JP3355506B2 - 移動作業用のロボット - Google Patents

移動作業用のロボット

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JP3355506B2
JP3355506B2 JP20405694A JP20405694A JP3355506B2 JP 3355506 B2 JP3355506 B2 JP 3355506B2 JP 20405694 A JP20405694 A JP 20405694A JP 20405694 A JP20405694 A JP 20405694A JP 3355506 B2 JP3355506 B2 JP 3355506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動床面掃除機、自動
床面仕上げ装置などのように、往復移動を繰り返しなが
ら自動的に作業を行う移動作業用のロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、作業機器が走行駆動装置、制御手
段、およびセンサ類などを備え、自動的に移動しながら
作業を行う移動作業用のロボットが種々開発されてい
る。たとえば、自走式掃除機は、本体底部に吸い込みノ
ズルやブラシなどを掃除手段として備え、走行および操
舵手段と走行時の障害物を検知する障害物検知手段と位
置を認識する位置認識手段とを移動手段として備え、障
害物検知手段によって掃除場所の周囲の壁や障害物を検
知するとともに、位置認識手段によって清掃区域を認識
し、清掃区域内全体を移動して清掃するものである。
【0003】このような自走式掃除機が用いられる場所
には絨毯が敷き詰められている場合が多いが、この絨毯
の絨毯目により走行方向が影響を受け、絨毯が敷かれて
いない場合とは異なる方向に進行することが知られてお
り、絨毯目の影響を検出して走行方向を補正する手段が
用いられている。この絨毯目とは絨毯の植毛が基布に対
して垂直でなく、一方向にやや傾斜している毛並の状態
である。
【0004】以下、絨毯目が与える走行に与える影響に
ついて図面を参照しながら説明する。図25は絨毯が敷
かれていない平坦な床面上を自走式掃除機が直進走行し
た走行軌跡を示す平面図である。図において、1は自走
式掃除機の本体(以下の説明において、ロボットを単に
本体と称す)、実線aは走行軌跡である。この場合は、
絨毯がないので、当然絨毯の影響がなく、本体1の走
行軌跡は操作者の希望通りに実線aになる。一方、図2
6は絨毯が敷かれている床面を本体1が直進走行したと
きの走行軌跡を示す平面図である。図において、破線a
は操作者が希望する走行軌跡、実線bは実際の走行軌
跡、矢印は絨毯目の方向である。図26に示したよう
に、絨毯目の方向(毛並が寝る方向)が、たとえば左か
ら右である絨毯の上で本体1を直進走行させると、本体
1は所望の破線aの方向を向いているにもかかわらず、
絨毯目の影響により逐次右方向に並行移動する。この現
象は、絨毯の毛先に乗った本体1が自重で絨毯目の方向
に落ち込んで移動するためと考えられる。その結果、走
行軌跡は破線aから右へ角度θだけずれた実線bにな
る。このような角度のずれが生じる状態で往復移動した
とき、直進軌跡間で隙間ができて清掃のやり残し部分が
生じたり、逆に軌跡間が狭くなって同じ場所を何回か通
過して清掃効果が低下したりする。
【0005】上記課題を解決する手段として、ずれ角θ
を検出し、走行方向を補正する手段が考えられている。
図27はずれ角θを検出する絨毯目検出手段の一例の構
成を示す側面図である。図において、41は本体1の底
部に固定された取付台48に回転自在に支持された回転
軸、42は支持軸41にレバー軸45を介して回動自由
に取り付けられたレバー、43はレバー42にローラ軸
46を介して回転自在に支持されたローラ、44はレバ
ー42を介してローラ43を床面Fに付勢するばねなど
の弾性体である。47は支持軸41の本体1に対する回
転角度を検出する回転検出器、Fは床面である。
【0006】上記構成においてその動作を説明する。本
体1が走行するとき、ローラ43はローラ軸46を中心
にして床面F上を転がりながら本体1に追従する。この
とき、本体1に対して自由に方向を変えることのできる
ローラ43は、それ自体は絨毯目の影響をほとんど受け
ず(発明者らは、ローラ43の接地面積が小さいとき
に、絨毯目の影響を受けにくいことを確認している)、
本体1の走行軌跡の方向を向いて転がっている。したが
って、図26に示したように、本体1が破線aの方向を
向きながら絨毯目の影響によって実線bに沿って直進す
るとき、ローラ43は実線bの方向を向いている。その
結果、本体1の向きとローラ43の向きとの間に相対的
な角度差が生じ、この角度差が絨毯目によって生じるず
れ角θである。このずれ角θの大きさは回転検出器47
により検出できる。このずれ角θでずれる分だけ、破線
Cで示したように、本体1を左方向に向けて直進させる
ことにより、走行軌跡が所望の破線aとなるように走行
方向を補正することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の絨毯
目検出手段を設けた移動作業用のロボットでは、本体が
方向転換した際に、絨毯目検出手段のローラが本体の走
行軌跡の方向に十分追従していない状態で出力を取り込
むと、絨毯目によるずれ角を正確に検出できないという
問題があった。
【0008】また、絶対方向を検出できない安価な絨毯
目検出手段はローラの基準方向(ゼロ点)を正確に定め
る手段を備えていないので、走行作業開始時に誤った方
向へ移動を開始すると言う問題があった。
【0009】また、本体が直進中であっても、落下物な
どを乗り越えたり、障害物を回避したり、絨毯の表面状
態の外乱などによって、絨毯目とは全く関係のないずれ
角を検出すると、その情報が走行軌跡の補正にそのまま
反映され、意図しない走行軌跡が発生するという問題が
あった。
【0010】また、絨毯目検出手段の検出精度を高める
ためにローラの幅を狭く設定したとき、ロボットが通過
した跡に、ローラの痕跡が残るという問題もあった。
【0011】本発明は、上記の課題を解決するもので、
つねに絨毯目による走行ずれだけを正確に検出でき、ま
た、正確な基準方向の設定を容易にできて、所望の移動
動作を行い、さらにローラの痕跡も残さない移動作業用
のロボットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明
は、床面上を走行するための駆動手段および操舵手段
と、前記床面の清掃などの作業を行う作業手段と、走行
および作業を制御する制御手段とを備え、移動しながら
作業を行う自走式の移動作業用のロボットにおいて、前
記床面に敷かれた絨毯の絨毯目の影響により走行軌跡の
方向が前記ロボットの目指す方向とずれる角度を検出す
る絨毯目検出手段を備えるとともに、前記制御手段は、
前記絨毯目検出手段の検出値が所定範囲の値に収束した
か否かを検出する収束検出手段を備え、前記本体が方向
転換などの直進走行以外の動作に続いて直進走行すると
き、前記絨毯目検出手段が出力するずれ角情報が直進走
行に対応する所定値に収束したことを前記収束検出手段
により検出し、収束を検出した時点以降のずれ角情報を
直進走行におけるずれ角情報として直進走行を制御する
ようにした移動作業用のロボットであり、また、請求項
3に係わる本発明は、ロボットの走行に追従して床面上
を転がるローラの方向とロボットの目指す方向との角度
でずれ角を検出する絨毯目検出手段を備えるとともに、
制御手段は、出発位置でロボットをスピンターンさせる
スピンターン手段と、スピンターン前後の絨毯目検出手
段の出力の変化値から走行開始前におけるロボットとロ
ーラとの相対位置関係を検出するローラ位置検出手段と
を備え、ロボットが出発位置から直進走行を開始したと
き、ローラがロボットの方向転換時に相当する動作をす
るか否かを前記ローラの位置関係により判断するととも
に、収束検出手段により収束を確認したずれ角を絨毯目
検出手段の基準出力として設定するようにした請求項1
または請求項2に係わる移動作業用のロボットであり、
また、請求項4に係わる本発明は、ロボットの走行に追
従して床面上を転がるローラの方向とロボットの目指す
方向との角度でずれ角を検出する絨毯目検出手段を備え
るとともに、制御手段は、ロボットを出発位置から所定
走行だけ蛇行させる蛇行手段を備え、蛇行に続いて直進
走行させ、収束検出手段により収束を確認したずれ角を
絨毯目検出手段の基準出力として設定するようにした請
求項1または請求項2に係わる移動作業用のロボットで
あり、また、請求項5に係わる本発明は、床面上を走行
するための駆動手段および操舵手段と、前記床面の清掃
などの作業を行う作業手段と、走行および作業を制御す
る制御手段とを備え、移動しながら作業を行う自走式の
移動作業用のロボットにおいて、前記床面に敷かれた絨
毯の絨毯目の影響により走行軌跡の方向が前記ロボット
の目指す方向とずれる角度を検出する絨毯目検出手段を
備えるとともに、前記制御手段は、前記絨毯目検出手段
のずれ角出力をその変化状況に応じて選別する選別処理
部を備え、前記選別処理部により選別して取り入れたず
れ角情報のみを直進走行時のずれ角情報として直進走行
を制御するようにした移動作業用のロボットであり、ま
た、請求項10に係わる本発明は、駆動手段の情報に基
づいて走行距離を計測する測距手段と、ロボットの目指
す方向と走行方向とのずれ角を角度値として検出する絨
毯目検出手段とを備え、制御手段は、前記ずれ角と前記
測距手段が計測した見かけ上の往復走行距離とから前後
方向および左右方向の走行距離のずれを求める演算手段
と、前記走行距離のずれに基づいて実際の走行距離を修
正する修正手段とを備え、走行距離を修正しながら作業
を行うようにした請求項1ないし請求項9のいずれかに
係わる移動作業用のロボットであり、また、請求項11
に係わる本発明は、ロボットの走行に追従して床面上を
転がるローラの方向とロボットの目指す方向とのずれ角
を検出する絨毯目検出手段において、前記ローラはその
外周接地面に多数の突起を備え、前記突起が絨毯目に入
り込みながら転がるようにした請求項1ないし請求項1
0のいずれかに係わる移動作業用のロボットである。
【0013】
【作用】請求項1に係わる本発明において、収束検出手
段は、ロボットが方向転換などの直進走行以外の動作に
つづいて直進走行したとき、収束手段は絨毯目検出手段
の出力が直進走行のずれ角に収束するのを検出し、それ
以降のずれ出力を制御手段に与えるようにしたことで、
先行の方向転換などが影響したずれ角情報を除外して誤
制御を防止する。
【0014】請求項2に係わる本発明において、前記収
束検出は、ずれ角の変化を角度値とその時間変化率の2
段階で監視することで、絨毯目検出手段の本体直進方向
への追従後の、真の、絨毯目による走行ずれを示す出力
だけを正確に検出する。
【0015】請求項3に係わる本発明において、走行作
業開始時にスピンターンを行って絨毯目検出手段のロー
ラとロボットとの相対位置を検出し、その位置関係によ
りロボットが直進走行に移行するときにローラが方向転
換時のように動作する否かを予測して、そのあとの直進
走行における収束検出において方向転換ありとするかな
しとするかの選択に供し、収束検出した時点のずれ角を
絨毯目検出手段の基準出力、すなわちゼロ点出力とす
る。
【0016】請求項4に係わる本発明において、走行作
業開始時に蛇行走行を行うことで、絨毯目検出手段のロ
ーラを強制的に本体の進行方向に収束させて、収束検出
した時点のずれ角を絨毯目検出手段の基準出力、すなわ
ちゼロ点出力とする。
【0017】請求項5に係わる本発明において、選別処
理部は所定周期で絨毯目検出手段からずれ角情報を入力
し、その値の変化状況に対応して、たとえば値の大小、
時間変化率、平均値中心の所定範囲などに基づいて、直
進走行時のずれ角情報を選別して出力する。制御手段は
選別されたずれ角情報のみを用いて直進走行を制御し、
絨毯目に無関係なずれ角情報を排除して制御する。
【0018】請求項10に係わる本発明において、絨毯
目検出手段が絨毯目による走行ずれ角を値として検出
し、演算手段は、測距手段が計測する前進と後進とにお
ける見かけの距離と、前進したときと後進したときのず
れ角の値とから移動量誤差を演算し、修正手段は移動量
誤差により走行距離を補正する。
【0019】請求項11に係わる本発明において、絨毯
目検出手段のローラがその外周接地面に多数の突起を備
え、突起が絨毯目に軽く入り込むように接地すること
で、ローラは本体の走行軌跡に追従し、かつ絨毯にロー
ラ跡を残さない。
【0020】
【実施例】
(実施例1)以下、請求項1に係わる本発明の移動作業
用のロボットの一実施例について自走式掃除機を例に図
面を参照しながら説明する。図1は本実施例の構成を示
す側断面図、図2は図1におけるA−A断面を示す断面
図である。図において、1は自走式掃除機の本体(以
下、単に本体と称す)、2は本体1を移動させるための
駆動輪であって、2Lと2Rはそれぞれ左駆動輪と右駆
動輪、3Lと3Rはそれぞれ左減速機4Lと右減速機4
Rを介して左駆動輪2Lと右駆動輪2Rを駆動する左駆
動モータと右駆動モータ、5Lと5Rはそれぞれ駆動モ
ータ3Lと駆動モータ3Rに接続されたロータリエンコ
ーダなどからなるモータ回転検出器、9は本体1に回転
自在に取り付けた従輪である。なお、本体1は駆動モー
タ3L、3Rと、減速機4L、4Rとにより回転する駆
動輪2L、2Rにより左右独立に駆動される。また、駆
動モータ3L、3Rの軸回転数がモータ回転検出器5
L、5Rにより検出される。
【0021】12は本体1の周囲に突出して設けられた
障害物検知手段で、その表面は弾性材で構成され、壁
面、柱、床面の突起物、段差、家具、人間などの障害物
に本体1が接触したときの衝撃を和らげるとともに、そ
の接触を検出する。14は電動送風器、15は収塵室、
16および17はその内部に設けたフィルタ、18は本
体1の底部に設けた床ノズル、19は床ノズル18を収
塵室15に連結している接続パイプである。21は駆動
モータ3Lと3Rとを制御し、本体1の動作を制御する
制御手段、22は本体1から周囲の障害物までの距離を
計測する測距手段で、本体1の周辺に設けた超音波セン
サから構成されている。23は本体1の方向を計測する
方向計測手段で、本実施例ではレートジャイロおよびこ
の出力を積分する積分器などから構成されている。24
は本体1の走行中に絨毯目の方向と強さを検出する絨毯
目検出手段で、たとえば、図27に示したものである。
31は装置全体に電力を供給している蓄電池、45は人
が本体1の移動を操作するときの取っ手となるハンドル
である。
【0022】図3は上記制御手段21の構成を示すブロ
ック図である。なお、図1および図2と同じ構成要素に
は同一番号を付与している。図において、モータ回転検
出器5Lおよび5R、障害物検知手段12、測距手段2
2、方向計測手段23、絨毯目検出手段24の出力が制
御手段21に入力される。制御手段21は、これらの出
力を判断して駆動モータ3Lおよび3Rに制御信号を出
力し、本体1の移動方向と走行距離とを制御する。ま
た、制御手段21は、清掃走行時には清掃手段である電
動送風機14と床ノズル18に設けた回転式ブラシとを
駆動する。
【0023】以下、本実施例における制御手段について
説明する。本実施例における制御手段が従来と異なる点
は、収束検出手段52を備え、絨毯目検出手段24の検
出角度出力が所定範囲に収束したことを判断し、その後
の出力のみを絨毯目による走行ずれの有効出力として活
用することにある。なお、制御手段21における収束検
出手段52以外の構成要素については他の実施例で説明
する。
【0024】図4は自律走行で清掃を行うときの走行軌
跡の一例を示すパターン図である。まず、本体1はスタ
ート位置Sから前進を開始し、所定の設定距離Lだけ進
んだところで停止し、つぎに、方向を少し右に変えて今
度は後進を始める。距離Lだけ進んだところで停止し、
方向を変えて再び前進を始める。以降、この動作を繰り
返して清掃作業を進め、所定の往復数に達すると自律走
行清掃を終了する。このとき、前進と後進の一往復走行
であらかじめ決められた清掃幅Wだけ清掃方向に進むよ
う走行する。
【0025】つぎに、収束検出手段52の動作について
説明する。図5は絨毯目検出手段24における回転検出
器47の出力の一例を示す波形図である。図において、
横軸は経過時間tを与え、縦軸は回転検出器47の出力
を与える。図4に示したように、本体1の動作は直進と
方向転換の繰り返しであり、本体1が方向転換すると
き、絨毯目検出手段24のローラ43も方向を変える。
図5は直進から方向転換し、また直進するときの絨毯目
検出手段の出力波形の一部を示す。図において、実線で
示した特性は、時点t0までは本体1が直進していると
きに絨毯目検出手段24がほぼ一定にずれ角度を検出し
ている状態を示し、時点t0から時点t1までは、本体1
が方向転換しているために絨毯目検出手段24の検出角
度もP0からP1へ変化しており、時点t1から時点t2
までは本体1の方向転換は終了しているが絨毯目検出手
段24の検出角度は幾分落ち着かずにP1の前後に変化
している状態、すなわち、本体1の走行方向が多少変動
している状態を示し、時点t2以降は検出角度がほぼ一
定に検出されている状態を示す。絨毯目検出手段24の
出力の変化は走行時の方向変化を与えるのであるが、時
点t0からt1までの出力P0からP1への変化は、本体
1の方向転換動作に伴う角度出力であって、絨毯目によ
る走行方向ずれを意味するものではない。走行ずれを意
味する有効な出力は時点t1以降の出力である。したが
って、適切な走行修正を行うためには、絨毯目検出手段
24の出力値がほぼ一定な値に収束した後の検出角度を
用いる必要がある。検出角度がほぼ一定の値(図におい
てはP1)に収束したことを判断する手段が収束検出手
段52である。
【0026】収束検出の判定方法の一例として、図5に
示した時点t1に着目すると、この時点以前ではずれ角
が一様に減少するように変化してきたが、時点t1から
しばらくは不安定に増減するように変化し、したがっ
て、ずれ角の一様な減少から増加に反転する時点が時点
t1の近傍にあり、この時点でずれ角がほぼ収束したと
判断してよいと考えてよい。
【0027】制御手段21は、この収束時点以降の出力
のみを有効出力として用い、それ以前の出力を破棄して
用いないことにより、方向転換時の絨毯目以外の要因に
よる誤制御を防止する。
【0028】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、絨毯目検出手段24が検出する角度情
報が直進運動を示す値に収束したことを検出する収束検
出手段52を備え、絨毯目検出手段24が検出する角度
情報のうち、本体1が方向転換を完了したと見なせるま
での角度情報を除外して、直進運動時の角度情報のみを
制御手段21に与えるようにしたことにより、方向転換
時の誤制御を防止して、適切な走行制御ができる。
【0029】なお、本実施例では方向転換後の収束検出
を例に説明したが、本体1が障害物を回避するために蛇
行し、絨毯目検出手段が絨毯目以外による大きいずれ角
を出力した場合についても収束検出は有効な手段である
ことは言うまでもない。
【0030】また、本実施例では収束検出手段52とし
て、絨毯目検出手段24の出力処理として説明したが、
他の構成として、絨毯目検出手段24のローラ43が方
向転換時に通過する位置、または方向転換後収束する位
置に、ローラ43の有無を判別する光方式または超音波
方式などのセンサを設けるものでもよい。
【0031】(実施例2)以下、請求項2に係わる本発
明の移動作業用のロボットの一実施例について図面を参
照しながら説明する。なお、本実施例の構成は図1およ
び図2に示した構成と同じとし、また、絨毯目検出手段
の構成も図27に示した構成と同じとして、詳細な説明
を省略する。また、走行のパターンも図4に示したパタ
ーンとする。
【0032】本実施例は実施例1で説明した収束検出手
段の他の実現手段の一例を示す。本実施例における収束
検出手段52は、その内部に微分手段53を備え(微分
手段53は収束検出手段52専用でなく、独立した手段
としてもよい)、絨毯目検出手段24の角度出力の時間
微分値、すなわち単位時間当りの角度変化値を演算す
る。
【0033】上記構成においてその動作を説明する。本
体1が図4に示したパターンで自律走行して清掃作業を
行うとき、絨毯目検出手段24のローラ43は、本体1
が前進するときには支持軸41に対して後方にあり、ま
た、本体1が後進するときには支持軸41に対して前方
にある。したがって、本体1が前進から後進、または後
進から前進と方向転換すると、ローラ43の方向は本体
1に対して角度をほぼ180度(実際には絨毯目による
角度ずれの検出分のため数度異なる)変わることにな
る。
【0034】つぎに、本実施例における収束検出手段5
2と、微分手段53の動作について図面を参照しながら
説明する。図6は、収束検出手段52の動作を示すフロ
ーチャートである。また、図7は本体1が方向転換を開
始した時点から絨毯目検出手段24が出力するずれ角α
を示し、図8は微分手段53がずれ角αを時間微分した
値(=単位時間当りの角度変化値)dα/dtを示す波形
図である。なお、図7において、ずれ角αがゼロ(α=
0)である方向は絨毯目検出手段24のローラ43が本
体1の前後方向に対応するとする。
【0035】本体1がスタート位置Sを出発したのち、
収束検出を開始すると、図6において、ステップ1にお
いて方向転換ありか否かをチェックする。このチェック
は、たとえば、ずれ角αで直進したのち壁面W1を検知
したときには、その反転信号により方向転換ありとし、
障害物回避や蛇行などのあとの直進走行では方向転換な
しとできる。方向転換ありの場合はステップ2に移行し
て、直ちにαに180度を加算し、α0=(α+18
0)としてステップ3に移行する。ただし、絨毯目検出
手段24がずれ角を1回転360度とする角度値として
検出し、方向反転を180度の加算とする。この処理
は、方向転換後のローラ43のずれ角が収束する値を0
度付近の値として処理したいための前準備であり、収束
検出にとって必要不可欠な処理ではないが、以降、この
処理を行った前提で説明する。なお、絨毯目検出手段2
4がずれ角を1回転360度としない他の基準、たとえ
ば1回転100%とするような検出手段であってもよ
い。また、ステップ1で方向転換なしの場合にはステッ
プ3に移行する。ステップ3では第1段階の判断に移
る。すなわち、ローラ43がほぼ直進走行方向に向かっ
たか否かを判断するものであり、とくに方向転換後のよ
うにずれ角変化が大きい場合の収束検出において重要な
判断になる。α0が図7に示した所定の値αbより小さく
なるまでステップ3−ステップ2−ステップ3のループ
で監視し続ける。なぜなら、本体1が方向転換したのち
直進走行してもローラ43はただちにα=0の方向に向
くのでなく、図7に示したように、最初しばらくは緩や
かに、そののち急激に方向を変え、α=0近傍へと変化
する。したがって、α0<αbとなる時点t1でローラ4
3がほぼ方向転換に移行したとする第1段階の判断は有
意義である。
【0036】ステップ3でα0<αbとなって第1段階の
判断を終了すると、ステップ4に移行し、つぎの第2段
階の判断の回数nをn=0とし、ステップ5に移行して
第2段階の判断を開始する。この第2段階の判断は、ロ
ーラ43が方向転換動作に入ったのち本体1の走行方向
に収束したか否かを判断するものであり、微分手段53
によりαを時間微分した値(dα/dt)が、図8に示し
たように、所定の値Xの範囲内に連続して検出されるか
否かにより判断する。ステップ5−ステップ4−ステッ
プ5のループにより(dα/dt)の値が所定の範囲、す
なわち(±X)以内になるまで監視を繰り返し、(dα
/dt)の値が所定の範囲(±X)以内になると、ステ
ップ6−ステップ7−ステップ5のループにより、(d
α/dt)の値が所定の範囲(±X)以内であるとして
検出されるがN回以上連続するか否かをチェックし、N
回目を検出するとローラ43の方向が収束完了したとし
てステップ8で収束検出処理を終了する。(dα/dt)
の値の変化はαの値の変化よりも大きいので、αの変化
が小さくなって安定するまでを(dα/dt)により監視
して収束を検出するこの第2段階の判断は有効である。
【0037】制御手段21は、これ以降の角度出力、図
7においては時点t2以降の出力を、絨毯目による走行
ずれの有効出力として活用する。ちなみに、上述の各閾
値を参考までに挙げておくと、αb=80゜、X=1゜
/48ms、N=3であるが、本体1の構成、走行速
度、重量、絨毯目検出手段24の構成などによって最適
値は異なるので、上記数値に限定されるものではない。
【0038】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、収束検出手段を備え、ずれ角の大きさ
が所定値以内になり、さらにずれ角の時間変化率が所定
値以下になったことによりローラの方向が収束したこと
を検出するようにしたことにより、信頼性の高い収束検
出でき、また、収束後のずれ角のみを用いて本体1の前
進、後進の走行制御を行うことにより方向転換や障害物
回避などによる不要なずれ角情報を排除して所望の方向
に直進走行させることができるようになる。
【0039】なお、本実施例ではずれ角の角度値の大き
さで判定する第1段階と、ずれ角の時間変化率の大きさ
で判定する第2段階との2つの判定を用いたが、方向転
換しない場合にはずれ角の変化が比較的小さいので、第
2段階の判断のみとする処理も考えられる。
【0040】(実施例3)以下、請求項3に係わる本発
明の移動作業用のロボットの一実施例について自走式掃
除機を例に図面を参照しながら説明する。なお、本実施
例の構成は図1および図2に示した構成と同じとし、絨
毯目検出手段の構成も図27に示した構成と同じとして
詳細な説明を省略する。本実施例は絨毯目検出手段の基
準方向の設定手段に係わる。
【0041】本実施例における制御手段について図3を
参照しながら説明する。なお、その構成は基本的には前
記実施例1と共通なので、追加部分についてのみ説明す
る。制御手段21はスピンターン手段54とローラ位置
検出手段55とを備え、スピンターン手段54は走行作
業開始時に本体1を数十度その場でスピンターンさせ、
ローラ位置検出手段55はスピンターン動作前後の絨毯
目検出手段24の出力を取り込み、その変化から絨毯目
検出手段24のローラ43の本体1に対する相対位置を
検出する。
【0042】上記構成においてその動作を説明する。な
お、自律走行で清掃を行うときの走行パターンは図4に
示したパターンと同じとする。ただし、本体1はスター
ト位置Sから前進を開始する前にスピンターンを行う。
【0043】図9はスピンターン手段54の動作と、ロ
ーラ位置検出手段55が絨毯目検出手段24のローラ4
3の位置を検出する動作とを示す平面図である。図にお
いて、左駆動輪2Lと右駆動輪2Rを互いに逆方向に同
速度で回転させることにより、本体1が点Oを中心に矢
印YOで示すようにその場で方向を変えるターンであ
る。ターン角度は本実施例の場合数十度で十分である。
つぎに、ローラ位置検出手段55が絨毯目検出手段24
のローラ43の位置を検出する動作について説明する。
ただし、ローラ43が本体1に対してどの方向にあって
も、その接地点が駆動軸Dを横切らない構成であること
がこの原理の前提である。まず、スピンターン前にロー
ラ43が支持軸41に対して駆動軸Dの反対側(ローラ
43を実線で示す)にあって、絨毯目検出手段24が出
力するローラの角度がθ1(仮基準に対して)であった
とする。つぎにスピンターン後は支持軸41の位置が矢
印YJで示すように移動するので、出力角度はθ2に変
化する。ここで特徴的なことは、角度出力を時計周りを
正方向とするとき、最初のθ1の値に係わらずスピンタ
ーン前後の角度差(θ2−θ1)は常に負となることであ
る。
【0044】一方、ローラ43が支持軸41に対して駆
動軸Dと同じ側(ローラ43を破線で示す)にあると
き、スピンターン前の絨毯目検出手段24の出力角度が
θ1’であったとするとき。つぎにスピンターン後は支
持軸41の位置が移動して出力角度はθ2’に変化す
る。前記同様に時計回りの角度出力を正方向とすると、
最初のθ1’の値にかかわらず、スピンターン前後の角
度差(θ2’−θ1’)が、この場合は常に正になる。し
たがって、スピンターン前後の角度差の正負符号によ
り、ローラ43が支持軸41に対して駆動軸側にあるの
か反対側にあるのかを検出することができる。なお、ス
ピンターンの精度(駆動輪2のスリップ、絨毯目による
本体1の位置ずれなどにより影響を受ける)を考慮する
と、絨毯目検出手段の支持軸41と駆動軸D間の距離は
大きい方がよい。
【0045】上記スピンターン動作をスタート位置Sで
実行したのち、最初の前進動作を開始し、実施例2で説
明した収束検出手段によりローラ43の角度の収束を検
出する。このとき、ローラ43が駆動軸側にあるときは
直進開始後にローラ43が駆動軸の反対側へ移動する動
作があるので、方向転換時と同じ動作となり、方向転換
として収束を検出し、また、反対側にあるときはローラ
43がすでに方向転換動作に入った状況と同等なので方
向転換なしとして収束検出する。収束が完了した時点で
角度ゼロとし、絨毯目検出手段24の基準方向として用
いることができる。すなわち、このゼロ点は本体1の前
後方向とは厳密には一致せず最大3〜4度程度ずれたも
のではあるが、人が設定する最初の本体1の打ち出し方
向が3〜4度ずれるのと同じ意味であり、影響は無視で
きるので、絨毯目検出の基準としてよい。このゼロ点を
設定する手段は、絨毯目検出手段に安価な回転検出器を
用いた場合に有効である。回転検出器に高価なアブソリ
ュートエンコーダなどを用いた場合には、そのゼロ点は
本体1に対してあらかじめ固定して設定できるが、安価
な回転検出器では本体に対するゼロ点が不定であり、動
作に先だって設定する必要がある。上記の手段をこのゼ
ロ点設定に用いることにより、回転検出器を安価なもの
で済ますことができる。
【0046】以上のように、本実施例によれば、スピン
ターン手段によりスタート位置でスピンターンさせ、ロ
ーラ位置検出手段によりスピンターン前後のずれ角から
ローラの位置が駆動軸側にあるか反対側にあるかを判別
して、その後に直進走行させて収束検出手段により収束
検出するときに方向転換があるか否かを選択決定するの
に適用することにより、本体の最初の前進方向へのロー
ラの収束完了を確実に検出できる。また、収束時点にお
けるずれ角度位置を絨毯目検出手段の基準方向として設
定することにより、絨毯目検出手段24の回転検出器を
高価なアブソリュートエンコーダを用いずに構成して
も、その正確な基準方向を設定することができる。
【0047】なお、絨毯目検出手段のスピンターン前後
の角度差を正負だけでなく厳密な数値で検出すると、原
理的には、ローラの位置を、駆動軸側か反対側かという
範囲の判別にとどまらず、正確な位置として求められる
ことは言うまでもない。
【0048】(実施例4)以下、請求項4に関わる本発
明の移動作業用のロボットの一実施例について図面を参
照しながら説明する。なお、本実施例の構成は図1およ
び図2に示した構成と同じとし、また、絨毯目検出手段
の構成も図27に示した構成と同じとして詳細な説明を
省略する。
【0049】本実施例は、絨毯目検出手段の基準方向の
他の設定手段に係わる。図3は本実施例における制御手
段の構成を示すブロック図である。なお、基本的には前
記実施例1ないし実施例3の説明と共通なので、追加部
分についてのみ説明する。本実施例において、制御手段
21は蛇行手段56を備え、走行作業開始時に本体1を
蛇行前進させる。
【0050】上記構成においてその動作を説明する。自
律走行で清掃を行うときの走行パターンは図4と同じと
する。ただし、本体1はスタート位置Sからの最初の前
進の途中まで蛇行する。図10は本実施例における蛇行
動作を示す平面図である。図に示したように、本体1は
方向を強制的に振りながら前進する。この場合の振る回
数、角度、前進する距離は任意であるが、少なく、小さ
く、短いのがよい。絨毯目検出手段24のローラ43
は、収束位置とは反対側にあっても、本体1の蛇行動作
により駆動軸の後方位置に回動する。蛇行動作が終了す
ると本体1は図4で説明した通常の直進による前進動作
に移り、同時に、実施例2および図6で説明した収束検
出を方向転換なしとして行う。そして、ローラ43の収
束が完了した時点で角度ゼロとする。このゼロ点を絨毯
目検出手段24の基準方向とする。したがって、絨毯目
検出手段24の回転検出器47を、角度の絶対値を検出
する高価なアブソリュートエンコーダを用いずに構成
し、最初の走行の途中まで蛇行させることにより正確な
基準方向を設定することができる。さらに、スタート位
置Sで停止した状態でスピンターンする手段よりも迅速
に設定できるので、絨毯目による走行ずれを示す有効な
出力を多くサンプルできる。
【0051】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、蛇行手段によりスタート位置から所定
の走行だけ蛇行させ、そののち直進させるとともに収束
手段によりずれ角の収束検出を行い、収束した位置にお
けるローラの方向を絨毯目検出手段の回転検出器のゼロ
点として設定することにより、絨毯目検出手段の回転検
出器を高価なアブソリュートエンコーダを用いずに構成
しても、その正確な基準方向を素早く設定することがで
きる。
【0052】(実施例5)以下、請求項5に係わる本発
明の一実施例について図面を参照しながら説明する。な
お、本実施例の自走式掃除機の構成は図1および図2に
示した構成と同じとし、また、絨毯目検出手段の構成は
図27に示した構成と同じとして詳細な説明を省略す
る。本実施例は本体1が直進走行中において、絨毯目検
出手段が出力する絨毯目情報のうち、有効な情報のみを
採択する手段に係わる。
【0053】図11は本実施例における制御手段21と
その周辺の構成を示すブロック図である。なお、実施例
2と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を
省略する。図11において、制御手段21が方位センサ
などによる方向計測手段23、障害物検知手段12およ
び絨毯目検出手段24からそれぞれ情報を入力して、駆
動輪などの操舵手段2と駆動モータなどの駆動手段3と
床ノズルなどの清掃手段18を制御する基本構成は実施
例2と同様である。
【0054】本実施例の制御手段21は、絨毯目検出手
段24の出力を、その変化状態に応じて選別処理する選
別処理部61と、障害物検知手段12、方向計測手段2
3および前記選別処理部61の各出力を入力して処理す
る判断処理部62と、判断処理部62の結果により操舵
手段2と駆動手段3とを制御する走行制御手段63とを
備えている。なお、判断処理部62は清掃手段18の動
作も制御する。
【0055】上記構成においてその動作を説明する。図
26に示したように、絨毯上を本体1が矢印aの方向に
直進しようとするとき、障害物検知手段12が障害物を
検知しない限り直進はするが、方向計測手段23で検知
できないずれ角θをもって直進する。なお、ずれ角の変
動分を△θとする。絨毯目検出手段24により検出され
た絨毯目情報であるずれ角(θ+Δθ)は選別処理部6
1に出力され、選別処理部61はサンプリング周期Tで
ずれ角(θ+Δθ)を入力する。図12はずれ角(θ+
△θ)の一例を示す特性図である。選別処理部61はず
れ角入力の変化状態に応じて選別するのであるが、本実
施例においては、選別処理部61はずれ角(θ+Δθ)
に対して、あらかじめ設定した上限値と下限値を絶対値
として備え、サンプリング周期Tごとに入力されるずれ
角(θ+Δθ)を上限値および下限値と比較して、上限
値と下限値の範囲内に入っている値(図12に白抜きで
示した点)のみ判断処理部62に出力する。判断処理部
62はこれらの値により、ずれ角θを平均値などで算出
し、図26に示した矢印cの方向に直進の目標方向を補
正して走行制御手段63を制御することにより、所望の
直進方向aを得ることができる。
【0056】したがって、絨毯目検出手段24が段差な
どの異物を乗り越えたり、障害物検知手段12が障害物
を検知して回避動作に移行したことにより、絨毯目検出
手段24のずれ角(θ+Δθ)が実際の絨毯目と関係の
ない値になっても、上限値と下限値とにより異常な値を
補正の対象となるデータから除去し、絨毯目検出手段2
4の外乱入力の補正への影響を緩和し、また絨毯目検出
手段24の入力値による誤動作を防止することができ
る。
【0057】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、選別処理部を備え、直進走行時のずれ
角情報を大きさにより選別し、所定範囲内のずれ角情報
のみを用いて走行を制御することにより、絨毯の汚れな
どによる絨毯目以外の不都合なずれ角情報を排除して、
誤制御を防止することができる。
【0058】(実施例6)以下、請求項6に係わる本発
明の一実施例について図面を参照しながら説明する。な
お、本実施例の自走式掃除機の構成は図1および図2と
同じとし、また、絨毯目検出手段の構成も図27の構成
と同じとして、詳細な説明を省略する。
【0059】図13は本実施例における制御手段21の
構成を示すブロック図である。なお、実施例5と同じ構
成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。
本実施例が実施例5と異なる点は、選別処理部61の構
成にある。図において、選別処理部61は、絨毯目検出
手段24からの絨毯目情報をサンプリングする回数を計
数する計数部64と、計数部64からの信号によりずれ
角の平均値を算出する平均算出部65と、平均算出部6
5から出力される平均値を基にずれ角を選別する除去部
66を備えている。
【0060】上記構成においてその動作を説明する。本
体1が直進しているとき、絨毯目検出手段24により検
出されたずれ角(θ+Δθ)は選別処理部61に出力さ
れ、選別処理部61はサンプリング周期Tでずれ角(θ
+Δθ)を入力している。計数部64はサンプリング周
期Tごとにカウントアップして入力されるずれ角(θ+
Δθ)の数を計数し、所定のカウント数になると平均算
出部65に信号を出力して、再び0から計数を開始す
る。平均算出部65はサンプリング周期Tごとのずれ角
(θ+Δθ)の入力値を積算し、計数部64から信号を
入力すると、それまでの積算値から平均値を算出して除
去部66に出力するとともに、再び0から積算を開始す
る。
【0061】図14はずれ角の入力状況と選別処理部6
1の処理を示す特性図である。図に示したように、除去
部66は平均算出部65から入力した平均値を中心値と
してあかじめ設定した幅Rの範囲を与える上限値と下
限値とを設定し、サンプリング周期Tごとに入力される
ずれ角(θ+Δθ)を前記上限値および下限値と比較し
て、上限値と下限値の範囲内に入っている値(図14に
白抜きで示した点)のみを判断処理部62に出力する。
判断処理部62ではこれらの値により、ずれ角θを算出
し、図26に示した矢印cの方向に直進の目標方向を補
正して走行制御手段63を制御することにより、所望の
直進方向aを得ることができる。また、この上限値、下
限値の絶対値は、計数部64による平均算出部65の平
均値の更新によって更新される。
【0062】したがって、絨毯目検出手段24が段差な
どの異物を乗り越えたり、障害物検知手段12が障害物
を検知して回避動作を行ったことにより、絨毯目検出手
段24のずれ角(θ+Δθ)が実際の絨毯目と関係のな
い値になっても、絨毯目情報として異常な値を補正の基
となるデータから除去し、絨毯目検出手段24の外乱入
力の補正への影響を緩和し、実際の絨毯の状態に対応し
た絨毯目によるずれの走行軌跡の補正を行うことができ
る。
【0063】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、選別処理部がずれ角の平均値を中心と
する所定範囲でずれ角を選別するようにしたことによ
り、絨毯目の平均的な状態を反映したずれ角のみを選別
して用いることができ、より現実的な直進走行制御が可
能となる。
【0064】(実施例7)以下、請求項7に係わる本発
明の一実施例について図面を参照しながら説明する。な
お、本実施例の構成は図1および図2に示した構成と同
じとし、また、絨毯目検出手段の構成は図27に示した
構成と同じとして詳細な説明を省略する。図15は本実
施例における制御手段の構成を示すブロック図である。
なお、実施例5および実施例6と同じ構成要素には同一
番号を付与して詳細な説明を省略する。
【0065】本実施例は選別処理部の他の構成に係わ
る。図において、選別処理部61は、絨毯目検出手段2
4からの絨毯目情報を絨毯目情報の変化率に換算する微
分演算部67と、微分演算部67から入力される変化率
が正常範囲内にあるか否かを判定する変化率判定部68
と、変化率判定部68から出力される信号により、ずれ
角を選別する除去部66とを備える。
【0066】上記構成においてその動作を説明する。本
体1が直進しているとき、絨毯目検出手段24により検
出されたずれ角(θ+Δθ)は選別処理部61に出力さ
れ、選別処理部61はサンプリング周期Tでずれ角(θ
+Δθ)を入力する。図16はずれ角の入力状況と選別
処理部61の処理を示す特性図である。図に示したよう
に、微分演算部67はサンプリング周期Tごとに、前回
入力のずれ角(θ+Δθ1)と今回入力のずれ角(θ+
Δθ2)とから、ずれ角の変化率(Δθ2−Δθ1)/Δ
tを算出し、変化率判定部68に出力する。変化率判定
部68は微分演算部67から入力する変化率(Δθ2−
Δθ1)/Δtの絶対値を、あらかじめ設定した変化率
の基準値Δω(絶対値)と比較し、変化率が基準値Δω
(絶対値)より小さければ除去部66に今回入力のずれ
角(θ+Δθ2)の出力許可信号を出力する。除去部6
6は、サンプリング周期Tごとにずれ角を入力しおり、
変化率判定部68から許可信号が入力されたときのみ
(図16に白抜きで示した点)を判断処理部62に出力
する。判断処理部62はこれらの値により、ずれ角θを
算出し、図26に示した矢印cの方向に直進の目標方向
を補正して走行制御手段63を制御することにより、所
望の直進方向aを得ることができる。
【0067】したがって、絨毯目検出手段24が段差な
どの異物を乗り越えたり、障害物検知手段12が障害物
を検知して回避動作を行ったことにより、絨毯目検出手
段24のずれ角(θ+Δθ)が実際の絨毯目と関係のな
い値になっても、異常値入力時の過渡状態も含めたずれ
角を選別でき、絨毯目検出手段24の外乱入力の補正へ
の影響をなくし、純粋に実際の絨毯の状態に対応した、
絨毯目によるずれの走行軌跡の補正を行うことができ
る。
【0068】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、選別処理部がずれ角の時間変化率の大
きさによりずれ角を選別するようにしたことにより、絨
毯目の部分的な異常によるずれ角変動を排除して、直進
走行を制御することができる。
【0069】(実施例8)以下、請求項8に係わる本発
明の一実施例について図面を参照しながら説明する。な
お、本実施例の構成は図1および図2に示した構成と同
じとし、また、絨毯目検出手段の構成は図27に示した
構成と同じとして詳細な説明を省略する。図17は本実
施例における制御手段の構成を示すブロック図である。
なお、実施例5ないし実施例7と同じ構成要素には同一
番号を付与して詳細な説明を省略する。
【0070】本実施例は選別処理部の他の構成に係わ
る。図において、選別処理部61は、絨毯目検出手段2
4からの絨毯目情報をサンプリングする回数を計数する
計数部64と、絨毯目検出手段24からのずれ角の変化
率を演算する微分演算部67と、微分演算部67から入
力される変化率が正常範囲内にあるか否かを判定する変
化率判定部68と、変化率判定部68から出力される信
号により、ずれ角を選別する除去部66とを備える。
【0071】上記構成によるおいてその動作を説明す
る。本体1が直進しているとき、絨毯目検出手段24に
より検出されたずれ角(θ+Δθ)は選別処理部61に
出力され、選別処理部61はサンプリング周期Tでずれ
角(θ+Δθ)を入力するが、絨毯目検出手段24の感
度、応答性は自走式掃除機の走行速度に影響され、絨毯
目検出を過度に行い、必要十分以上の個数のずれ角情報
を検出してしまうこともある。図18は、ずれ角の入力
状況と選別処理部61の処理を示す特性図である。計数
部64はサンプリング周期Tごとにカウントアップし
て、入力されるずれ角(θ+Δθ)の数を計数してお
り、所定のカウント値Xになると微分演算部67にずれ
角の入力許可信号を出力し、再び0から計数を開始す
る。微分演算部67は入力許可信号を入力するごとに前
回入力のずれ角(θ+Δθ3)と今回入力のずれ角(θ
+Δθ4)とから、ずれ角の変化率(Δθ4−Δθ3)/
Δtを算出して変化率判定部68に出力する。
【0072】変化率判定部68は微分演算部67から入
力される変化率(Δθ4−Δθ3)/Δtの絶対値を、あ
らかじめ設定した変化率の基準値Δω(絶対値)と比較
し、変化率が基準値Δω(絶対値)より小さければ除去
部66に今回入力のずれ角(θ+Δθ4)の出力許可信
号を出力する。除去部66は、サンプリング周期Tごと
にずれ角を入力しおり、変化率判定部68から許可信号
が入力されたときのみ(図18に示した白抜きの点)を
判断処理部62に出力する。また、前記所定カウント値
Xは可変とし、走行速度にあわせて設定することによ
り、絨毯目検出手段24に対して最適な、見かけ上のサ
ンプリング周期を設定できる。なお、図18ではX=3
に設定している。判断処理部62ではこれらの値によ
り、ずれ角θを算出し、図26に示した矢印cの方向に
直進の目標方向を補正して走行制御手段63を制御する
ことにより、所望の直進方向aを得ることができる。
【0073】したがって、絨毯目検出手段24が段差な
どの異物を乗り越えたり、障害物検知手段12が障害物
を検知して回避動作を行ったことにより、絨毯目検出手
段24の入力値(θ+Δθ)が実際の絨毯目と関係のな
い値になっても、異常値入力時の過渡状態も含めた絨毯
目情報の選別ができ、また、絨毯目検出手段24の感
度、応答性による影響も見かけ上のサンプリング周期を
変えることで緩和でき、絨毯目検出手段24の外乱入力
の補正への影響をなくし、純粋に実際の絨毯目による走
行軌跡の補正を行うことができる。
【0074】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、選別処理部が、時間変化率を比較する
ずれ角情報を連続しないもので演算し、その時間変化率
が所定範囲内のずれ角情報を選別するようにしたことに
より、絨毯目異常の分布状態を反映しながら、かつ絨毯
目の局部的な異常によるずれ角情報を排除して直進走行
を制御することができる。
【0075】(実施例9)以下、請求項9に係わる本発
明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施例の構成は図1および図2に示した構成と
同じとし、また、絨毯目検出手段の構成は図27に示し
た構成と同じとして詳細な説明を省略する。本実施例は
選別処理部の他の構成に係わる。図19は本実施例の構
成を示すブロック図である。なお、実施例5ないし実施
例8と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明
を省略する。
【0076】本実施例において、選別処理部61は、絨
毯目検出手段24からのずれ角をサンプリングするごと
に記憶する記憶部69と、ずれ角の変化率を演算する微
分演算部67と、微分演算部67から入力される変化率
が正常範囲内にあるか否かを判定する変化率判定部68
と、変化率判定部68から出力される信号によりずれ角
を選別する除去部66とを備えている。
【0077】上記構成においてその動作を説明する。絨
毯目検出手段24により検出されたずれ角(θ+Δθ)
は選別処理部61に出力され、選別処理部61はサンプ
リング周期Tごとにずれ角(θ+Δθ)を入力する。こ
のとき、絨毯目検出手段24の感度および応答性は自走
式掃除機の走行速度に影響され、絨毯目の検出を過度に
行ってしまうこともある。図20はずれ角の入力状況と
選別処理部61の処理を示し特性図である。記憶部69
は最新のずれ角から数えた入力順位とそのとき入力され
たずれ角とを対応させたテーブルを備え、サンプリング
周期Tごとに絨毯目検出手段24から入力されるずれ角
を順番に記憶して、テーブルを更新する。記憶部69は
最新のずれ角(θ+Δθ6)が入力されると最新のずれ
角(θ+Δθ6)からY個前のずれ角(θ+Δθ5)を微
分演算部67に出力する。微分演算部67は、ずれ角
(θ+Δθ5)と最新のずれ角(θ+Δθ6)とから、ず
れ角の変化率(Δθ6−Δθ5)/Δtを算出して変化率
判定部68に出力する。
【0078】変化率判定部68は微分演算部67から入
力される変化率(Δθ6−Δθ5)/Δtの絶対値を所定
の変化率の基準値Δω(絶対値)と比較し、変化率が基
準値Δω(絶対値)より小さければ除去部66に最新の
ずれ角(θ+Δθ6)の出力許可信号を出力する。除去
部66は、サンプリング周期Tごとにずれ角を入力して
おり、変化率判定部68から許可信号が入力されたとき
のみ(図20に示した白抜きの点)を判断処理部62に
ずれ角を出力する。なお、前記所定値Yは可変とし、走
行速度に合わせて設定することにより、絨毯目検出手段
24に対して最適な処理時間を設定できる。判断処理部
62ではこれらの値によりずれ角θを算出し、図26に
示した矢印cの方向に直進の目標方向を補正して走行制
御手段63を制御することにより、所望の直進方向aを
実現できる。
【0079】したがって、絨毯目検出手段24が段差な
どの異物を乗り越えたり、障害物検知手段12が障害物
を検知して回避動作を行ったことにより、絨毯目検出手
段24のずれ角(θ+Δθ)が実際の絨毯目と関係のな
い値になっても、異常値入力時の過渡状態も含めたずれ
角を選別でき、また、絨毯目検出手段24の感度、応答
性による影響もサンプリング周期ごとにきめ細かく選別
でき、絨毯目検出手段24の外乱入力の補正への影響を
なくし、純粋に実際の絨毯目による走行軌跡の補正を高
精度にて行うことができる。
【0080】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、選別処理部が、ずれ角情報のうち採択
する個数を所定数に選び、そのずれ角情報の時間変化率
によりずれ角を選別するようにしたことにより、絨毯目
検出手段が必要数以上に検出したずれ角情報の数を制限
しながら、かつ絨毯目の局部的な異常によるずれ角情報
を排除して直進走行を制御することができる。
【0081】(実施例10)以下、請求項10に係わる
本発明の移動作業用のロボットの一実施例について図面
を参照しながら説明する。なお、本実施例における自走
式掃除機および絨毯目検出手段の構成は図1および図2
に示した構成と同じであり、詳細な説明を省略する。本
実施例が実施例1と異なる点は、絨毯目検出手段24に
おける回転検出器47の検出角度が絶対値であること、
および制御手段21が演算手段50および修正手段51
を備え、絨毯目による走行前後方向の走行距離変化の補
正値を演算により求めるようにしたことにある。
【0082】まず、本実施例における回転検出器47
は、本体1に対する相対的な角度変化を検出するのでな
く、本体1に対する絶対角度を検出するものであり、ア
ブソリュートエンコーダまたはゼロパルスを有するイン
クリメンタルエンコーダなどで構成される。その理由
は、本実施例においては、絨毯目による走行前後方向の
走行距離変化の補正値を演算により求めるためであり、
方向の補正だけを行う場合にはずれ角度の変動に比例し
た情報を帰還し、変動が小さくなるように制御するだけ
で十分であった点と異なるのである。
【0083】また、本実施例における制御手段21は、
演算手段50と修正手段51とを備え、演算手段50は
絨毯目検出手段24の出力を入力して、絨毯目による本
体1の前後方向および左右方向の走行ずれ求める。ま
た、修正手段51は演算手段50の出力の結果により走
行ずれを修正するように本体1の方向と走行距離を修正
する。
【0084】上記構成においてその動作を具体的に説明
する。なお、自律走行で清掃を行うときの移動パターン
の一例は図4に示したパターンと同じとする。まず、前
後方向のずれについて、図21および図22を参照しな
がら説明する。図21に示したように、絨毯目の方向が
後方から前方である絨毯の上で本体1を直進運転させる
と、本体1の実際の走行距離は、左駆動輪2Lおよび右
駆動輪2Rのスリップがなくても、モータ回転検出器5
Lおよびモータ回転検出器5Rが検出するモータ回転数
から求められる距離(以下、認識距離と呼ぶ)Lより△
Lだけ長くなる。この現象は、従来の技術で説明した絨
毯目の左右方向の影響と同じ現象である。同様に、逆に
絨毯目の方向が前方から後方に向いている場合は、実際
の走行距離の方が△Lだけ短くなる。なお、実際には、
図22に示したように、絨毯目の方向は製造工程に起因
して斜め方向にある。このような絨毯が敷かれた場所
で、ある所定の矩形範囲の往復走行作業をさせようとす
ると、直進ごとに前後方向の走行距離の誤差△Lと左右
の走行ずれ△Xとが発生し、図22に示したように、実
際に清掃される領域は平行四辺形となってしまう。
【0085】以下、上記のような前後方向および左右方
向の絨毯目の影響を修正する方法について図面を参照し
ながら説明する。図23は本実施例の制御手段21にお
ける演算手段50および修正手段51の修正動作を示す
平面図である。なお、以下の説明では、図22に示した
ように本体1は絨毯目の影響を受けながら走行軌跡を描
くとする。図23において、41は支持軸、43はロー
ラであり、一点鎖線φは本体1の正面方向の基準線とす
る。本実施例における絨毯目検出手段24の回転検出器
47はローラ43の本体1に対する絶対角度を検出で
き、そのゼロ点は本体1の正面方向である一点鎖線φの
方向に設定されている。まず、本体1が前進して認識距
離がLとなったとき、実際の走行距離は、絨毯目の影響
により、(L+△L)となり、かつ右方向に△Xだけ軌
跡がずれる。このとき、走行軌跡の方向を向いて転がる
ローラ43は、本体1に対して角度θ1を生じ、この角
度を回転検出器47が検出する。つぎに、本体1が後進
して、再び認識距離がLとなったとき、実際の走行距離
は、やはり絨毯目の影響により、(L−△L)となり、
かつ右方向に△Xだけ軌跡がずれる。このときローラ4
3は、本体1に対して角度θ2を生じ、この角度を回転
検出器47が検出する。すなわち、左右方向の軌跡ずれ
は、前進と後進とで同一の△Xであるが、前後方向には
前進と後進で2△Lの差が生じ、この差は角度θ1と角
度θ2とが同じにならない現象をもたらす。
【0086】演算手段50は、絨毯目検出手段24の検
出角度θ1およびθ2の値と認識距離Lの値を用い、幾何
学的な関係と三角関数による代数計算により、前後方向
の走行ずれ成分△Lを左右方向の成分△Xから分離して
求め、修正手段51は演算手段50が演算して求めた△
Lの値に基づいて、本体の方向および認識距離の修正を
行う。具体的には、前進時は本体1の直進方向を左に角
度θ1振って認識距離を(L+△L)/L倍し、後進時
は本体1の直進方向を右に角度θ2振って認識距離を
(L−△L)/L倍する修正方法でよい。
【0087】以上のように本実施例の移動作業用のロボ
ットによれば、絨毯目検出手段21が本体方向と走行方
向とのずれを絶対的な角度値として検出するようにし、
演算手段50を備え、本体の前進と後進とで所定の認識
距離を移動したときの検出角が異なることに基づいて移
動量の誤差を演算して求め、修正手段51を備え、認識
距離を前記移動量誤差だけ修正するようにしたことによ
り、本体を所望の方向および距離に正しく移動させて作
業させることができる。
【0088】(実施例11)以下、請求項11に係わる
本発明の移動作業用のロボットの一実施例について図面
を参照しながら説明する。なお、本実施例の構成は図1
および図2に示した構成と同じとし、詳細な説明を省略
する。
【0089】つぎに、本発明における絨毯目検出手段2
4の構成について図面を参照しながら説明する。図24
は本実施例における絨毯目検出手段の構成を示す一部切
欠側面図である。本実施例における絨毯目検出手段が図
27に示した構成と異なる点は、ローラ43がその接地
面外周に複数個の突起57を備えたことにある。図24
に示したように、この突起は等間隔に設けられた錘状形
のものである。
【0090】上記構成においてその動作を説明する。本
体1が絨毯上を走行すると、絨毯目検出手段24も移動
するが、ローラ43がローラ軸46を中心にして絨毯面
F上を転がって追従する。このとき、ローラ43に設け
た多数の突起57が、レバー42とローラ43自身の軽
荷重により絨毯の毛の間に僅かに入り込み、断続的な点
接触で確実に接地面を捕らえて滑らかに転がるので、本
体1の直進中にローラ43は本体1の走行軌跡の方向に
向き、その角度が支持軸41にそのまま伝達され、回転
検出器47によって絨毯目が検出できる。すなわち、ロ
ーラ43に多数の突起57を設けることより、図27に
示した従来例における弾性体44による付勢力がない軽
い接地荷重でも、ローラ43自身は絨毯目の影響を受け
ずに絨毯目を検出でき、かつ、毛足の長い深い絨毯でも
ローラ跡が残りにくいものである。なお、実際には僅か
にローラ跡は残るが、軽荷重による浅い痕跡であるた
め、床ノズル18や従輪9の通過によってほぐされて消
える。さらに、ローラ43を接地方向に付勢するための
弾性体を備えていないので構成が簡素になる。
【0091】以上のように、本実施例の移動作業用のロ
ボットによれば、絨毯目検出手段24のローラ43の周
辺に多数の突起を設け、突起の先端が絨毯目に僅かに入
り込みながらローラが回転するようにしたことにより、
絨毯にローラの通過痕跡を残さずに絨毯目を検出でき
る。
【0092】なお、突起57の大きさ、形状、個数、間
隔、および配置については、上記作用を満たしていれ
ば、本実施例のものに限定するものではない。たとえ
ば、形状は、円筒形で先端が球面状のものや平歯車の歯
のようなのものでもよい。ただし、絨毯の毛の間に僅か
に入り込ませるためには、先端の接地面積はできるだけ
小さいほうがよく、また、ローラ43が滑らかに転がっ
て検出角度を安定させるためには、ローラ軸46の垂直
面に沿って等間隔で配置するのがよい。また、接地が不
安定になるようであれば、数百グラム程度の僅かな付勢
を施してもよい。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係わる本発明は、床面上を走行するための駆動手段
および操舵手段と、前記床面の清掃などの作業を行う作
業手段と、走行および作業を制御する制御手段とを備
え、移動しながら作業を行う自走式の移動作業用のロボ
ットにおいて、前記床面に敷かれた絨毯の絨毯目の影響
により走行軌跡の方向が前記ロボットの目指す方向とず
れる角度を検出する絨毯目検出手段を備えるとともに、
前記制御手段は、前記絨毯目検出手段の検出値が所定範
囲の値に収束したか否かを検出する収束検出手段を備
え、前記本体が方向転換などの直進走行以外の動作に続
いて直進走行するとき、前記絨毯目検出手段が出力する
ずれ角情報が直進走行に対応する所定値に収束したこと
を前記収束検出手段により検出し、収束を検出した時点
以降のずれ角情報を直進走行におけるずれ角情報として
直進走行を制御するようにしたことにより、絨毯目検出
手段出力の直進走行方向へ追従後の、真の、絨毯目によ
る走行ずれを示す出力だけを正確に検出して、走行を制
御できる。
【0094】請求項2に係わる本発明は、ずれ角の大き
さが所定値以下になったか否かを判断する第1段階の判
断と、前記所定値以下になったずれ角の時間変化率が所
定値以下である期間が所定時間継続するか否かを判断す
る第2段階の判断とを行い、前記第2段階の判断を満足
した時点でずれ角が収束したと判定する収束検出手段を
備えたことにより、直進走行方向へのずれ角の収束を信
頼性高く検出でき、直進方向への追従後の、真の、絨毯
目による走行ずれを示す出力だけを用いて走行を制御で
きる。
【0095】請求項3に係わる本発明は、ロボットの走
行に追従して床面上を転がるローラの方向とロボットの
目指す方向との角度でずれ角を検出する絨毯目検出手段
を備えるとともに、制御手段は、出発位置でロボットを
スピンターンさせるスピンターン手段と、スピンターン
前後の絨毯目検出手段の出力の変化値から走行開始前に
おけるロボットとローラとの相対位置関係を検出するロ
ーラ位置検出手段とを備え、ロボットが出発位置から直
進走行を開始したとき、ローラがロボットの方向転換時
に相当する動作をするか否かを前記ローラの位置関係に
より判断するとともに、収束検出手段により収束を確認
したずれ角を絨毯目検出手段の基準出力として設定する
ようにしたことにより、絨毯目検出手段の基準出力を容
易に設定することができる。
【0096】請求項4に係わる本発明は、ロボットの走
行に追従して床面上を転がるローラの方向とロボットの
目指す方向との角度でずれ角を検出する絨毯目検出手段
を備えるとともに、制御手段は、ロボットを出発位置か
ら所定走行だけ蛇行させる蛇行手段を備え、蛇行に続い
て直進走行させ、収束検出手段により収束を確認したず
れ角を絨毯目検出手段の基準出力として設定するように
したことにより、絨毯目検出手段の基準出力を容易に、
かつ迅速に設定することができる。
【0097】請求項5に係わる本発明は、床面上を走行
するための駆動手段および操舵手段と、前記床面の清掃
などの作業を行う作業手段と、走行および作業を制御す
る制御手段とを備え、移動しながら作業を行う自走式の
移動作業用のロボットにおいて、前記床面に敷かれた絨
毯の絨毯目の影響により走行軌跡の方向が前記ロボット
の目指す方向とずれる角度を検出する絨毯目検出手段を
備えるとともに、前記制御手段は、前記絨毯目検出手段
のずれ角出力をその変化状況に応じて選別する選別処理
部を備え、前記選別処理部により選別して取り入れたず
れ角情報のみを直進走行時のずれ角情報として直進走行
を制御するようにしたことにより、直進走行中のずれ角
情報のうち、その変化状態に対応して、所定範囲や、平
均値を中心とする所定範囲、所定時間変化率、所定間隔
離れた所定時間変化率、所定個数に制限したずれ角の所
定時間変化率などにより、選別して用いることができ、
絨毯目とは関係のない不正規な値が入力されても、誤動
作を防止することができる。
【0098】請求項10に係わる本発明は、駆動手段の
情報に基づいて走行距離を計測する測距手段と、ロボッ
トの目指す方向と走行方向とのずれ角を角度値として検
出する絨毯目検出手段とを備え、制御手段は、前記ずれ
角と前記測距手段が計測した見かけ上の往復走行距離と
から前後方向および左右方向の走行距離のずれを求める
演算手段と、前記走行距離のずれに基づいて実際の走行
距離を修正する修正手段とを備え、走行距離を修正しな
がら作業を行うようにしたことにより、絨毯目による走
行距離誤差を修正することができる。
【0099】請求項11に係わる本発明は、ロボットの
走行に追従して床面上を転がるローラの方向とロボット
の目指す方向とのずれ角を検出する絨毯目検出手段にお
いて、前記ローラはその外周接地面に多数の突起を備
え、前記突起が絨毯目に入り込みながら転がるようにし
たことにより、簡素な構成で、ローラ跡を残さず、かつ
確実に走行に追従して絨毯目の情報を検出することがで
きる。
【0100】なお、請求項1ないし請求項11に係わる
本発明のあらゆる組み合せが可能であり、上記の効果が
組み合わされて得られることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動作業用のロボットの一実施例の構
成を示す縦断面図
【図2】図1におけるA−A断面図
【図3】本発明の移動作業用のロボットの一実施例にお
ける制御手段とその周辺の構成を示すブロック図
【図4】移動作業用のロボットの走行軌跡を示すパター
ン図
【図5】請求項1に係わる本発明の移動作業用のロボッ
トの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角出力を示
す特性図
【図6】請求項2に係わる本発明の移動作業用のロボッ
トの一実施例の制御手段における収束検出手段の動作を
示すフローチャート
【図7】請求項2に係わる本発明の移動作業用のロボッ
トの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角出力を示
す特性図
【図8】請求項2に係わる本発明の移動作業用のロボッ
トの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角の時間変
化率を示す特性図
【図9】請求項3に係わる本発明の移動作業用のロボッ
トの一実施例におけるスピンターンの動作を示す平面図
【図10】請求項4に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における蛇行の動作を示す平面図
【図11】請求項5に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における制御手段とその周辺の構成を示
すブロック図
【図12】請求項5に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角の入力
状況と選別処理部の処理を示す特性図
【図13】請求項6に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における制御手段とその周辺の構成を示
すブロック図
【図14】請求項6に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角の入力
状況と選別処理部の処理を示す特性図
【図15】請求項7に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における制御手段とその周辺の構成を示
すブロック図
【図16】請求項7に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角の入力
状況と選別処理部の処理を示す特性図
【図17】請求項8に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における制御手段とその周辺の構成を示
すブロック図
【図18】請求項8に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角の入力
状況と選別処理部の処理を示す特性図
【図19】請求項9に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における制御手段とその周辺の構成を示
すブロック図
【図20】請求項9に係わる本発明の移動作業用のロボ
ットの一実施例における絨毯目検出手段のずれ角の入力
状況と選別処理部の処理を示す特性図
【図21】移動作業用のロボットが絨毯目方向に直進走
行するときの距離誤差を示す平面図
【図22】移動作業用のロボットが往復走行するときの
距離誤差を示す平面図
【図23】移動作業用のロボットが斜め絨毯目方向に往
復走行するときの距離誤差を示す平面図
【図24】請求項10に係わる本発明の移動作業用のロ
ボットの一実施例における絨毯目検出手段の構成を示す
模式図
【図25】移動作業用のロボットが直進走行する走行軌
跡を示す平面図
【図26】移動作業用のロボットが絨毯目の影響を受け
て直進走行する走行軌跡を示す平面図
【図27】従来の絨毯目検出手段の構成を示す側面図
【符号の説明】
1 本体(ロボット) 2 駆動輪(操舵手段) 3 駆動モータ(駆動手段) 18 床ノズル(作業手段) 21 制御手段 22 測距手段 24 絨毯目検出手段 43 ローラ 47 回転検出器 50 演算手段 51 修正手段 52 収束検出手段 53 微分手段 54 スピンターン手段 55 ローラ位置検出手段 56 蛇行手段 57 突起 61 選別処理部 64 計数部 65 平均算出部 66 除去部 67 微分演算部 68 変化率判定部 69 記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藪内 秀隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 光康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 藤原 俊明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 江口 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 乾 弘文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高木 祥史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 黒木 義貴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−47044(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 1/02 A47L 11/00 A47L 9/28

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面上を走行するための駆動手段および
    操舵手段と、前記床面の清掃などの作業を行う作業手段
    と、走行および作業を制御する制御手段とを備え、移動
    しながら作業を行う自走式の移動作業用のロボットにお
    いて、前記床面に敷かれた絨毯の絨毯目の影響により走
    行軌跡の方向が前記ロボットの目指す方向とずれる角度
    を検出する絨毯目検出手段を備えるとともに、前記制御
    手段は、前記絨毯目検出手段の検出値が所定範囲の値に
    収束したか否かを検出する収束検出手段を備え、前記
    ボットが方向転換などの直進走行以外の動作に続いて直
    進走行するとき、前記絨毯目検出手段が出力するずれ角
    情報が直進走行に対応する所定値に収束したことを前記
    収束検出手段により検出し、収束を検出した時点以降の
    ずれ角情報を直進走行におけるずれ角情報として直進走
    行を制御するようにした移動作業用のロボット。
  2. 【請求項2】 ずれ角の大きさが所定値以下になったか
    否かを判断する第1段階の判断と、前記所定値以下にな
    ったずれ角の時間変化率が所定値以下である期間が所定
    時間継続するか否かを判断する第2段階の判断とを行
    い、前記第2段階の判断を満足した時点でずれ角が収束
    したと判定する収束検出手段を備えた請求項1記載の移
    動作業用のロボット。
  3. 【請求項3】 ロボットの走行に追従して床面上を転が
    るローラの方向とロボットの目指す方向との角度でずれ
    角を検出する絨毯目検出手段を備えるとともに、制御手
    段は、出発位置でロボットをスピンターンさせるスピン
    ターン手段と、スピンターン前後の絨毯目検出手段の出
    力の変化値から走行開始前におけるロボットとローラと
    の相対位置関係を検出するローラ位置検出手段とを備
    え、ロボットが出発位置から直進走行を開始したとき、
    ローラがロボットの方向転換時に相当する動作をするか
    否かを前記ローラの位置関係により判断するとともに、
    収束検出手段により収束を確認したずれ角を絨毯目検出
    手段の基準出力として設定するようにした請求項1また
    は請求項2記載の移動作業用のロボット。
  4. 【請求項4】 ロボットの走行に追従して床面上を転が
    るローラの方向とロボットの目指す方向との角度でずれ
    角を検出する絨毯目検出手段を備えるとともに、制御手
    段は、ロボットを出発位置から所定走行だけ蛇行させる
    蛇行手段を備え、蛇行に続いて直進走行させ、収束検出
    手段により収束を確認したずれ角を絨毯目検出手段の基
    準出力として設定するようにした請求項1または請求項
    2記載の移動作業用のロボット。
  5. 【請求項5】 床面上を走行するための駆動手段および
    操舵手段と、前記床面の清掃などの作業を行う作業手段
    と、走行および作業を制御する制御手段とを備え、移動
    しながら作業を行う自走式の移動作業用のロボットにお
    いて、前記床面に敷かれた絨毯の絨毯目の影響により走
    行軌跡の方向が前記ロボットの目指す方向とずれる角度
    を検出する絨毯目検出手段を備えるとともに、前記制御
    手段は、前記絨毯目検出手段のずれ角出力をその変化状
    況に応じて選別する選別処理部を備え、前記選別処理部
    により選別して取り入れたずれ角情報のみを直進走行時
    のずれ角情報として直進走行を制御するようにした移動
    作業用のロボット。
  6. 【請求項6】 選別処理部は、絨毯目検出手段から所定
    時間間隔で入力するずれ角情報の個数を所定個数区切り
    で計数する計数部と、ずれ角の平均値を前記所定個数ご
    とに算出する平均算出部と、前記平均値の上下所定幅内
    のずれ角のみを選別して出力する除去部とを備え、制御
    手段は前記除去部が出力したずれ角情報のみを直進走行
    時のずれ角情報として直進走行を制御するようにした請
    求項5記載の移動作業用のロボット。
  7. 【請求項7】 選別処理部は、絨毯目検出手段から所定
    時間間隔で入力するずれ角情報の時間変化率を演算する
    微分演算部と、前記時間変化率が所定範囲以内であるか
    否かを判定する変化率判定部と、前記変化率判定部によ
    り時間変化率が前記所定範囲以内であると判定されたず
    れ角情報のみを選別して出力する除去部とを備え、制御
    手段は前記除去部が出力したずれ角情報のみを直進走行
    時のずれ角情報として直進走行を制御するようにした請
    求項5記載の移動作業用のロボット。
  8. 【請求項8】 選別処理部は、絨毯目検出手段から所定
    時間間隔で入力するずれ角情報の個数を所定個数区切り
    で計数する計数部と、前記所定個数ごとのずれ角情報を
    入力し、入力したずれ角情報の時間変化率を演算する微
    分演算部と、前記時間変化率が所定範囲以内であるか否
    かを判定する変化率判定部と、前記変化率判定部により
    時間変化率が前記所定範囲以内であると判定されたずれ
    角情報のみを選別して出力する除去部とを備え、制御
    は前記除去部が出力したずれ角情報のみを直進走行時
    のずれ角情報として直進走行を制御するようにした請求
    項5記載の移動作業用のロボット。
  9. 【請求項9】 選別処理部は、絨毯目検出手段から所定
    時間間隔で入力するずれ角情報を順次に記憶する記憶部
    と、前記絨毯目検出手段から入力するずれ角情報と前記
    記憶部に記憶した所定個数前のずれ角情報との間で時間
    変化率を演算する微分演算部と、時間変化率が所定範囲
    以内か否かを判定する変化率判定部と、前記変化率判定
    部により時間変化率が前記所定範囲以内であると判定さ
    れたずれ角情報のみを選別して出力する除去部とを備
    え、制御手段は前記除去部が出力したずれ角情報のみを
    直進走行時のずれ角情報として直進走行を制御するよう
    にした請求項5記載の移動作業用のロボット。
  10. 【請求項10】 駆動手段の情報に基づいて走行距離を
    計測する測距手段と、ロボットの目指す方向と走行方向
    とのずれ角を角度値として検出する絨毯目検出手段とを
    備え、制御手段は、前記ずれ角と前記測距手段が計測し
    た見かけ上の往復走行距離とから前後方向および左右方
    向の走行距離のずれを求める演算手段と、前記走行距離
    のずれに基づいて実際の走行距離を修正する修正手段と
    を備え、走行距離を修正しながら作業を行うようにした
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の移動作業用
    のロボット。
  11. 【請求項11】 ロボットの走行に追従して床面上を転
    がるローラの方向とロボットの目指す方向とのずれ角を
    検出する絨毯目検出手段において、前記ローラはその外
    周接地面に多数の突起を備え、前記突起が絨毯目に入り
    込みながら転がるようにした請求項1ないし請求項10
    のいずれかに記載の移動作業用のロボット。
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