JP3355133B2 - 伝送システムの上り帯域割当回路 - Google Patents

伝送システムの上り帯域割当回路

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JP3355133B2
JP3355133B2 JP17091698A JP17091698A JP3355133B2 JP 3355133 B2 JP3355133 B2 JP 3355133B2 JP 17091698 A JP17091698 A JP 17091698A JP 17091698 A JP17091698 A JP 17091698A JP 3355133 B2 JP3355133 B2 JP 3355133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の親局と接続
された単一の伝送媒体に多重分岐器を介して複数の子局
を接続し、複数の前記子局が発する上り信号を前記多重
分岐器により多重し前記伝送媒体を経由して親局に伝
え、前記伝送媒体を経た前記親局が発する下り信号を前
記多重分岐器により分岐し子局に伝え、前記親局と前記
子局との間で双方向に情報を伝送する伝送システムの上
り帯域割当回路に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディアサービスを各家庭まで伝
送するアクセス系に用いられる光通信ネットワークは、
一般にPDS(Passive Double Star)システム又はP
ON(Passive Optical Network)システムと呼ばれてい
る。この種のシステムにおいては、親局と接続された伝
送媒体である光ファイバにスターカプラ又は光カプラ
(Optical Coupler)あるいは光スプリッタ(OpticalSp
litter)と称する多重分岐器を介して複数の子局を接続
し、前記スターカプラにより光信号を多重分岐して、前
記光ファイバを経由して前記親局と各子局との間で双方
向に光信号を伝送する。複数の子局で単一の親局側の伝
送装置を共用するため、光伝送装置と光ファイバを経済
的に活用できる。
【0003】また、このシステムで用いられる親局側の
伝送装置は、一般にSLT(Subscriber Line Termina
l:光加入者線端局装置)又はOLT(Optical Line Ter
minal:光端局装置)と称され、子局側の伝送装置はON
U(Optical Network Unit:光加入者網終端装置)と称
される。
【0004】親局である光加入者線端局装置SLTは、
単一の光ファイバを共有して接続される複数の光加入者
網終端装置ONUに対する信号の多重化及び分離を行う
装置であり、クロスコネクト機能による各種サービスノ
ードへの振り分け機能も有する。光加入者網終端装置O
NUは、光加入者網終端装置ONUがユーザから受け取
った情報を、ONU−SLT間のPDS区間で伝送する
ためにPDS伝送用の信号形式に変換したり、PDS区
間を経てSLTから受け取った情報をユーザ側で受信で
きる信号形式に変換したりする。
【0005】PDS伝送システムの基本的な構成を図8
に示す。図8に示されるように、PDS伝送システムは
光加入者線端局装置SLT,複数の光加入者網終端装置
ONU,多重分岐器及び複数の光ファイバで構成されて
いる。多重分岐器は、光加入者線端局装置SLTと光加
入者網終端装置ONUとを接続する光ファイバの途中に
挿入され、光加入者線端局装置SLT側の単一の光ファ
イバを光加入者網終端装置ONU側の複数の光ファイバ
に分岐する。
【0006】多重分岐器と光加入者線端局装置SLTと
を接続する単一の光ファイバ上では、複数の光加入者網
終端装置ONUの光信号が時分割,波長分割,又は符号
分割で多重化される。図8では時間分割の多重化の例を
示した。すなわち、PDS伝送システムでは単一の伝送
媒体及び伝送帯域を複数の光加入者網終端装置ONUで
共有するため、複数の光加入者網終端装置ONUの光信
号の帯域が互いに競合しないように、それぞれの光加入
者網終端装置ONUに帯域が割り当てられる。
【0007】本発明の伝送システムの上り帯域割当回路
は、上記のようなPDS伝送システムにおいて、それぞ
れの光加入者網終端装置ONUに上り方向(光加入者網
終端装置ONUから光加入者線端局装置SLTに向かう
方向)の信号の帯域を割り当てるのに利用できる。
【0008】この種の帯域の割当技術としては、各光加
入者網終端装置ONUに固定的に帯域を割当てる割当方
法と、各光加入者網終端装置ONUの伝送する情報の量
に応じて動的に帯域を割当てる割当方法とが知られてい
る。例えばインターネットなどで利用される標準的なプ
ロトコルであるTCP/IP(Transmission Control P
rotocol / Internet Protocol)プロトコルに従う情報
を伝送する場合を想定すると、伝送すべき情報量はバー
スト的に変化する。従って、動的に帯域を割り当てるの
が望ましい。
【0009】従来の動的な帯域割当方法としては、例え
ば「宮部 正剛他著“ATM−PONダイナミック帯域
割当方式”1997年電子情報通信学会総合大会B-8-53」に
示されているものが知られている。この従来例において
は、図9に示すように各光加入者網終端装置ONUが上
り帯域の一部を用いて各光加入者網終端装置ONUに滞
留している情報量を光加入者線端局装置SLTに申告す
る。光加入者線端局装置SLT上に設けた上り帯域割当
回路は、各光加入者網終端装置ONUの申告値を割当待
ち情報受信手段により受信し、反映手段により申告値に
基づいて各光加入者網終端装置ONUに上り帯域を割当
てる。この方法は情報送元から光加入者網終端装置ON
Uに向かって送出される情報量の変化が緩やかな場合に
有効である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に用いられるTCP/IPプロトコルに従う情報を伝送
することが想定される光通信ネットワークにおいては、
伝送される上り方向の情報量がバースト的に変化する。
情報量がバースト的に変化する環境においては、従来の
動的な割当方法を利用しても効果的な結果が得られな
い。
【0011】特に、TCP/IPプロトコルに従い情報
送元が情報宛先に情報を送信する伝送システムでは、送
出される情報の送出量と現在光加入者網終端装置ONU
に蓄積されている情報量との相関が低いため、従来の方
法では効率的な帯域割当は期待できない。
【0012】TCP/IPプロトコルに従う情報の送出
環境においては、所定の情報送元に光加入者網終端装置
ONUと光加入者線端局装置SLTとを介して情報宛先
に送出する情報に対して、情報宛先はAck(ACKnowle
dgment)情報と呼ばれる受信確認通知(転送されたデー
タを正常に受け取ったときに受け手が送り手に返すため
の応答)を光加入者網終端装置ONUを介して前記情報
送元に返送される。また、情報送元から送出される情報
の送出量は、情報送元に対して返送される下り情報に含
まれるAck情報が到着する時間や、Ack情報に含ま
れるウインドウサイズ情報と強い相関を持ち、バースト
性が高い。
【0013】TCP/IPプロトコルに従う情報の送出
環境においては、情報送元は伝送先に対してバースト的
に上り情報を送出した後、伝送先の受信装置がその情報
を受信したことを示すAck情報を受信するまで次の送
出を控え、Ack情報の到着後に新たな上り情報を送出
する。この新規の上り情報として送出される上り情報の
情報量は、以前送出された上り情報に対応して戻ってき
たAck情報の到着時刻と当該Ack情報により到着が
通知された以前の上り情報の送出時刻との時間差や、現
在受信側で受け取ることが可能な情報量を示すウインド
ウサイズ情報に基づいて決定される。このウインドウサ
イズ情報はAck情報に含まれる。
【0014】上り情報の情報送元は、上記決定の結果に
基づいてバースト的に情報を送出する。従って、TCP
/IPプロトコルに基づいて送出される情報の量には、
オン/オフのように2値的な激しい変化が現れる。オン
の時にはウインドウサイズ分まとめてバースト的に大量
の情報が送出される。そのため、光加入者網終端装置O
NUの蓄積情報量等を検出して上り伝送帯域を決定する
従来の動的帯域割当方法では、効率的に上り伝送帯域を
割当てることができない。
【0015】図8に示すPDS伝送システムに図9に示
す従来例の帯域割当技術を適用し、TCP/IPプロト
コルに従って情報を伝送する場合の情報送元の情報送出
量,光加入者網終端装置ONU上のバッファの情報蓄積
量及び上り帯域割当量の時間推移の例を図10に示す。
図10に示すように、TCP/IPプロトコルに従って
情報を送出する情報送元は、ウインドウサイズ相当の量
の情報を送出した後、次のAck情報が到着するまで送
出を休止し、Ack情報到着後にまとめてウインドウサ
イズに相当する量の情報を送出する。
【0016】情報送元が送出する情報は、光加入者網終
端装置ONUに渡され、光加入者網終端装置ONUのバ
ッファ上に蓄積される。例えば図10に示す時刻t1に
おいては、光加入者網終端装置ONUのバッファ上に情
報が蓄積されていないので、この光加入者網終端装置O
NUには上り方向に光信号を伝送するための帯域が割り
当てられていない。
【0017】そのため、情報送元がAck情報待ちで情
報の送出を停止していた時(例えば図10の時刻t0か
ら時刻t2の間)の光加入者網終端装置ONUのバッフ
ァ上の情報蓄積量に応じて、光加入者網終端装置ONU
から上り方向に光信号を伝送するための帯域が、光加入
者網終端装置ONUと光加入者線端局装置SLTとの間
の伝送媒体の帯域に割り当てられる。
【0018】図10に示す時刻t2から時刻t3の間の
ように、帯域が割当てられていない時にバースト的に情
報送元から情報が送出されると、光加入者網終端装置O
NUのバッファ上の情報蓄積量は急激に増大する。一
方、図10に示す時刻t4のように、情報送元がウイン
ドウサイズ分の情報の送出を完了した直後は、光加入者
網終端装置ONUのバッファ上に大量の情報が蓄積され
ているので、この時に帯域の割当制御を実施すると多く
の上り帯域が割り当てられる。
【0019】しかし、時刻t4では既に情報送元が情報
の送出を休止しているので、時刻t4以降は光加入者網
終端装置ONUのバッファ上の蓄積情報量は減少する。
従って、時刻t4で帯域を割り当てる場合には、情報量
のピークに近い値を基準として帯域を割り当てることに
なり、実際には通信に利用されない無駄な(余分な)上
り帯域が割り当てられてしまう。
【0020】つまり、TCP/IPプロトコルに従う情
報送元により送信がなされている情報を伝送するPDS
システムに従来例の帯域割当技術を適用する場合には、
情報送元がAck情報待ちで送出を停止している時の情
報送元の送出セル数に応じた光加入者網終端装置ONU
のバッファ上の情報蓄積量に応じて帯域を割当ててしま
うため、情報送元の送出開始時の急な蓄積情報量の増大
に対応できず、帯域割当の遅れのために伝送遅延が増大
したり、伝送情報の欠落が発生する危険性がある。
【0021】また、逆に情報送元の情報送出が完了する
ときに光加入者網終端装置ONUのバッファ上の情報蓄
積量に応じて上り帯域を割当てた場合には、割り当てた
帯域の一部分に無駄が発生する危険性がある。更に、従
来例の帯域割当技術では、光加入者網終端装置ONUの
バッファ上の蓄積情報量を光加入者線端局装置SLTに
申告するための情報を送るのに上り帯域の一部分を消費
するので、帯域の利用効率が低下する。
【0022】本発明は、光信号の送出を通信相手からの
受信確認通知の到来に同期して制御するTCP/IPプ
ロトコルのような送出帯域制御手順を情報送元と情報宛
先の間に適用された情報を伝送する伝送システムの上り
帯域割当回路において、帯域割当量の過不足の発生を抑
制して情報伝送の効率を改善することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1は、所定の親局
と接続された単一の伝送媒体に多重分岐器を介して複数
の子局を接続し、複数の前記子局が発する上り信号を前
記多重分岐器により多重し前記伝送媒体を経由して親局
に伝え、前記伝送媒体を経た前記親局が発する下り信号
を前記多重分岐器により分岐し子局に伝え、前記親局と
前記子局との間で双方向に情報を伝送する伝送システム
の上り帯域割当回路において、前記伝送システムにより
伝送する情報が、情報を受け取る情報宛先から返送され
る受信確認通知の到来に同期して送出帯域を決定する送
出帯域手順に従う情報送元からの情報である場合に、前
記受信確認通知を伝送システムの親局側で検出する受信
確認情報検出手段と、前記受信確認情報検出手段が検出
した受信確認通知の検出タイミング及び前記受信確認通
知に含まれるウインドウサイズの少なくとも一方を前記
各子局から前記親局に向かう上り方向の信号に対する帯
域割当に反映する割当制御手段とを設けたことを特徴と
する。
【0024】受信確認情報検出手段は、前記情報宛先か
ら送信し前記親局と前記子局とを経て下り方向に返送さ
れる受信確認通知を伝送システムの親局側で検出する。
TCP/IPプロトコルを用いる場合には、AcK情報
を前記受信確認通知として検出すればよい。割当制御手
段は、前記受信確認情報検出手段が検出した受信確認通
知の検出タイミング及び前記受信確認通知に含まれるウ
インドウサイズの少なくとも一方を前記各子局から前記
親局に向かう上り方向に伝送される光信号に対する帯域
割当に反映する。
【0025】例えばTCP/IPプロトコルに従う情報
送元から送信される情報を伝送する場合には、任意の時
刻taで割当制御手段が上り帯域を割り当てた後、所定
の情報送元からの情報が前記子局と前記親局とを介して
前記情報宛先に伝送される。情報宛先は任意の時刻tb
で前記情報を受信した後、時刻tcでAcK情報を生成
する。
【0026】前記時刻taから時刻tcまでの時間Tx
の大きさの変化は、過去に子局に割り当てられた帯域の
大きさと子局に現在割り当てるべき帯域の大きさとの大
小関係と相関を有している。
【0027】従って、割当制御手段が受信確認通知の検
出タイミングを割り当てる帯域の大きさに反映するよう
にフィードバック制御することにより、実際に必要とさ
れる適正な帯域を子局に割り当てることができる。ま
た、Ack情報等の受信確認通知に含まれるウインドウ
サイズの情報は、現在受信側で受け取ることが可能な情
報量を示すものである。従って、割当制御手段が受信確
認通知に含まれるウインドウサイズの情報を割り当てる
帯域の大きさに反映するようにフィードバック制御する
ことによっても、子局に適正な帯域を割り当てることが
できる。
【0028】請求項2は、請求項1記載の伝送システム
の上り帯域割当回路において、前記各子局から前記親局
に向かう上り信号に含まれる伝送先の情報を認識する方
路情報認識手段を設け、前記割当制御手段が前記方路情
報認識手段の認識した伝送先の情報を上り方向の信号に
対する帯域割当に反映することを特徴とする。所定の情
報送元から子局を介して親局に伝送される信号は、親局
と接続された特定の伝送先に届けられる。この場合の親
局と伝送先との間の伝送路に割り当てられる帯域の大き
さが、子局−親局間の伝送路の上り帯域の大きさに比べ
て小さい場合には、親局−伝送先間の伝送路の帯域の制
限により、子局−親局間の伝送路に利用されない無駄な
帯域が発生する。
【0029】親局と伝送先との間の伝送路に割り当てら
れた帯域の大きさは、前記方路情報認識手段の認識した
伝送先の情報に基づいて特定できる。従って、親局と伝
送先との間の伝送路に割り当てられた帯域の大きさを上
限として、子局−親局間の伝送路の上り帯域の大きさを
制御することにより無駄な帯域割当が防止される。請求
項3は、請求項1又は請求項2記載の伝送システムの上
り帯域割当回路において、前記情報宛先から前記親局と
前記子局を経て下り方向に返信される受信確認通知の伝
送タイミングを前記割当制御手段の上り方向の信号に対
する帯域割当状況に応じて遅延する受信確認通知遅延手
段を設けたことを特徴とする。
【0030】例えばTCP/IPプロトコルに従う情報
を伝送する場合には、子局に対して情報を送出する情報
送元は、前に送出した情報に対するAck情報(受信確
認通知)が届くまで、次の情報の送出を抑制する。従っ
て、情報宛先の発したAck情報を親局が子局に伝送す
るタイミングを遅延させれば、結果的に、前記情報送元
が子局に情報を送出するタイミングも遅れる。
【0031】例えば、子局と親局との間の伝送路の利用
可能な帯域に比べて割り当てるべき帯域が過大になり、
全ての子局に帯域を割り当てきれない場合には、Ack
情報の伝送タイミングを遅延することにより、情報送元
が子局に情報を送出するタイミングが遅延されトラヒッ
クが平滑化される。従って、実際に割り当てる帯域は利
用可能な帯域以内に低減される。
【0032】請求項4は、請求項1,請求項2又は請求
項3のいずれか記載の伝送システムの上り帯域割当回路
において、前記情報宛先から前記親局と前記子局を経て
下り方向に返送される受信確認通知に含まれるウインド
ウサイズの内容を前記割当制御手段の上り方向の信号に
対する帯域割当状況に応じて変更する受信確認通知変更
手段を設けたことを特徴とする。
【0033】例えばTCP/IPプロトコルに従う情報
を伝送する場合には、子局に対して情報を送出する情報
送元は、前に送出した情報に対するAck情報(受信確
認通知)に含まれるウインドウサイズに応じて、次に送
出する情報の量を決定する。従って、受信確認通知変更
手段が受信確認通知に含まれるウインドウサイズの値を
変更すると、情報送元が子局に送出する情報の量も変更
される。
【0034】例えば、子局と親局との間の伝送路の利用
可能な帯域に比べて割り当てるべき帯域が過大になり、
全ての子局に帯域を割り当てきれない場合には、送信宛
先から親局と子局を経て情報送元に返信するAck情報
のウインドウサイズの値をそれ以前よりも小さく書き換
えることにより、情報送元が子局に送出する情報の量が
減る。従って、実際に割り当てる帯域を利用可能な帯域
以内に抑制できる。
【0035】請求項5は、請求項1,請求項2,請求項
3又は請求項4のいずれか記載の伝送システムの上り帯
域割当回路において、前記割当制御手段の上り方向の帯
域割当量の上限及び下限の少なくとも一方を規制する割
当制限手段を設けたことを特徴とする。割当制限手段に
より帯域割当量の下限を規制することにより、各子局に
前記下限以上の帯域が常に割り当てられるので、最低保
証帯域を必要とするトラヒックに対応できる。
【0036】また、UPC(Usage Parameter Contro
l)のように予め定めた契約を超える情報の送出に対し
て情報の一部分をネットワーク上のどこかで廃棄する制
御を実施する場合には、いずれ廃棄される情報に対して
伝送路の帯域を割り当てると無駄が生じる。そこで、割
当制限手段により帯域割当量の上限をユーザ毎の契約値
などに従って規制することにより、無駄な帯域割当を未
然に防止できる。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)この形態の
伝送システムの上り帯域割当回路の構成及び動作を図1
〜図4に示す。本形態にて、上り帯域を時分割多重によ
り帯域割当するPDSシステムに用いる上り帯域割当回
路を示す。この形態は請求項1に対応する。
【0038】図1はこの形態の上り帯域割当回路11を
備えるPDSシステムの主要部の構成を示すブロック図
である。図2は第1割当モードにおける上り帯域割当回
路11の動作を示すフローチャートである。図3は第2
割当モードにおける上り帯域割当回路11の動作を示す
フローチャートである。図4は光加入者網終端装置(O
NU)21のバッファ25の情報蓄積量及び上り帯域割
当量の変化例を示すタイムチャートである。
【0039】この形態では、請求項1の親局,子局,受
信確認情報検出手段及び割当制御手段は、それぞれ光加
入者線端局装置(SLT)10,光加入者網終端装置2
1,Ack情報読取手段12及び反映手段13に対応す
る。図1を参照すると、このPDSシステムには光加入
者線端局装置10,光加入者網終端装置21〜23,情
報送元31,多重分岐器41,光ファイバ42〜45が
備わっている。なお、多重分岐器41に接続する光加入
者網終端装置21〜23の数は必要に応じて変更され
る。
【0040】このPDSシステムでは、伝送する情報は
情報の送元と宛先間で送出制御手順としてTCP/IP
プロトコルに従っていることを前提としている。また、
このPDSシステムではATM(Asynchronous Transfer
Mode:非同期転送モード)セルの形態の情報を伝送す
る。情報送元31が情報を送信する場合、情報送元31
から送出される情報は上り情報としてまず光加入者網終
端装置21に送出され、光加入者網終端装置21上のバ
ッファ25に蓄積される。
【0041】光ファイバ42には多重分岐器41を介し
て光ファイバ43,44,45が接続されているので、
光ファイバ42上では光加入者網終端装置21,22,
23の光信号が多重化される。多重化される複数の光信
号が互いに競合しないように、光加入者線端局装置10
上の上り帯域割当回路11によって光加入者網終端装置
21,22,23には必要に応じてそれぞれの上り帯域
が割り当てられる。
【0042】光加入者網終端装置21上のバッファ25
に蓄積された情報は、伝送路(43,42)の光加入者
網終端装置21に割り当てられた上り帯域を利用して、
光加入者網終端装置21から光加入者線端局装置10に
伝送される。例えば情報送元31から情報宛先60に対
して情報を送出する場合には、情報送元31からの情報
が光加入者網終端装置21,光加入者線端局装置10及
び転送網50を介して情報宛先60に伝送される。ま
た、TCP/IPプロトコルを用いているので、情報宛
先60が情報を受信すると情報宛先60の生成したAc
k情報が下り情報として、転送網50,光加入者線端局
装置10及び光加入者網終端装置21を介して情報送元
31に返送される。
【0043】情報送元31は、情報を送信した後、それ
に対するAck情報が情報送元31に届くまでは次の送
信動作を控える。Ack情報を検出すると、情報送元3
1は次の情報を光加入者網終端装置21に送出する。各
光加入者網終端装置21,22,23の上り方向の帯域
割当のために、光加入者線端局装置10には上り帯域割
当回路11が設けてある。また、この形態では上り帯域
割当回路11にAck情報読取手段12及び反映手段1
3が設けてある。
【0044】Ack情報読取手段12は、上り情報の受
信に応答して情報宛先60が生成したAck情報を、光
加入者線端局装置10を経由する下り情報の中から検出
して取得する。Ack情報読取手段12が取得したAc
k情報は、反映手段13に渡される。反映手段13は、
Ack情報読取手段12から受け取ったAck情報に基
づいて、次に情報送元31から送出される情報量を予測
し、上り方向に割り当てる帯域の大きさを制御する。
【0045】この形態では、必要に応じて反映手段13
の割当動作の内容を2種類(第1割当モード/第2割当
モード)の中から選択できる。第1割当モードを選択し
た場合には、上り帯域割当回路11は図2に示す制御を
実施する。また、第2割当モードを選択した場合には、
上り帯域割当回路11は図3に示す制御を実施する。な
お、第1割当モードの制御と第2割当モードの制御とを
組み合わせた制御を行うことも可能である。
【0046】まず、図2に示す動作について説明する。
最初のステップS11では、内部レジスタTB1に所定
の初期値をセットする。次のステップS12では、上り
方向の帯域割当が必要になるまで待機する。
【0047】帯域割当が必要になると、ステップS12
からS13に進む。ステップS13では現在時刻を時刻
taとして検出する。次のステップS14では、内部レ
ジスタTB1の内容に相当する大きさの帯域を光加入者
網終端装置21と光加入者線端局装置10との間の上り
方向の伝送路に割り当てる。また、このとき割り当てた
帯域の大きさ(TB1の内容)を内部レジスタTBに保
存する。
【0048】ステップS15では、Ack情報が検出さ
れるまで待機する。すなわち、ステップS14で割り当
てた上り帯域を利用して情報送元31からの情報が光加
入者線端局装置10に伝送された後、この情報の受信確
認として情報宛先60で生成されるAck情報が光加入
者線端局装置10を通過するのをAck情報読取手段1
2で検出されるまで待機する。
【0049】ステップS15でAck情報を検出する
と、次のステップS16で現在時刻を時刻tcとして検
出する。次のステップS17では、以前に検出した時間
Txを時間Txpとして保存する。その後、ステップS
18で時刻taと時刻tcとの差分を時間Txとして検
出する。ステップS19では、時間Txと時間Txpと
を比較する。時間Txが時間Txpよりも大きい場合、
つまり時間Txが前回検出したときに比べて増大してい
る場合にはステップS22に進む。ステップS22で
は、ステップS14で割り当てた帯域の大きさを保持す
る内部レジスタTBの内容から予め定めた定数C1だけ
差し引いた値を、次回に割り当てるべき帯域の大きさと
して内部レジスタTB1にセットする。
【0050】ステップS20では、時間Txと時間Tx
pとが等しいか否かを識別する。等しい場合にはステッ
プS23に進む。ステップS23では、ステップS14
で割り当てた帯域の大きさを保持する内部レジスタTB
の内容を、そのまま次回に割り当てるべき帯域の大きさ
として内部レジスタTB1にセットする。時間Txが時
間Txp未満の場合、すなわち時間Txが前回検出した
ときに比べて減少している場合には、ステップS21で
ステップS14で割り当てた帯域の大きさを保持する内
部レジスタTBの内容を予め定めた上限値TBmaxと比
較する。内部レジスタTBの内容が上限値TBmaxと等
しい場合には、ステップS23に進む。
【0051】時間Txが前回検出したときに比べて減少
し、しかも内部レジスタTBの内容が上限値TBmax未
満であればステップS24に進む。ステップS24で
は、ステップS14で割り当てた帯域の大きさを保持す
る内部レジスタTBの内容に予め定めた定数C1を加算
した値を、次回に割り当てるべき帯域の大きさとして内
部レジスタTB1にセットする。
【0052】ステップS22,S23又はS24を実行
した後、ステップS13に戻り、次のステップS14で
再び帯域を割り当てる。このときに割り当てる帯域の大
きさは、ステップS22,S23又はS24で決定され
た内部レジスタTB1の内容に応じて変化する。つま
り、時間Txが増大する場合には割り当てる帯域を小さ
くし、時間Txが変化しない場合には以前と同じ帯域を
割り当て、時間Txが減少する場合には割り当てる帯域
を大きくする。
【0053】図2に示す制御では、情報送元31が次に
送出する情報のウインドウサイズを決定する要素である
RTT(Round Trip Time)と呼ばれる時間を推定するこ
とにより、割り当てる帯域の大きさを決定する。情報送
元31はRTTが大きくなるとウインドウサイズを小さ
くし、RTTが小さくなると、ウインドウサイズを大き
くし、送出する情報量の調整を行う。従って、RTTが
わかれば、情報送元31が次に使用したい帯域の大きさ
に相当するバースト的な情報量が推定できる。
【0054】RTTは、過去にあるONUの上り情報に
対して上り帯域を割り当ててから、その情報が受信端に
到着したことを示すAck情報が戻ってくるまでの時間
を算出することで推定できる。
【0055】例えば、図1において情報送元31から情
報宛先60に対して情報を伝送する場合には、RTTは
次式で表される。 RTT=T1+T2+T3+T4+T5+T6+T7+
T8+T9 T1:情報送元31−ONU21間の上り方向伝送所要
時間 T2:ONU21における帯域割当待ち時間 T3:ONU21−SLT10間の上り方向伝送所要時
間 T4:SLT10−転送網50間の上り方向伝送所要時
間 T5:転送網50−情報宛先60間の上り方向伝送所要
時間 T6:情報宛先60−転送網50間の下り方向伝送所要
時間 T7:転送網50−SLT10間の下り方向伝送所要時
間 T8:SLT10−ONU21間の下り方向伝送所要時
間 T9:ONU21−情報送元31間の下り方向伝送所要
時間 図2に示す制御においては、時刻taと時刻tcとの差
分として検出される時間Txの変化量は、前記RTTの
変化量とほぼ等しいとみなして良い。
【0056】なお、図2に示す上限値TBmaxとして
は、情報送元31のウインドウサイズとして割当可能な
ウインドウサイズの上限値、又は情報送元31に対して
PDSシステムが割当てて良い上限値の何れかを用い
る。ここで、情報送元31がAck情報が到着した場合
にのみ情報を送出し、それ以外のタイミングでは情報を
送出しない場合を想定し、図2の動作を適用する場合を
考える。また、単純化のため時間Txは一定とし、各A
ck情報に対応する上り帯域の割当量も一定とする。更
にAck情報が到着するまでは、全く上り帯域を割り当
てないものとする。
【0057】その場合、上り帯域割当量及び光加入者網
終端装置21のバッファ25に蓄積される情報量の時間
推移は図4に示すようになる。つまり、バッファ25に
はほとんど情報が蓄積されないので、バッファ25とし
て記憶容量の小さい装置を用いることができる。
【0058】情報が無駄に光加入者網終端装置21で蓄
積されないことは、上り帯域の情報送元にとって、RT
Tが小さくなることにつながるので、伝送効率が向上す
る。またPDSシステムにとっては、従来のように無駄
な上り帯域を割り当てることがないため、PDSシステ
ムの上り帯域が有効に利用される。なお、この例では単
純化のために、Ack情報が来るまで、全く上り帯域を
割当ない場合を想定した。しかし実際には、Ack情報
と同期せずに情報送元から送出される情報のための帯域
割当も考慮する必要がある。また、この例では帯域割当
量を定数C1の加減で変更する場合を示したが、例えば
定数C1の代わりにTxやTB1に応じて変化する変数
を用いても良い。
【0059】次に、図3に示す帯域割当動作について説
明する。ステップS31で光加入者網終端装置21に伝
送路の帯域を所定量割り当てた後、ステップS32に進
む。ステップS32では、Ack情報読取手段12がA
ck情報を検出するまで待機する。すなわち、ステップ
S31で割り当てられた帯域を利用して情報送元31か
らの情報が光加入者線端局装置10に送信され、この情
報の受信に応答して情報宛先60が生成したAck情報
が光加入者線端局装置10上で検出されるまでステップ
S32で待機する。
【0060】Ack情報を検出すると、ステップS32
からS33に進む。ステップS33では、Ack情報読
取手段12が検出したAck情報に含まれているウイン
ドウサイズWSの情報を読み取る。このウインドウサイ
ズWSは現在受信側で受け取ることが可能な情報量の最
大値を示す。次のステップS34では、検出したAck
情報に含まれているポート番号PNを読み取る。このポ
ート番号PNはTCP/IPプロトコルよりも上位の階
層に位置するアプリケーション層のプログラムの種類を
識別するのに利用できる。
【0061】このことを利用して様々なプロトコルに応
じた対応が可能である。但し、この形態の制御フローと
しては、FTP(File Transfer Protocol:ファイル転
送プロトコル)とtelnetを例として挙げて動作を
記載した。以下に制御フローの説明を続ける。ステップ
S35では、ステップS34で検出したポート番号PN
から、アプリケーション層のプロトコルがFTPかte
lnetかを識別する。FTPは、常にウインドウサイ
ズ分の比較的大量の上り情報を伝送する傾向が強い。一
方、telnetなどのアプリケーション層のプロトコ
ルはウインドウサイズの大きさとは無関係に上り情報量
は増加しない傾向がある。従って、アプリケーション層
のプロトコルの種類の識別は、送出される上り情報量の
予測に役立つ。
【0062】ステップS35の識別結果がFTPであれ
ばステップS36を通ってS37に進み、ステップS3
5の識別結果がtelnetであればステップS36を
通ってS39に進む。ステップS39では予め定めた大
きさの固定帯域を光加入者網終端装置21に割り当て
る。すなわち、telnetを使って情報を伝送する場
合には、伝送される情報量とウインドウサイズWSとの
相関が小さいので、割り当てる帯域の大きさを一定にす
る。
【0063】ステップS35の識別結果がFTPの場合
には、更にステップS37でウインドウサイズWSとそ
の上限値TBmaxとを比較する。ウインドウサイズWS
が上限値TBmaxより大きい場合には、ステップS40
に進み、上限値TBmaxに相当する大きさの帯域を光加
入者網終端装置21に割り当てる。また、ウインドウサ
イズWSが上限値TBmax以下の場合には、ステップS
38に進み、ウインドウサイズWSに相当する大きさの
帯域を光加入者網終端装置21に割り当てる。
【0064】情報送元31が送出する情報量は、情報送
元31に送られるAck情報のウインドウサイズWS以
下に規制されるので、ウインドウサイズWSと等しい帯
域を割り当てることにより、情報送元31が送出する情
報を光加入者網終端装置21から光加入者線端局装置1
0に効率的に伝送できる。
【0065】図3の制御を実施することにより、光加入
者網終端装置21のバッファ25に上り情報が不必要に
蓄積することが避けられる。しかも、ウインドウサイズ
分以上の無駄な帯域を割当てることもない。図2の制御
で用いるAck情報の伝送遅延時間や、図3の制御で用
いるウインドウサイズWSの情報は、情報送元31から
受信端までの伝送路の帯域の影響を受ける。従って、図
2,図3のようにAck情報を利用して帯域を割り当て
ることにより、伝送路状況にふさわしい帯域割当が可能
となる。
【0066】なお、図2,図3の処理には、情報送元3
1側に送出すべき上り情報が無い場合への対応は示され
ていない。しかし、情報送元31側に送出すべき上り情
報が無い場合には、割り当てた上り帯域を無駄にするの
を避けるために、上り帯域を割り当てても上り情報が光
加入者線端局装置10に伝送されてこない場合には上り
帯域の割当を停止するような制御機構を組み込むのが望
ましい。
【0067】あるいは、従来例のように光加入者網終端
装置21からの申告により、蓄積情報の有無を確認して
も良い。但し、従来例の制御を併用する場合には、光加
入者網終端装置21の蓄積情報量を申告するために上り
帯域を消費する問題が発生する。以上述べたように、こ
の形態ではAck情報を読み取ることにより、情報送元
31からの上り情報の伝送に対して遅滞なく且つ無駄無
く上り帯域を割当てることができる。
【0068】(第2の実施の形態)この形態の上り帯域
割当回路11Bの構成を図5に示す。この形態は請求項
2に対応する。この形態は第1の実施の形態の変形例で
あり、図1と同様に上り帯域割当回路11Bは光加入者
線端局装置10に搭載される。また、説明を省略する部
分の上り帯域割当回路11Bの構成及び動作については
第1の実施の形態の上り帯域割当回路11と同一であ
る。
【0069】この形態では、請求項2の方路情報認識手
段は方路情報認識手段15に対応する。方路情報認識手
段15は、各光加入者網終端装置21〜23から光加入
者線端局装置10に伝送される上り情報の伝送先を認識
する。反映手段13Bは、方路情報認識手段15が認識
した伝送先につながる光加入者線端局装置10の出力方
路の状況を認識する。
【0070】出力方路の状況を認識することで、各上り
情報を収容する出力方路に収納可能な帯域を認識し、上
り信号に割り付けて良い帯域の上限を規定する。上限を
規定することで、光加入者線端局装置10の出力方路の
帯域以上にPDSの上り帯域に帯域を割り当てる危険が
無くなる。そのため、ある出力方路を通過可能な帯域以
上に帯域を割り当て光加入者線端局装置10内に情報を
滞留させる危険性がなくなる。それと同時に、余剰帯域
のある光加入者線端局装置10の出力方路に向かう上り
情報に帯域を割り当てることが可能となり、上り帯域の
有効利用が可能となる。
【0071】例えば、図1に示す情報送元31から光加
入者線端局装置10に伝送される上り情報を転送網50
に接続される情報宛先60に届ける場合には、この情報
宛先60が伝送先であり、情報送元31と情報宛先60
との間の情報伝送量は、光加入者線端局装置10と情報
宛先60との間の転送網50(出力方路)の帯域の大き
さによって制約される。
【0072】この場合、もしも上り方向に割り当てた帯
域に比べて出力方路の帯域が小さいと、上り方向の帯域
の一部分が無駄になり、光加入者線端局装置10には伝
送待ちの情報が大量に蓄積される可能性が高い。しかし
この形態では、上記の場合に反映手段13Bが、出力方
路に割り当てられた帯域の大きさを上限として上り方向
の帯域を割り当てるので、上り方向の帯域が出力方路の
帯域より大きくなることはなく、無駄な上り帯域の発生
が未然に防止される。
【0073】方路情報認識手段15が認識する伝送先を
示す情報としては、上り情報か、下り情報の送出元及び
送出先IPアドレス,伝送する情報が使用しているVP
(バーチャルパス),VC(バーチャルチャネル),又
はVPとVCとの組み合わせのいずれでも利用可能であ
る。 (第3の実施の形態)この形態の上り帯域割当回路11
Cの構成を図6に示す。この形態は請求項3及び請求項
4に対応する。この形態は第1の実施の形態の変形例で
あり、図1と同様に上り帯域割当回路11Cは光加入者
線端局装置10に搭載される。また、説明を省略する部
分の上り帯域割当回路11Cの構成及び動作については
第1の実施の形態の上り帯域割当回路11と同一であ
る。
【0074】この形態では、請求項3の受信確認通知遅
延手段及び請求項4の受信確認通知変更手段は、Ack
情報変更手段16に対応する。反映手段13Cは、例え
ばPDSシステムの利用可能な帯域に比べて各ONUに
つながる情報送元から多くのトラヒックが発生し、上り
帯域を割り当てきれない場合に、所定の変更指示をAc
k情報変更手段16に渡す。
【0075】Ack情報変更手段16は、反映手段13
Cから変更指示を受けると、光加入者線端局装置10と
各光加入者網終端装置21〜23を経て転送されるAc
k情報の伝送タイミングを遅延したり、Ack情報に含
まれるウインドウサイズ情報の内容を書換える。すなわ
ち、Ack情報の伝送タイミングを遅延すれば、情報送
元が光加入者網終端装置21を経て次の情報を送出する
までの待ち時間が増大するので、時間的にトラヒックの
発生が平滑化される。また、Ack情報に含まれるウイ
ンドウサイズ情報を小さくすれば、情報送元が光加入者
網終端装置21を経て次に送出する情報の量が抑制され
る。
【0076】ウインドウサイズ情報を動的に書き換える
には次のようにすればよい。すなわち、時間的に前の時
点で検出されたウインドウサイズ情報の値を所定の計算
式に代入して更新されたウインドウサイズ情報を求め、
求めたウインドウサイズ情報によってAck情報のウイ
ンドウサイズ情報を書き換える。このような動作につい
ては次の文献に示されている。「R. Satyavolu, K. Duv
edi, S. Kalyanaman, "Explicit Rate Control of TCP
application", ATM-Forum Doc 98-152R1, February 198
8.」 (第4の実施の形態)この形態の上り帯域割当回路11
Dの構成を図7に示す。この形態は請求項5に対応す
る。この形態は第1の実施の形態の変形例であり、図1
と同様に上り帯域割当回路11Dは光加入者線端局装置
10に搭載される。また、説明を省略する部分の上り帯
域割当回路11Dの構成及び動作については第1の実施
の形態の上り帯域割当回路11と同一である。この形態
では、請求項5の割当制限手段は制限手段17に対応す
る。
【0077】制限手段17は、各情報送元単位及び各O
NU単位に規定されている上り帯域の割当量の上限及び
下限を示す制限情報を反映手段13Dに与える。反映手
段13Dは、制限手段17から入力される制限情報の上
限と下限との範囲内になるように割り当てる帯域の大き
さを規制する。この割り当てる帯域の下限については、
例えば文献「ITU-T 勧告 I.371」に示される最低保証帯
域GFR(Guaranteed Frame Rate)等を必要とするトラ
フィックの収容に対応できるように配慮するのが望まし
い。
【0078】また、割り当てる帯域の上限については、
UPC(Usage Parameter Control)等の制御によりネ
ットワークのどこかで廃棄される可能性のない範囲内で
帯域を割り当てるように配慮するのが望ましい。これに
より無駄な帯域を割り当てる危険性が減少する。例え
ば、ネットワークのユーザが予め定めた契約の伝送帯域
を超える情報をネットワークに送信しようとする場合に
は、UPC制御によって契約を超過した帯域の情報が廃
棄される。従って、ユーザの契約情報などに基づいて帯
域割当の上限を定めることにより、無駄な帯域割当を未
然に防止できる。すなわち、結果として上り帯域の有効
利用につながる。
【0079】なお、割当可能な伝送量を規定して割当量
を規定する場合、ある既定値以上の情報には廃棄される
可能性が高いことを示す目印を情報に書き込むことも可
能である。例えばATM伝送では、セル廃棄優先度CL
P(Cell Loss Priority)のビットを制御すればよい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、P
DSシステムと呼ばれる伝送システムの上り帯域割当回
路に於いて、TCP/IPプロトコルに従がう上り情報
を伝送する場合も有効に上り帯域を割り当てることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の上り帯域割当回路11を備
えるPDSシステムの主要部の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】第1の実施の形態の第1割当モードにおける上
り帯域割当回路11の動作を示すフローチャートであ
る。
【図3】第1の実施の形態の第2割当モードにおける上
り帯域割当回路11の動作を示すフローチャートであ
る。
【図4】第1の実施の形態のバッファ蓄積量と上り帯域
割当量の変化例を示すタイムチャートである。
【図5】第2の実施の形態の上り帯域割当回路の構成を
示すブロック図である。
【図6】第3の実施の形態の上り帯域割当回路の構成を
示すブロック図である。
【図7】第4の実施の形態の上り帯域割当回路の構成を
示すブロック図である。
【図8】PDS伝送システムの基本的な構成を示すブロ
ック図である。
【図9】従来例のPDS上り帯域割当回路の構成を示す
ブロック図である。
【図10】従来のPDS伝送システムにおける各パラメ
ータの時間推移の例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 光加入者線端局装置 11,11B,11C,11D 上り帯域割当回路 12 Ack情報読取手段 13,13B,13C,13D 反映手段 15 方路情報認識手段 16 Ack情報変更手段 17 制限手段 21,22,23 光加入者網終端装置 25 バッファ 31 情報送元 41 多重分岐器 42,43,44,45 光ファイバ 50 転送網 60 情報宛先
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−336188(JP,A) 特開 平11−88432(JP,A) 特開 平11−146000(JP,A) 特開 平11−336188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/44 200 H04L 12/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の親局と接続された単一の伝送媒体に
    多重分岐器を介して複数の子局を接続し、複数の前記子
    局が発する上り信号を前記多重分岐器により多重し前記
    伝送媒体を経由して親局に伝え、前記伝送媒体を経た前
    記親局が発する下り信号を前記多重分岐器により分岐し
    子局に伝え、前記親局と前記子局との間で双方向に情報
    を伝送する伝送システムの上り帯域割当回路において、 前記伝送システムにより伝送する情報が、情報を受け取
    る情報宛先から返送される受信確認通知の到来に同期し
    て送出帯域を決定する送出帯域手順に従う情報送元から
    の情報である場合に、前記受信確認通知を伝送システム
    の親局側で検出する受信確認情報検出手段と、 前記受信確認情報検出手段が検出した受信確認通知の検
    出タイミング及び前記受信確認通知に含まれるウインド
    ウサイズの少なくとも一方を前記各子局から前記親局に
    向かう上り方向の信号に対する帯域割当に反映する割当
    制御手段とを設けたことを特徴とする伝送システムの上
    り帯域割当回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の伝送システムの上り帯域
    割当回路において、前記各子局から前記親局に向かう上
    り信号に含まれる伝送先の情報を認識する方路情報認識
    手段を設け、前記割当制御手段が前記方路情報認識手段
    の認識した伝送先の情報を上り方向の信号に対する帯域
    割当に反映することを特徴とする伝送システムの上り帯
    域割当回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の伝送システ
    ムの上り帯域割当回路において、前記情報宛先から前記
    親局と前記子局とを経て下り方向に返送される受信確認
    通知の伝送タイミングを前記割当制御手段の上り方向の
    信号に対する帯域割当状況に応じて遅延させる受信確認
    通知遅延手段を設けたことを特徴とする伝送システムの
    上り帯域割当回路。
  4. 【請求項4】請求項1,請求項2又は請求項3のいずれ
    か記載の伝送システムの上り帯域割当回路において、前
    記情報宛先から前記親局と前記子局とを経て下り方向に
    返送される受信確認通知に含まれるウインドウサイズの
    内容を前記割当制御手段の上り方向の信号に対する帯域
    割当状況に応じて変更する受信確認通知変更手段を設け
    たことを特徴とする伝送システムの上り帯域割当回路。
  5. 【請求項5】 請求項1,請求項2,請求項3又は請求
    項4のいずれか記載の伝送システムの上り帯域割当回路
    において、前記割当制御手段の上り方向の帯域割当量の
    上限及び下限の少なくとも一方を規制する割当制限手段
    を設けたことを特徴とする伝送システムの上り帯域割当
    回路。
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