JP3352632B2 - 超音波照射装置 - Google Patents

超音波照射装置

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JP3352632B2 JP20812398A JP20812398A JP3352632B2 JP 3352632 B2 JP3352632 B2 JP 3352632B2 JP 20812398 A JP20812398 A JP 20812398A JP 20812398 A JP20812398 A JP 20812398A JP 3352632 B2 JP3352632 B2 JP 3352632B2
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武彦 山村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波照射装置に
関し、特に、偏波を有する超音波を発生させるための超
音波照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波照射装置には種々の超音波
振動子が使用されている。例えば、図2は、従来使用さ
れているランジュバン型振動子であって、このランジュ
バン型振動子50は、2個の金属体51A及び51Bの
間に、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電素子52(または
電歪素子)を挟んだサンドイッチ状に構成され、圧電素
子52の中間部には、リン青銅等からなる電極板53が
配置される。そして、金属体51Aと電極板53との
間、及び金属体51Bと電極板53との間に高周波電源
54から高周波電圧が加えられ、放射面より超音波が発
せられる。
【0003】そして、図3(a)に示すように、ランジ
ュバン型振動子50に円錐状部61と、フランジ部62
を介してホーン部63と、音響筒64と、振動板65と
を加え、ランジュバン型振動子50による振動振幅を増
幅し、振動板65の振動により発生した超音波を音響筒
64を通じて空気中に発する。ここで、円錐状部61及
びホーン部63は音響エネルギの集中器として機能す
る。
【0004】この際、図3(b)に示すような応力分布
と振幅分布が得られる。振幅は、フランジ部62におい
て最小となり、振動板65において最大となる。また、
発振波長λの2分の1の長さが図3(a)に示すホーン
部63の長さLに相当する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ランジュ
バン型振動子50等の超音波振動子を使用して超音波を
空気中に発した場合には、縦波としての超音波が空気中
を伝播する。このため、障害物が存在する場合には、発
せられた超音波は、障害物により反射され、障害物の背
後まで達することができないという問題があった。
【0006】そこで、本発明は上記従来の超音波照射装
置における問題点に鑑みてなされたものであって、空気
中に発せられた超音波が障害物の背後まで達することが
可能な超音波照射装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
超音波照射装置であって、2つのランジュバン型振動子
と、該2つのランジュバン型振動子の各々を駆動するた
めの発振器と、互いに異なる材質で形成され、前記2つ
のランジュバン型振動子の各々の端部に備えられた円錐
状部と、前記2つのランジュバン型振動子の軸線が互い
に略々直角に交わるように、前記2つの円錐状部を接続
するフランジ部と、該フランジ部と一体に形成され、前
記円錐状部における振動を増幅するためのホーン部と、
該ホーン部の先端部に固定された振動板とで構成される
ことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、前記振動板を囲繞
する音響筒を備えることを特徴とする。
【0009】そして、請求項1記載の発明によれば、円
錐状部を通過した振動はホーン部内で増幅されて円偏波
状の超音波となって振動板から発せられるため、空気中
に発せられた超音波が障害物の背後まで達することがで
きる。
【0010】請求項2記載の発明によれば、振動板を囲
繞する音響筒を備えるため、対象物に対してより正確に
超音波を照射することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる超音波照射
装置の実施の形態の具体例を図面を参照しながら説明す
る。
【0012】超音波は、気体または液体中では縦波であ
るが、固体内では、縦波と、横波と、表面波で構成され
る。この性質を利用して、気体中に発振される超音波に
縦波と横波をベクトル的に結合させ、単純な縦波等では
なく、偏波面を有する超音波を得るため、以下の構成を
有する超音波照射装置を使用する。
【0013】尚、ここで、偏波とは、複数の波形を合成
させ、または複数の波形の位相を変化させ、単一音源か
ら発生した波形とは異なる波形としたもの、または、正
弦波等にエネルギー等を加えて波形を偏向させたものと
定義される。
【0014】図1は、本発明にかかる超音波照射装置の
一実施例を示す図であって、この超音波照射装置1は、
2つのランジュバン型振動子2A、2Bを駆動するた
め、2つの発振器3A、3Bを有し、これらの発振器3
A、3Bは、互いに位相を0゜乃至90゜変化させるこ
とのできる機能を有し、駆動エネルギが等しくなるよう
に動作させる。
【0015】また、円錐状部4A、4Bは、一方が炭素
鋼、他方がステンレス鋼等の互いに異なる材質で形成さ
れ、音波伝播上、媒体が異なることによって生ずる2つ
の発振器3A、3Bからの超音波が平衡点からのずれを
生じ、これによって粒子変化が発生し、さらにその速度
が粒子速度となり、この変化によって波動が発生する。
【0016】円錐状部4A、4Bは、アルミニウム合金
等で形成されたフランジ部5によって結合され、フラン
ジ部5には、ステンレス鋼で形成され、曲面を有する円
錐状に形成されたホーン部6が結合される。ここで、円
錐状部4A、4B及びホーン部6は音響エネルギの集中
器として機能する。
【0017】そして、2つの発振器3A、3Bは、位相
を調整することのできるパルス駆動によって、前記波動
をさらに強力なものとすることができる。
【0018】偏波は、円錐状部4A、4Bを通過し、互
いに90゜の位相差を有する超音波がフランジ部5によ
って合成される。尚、発振器3A、3Bによってさらに
位相差を明確にすることも可能である。前記円錐状部4
A、4Bを通過した振動はホーン部6内で増幅されて円
偏波状の超音波となって振動板7から発せられ、音響筒
8を介して対象物に達する。この偏波は、縦波または横
波よりも比較的障害物等による影響を受けにくく、空気
中に発せられた偏波を有する超音波は障害物の背後まで
達することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、円錐状部を通過した振動はホーン部内で増
幅されて円偏波状の超音波となって振動板から発せられ
るため、空気中に発せられた超音波が障害物の背後まで
達することが可能な超音波照射装置を提供することがで
きる。
【0020】請求項2記載の発明によれば、振動板を囲
繞する音響筒を備えるため、対象物に対してより正確に
超音波を照射することが可能な超音波照射装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる偏波を有する超音波を発生させ
るための超音波照射装置の概略図である。
【図2】従来の超音波振動子の一例を示す概略図であ
る。
【図3】従来の超音波照射装置の一例を示す図であっ
て、(a)は構成の概略図、(b)は(a)に示した超
音波照射装置の各場所における応力分布と、振動分布を
示す図である。
【符号の説明】
1 超音波照射装置 2A、2B ランジュバン型振動子 3A、3B 発振器 4A、4B 円錐状部 5 フランジ部 6 ホーン部 7 振動板 8 音響筒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのランジュバン型振動子と、 該2つのランジュバン型振動子の各々を駆動するための
    発振器と、 互いに異なる材質で形成され、前記2つのランジュバン
    型振動子の各々の端部に備えられた円錐状部と、前記2つのランジュバン型振動子の軸線が互いに略々直
    角に交わるように、前記2つの 円錐状部を接続するフラ
    ンジ部と、 該フランジ部と一体に形成され、前記円錐状部における
    振動を増幅するためのホーン部と、 該ホーン部の先端部に固定された振動板とで構成される
    ことを特徴とする超音波照射装置。
  2. 【請求項2】 前記振動板を囲繞する音響筒を備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超音波照射装置。
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