ
って出力端子113に発生するオフセット電圧ΔV
offset(t)は、式(15)によって表される。
【0054】 ΔVoffset(t)=Zo・{∂(qd)/∂t} ・・・(15) 式(9)が成立している条件下で、N−Tr102のゲ
ート102cに印加される電圧がVDDからVSSに移行す
るのとほぼ同時に、P−Tr101のゲート101cに
印加される電圧がVSSからVDDに移行するため、∂(q
d)/∂t=0が成立する。従って、式(15)から式
(16)が得られる。
【0055】ΔVoffset(t)=0 ・・・(16) 式(16)から、リセット用スイッチ(CMOS型のス
イッチ107)のON/OFF切り替えによって出力電
圧Voに対する高周波雑音が全く発生しないことがわか
る。
【0056】このように、本発明の実施の形態1の赤外
線検出回路1によれば、電荷−電圧変換回路100のリ
セット用スイッチにCMOS型のスイッチ107を用
い、かつ、式(8)および式(9)を満たすように、C
MOS型のスイッチ107に含まれるP−Tr101お
よびN−Tr102を形成することにより、P−Tr1
01によって発生するクロックフィードスルーとN−T
r102によって発生するクロックフィードスルーとを
逆符号かつ同一の量とすることができる。これにより、
P−Tr101によって発生するクロックフィードスル
ーとN−Tr102によって発生するクロックフィード
スルーとが相殺されるため、電荷−電圧変換回路100
のリセット用スイッチのクロックフィードスルーを実質
的にゼロとすることができる。その結果、電荷−電圧変
換回路100の出力電圧Voの直流オフセット電圧誤差
を実質的にゼロとすることができ、電荷−電圧変換回路
100の出力電圧Voに対する高周波雑音を発生させな
いようにすることができる。
【0057】また、電荷−電圧変換回路100のリセッ
ト用スイッチをCMOS型のスイッチ107とCMOS
型のインバータ108のみで構成することができるた
め、赤外線検出回路1の小型化を容易に実現することが
できる。また、赤外線検出回路1は、CMOS型のスイ
ッチ107のON/OFF切替時にわずかな電力を消費
するだけである。従って、赤外線検出回路1の消費電力
をほとんど増加させることなく、赤外線検出回路1の高
性能化を容易に実現することができる。
【0058】なお、本実施の形態では、電荷−電圧変換
回路100のリセット用スイッチのクロックフィードス
ルーが実質的にゼロとなるように、電荷−電圧変換回路
100のリセット用スイッチを構成する例を説明した。
しかし、電荷−電圧変換回路100のリセット用スイッ
チのクロックフィードスルーが実質的にゼロにならなく
ても、そのクロックフィードスルーを抑制することがで
きれば、上述した効果と同様の効果が得られる。従っ
て、電荷−電圧変換回路100のリセット用スイッチの
クロックフィードスルーが抑制されるように、電荷−電
圧変換回路100のリセット用スイッチを構成すること
も本発明の範囲内である。例えば、P−Tr101によ
って発生するクロックフィードスルーの少なくとも一部
がN−Tr102によって発生するクロックフィードス
ルーによって相殺されるように(あるいは、N−Tr1
02によって発生するクロックフィードスルーの少なく
とも一部がP−Tr101によって発生するクロックフ
ィードスルーによって相殺されるように)、CMOS型
のスイッチ107に含まれるP−Tr101およびN−
Tr102を形成すればよい。
【0059】また、CMOS型のスイッチ107の両端
のうち、少なくともオペアンプ110の入力側にクロッ
クフィードスルーをキャンセルするCMOS型のスイッ
チを追加することにより、CMOS型のスイッチ107
のクロックフィードスルーを抑制するように(望ましく
は、CMOS型のスイッチ107のクロックフィードス
ルーをゼロとするように)してもよい。この場合、追加
のCMOS型のスイッチのON/OFFは、CMOS型
のスイッチ107のON/OFFとは逆になるように制
御される。
【0060】なお、実施の形態1では、電荷−電圧変換
回路100のリセット用スイッチとしてCMOS型のス
イッチ107を用いる例を説明したが、電荷−電圧変換
回路100のリセット用スイッチがCMOS型のスイッ
チに限定されるわけではない。例えば、電荷−電圧変換
回路100のリセット用スイッチとして、クロックフィ
ードスルーを発生する第1のトランジスタ(P型または
N型)と、第1のトランジスタによって発生したクロッ
クフィードスルーを吸収する補償用の第2のトランジス
タ(第1のトランジスタの導電型に拘わらず、P型また
はN型)を含むスイッチを用いてもよい。なお、電荷−
電圧変換回路100のリセット用スイッチとしてCMO
S型のスイッチを用いる場合には、上記第1のトランジ
スタの導電型と上記第2のトランジスタの導電型とは異
なることになる。
【0061】上述したスイッチ107のバリエーション
は、図2、図3、図5〜図7を参照して後述するすべて
の実施の形態にも適用可能である。
【0062】(実施の形態2)図2は、図1に示される
CMOS型のスイッチ107およびインバータ108の
簡略化した表記を示す。CMOS型のスイッチ107お
よびインバータ108は、図2に示されるスイッチ20
1と等価な回路である。図2において、202はスイッ
チ入力端子を示し、203はスイッチ出力端子を示し、
204はスイッチ制御端子を示す。スイッチ制御端子2
04にはスイッチ開閉制御信号が印加される。
【0063】以下の説明では、図2に示される簡略化し
た表記を用いる。
【0064】図3は、電荷発生型検知素子の信号処理回
路の一例として、本発明の実施の形態2の赤外線検出回
路2の構成を示す。
【0065】赤外線検出回路2は、赤外線センサ109
において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換
回路100aを含む。電荷−電圧変換回路100aは、
図1に示される電荷−電圧変換回路100の構成要素に
加えて、容量111に並列に接続された回路300をさ
らに含む。
【0066】回路300は、容量301と、容量301
に縦続接続されたスイッチ302とを含む。スイッチ3
02のスイッチ制御端子は、ゲイン制御端子303に接
続されている。スイッチ302のON/OFFは、ゲイ
ン制御端子303に印加されるゲイン制御電圧Vgに応
じて制御される。
【0067】Vg=VSSの場合にスイッチ302はOF
Fとされる。この場合、スイッチ107がOFFしてい
る期間に赤外線センサ109で発生した電荷は容量11
1のみに蓄積される。従って、Vg=VSSの場合におけ
る出力電圧Voの電圧変化量ΔVoは、既に導出された式
(3)によって表される。
【0068】Vg=VDDの場合にスイッチ302はON
とされる。この場合、スイッチ107がOFFしている
期間に赤外線センサ109で発生した電荷は容量111
と容量301とを並列接続することによって得られる合
成容量に蓄積される。従って、Vg=VDDの場合におけ
る出力電圧Voの電圧変化量ΔVo’は、式(17)によ
って表される。
【0069】 ΔVo’=−Q/(C111+C301) ・・・(17) ここで、C111は容量111の容量値を示し、C301は容
量301の容量値を示す。
【0070】式(3)および式(17)から、出力電圧
oの電圧変化量のゲインΔVo’/ΔVoは、式(1
8)によって表される。
【0071】 ΔVo’/ΔVo=C111/(C111+C301) ・・・(18) 式(18)から、容量値C111、C301を調整することに
より、出力電圧Voの電圧変化量のゲインΔVo’/ΔV
oを任意の値に調整可能なことがわかる。
【0072】このように、本発明の実施の形態2の赤外
線検出回路2によれば、容量301と、ゲイン制御電圧
gによって制御されるスイッチ302とを含む回路3
00が容量111に対して並列に設けられている。これ
により、出力電圧Voの電圧変化量のゲインΔVo’/Δ
oを容易に調整することが可能になる。
【0073】さらに、電荷−電圧変換回路100aにお
いて、容量301を容量111の近傍に配置することに
より、これらの容量の相対値誤差を極めて小さくするこ
とができる。その結果、出力電圧Voの電圧変化量のゲ
インΔVo’/ΔVoを高精度に設定することが可能にな
る。
【0074】赤外線強度が大きいと赤外線センサ109
において発生する電荷Qの量が増加する。電荷Qの量が
大きい領域では、出力電圧Voが式(2)に従って変化
せず、電源電圧VDDまたはグランド電圧VSSに飽和する
状態が発生し得る。上述したゲイン調整は、出力電圧V
oが電源電圧VDDまたはグランド電圧VSSに飽和するこ
とを防止するために特に有効である。ゲイン調整により
電圧変化量を低減させることにより、出力電圧Voが飽
和しない範囲内に出力電圧Voのレベルを制御すること
が可能になる。これにより、広いダイナミックレンジを
実現することができる。
【0075】なお、回路300の代わりに、回路300
と同様の構成を有する2以上の回路を容量111に並列
に接続するようにしてもよい。これにより、複数のゲイ
ンを選択的に設定可能な赤外線検出回路を提供すること
が可能になる。
【0076】(実施の形態3)図4は、電荷発生型検知
素子の信号処理回路の一例として、本発明の実施の形態
3の赤外線検出回路3の構成を示す。
【0077】赤外線検出回路3は、赤外線センサ109
において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換
回路400を含む。電荷−電圧変換回路400は、入力
端子112と、出力端子113と、制御端子114とを
有している。
【0078】赤外線センサ109の一方の端子は信号グ
ランド電位Vsgに接続されており、他方の端子は電荷−
電圧変換回路400の入力端子112に接続されてい
る。
【0079】電荷−電圧変換回路400は、赤外線セン
サ109において発生した電荷を蓄積する容量111
と、容量111に帰還接続されたインバータ410と、
容量111に並列に接続され、容量111に蓄積された
電荷を放電するためのスイッチとしてのFET402と
を含む。すなわち、FET402は、電荷−電圧変換回
路400のリセット用スイッチとして使用される。
【0080】インバータ410は、例えば、CMOS型
のインバータである。
【0081】FET402は、制御端子114に印加さ
れる制御電圧Vcに応じて制御される。すなわち、Vc
DDの場合にFET402はONし、Vc=VSSの場合
にFET402はOFFする。ここで、VDDは電源電圧
を示し、VSSはグランド電圧を示す。このように、制御
電圧Vcに応じて、FET402のON/OFF動作が
繰り返される。
【0082】このように、電荷−電圧変換回路400
は、スイッチトキャパシタ積分回路(SC積分回路)と
して機能する。
【0083】以下、電荷−電圧変換回路400の動作を
説明する。
【0084】Vc=VDDとすると、FET402がON
になる。その結果、電荷−電圧変換回路400が初期化
され、容量111の電荷量がゼロとなる。この場合、出
力端子113における出力電圧Voは、式(19)によ
って表される。
【0085】Vo=Vinv ・・・(19) ここで、Vinvは、INV410の入出力が平衡する中
間電位を示す。
【0086】次に、Vc=VSSとすると、FET402
がOFFになる。その結果、赤外線センサ109から電
荷−電圧変換回路400に入力される電荷量の積分が開
始される。FET402がOFFしていた期間におい
て、赤外線センサ109から電荷−電圧変換回路400
に流入した電荷量をQとすると、出力端子113におけ
る出力電圧Voは、式(20)によって表される。
【0087】 Vo=Vinv−Q/C111 ・・・(20) ここで、C111は、容量111の容量値を示す。
【0088】式(19)、式(20)から、FET40
2がOFFしていた期間に赤外線センサ109において
発生した電荷量Qに対応する出力端子113の電圧変化
量ΔVoは、式(21)によって表される。
【0089】ΔVo=−Q/C111 ・・・(21) このように、電荷−電圧発生回路400は赤外線センサ
109において発生した電荷量Qに応じた電圧を発生す
ることができる。
【0090】このように、本発明の実施の形態3の赤外
線検出回路3によれば、オペアンプの代わりにインバー
タ410が使用される。これにより、図8に示される従
来の電荷−電圧変換回路801に比較して、電荷−電圧
変換回路400の回路規模を低減することができる。
【0091】このような回路規模の低減の効果は、1次
元または2次元に配列された複数の赤外線センサを含む
赤外線検出装置を実現する場合(例えば、単一の半導体
チップ上に2以上または3以上の赤外線センサを配列す
る場合)に特に顕著となる。そのような赤外線検出装置
は、複数の赤外線センサに対応する複数の赤外線検出回
路を収容する必要があるからである。
【0092】なお、実施の形態3では、単一のインバー
タ410を用いているが、本発明はこれに限定されな
い。単一のインバータ410の代わりに、3個以上の奇
数個のインバータを縦続接続した構成を採用してもよ
い。これらの3個以上の奇数個のインバータのそれぞれ
は、例えば、CMOS型のインバータである。
【0093】(実施の形態4)図5は、電荷発生型検知
素子の信号処理回路の一例として、本発明の実施の形態
4の赤外線検出回路4の構成を示す。
【0094】赤外線検出回路4は、赤外線センサ109
において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換
回路400aを含む。
【0095】電荷−電圧変換回路400aは、図4に示
される電荷−電圧変換回路400のFET402をスイ
ッチ201で置き換えた構成を有している。
【0096】スイッチ201は、図2に示されるよう
に、P−Tr101とN−Tr102とを含むCMOS
型のスイッチ107と、P−Tr101のゲートに接続
されたインバータ108とを含む。
【0097】P−Tr101およびN−Tr102は、
式(8)および式(9)を満たすように形成されてい
る。これにより、実施の形態1と同様に、電荷−電圧変
換回路400aのリセット用スイッチ201のクロック
フィードスルーを抑制する(望ましくは、ゼロにする)
ことができる。その結果、電荷−電圧変換回路400a
の出力電圧Voの直流オフセット電圧誤差を低減するこ
とができ、電荷−電圧変換回路400aの出力電圧Vo
に対する高周波雑音を低減することができる。
【0098】さらに、オペアンプの代わりにインバータ
410を用いることにより、図1に示される電荷−電圧
変換回路100に比較して、電荷−電圧変換回路400
aの回路規模を低減することができる。
【0099】このような回路規模の低減の効果は、1次
元または2次元に配列された複数の赤外線センサを含む
赤外線検出装置を実現する場合(例えば、単一の半導体
チップ上に2以上または3以上の赤外線センサを配列す
る場合)に特に顕著となる。そのような赤外線検出装置
は、複数の赤外線センサに対応する複数の赤外線検出回
路を収容する必要があるからである。
【0100】(実施の形態5)図6は、電荷発生型検知
素子の信号処理回路の一例として、本発明の実施の形態
5の赤外線検出回路5の構成を示す。
【0101】赤外線検出回路5は、赤外線センサ109
において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換
回路100bを含む。電荷−電圧変換回路100bは、
図1に示される電荷−電圧変換回路100の構成要素に
加えて、容量111に並列に接続された回路(帰還抵
抗)608をさらに含む。
【0102】回路608は、容量601と、容量601
の一端に接続されたスイッチ602、604と、容量6
01の他端に接続されたスイッチ603、605とを含
む。
【0103】スイッチ602の一端は容量601に接続
され、他端はオペアンプ110の出力110cに接続さ
れている。スイッチ603の一端は容量601に接続さ
れ、他端はオペアンプ110の反転入力110aに接続
されている。スイッチ602、603のON/OFF
は、制御端子606に印加されるクロック信号Vaに応
じて制御される。
【0104】スイッチ604の一端は容量601に接続
され、他端は信号グランド電位Vsgに接続されている。
スイッチ605の一端は容量601に接続され、他端は
信号グランド電位Vsgに接続されている。スイッチ60
4、605のON/OFFは、制御端子607に印加さ
れるクロック信号Vbに応じて制御される。
【0105】クロック信号Vaおよびクロック信号Vb
それぞれは、周期Tを有するクロック信号である。ただ
し、クロック信号VaのON区間(すなわち、スイッチ
602、603がONとなる区間)とクロック信号Vb
のON区間(すなわち、スイッチ604、605がON
となる区間)とは、互いに重ならない。
【0106】回路608は、抵抗として機能するスイッ
チトキャパシタ(SC)回路である。容量111、オペ
アンプ110および回路608は、フィルタ機能を有す
るスイッチトキャパシタ回路(すなわち、スイッチトキ
ャパシタフィルタ(以下、SCFと略す))として機能
する。すなわち、電荷−電圧変換回路100bは、1次
ローパスフィルタ特性を有している。
【0107】ローパスフィルタの周波数特性が、0Hz
の直流に比べて3dB低下した周波数、すなわち、遮断
周波数をωoとおくと、1次ローパスフィルタの遮断周
波数ωoは、式(22)によって表される。
【0108】 ωo=C601/(C111・T) ・・・(22) ここで、C111は容量111の容量値を示し、C601は容
量601の容量値を示す。
【0109】また、回路608が作り出す抵抗の抵抗値
をRとおくと、抵抗値Rは、式(23)によって表され
る。
【0110】R=T/C601 ・・・(23) 式(22)、(23)から式(24)が得られる。
【0111】 ωo=1/(C111・R) ・・・(24) 従来、赤外線センサ109において発生する電荷量は小
さいので、出力電圧V oの出力値を所望の値にするには
容量111の容量値C111を小さくする必要があった。
そこで、従来、フィルタは、電荷−電圧変換回路(積分
器)の後段に配置されていた。
【0112】実施の形態4では、回路608が等価的に
抵抗の働きを作り出せることを利用する。例えば、回路
608が100MΩの抵抗値を有する抵抗を作り出すこ
とができる。回路608が作り出す抵抗の抵抗値Rを調
整することにより、フィルタの遮断周波数ωoを所望の
値に設定することができる。これにより、フィルタを電
荷−電圧変換回路(積分器)に内蔵することが可能にな
る。
【0113】このように、本発明の実施の形態5の赤外
線検出回路5によれば、抵抗として機能する回路608
を容量111に並列に接続することにより、フィルタ機
能を有する電荷−電圧変換回路100bを容易に実現す
ることができる。また、フィルタ機能を電荷−電圧変換
回路100bに組み込むことにより、赤外線検出回路5
の回路規模を低減することができる。
【0114】なお、実施の形態5では、電荷−電圧変換
回路100bが1次ローパスフィルタ特性を有している
例を説明したが、電荷−電圧変換回路100bは、1次
ローパスフィルタ特性に代えてまたは1次ローパスフィ
ルタ特性に加えて、1次以上の各種のフィルタ特性を有
していてもよい。
【0115】また、制御端子606に印加されるクロッ
ク信号Vaは、異なるインバータを介してスイッチ60
2、603のP−Trのゲートに供給されている。しか
し、クロック信号Vaは、共通のインバータを介してス
イッチ602、603のP−Trのゲートに供給されて
もよい。同様にして、制御端子607に印加されるクロ
ック信号Vbは、異なるインバータを介してスイッチ6
04、605のP−Trのゲートに供給されている。し
かし、クロック信号Vbは、共通のインバータを介して
スイッチ604、605のP−Trのゲートに供給され
てもよい。
【0116】(実施の形態6)図7は、電荷発生型検知
素子の信号処理回路の一例として、本発明の実施の形態
6の赤外線検出回路6の構成を示す。
【0117】赤外線検出回路6は、赤外線センサ109
において発生する電荷を電圧に変換する電荷−電圧変換
回路(積分器)100と、電荷−電圧変換回路100の
出力を電荷−電圧変換回路100の入力にフィードバッ
クするフィードバック回路716とを含む。
【0118】電荷−電圧変換回路100およびフィード
バック回路716は、後述するように、デルタ・シグマ
変調(ΔΣ変調)機能を有するように構成されている。
【0119】電荷−電圧変換回路100の構成は、図1
を参照して実施の形態1で説明したとおりである。従っ
て、同一の構成要素には同一の参照番号を付し、ここで
はその説明を省略する。
【0120】フィードバック回路716は、電荷−電圧
変換回路100から出力される出力電圧Voと所定の電
圧(すなわち、信号グランド電位Vsg)とを比較する比
較器710と、比較器710から出力される出力信号7
09を時間Tdだけ遅延させる遅延器708と、遅延器
708から出力されるデジタル信号707をアナログ信
号に変換するデジタル・ツー・アナログ変換器(以下、
DACと略す)706とを含む。DAC706から出力
されるアナログ信号は、電荷−電圧変換回路100のオ
ペアンプ110の反転入力110aにフィードバックさ
れる。
【0121】DAC706は、容量701と、容量70
1の一端に接続されたスイッチ702、704と、容量
701の他端に接続されたスイッチ703、705とを
含む。
【0122】スイッチ703の一端は容量701に接続
され、他端はオペアンプ110の反転入力110aに接
続されている。スイッチ704の一端は容量701に接
続され、他端は信号グランド電位Vsgに接続されてい
る。スイッチ703、704のON/OFFは、制御端
子713に印加されるクロック信号Vdに応じて制御さ
れる。
【0123】スイッチ702の一端は容量701に接続
され、他端は遅延器708の出力信号707に接続され
ている。スイッチ705の一端は容量701に接続さ
れ、他端は信号グランド電位Vsgに接続されている。ス
イッチ702、705のON/OFFは、制御端子71
4に印加されるクロック信号Veに応じて制御される。
【0124】クロック信号Vdおよびクロック信号Ve
それぞれは、遅延器708の遅延時間Tdと同一の周期
dを有するクロック信号である。ただし、クロック信
号VdのON区間(すなわち、スイッチ703、704
がONとなる区間)とクロック信号VeのON区間(す
なわち、スイッチ702、705がONとなる区間)と
は、互いに重ならない。
【0125】DAC706は、抵抗として機能するスイ
ッチトキャパシタ(SC)回路である。デジタル信号7
07は、その抵抗に+電圧(すなわち、VDD−Vsg)ま
たは−電圧(すなわち、VSS−Vsg)のいずれか一方を
印加する制御信号である。その抵抗に+電圧が印加され
ると出力電圧Voは下降し、その抵抗に−電圧が印加さ
れると出力電圧Voは上昇する。
【0126】容量111、オペアンプ110およびDA
C706は、スイッチトキャパシタ積分回路(SC積分
回路)として機能する。
【0127】比較器710から出力される出力信号70
9は、SCF711に供給される。SCF711は、周
期Tdを有するクロック信号Vd、Veより遙かに高い周
波数でサンプリング動作を行う。このようなサンプリン
グ動作をオーバーサンプリング動作という。その結果、
SCF711によって出力信号709から不要成分が除
去される。SCF711の出力が最終的な出力電圧Vf
として端子712から出力される。
【0128】電荷−電圧変換回路(積分器)100と比
較器710と遅延器708とDAC706とは、1次Δ
Σ変調機能を有するように構成されている。従って、図
7に示される回路715は、1次ΔΣ変調器と等価な回
路である。
【0129】1次ΔΣ変調は、周知の通り、所望の信号
に対しては信号処理を行わず、不要信号である1/f雑
音と量子化雑音とを減衰させる機能を有している。
【0130】このように、本発明の実施の形態6の赤外
線検出回路6によれば、電荷−電圧変換回路100とフ
ィードバック回路716とが1次ΔΣ変調機能を有する
ように構成される。これにより、スイッチトキャパシタ
積分回路(SC積分回路)によって発生し得る1/f雑
音および量子化雑音を低減することが可能になる。
【0131】なお、実施の形態6では、電荷−電圧変換
回路100とフィードバック回路716とが1次ΔΣ変
調機能を有するように構成される例を説明したが、本発
明はこれに限定されない。電荷−電圧変換回路100と
フィードバック回路716とが2次以上のΔΣ変調機能
を有するように構成されてもよい。
【0132】
【発明の効果】発明によれば、第1のスイッチ(リセ
ット用スイッチ)は、第1のトランジスタによって発生
する第1のクロックフィードスルーの少なくとも一部
が、第2のトランジスタによって発生する第2のクロッ
クフィードスルーによって相殺されるように構成されて
いる。これにより、リセット用スイッチのクロックフィ
ードスルーを抑制することができる。その結果、出力電
圧の直流オフセット電圧誤差を低減することができ、出
力電圧に対する高周波雑音の発生を抑制することができ
る。
【0133】また、リセット用スイッチのクロックフィ
ードスルーを実質的にゼロにすることができる。その結
果、出力電圧の直流オフセット電圧誤差を実質的にゼロ
にすることができ、出力電圧に対する高周波雑音が発生
しないようにすることができる。
【0134】さらに、第2の容量と、ゲイン制御電圧に
応じて制御される第2のスイッチとを含む回路が第1の
容量に対して並列に設けられている。これにより、出力
電圧の電圧変化量のゲインを容易に調整することが可能
になる。出力電圧の電圧変化量のゲインを適切に調整す
ることにより、広いダイナミックレンジを実現すること
ができる。
【0135】さらに、抵抗として機能するスイッチトキ
ャパシタ回路が第1の容量に対して並列に設けられてい
る。これにより、フィルタ機能を電荷−電圧変換回路に
内蔵することができる。その結果、赤外線検出回路の回
路規模を低減することが可能になる。
【0136】さらに、電荷−電圧変換回路およびフィー
ドバック回路がデルタ・シグマ変調機能を有するように
構成されている。これにより、スイッチトキャパシタ積
分回路によって発生し得る1/f雑音および量子化雑音
を低減することが可能になる。
【0137】さらに、オペアンプの代わりにインバータ
が使用される。これにより、電荷−電圧変換回路の回路
規模を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の赤外線検出回路1の構
成を示す図である。
【図2】図1に示される回路構成の簡略化した表記を示
す図である。
【図3】本発明の実施の形態2の赤外線検出回路2の構
成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態3の赤外線検出回路3の構
成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態4の赤外線検出回路4の構
成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態5の赤外線検出回路5の構
成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態6の赤外線検出回路6の構
成を示す図である。
【図8】従来の赤外線検出回路の構成を示す図である。
【符号の説明】 1 赤外線検出回路 100 電荷−電圧変換回路 101 Pチャネル型トランジスタ 102 Nチャネル型トランジスタ 103 Pチャネル型トランジスタのゲート・ソース間
の寄生容量 104 Pチャネル型トランジスタのゲート・ドレイン
間の寄生容量 105 Nチャネル型トランジスタのゲート・ソース間
の寄生容量 106 Nチャネル型トランジスタのゲート・ドレイン
間の寄生容量 107 CMOS型のスイッチ 108 インバータ 109 赤外線センサ 110 オペアンプ 111 容量 112 入力端子 113 出力端子 114 制御端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−249719(JP,A) 特開 平3−237806(JP,A) 特開 平9−53985(JP,A) 特開 平10−322148(JP,A) 特開 平7−65091(JP,A) 特開 平1−212111(JP,A) 特開 平9−27731(JP,A) 特開 平8−162961(JP,A) 実開 平6−56743(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 1/02 G01J 1/42 - 1/46 G01J 5/02 G01J 5/12 G01L 9/08 G01V 8/12 G08B 13/19 - 13/191 H03H 11/00 - 11/54 H03M 3/00 - 3/02 H03F 3/45

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷発生型検知素子において発生した電
    荷を電圧に変換する電荷−電圧変換回路を備え、 前記電荷−電圧変換回路は、 前記電荷発生型検知素子において発生した前記電荷を蓄
    積する第1の容量と、 前記第1の容量に帰還接続されたオペアンプと、 前記第1の容量に並列に接続され、前記第1の容量に蓄
    積された前記電荷を放電するための第1のスイッチとを
    含み、 前記第1のスイッチは、第1のクロックフィードスルー
    を発生する第1のトランジスタと第2のクロックフィー
    ドスルーを発生する第2のトランジスタとを含み、前記
    第1のスイッチは、前記第1のクロックフィードスルー
    の少なくとも一部が前記第2のクロックフィードスルー
    によって相殺されるように構成され、 前記電荷−電圧変換回路の出力を前記電荷−電圧変換回
    路の入力にフィードバックするフィードバック回路をさ
    らに備え、 前記電荷−電圧変換回路と前記フィードバック回路から
    なる回路構成がデルタ・シグマ変調機能を有するように
    構成されている、電荷発生型検知素子の信号処理回路。
  2. 【請求項2】 前記フィードバック回路は、 前記電荷−電圧変換回路から出力される出力電圧と所定
    の電圧とを比較する比較器と、 前記比較器の出力を遅延させる遅延器と、 前記遅延器から出力されるデジタル信号をアナログ信号
    に変換すると共に、該アナログ信号を前記オペアンプの
    反転入力にフィードバックするデジタル・ツー・アナロ
    グ変換器とを含む、請求項2に記載の電荷発生型検知素
    子の信号処理回路。
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