JP3352635B2 - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP3352635B2
JP3352635B2 JP23750498A JP23750498A JP3352635B2 JP 3352635 B2 JP3352635 B2 JP 3352635B2 JP 23750498 A JP23750498 A JP 23750498A JP 23750498 A JP23750498 A JP 23750498A JP 3352635 B2 JP3352635 B2 JP 3352635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミシンに関し、特に
液晶ディスプレイの前面に透明なタッチキーを設け、こ
のタッチキーを有効活用することで情報入力手段の構成
を簡単化したものに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、液晶ディスプレイ、ディスプレイ
コントローラ、ディスプレイを駆動する駆動電圧を調整
する電圧調整回路、ディスプレイの表示状態のコントラ
スト(濃淡)を設定する操作部材等を含む表示装置を有
するミシンでは、操作部材でディスプレイの表示状態の
コントラストを設定すると、そのコントラスト設定値が
EEPROMに格納され、このEEPROMから読み出
したコントラスト設定値に対応する制御信号が電圧調整
回路に出力され、ディスプレイを駆動する電圧を調整し
てコントラストが調整される。
【0003】尚、電源投入時の初期コントラストを設定
する方式として、前回の電源OFF時のコントラスト設
定値をEEPROMに格納しておいてそのコントラスト
設定値でコントラストを設定する方式と、毎回同一のコ
ントラスト標準値でコントラストを設定する方式とがあ
る。
【0004】ところで、最近のミシンの表示装置では、
その液晶ディスプレイの前面に透明な複数のタッチキー
を設けたものも実用化され、ディスプレイに表示した複
数の縫目模様のうちから所望の模様を選択する際に、複
数のタッチキーを介して模様を選択する装置も公知であ
る。そして、このような装置でも、液晶ディスプレイの
表示状態のコントラスト(濃淡)を調節する設定用スイ
ッチやボリューム等の濃淡調節用の操作部材がディスプ
レイとは別に(タッチキーとは別に)設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前面に透明な複数のタ
ッチキーを設けた液晶ディスプレイを有するミシンの表
示装置では、タッチキーが主に模様選択を行う為に使用
され、ディスプレイにミシンの使い方に関する情報を表
示させ得るようには構成されていない。そして、ディス
プレイへ表示した複数の表示項目のうちの所望のものを
タッチキーで指示するように構成する場合もあるが、こ
のような場合には特定の表示画面へ復帰するには、表示
画面を順次切換えることでしか復帰できないので、特定
の表示画面へ即座に復帰できないことが多い。
【0006】また、タッチキーを介してディスプレイの
表示状態の濃淡調節を行うような機能を有するものに構
成されていない。しかも、液晶ディスプレイの表示状態
のコントラストの調節を行う為に、濃淡調節用の操作部
材をディスプレイとは別に設けるため部品点数が増えて
製作コストが高価になる。
【0007】また、濃淡調節用の操作部材をディスプレ
イとは別に設けるため、ディスプレイの表示状態のコン
トラストの調節を確実に行うのが難しい。ディスプレイ
の表画面に関係なく、濃淡調節用操作部材を介して濃淡
を調節可能になっているため、表示状態の濃淡を調節す
る必要がない場合でも、不用意に濃淡調節用の操作部材
を操作して表示状態の濃淡を変化させてしまう虞もあ
る。
【0008】本発明の目的は、液晶ディスプレイに表示
する種々の表示項目をタッチキーで指示することで種々
の機能を達成可能にすること、部品点数を減らして製作
コストを低減すること、表示状態の濃淡調節を確実に行
えるようにすること、表示状態の不用意な濃淡調節を防
止すること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンは、液
晶ディスプレイと、前記ディスプレイに表示させる為
の、縫製対象の複数の縫目模様の模様情報と、ミシンの
使い方に関わる説明情報と、前記液晶ディスプレイの表
示状態の濃淡調節に関わる調節情報とを含む表示情報を
記憶した情報記憶手段と、前記液晶ディスプレイの前面
に設けられた透明なタッチキーと、前記表示情報中の調
節情報が前記液晶ディスプレイに表示されているとき、
前記タッチキーの操作に基づく設定データを不揮発的に
記憶する設定データ記憶手段と、前記設定データ記憶手
段とは別に設けられ、前記液晶ディスプレイの標準濃淡
に関する標準濃淡情報を不揮発的に記憶する標準濃淡記
憶手段と、前記複数の縫目模様を表示させた模様表示状
態から、前記液晶ディスプレイの画面を模様表示状態以
外の表示状態に切り換える切換え手段と、前記模様表示
状態では前記タッチキーで指示された縫目模様を選択
し、模様表示状態以外の表示状態では表示項目のうち前
記タッチキーで指示された表示項目に対応する表示を行
うように前記液晶ディスプレイを制御し、前記設定デー
タ記憶手段に記憶された設定データが所定の状態に達し
ていない場合には、前記液晶ディスプレイの濃淡が前記
設定データ記憶手段に記憶された設定データに関連する
濃淡になるように、前記液晶ディスプレイを制御し、前
記設定データ記憶手段に記憶された設定データが所定の
状態に達している場合には、設定データが所定の状態に
達していない場合の濃淡に、前記液晶ディスプレイの濃
淡が前記標準濃淡記憶手段に記憶された標準濃淡情報に
関連してなるように、前記液晶ディスプレイを制御する
制御手段とを備えている。
【0010】ディスプレイに表示する為の表示情報は、
複数の縫目模様の模様情報と、ミシンの使い方に関わる
説明情報と、ディスプレイの表示状態の濃淡調節に関わ
る調節情報とを含んでおり、液晶ディスプレイの前面に
は透明なタッチキーが設けられている。模様選択の際に
は、複数の縫目模様が表示され、タッチキーで指示され
た縫目模様が制御手段により選択される。切換え手段に
より、ディスプレイの画面が模様表示状態から切換えら
れると、模様表示状態以外の表示状態となり、ミシンの
使い方に関わる説明情報と、ディスプレイの表示状態の
濃淡調節に関わる調節情報とに基づいて、ディスプレイ
に種々の表示項目が表示される。その表示状態では、タ
ッチキーで指示された表示項目に対応する表示を行うよ
うに、制御手段により表示手段が制御され、表示情報の
内容が切換えられる。
【0011】ここで、ディスプレイの表示状態の濃淡調
節に関わる調節情報を表示した情報において、濃淡調節
キーとしての表示(例えば、「淡」キーや「濃」キー)
に対応するタッチキーを操作することで、表示状態の濃
淡調節を行うことができる。前記濃淡調節キーの操作に
基づく設定データが不揮発的に設定データ記憶手段に記
憶される。前記ディスプレイの標準濃淡は、前記標準濃
淡記憶手段に不揮発的に記憶される。前記設定データ記
憶手段に記憶された設定データが所定の状態に達してい
ない場合には、前記液晶ディスプレイの濃淡が前記設定
データ記憶手段に記憶された設定データに関連する濃淡
になるように、前記液晶ディスプレイが制御され、前記
設定データ記憶手段に記憶された設定データが所定の状
態に達している場合には、設定データが所定の状態に達
していない場合の濃淡に、前記液晶ディスプレイの濃淡
が前記標準濃淡記憶手段に記憶された標準濃淡情報に関
連してなるように、前記液晶ディスプレイが制御され
る。
【0012】こうして、少なくとも、表示状態の濃淡調
節の為に操作部材等をディスプレイとは別に設ける必要
がなくなるから、部品点数を減らして製作コストを低減
できる。そして、それ以外にも、ミシンの使い方に関わ
るスイッチやキー類としてディスプレイへの表示項目と
タッチキーを有効活用できるため、ミシンの使い方に関
わるスイッチやキー類の部品点数を減らして製作コスト
を低減できる。しかも、液晶ディスプレイの表示状態の
濃淡調節を表示画面上において簡単にかつ確実に行える
ようになる。ディスプレイの表示と無関係に、表示状態
の濃淡調節を行えなくなるから、表示状態の不用意な濃
淡調節を防止できる。
【0013】請求項2記載のミシンは、請求項1の発明
において、前記制御手段は、前記設定データ記憶手段に
記憶された設定データが所定の値を越えているか否かに
基づき、前記設定データ記憶手段に記憶された設定デー
タが所定の状態に達している場合であるか否かを判断
し、前記設定データ記憶手段に記憶された設定データが
所定の状態に達している場合には、前記液晶ディスプレ
イの濃淡が標準濃淡になるように、前記液晶ディスプレ
イを制御することを特徴とし、前記設定データ記憶手段
に記憶された設定データが所定の値を越えているか否か
に基づき、前記設定データ記憶手段に記憶された設定デ
ータが所定の状態に達している場合であるか否かが判断
され、前記設定データ記憶手段に記憶された設定データ
が所定の状態に達している場合には、前記液晶ディスプ
レイの濃淡が標準濃淡になる。
【0014】請求項3記載のミシンは、請求項1又は2
の発明において、前記制御手段は、前記設定データ記憶
手段に記憶された設定データが所定の状態に達している
場合には、次回にミシン電源が投入され後に、前記液晶
ディスプレイの濃淡が標準濃淡になるように、前記液晶
ディスプレイを制御することを特徴とし、前記設定デー
タ記憶手段に記憶された設定データが所定の状態に達し
ている場合には、次回にミシン電源が投入され後に、前
記液晶ディスプレイの濃淡が標準濃淡になる。
【0015】請求項4記載のミシンは、請求項1乃至3
のいずれかの発明において、前記制御手段は、前記液晶
ディスプレイの濃淡調整が終了してミシン電源が落とさ
れない間は、前記液晶ディスプレイの濃淡が前記設定デ
ータ記憶手段に記憶された設定データに関連する濃淡に
なるように、前記液晶ディスプレイを制御することを特
徴とし、前記液晶ディスプレイの濃淡調整が終了してミ
シン電源が落とされない間は、前記液晶ディスプレイの
濃淡が前記設定データ記憶手段に記憶された設定データ
に関連する濃淡になる。
【0016】請求項5記載のミシンは、請求項1乃至4
のいずれかの発明において、前記制御手段は、前記液晶
ディスプレイを濃くする為に前記タッチキーが操作され
た操作回数、或いは、前記液晶ディスプレイを薄くする
為に前記タッチキーが操作された操作回数の少なくとも
一方の操作回数に関連する所定の状態に基づき、前記設
定データ記憶手段に記憶された設定データが所定の状態
に達している場合には、前記液晶ディスプレイの濃淡が
標準濃淡になるように、前記液晶ディスプレイを制御す
ることを特徴とし、前記液晶ディスプレイを濃くする為
に前記タッチキーが操作された操作回数、或いは、前記
液晶ディスプレイを薄くする為に前記タッチキーが操作
された操作回数の少なくとも一方の操作回数に関連する
所定の状態に基づき、前記設定データ記憶手段に記憶さ
れた設定データが所定の状態に達している場合には、
記液晶ディスプレイの濃淡が標準濃淡になる。
【0017】請求項6記載のミシンは、請求項1乃至
のいずれかの発明において、前記制御手段は、前記液晶
ディスプレイを濃くする為に前記タッチキーが操作され
た操作回数、及び、前記液晶ディスプレイを薄くする為
に前記タッチキーが操作された操作回数に関連する所定
の状態の範囲に基づき、前記設定データ記憶手段に記憶
された設定データが所定の状態に達している場合には、
前記液晶ディスプレイの濃淡が標準濃淡になるように、
前記液晶ディスプレイを制御することを特徴とし、前記
液晶ディスプレイを濃くする為に前記タッチキーが操作
された操作回数、及び、前記液晶ディスプレイを薄くす
る為に前記タッチキーが操作された操作回数に関連する
所定の状態の範囲に基づき、前記設定データ記憶手段に
記憶された設定データが所定の状態に達している場合に
は、前記液晶ディスプレイの濃淡が標準濃淡になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、電子制
御式ミシンMのミシン本体は、ベッド部1と、脚柱部2
と、アーム部3と、頭部4とを有し、頭部4には、押さ
え足を取付けた押さえ棒7と、縫い針6を取付けた針棒
5とが装着され、ベッド部1には送り歯が設けられ、ミ
シン本体内には、一般式な電子制御式ミシンと同様に、
針棒5を上下駆動する針棒上下動機構と、送り歯を上下
駆動する送り歯上下動機構と、針棒5を左右方向へ揺動
駆動する針棒揺動機構と、送り歯を前後方向へ揺動駆動
する送り歯揺動機構と、針棒上下動機構と送り歯上下動
機構とを駆動するミシンモータ27と、針棒揺動機構を
駆動するステッピングモータ28と、送り歯揺動機構を
駆動するステッピングモータ29と、制御装置20など
が設けられている(図2参照)。
【0019】前記アーム部3の前面には大型の液晶ディ
スプレイ10が設けられ、このディスプレイ10は、例
えば20文字×3行の文字をドットパターンで表示可能
で、文字以外に縫目模様や形象等の図形を複数個表示可
能であり、このディスプレイ10には模様選択や指令信
号入力の為の全部で30個の透明電極からなるタッチキ
ー11が設けられ、タッチキー11の一つを押圧操作す
ることで、表示された縫目模様のうちの所望のものを選
択可能である。
【0020】前記頭部4の近くにおいてアーム部3に
は、起動・停止スイッチ8、糸切りスイッチ14、針位
置切り換えスイッチ15、返し縫いスイッチ16などの
スイッチ類が設けられ、また脚柱部2の上端部前面には
操作パネル9が設けられ、操作パネル9には9個の機能
キー(実用縫いキー91、文字縫いキー92、模様縫い
キー93、使い方キー94(操作用スイッチ手段に含ま
れる)、等々)が設けられている。尚、符号8は、縫製
速度を調節する為のスピードボリュームである。
【0021】次に、ミシンMの制御系の概要について図
2に基いて説明する。
【0022】制御装置20は、入力インターフェース2
1と、CPU22とROM23とRAM24とを含むマ
イクロコンピュータと、出力インターフェース26と、
不揮発性のメモリであるEEPROM25とを有し(R
OM23とEEPROM25が情報記憶手段に相当す
る)、入力インターフェース21には、起動・停止スイ
ッチ13と、操作パネル9と、ディスプレイ10のタッ
チキー11と、タイミング信号発生器40と、その他の
キーやスイッチ類からの信号が供給され、また出力イン
ターフェース26からは、ミシンモータ27と、針棒揺
動用ステッピングモータ28と、送り用ステッピングモ
ータ29と、ディスプレイ10を駆動するディスプレイ
コントローラ30と、駆動電源32から電力の供給を受
けディスプレイ10を駆動する電圧を調整してディスプ
レイコントローラ30に供給する電圧調整回路31とに
夫々駆動電流や駆動パルス信号や制御信号が供給され
る。前記タイミング信号発生器40は、ミシンMの上軸
に連係させて設けられ上軸の回転位相を検出するもので
ある。
【0023】前記マイクロコンピュータのROM23に
は、実用縫い、文字縫い、模様縫いの各々に関する多数
の縫目模様の縫目データ、縫目模様を選択の為の制御プ
ログラムや表示用のデータ、ミシンの使い方に関する説
明情報をディスプレイ10に表示する為の制御プログラ
ムや表示用のデータ、後述のコントラスト設定制御の制
御プログラム、などが予め格納されている。
【0024】ここで、ディスプレイ10の表示状態のコ
ントラスト(濃淡)を調整する為のコントラスト設定キ
ー12(図5参照)について説明すると、先ずミシンM
の電源を投入するとディスプレイ10には図3のように
初期画面が表示されるが、ディスプレイ10の表示状態
のコントラストの濃淡を調節する場合、使い方キー94
を操作すると、ディスプレイ10には図4のように(各
項目が表示された画面が)表示されるので、「画面の濃
淡調節」のところのタッチキー11を操作すると、ディ
スプレイ10には図5のような表示が現れるが、図5の
「淡い」の表示のところのタッチキー11と「濃い」の
表示のところのタッチキー11がコントラスト設定キー
12に相当し、「淡い」のタッチキー11を操作する回
数に応じてコントラストを淡く調整でき、また「濃い」
のタッチキー11を操作する回数に応じてコントラスト
を濃く調整できるように構成してあり、前記コントラス
ト設定キー12の操作に応じてEEPROM2に記憶
されているコントラスト設定値が更新される。尚、本実
施の形態においては、本願発明の請求項1,4に記載の
設定データが、上記コントラスト設定値に相当し、本願
発明の請求項1,4に記載の設定データ記憶手段に記憶
された設定データに関連する濃淡が、このコントラスト
設定値によるにディスプレイ10の濃淡に相当する。ま
た、本実施の形態においては、本願発明の請求項5に記
載の操作回数に関する所定の状態が、上記タッチキー1
1(コントラスト設定キー12)の操作回数に応じたコ
ントラスト設定値に相当する。
【0025】尚、EEPROM2には、前記コントラ
スト設定キー12で設定されたコントラスト設定値を格
納する設定値メモリと、所定のコントラスト最大値を格
納した最大値メモリと、所定のコントラスト最小値を格
納した最小値メモリと、コントラスト最大値とコントラ
スト最小値の略中間的な値の所定のコントラスト標準値
を格納した標準値メモリとが設けられている。本実施の
形態においては、本願発明の請求項1に記載の標準濃淡
情報が、上記コントラスト標準値に相当する。本実施の
形態においては、本願発明の請求項2に記載の所定の値
とは、上記コントラスト最大値やコントラスト最小値に
相当する。
【0026】以下、ミシンMの電源の投入とともに開始
されるコントラスト設定制御のルーチンについて、図6
のフローチャートに基いて説明する。尚、図中Si(i
=1、2、3・・・)は各ステップを示すものである。
【0027】この制御は、ミシンMの電源が投入される
と開始され、次に前記EEPROM25からコントラス
ト設定値(これは、前回のミシン使用時或いはそれ以前
にコントラスト設定キー12を介して設定され記憶され
たものである)やコントラスト最大値やコントラスト最
小値が読み込まれ(S1)、次にコントラスト設定値が
コントラスト最大値よりも大きいか否か判定され(S
2)、その判定の結果YesのときにはS4へ移行し、
またNoのときにはS3へ移行する。
【0028】S3ではコントラスト設定値がコントラス
ト最小値よりも小さいか否か判定され、その判定の結果
YesのときにはS4へ移行し、またNoのときにはS
5へ移行する。S4は、コントラスト設定値がコントラ
スト最小値とコントラスト最大値の間の所定範囲内に入
っていない場合であり、この場合にはEEPROM25
から読み出したコントラスト標準値に基いて電圧調整回
路31へ出力するPWM制御信号(制御パルス)のデュ
ーティ比が演算される(S4)。
【0029】一方、S2とS3において共にNoと判定
された場合、つまりコントラスト設定値がコントラスト
最小値とコントラスト最大値の間の所定範囲内に入って
いる場合には、S5においてEEPROM25から読み
出したコントラスト設定値に基いて電圧調整回路31へ
出力するPWM制御信号のデューティ比が演算される
(S5)。次に、S6においてS5又はS4で決定され
たデューティ比のPWM制御信号が電圧調整回路31へ
出力される。尚、本実施の形態においては、本願発明の
請求項1に記載の、設定データが所定の状態に達してい
ない場合が、上記コントラスト設定値がコントラスト最
小値とコントラスト最大値の間の所定範囲に入っている
場合に相当し、本願発明の請求項6に記載の操作回数に
関連する所定の状態の範囲が、上記コントラスト最小値
とコントラスト最大値の間の所定範囲に相当する。
【0030】その結果、電圧調整回路31は駆動電源か
ら供給される電力の電圧をPWM制御により前記デュー
ティ比に対応する電圧に調整してディスプレイコントロ
ーラ30へ供給するので、ディスプレイコントローラ3
0により駆動されるディスプレイ10の表示状態のコン
トラストは前記デューティ比に対応するコントラストと
なる。尚、その後ミシンMの使用中は、コントラスト設
定キー12を介してコントラスト設定値が変更されるま
で、前記コントラストが維持されるが、コントラスト設
定値が変更されると、EEPROM25のコントラスト
設定値が更新され、それに応じてコントラストも変更さ
れる。
【0031】以上説明したように、電源の投入時に、前
回設定されたコントラスト設定値が所定範囲内の値でな
いときには、予め設定したコントラスト標準値となるよ
うにコントラストを調整するので、前回照明光や日照の
影響などでコントラスト設定値が所定範囲外の異常な値
に設定されていても、ディスプレイ10に可視状態に確
実に表示できるので、ディスプレイ10の表示に基いて
タッチキー11や操作パネル9のスイッチ類を操作して
ミシンMを稼働させることができる。しかも、電源の投
入時に、前回設定されたコントラスト設定値が所定範囲
内の値であるときには、コントラスト設定値となるよう
にコントラストを調整するので、コントラスト調整を殆
ど行う必要がないから、コントラスト調整の頻度を低減
することが出来る。尚、本実施の形態においては、本願
発明の請求項1に記載の、設定データが所定の状態に達
している場合が、上記コントラスト設定値がコントラス
ト最小値とコントラスト最大値との間の所定範囲内の値
でない場合に相当する。
【0032】そして、液晶ディスプレイ10及びタッチ
キー11を使用して、図4の各種項目(「画面の濃淡調
節」等)を表示でき、次に、例えば、「画面の濃淡調
節」の項目をタッチキー11で指示すると、その項目に
対応する図5の画面をディスプレイ10に表示でき、タ
ッチキー11を押圧操作することで、ディスプレイ10
の表示状態の濃淡調節を行うことが可能になる。つま
り、液晶ディスプレイ10及びタッチキー11を、従来
設けられていた各種操作部材として兼用できるため、部
品点数を減らして製作コストを低減することができる。
【0033】しかも、液晶ディスプレイ10及びタッチ
キー11を、濃淡調節の操作部材として兼用できること
から、液晶ディスプレイ10の表示状態の濃淡調節を確
実に行えるようになり、また、ディスプレイ10に濃淡
調節項目に対応する画面が表示されていないときには、
液晶ディスプレイ10の表示状態の濃淡を調節すること
ができないため、液晶ディスプレイ10の表示状態の濃
淡調節を不用意な防止することができる。
【0034】ディスプレイ10とは別に設けた使い方キ
ー94を設けたので、この使い方キー94を操作するこ
とで、ディスプレイ10の表示状態に関係なく、図4の
各項目が表示された画面に即座に切換えることが可能に
なる。実用縫いキー91と文字縫いキー92と模様縫い
キー93とを含む機能別のキーを設けたので、各種機能
を即座に選択することが可能になる。
【0035】尚、前記コントラスト最大値やコントラス
ト最小値やコントラスト標準値は、必ずしもEEPRO
M25に格納する必要はなく、コントラスト設定制御の
制御プログラムに所定の定数として組み込むこともでき
る。尚、前記実施形態のミシンの表示装置は一例を示す
ものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において
種々の変更を付加し、種々のミシンの表示装置に本発明
を適用できることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】請求項1のミシンによれば、前述のよう
に、情報記憶手段、タッチキー、切換え手段、制御手段
を設けたので、ディスプレイの表示状態の濃淡調節に関
わる調節情報を表示した情報において、濃淡調節キーと
しての表示(例えば、「淡」キーや「濃」キー)に対応
するタッチキーを操作することで、表示状態の濃淡調節
を行うことができる。こうして、少なくとも、表示状態
の濃淡調節の為に操作部材等をディスプレイとは別に設
ける必要がなくなるから、部品点数を減らして製作コス
トを低減できる。そして、前記以外にも、ミシンの使い
方に関わるスイッチやキー類としてディスプレイへの表
示項目とタッチキーを有効活用できるため、ミシンの使
い方に関わるスイッチやキー類の部品点数を減らして製
作コストを低減できる。しかも、液晶ディスプレイの表
示状態の濃淡調節を表示画面上において簡単にかつ確実
に行えるようになる。ディスプレイの表示と無関係に、
表示状態の濃淡調節を行えなくなるから、表示状態の不
用意な濃淡調節を防止できる。更に、模様選択状態や濃
淡調節状態において液晶ディスプレイの表示状態の濃淡
を簡単に確実に調節することができる。
【0037】請求項2のミシンによれば、設定データが
所定の値を越えているか否かに基づき、濃淡調節作業を
確実に行える。その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0038】請求項3のミシンによれば、次回にミシン
電源が投入された後に、設定データが所定の状態に達し
ていない場合の濃淡に、前記液晶ディスプレイの濃淡が
なり、濃淡調節作業を確実に行える。その他請求項1又
は2と同様の効果を奏する。
【0039】請求項4のミシンによれば、ミシンの電源
が落とされない間は、設定された設定データに関する濃
淡で、模様選択状態や濃淡調節状態の液晶ディスプレイ
を表示させることができる。その他請求項1乃至3のい
ずれかと同様の効果を奏する。
【0040】請求項5のミシンによれば、濃淡のいずれ
かの操作に関わり、設定データが所定の状態に達してい
ない場合の濃淡に、前記液晶ディスプレイの濃淡が
り、模様選択状態や濃淡調節状態の液晶ディスプレイを
その標準濃淡で表示させることができる。その他請求項
1乃至のいずれかと同様の効果を奏する。
【0041】請求項6のミシンによれば、濃淡の両方の
操作に関わり、設定データが所定の状態に達していない
場合の濃淡に、前記液晶ディスプレイの濃淡がなり、模
様選択状態や濃淡調節状態の液晶ディスプレイをその標
準濃淡で表示させることができる。その他請求項1乃至
5のいずれかと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子制御式ミシンの全
体斜視図である。
【図2】ミシンの制御系の構成図である。
【図3】ディスプレイの初期画面の表示例を示す図であ
る。
【図4】コントラスト設定に至る途中段階の表示例を示
す図である。
【図5】コントラスト設定キーを表示した表示例を示す
図である。
【図6】コントラスト設定制御のルーチンのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
M 電子制御式ミシン 10 液晶ディスプレイ 11 タッチキー 12 コントラスト設定キー 20 制御装置 22 CPU 23 ROM 24 RAM 25 EEPROM 30 ディスプレイコントローラ 91 実用縫いキー 92 文字縫いキー 93 模様縫いキー 94 使い方キー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 19/02 D05B 19/10 G02F 1/13 505 G02F 1/133 575 G09G 3/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶ディスプレイと、 前記ディスプレイに表示させる為の、縫製対象の複数の
    縫目模様の模様情報と、ミシンの使い方に関わる説明情
    報と、前記液晶ディスプレイの表示状態の濃淡調節に関
    わる調節情報とを含む表示情報を記憶した情報記憶手段
    と、 前記液晶ディスプレイの前面に設けられた透明なタッチ
    キーと、 前記表示情報中の調節情報が前記液晶ディスプレイに表
    示されているとき、前記タッチキーの操作に基づく設定
    データを不揮発的に記憶する設定データ記憶手段と、 前記設定データ記憶手段とは別に設けられ、前記液晶デ
    ィスプレイの標準濃淡に関する標準濃淡情報を不揮発的
    に記憶する標準濃淡記憶手段と、 前記複数の縫目模様を表示させた模様表示状態から、前
    記液晶ディスプレイの画面を模様表示状態以外の表示状
    態に切り換える切換え手段と、 前記模様表示状態では前記タッチキーで指示された縫目
    模様を選択し、模様表示状態以外の表示状態では表示項
    目のうち前記タッチキーで指示された表示項目に対応す
    る表示を行うように前記液晶ディスプレイを制御し、前
    記設定データ記憶手段に記憶された設定データが所定の
    状態に達していない場合には、前記液晶ディスプレイの
    濃淡が前記設定データ記憶手段に記憶された設定データ
    に関連する濃淡になるように、前記液晶ディスプレイを
    制御し、前記設定データ記憶手段に記憶された設定デー
    タが所定の状態に達している場合には、設定データが所
    定の状態に達していない場合の濃淡に、前記液晶ディス
    プレイの濃淡が前記標準濃淡記憶手段に記憶された標準
    濃淡情報に関連してなるように、前記液晶ディスプレイ
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするミシ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記設定データ記憶手
    段に記憶された設定データが所定の値を越えているか否
    かに基づき、前記設定データ記憶手段に記憶された設定
    データが所定の状態に達している場合であるか否かを判
    断し、前記設定データ記憶手段に記憶された設定データ
    が所定の状態に達している場合には、前記液晶ディスプ
    レイの濃淡が標準濃淡になるように、前記液晶ディスプ
    レイを制御することを特徴とする請求項1に記載のミシ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記設定データ記憶手
    段に記憶された設定データが所定の状態に達している場
    合には、次回にミシン電源が投入され後に、前記液晶
    ディスプレイの濃淡が標準濃淡になるように、前記液晶
    ディスプレイを制御することを特徴とする請求項1又は
    2に記載のミシン。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記液晶ディスプレイ
    の濃淡調整が終了してミシン電源が落とされない間は、
    前記液晶ディスプレイの濃淡が前記設定データ記憶手段
    に記憶された設定データに関連する濃淡になるように、
    前記液晶ディスプレイを制御することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載のミシン。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記液晶ディスプレイ
    を濃くする為に前記タッチキーが操作された操作回数、
    或いは、前記液晶ディスプレイを薄くする為に前記タッ
    チキーが操作された操作回数の少なくとも一方の操作回
    数に関連する所定の状態に基づき、前記設定データ記憶
    手段に記憶された設定データが所定の状態に達している
    場合には、前記液晶ディスプレイの濃淡が標準濃淡にな
    るように、前記液晶ディスプレイを制御することを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれかに記載のミシン。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記液晶ディスプレイ
    を濃くする為に前記タッチキーが操作された操作回数、
    及び、前記液晶ディスプレイを薄くする為に前記タッチ
    キーが操作された操作回数に関連する所定の状態の範囲
    に基づき、前記設定データ記憶手段に記憶された設定デ
    ータが所定の状態に達している場合には、前記液晶ディ
    スプレイの濃淡が標準濃淡になるように、前記液晶ディ
    スプレイを制御することを特徴とする請求項1乃至
    いずれかに記載のミシン。
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