JP3352936B2 - 電気特性評価装置、電気特性評価方法、及び、電気特性評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

電気特性評価装置、電気特性評価方法、及び、電気特性評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP3352936B2
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    • G06F2111/10Numerical modelling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気特性評価装
置、電気特性評価方法、及び、電気特性評価プログラム
を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関
し、特に、古典論の場合と同等の計算時間で、量子力学
的な効果を近似的に考慮でき、半導体基板の不純物分布
が均一ではない場合にも適応できる、Delaunay型の離散
化を行うMIS型FETの電気特性を評価する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンMOSFETに代表され
るMIS型FETの電気特性の評価を数値計算によって
数値的に行うデバイスシミュレータでは、キャリアの分
布として、古典論に基づくボルツマン分布が用いられて
いる。しかしながら、シリコンMOSFETでは素子の
微細化に伴うゲート酸化膜の薄膜化とシリコン基板の高
濃度化によって量子力学的な効果である伝導キャリアの
2次元量子化の効果が無視できなくなるため、古典論に
よって計算した結果と、量子論によって計算した結果と
の差が有意になってきつつある。すなわち、古典論を用
いたデバイスシミュレータでは精度の高いシミュレーシ
ョンが困難になってきつつある。
【0003】量子力学的な効果が現われる現象の一つと
して、古典論に基づいて計算した反転層容量と量子論に
基づいて計算した反転層容量が異なり、量子論に基づい
た計算結果が示す実効的なゲート酸化膜厚は、実際のゲ
ート酸化膜厚よりも見かけ上厚くなることが知られてい
る。この理由については以下の文献に記載されている
(鳥海他:“反転層容量の定量的評価及び解析”、SS
D85−15、電子通信学会、1985年)。この文献
で、鳥海らは、まず、微弱で一定のドレイン電圧を印加
した状態で、ゲート電圧を変化させたときのドレイン電
流を測定し、電流増幅率の最大値(gm)を求めた。そ
して、図21に示すような、電流増幅率の最大値の逆数
(1/gm)とゲート酸化膜厚(TOX)との関係を得
た。
【0004】同図は、素子表面の基板濃度の違う2種類
の素子について求めた実験結果である。いずれの場合
も、見かけ上のゲート酸化膜厚が、真のゲート酸化膜厚
より増加している。すなわち、gmの逆数とゲート酸化
膜厚は、直線性を持つが原点を通っておらず、gmの逆
数とゲート酸化膜厚は比例していないことになる。これ
は、一般に知られている、gmの逆数とゲート酸化膜厚
とは比例するはずである、という考えに反する。
【0005】鳥海らは、この説明として、反転層を形成
する伝導電荷が量子力学的な効果である2次元量子化に
よって有限の厚さを持つことにより、実際の素子が有す
る反転層容量が古典論で計算した反転層容量とは異なる
からであるとしている。この反転層容量の差が無視でき
ないことにより、古典論を用いたデバイスシミュレータ
では精度の高いシミュレーションが困難になってきてい
る。
【0006】このような状況において、従来から量子力
学的な効果を考慮した電気特性の評価について、種々の
技術が開示されている。
【0007】まず、第一の従来技術として、反転層にお
ける量子力学的な効果を厳密に考慮したシミュレーショ
ンはSternにより行われている(F. Stern“Self-Consis
tentResults for n-Type Si Inversion Layers,”Phys.
Rev. B5, 4891 (1972))。
【0008】ここではSiN型MOSFETのチャネル
部分のSi基板とゲート酸化膜との界面に垂直な1次元
方向についてSchrodinger方程式とPoisson方程式を自己
無撞着に解いている。
【0009】この方法は最も厳密な解法であるが、計算
に要する時間は古典論の場合に比べて極めて長く、また
短チャネル効果などを評価するのに欠かせない2次元解
析や3次元解析を行うことが困難であるという欠点を持
つ。
【0010】一方、古典論の物理方程式に基づいて、近
似的に量子力学的な効果を考慮するという方法も種々考
えられている。
【0011】第二の従来技術として、Hanschらの方法を
N型MOSFETについて説明する。(W. Hansch et a
l.,“Carrier Transport near the Si/SiO2 Interface
of aMOSFET,” Solid-State Elec., 32, 839 (1989))
Hanschらは古典的なボルツマン分布により計算される
電子濃度nCONVに対して、量子力学的に計算される電子
濃度nQMを式(1)で近似的に与えて、量子力学的な効果
を考慮する方法を提案している。
【0012】
【数1】 nQM=nCONV・[1−exp(−z2/λ2)] …(1) ここでzはSi/SiO2界面からの距離、λは電子の
有効質量などで決まる定数である。このHanschらの方法
に類する方法は種々提案されているが、いずれも量子力
学的に計算される電子濃度nQMを古典的に計算される電
子濃度nCONVとSi/SiO2界面からの距離zの関数
で近似するものである。この方法は、Schrodinger方程
式を解く場合と比較すると厳密さでは劣るが、実用上は
十分良い近似であり、計算に要する時間もSchrodinger
方程式を解く方法に比べれば早く、2次元や3次元の計
算も容易である。
【0013】しかし反転層の厚さは6〜8nmであるの
に対し、式(1)のλは1nm程度であるため、Si/S
iO2界面から6〜8nmまでのシリコン基板領域には
0.1nm程度の非常に細かい離散化格子を用いる必要
がある。一方、古典論の計算に必要な離散化格子の間隔
は通常2〜4nm程度で十分である。すなわち、Hansch
らに代表される方法を用いると、古典論に基づく計算に
比べて20倍以上もの離散化格子点が必要であり、その
分、計算時間も長くなる。
【0014】更に、第三の従来技術としては、別の近似
的な解法として、Ohkuraが提案した方法がある。(Y. O
hkura,“Quantum Effects in Si n-MOS Inversion Laye
r atHigh Substrate Concentration, ” Solid-State E
lec., 33, 1581 (1990)) Ohkuraの提案した方法は、計
算に使われる解くべき方程式は古典論のままであるが、
ゲート酸化膜厚を実際の素子の酸化膜厚TOXではなく、
式(2)で与えられるTOX MDとし、かつ、フラットバンド
電圧を実際の素子の基板濃度とゲート電極の材質で決ま
るVFBではなく、式(3)で与えられるVFB MDとして計算
するという方法である。
【0015】
【数2】 ToxMD=Tox+εoxΔz/εsi …(2) VFB MD=VFB+qNA(Δz・2εsi+Tox/εox)Δz …(3) ここでεsiはシリコンの誘電率、εoxはゲート酸化膜の
誘電率、Δzは古典論と量子論との反転層容量の差を表
わすパラメータ、qは素電荷、NAは半導体基板のアク
セプタ濃度である。
【0016】この第三の従来技術では、粗い近似ではあ
るが、実用的には十分な精度を有している。また、離散
化格子もSi/SiO2界面付近で細かくする必要はな
く通常の古典論のシミュレータの場合と同じ離散化格子
で良いため、計算時間の点でも優れている。しかし、式
(3)で表わされているように、修正されたフラットバン
ド電圧VFB MDは半導体基板の不純物濃度NAの関数で表
わされている。半導体基板の不純物分布が均一とみなせ
る場合には問題ないが、実際の素子でウェルを形成した
のちに行われるしきい電圧を決めるためのチャネル部分
へのイオン注入法による不純物の導入のため、半導体基
板の不純物分布が均一ではないことが多い。そのため実
際の素子に対してOhkuraの方法を用いて量子力学的な効
果を考慮することは困難である。
【0017】更に、第四の従来技術としては、別の近似
的な方法として、古典論に基づく方程式を数値的に解く
際の離散化の性質を用いている、谷本が提案した方法が
ある(谷本、特開平4−48744)。この方法はVoro
noi 型の離散化格子を用いた古典論に基づくデバイスシ
ミュレータにおいて、古典論と量子論との反転層容量の
差に相当する半導体の厚さ(数nm)を求め、半導体/
ゲート絶縁膜界面から反転層容量の差に相当する半導体
の厚さと同じ距離離れた位置に半導体中の最も半導体/
絶縁体界面に近い格子点を持つ離散化格子を用いること
によって、量子力学的な反転層容量を考慮するというも
のである。Voronoi型の離散化を行うということと離散
化格子の設定方法に特徴があり、それ以外には何もする
必要はない。
【0018】この第四の従来技術は、計算時間は古典論
のシミュレータと同じであり、かつ半導体基板の不純物
分布が均一でない場合でも適用できる。しかし、この方
法にはVoronoi型の離散化格子を使うことによる欠点が
ある。図3はDelaunay型の、図4はVoronoi型の離散化
格子の例である。Delaunay型の離散化格子では外部電極
と半導体との界面に離散化格子点を置く。一方、Vorono
i型の離散化格子では外部電極と半導体との界面には離
散化格子点を置かない。Delaunay型の離散化格子では外
部電極と半導体との界面においた離散化格子点上の電位
を未知数とする離散化方程式を用いて図5に示すような
外部回路を考慮したシミュレーションが可能であるが、
Voronoi型の離散化の場合には、上述の如く、外部電極
と半導体との界面には離散化格子点を置かない。このた
め、図5に示す回路のようなトランジスタ以外の回路
(外部回路)を伴った場合のシミュレーションを行うこ
とができない。そのため、Voronoi型の離散化を行うシ
ミュレータはDelaunay型の離散化を行うシミュレータに
比べて機能的に劣ってしまうといった問題があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れらの従来技術については、古典論のシミュレータと同
様の計算時間では量子力学的な効果を近似的に考慮する
ことができなかった。あるいは、半導体基板の不純物が
均一ではない場合にも適応できるDelaunay型の離散化を
用いたMIS型FETの電気特性の評価を行うことがで
きなかった。
【0020】そこで、この発明は、このような従来の事
情を鑑みてなされたものであり、その目的は、古典論の
シミュレータと同等の計算時間で、量子力学的な効果を
近似的に考慮でき、半導体基板の不純物分布が均一では
ない場合にも適応できる、Delaunay型の離散化を行うM
IS型FETの電気特性を評価することができる電気特
性評価装置、電気特性評価方法、及び、電気特性評価プ
ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る電気特性評価装置の要旨は、Delaunay
型の離散化格子を用いた古典論に基づくMIS型FET
の電気特性評価装置(デバイスシミュレータなど)にお
いて、量子力学的効果を無視した古典論による反転層容
量と量子力学的効果を考慮した量子論による反転層容量
の差に相当する基板半導体の厚さ(数nm)を求め、半
導体/ゲート絶縁膜界面から反転層容量の差に相当する
基板半導体の厚さと同じ距離離れた位置の半導体基板中
に半導体/ゲート絶縁膜界面から最も近い格子点を持つ
離散化格子を発生し、半導体/ゲート絶縁膜界面の格子
点ではチャネルを形成する伝導型のキャリア(NFET
の場合には電子、PFETの場合には正孔)の濃度を電
位と擬フェルミ準位で決まる濃度ではなく0に設定し、
半導体/絶縁膜界面の格子点と他の格子点との間のチャ
ネルを形成する伝導型の電流濃度をキャリア濃度、電位
分布、キャリア移動度で決まる電流密度ではなく0に設
定することで、チャネルにおけるキャリアの2次元量子
化を近似的に考慮するようにしたものである。
【0022】請求項1の発明は、半導体素子の電気特性
を評価する装置において、古典論による反転層容量と量
子論による反転層容量との差を求め、その反転層容量の
差に相当する半導体基板の厚さである△zを計算しその
△zを記憶する△z算出手段と、前記評価を行う半導体
素子の構造に対して、Delaunay型の離散化格子を発生さ
せ、その離散化格子を記憶する離散化格子発生手段と、
前記記憶した離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板と
の界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基板
との界面からの距離が前記記憶した△z未満である半導
体基板中の離散化格子点での前記半導体素子のチャネル
の伝導型の電荷の濃度を0にして前記半導体素子の電気
特性を計算する電気特性計算手段と、を有することを特
徴とする。
【0023】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で量子力学的な
効果を近似的に考慮した1次元の計算が可能になるので
ある。
【0024】上記目的を達成するため、請求項2の発明
は、半導体素子の電気特性を評価する方法において、前
記評価を行う半導体素子の構造に対して、Delaunay型の
離散化格子を発生させる離散化格子発生ステップと、前
記記憶した離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板との
界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基板と
の界面からの距離が古典論による反転層容量と量子論に
よる反転層容量との差に相当する半導体基板の厚さであ
る△z未満である半導体基板中の離散化格子点での前記
半導体素子のチャネルの伝導型の電荷の濃度を0にして
前記半導体素子の電気特性を計算する電気特性計算ステ
ップと、を有することを特徴とする。
【0025】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で量子力学的な
効果を近似的に考慮した1次元の計算が可能になる。こ
こで、△zは、予めその値を準備しておいても良いし、
計算するようにしてもよい。
【0026】請求項3の発明は、半導体素子の電気特性
を評価する方法において、前記半導体素子の素子構造情
報、および、ゲート絶縁膜と半導体基板との界面におけ
るチャネルの伝導型情報を入力データとして入力する入
力ステップと、この入力データを記憶する入力データ記
憶ステップと、この記憶された入力データから古典論に
よる反転層容量と量子論による反転層容量との差を求
め、その反転層容量の差に相当する半導体基板の厚さで
ある△zを計算する△z計算ステップと、この計算した
△zを記憶する△z記憶ステップと、前記素子構造情報
を用いて、少なくとも絶縁膜と半導体基板との界面から
前記△zに等しい距離だけ離れた半導体基板中に離散化
格子点を持つDelaunay型の離散化格子を発生させる離散
化格子発生ステップと、前記発生させた離散化格子のう
ち、絶縁膜と半導体基板との界面上の離散化格子点、お
よび、絶縁膜と半導体基板との界面からの距離が前記△
z未満である半導体基板中の離散化格子点での前記入力
データとして入力されたチャネルの伝導型の電荷の濃度
を0にして前記半導体素子の電気特性を計算する電気特
性計算ステップと、この計算した電気特性を出力する出
力ステップと、を有することを特徴とする。
【0027】上記発明によれば、N型あるいはP型のM
ISFETについて、従来の古典論に基づくデバイスシ
ミュレータと同等の計算時間で量子力学的な効果を近似
的に考慮したデバイスシミュレーションが可能になるの
である。
【0028】請求項4の発明は、前記請求項2または3
における離散化格子発生ステップは、絶縁膜と半導体基
板との界面上にある離散化格子点を除いた半導体基板中
の離散化格子点のうち、最も絶縁膜と半導体基板との界
面に近い離散化格子点の絶縁膜と半導体基板との界面か
らの距離を前記△zと等しい離散化格子となるように設
定することを特徴とする。
【0029】上記発明によれば、量子力学的な効果を近
似的に考慮するために必要最小限の離散化格子によって
高速な計算が可能になるのである。
【0030】請求項5の発明は前記請求項3における入
力ステップは、前記半導体素子の絶縁膜と半導体基板と
の界面のうち、一部分がゲート絶縁膜と半導体基板との
界面である場合には、前記半導体素子の素子構造情報、
および、絶縁膜と半導体基板との界面のうちゲート絶縁
膜と半導体基板との界面である部分を入力データとして
入力することを特徴とする。
【0031】上記発明によれば、半導体基板とゲート絶
縁膜との界面以外の半導体と絶縁膜との界面を有する構
造のMIS型FETについて、従来の古典論に基づくデ
バイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的な
効果を近似的に考慮したデバイスシミュレーションが更
に効率の良い計算が可能になるのである。
【0032】請求項6の発明は、前記請求項3における
入力ステップは、前記半導体素子が少なくとも2つのゲ
ート絶縁膜を有する場合は、前記半導体素子の素子構造
情報、および、前記少なくとも2つのゲート絶縁膜と半
導体基板との界面におけるそれぞれのチャネルの伝導型
情報を入力データとして入力することを特徴とする。
【0033】上記発明によれば、MISFETを少なく
とも2つ有する構造の半導体素子について、従来の古典
論に基づくデバイスシミュレータと同等の計算時間で量
子力学的な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレー
ションが可能になるのである。
【0034】請求項7の発明は、前記請求項2または3
の電気特性計算ステップは、絶縁膜と半導体基板との界
面に垂直な方向の電界から前記界面上の離散化格子点に
おいてチャネルの伝導型の電荷の2次元量子化が生じる
かどうかを判定する判定ステップと、前記発生させた離
散化格子のうち、前記絶縁膜と半導体基板との界面上の
2次元量子化が生じると判定された離散化格子点、およ
び、前記2次元量子化が生じると判定された離散化格子
点からの距離が前記△z未満である半導体基板中の全て
の離散化格子点でのチャネルの伝導型の電荷の濃度を0
にして前記半導体素子の電気特性を計算するステップ
と、を有することを特徴とする。
【0035】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレーション
が、2次元量子化が起こらないバイアス状態の場合を含
めて可能になるのである。
【0036】請求項8の発明は、前記請求項7における
判定ステップは、その格子点における半導体基板中の不
純物濃度を基準にして、絶縁膜と半導体基板との界面に
垂直な方向の電界から前記界面上の離散化格子点におい
てチャネルの伝導型の電荷の2次元量子化が生じるかど
うかを判定することを特徴とする。
【0037】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータにおい
て、2次元量子化が起こらないバイアス状態であるかど
うか、あるいは、2次元量子化が起こらない半導体と絶
縁体との界面であるかどうかをより正確に判定でき、精
度の高い計算が可能になるのである。
【0038】請求項9の発明は、前記2,3または7に
おける電気特性計算ステップは、電荷の保存方程式を数
値的に解くに際して必要となる2つの離散化格子点の間
の電流密度のうち、少なくとも一方の離散化格子点が前
記チャネルの伝導型の電荷の濃度を0にした離散化格子
点である場合には、前記2つの離散化格子点の間の前記
チャネルの伝導型の電荷の電流密度を0として電荷の保
存方程式を解くことを特徴とする。
【0039】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で量子力学的な
効果を近似的に考慮した2次元ないし3次元の計算が可
能になるのである。
【0040】請求項10の発明は、前記請求項3におけ
る△z計算ステップは、絶縁膜と半導体基板との界面に
垂直な方向の電界から△zを計算することを特徴とす
る。
【0041】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータにおい
て、2次元量子化による古典論との差をより正確に考慮
できる精度の高い計算が可能になるのである。
【0042】請求項11の発明は、前記請求項3におけ
る△z計算ステップは、絶縁膜と半導体基板との界面に
垂直な方向の電界は場所についての依存性を有すること
を考慮して各離散化格子点における前記△zを計算する
ことを特徴とする。
【0043】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータにおい
て、2次元量子化による古典論との差をより正確に考慮
できる精度の高い計算が可能になるのである。
【0044】請求項12の発明は、前記請求項3におけ
る△z計算ステップは、絶縁膜と半導体基板との界面に
垂直な方向の電界は場所についての依存性を有すること
を考慮して、各格子点における前記△zについて電子と
正孔とを個別に計算することを特徴とする。
【0045】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータにおい
て、NFETとPFETの両方についての精度の高い計
算が可能になるのである。
【0046】請求項13の発明は、前記2または3にお
ける電気特性計算ステップは、2次元量子化が生じると
判断された絶縁膜と半導体基板との界面からの距離が、
前記△z未満である半導体基板中での電荷の生成あるい
は消滅の密度を0として電荷の保存式を解くことで電気
特性を計算することを特徴とする。
【0047】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータにおい
て、電荷の生成あるいは再結合の影響を考慮した計算が
可能になるのである。
【0048】請求項14の発明は、前記請求項2または
3における電気特性計算ステップは、絶縁膜と半導体基
板との界面からの距離が前記△zと等しい距離離れた位
置に界面準位を有する界面があるとして、Poisson方程
式を解くことを特徴とする。
【0049】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータにおい
て、半導体と絶縁体との界面における界面準位の影響を
考慮した計算が可能になる。
【0050】請求項15の発明は、前記請求項2または
3における電気特性計算ステップは、絶縁膜と半導体基
板との界面からの距離が前記△zと等しい距離離れた位
置に界面準位を有する界面があるとして、Poisson方程
式及び電荷の方程式を解くことを特徴とする。
【0051】上記発明によれば、電荷の方程式について
も絶縁膜と半導体基板との界面からの距離が前記△zと
等しい距離離れた位置に界面準位を有する界面があると
するので、請求項14の効果に加え、さらに精度の高い
デバイスシミュレーションが可能となるのである。
【0052】請求項16の発明は、前記請求項2または
3における請求項電気特性計算ステップは、チャネルの
伝導型の電荷の濃度は常に0である以外は基板である半
導体と同じ物理的性質を有する仮想的な物質を想定し、
評価を行う素子構造の、反転層容量の差に相当する半導
体基板の厚さと同じ厚さの半導体基板と絶縁膜との界面
の半導体基板領域を前記仮想的な物質で置き換えるステ
ップと、前記素子構造の電気特性評価を古典論に基づい
て電気的特性の計算を行うことを特徴とする。
【0053】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮したデバイスシミュレータがより
容易に実現可能になるのである。
【0054】請求項17の発明は、前記請求項2または
3における電気特性計算ステップは、チャネルの伝導型
の電荷の濃度は常に0であり、かつ、チャネルの伝導型
の電荷の電流密度は0である以外は基板である半導体と
同じ物理的性質を有する仮想的な物質を想定し、評価を
行う素子構造の、反転層容量の差に相当する半導体基板
の厚さと同じ厚さの半導体基板と絶縁膜との界面の半導
体基板領域を前記仮想的な物質で置き換えるステップ
と、前記素子構造の電気特性評価を古典論に基づいて行
うステップと、を有することを特徴とする。
【0055】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、量子力学的
な効果を近似的に考慮した2次元ないし3次元のデバイ
スシミュレータがより容易に実現可能であるのである。
【0056】請求項18の発明は、前記請求項2乃至1
7における絶縁膜は、ゲート絶縁膜であることを特徴と
する。
【0057】上記発明によれば、従来の古典論に基づく
デバイスシミュレータと同等の計算時間で、半導体基板
とゲート絶縁膜との界面における電荷の2次元量子化を
近似的に考慮した1次元ないし3次元のデバイスシミュ
レーションが可能になる。
【0058】上述した本発明に係る方法は、コンピュー
タプログラムとして記述することができ、このコンピュ
ータプログラムを記録媒体に保存することができる。こ
の記録媒体をコンピュータシステムによって読み込ま
せ、前記プログラムを実行してコンピュータを制御しな
がら上述した電気特性評価方法を実現することができ
る。
【0059】上記目的を達成するため、請求項19の発
明は、半導体素子の電気特性を評価するプログラムを記
録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記評価を行う半導体素子の構造に対して、Delaunay型
の離散化格子を発生させる離散化格子発生ステップと、
前記記憶した離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板と
の界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基板
との界面からの距離が古典論による反転層容量と量子論
による反転層容量との差に相当する半導体基板の厚さで
ある△z未満である半導体基板中の離散化格子点での前
記半導体素子のチャネルの伝導型の電荷の濃度を0にし
て前記半導体素子の電気特性を計算する電気特性計算ス
テップと、を有することを特徴とする。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気特性評価
装置、電気特性評価方法、及び、電気特性評価プログラ
ムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実
施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0061】本発明に係る電気特性評価装置のハードウ
エア構成は、各種処理を行うためのCPUと、キーボー
ド、マウス、ライトペン、又はフレキシブルディスク装
置等の入力装置と、メモリ装置やディスク装置等の外部
記憶装置と、ディスプレイ装置、プリンタ装置等の出力
装置等とを備えた通常のコンピュータシステムを用いて
もよい。なお、前記CPUは、後述する各ステップにお
ける処理等を行う演算部と、前記処理の命令を記憶する
主記憶部とを具備する。従って、本発明に係る電気特性
評価装置は、以下に示す電気特性評価方法の処理につい
て、処理過程で使用するデータ等を前記外部記憶装置等
に保存しつつCPUが後述する各ステップの処理を進め
ていくものである。
【0062】第1の実施の形態 図1は、本発明に係る電気特性評価装置を示すブロック
図である。この電気特性評価装置は、半導体素子の素子
構造情報、および、ゲート絶縁膜と半導体基板との界面
におけるチャネルの伝導型情報を入力データとして入力
手段11より入力し、この入力データを記憶手段13に
記憶し、△z算出手段21にて、古典論による反転層容
量と量子論による反転層容量との差を求め、その反転層
容量の差に相当する半導体基板の厚さである△zを計算
しその△zを記憶手段13に記憶する。そして、離散化
格子発生手段23にて、評価を行う半導体素子の構造に
対して、Delaunay型の離散化格子を発生させ、その離散
化格子を記憶手段13により記憶する。そして、電気特
性計算手段25により、記憶した離散化格子のうち、絶
縁膜と半導体基板との界面上の離散化格子点、および、
絶縁膜と半導体基板との界面からの距離が記憶した△z
未満である半導体基板中の離散化格子点での半導体素子
のチャネルの伝導型の電荷の濃度を0にして前記半導体
素子の電気特性を計算して、その結果を出力手段15へ
出力する。
【0063】第1の実施形態として、SiのN型MOS
FETの電気特性を評価する1次元の電気特性評価方法
を説明する。図2は、本実施形態のソフトウェアのフロ
ーチャートである。このフローチャートの処理は、Pois
son方程式を離散化格子点で離散化して、微小修正量に
ついて方程式を線形化し、微小修正量を求めるための係
数行列を設定し、その行列問題を解いて、微小修正量を
求めるという処理を収束するまで反復するというもので
ある。
【0064】まず、電気特性の評価を行う素子構造を入
力する(ステップS101)。この入力は、プロセスシ
ミュレータによって算出された形状等を入力することが
できる。他の入力方法としては、操作者がマウス等の入
力装置を用いて上述のコンピュータシステムに対して直
接素子形状を入力することもできる。続いて、入力され
た素子構造に係る素子の反転層容量の古典論と量子論の
差に相当するSiの厚さ(以下、Δzと記す)を算出す
る(ステップS102)。この処理では、実際に計算を
行うようにしてもよいが、予めある値を準備しておいて
もよい。例えば、Δzは素子構造や素子に印加したバイ
アスに依存せず一定の値であるという近似を用いること
ができる。ここでは、例えば、1.7nmという値を使
うことができる。
【0065】続いて、Si/SiO2 界面から、その界
面に最も近いSi中の格子点までの距離が先に求めたΔ
zであるDelaunay型の離散化格子を発生させる(ステッ
プS103)。図6はステップS103を説明するため
の離散化格子の状態を時系列に示す図である。ここで
は、ゲート電極1と、ゲート酸化膜3と、Si基板5
と、基板電極7とを有するN型MOSFETの一部を示
してある。まず、このN型MOSFETについて、周知
の方法により離散化格子を発生させる(I)。続いて、
ゲート酸化膜3とSi基板5との界面(Si/SiO2
界面)からステップS102で設定したΔzの位置に最
も近いSi基板中の格子点を探して(IIの円で囲んだ
点)、Si/SiO2 界面から先に探した格子点までの
Si基板上の格子点を削除する(III)。最後に、先
に探した格子点を界面からの距離がΔzになるように移
動させる(IV)。このような処理によって、Si中の
格子点までの距離が先に求めたΔzである離散化格子を
発生させることができる。
【0066】続いて、ゲート電圧やドレイン電圧等のバ
イアスを設定し(ステップS104)、電位、電子濃
度、正孔濃度の初期値を各離散化格子点毎に設定する
(ステップS105)。続いて、設定した電位等を用い
て係数行列を設定し(ステップS106)、設定した行
列を解き(ステップS107)、先に設定した電位、電
子濃度、正孔濃度の値を行列を解くことにより求めた新
たな解に更新する(ステップS108)。
【0067】続いて、Si/SiO2界面の格子点の電
子濃度を0にする(ステップS109)。ここでの処理
では、Si/SiO2界面にある格子点の電子濃度を意
味する変数に0を代入するようにする。なお、本実施形
態では、N型MOSFETについての電気特性の評価を
行っているため、電子濃度を0にするようにしたが、P
型MOSFETについての電気特性の評価を行う場合に
は、正孔濃度を0にするようにすればよい。
【0068】続いて、新たに求めた電位等が収束したか
否かを判定し(ステップS110)、収束していない場
合には、再びステップS106に戻って、係数行列を設
定してその行列を解き、電位等を更新する(ステップS
106乃至S109)。一方、収束したと判定された場
合には、別のバイアスで計算する必要があるか否かを判
定し(ステップS111)、必要であれば、ステップS
104に戻って処理を行う。
【0069】このように、ステップS104乃至S11
0の処理にて、Poisson方程式を離散化格子点で離散化
して、微小修正量について方程式を線形化し、微小修正
量を求めるための係数行列を設定し、その行列問題を解
いて、微小修正量を求めるという処理を収束するまで反
復を行う。
【0070】必要な総てのバイアスについて計算を行っ
た場合には、その計算結果を出力して(ステップS11
2)終了する。
【0071】以上説明したフローチャートに従って実現
した1次元の電気特性評価結果を次に示す。計算に用い
た素子の構造は、ゲート酸化膜厚8nm、N型多結晶シ
リコンゲート電極、アルミニウム基板電極であり、シリ
コン基板中の不純物分布として図7に示すような硼素の
分布を用いた。印加電圧の条件は、基板電圧を0,−
2,−4Vとして、それぞれの基板電圧についてゲート
電圧を0から3Vまで0.1V刻みで変化させた。古典
論と量子論の反転層容量の差に相当するSiの厚さΔz
としては1.7nmという値を用いた。
【0072】本実施形態の電気特性評価の結果を図8に
示す。図8の実線は本実施形態の電気特性評価方法を用
いて計算した反転電子密度のゲート電圧依存性である。
図8の一点鎖線はSchrodinger方程式とPoisson方程式を
自己無撞着に解いて計算した厳密解であり、破線は従来
の古典論に基づく計算結果であり、本実施形態の結果と
比較のために示してある。図8から、実線で示された本
実施形態の電気特性評価方法の計算結果は、破線で示さ
れた古典論に基づく結果と比較して、厳密解である一点
鎖線とほぼ一致しており、本実施形態を用いればSchrod
inger 方程式を解いた場合と同等の高精度の計算を古典
論と同等の計算時間で行えることがわかる。
【0073】第2の実施の形態 次に、第2の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。1次元のMIS型FETの
デバイスシミュレーションは第1の実施の形態で示した
ようにPoisson方程式を解くだけで良いが、2次元ある
いは3次元の電気特性の評価を行うためにはPoisson方
程式だけではなく、電子あるいは正孔の連続の式(保存
式)を解く必要がある。これを実現する例として、N型
のMOSFETの2次元解析を行うためのフローチャー
トを図9に示す。この第2の実施形態を示すフローチャ
ートは、上述の第1の実施形態を示すフローチャートと
比較して、ステップS206の処理が異なるのみであ
る。従って、この実施形態の説明は、同図のSi/Si
2界面の格子点に関わる電子電流を0として、係数行
列を発生するステップS206という処理について説明
する。簡単のため、図10に示した2次元の等間隔矩形
格子を例にとって電子の生成/消滅がない場合について
説明する。
【0074】まず、図10において、格子点BはSi/
SiO2界面上の格子点で、格子点A,C,D,EはS
i基板中の格子点とし、格子点Aの係数行列を設定する
ものとする。格子点Aでの電子の保存は式(4)で表わさ
れる。
【0075】JBA−JAc+JDA−JAE=0 …(4) ここで、JBAは格子点Bから格子点Aへ流れる電子の電
流密度であり、JACは格子点Aから格子点Cへ流れる電
子の電流密度であり、JDAは格子点Dから格子点Aへ流
れる電子の電流密度であり、JAEは格子点Aから格子点
Eへ流れる電子の電流密度である。例えば、JBAは格子
点BとAでの静電ポテンシャルと電子濃度とで表わされ
る。本発明ではSi/SiO2上の格子点Bに関わる電
子電流を0とするため、この例ではSi/SiO2界面
上の格子点である格子点Bに関わる電子電流JBAを0と
して、式(4)の代わりに式(5)を用いる。
【0076】 −JAC+JDA−JAE=0 …(5) この処理を行うことによって、ステップS209でSi
/SiO2界面上の格子点における電子濃度を0にして
も、Si/SiO2界面上の格子点以外の格子点では電
子の保存則を満足する数値解を得ることが可能になる。
【0077】第3の実施の形態 次に、第3の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。本実施形態では、図11に
示すような素子の電気特性を数値的に求める場合を考え
る。図11に示した素子は界面101から界面105ま
での絶縁体と半導体基板の界面がある。これらの界面の
うちゲート酸化膜と半導体基板の界面は界面103であ
る。そのため界面103ではキャリアの2次元量子化が
起こるが、それ以外の界面では2次元量子化が起こらな
い。そのため、絶縁体と半導体基板の界面103だけで
2次元量子化の効果を考慮すればよい。
【0078】この部分的に本発明を適用する場合には、
例えば次のように行うことができる。図11に示すよう
にx軸を横に、y軸を縦に設定して、y=y0の位置に
2次元量子化を考慮すべき絶縁体と半導体基板の界面が
あるとの指定を素子構造入力ステップS201で入力デ
ータとして入力するようにする。これにより、図11の
103の絶縁体と半導体基板の界面がゲート絶縁膜と半
導体の界面であることを認識し、この指定された界面に
おいてのみ第2の実施の形態に示した処理を行うように
する。
【0079】このように、本実施形態の如く部分的に適
用することにより、上記の実施形態と同等の精度で、さ
らに処理時間を短縮して行うことができる。
【0080】第4の実施の形態 次に、第4の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。本実施形態では、図12に
示すようなCMOSインバータ回路の電気特性を数値的
に求める場合を考える。
【0081】図12には201から209までの絶縁体
と半導体基板の界面がある。これらの界面のうちゲート
酸化膜と半導体基板の界面は201と205である。そ
のため201と205の界面ではキャリアの2次元量子
化が起こるが、それ以外の界面では2次元量子化が起こ
らない。また、201は電子をキャリアとするNFET
のゲート酸化膜であり、205は正孔をキャリアとする
PFETのゲート酸化膜であるので、201のゲート酸
化膜では電子の2次元量子化が起こり、205のゲート
酸化膜では正孔の2次元量子化が起こる。そのため、2
01及び205の界面のみ2次元量子化の効果を考慮す
ればよい。
【0082】このような素子の電気特性を数値的に求め
る電気特性の評価は、例えば次のように行うことができ
る。図12のようにx軸を横に、y軸を縦に設定して、
y=y0かつx<x0の位置に電子の2次元量子化を考慮
すべき絶縁体と半導体基板の界面があり、y=y0かつ
x>x0の位置に正孔の2次元量子化を考慮すべき絶縁
体と半導体基板の界面があるとの指定を素子構造入力ス
テップS201で入力データとして入力するようにす
る。これにより、本実施形態の電気特性評価装置は、図
12の201の絶縁体と半導体基板の界面が電子の2次
元量子化が起こるゲート絶縁膜と半導体の界面であるこ
とと、205の絶縁体と半導体基板の界面が正孔の2次
元量子化が起こるゲート絶縁膜と半導体の界面であるこ
とを認識し、201の界面においては電子について、2
05の界面においては正孔について、それぞれ第2の実
施の形態に示した本発明の処理を行うようにする。この
ように、本実施形態の如く部分的に適用することによ
り、上記の実施形態と同等の精度で、さらに処理時間を
短縮して行うことができる。
【0083】第5の実施の形態 次に、第5の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。本実施形態では、SiのN
型MOSFETの電気特性を評価する1次元の電気特性
評価方法を説明する。図13は本実施形態のソフトウェ
アのフローチャートである。このフローチャートの処理
はPoisson方程式を離散化格子点で離散化して、各離散
化格子点上の物理量(電位、電子濃度など)の微小修正
量について方程式を線形化し、微小修正量を求めるため
の係数行列を設定し、その行列問題を解いて、微小修正
量を求めて、求めた微小修正量を用いて各離散化格子点
上の物理量の更新を行うという処理を収束するまで反復
するというものである。
【0084】まず、電気特性の評価を行う素子構造を入
力する(ステップS301)。この入力はプロセスシミ
ュレータによって算出された形状、不純物分布などを用
いて入力することができる。他の入力方法としては、操
作者がマウスなどの入力装置を用いて上述のコンピュー
タシステムに対して直接素子形状を入力することもでき
る。続いて、入力された素子構造に関わる素子の反転層
容量の古典論と量子論との差に相当するSiの厚さ(以
下、Δzと記す)を算出する(ステップS302)。こ
の処理では、例えば、Δzは素子構造や素子に印加した
バイアスに依存せず一定の値であるという近似を用いる
ことができる。ここでは、例えば、1.7nmという値
を使うことができる。
【0085】続いて、Si/SiO2界面から、その界
面に最も近いSi中の格子点までの距離が先に求めたΔ
zであるDelaunay型の離散化格子を発生させる(ステッ
プS303)。ステップS303の処理は、図6を用い
て説明と同様でもよいので、その説明は省略する。
【0086】続いて、ゲート電圧や基板電圧などのバイ
アスを設定し(ステップS304)、電位、電子濃度、
正孔濃度の初期値を各離散化格子点ごとに設定する(ス
テップ305)。ただし、ステップS305において、
Si/SiO2上の界面の離散化格子点の電子濃度の初
期値は0とする。続いて、設定した電位などを用いて微
小修正量を求めるための係数行列を設定する(ステップ
306)。ただし、ステップS306において、Si/
SiO2上の界面の離散化格子点上の電子濃度の微小修
正量が0となるような条件を課して係数行列の設定を行
う。次に設定した行列問題を解いて微小修正量を求め
(ステップS307)、先に求めた微小修正量を用いて
先に設定した電位などの物理量を更新する(ステップS
308)。Si/SiO2上の界面の離散化格子点の電
子濃度の初期値は0であり、微小修正量も0であるため
に、ステップS308の処理を行ったあとも、Si/S
iO2上の界面の離散化格子点の電子濃度は0のまま変
化しない。なお、本実施形態では、N型MOSFETに
ついての電気特性評価を行っているため、ステップS3
05とS306においてSi/SiO2上の界面の離散
化格子点の電子濃度が0になるようにしたが、P型MO
SFETについての電気特性評価を行う場合には、正孔
濃度が0になるようにする。
【0087】続いて、先に更新した電位などが収束した
か否かを判定し(ステップS309)、収束していない
場合には、再びステップS306に戻って、係数行列を
設定しその行列を解き、電位などを更新する(ステップ
S306乃至ステップS308)。一方、収束したと判
定された場合には、別のバイアスで計算する必要がある
か否かを判定し(ステップS310)、必要であれば、
ステップS304に戻って再びバイアスの設定ステップ
S304以降の処理を行う。必要な全てのバイアスにつ
いて計算を行った場合には、その計算結果を出力して
(ステップS311)、修了する。
【0088】本実施形態を用いればSchrodinger方程式
とPoisson方程式を自己無撞着に解いた場合と同等の高
精度の計算を古典論に基づく場合と同等の計算時間で行
うことができる。
【0089】第6の実施の形態 次に、第6の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。1次元のMIS型FETの
デバイスシミュレーションは第5の実施の形態で示した
ようにPoisson方程式を解くだけでよいが、素子の2次
元乃至3次元的な構造を考慮した2次元乃至3次元のシ
ミュレーションを行うためにはPoisson方程式だけでは
なく、電子のみ、あるいは正孔のみ、あるいは電子と正
孔の両方の保存の式を解く必要がある。これを実現する
例として、N型MOSFETの2次元解析を行うための
フローチャートを図14に示す。上述の第5の実施形態
を示すフローチャートと比較して、ステップS406の
処理が異なる。従って、この実施形態の説明は、同図の
Si/SiO2界面の離散化格子点に関わる電子電流密
度を0として、係数行列を設定するステップS406と
いう処理については、図10を用いて説明した処理を用
いることができるので、ここではその説明は省略する。
【0090】Si/SiO2界面の格子点の電子濃度の
微小修正量が0になるという条件を課すこと、及び前記
格子点に関わる電子電流密度を0とするために従来の電
子の保存式である上記式(4)ではなく上記式(5)を用いて
係数行列を設定することが本発明の特徴である。この処
理を行うことによって、Si/SiO2界面上の格子点
における電子濃度が0であって、かつ電子の保存則を満
足する数値解を得ることが可能になる。
【0091】第7の実施の形態 次に、第7の実施の形態の電気特性評価方法について、
図面を参照しながら説明する。本実施形態では、図11
に示すような素子の電気特性を数値的に求める場合を考
える。図11に示した素子には101から105までの
絶縁膜と半導体基板との界面がある。これらの界面のう
ちゲート酸化膜と半導体基板との界面は103の界面で
ある。そのため103の界面ではキャリアの2次元量子
化が起こるが、それ以外の界面では2次元量子化が起こ
らない。そのため103の絶縁膜と半導体基板との界面
だけで2次元量子化の効果を考慮すればよい。
【0092】このような、総ての絶縁膜/半導体基板界
面ではなく、一部の絶縁膜/半導体基板界面にのみ本発
明を適用する場合には、例えば次のように行うことがで
きる。図11に示すようにx軸を横にy軸を縦に設定し
て、y=y0の位置に2次元量子化を考慮すべき絶縁膜
と半導体基板の界面があるとの指定を図14の素子構造
入力ステップ401で入力データとして入力するように
する。これによって、本実施形態の電気特性評価装置
は、図11の103の絶縁膜と半導体基板との界面がゲ
ート絶縁膜と半導体の界面であることを認識し、同界面
において電荷の量子力学的な効果を考慮する必要がある
と認識し、同界面においてのみ第6の実施の形態に示し
た処理を行うようにする。このように、本実施形態のご
とく素子の一部分に適用することにより、上記の実施形
態と同様の精度で、さらに処理時間を短縮して行うこと
ができる。
【0093】第8の実施の形態 次に、第8の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。本実施形態では、図12に
示すようなCMOSインバータ回路の電気特性を数値的
に求める場合を考える。
【0094】前述の如く、界面205は正孔をキャリア
とするPFETの半導体基板/ゲート酸化膜界面である
ので、界面201では電子の2次元量子化が起こり、界
面205では正孔の2次元量子化が起こる。そのため、
界面201でのみ電子の2次元量子化を、また、界面2
05でのみ正孔の2次元量子化をそれぞれ考慮すればよ
い。
【0095】このような素子の電気特性を数値的に求め
る電気特性の評価は例えば次のように行うことができ
る。図12のようにx軸を横に、y軸を縦に設定して、
y=y0かつx<x0の位置に電子の2次元量子化を考慮
すべき絶縁膜と半導体基板の界面があり、y=y0かつ
x>x0の位置に正孔の2次元量子化を考慮すべき絶縁
膜と半導体基板の界面があるとの指定を図14の素子構
造入力ステップS401で入力データとして入力するよ
うにする。これによって、本実施形態の電気特性評価装
置は、図12の界面201が電子の2次元量子化が起こ
るゲート絶縁膜と半導体の界面であることと、界面20
5が正孔の2次元量子化が起こるゲート絶縁膜と半導体
の界面であることとを認識し、界面201においては電
子について、界面205においては正孔について、それ
ぞれ第6の実施の形態に示した本発明の処理を行うよう
にする。このように、本実施形態のごとく部分的に適用
することにより、上記の実施形態と同様の精度でさらに
処理時間を短縮して行うことができる。
【0096】第9の実施の形態 次に、第9の実施形態の電気特性評価方法について、図
面を参照しながら説明する。SiのN型MOSFETの
ゲート容量を蓄積領域から反転領域までのゲートバイア
スについて1次元計算する場合を考える。FET中にチ
ャネルが形成されるゲートバイアスが印加されている場
合、電子はチャネル中で2次元量子化されるため第5の
実施の形態で説明した方法によって量子力学的な効果を
近似的に考慮すれば精度の高い計算が可能である。しか
し、FETのチャネル領域に正孔が蓄積する蓄積状態で
あるゲートバイアスが印加されている場合には、電子は
チャネル中では2次元量子化されないので、第5の実施
の形態で説明した方法によって量子力学的な効果を近似
的に考慮すれば、逆に精度の低い計算になってしまう。
これは2次元量子化が生じていないにもかかわらず、第
5の実施の形態で説明した方法によるとあたかも2次元
量子化が生じているかのような評価を行ってしまうから
である。これを解決する方法を第5の実施形態の電気特
性評価方法として、フローチャートを示す図15を用い
て説明する。
【0097】本実施形態のフローチャートを示す図15
と第5の実施形態のフローチャートを示す図13との違
いの一つは、図15のステップS505の処理である。
ステップS505では、図13のステップS405とは
異なり、Si/SiO2界面の格子点での電子濃度を0
にしない。
【0098】更に、本実施形態のフローチャートを示す
図15と第5の実施形態のフローチャートを示す図13
との違いはステップS506とS507の有無である。
ステップS506は、Si/SiO2界面にある格子点
について、その格子点では電子の2次元量子化が生じる
かどうかを判定する。この判定は、Si/SiO2界面
に垂直な方向の電界から判定して、その結果を記録して
用いることができる。このステップは2次元量子化が生
じるかどうかを、例えば近似的にSi/SiO2界面上
の離散化格子点での電界の正負の符号から反転領域であ
るか蓄積領域であるかを判定し、結果を結果保存用の変
数に設定することにより実現することができる。
【0099】ステップS507では、ステップS506
において2次元量子化が生じると記録されたSi/Si
2界面の離散化格子点の電子濃度を0にする処理を行
う。第5の実施形態ではステップS505において全て
のSi/SiO2界面の離散化格子点の電子濃度を0に
する処理を行ったが、本実施形態ではステップS506
において2次元量子化が生じると記録されたSi/Si
2界面の離散化格子点の電子濃度を0にする処理を行
う。
【0100】更に、本実施形態のソフトウェアのフロー
チャートを示す図15と第5の実施形態のソフトウェア
のフローチャートを示す図13との他の違いはステップ
S508である。第5の実施形態のフローチャートを示
す図13では全てのSi/SiO2上の離散化格子点に
おいて、その格子点の電子濃度の微小修正量が0になる
よう条件を課して係数行列を設定した(ステップS30
6)が、本実施形態では、2次元量子化が生じると記録
されているSi/SiO2界面上の離散化格子点のみ
で、電子濃度の微小修正量が0になるよう条件を課す
(ステップS506)。次に、ステップS506におい
て2次元量子化が生じると記録されたSi/SiO2
面の離散化格子点の電子濃度が常に0になるようにする
(ステップS507,S508)このように本実施の形
態によって、キャリアの2次元量子化が生じないバイア
スの場合には、量子力学的な効果を近似的に考慮すると
いう処理を行わないことが可能になり、蓄積状態である
バイアス条件の場合でも精度の高い評価が可能になる。
【0101】第10の実施の形態 次に、第10の実施形態の電気特性評価方法について、
図面を参照しながら説明する。第9の実施形態のフロー
チャートを示す図15のステップS506であるSi/
SiO2界面上の格子点について2次元量子化が生じる
かどうかをその格子点上の電界から判定して結果を記録
するという処理を、2次元ないし3次元の素子構造につ
いて計算することができる。本実施形態のフローチャー
トを図16に示す。
【0102】ステップS601乃至S605までの処理
は前の実施形態で説明したので、その説明は省略する。
次に、Si/SiO2界面にある格子点について、その
格子点では電子の2次元量子化が生じるかどうかを、S
i/SiO2界面に垂直な電界から判定して、結果を記
録するという処理を行う(ステップS606)。
【0103】次に、ステップS606において2次元量
子化が生じると判定されたSi/SiO2界面上の離散
化格子点についてのみ第6の実施形態で説明した処理を
行って、電子電流密度と電子濃度とがともに0になる解
を求めるという処理を行う(ステップS607ないしS
610)。
【0104】このように本実施の形態によって、キャリ
アの2次元量子化が生じないSi/SiO2界面では量
子力学的な効果を近似的に考慮するという処理を行わな
いことが可能になり、精度の高い評価が可能になる。
【0105】第11の実施の形態 次に、第11の実施形態の電気特性評価方法について、
図面を参照しながら説明する。上述の実施形態では、△
zを計算せずに固定した値を用いていたが、本実施形態
では、△zの算出処理について特に説明する。図17は
電子の反転層の平均の深さの古典論と量子論との差を実
効電界に対して求めたものである(Y. Ohkura,“Quantu
m Effects in Si n-MOS Inversion Layer at High Subs
trate Concentration, ” Solid-State Elec., 33, 158
1 (1990)) Fig. 4(b))。この結果から反転層の平均の深
さの古典論と量子論との差は、弱いとはいえ、基板濃度
やバイアスによる依存性を持つことがわかる。これは反
転層容量の古典論と量子論との差は弱い(小さい)とは
いえ、基板濃度やバイアスによる依存性があることを意
味する。この依存性を考慮することによって、より精度
の高い評価が可能になる。
【0106】この依存性を考慮することができる第11
の実施の形態のソフトウェアのフローチャートを図18
を用いて説明する。
【0107】上述の如くDelaunay型の離散化格子の発生
を行う(ステップS702)。次に、電位などの物理量
の初期値を設定する(ステップS704)。次に、Si
/SiO2界面上の離散化格子点での電界から、その電
界の場合の反転層容量の古典論と量子論との差に相当す
るSiの厚さΔzの算出を行う(ステップS705)。
このステップS705の実現は、例えば予め図11の結
果を数値化して記録しておき、ステップS705におい
て、この記録した結果を参照し、必要に応じてその結果
のデータの間を補う(補間)ことにより行うことができ
る。
【0108】Si/SiO2界面から、その界面に最も
近いSi基板中の格子点までの距離が前記ステップS7
05において算出したΔzであるDelaunay型の離散化格
子を発生させる(ステップS706)。離散化格子点上
での初期値を設定する必要があるので、初期値設定を行
う(ステップS707)。この処理は、ステップS70
6の処理を行う前の古い離散化格子点上の物理量を補間
して設定することができる。次に、ステップS706で
発生した離散化格子とステップS707で設定した初期
値を用いてPoisson方程式などの物理方程式を解く(ス
テップ708ないしS709)。次に、収束していない
と判定した場合には(ステップS711)、再びΔzの
算出の以降の処理を行う(ステップS705)。
【0109】このように本実施の形態によって、反転層
容量の古典論と量子論との差がバイアスや素子構造など
に依存するということを考慮することができ、更に精度
の高い評価が可能になる。
【0110】第12の実施の形態 次に、第12の実施形態の電気特性評価方法について、
図面を参照しながら説明する。
【0111】第5ないし第11の実施の形態については
2次元量子化が起こるキャリア濃度を0にしたり、前記
キャリアの電流密度が0であるとして係数行列を設定し
ていた。この方法と本質的には同じであるが、よりソフ
トウェアの実現が容易な方法をSi基板のN型MOSF
ETを例にとって図20を用いて説明する。
【0112】ステップS802までの処理は第6の実施
形態と同様でよいので、その説明は省略する。
【0113】次に、電子濃度と電子電流密度とが0であ
る以外はSiと全く同じ物理的性質を有する仮想的な物
質を考え、N型MOSFETのゲート絶縁膜とSi基板
との界面の厚さΔzの領域のSi基板を前記の仮想的な
物質で置き換える(ステップS803)。図20は本実
施形態を説明するためのMOSFETを示す図面であ
る。図中の仮想的な物質306を考慮する。この仮想的
な物質は、電子濃度と電子電流密度は常に0である以外
はSiと同じ物理的な性質を持つものとして設定する。
【0114】ステップS804とS805は前の実施形
態で説明したのでその説明は省略する。
【0115】次に、物理量の初期値の設定を行う(ステ
ップS806)。このとき、ゲート酸化膜とSi基板と
の界面はSiではなく、前記仮想的な物質で置き換えら
れているために、前記界面での電子濃度は0に設定され
る。この処理は、電位、正孔濃度の初期値の設定は通常
のSiの場合と同様に行い、電子濃度の初期値の設定は
通常の絶縁体の場合と同様に行うことで、容易に実現で
きる。
【0116】次に、前記仮想的な電子濃度と電子電流密
度が0であることを考慮して微小修正量を求めるための
係数行列の設定を行う(ステップS807)。この処理
は、正孔濃度と正孔電流密度が関わる係数行列の設定は
通常のSiの場合と同様に行い、電子濃度と電子電流密
度が関わる係数行列の設定については、通常の絶縁膜の
領域が関わる係数行列の設定と同様に、電子濃度と電子
電流密度が0であるとして行うことで、容易に実現でき
る。これ以降の処理は前の実施形態で説明したのでその
説明は省略する。
【0117】このように、本実施形態のように、電子濃
度と電子電流密度とが0である以外はSiと全く同じ物
理的性質を有する仮想的な物質を考え、この物質を用い
て処理を行うことにより、従来の電気特性評価装置の極
一部の改良によってキャリアの量子力学的な効果を近似
的に評価することが可能な電気特性評価装置を実現する
ことが可能になる。
【0118】本実施形態ではNFETを例に説明したの
で、電子濃度と電子電流密度とが0である以外はSiと
全く同じ物理的性質を有する仮想的な物質を考えたが、
PFETの場合には正孔濃度と正孔電流密度とが0であ
る以外はSiと全く同じ物理的性質を有する仮想的な物
質を考えればよい。
【0119】なお、上述した電気特性評価方法を実現す
るためのプログラムは記録媒体に保存することができ
る。この記録媒体をコンピュータシステムによって読み
込ませ、前記プログラムを実行してコンピュータを制御
しながら上述した電気特性評価方法を実現することがで
きる。ここで、前記記録媒体とは、メモリ装置、磁気デ
ィスク装置、光ディスク装置等、プログラムを記録する
ことができるような装置が含まれる。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電気特
性評価装置、電気特性評価方法、及び、電気特性評価プ
ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体によれば、古典論のシミュレータと同等の計算時間
で、量子力学的な効果を近似的に考慮でき、半導体基板
の不純物分布が均一ではない場合にも適応できる、Dela
unay型の離散化を行うMIS型FETの電気特性を評価
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気特性評価装置を示すブロック
図である。
【図2】第1の実施の形態の電気特性評価方法のフロー
チャートを示す図である。
【図3】従来から知られているDelaunay型の離散化格子
を示す図である。
【図4】従来から知られているVoronoi型の離散化格子
を示す図である。
【図5】従来から知られているDelaunay型の離散化格子
を用いたデバイスシミュレータで計算が可能な外部回路
を有したデバイスの例である。
【図6】図2のフローチャートのステップS103の処
理方法を説明する図である。
【図7】第1の実施の形態に従って実現したデバイスシ
ミュレータの計算精度を示す例に用いたN型MOSFE
Tの基板の硼素分布である。
【図8】本実施形態を用いた場合と従来の技術による電
気特性評価の計算結果を比較した図である。
【図9】第2の実施の形態の電気特性評価のフローチャ
ートを示す図である。
【図10】図9のフローチャートのステップS206の
処理方法を説明する図である。
【図11】第3の実施の形態を説明する図である。
【図12】第4の実施の形態を説明する図である。
【図13】第5の実施の形態の電気特性評価方法のフロ
ーチャートである。
【図14】第6の実施の形態の電気特性評価方法のフロ
ーチャートである。
【図15】第9の実施の形態の電気特性評価方法のフロ
ーチャートである。
【図16】第10の実施の形態の電気特性評価方法のフ
ローチャートである。
【図17】電子の反転層の平均の深さの古典論と量子論
との差を実効電界に対して計算した結果を示す図表であ
る。
【図18】第11の実施の形態の電気特性評価方法のフ
ローチャートである。
【図19】第12の実施の形態の電気特性評価方法のフ
ローチャートである。
【図20】ステップ803の処理を行って得られた、電
子濃度と電子電流密度とが0である以外はSiと全く同
じ物理的性質を有する仮想的な物質の説明をするための
図である。
【図21】電流増幅率の最大値の逆数とゲート酸化膜厚
との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ゲート電極 3 ゲート酸化膜 5 Si基板 7 基板電極 11 入力手段 13 記憶手段 15 出力手段 20 電気特性評価装置 21 △z算出手段 23 離散化格子発生手段 25 電気特性計算手段 101 素子分離領域と半導体基板の界面 102 素子分離領域と半導体基板の界面 103 ゲート絶縁膜と半導体基板の界面 104 素子分離領域と半導体基板の界面 105 素子分離領域と半導体基板の界面 106 ソースN型拡散層 107 ドレインN型拡散層 108 P型半導体基板 109 ソース電極 110 ゲート電極 111 ドレイン電極 112 酸化膜 201 ゲート絶縁膜と半導体基板の界面 202 素子分離領域と半導体基板の界面 203 素子分離領域と半導体基板の界面 204 素子分離領域と半導体基板の界面 205 ゲート絶縁膜と半導体基板の界面 206 P型半導体基板 207 N型ウェル領域 208 N型拡散層領域 209 P型拡散層領域 210 酸化膜 211 CMOSインバータの出力電極 212 CMOSインバータの接地電極 213 CMOSインバータの電源電極 214 CMOSインバータの入力電極であるゲート電
極 301 ソース電極 302 ゲート電極 303 酸化膜 304 ドレイン電極 305 N型ソース拡散層 306 電子濃度と電子電流密度は常に0である以外は
Siと同じ物理的な性質を持つ仮想的な物質 307 N型ドレイン拡散層 308 p型Si基板 309 基板電極
フロントページの続き (72)発明者 松澤 一也 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平4−48744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 29/00 H01L 21/336

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子の電気特性を評価する装置に
    おいて、 古典論による反転層容量と量子論による反転層容量との
    差を求め、その反転層容量の差に相当する半導体基板の
    厚さである△zを計算しその△zを記憶する△z算出手
    段と、 前記評価を行う半導体素子の構造に対して、Delaunay型
    の離散化格子を発生させ、その離散化格子を記憶する離
    散化格子発生手段と、 前記記憶した離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板と
    の界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基板
    との界面からの距離が前記記憶した△z未満である半導
    体基板中の離散化格子点での前記半導体素子のチャネル
    の伝導型の電荷の濃度を0にして前記半導体素子の電気
    特性を計算する電気特性計算手段と、 を有することを特徴とする電気特性評価装置。
  2. 【請求項2】 半導体素子の電気特性を評価する方法に
    おいて、 前記評価を行う半導体素子の構造に対して、Delaunay型
    の離散化格子を発生させる離散化格子発生ステップと、 前記記憶した離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板と
    の界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基板
    との界面からの距離が古典論による反転層容量と量子論
    による反転層容量との差に相当する半導体基板の厚さで
    ある△z未満である半導体基板中の離散化格子点での前
    記半導体素子のチャネルの伝導型の電荷の濃度を0にし
    て前記半導体素子の電気特性を計算する電気特性計算ス
    テップと、 を有することを特徴とする電気特性評価方法。
  3. 【請求項3】 半導体素子の電気特性を評価する方法に
    おいて、 前記半導体素子の素子構造情報、および、ゲート絶縁膜
    と半導体基板との界面におけるチャネルの伝導型情報を
    入力データとして入力する入力ステップと、 この入力データを記憶する入力データ記憶ステップと、 この記憶された入力データから古典論による反転層容量
    と量子論による反転層容量との差を求め、その反転層容
    量の差に相当する半導体基板の厚さである△zを計算す
    る△z計算ステップと、 この計算した△zを記憶する△z記憶ステップと、 前記素子構造情報を用いて、少なくとも絶縁膜と半導体
    基板との界面から前記△zに等しい距離だけ離れた半導
    体基板中に離散化格子点を持つDelaunay型の離散化格子
    を発生させる離散化格子発生ステップと、 前記発生させた離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板
    との界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基
    板との界面からの距離が前記△z未満である半導体基板
    中の離散化格子点での前記入力データとして入力された
    チャネルの伝導型の電荷の濃度を0にして前記半導体素
    子の電気特性を計算する電気特性計算ステップと、 この計算した電気特性を出力する出力ステップと、 を有することを特徴とする電気特性評価方法。
  4. 【請求項4】 前記離散化格子発生ステップは、 絶縁膜と半導体基板との界面上にある離散化格子点を除
    いた半導体基板中の離散化格子点のうち、最も絶縁膜と
    半導体基板との界面に近い離散化格子点の絶縁膜と半導
    体基板との界面からの距離を前記△zと等しい離散化格
    子となるように設定することを特徴とする請求項2また
    は3のいずれかに記載の電気特性評価方法。
  5. 【請求項5】 前記入力ステップは、 前記半導体素子の絶縁膜と半導体基板との界面のうち、
    一部分がゲート絶縁膜と半導体基板との界面である場合
    には、前記半導体素子の素子構造情報、および、絶縁膜
    と半導体基板との界面のうちゲート絶縁膜と半導体基板
    との界面である部分を入力データとして入力することを
    特徴とする請求項3に記載の電気特性評価方法。
  6. 【請求項6】 前記入力ステップは、 前記半導体素子が少なくとも2つのゲート絶縁膜を有す
    る場合は、前記半導体素子の素子構造情報、および、前
    記少なくとも2つのゲート絶縁膜と半導体基板との界面
    におけるそれぞれのチャネルの伝導型情報を入力データ
    として入力することを特徴とする請求項3に記載の電気
    特性評価方法。
  7. 【請求項7】 前記電気特性計算ステップは、 絶縁膜と半導体基板との界面に垂直な方向の電界から前
    記界面上の離散化格子点においてチャネルの伝導型の電
    荷の2次元量子化が生じるかどうかを判定する判定ステ
    ップと、 前記発生させた離散化格子のうち、前記絶縁膜と半導体
    基板との界面上の2次元量子化が生じると判定された離
    散化格子点、および、前記2次元量子化が生じると判定
    された離散化格子点からの距離が前記△z未満である半
    導体基板中の全ての離散化格子点でのチャネルの伝導型
    の電荷の濃度を0にして前記半導体素子の電気特性を計
    算する計算ステップと、 を有することを特徴とする請求項2または3のいずれか
    に記載の電気特性評価方法。
  8. 【請求項8】 前記判定ステップは、 その格子点における半導体基板中の不純物濃度を基準に
    して、絶縁膜と半導体基板との界面に垂直な方向の電界
    から前記界面上の離散化格子点においてチャネルの伝導
    型の電荷の2次元量子化が生じるかどうかを判定するこ
    とを特徴とする請求項7記載の電気特性評価方法。
  9. 【請求項9】 前記電気特性計算ステップは、 電荷の保存方程式を数値的に解くに際して必要となる2
    つの離散化格子点の間の電流密度のうち、少なくとも一
    方の離散化格子点が前記チャネルの伝導型の電荷の濃度
    を0にした離散化格子点である場合には、前記2つの離
    散化格子点の間の前記チャネルの伝導型の電荷の電流密
    度を0として電荷の保存方程式を解くことを特徴とする
    請求項2,3、または7のいずれかに記載の電気特性評
    価方法。
  10. 【請求項10】 前記△z計算ステップは絶縁膜と半導
    体基板との界面に垂直な方向の電界から△zを計算する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気特性評価方法。
  11. 【請求項11】 前記△z計算ステップは、 絶縁膜と半導体基板との界面に垂直な方向の電界は場所
    についての依存性を有することを考慮して各離散化格子
    点における前記△zを計算することを特徴とする請求項
    3に記載の電気特性評価方法。
  12. 【請求項12】 前記△z計算ステップは、 絶縁膜と半導体基板との界面に垂直な方向の電界は場所
    についての依存性を有することを考慮して、各格子点に
    おける前記△zについて電子と正孔とを個別に計算する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気特性評価方法。
  13. 【請求項13】 前記電気特性計算ステップは、 2次元量子化が生じると判断された絶縁膜と半導体基板
    との界面からの距離が、前記△z未満である半導体基板
    中での電荷の生成あるいは消滅の密度を0として電荷の
    保存式を解くことで電気特性を計算することを特徴とす
    る請求項2または3のいずれかに記載の電気特性評価方
    法。
  14. 【請求項14】 前記電気特性計算ステップは、 絶縁膜と半導体基板との界面からの距離が前記△zと等
    しい距離離れた位置に界面準位を有する界面があるとし
    て、Poisson方程式を解くことを特徴とする請求項2ま
    たは3のいずれかに記載の電気特性評価方法。
  15. 【請求項15】 前記電気特性計算ステップは、 絶縁膜と半導体基板との界面からの距離が前記△zと等
    しい距離離れた位置に界面準位を有する界面があるとし
    て、Poisson方程式及び電荷の方程式を解くことを特徴
    とする請求項2または3のいずれかに記載の電気特性評
    価方法。
  16. 【請求項16】 前記電気特性計算ステップは、 チャネルの伝導型の電荷の濃度は常に0である以外は基
    板である半導体と同じ物理的性質を有する仮想的な物質
    を想定し、評価を行う素子構造の、反転層容量の差に相
    当する半導体基板の厚さと同じ厚さの半導体基板と絶縁
    膜との界面の半導体基板領域を前記仮想的な物質で置き
    換えるステップと、 前記素子構造の電気特性評価を古典論に基づいて電気的
    特性の計算を行うことを特徴とする請求項2または3の
    いずれかに記載の電気特性評価方法。
  17. 【請求項17】 前記電気特性計算ステップは、 チャネルの伝導型の電荷の濃度は常に0であり、かつ、
    チャネルの伝導型の電荷の電流密度は0である以外は基
    板である半導体と同じ物理的性質を有する仮想的な物質
    を想定し、評価を行う素子構造の、反転層容量の差に相
    当する半導体基板の厚さと同じ厚さの半導体基板と絶縁
    膜との界面の半導体基板領域を前記仮想的な物質で置き
    換えるステップと、 前記素子構造の電気特性評価を古典論に基づいて行うス
    テップと、 を有することを特徴とする請求項2または3のいずれか
    に記載の電気特性評価方法。
  18. 【請求項18】 前記絶縁膜は、 ゲート絶縁膜であることを特徴とする請求項2ないし1
    7のいずれかに記載の電気特性評価方法。
  19. 【請求項19】 半導体素子の電気特性を評価するプロ
    グラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
    において、 前記評価を行う半導体素子の構造に対して、Delaunay型
    の離散化格子を発生させる離散化格子発生ステップと、 前記記憶した離散化格子のうち、絶縁膜と半導体基板と
    の界面上の離散化格子点、および、絶縁膜と半導体基板
    との界面からの距離が古典論による反転層容量と量子論
    による反転層容量との差に相当する半導体基板の厚さで
    ある△z未満である半導体基板中の離散化格子点での前
    記半導体素子のチャネルの伝導型の電荷の濃度を0にし
    て前記半導体素子の電気特性を計算する電気特性計算ス
    テップと、 を有することを特徴とする電気特性評価プログラムを記
    録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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