JP3351965B2 - 欠陥領域管理方法及び記録再生装置 - Google Patents

欠陥領域管理方法及び記録再生装置

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JP3351965B2
JP3351965B2 JP28112096A JP28112096A JP3351965B2 JP 3351965 B2 JP3351965 B2 JP 3351965B2 JP 28112096 A JP28112096 A JP 28112096A JP 28112096 A JP28112096 A JP 28112096A JP 3351965 B2 JP3351965 B2 JP 3351965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録エラー又は読
み出しエラーの回復処理機能を有する記録再生装置及び
実時間動作においてエラー回復処理を行う欠陥領域管理
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクや光ディスクなどのランダ
ムアクセスが可能な記録再生装置においては記録又は読
み出しの信頼性の向上のために、エラー回復処理機能が
組み込まれている。エラー回復処理機能としては、エラ
ーが発生した領域に再度記録又は読み出しを実行する再
実行処理や、エラーが発生した領域に割り振られていた
論理ブロックアドレスを他の領域に割り当て、そのデー
タを欠陥領域テーブルに登録してエラーが発生した領域
の使用を中止する交替処理などがある。これらのエラー
回復処理は、記録・読み出し処理に比べて処理に時間が
かかり、また、再実行処理の場合には同じ処理を繰り返
すために処理完了時間が推定できないなど実時間動作に
は向かないという問題があった。
【0003】図11を参照して従来の磁気ディスク記録
装置の一例について説明する。図11は従来の磁気ディ
スクの概略構成を示す平面図である。図11において、
磁気ディスク82はデータを磁荷として記録する磁気記
録媒体であり、ヘッド88は電気信号を磁場に、あるい
は磁場を電気信号に変換して、磁気ディスク82上にデ
ータを記録、あるいは磁気ディスク82上のデータを読
み出している。アーム87はヘッド88を支持して、磁
気ディスク82上を移動させるアームである。トラック
83は磁気ディスク82を同心円で区切った記憶領域の
単位である。セクター84は磁気ディスク82の最小ア
クセス単位であり、トラック83を一定容量に区切った
記憶領域の一単位である。論理ブロックアドレス85は
論理的な領域番号である。交替セクター86はエラー発
生時に使用されるセクター84の一つである。各セクタ
ー84には論理的な領域番号である論理ブロックアドレ
ス85が付与されているので、磁気ディスク82上の記
憶領域は論理ブロックアドレス85により一つに特定す
ることができる。
【0004】このような構造を持つ磁気ディクス82に
おいて、磁気ディスク82に記録されたデータを読み出
すために、まず、論理ブロックアドレス85により指定
されたデータが記録されているセクター84は、どのト
ラックのどのセクターに対応するのかを求める。次に、
ヘッド88は求められたセクターが存在するトラック8
3に移動される。さらに、所定のトラック83の位置に
移動したヘッド88は、磁気ディスク82が回転してヘ
ッド88の下に所定のセクター84が到達するまで待
ち、その後、所望のデータを読み出す。データを記録す
る際にも、上記読み出す場合の動作と同様に論理ブロッ
クアドレス85により指定された空いているセクター8
4にヘッド88を移動して記録する。
【0005】論理ブロックアドレス85の記録又は読み
出しを行った際にエラーが発生した場合には、ヘッド8
8の位置を少しだけ移動させたのち記録又は読み出しを
再実行処理する。このような再実行処理は、正常に記録
又は読み出しができるまで所定の回数が繰り返される。
再実行処理を繰り返しても所定のセクター84に記録で
きない場合には、エラーの発生したセクター84に割り
当てられていた論理ブロックアドレス85を交替セクタ
ー86に変更した後、その交替セクター86に対して記
録処理を実行するという交替処理を行う。読み出し処理
では、再実行を所定の回数繰り返した後、読み出すこと
ができた場合には、セクター84に記録されているデー
タを交替セクター86にコピーして、セクター84に割
り当てられていた論理ブロックアドレス85を交替セク
ター86に変更するという交替処理を行う。これらのエ
ラー回復処理においては、所定のセクターの位置にヘッ
ド88が到達するまでの回転待ちがあり、またヘッド8
8の移動が繰り返されている。このため、これらのエラ
ー回復処理は正常時に比べて処理に時間がかかり、実時
間処理などの高速処理が要求される装置には不向きであ
った。
【0006】そこで、上記のような問題を解決するため
に、特開平7−111035号公報に開示された記録再
生装置が提案されている。この公報に開示された記録再
生装置は、一つの記録領域を高い信頼性が要求されるデ
ータを記録する領域と、信頼性よりも速い処理速度が要
求されるデータを記録する領域とに分け、それぞれの記
録領域に応じてエラー回復処理を切替えるよう構成され
ている。この従来の記録再生装置では、記録領域の位置
やその属性、例えば管理領域やデータ領域等、に応じ
て、データの信頼性を重視する記録再生動作と、エラー
回復動作を省いて処理の高速化を重視する記録再生動作
とを使い分けることにより、映像信号などの大量のデー
タを連続して記録する装置として利用することを提案し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の記録再
生装置(特開平7−111035号)では、記録領域を
分割して、記録領域毎にエラー処理を切替える構成であ
るため、記録再生装置のその時の負荷に関わらず、記録
領域の位置やその属性により記録再生動作を選択してい
る。このため、記録再生動作の負荷が変動する場合には
最も負荷の重たい状態を想定して記録再生動作を選択す
るので、負荷が軽くエラー回復動作が実行可能な状態で
あっても、エラー回復動作を行わないという問題があっ
た。本発明は、従来の記憶再生装置における問題を考慮
して、記録領域の位置やその属性だけでなく、エラーが
発生した時のコマンド・キューに記録されている記録要
求又は読み出し要求からエラー処理に利用することがで
きる余裕時間を推定し、この余裕時間に応じてエラー回
復動作を切り替えることができる記憶再生装置および欠
陥領域管理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の欠陥領域管理方法は、複数の記録要求又
は読み出し要求を蓄積する工程と、前記蓄積された記録
要求又は読み出し要求にしたがって記録媒体からのデー
タの読み出し又は記録媒体へのデータの記録を行う工程
と、データの読み出しエラー又は記録エラーが発生した
場合には、前記蓄積された記録要求又は読み出し要求の
実行に必要な時間からエラー処理に利用できる余裕時間
を推定する工程と、エラー処理に必要な時間が異なる複
数のエラー処理方法から推定した前記余裕時間に応じて
エラー処理方法を選択して実行する工程と、を有する。
上記欠陥領域管理方法においては、複数の記録要求又は
読み出し要求を蓄積した後、前記蓄積された記録要求又
は読み出し要求にしたがって、記録媒体からのデータの
読み出し又は記録媒体へのデータの記録を行い、データ
の読み出しエラー又は記録エラーが発生した場合には、
前記蓄積された記録要求又は読み出し要求の実行に必要
な時間からエラー処理に利用できる余裕時間を推定し、
エラー処理に必要な時間の異なる複数のエラー処理方法
から前記推定した余裕時間に応じてエラー処理方法を選
択して実行することにより、エラー処理による記録・読
み出し処理の遅延を削減している。
【0009】また、本発明の欠陥領域管理方法は、複数
の記録要求又は読み出し要求を蓄積する工程と、前記蓄
積された記録要求又は読み出し要求にしたがって記録媒
体からのデータの読み出し又は記録媒体へのデータの記
録を行う工程と、データの読み出しエラー又は記録エラ
ーが発生した場合には、前記蓄積された記録要求又は読
み出し要求の実行に必要な時間からエラー処理に利用で
きる余裕時間を推定する工程と、エラー処理に必要な時
間が異なる複数のエラー処理方法から、予め記録要求又
は読み出し要求毎に指定された動作を考慮して、前記複
数のエラー処理方法の全てあるいは一部のエラー処理方
法を推定した前記余裕時間に応じて選択して実行する工
程と、を有する。上記欠陥領域管理方法においては、複
数のエラー処理方法から予め記録要求又は読み出し要求
毎に指定された動作を考慮して、前記複数のエラー処理
方法の全てあるいは一部のエラー処理方法を前記推定し
た余裕時間に応じて選択して実行することにより、記録
又は読み出されるデータに要求される最低限の信頼性を
保証し、さらに記録要求又は読み出し要求に遅延を生じ
させない範囲において、さらに信頼性を高めることがで
きる。
【0010】さらに、本発明の欠陥領域管理方法は、エ
ラーが発生した領域の位置データを第1の欠陥領域テー
ブルに記録し、エラーが発生した当該領域に記録する又
は記録されているデータを他の領域に記録する交替処理
を行った後に、前記第1の欠陥領域テーブルに記録され
た領域が利用不可能な領域か否かを判定し、利用不可能
と判定された場合には当該領域の位置データを第2の欠
陥領域テーブルに記録し、利用可能と判定された場合に
は前記第1の欠陥領域テーブルから当該領域の位置デー
タを削除して、以後当該領域を利用可能とするエラ−処
理方法を有している。上記欠陥領域管理方法において
は、エラーが発生した領域の位置データを第1の欠陥領
域テーブルである仮欠陥領域テーブルに記録し、エラー
が発生した当該領域に記録するデータ又は記録されてい
るデータを他の領域に記録する交替処理を行った後に、
前記第1の欠陥領域テーブルに記憶された当該領域が利
用不可能な領域か否かを判定し、利用不可能と判定され
た場合には当該領域の位置データを第2の欠陥領域テー
ブルである欠陥領域テーブルに記録し、利用可能と判定
された場合には前記第1の欠陥領域テーブルから削除し
て利用可能とすることにより、交替処理の実施によるエ
ラー領域の増加を防ぐことができる。
【0011】また、本発明の記録再生装置は、複数の記
録又は読み出し要求を蓄積する要求蓄積手段と、前記要
求蓄積手段に蓄えられた記録要求又は読み出し要求にし
たがって、記録媒体からのデータの読み出し又は記録媒
体へのデータの記録を行う記録読み出し手段と、前記要
求蓄積手段に蓄えられた記録又は読み出し要求の実行に
必要な時間からエラー処理に利用できる余裕時間を推定
する余裕時間推定手段と、前記記録読み出し手段におけ
る読み出しエラー又は記録エラーの処理に要する時間が
異なる複数のエラー処理方法から前記余裕時間推定手段
において推定した余裕時間に応じてエラー処理方法を選
択的に実行可能なエラー処理実行手段と、を有する。こ
のため、本発明の記録再生装置は、エラー回復処理が記
録領域の位置やその属性だけでなく、記録要求又は読み
出し要求からエラー処理に利用できる余裕時間を推定し
て、その余裕時間に応じてエラー処理が行われるため、
高い信頼性と高速処理性を兼ね備えた機能を有してい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の記録再生装置の
好適な実施例について図面を参照しつつ説明する。 《第1の実施例》図1は本発明の記録再生装置の一例で
ある第1の実施例のテレビジョン受信機の概略構成を示
すブロック図である。図1において、映像信号用アナロ
グ・デジタル変換回路1aは、図示しないチューナーあ
るいは映像入力端子90から入力されたアナログの映像
信号をデジタルの映像信号に変換する。音声信号用アナ
ログ・デジタル変換回路1bは、チューナーあるいは音
声入力端子91から入力されたアナログの音声信号をデ
ジタルの音声信号に変換する。映像信号処理回路2はデ
ジタルの映像信号を処理し、音声信号処理回路3はデジ
タルの音声信号を処理する。映像信号用デジタル・アナ
ログ変換回路4aはデジタルの映像信号をアナログの映
像信号に変換し、音声信号用デジタル・アナログ変換回
路4bはデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変
換する。映像出力回路5はCRT7に画像を表示させる
ための信号を生成し、出力する。音声出力回路6はスピ
ーカー8から音声を出力させるための信号を生成し、出
力する。記録・再生回路9はデジタルの映像信号及び音
声信号を磁気ディスク装置10に記録あるいは磁気ディ
スク装置10から読み出す回路である。
【0013】上記のように構成された第1の実施例のテ
レビジョン受信機の動作について説明する。映像入力端
子90から入力されたアナログの映像信号と、音声入力
端子91から入力されたアナログの音声信号は、映像信
号用アナログ・デジタル変換回路1aおよび音声信号用
アナログ・デジタル変換回路1bのそれぞれにおいてデ
ジタルの映像信号及び音声信号に変換され、映像信号処
理回路2及び音声信号処理回路3へそれぞれ送出され
る。映像信号処理回路2においては、デジタルの映像信
号を輝度信号と色差信号に分離した後、輝度信号と色差
信号を記録・再生回路9に送出するか、映像信号用デジ
タル・アナログ変換回路4aに送出するかの切替えを行
う。また、映像信号処理回路2は、記録・再生回路9か
ら送られてきた輝度信号と色差信号を映像信号用デジタ
ル・アナログ変換回路4aへ送出する切替えも行う。音
声信号処理回路3においては、デジタルの音声信号を記
録・再生回路9に送出するか、あるいは、音声信号用デ
ジタル・アナログ変換回路4bに送出するかの切替えを
行う。また、音声信号処理回路3は、記録・再生回路9
から送られてきた音声信号を音声信号用デジタル・アナ
ログ変換回路4bへ送出する。
【0014】映像信号用デジタル・アナログ変換回路4
aは、デジタルの輝度信号と色差信号をアナログ信号に
変換して、映像出力回路5へ送り、CRT7により映像
が再生される。音声信号用デジタル・アナログ変換回路
4bは、デジタルの音声信号をアナログ信号に変換し
て、音声出力回路6へ送り、スピーカー8により音声が
再生される。記録・再生回路9は、映像信号処理回路2
から送られた輝度信号と色差信号と、音声信号処理回路
3から送られた音声信号を磁気ディスク装置10にデー
タとして記録する。また、記録・再生回路9は磁気ディ
スク装置10に記録されているデータを読み出して、輝
度信号と色差信号を映像信号処理回路2へ送り、音声信
号を音声信号処理回路3へ送出する。以上のような動作
によって、磁気ディスク装置10に映像や音声を記録
し、再生することができるテレビジョン受信機が実現で
きる。
【0015】次に、本発明の第1の実施例のテレビジョ
ン受信機における記録再生装置である磁気ディスク装置
10の動作の詳細について図2、図3及び図4を用いて
説明する図2は第1の実施例の記録再生装置の概略構成
を示すブロック図である。図2において、コマンド・キ
ュー11はRAMの一部の領域を使用して外部コマンド
・インターフェースから送られてくるコマンドをそのコ
マンドが実行されるまでの間一時的に記録する。余裕時
間推定部12はコマンド・キュー11に記録されている
コマンドの実行に必要な時間と予め設定された制限時間
から余裕時間を推定する。欠陥領域テーブル13は不揮
発性RAMの一部の領域を使用して利用不可能な領域の
位置データを記憶する。データ・バッファ14はRAM
の一部の領域を使用して外部データ・インターフェース
とデータのやり取りを行うためにデータを一時的に記憶
する記憶部である。記録・読み出し部15はコマンド・
キュー11のコマンドに従ってデータ・バッファ14と
データのやり取りを行い、磁気ディスク装置10に対し
て記録又は読み出しを行う。エラー処理方法選択部16
は記録・読み出し部15においてエラーが発生した場合
に、余裕時間推定部12で推定された余裕時間に応じて
エラー処理方法を選択する。エラー処理部17はエラー
処理方法選択部16において選択されたエラー処理を実
行する。図3はコマンド・キューの具体的な構造の一例
を示す図であり、符号37、38、39及び40は各コ
マンドを示す。図3に示すように、コマンド・キュー
は、それぞれの動作を表す”read”又は”writ
e”の記号と、処理を行う先頭セクタ−の論理ブロック
アドレスと、処理を行うセクタ−数とにより構成されて
いる。
【0016】図4は第1の実施例における記録・読み出
し処理の流れを示したフローチャートである。以下、図
4を用いて記録・読み出し処理の特にエラー処理選択の
動作を説明する。第1の実施例の記録再生装置に磁気デ
ィスクの記録又は読み出しが指示されると、図2で示し
たように、その指示の内容はコマンド・キュー11に一
旦記録される。記録・読み出し部15はコマンド・キュ
ー11に記録されたコマンド、例えばコマンド37(図
3)を見て、記録・読み出し処理を起動する。図4に示
す記録・読み出し処理において、処理ステップ18にお
いてデータの記録又は読み出しを行い、判断ステップ1
9においてエラー発生の有無を判断する。判断ステップ
19において、エラー発生がないと判断されれば、記録
・読み出し処理は終了する。エラー発生があると判断さ
れた場合には、エラー処理を行うために、処理ステップ
20において、コマンド・キュー11に既に記録されて
いるコマンド、例えばコマンド37、38、39、及び
40を実行に要する時間を推定し、記録・読み出し処理
を行なわない余裕時間tを算出する。
【0017】ここで、処理ステップ20おいて、コマン
ド・キュー11に記録されているコマンドを実行した場
合の余裕時間tの算出方法について説明する。余裕時間
tは、下記式(1)により算出される。ここでは、各コ
マンドの実行時間を記録又は読み出しするデータの比例
式で近似している。式(1)において、コマンド・キュ
ー11に記録されている各コマンドで指定されている記
録又は読み出すデータの量をLi、記録・読み出し部1
5において単位時間に記録あるいは読み出される信号の
量をV、予め設定された制限時間をTとした。
【0018】
【数1】
【0019】この式において、Σはコマンド・キュー1
1に記録されている全てのコマンドについての和をとる
ことを表す。例えば、コマンド・キューに37、38、
39及び40の4つのコマンドが記録されている場合に
おいて、1セクターは512バイトで、単位時間に記録
あるいは読み出される信号の量Vを4,000,000バ
イト/秒、制限時間Tを200ミリ秒とすると、余裕時
間tは
【0020】
【数2】 t=0.2−(100×512)×4/4,000,000 =0.2−0.0512(秒) =0.1488(秒) ・・・・・(2)
【0021】となる。
【0022】次に、図4のフローチャートに戻って記録
・読み出し処理におけるエラー処理について説明する。
判断ステップ21では、推定された余裕時間tと最も処
理時間が長いエラー処理方法の実行に要するエラー処理
時間T2とを比較する。余裕時間tが最長エラー処理時
間T2より短ければ判断ステップ22において、更に余
裕時間tと2番目に処理時間が長いエラー処理方法の実
行に要するエラー処理時間T1とを比較する。余裕時間
tが2番目に長いエラー処理時間T1より短ければエラ
ー処理をする余裕がないと判断して、処理ステップ27
において記録又は読み出しが完了しなかったことを上位
の制御装置に通知して終了する。余裕時間tがエラー処
理時間T1と等しいか又は長ければ、処理ステップ23
においてエラー処理として記録又は読み出しの再実行処
理を行う。再実行処理の結果は判断ステップ24におい
てチェックされ、エラー発生がなければこのフローは終
了する。判断ステップ24において、エラー発生があっ
た場合には、処理ステップ25において再実行回数をカ
ウントした後、判断ステップ26においてカウントした
再実行回数が予め設定されている最大再実行回数を越え
ていないかを判断する。判断ステップ26において、現
在の再実行回数が最大再実行回数を越えていなければ処
理ステップ23に戻って再実行処理を行う。判断ステッ
プ26において、現在の再実行回数が最大再実行回数を
越えていた場合には、エラー回復不可能と判断して、処
理ステップ27において、上位の制御装置にエラー発生
を通知して、このフローを終了する。
【0023】一方、判断ステップ21において、余裕時
間tがエラー処理時間T2と等しいか又は長いと判断さ
れた場合には、エラー処理として、まず処理ステップ2
8において記録又は読み出しの再実行処理を行う。この
再実行処理の結果は判断ステップ29においてチェック
される。判断ステップ29において、エラー発生があっ
たと判断された場合には、処理ステップ30において再
実行回数をカウントした後、判断ステップ31において
カウントした現在の再実行回数が予め設定されている最
大再実行回数を越えていないかを判断する。判断ステッ
プ31において、現在の再実行回数が最大再実行回数を
越えていなければ、処理ステップ28に戻って再実行処
理を行う。判断ステップ31において、現在の再実行回
数が最大再実行回数を越えていた場合には、判断ステッ
プ32においてコマンドの動作が記録であるか又は読み
出しであるかの判断を行う。コマンドの動作が読み出し
ならば読み出し不可能として、上位の制御装置にその旨
を通知する。また、コマンドの動作が記録ならば処理ス
テップ33においてエラーが発生したセクターの論理ブ
ロックアドレスを他のセクターに割り当てる交替処理を
実施する。判断ステップ34においては、処理ステップ
33における交替処理でのエラーの有無を判定し、エラ
ー発生があれば処理ステップ33を繰り返し行い、なけ
ればこのフローを終了する。
【0024】判断ステップ29においてエラー発生がな
いと判断された場合には、判断ステップ35においてコ
マンドの動作が記録であるか又は読み出しであるかを判
断する。判断ステップ35において、コマンドの動作が
記録ならば、このフローは終了する。一方、コマンドの
動作が読み出しならば、判断ステップ36において再実
行回数が予め決められた基準再実行回数を越えていない
かが判断される。現在の再実行回数が基準再実行回数を
越えていない場合には、そのままこのフローは終了す
る。現在の再実行回数が基準再実行回数を越えた場合に
は、将来そのセクターが読み出し不可能になってデータ
が利用できなくなることを防止するために、処理ステッ
プ33において交替処理を行う。この交替処理以降の流
れは、前述の記録の時の交替処理と同様である。
【0025】ここで、図4に示したエラー処理フローの
判断ステップ21、22において用いられたエラー処理
時間T1及びT2の値について説明する。このエラー処
理の条件として、コマンドの再実行1回に要する時間を
10ミリ秒、交替処理に要する時間を50ミリ秒、再実
行の中止を判断するための最大再実行回数を10回とす
る。処理時間T1は、エラー処理として再実行処理のみ
行うか、あるいは何も行なわないかの判定基準である。
従って、エラー処理時間T1は、再実行処理を最大回数
まで行った場合に必要な時間である。
【0026】
【数3】 T1=(再実行時間)×10 =10ミリ秒×10 =100ミリ秒 ・・・・・ (3)
【0027】となる。エラー処理時間T2はエラー処理
として再実行と交替処理を行うかの判断基準である。再
実行処理と交替処理を行うために必要なエラー処理時間
T2は、
【0028】
【数4】 T2=(再実行時間)×10+(交替処理時間) =10ミリ秒×10+50ミリ秒 =150ミリ秒 ・・・・・ (4)
【0029】となる。前述の図3に示したコマンド・キ
ューに37、38、39及び40の4つのコマンドが記
録されている場合においては、式(2)に示したように
余裕時間tが148.8ミリ秒であった。従って、この
場合には、再実行処理のみを行うエラー処理方法が選択
される。このように、コマンドの処理に必要な時間と制
限時間との差である余裕時間tに応じてエラー処理を切
替えることにより、エラーが発生した場合のエラー処理
に要する時間を制限し、エラー処理による記録・読み出
し処理の遅延を削減することができる。
【0030】次に、エラー処理方法の再実行処理と交替
処理について説明する。再実行処理は、記録要求又は読
み出し要求を物理的な条件を変えながら、繰り返し実行
し、データの記録又は読み出しが行える条件を見つける
方法である。例えば、再実行の最大回数が10回である
とすると、1、2回目の再実行処理は最初と同じ動作条
件で行い、3回目の再実行処理はヘッドを内周側に基準
位置からトラック間隔の10%移動して行う。さらに、
4回目の再実行処理はヘッドを外周側に基準位置からト
ラック間隔の10%移動して行い、5回目の再実行処理
はヘッドを内周側に基準位置からトラック間隔の15%
移動して行い、6回目の再実行処理はヘッドを外周側に
基準位置からトラック間隔の15%移動して行う。7回
目の再実行処理はヘッドに流すバイアス電流を基準値よ
り1段階増加して行い、8回目の再実行処理はヘッドに
流すバイアス電流を基準値より1段階減少して行う。
9、10回目の再実行処理ではヘッドを最初の動作条件
に戻して行う。このように、第1の実施例における再実
行処理は、各回毎に決められた手順でヘッドの位置や回
路のパラメーターを変更して記録又は読み出しを行うも
のである。
【0031】次に交替処理について説明する。磁気ディ
スクの記憶領域の単位であるセクターに対しては、外部
の制御装置が利用する論理的な領域番号である論理ブロ
ックアドレスと、磁気ディスク装置10内部で利用され
る何枚目の磁気ディスクのどちらの面の最外周から何番
目のトラックの何番目のセクターという磁気ディスク上
の物理的な位置を表す物理アドレスの2つの番号が設定
されている。磁気ディスク装置10内部では、外部から
指示された論理ブロックアドレスを磁気ディスク装置1
0内部にある論理ブロックアドレスから物理アドレスへ
の変換テーブルにより物理アドレスに変換して、データ
の記録や読み出しを行うセクターにヘッドを移動させて
いる。交替処理とは、このヘッド動作処理を利用して、
エラーが発生した領域に今まで付けられていた論理ブロ
ックアドレスを予め交替処理用に確保されていたセクタ
ーの物理アドレスに変換するものである。この交替処理
において、変換テーブルを書き換えることにより、その
論理ブロックアドレスがエラーの発生していないセクタ
ーに置き換えられる。このように交替処理を行うことに
より、外部の制御装置はどの論理ブロックアドレスでエ
ラーが発生したかを意識することなく利用することがで
きる。
【0032】なお、第1の実施例においては、エラー処
理方法として再実行処理と交替処理とを示し、「エラー
処理なし」、「再実行処理のみ」、「再実行処理と交替
処理」の3通りの中から選択する例について説明した
が、本発明は第1の実施例におけるエラー処理方法や選
択肢の数に限定されるものではなく、余裕時間tに応じ
てエラー処理方法を選択するように構成されていればよ
い。また、第1の実施例においてはコマンド・キューの
構造としてコマンドの動作と先頭セクターの論理ブロッ
クアドレスとセクター数としたが、本発明の記録再生装
置におけるコマンド・キューは処理内容を表す構成であ
れば良く、上記第1の実施例の構造に限るものではな
い。また、本発明における余裕時間tの計算方法は、制
限時間とコマンドの処理時間との差が推定できれば良
く、前述の第1の実施例において説明に利用した式に限
るものではない。また、上記第1の実施例においては欠
陥領域テーブルが、不揮発性RAMに記録する構成とし
たが、電源を切ってもデータが消えない記録再生装置で
あれば良く、ディスク上に記録する構成であってもよ
い。また、上記第1の実施例においては記録再生装置の
一例として磁気ディスク装置を用いて説明したが、本発
明はランダムアクセスが可能な記録再生装置であれば良
く、光磁気ディスクの記録再生装置でもよい。以上述べ
たように、第1の実施例によれば、エラーが発生した時
にコマンド・キューに記録されている記録要求又は読み
出し要求のコマンドの処理時間からエラー処理に利用で
きる余裕時間を推定し、推定した余裕時間に応じて適切
なエラー処理方法に切替えることにより、エラー処理に
よる記録・読み出し処理の遅延を削減し、高い信頼性と
高速処理性を兼ね備えた欠陥領域管理方法及び記録再生
装置を提供することができる。
【0033】《第2の実施例》次に本発明の記録再生装
置の第2の実施例を図を参照して説明する。図5は第2
の実施例の記録再生装置における記録・読み出し処理に
おけるエラー処理の流れを示したフローチャートであ
る。図6は第2の実施例におけるコマンド・キューの構
造の一例を示す図である。コマンド・キューの構造を示
す図6において、コマンド46、47、48及び49は
コマンドの具体的な一例であり、それぞれのコマンド
は”read”又は”write”の動作を表す記号
と、処理を行う先頭セクタ−の論理ブロックアドレス
と、処理を行うセクタ−数と、エラー処理レベルで構成
されている。図5において、前述の第1の実施例と同様
に、第2の実施例の記録再生装置は記録又は読み出しが
指示されると、記録・読み出し処理を起動し、処理ステ
ップ18においてデータの記録又は読み出しを行う。判
断ステップ19においては、エラー発生の有無が判断さ
れ、エラー発生がなければ記録・読み出し処理を終了す
る。エラー発生がある場合には、エラー処理を行うため
に、処理ステップ41において、コマンド・キュー11
に既に記録されているコマンド、例えば46、47、4
8及び49の実行に要する時間を推定し、記録・読み出
し処理を行なわない余裕時間tを算出する。
【0034】ここで、処理ステップ41において、コマ
ンド・キュー11に記録されているコマンドを実行した
場合の余裕時間tの推定方法について説明する。コマン
ド・キュー11に記録されている各コマンドで指定され
ている記録又は読み出すデータの量をLi、記録・読み
出し部15で単位時間に記録あるいは読み出される信号
の量をV、各コマンドが記録又は読み出す領域間をヘッ
ドが移動するために要する時間をTm、予め設定された
制限時間をTとした時、余裕時間tは、次の式(5)に
より算出される。
【0035】
【数5】
【0036】この式(5)において、Σはコマンド・キ
ュー11に記録されている全てのコマンドについて和を
求めること表す。例えば、コマンド・キュー11に4
6、47、48及び49の4つのコマンドが記録されて
いて、1セクターは512バイトで、単位時間に記録あ
るいは読み出される信号の量Vを4,000,000バイ
ト/秒、ヘッドの移動時間Tmは領域の位置によらず1
5ミリ秒、制限時間Tを200ミリ秒とすると、余裕時
間tは
【0037】
【数6】 t=0.2−(100×512)×4/4,000,000−0.015×4 =0.2−0.0512−0.06 =0.0888(秒) ・・・・・ (6)
【0038】となる。
【0039】次に、図5のフローチャートに戻って記録
・読み出し処理におけるエラー処理について説明する。
判断ステップ42において、コマンドに設定されている
エラー処理レベルの値により、その後の処理が切替えら
れる。コマンドのエラー処理レベルが1であれば、処理
ステップ28から判断ステップ36までの再実行処理と
交替処理を行う。処理ステップ28から判断ステップ3
6までの再実行処理及び交替処理の内容は、前述の第1
の実施例の図4に示した処理ステップ28から判断ステ
ップ36まで処理の内容と同様であるので、その説明は
省略する。コマンドのエラー処理レベルが2であれば、
判断ブロック43において、推定された余裕時間tと最
もエラー処理時間が長いエラー処理方法の実行に要する
時間T2とを比較し、余裕時間tがエラー処理時間T2
と等しいか又は長ければ、処理ブロック28から判断ブ
ロック36までの再実行処理と交替処理を行う。一方、
余裕時間tがエラー処理時間T2より短ければ、処理ス
テップ23から判断ステップ27までの再実行処理のみ
を行う。処理ステップ23から判断ステップ27までの
再実行処理の内容は、前述の第1の実施例の処理内容と
同様であるので、その説明は省略する。
【0040】コマンドのエラー処理レベルが3であれ
ば、判断ステップ44において、推定される余裕時間t
と最も処理時間が長いエラー処理方法の実行に要する時
間T2とを比較する。余裕時間tがエラー処理時間T2
と等しいか又は長ければ、処理ステップ28から判断ス
テップ36までの再実行処理と交替処理を行う。余裕時
間tがエラー処理時間T2より短ければ、さらに判断ス
テップ45において、推定された余裕時間tと2番目に
処理時間が長いエラー処理方法の実行に要する時間T1
とを比較する。余裕時間tが時間T1より短ければ、処
理ステップ27において記録又は読み出しが完了しなか
ったことを上位の制御装置に通知して、このフローは終
了する。判断ステップ45において、余裕時間tがエラ
ー処理時間T1と等しいか又は長ければ処理ステップ2
3から判断ステップ27までの再実行処理のみを行う。
【0041】上記のように、予め各コマンドごとに必要
なエラー処理レベルを設定し、エラー処理に利用できる
余裕時間tが十分に無ければ、予め設定されたエラー処
理レベルに対応するエラー処理を実行する。また、余裕
時間tが十分であれば、より処理時間が必要なエラー処
理を実行することにより、データの属性により異なる信
頼性と処理の高速性に対する要求に適切に対応すること
ができる。さらに、エラー処理に時間的な余裕がある場
合には、設定されたエラー処理レベルより処理時間はか
かるが信頼性の高いエラー処理に動的に切替えることも
可能である。
【0042】《第3の実施例》次に、本発明の記録再生
装置の第3の実施例を図を参照して説明する。図7は欠
陥領域管理方法が用いられている第3の実施例の記録再
生装置の概略構成を示すブロック図である。図7におい
て、コマンド・キュー50は外部コマンド・インターフ
ェースから送られてくるコマンドを一時的に記録する。
余裕時間推定部51はコマンド・キュー50に記録され
ているコマンドの実行に必要な時間と予め設定されてい
る制限時間から余裕時間を推定する。データ・バッファ
52は、外部データ・インターフェースとデータのやり
取りを行うためにデータを一時的に記憶する機能を有す
る。記録・読み出し部53はコマンド・キュー50のコ
マンドに従って記録媒体に記録又は読み出しを行う。欠
陥領域テーブル55は利用不可能な領域の位置データを
記憶する。仮欠陥領域テーブル57は、記録又は読み出
しの際にエラーが発生した領域を一時的に記憶する。交
替処理部56は記録・読み出し部53においてエラーが
発生した場合にエラーの発生した領域に記録するデー
タ、あるいは記録されているデータを他の領域に記録
し、エラーの発生した領域を仮欠陥領域テーブル57に
登録する。仮欠陥領域チェック部54は、余裕時間推定
部51において推定された余裕時間が仮欠陥領域テーブ
ル57に記録されている領域を使用不可能な領域かをチ
ェックするために十分な時間であればチェックを実行す
る。仮欠陥領域チェック部54が使用不可能な領域と判
断した場合には、欠陥領域テーブル55にそのデータを
記録し、使用可能と判断した場合には仮欠陥領域テーブ
ル57からその領域に関するデータを削除する。
【0043】図7に示した記録再生装置の動作について
説明する。コマンド・キュー50に記録されたコマンド
が記録・読み出し部53により読みとられ、読みとられ
たコマンドが記録であれば、データ・バッファ52に記
録されたデータをディスク上に記録する。また、コマン
ド・キュー50に記録されたコマンドが読み出しのコマ
ンドであれば、ディスク上からデータを読み出してデー
タ・バッファ52に記録する。記録又は読み出しの際に
エラーが発生すると、記録・読み出し部53は直ちに交
替処理部56の交替処理を起動する。交替処理部56は
仮欠陥領域テーブル57にエラーが発生したセクターの
データを記録し、交替処理を実施して交替セクターにデ
ータを記録した後、記録・読み出し部53にコマンドの
処理の継続を指示する。記録・読み出し部53はコマン
ドの処理が完了したら仮欠陥領域チェック部54を起動
する。仮欠陥領域チェック部54は余裕時間推定部51
から推定した余裕時間を取得し、その余裕時間が仮欠陥
領域チェック処理を行うために十分な時間であるかを判
定する。この判定を行った後、仮欠陥領域テーブル57
に記録されているセクターが利用不可能なセクターかを
チェックする。そのセクターが使用不可能な領域ならば
欠陥領域テーブル55に記録する。一方、仮欠陥領域テ
ーブル57に記録されているセクターが使用可能な領域
であれば、交替処理用の領域に交替処理されていたセク
ターのデータを使用可能と判断されたセクターに複写し
て、論理ブロックアドレスを再度割り当てる。
【0044】図8は仮欠陥領域テーブル57の構造の一
例を示す図である。図8において、データ61はエラー
の発生した領域を示す例であり、エラー発生時に割り当
てられていた論理ブロックアドレスとディスク上の物理
的な位置を表す物理アドレスとで構成されている。な
お、第3の実施例においては、仮欠陥領域テーブル57
の構造は論理ブロックアドレスと物理アドレスによる構
成としたが、本発明はこのようなアドレスのみに限定さ
れるものではなく、本発明においては領域の位置を特定
できるデータと交替処理される前の論理的な位置データ
が含まれていれば良く、前記第3の実施例の構造に限定
されるものではない。
【0045】図9は、第3の実施例の欠陥領域管理方法
において用いる交替処理の流れを示したフローチャート
である。図9を用いて第3の本実施例の交替処理の流れ
を説明する。記録・読み出し部53でエラーが発生する
と交替処理が起動され、処理ステップ58においてエラ
ーが発生したセクターの論理ブロックアドレスと物理ア
ドレスを仮欠陥領域テーブル57に記録する。論理ブロ
ックアドレスと物理アドレスを仮欠陥領域テーブル57
に記録した後、処理ステップ59において、交替処理用
の領域として予め確保してある未使用の交替セクターに
エラーが発生したセクターに割り当てられていた論理ブ
ロックアドレスを割り当てる。処理ステップ60におい
て、データを新たな論理ブロックアドレスの交替セクタ
ーに記録する。判断ステップ61において、交替セクタ
ーへの記録においてエラー発生の有無を確認し、エラー
がなければ、この交替処理は終了する。エラーがあった
場合には、処理ステップ62において、記録処理の再実
行回数をカウントする。次に、判断ステップ63におい
て、現在の再実行回数が予め設定されている最大再実行
回数より小さければ、記録処理を再実行する。現在の再
実行回数が最大再実行回数を越えた場合には処理ステッ
プ58に戻って他の交替セクターに交替処理を行う。
【0046】図10は、第3の実施例の欠陥領域管理方
法において用いられる仮欠陥領域チェック処理の流れを
示したフローチャートである。第3の実施例の仮欠陥領
域チェック処理の流れを図10を用いて具体的に説明す
る。仮欠陥領域チェック処理が指示されると、判別ステ
ップ64において仮欠陥領域テーブル57(図7)にエ
ラーが発生した領域のデータが記録されているかどうか
を確認する。仮欠陥領域テーブル57にエラー領域のデ
ータが記録されていなければ、仮欠陥領域チェック処理
は終了する。仮欠陥領域テーブル57にエラー領域のデ
ータが記録されている場合には、処理ステップ65にお
いてコマンド・キュー50に記録されているコマンドの
処理時間を推定し、記録・読み出しが行なわれない余裕
時間tを算出する。判断ステップ66においては、算出
された余裕時間tとチェックに要する時間Tとを比較す
る。余裕時間tがチェック時間Tより短ければ、仮欠陥
領域チェック処理を行う時間がないと判断して、仮欠陥
領域チェック処理は終了する。余裕時間tがチェック時
間Tと等しいか又は長ければ、処理ステップ67におい
て仮欠陥領域テーブル57からエラーが発生した領域の
データ、例えば図8に示したデータ61を取得する。
【0047】処理ステップ68において、仮欠陥領域テ
ーブル57から取得したエラーが発生した領域、例えば
物理アドレス010040021、にテストデータを記
録する。判別ステップ69において、テストデータにエ
ラーが発生したかどうかを確認する。テストデータにエ
ラーがなければ、処理ステップ70において、記録した
データを読み出す。判別ステップ71において読み出し
の際にエラーが発生していないことを確認して、処理ブ
ロック72において記録したテストデータと読み出した
テストデータの照合を行う。判別ステップ73におい
て、記録したテストデータと読み出したテストデータが
一致したか否かを判別する。一致した場合には、処理ス
テップ74において、交替処理を解除し、例えば、論理
ブロックアドレス5000が割り当てられた交替セクタ
ーに記録されていたデータを、物理アドレス01004
0021に複写する。そして、物理アドレス01004
0021に論理ブロックアドレス5000を割り当てた
後、処理ステップ75において仮欠陥領域テーブル57
から、交替セクターに記録されていたデータを削除し
て、判別ステップ64に戻る。判別ステップ73におい
て、記録したテストデータと読み出したテストデータが
一致しなかった場合には、処理ステップ78において、
欠陥領域テーブル55にエラーが発生した領域のデータ
を記録したのち、処理ステップ75に進む。
【0048】判別ステップ69において、テストデータ
にエラーが発生した場合には、処理ステップ79におい
て再実行回数をカウントする。判別ステップ80におい
て、現在のカウントが予め設定された最大再実行回数を
越えていないかを判別する。現在のカウントが最大再実
行回数を越えていなければ、処理ステップ68に戻って
テストデータの記録を行う。現在のカウントが最大再実
行回数を越えた場合には、処理ステップ78において欠
陥領域テーブル55にエラーが発生した領域のデータを
記録する。
【0049】また、判別ステップ71で読み出しの際に
エラー発生を確認した場合には、処理ステップ76にお
いて、再実行回数をカウントする。判別ステップ77に
おいて、予め設定された最大再実行回数を越えていない
かを判別し、越えていなければ処理ステップ70に戻っ
てテストデータの読み出しを行う。判別ステップ77に
おいて現在のカウントが最大再実行回数を越えたと判別
されると、処理ステップ78において欠陥領域テーブル
55にエラーが発生した領域のデータを記録する。
【0050】上記のように、第3の実施例の欠陥領域管
理方法においては、エラーが発生した領域を一時的に欠
陥領域として仮欠陥領域テーブル57に登録して交替処
理を行い、記録・読み出し処理を継続することにより、
信頼性を確保したままエラー処理の時間を短縮すること
が可能となる。また、第3の実施例の欠陥領域管理方法
によれば、仮欠陥領域テーブル57に登録されている領
域のチェックを行うことにより、記録又は読み出しが何
らかの原因でできなくなった領域なのか、あるいは、記
録又は読み出しをしようとした時のヘッドの位置やタイ
ミングのずれなどの一時的な原因によりエラーになった
かを判定することにより、一時的原因による欠陥領域の
増加を防ぐことができる。さらに、第3の実施例の欠陥
領域管理方法においては、コマンド・キュー50に記録
されているコマンドの処理時間を推定して、推定した処
理時間から算出した余裕時間tがチェックに要する時間
より長い場合に、仮欠陥領域テーブル57に登録されて
いる領域のチェックを行うように構成している。このた
め、第3の実施例の欠陥領域管理方法を有する記録再生
装置は、チェックによる記録・読み出し処理の遅延を削
減することができ、実時間動作に対応可能なエラー処理
機能を有する。
【0051】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、エラーが発生した時にコマンド・キュ
ーに記録されている記録要求又は読み出し要求のコマン
ドの処理時間からエラー処理に利用できる余裕時間を推
定し、推定した余裕時間に応じて適切なエラー処理方法
に切替えることにより、エラー処理による記録・読み出
し処理の遅延を削減し、高い信頼性と高速処理性を兼ね
備えた欠陥領域管理方法及び記録再生装置を提供するこ
とを可能とする。また、本発明によれば、複数の記録要
求又は読み出し要求のコマンドを蓄積した後、蓄積され
たコマンドにしたがって、記録媒体からのデータの読み
出し又は記録媒体へのデータの記録を行い、データの読
み出し又は記録においてエラーが発生した場合には、蓄
積されたコマンドの実行に必要な時間からエラー処理に
利用できる余裕時間を推定し、処理に必要な時間が異な
る複数のエラー処理方法から推定された余裕時間に応じ
て適切なエラー処理方法を選択することにより、記録・
読み出し処理における必要なエラー処理が確実に実施さ
れるため、信頼性の高い欠陥領域管理方法及び記録再生
装置を得ることができる。また、本発明によれば、エラ
ーが発生した領域の位置データを第1の欠陥領域テーブ
ルである仮欠陥領域テーブルに記録して、交替処理を行
った後、第1の欠陥領域リストに記憶された領域が利用
不可能な領域か否かを判定して、再利用可能と判定され
た場合にはその位置データを第1の欠陥領域リストから
削除してその領域を利用可能とすることにより、交替処
理の実施によるエラー領域の増加を防ぐことができ、デ
ィスクの記憶領域を効率高く使用することができる欠陥
領域管理方法及び記録再生装置を得ることができる。さ
らに、本発明によれば、余裕時間推定部において推定さ
れた余裕時間を考慮して、仮欠陥領域テーブルに記録さ
れている領域が使用可能か否かをチェックする仮欠陥領
域チェック部を設けているため、チェックによる記録・
読み出し処理の遅延を削減することができ、実時間動作
に対応可能なエラー処理機能を有する記録再生装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の記録再生装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例における記録再生装置の一例の概
略構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例におけるコマンド・キューの構造
の一例を示した図である。
【図4】第1の実施例における記録・読み出し処理の流
れを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例における記録・読み出し
処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】第2の実施例におけるコマンド・キューの構造
の一例を示した図である。
【図7】第2の実施例における記録再生装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図8】第3の実施例における仮欠陥領域テーブルの一
例を示した図である。
【図9】第3の実施例における交替処理の流れを示した
フローチャートである。
【図10】第3の実施例における仮欠陥領域チェック処
理の流れを示したフローチャートである。
【図11】従来の磁気ディスクの概略構成を示す説明図
である。
【符号の説明】
11 コマンド・キュー 12 余裕時間推定部 13 欠陥領域テーブル 14 データ・バッファ 15 記録・読み出し部 16 エラー処理方法選択部 17 エラー処理部
フロントページの続き (72)発明者 久野 良樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−248841(JP,A) 特開 平8−44500(JP,A) 特開 平6−222937(JP,A) 特開 昭63−308636(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/06 G11B 20/10 G11B 20/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録要求又は読み出し要求を蓄積
    する工程と、 前記蓄積された記録要求又は読み出し要求にしたがって
    記録媒体からのデータの読み出し又は記録媒体へのデー
    タの記録を行う工程と、 データの読み出しエラー又は記録エラーが発生した場合
    には、前記蓄積された記録要求又は読み出し要求の実行
    に必要な時間からエラー処理に利用できる余裕時間を推
    定する工程と、 エラー処理に必要な時間が異なる複数のエラー処理方法
    から推定した前記余裕時間に応じてエラー処理方法を選
    択して実行する工程と、を有することを特徴とする欠陥
    領域管理方法。
  2. 【請求項2】 複数の記録要求又は読み出し要求を蓄積
    する工程と、 前記蓄積された記録要求又は読み出し要求にしたがって
    記録媒体からのデータの読み出し又は記録媒体へのデー
    タの記録を行う工程と、 データの読み出しエラー又は記録エラーが発生した場合
    には、前記蓄積された記録要求又は読み出し要求の実行
    に必要な時間からエラー処理に利用できる余裕時間を推
    定する工程と、 エラー処理に必要な時間が異なる複数のエラー処理方法
    から、予め記録要求又は読み出し要求毎に指定された動
    作を考慮して、前記複数のエラー処理方法の全てあるい
    は一部のエラー処理方法を推定した前記余裕時間に応じ
    て選択して実行する工程と、を有することを特徴とする
    欠陥領域管理方法。
  3. 【請求項3】 エラーが発生した領域の位置データを第
    1の欠陥領域テーブルに記録し、エラーが発生した当該
    領域に記録する又は記録されているデータを他の領域に
    記録する交替処理を行った後に、前記第1の欠陥領域テ
    ーブルに記録された領域が利用不可能な領域か否かを判
    定し、利用不可能と判定された場合には当該領域の位置
    データを第2の欠陥領域テーブルに記録し、利用可能と
    判定された場合には前記第1の欠陥領域テーブルから当
    該領域の位置データを削除して、以後当該領域を利用可
    能とするエラ−処理方法を有する請求項1に記載の欠陥
    領域管理方法。
  4. 【請求項4】 エラーが発生した領域の位置データを第
    1の欠陥領域テーブルに記録し、エラーが発生した当該
    領域に記録する又は記録されているデータを他の領域に
    記録する交替処理を行った後に、前記第1の欠陥領域テ
    ーブルに記録された領域が利用不可能な領域か否かを判
    定し、利用不可能と判定された場合には当該領域の位置
    データを第2の欠陥領域テーブルに記録し、利用可能と
    判定された場合には前記第1の欠陥領域テーブルから当
    該領域の位置データを削除して、以後当該領域を利用可
    能とするエラ−処理方法を有する請求項2に記載の欠陥
    領域管理方法。
  5. 【請求項5】 記録要求又は読み出し要求の実行に必要
    な時間から、第1の欠陥領域テーブルに記録された領域
    が利用不可能な領域か否かの判定に利用できる余裕時間
    の推定を行い、前記余裕時間が前記判定の実施に十分な
    時間である場合に前記判定を実行する請求項3に記載の
    欠陥領域管理方法。
  6. 【請求項6】 記録要求又は読み出し要求の実行に必要
    な時間から、第1の欠陥領域テーブルに記録された領域
    が利用不可能な領域か否かの判定に利用できる余裕時間
    の推定を行い、前記余裕時間が前記判定の実施に十分な
    時間である場合に前記判定を実行する請求項4に記載の
    欠陥領域管理方法。
  7. 【請求項7】 複数の記録又は読み出し要求を蓄積する
    要求蓄積手段と、 前記要求蓄積手段に蓄えられた記録要求又は読み出し要
    求にしたがって、記録媒体からのデータの読み出し又は
    記録媒体へのデータの記録を行う記録読み出し手段と、 前記要求蓄積手段に蓄えられた記録又は読み出し要求の
    実行に必要な時間からエラー処理に利用できる余裕時間
    を推定する余裕時間推定手段と、 前記記録読み出し手段における読み出しエラー又は記録
    エラーの処理に要する時間が異なる複数のエラー処理方
    法から前記余裕時間推定手段において推定した余裕時間
    に応じてエラー処理方法を選択的に実行可能なエラー処
    理実行手段と、を有することを特徴とする記録再生装
    置。
  8. 【請求項8】 複数の記録要求又は読み出し要求を蓄積
    する要求蓄積手段と、 前記要求蓄積手段に蓄えられた記録要求又は読み出し要
    求にしたがって、記録媒体からのデータの読み出し又は
    記録媒体へのデータの記録を行う記録読み出し手段と、 前記要求蓄積手段に蓄えられた記録要求又は読み出し要
    求の実行に必要な時間からエラー処理に利用できる余裕
    時間を推定する余裕時間推定手段と、 前記記録読み出し手段における読み出しエラー又は記録
    エラーの処理に要する時間が異なる複数のエラー処理方
    法を選択的に実行可能なエラー処理実行手段と、 前記エラー処理実行手段が実行可能な複数のエラー処理
    方法から前記余裕時間推定手段において推定された余裕
    時間に応じてエラー処理方法を記録要求又は読み出し要
    求毎に選択するエラー処理方法選択手段と、を具備する
    ことを特徴とする記録再生装置。
  9. 【請求項9】 欠陥領域の位置データを記録する第1の
    欠陥領域テーブルと第2の欠陥領域テーブルとを有する
    欠陥領域記録手段と、欠陥領域判別手段とを具備し、 前記欠陥領域判別手段が、記録又は読み出す際にエラー
    が発生した領域の位置データを前記第1の欠陥領域テー
    ブルに記録し、エラーが発生した当該領域に記録するデ
    ータ又は記録されているデータを他の領域に記録する交
    替処理を行った後に、前記第1の欠陥領域テーブルに記
    憶された当該領域が利用不可能な領域か否かを判定し、
    利用不可能と判定された場合には当該領域の位置データ
    を前記第2の欠陥領域テーブルに記録し、利用可能と判
    定された場合には前記第1の欠陥領域テーブルから削除
    して当該領域を利用可能にする請求項7に記載の記録再
    生装置。
  10. 【請求項10】 欠陥領域の位置データを記録する第1
    の欠陥領域テーブルと第2の欠陥領域テーブルとを有す
    る欠陥領域記録手段と、欠陥領域判別手段とを具備し、 前記欠陥領域判別手段が、記録又は読み出す際にエラー
    が発生した領域の位置データを前記第1の欠陥領域テー
    ブルに記録し、エラーが発生した当該領域に記録するデ
    ータ又は記録されているデータを他の領域に記録する交
    替処理を行った後に、前記第1の欠陥領域テーブルに記
    憶された当該領域が利用不可能な領域か否かを判定し、
    利用不可能と判定された場合には当該領域の位置データ
    を前記第2の欠陥領域テーブルに記録し、利用可能と判
    定された場合には前記第1の欠陥領域テーブルから削除
    して当該領域を利用可能にする請求項8に記載の記録再
    生装置。
  11. 【請求項11】 余裕時間推定手段が、記録要求又は読
    み出し要求の実行に必要な時間から、第1の欠陥領域テ
    ーブルに記録された領域が利用不可能な領域か否かの判
    定に利用できる余裕時間の推定を行い、前記余裕時間が
    前記判定の実施に十分な時間である場合に前記判定を実
    行する請求項9に記載の記録再生装置。
  12. 【請求項12】 余裕時間推定手段が、記録要求又は読
    み出し要求の実行に必要な時間から、第1の欠陥領域テ
    ーブルに記憶された領域が利用不可能な領域か否かの判
    定に利用できる余裕時間の推定を行い、前記余裕時間が
    前記判定の実施に十分な時間である場合に前記判定を実
    行する請求項10に記載の記録再生装置。
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