JP3356255B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP3356255B2 JP06355596A JP6355596A JP3356255B2 JP 3356255 B2 JP3356255 B2 JP 3356255B2 JP 06355596 A JP06355596 A JP 06355596A JP 6355596 A JP6355596 A JP 6355596A JP 3356255 B2 JP3356255 B2 JP 3356255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振器長を機械的
に制御可能な外部共振器型の半導体レーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】共振器長制御可能な半導体レーザ装置
は、片端面を反射防止処理した半導体光増幅媒質(LD
チップ)と、その面に対向する位置で光軸に沿って移動
可能な反射板(可動反射板)とにより実現される。この
ような構成で高速に可動反射板の位置決めを行い、かつ
外部からの機械的擾乱に対して高い耐性を保持させるた
めには、可動反射板を微小化することが有効である。そ
の理由は、微小化により可動部の質量を低減できるとと
もに1次共振周波数を大幅に増大させることができ、小
さな駆動力でも広い帯域で可動反射板の位置制御を行う
ことができるからである。
【0003】図7は、共振器長制御可能な従来の半導体
レーザ装置の構成を示す(H.Kiang,et al.,"Silicon-Mi
cromachined Micromirrors with Integrated High-Prec
ision Actuators for External-Cavity Semiconductor
Lasers",IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, VOL.8,
NO.1, 1996) 。図において、半導体レーザ装置は、シリ
コン基板10上に、片端面に反射防止膜12を付与した
LDチップ13と、レンズ14と、可動反射板15を移
動させる櫛形アクチュエータ16が実装された構成であ
る。なお、シリコン基板10とLDチップ13との間に
はサブマウント11が挿入される。
【0004】LDチップ13の反射防止膜12側から出
た光は、レンズ14を介してコリメートビームとなり、
外部反射板として設けられた可動反射板15で反射して
LDチップ13に帰還する。帰還効率は、可動反射板1
5の位置によらずほぼ一定である。このLDチップ13
の未処理端面と可動反射板15とにより共振器が構成さ
れ、外部共振器レーザとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す従来の半導
体レーザ装置では、微小力で高速に可動反射板15を移
動させるために、可動反射板15を位置決めする機構部
の減衰率を極めて小さくする必要がある。しかし、減衰
率を小さくすると、位置決め後も共振周波数での余分の
振動を速やかに吸収できないばかりか、外部からの機械
的擾乱により共振が励起されやすい問題点があった。そ
のため、可動反射板15を一定の位置に保持しておくこ
とができず、安定なレーザ発振動作を得ることが困難に
なっていた。
【0006】本発明は、共振器長を高速かつ厳密に機械
的に制御でき、かつ外部からの機械的擾乱に強い半導体
レーザ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ装
置は、可動反射板の機構部を液体に浸した構成とし、そ
の液体の粘性を利用して機構部の減衰率を増大させる。
また、液体に誘電体微小球または磁性体微小球を分散さ
せ、液体の粘性を電気的または磁気的に制御できる構成
とする。
【0008】一般的には、可動反射板の機構部を線形ば
ねに置き換えることができる。この運動方程式の一般解
は、
【0009】
【数1】
【0010】と表される。ここで、A1 ,A2 は定数、
ω0 は共振周波数、γは減衰率である。また、F(ω)は
時間的に変化する駆動力f(t) のフーリエ変換である。
実空間での位置は上記の一般解の実数部である。第1項
が駆動力により励起される第一共振を表し、第2項は駆
動力による変位を表す。なお、高次の共振は第一共振に
比べて無視できるほど小さいものとした。この式が示す
ように、減衰率γを大きくすると外力に対する応答は犠
牲になるが、好ましくない共振を速やかに減衰させるこ
とができる。
【0011】減衰率γは、可動反射板の機構部の内部損
失と周囲を取り囲む物質の粘性により決まるが、微小な
機構部では周囲物質が空気であっても粘性が支配的にな
る。したがって、周囲物質を液体とすることにより減衰
率を増大させ、共振の励起を抑圧することができる。ま
た、周囲物質の粘性を制御することにより、共振の励起
を抑圧したまま駆動力に対する応答を速めることができ
る。すなわち、粘性を低くした状態で可動反射板を移動
し、位置決めした後に粘性を高くすれば、共振を含む位
置ずれを防止することができる。特に、機構部が微小で
あればレイノルズ数が高いので、粘性をある程度高める
と減衰率を大幅に増大させることができ、大きな効果が
期待できる。
【0012】液体の粘性の制御方法には一般的に温度制
御があるが、この方法では高速応答性は実現できない。
そこで、液体中に誘電体微小球を分散させ、電場により
液体の粘性を制御する方法をとる。液体中に分散させた
誘電体微小球は、図6(a) に示すように印加される電場
の勾配に沿って規則的に配列する。ここで、液体に浸さ
れた機構部が移動し、それに伴う剪断応力がこの規則配
列に加わると、図6(b) に示すように配列の規則性が崩
れる。このとき、配列の自由エネルギーは増大するの
で、機構部の移動量をΔxとすると、形式的に R=−ΔG/Δx の抵抗力が機構部に働く。誘電体微小球の大きさと誘電
率を適当に選ぶと、媒質としての液体の本来の粘性を上
回る大きな粘性を得ることができる。
【0013】また、この構造体は誘電体微小球のわずか
な移動により実現できるので、電場の印加に対して相変
化と同等の高速応答性が期待できる。同様に、液体中に
磁性体微小球を分散させることにより、磁場により液体
の粘性を上記と同様の原理で制御することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】 (第1の実施形態)図1は、本発明の半導体レーザ装置
の第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の半
導体レーザ装置は、シリコン基板10上に、片端面に反
射防止膜12を付与したLDチップ13と、可動反射板
15を移動させる櫛形アクチュエータ16とを実装し、
可動反射板15の機構部17の一部がシリコン基板10
に形成された液溜の液体18に浸された構成である。さ
らに、機構部17とシリコン基板10が対向する面に電
極19−1,19−2を配置し、液体18に誘電体微小
球を分散させている。
【0015】本構成では、機構部17の一部を液体18
に浸すことにより、液体18の粘性を利用して機構部1
7の減衰率を増大させることができる。また、電極19
−1,19−2に電圧を印加することにより機構部17
の移動方向に対して垂直方向に電場が形成されるので、
その印加電圧を制御することにより上述した原理に基づ
いて液体18の粘性、すなわち機構部17の減衰率を制
御することができる。
【0016】ここで、シリコン基板10上にモノリシッ
ク集積可能な櫛形アクチュエータについて図2を参照し
て説明する。櫛形アクチュエータは、シリコン基板10
に固定された櫛形電極21−1と、中空の櫛形電極21
−2とを互いの櫛歯が噛み合うように対向させた構成で
ある。ただし、中空の櫛形電極21−2は、遠方で基板
に固定端をもつ両持ち梁とする。
【0017】これら2つの電極に電位差Vを与えると、
櫛歯が対向する部分(図中の斜線部)にコンデンサが形
成される。このコンデンサに蓄積されるエネルギーをW
とすると、 W=CV2/2 となる。このコンデンサの容量Cは、櫛歯の間隔hが変
わらないので、2つの櫛歯が対向する部分の長さxに比
例し、 C=kx となる。したがって、対向する部分の長さを変えると、
エネルギーWは ∂W/∂x=kV2/2 のように変化する。ところで、エネルギーを位置で微分
したものは力である。すなわち、櫛歯のコンデンサ形成
部には電圧の2乗に比例した力が働く。ただし、力はエ
ネルギーを減少させる方向に働くので、図中矢印で示す
方向の引力となる。
【0018】このような櫛形アクチュエータを図3に示
すように2つ用い、遠方で基板に固定された梁22を介
して両者をプッシュプル構成にすることにより、2つの
櫛形電極21−2の位置決めをすることができる。たと
えば、この櫛形電極21−2の1つの櫛歯に可動反射板
15および機構部17を連結することにより、本発明の
半導体レーザ装置に用いられる櫛形アクチュエータ16
が構成される。
【0019】(第2の実施形態)図4は、本発明の半導
体レーザ装置の第2の実施形態を示す。本実施形態の特
徴は、第1の実施形態の電極19−1,19−2に代え
て、C字のヨーク23にコイル24を巻き付けて閉磁路
を形成し、ヨーク23のスペーシングに形成されるほぼ
一様な磁場中に液溜を配置し、その液体18に磁性体微
小球を分散させた構成にある。この磁場は、第1の実施
形態と同様に、機構部17の移動方向に対して垂直方向
に形成されるので、コイル24の電流を制御することに
より液体18の粘性、すなわち機構部17の減衰率を制
御することができる。
【0020】(第3の実施形態)図5は、本発明の半導
体レーザ装置の第3の実施形態を示す。本実施形態の特
徴は、LDチップ13,可動反射板15,櫛形アクチュ
エータ16,機構部17を同一基板上に実装したものを
キャン25中に液体18とともに封入した構成にある。
液体18の粘性制御は、第2の実施形態と同様に磁場で
制御する。また、コイル24の制御用電極は、ハーメチ
ックシール27を介して外側に引き出される。なお、L
Dチップ13および櫛形アクチュエータ16の駆動用電
極も同様である。
【0021】LDチップ13の出力光は、ガラス窓28
を介して外に取り出される。このため、使用する液体1
8は透明であり、また分散させる磁性体微小球は液体1
8と同じ屈折率であることが望ましい。また、LDチッ
プ13の反射防止処理は液体18の屈折率を考慮して行
う必要がある。また、LDチップ前面は、その反射率が
液体18の屈折率による低下を防止するために高反射処
理をすることが望ましい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体レ
ーザ装置は、液体の粘性により微小の機構部を有する可
動反射板の位置決めを高精度に実現することができる。
また、液体の粘性を電気的または磁気的に制御すること
により、高速制御性と保持性の相反する要求条件を同時
に満足することができる。このような高速・高精度で位
置決め可能な可動反射板を用いた外部共振器レーザを構
成することにより、外部の信号により発振状態を制御す
る半導体レーザ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ装置の第1の実施形態を
示す。
【図2】櫛形アクチュエータの原理構成を示す図。
【図3】本発明の半導体レーザ装置に用いられる櫛形ア
クチュエータ16の構成例を示す図。
【図4】本発明の半導体レーザ装置の第2の実施形態を
示す。
【図5】本発明の半導体レーザ装置の第3の実施形態を
示す。
【図6】本発明における液体の粘性制御の原理を説明す
る図。
【図7】共振器長制御可能な従来の半導体レーザ装置の
構成を示す図。
【符号の説明】
10 シリコン基板 11 サブマウント 12 反射防止膜 13 LDチップ 14 レンズ 15 可動反射板 16 櫛形アクチュエータ 17 機構部 18 液体 19 電極 21 櫛形電極 22 梁 23 ヨーク 24 コイル 25 キャン 27 ハーメチックシール 28 ガラス窓
フロントページの続き (72)発明者 猿渡 正俊 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−168088(JP,A) 特開 平2−165116(JP,A) 特開 昭64−50589(JP,A) 特開 平3−63364(JP,A) 特開 平6−188497(JP,A) 実開 平2−106854(JP,U) IEEE Photonics Te chnology Letters, 1996年,8[1],p.95−97 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片端面が反射防止処理された半導体光増
    幅媒質と、その面に対向する位置に配置された可動反射
    板とを備えた外部共振器型の半導体レーザ装置におい
    て、 前記可動反射板を光軸方向に位置決めする機構部を備
    え、その機構部が液体に浸された構成であることを特徴
    とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 液体の粘性を制御する手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 液体の粘性を制御する手段は、誘電体微
    小球を分散させた液体に電場を印加する構成であること
    を特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 液体の粘性を制御する手段は、磁性体微
    小球を分散させた液体に磁場を印加する構成であること
    を特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
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JP5028805B2 (ja) * 2006-01-23 2012-09-19 富士通株式会社 光モジュール

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