JP3352235B2 - スライダ駆動制御方法及びその装置 - Google Patents

スライダ駆動制御方法及びその装置

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JP3352235B2 JP16738394A JP16738394A JP3352235B2 JP 3352235 B2 JP3352235 B2 JP 3352235B2 JP 16738394 A JP16738394 A JP 16738394A JP 16738394 A JP16738394 A JP 16738394A JP 3352235 B2 JP3352235 B2 JP 3352235B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスライダ駆動装置のスラ
イダを自動的に駆動し位置決めするスライダ駆動制御方
法及びその装置に係わり、特にスライダをモータで駆動
するとともにスライダの位置検出手段を備えてスライダ
の位置を検出し、スライダをクローズドループで制御す
るスライダ駆動制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の測定機や加工機に採用されている
スライダ駆動装置の一例を図6に示す。図6において、
スライダ駆動装置50のスライダ32は図示しない摺動
材あるいはベアリング等によってガイド31に沿って移
動自在である。ガイド31には駆動ユニット33と副軸
受け台34が設けられ、駆動ユニット33に設けられた
駆動プーリ33aと副軸受け台34に設けられた従動プ
ーリ34aとの間に駆動ベルト36が張設されている。
駆動プーリ33aは駆動ユニット33に内蔵された減速
機を介してモータ38により駆動される。モータ38に
は回転速度検出器40が具備されている。さらに、駆動
ベルト36には継手37が取り付けられ継手37はスラ
イダ32に固着されている。これによってモータ38を
駆動するとスライダ32がガイド31に沿って移動す
る。また、ガイド31にはスケール41が取り付けられ
るとともにスライダ32には検出ヘッド42が取り付け
られていてスライダ32の位置検出手段が構成されてい
る。
【0003】この装置の駆動制御のブロック図を図7に
示す。図7において、入力部11にスライダ32の目標
位置を入力すると、制御曲線設定部12では入力部11
に入力された目標位置と位置検出手段から出力された目
標位置入力時点のスライダ32の位置検出値Goとの差
から最適な移動制御曲線を演算し、制御周期ごとの目標
位置Sを設定する。移動量指令部13では制御曲線設定
部12から出力された制御周期ごとの目標位置Sと同じ
制御周期のスライダ32の位置検出値Gとの差(S−
G)に制御係数k(制御係数kは駆動機構の特性によっ
て設定し、1より小さい値を用いる。)をかけた値{k
(S−G)}をその制御周期の指令移動量Pとし、モー
タ駆動制御部14に出力する。移動量指令部13からモ
ータ駆動制御部14に出力された指令移動量Pに沿って
モータ38が駆動されると、位置検出手段によってスラ
イダ32の位置が検出され、検出された位置検出値Gが
移動量指令部13にフィードバックされて、同様に次の
制御周期の指令移動量Pがモータ駆動制御部14に出力
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スライ
ダ駆動装置では、制御曲線設定部12でスライダ32が
滑らかに移動するように制御周期ごとの目標位置Sを設
定し、それに沿ってモータ38が回転しても、駆動力が
ある程度大きくないとスライダ32は動き出さない。こ
れは駆動ユニット33・駆動プーリ33a・副軸受け台
34・従動プーリ34a・駆動ベルト36・継手37等
で構成される駆動機構の剛性が十分に大きくないこと等
のため、スライダ32の慣性力やガイド31とスライダ
32との間の摺動抵抗等によって、モータ38の駆動力
が起動後すぐにはスライダ32に伝達されないためであ
る。
【0005】これに対し、制御周期ごとの目標位置Sは
制御周期が進むに従って大きくなるので、スライダ32
が動き出さないと移動量指令部13から出力される指令
移動量P=k(S−G)は次第に大きくなる。駆動機構
の駆動方向の剛性は始めは駆動機構の静的な剛性そのも
のであるが、モータ38が回転され続けていくと駆動機
構が駆動方向に撓むこと等によって駆動機構の駆動方向
の剛性は次第に大きくなる。したがって、モータ38の
駆動力がスライダ32に伝達されるようになるので、駆
動機構の駆動方向の剛性がある程度大きくなった段階で
スライダ32は動き出すが、大きくなった指令移動量P
が一気に出力されるためスライダ32は急に動き出す。
そのために、スライダ32に大きな加速度が加わりスラ
イダ32に振動が発生する。
【0006】図8に示すグラフは前述した従来の制御方
法による起動時の特性を表したものである。横軸は時間
で枠外の数字は制御周期を表している。縦軸は移動距離
である。また、表示量は制御周期ごとに左からスライダ
32の位置検出値G、目標位置S、指令移動量Pであ
る。この例では、制御周期ごとの目標位置Sを第1制御
周期では「2」、第2制御周期では「6」、以下、「1
2」「20」「30」「42」「56」「72」と設定
し、制御係数kを「0.5」と設定している。また、ス
ライダ32は第6制御周期になって動き出し、第6制御
周期で「2」、以下、「6」「12」と移動したと仮定
している。前述したようにPの計算式は次のようにな
る。 P=k(S−G)
【0007】まず、第1制御周期ではG=0であるから
S=2に対してP=1、第2制御周期ではG=0である
からS=6に対してP=3、第3制御周期ではG=0で
あるからS=12に対してP=6、以下、P=10、P
=15となっていく。次に、第6制御周期でG=2とな
ったのでP=0.5×(42−2)=20となり、以下
同様にP=0.5×(56−6)=25、P=0.5×
(72−12)=30となっていく。このグラフで示し
たように、モータ38の駆動に対してスライダ32が追
従しないと、指令移動量Pは1→3→6→10→15と
急激に大きくなっていく。
【0008】以上説明したように、従来の制御方法で
は、駆動機構の剛性が十分に大きくないスライダ駆動装
置を駆動するとスライダ32が振動するために正確な測
定や加工が困難になるとともに、振動が止まってから測
定や加工をしようとすると時間がかかり測定や加工の能
率が低下するという問題がある。
【0009】また、スライダ32の振動の発生を小さく
するには前述した制御係数kを低く設定して指令移動量
Pを小さくする方法もあるが、制御係数kを低く設定す
ると、応答性が低下して位置決め時間が長くなるととも
に外乱に弱くなるという問題がある。さらに、スライダ
32の振動の発生が小さくなるようにクローズドループ
とオープンループを併用したセミクローズドループ方式
を採用する例もあるが、セミクローズドループ方式はク
ローズドループに比べて位置決め精度が悪くなるという
問題がある。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、駆動機構の剛性が十分に大きくないスライダ駆
動装置でも、スライダ駆動時のスライダの振動が小さく
て応答性が高く、正確に短時間で位置決めすることがで
きるとともに、外乱にも強いスライダ駆動制御方法及び
その装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ガイドに沿って移動自在なスライダ32を
モータ38で駆動するとともに、スライダ32の位置検
出値を出力する位置検出手段を備えて、クローズドルー
プで制御するスライダ駆動制御方法を、 (イ)スライダ32の目標位置を入力する。 (ロ)前記目標位置と、前記目標位置入力時点の位置検
出値Goから、制御周期ごとの目標位置Sを設定する。 (ハ)制御周期ごとの目標位置Sと制御周期ごとのフィ
ードバック量Rとの差から、制御周期ごとに指令移動量
Pを算出する。 (ニ)指令移動量Pに沿ってモータ38を駆動する。 (ホ)モータ38に回転量検出器39を備えてモータ3
8の回転量を検出する。 (ヘ)モータ38の回転量の累積量をスライダ32の移
動量に換算した値を求め、これを相当移動量Qとする。 (ト)制御周期の整数倍で監視周期(制御周期をF、監
視周期をTとすると、T=N×F、Nは整数)を設定す
る。 (チ)監視周期の最初の制御周期に、位置検出値Gを検
出する。 (リ)監視周期の最初の制御周期に、相当移動量Qから
位置検出値G及び一つ前の監視周期の補正量δ-1を引い
て差を求め、求めた値を前記整数倍した数Nで等分する
とともに、該等分した値に一つ前の監視周期の補正量δ
-1を加えてその監 視周期の補正量δを算出する。 (ヌ)制御周期ごとに、相当移動量Qからその監視周期
の補正量δを引いた量を前記フィードバック量Rとす
る。 以上のとおりとした。
【0012】また、本発明は前記目的を達成するため
に、ガイドに沿って移動自在なスライダ32をモータ3
8で駆動するとともに、スライダ32の位置検出値を出
力する位置検出手段を備えてクローズドループで制御す
るスライダ駆動制御装置を、 (イ)スラ イダ32の目標位置を入力する入力部11
を設ける。 (ロ)前記目標位置と、前記目標位置入力時点の位置検
出値Goとの差から、制御周期ごとの目標位置Sを設定
する制御曲線設定部12を設ける。 (ハ)制御周期ごとの目標位置Sとフィードバック量演
算部15から制御周期ごとに出力されたフィードバック
量Rとの差から、制御周期ごとの指令移動量Pを算出す
る移動量指令部13を設ける。 (ニ)指令移動量Pに沿ってモータ38を駆動するモー
タ駆動制御部14を設ける。 (ホ)モータ38の回転量を検出する回転量検出器39
をモータ38に設ける。 (ヘ)モータ38の回転量の累積量をスライダ32の移
動量に換算して相当移動量Qを求めるとともに、制御周
期ごとに相当移動量Qからその監視周期の補正量δを引
いた量をフィードバック量Rとして、移動量指令部13
に出力するフィードバック量演算部15を設ける。 (ト)制御周期の整数倍で監視周期(制御周期をF、監
視周期をTとすると、T=N×F、Nは整数)を設定
し、その監視周期の最初の制御周期に、相当移動量Qか
ら同じ制御周期の位置検出値G及び一つ前の監視周期の
補正量δ-1を引いて差を求め、求めた値を前記整数倍し
た数Nで等分するとともに、該等分した値に一つ前の監
視周期の補正量δ-1を加えてその監視周期の補正量δを
算出する補正量演算部16を設ける。 以上のとおりとした。
【0013】
【作用】本発明によれば、制御周期の整数倍で監視周期
(制御周期をF、監視周期をTとすると、T=N×F、
Nは整数)を設定して、位置検出値Gを監視周期ごとに
検出し、同じ制御周期の相当移動量Qから位置検出値G
及び一つ前の監視周期の補正量δ-1を引いて差を求め、
求めた値をNで等分するとともに、その等分した値に一
つ前の監視周期の補正量δ-1を加えてその監視周期の補
正量δを算出する。算出した補正量δをその監視周期内
の制御周期ごとに相当移動量Qから引いた量をフィード
バック量Rとし、移動量指令部13に出力する。移動量
指令部13では制御曲線設定部12から出力された制御
周期ごとの目標位置Sとフィードバック量Rとの差(S
−R)に制御係数k(制御係数kは駆動機構の特性によ
って設定し、1より小さい値を用いる。)をかけた値
{k(S−R)}をその制御周期の指令移動量Pとし、
モータ駆動制御部14に出力する。
【0014】これを一般式で説明すると次のようにな
る。ある監視周期Tt-1で算出された補正量δをδt-1
し、次の監視周期Ttの最初の制御周期における相当移
動量QをQt、位置検出値GをGt、監視周期Ttの最初
の制御周期で新たに算出される補正量δをδtとする
と、δtは(1)式で求められる。 δt=(Qt−Gt−δt-1)/N+δt-1 ……(1) (1)式は次に示す(2)式に変形できる。 δt=(Qt−Gt)/N+(1−1/N)δt-1 ……(2) (2)式を展開すると、 δ1=(Q1−G1)/N (最初のデータは無いの
で、δ0=0) δ2=(Q2−G2)/N+(1−1/N)δ1 =(Q2−G2)/N+(Q1−G1)(1−1/N)/N δ3=(Q3−G3)/N+(1−1/N)δ2 =(Q3−G3)/N+(Q2−G2)(1−1/N)/N +(Q1−G1)(1−1/N)2/N となるから、結局(1)式をQとGで表すと次のように
なる。 δt=(Qt−Gt)/N+(Qt-1−Gt-1)(1−1/N)/N +……+(Q2−G2)(1−1/ N)t-2/ N +(Q1−G1)(1−1/N)t-1/ N ……(3)
【0015】また、監視周期Ttの制御周期Ffのときの
相当移動量QをQf(一つ前の制御周期Ff-1までの回転
量検出器39の累積回転量をスライダ32の移動量に換
算した値)、フィードバック量RをRfとすると、 Rf=Qf−δt ……(4) であるから、制御周期Ffの目標位置SをSf、指令移動
量PをPfとすると、Pfは次のようになる。 Pf=k(Sf−Rf)=k(Sf−Qf+δt) ……(5)
【0016】一般的に、モータ38と回転量検出器39
の間の剛性は十分に大きく(モータ38の回転量がその
まま回転量検出器39で検出される)、Qfは一つ前の
制御周期Ff-1までの指令移動量Pの累積量に等しくな
るから、Qfは一つ前の制御周期Ff-1までの指令移動量
Pによってスライダ32が移動すべき量に相当する。つ
まり、「Sf−Qf」は移動制御曲線から設定される制御
周期Ffの設定移動量である。また、(3)式から補正
量δはスライダ32が設定移動量から遅れた分(Q−
G)により設定される値である。したがって、(5)式
から、指令移動量Pはその制御周期の設定移動量(S−
Q)にスライダ32が設定移動量から遅れた分を取り戻
す量を加えた量に比例することがわかる。
【0017】また、(1)式にN=1を代入すると、 δt=Qt−Gt となるが、N=1の場合は監視周期と制御周期は等し
く、 δt=δf=Qf−Gf となるから、これを(5)式に入れると、 Pf=k{(Sf−Qf)+(Qf−Gf)} =k(Sf−Gf) ……(6) となり、(6)式は従来の技術で説明した制御方法と同
じである。つまり、本発明の制御方法で、N=1の場合
は従来の技術で説明した制御方法と同じとなる。
【0018】さらに、Nは正の整数(本明細書で記載し
ている「整数」とは、正の整数をいう。)で、 1−1/N<1 であり、また、「Q−G」は次第に大きくなるので、 Qt−Gt>Qt-1−Gt-1>……>Q2−G2>Q1−G1 であるから、(3)式から、 δt<{(Qt−Gt)+(Qt-1−Gt-1)+……+(Q2
−G2)+(Q1−G1)}/ N <Qt−Gt となる。これから、Nを大きくすると補正量δはN=1
の場合より小さくなることがわかる。
【0019】つまり、スライダ32が設定移動量(S−
Q)から遅れた分(Q−G)を取り戻すために、指令移
動量Pを算出するときに制御周期ごとの設定移動量(S
−Q)に加算する量は、従来の制御方法では「Q−G」
そのものであるが、本発明の制御方法では(1)式で示
したδtであり、δtは従来の制御方法に比べて小さい値
である。したがって、スライダ32がモータ38の駆動
に対して追従しない場合の各制御周期ごとの指令移動量
Pは、制御係数kを同じにした場合、従来の制御方法よ
りも小さくなることがわかる。
【0020】
【実施例】図2は本発明に係る実施例のスライダ駆動制
御装置の全体構成を示すブロック図である。制御対象の
スライダ駆動装置の一例は図3に示したスライダ駆動装
置30であるが、従来の技術で説明した例のスライダ駆
動装置50に対しモータ38に回転量検出器39が具備
されていることが異なるだけでありそれ以外は同じであ
るので、同一機能部品には同一符号を付して詳細の説明
は省略する。
【0021】図2において、入力部11はスライダの目
標位置を入力する。制御曲線設定部12は入力部11に
入力された目標位置と位置検出手段から出力された目標
位置入力時点のスライダ32の位置検出値Goから最適
な移動制御曲線を演算し、制御周期ごとの目標位置Sを
設定する。移動量指令部13は設定された制御周期ごと
の目標位置Sと後述するフィードバック量演算部15か
ら出力されたフィードバック量Rとの差(S−R)に制
御係数kをかけた値{k(S−R)}を指令移動量Pと
してモータ駆動制御部14に出力する。モータ駆動制御
部14は移動量指令部13から出力された指令移動量P
に沿ってモータ38を駆動する。モータ38が駆動され
ると、モータ38に具備された回転量検出器39からモ
ータ38の回転量が検出されフィードバック量演算部1
5に送られる。フィードバック量演算部15ではモータ
38の回転量の累積量をスライダ32の移動量に換算し
て相当移動量Qを求めるとともに、相当移動量Qと補正
量演算部16から出力された補正量δとの差(Q−δ)
求め、求めた値をフィードバック量Rとして移動量指令
部13に出力する。
【0022】補正量演算部16では制御周期の整数倍で
設定された監視周期(制御周期をF、監視周期をTとす
ると、T=N×F、Nは整数)ごとに、監視周期の最初
の制御周期に、スライダ32の位置検出値Gを検出し、
同じ制御周期の相当移動量Qから位置検出値G及び一つ
前の監視周期の補正量δ-1を引いて差を求め、求めた値
をNで等分するとともに、その等分した値に一つ前の
監視周期の補正量δ-1を加えてその監視周期の補正量δ
を算出する。算出された補正量δは、その監視周期の間
用いられ、制御周期ごとにフィードバック量演算部15
に出力される。
【0023】図1は本発明に係るスライダ駆動制御方法
の実施例のフローチャートである。図1において、入力
部11からスライダ32の目標位置が入力されると(ス
テップ101)、制御曲線設定部12で移動制御曲線が
演算され、制御周期ごとの目標位置Sが設定される(ス
テップ102)。制御周期ごとの目標位置Sが設定され
ると、移動量指令部13では設定された制御周期ごとの
目標位置Sとフィードバック量演算部15から出力され
たフィードバック量Rとの差(S−R)に制御係数kを
かけた値を指令移動量Pとしてモータ駆動制御部14に
出力する(ステップ104)。これによってモータ38
が駆動されると(ステップ105)、モータ38の回転
量が検出されるとともに(ステップ106)、フィード
バック量演算部15でモータ38の回転量の累積量がス
ライダ32の移動量に換算されて相当移動量Qが求めら
れる(ステップ107)。次に、監視周期の最初の制御
周期かどうか判別され(ステップ108)、監視周期の
最初の制御周期でなければ、フィードバック量演算部1
5で相当移動量Qと補正量演算部16から出力された補
正量δとの差(Q−δ)が求められ、求めれた値がフィ
ードバック量Rとして移動量指令部13に出力される
(ステップ110)。さらにスライダ32が入力部11
に入力された目標位置に到達したかどうか判別され(ス
テップ111)、到達していなければステップ103に
戻って同様のステップを継続する。
【0024】また、ステップ108で監視周期の最初の
制御周期であると判別されると、補正量δが更新された
かどうか判別され(ステップ112)、補正量δが更新
されていればステップ109に入り、ステップ108で
監視周期の最初の制御周期でないと判別された場合と同
様にステップ110以降に進む。ステップ112で補正
量δの更新が未完であると判別されると、スライダ32
の位置検出値Gが検出され(ステップ113)、前述し
た内容で補正量δが算出され記憶される(ステップ11
4)。
【0025】図4に示すグラフは前述した本発明の制御
方法による起動時の特性を表したものである。横軸は時
間で、枠外下の数字は上が制御周期を表し、下が監視周
期を表している。縦軸は移動距離である。また、表示量
は制御周期ごとに左からスライダ32の位置検出値G、
目標位置S、指令移動量Pである。この例では、従来の
例と同様に、制御周期ごとの目標位置Sを第1制御周期
では「2」、第2制御周期では「6」、以下、「12」
「20」「30」「42」「56」「72」と設定し、
制御係数k=0.5、N=3(実際の制御ではNはもっ
と大きい数字にするが、ここでは説明を短くするために
小さい数字を用いる)と設定している。また、スライダ
32は第6制御周期になって動き出し、第6制御周期で
「2」、以下、「6」「12」と移動したと仮定してい
る。さらに、モータ38と回転量検出器39の間の剛性
は十分に大きく、指令移動量Pの累積量と相当移動量Q
は等しいとしている。一般式では次のようになる。 Qf=P1+P2+……+Pf-2+Pf-1=Qf-1+Pf-1 ここで、理解しやすいように、前述した各値の計算式の
うち補正量δと指令移動量Pの式を再度記載する。 δt=(Qt−Gt−δt-1)/N+δt-1 ……(1) Pf=k(Sf−Qf+δt) ……(5) なお、計算を簡単にするために小数点以下は切り捨てて
いる。また、各記号に添えた数字は位置検出値Gと補正
量δは監視周期の番号、その他は制御周期の番号とし
た。
【0026】この結果、まず第1監視周期では次のよう
になる。第1制御周期ではそれ以前のデータはないの
で、Q1=0、δ1=0であるから P1=0.5×(2−0+0)=1 第2制御周期では Q2=Q1+P1=0+1=1、δ1=0 P2=0.5×(6−1+0)=2 第3制御周期では Q3=Q2+P2=1+2=3、δ1=0 P3=0.5×(12−3+0)=4
【0027】次に、第2監視周期では次のようになる。
第4制御周期(制御周期は通し番号で呼ぶ)は監視周期
の最初の制御周期であるので補正量δ2 が演算される。 Q4=Q3+P3=3+4=7、G2=0、δ1=0 δ2=(7−0−0)/3+0=2 P4=0.5×(20−7+2)=7 同様に、第5制御周期では Q5=Q4+P4=7+7=14、δ2=2 P5=0.5×(30−14+2)=9 第6制御周期では Q6=Q5+P5=14+9=23、δ2=2 P6=0.5×(42−23+2)=10 第6制御周期からスライダ32が動きだしG=2となっ
ているが、この段階では制御には使用されない。
【0028】さらに、第3監視周期では次のようにな
る。第7制御周期は監視周期の最初の制御周期であるの
で補正量δ3 が演算される。 Q7=Q6+P6=23+10=33、G3 =6、δ2=2 δ3=(33−6−2)/3+2=10 P7=0.5×(56−33+10)=16 同様に、第8制御周期では Q8=Q7+P7=33+16=49、δ3=10 P8=0.5×(72−49+10)=16 第9制御周期以降についても同様であるので説明は省略
する。
【0029】このように、モータ38の駆動に対してス
ライダ32がすぐに追従しなくてもスライダ32が動き
出すときの指令移動量Pは従来の制御方法に比べて小さ
い。図4はN=3の場合であるが、実際にはNはもっと
大きな値を用いるのでこの差がもっと顕著になる。した
がって、従来の制御方法のように起動時にスライダ32
に大きな加速度が加わりスライダ32が振動する可能性
は極めて小さい。
【0030】なお、(5)式から、補正量δtが小さい
方が、つまりNが大きい(監視周期Tが長い)方が指令
移動量Pが小さくなるのでより滑らかな起動ができるこ
とがわかるが、監視周期Tが長過ぎるとスライダ32の
位置の監視が遅れるので正確な位置制御が困難になる。
従って、監視周期Tは駆動機構の用途と特性に合わせて
駆動装置ごとに設定する。
【0031】また、図5に示すグラフは実際に本発明の
制御方法でスライダを駆動した実験結果である。この実
験で駆動したスライダは図3に示したものとは構造が異
なるが、駆動機構はワイヤ駆動でありベルト駆動よりも
剛性は小さい。横軸tは時間、縦軸vは速度で、ある速
度Vをごく短い時間で指令したときのスライダの速度変
化がWa及びWbである。また、Wa(下)はN=2、
Wb(上)はN=30としたもので、Waの制御係数k
はWaの振動が大きくなり過ぎるおそれがあるためWb
の半分弱にした。このグラフから明らかなように、Nが
小さいと振動が大きく発生し、指令速度に安定するまで
に時間がかかることがわかる。また、制御係数kが大き
いと立ち上がり時間が短くなることもわかる。前述した
ように、N=1の場合は従来の制御方法と同じであり、
この実験例のN=2もほぼ従来の制御方法と同様である
といえる。したがって、この実験結果からも本発明の制
御方法の効果を読みとることができる。
【0032】なお、実施例のスライダ駆動装置30では
ベルトにて駆動力を伝達する駆動機構の例で説明した
が、これに限らず、駆動機構はモータで駆動するもので
あればワイヤ駆動、ネジ駆動、ラック駆動等の場合にも
本発明は適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るスライ
ダ駆動制御方法及びその装置よれば、ガイド31に沿っ
て移動自在なスライダ32をモータ38で駆動するとと
もに、スライダ32の位置検出値Gを出力する位置検出
手段を備えて、クローズドループで制御するスライダ駆
動制御方法及び装置を以上のように構成した。これによ
って、スライダ32が設定移動量から遅れた分(Q−
G)を取り戻すために、制御周期ごとの設定移動量(S
−Q)に加算する量が、従来の制御方法に比べて小さく
なるので、スライダ32がモータ38の駆動に対して追
従しない場合の各制御周期ごとの指令移動量Pは、制御
係数kを同じにした場合、従来の制御方法よりも小さく
なる。
【0034】したがって、駆動機構の剛性が十分に大き
くないスライダ駆動装置でも、起動時のスライダの振動
が小さくて応答性が高く、正確に短時間で位置決めする
ことができるとともに、外乱にも強いスライダ駆動制御
方法及びその装置を提供する提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のフローチャート
【図2】本発明に係る実施例のブロック図
【図3】本発明の対象のスライダ駆動装置の一例を示す
【図4】本発明に係る制御方法の実施例の起動時の特性
を示すグラフ
【図5】本発明に係る実施例の実験結果を示すグラフ
【図6】従来のスライダ駆動装置の一例を示す図
【図7】従来の制御装置のブロック図
【図8】従来の制御方法の起動時の特性を示すグラフ
【符号の説明】
101…目標位置入力ステップ 102…制御周期ごとの目標位置設定ステップ 104…移動量演算ステップ 105…モータ駆動ステップ 106…モータ回転量検出ステップ 107…相当移動量演算ステップ 108…制御周期判別ステップ 110…フィードバック量演算ステップ 111…スライダ位置判別ステップ 112…補正量更新判別ステップ 113…スライダ位置検出ステップ 114…補正量演算ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−181115(JP,A) 特開 平1−303507(JP,A) 特開 昭61−133411(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G05B 19/18 - 19/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドに沿って移動自在なスライダをモ
    ータで駆動するとともに、前記スライダの位置検出値を
    出力する位置検出手段を備えて、クローズドループで制
    御するスライダ駆動制御方法において、 前記スライダの目標位置を入力し、 前記目標位置と前記目標位置入力時点の前記位置検出値
    との差から、制御周期ごとの目標位置を設定し、 前記制御周期ごとの目標位置と制御周期ごとのフィード
    バック量との差から、制御周期ごとに指令移動量を算出
    し、 前記指令移動量に沿って前記モータを駆動し、 前記モータに回転量検出器を備えて前記モータの回転量
    を検出し、 前記モータの回転量の累積量を前記スライダの移動量に
    換算して相当移動量を求め、 前記制御周期の整数倍で監視周期を設定し、 前記監視周期の最初の制御周期に、前記位置検出値を検
    出し、該位置検出値及び一つ前の監視周期の補正量を同
    じ制御周期の前記相当移動量から引いて差を求め、求め
    た差を前記整数倍した数で等分するとともに、該等分し
    た値に前記一つ前の監視周期の補正量を加えてその監視
    周期の補正量を算出し、 制御周期ごとに、前記相当移動量から前記その監視周期
    の補正量を引いた量を前記フィードバック量とする、 ことを特徴とするスライダ駆動制御方法。
  2. 【請求項2】 ガイドに沿って移動自在なスライダをモ
    ータで駆動するとともに、前記スライダの位置検出値を
    出力する位置検出手段を備えて、クローズドループで制
    御するスライダ駆動制御装置において、 前記スライダの目標位置を入力する入力部と、 前記目標位置と前記目標位置入力時点の前記位置検出値
    との差から、制御周期ごとの目標位置を設定する制御曲
    線設定部と、 前記制御周期ごとの目標位置とフィードバック量演算部
    から制御周期ごとに出力されたフィードバック量との差
    から、制御周期ごとの指令移動量を算出する移動量指令
    部と、 前記指令移動量に沿って前記モータを駆動するモータ駆
    動制御部と、 前記モータに備えられ前記モータの回転量を検出する回
    転量検出器と、 前記モータの回転量の累積量を前記スライダの移動量に
    換算して相当移動量を求めるとともに、制御周期ごと
    に、前記相当移動量からその監視周期の補正量を引いた
    量を前記フィードバック量として、前記移動量指令部に
    出力する前記フィードバック量演算部と、 前記制御周期の整数倍で監視周期を設定し、該監視周期
    の最初の制御周期に、前記相当移動量から同じ制御周期
    の前記位置検出値及び一つ前の監視周期の補正量を引い
    て差を求め、求めた値を前記整数倍した数で等分すると
    ともに、該等分した値に前記一つ前の監視周期の補正量
    を加えて前記その監視周期の補正量を算出する補正量演
    算部と、 から構成されたことを特徴とするスライダ駆動制御装
    置。
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