JP3351523B2 - デポ担体材料から薬学的および/または生物学的有用物質を徐放するための改良された徐放システム - Google Patents

デポ担体材料から薬学的および/または生物学的有用物質を徐放するための改良された徐放システム

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、活性物質、とりわけ薬学的および/または
生物学的に有用な物質を、担体材料から徐放するシステ
ムの分野における開発に関する。この種の組み合わせ材
料は、最近の多くの研究および文献、すなわち薬学的補
助材料および生物学的製剤(農作物保護化学薬品)のい
ずれの分野の研究および文献においても、対象とされて
いる。そのような組み合わせ材料は、徐放システム、デ
ポ材料もしくは徐放性材料などの用語で称されるか、ま
たはより一般的には有用物質を徐放する活性物質混合物
である。
そのようなデポ材料は通例、それ自体作用を有する
か、または有しない担体から成り、その中に徐放する活
性物質が組み込まれている。最近の文献においては、担
体材料として低級ヒドロキシカルボン酸のポリエステル
から成るポリマー化合物(とりわけ、ヒドロキシカルボ
ン酸分子中の炭素原子数が2〜6のもの)が、特に注目
されている。そのような担体材料は、加水分解および生
物学的分解を受け易い。そこで、グリコール酸、乳酸お
よび/またはヒドロキシ酪酸から誘導する、比較的限定
された分子量のポリエステルが特に重要であり得る。
最近の関連文献の中で、例えば米国特許第4011312号
を参照することができる。該特許には、グリコール酸お
よび乳酸の分子量2000未満のコポリエステルを担体材料
として、抗生物質、例えばテトラサイクリン、ネオマイ
シン、およびウシ乳腺炎を処置するための他の抗生物質
と組み合わせた、室温または体温で固体の製剤が開示さ
れている。「ディー・アンゲヴァンテ・マクロモレクラ
ーレ・ヒェミー(Die angewandte makromolekulare
Chemie)」161(1988)、1−8(第2604)には、低分
子量ポリ(β−ヒドロキシブチレート)の製法、および
薬学的活性物質を含有するマトリックス徐放性錠剤の調
製のための固体担体材料としての該ポリマーの用途が記
載されている。この場合、放出速度の研究により、活性
成分の放出量はPHBフラクションの分子量に大きく影響
され、分子量が小さいほど活性物質の徐放性が高まるこ
とがわかっている。
薬学的有用物質、農作物保護剤などと組み合わせて活
性物質を徐放するための担体材料として、吸収性のグリ
コール酸/乳酸ポリエステルを使用することに関して、
多くの研究がなされている。例えば、デー・エル・ヴィ
ーゼ(D.L.Wiese)ら、「ドラッグ・キャリヤーズ・イ
ン・メディシン(Drug Carriers in Medicine)」、
アカデミック・プレス(Academic Press)、ロンドン1
979、237〜270頁、および薬物の徐放形態に関して該文
献中に引用されている文献;アール・エル・クローネン
タール(R.L.Kronenthal)、ポリム・サイ・テクノル
(Polym.Sci.Technol.)1975、8[ポリム・メド・サー
グ(Polym.Med.Surg.)]119−137を参照し得る。
活性物質の放出様式は、一方では活性物質と担体材料
との相互作用によって影響されるが、他方では、通例ポ
リマーである担体材料の構造および性質によって大きく
影響される。例えば、活性物質を、前記のようなポリエ
ステル中にマイクロカプセル化し、ポリマーマトリック
スに埋め込み、または末端基に結合させることができ
る。
すなわち、製剤の種類によって異なるメカニズムで、
活性成分の徐放は進行する。活性物質をカプセル化した
場合は、カプセルの微孔からの活性物質の拡散が、重要
な役割を担う。活性物質を固体ポリマーマトリックス中
に分散または溶解させた場合は、活性物質の放出は、マ
トリックスからの拡散、マトリックスの加水分解的浸
蝕、またはそれらのパラメータの組み合わせによって影
響される。また、そのようなデポシステムの利用性を検
討する際、その取扱い方も考慮しなければならない。デ
ポ材料は、通常の貯蔵条件下に貯蔵安定性でなければな
らず、固体性が充分で、すなわち一部分ずつ使用可能な
ものであるべきであり、実際の製造、輸送および貯蔵条
件下に凝集してはならず、不可避の水分の影響などに対
して充分安定でなければならない。
上記のような多くの条件を相互に両立することが困難
であることを考えると、低級ヒドロキシカルボン酸の生
体吸収性ポリエステルを含有する徐放システムおよび/
またはデポ材料の使用が未だ実際には知られていないと
いうことは、驚くには当たらない。
本発明の目的は、前記のような徐放システムおよび/
またはデポ材料の開発を進めて、使用する最終生成物を
個々の適用に最も適合させ得るようにすることである。
本発明は、デポ材料をいわばモジュールシステムとして
形成するための要素(以下詳細に説明する)を提供す
る。このような要素は、実際の必要に応じて最終生成物
が具体的に示すべき性質の組み合わせに関して、未知の
自由度を与えるものである。
発明の要旨 本発明は第一に、担体材料と共に薬学的および/また
は生物学的有用物質を含有するデポシステムおよびとり
わけ徐放システムを実際の適用における活性物質の徐放
に関して調節するために、低級ヒドロキシカルボン酸お
よび/またはそのオリゴマーのオレフィン性不飽和エス
テルから成るラジカル反応性成分を使用することに関す
る。そのような反応性成分は、適用形態の徐放システム
中ではポリマー化合物として存在し、適用される徐放シ
ステムまたはデポ材料に、主に均一に、または不均一に
分布するように提供し得る。
従って、本発明は更に、薬学的および/または生物学
的有用物質と、該活性物質を徐放する担体としての低級
ヒドロキシカルボン酸オリゴマーおよび/またはポリマ
ー化合物とを含有する徐放システムであって、徐放シス
テムおよび/またはデポ材料が、低級ヒドロキシカルボ
ン酸および/またはそのオリゴマーのオレフィン性不飽
和エステルから生成するポリマー化合物によって調節
(改質)されていることを特徴とするシステムにも関す
る。本発明の教示の範囲内でポリマー化合物を生成する
低級ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリゴマ
ーのオレフィン性不飽和エステルは、本発明の説明にお
いて簡単のために「架橋剤」または「架橋剤成分」とも
称する。
発明の詳細な説明 低級ヒドロキシカルボン酸(特に乳酸および/または
グリコール酸)から誘導した生体吸収性の担体材料中に
抗生物質(とりわけいわゆる広域スペクトル抗生物質)
を含有するヒトおよび/または動物用の担体/有用物質
混合物に関して、本発明の教示によるシステムを以下説
明する。以下例を挙げて詳細に説明する組み合わせ材料
は、生体への組み込みが可能となるよう、組織適合性で
ある。そのような本発明の多成分材料は、それをヒトま
たは動物の生体組織に移植すると抗生物質を徐放し、そ
のような放出を充分長時間持続する徐放システムとして
特に重要である。従って、そのような本発明の徐放性材
料は、生体吸収性の補助材料として手術時の創傷消毒の
ために適当である。すなわち、従来の非吸収性補助手
段、例えば手術部位に挿入した固体から抗生物質を確実
に徐放するが、特にヒトまたは動物の身体から除去しな
ければならない非吸収性補助手段のいずれにも代えて、
本発明の材料を使用し得る。
具体例による本発明の説明は、その態様に本発明の教
示範囲を限定することを意味しない。そのような例によ
って、本発明による作用の組み合わせ要素を主に説明す
るのであって、それを本発明において他の適用分野にも
同様に適用することができる。すなわち、とりわけ本発
明の範囲内で、放出する有用物質に関して応用が可能で
ある。例えば、生体に移植するための他の重要な有用物
質は、細胞増殖抑制剤、ホルモン、インシュリン、コル
チゾンなどを包含する。患部または任意の他の部位に本
発明のデポ材料を挿入することによって、生体に及ぶス
トレスを全体的に軽減しながら、活性成分の局部的濃度
を長時間にわたって調節的に高く保つことができる。
医学的および獣医学的分野における本発明の徐放シス
テムの適用範囲は、有用物質含有材料混合物を生体組織
内に直接移植することに限定されない:本発明は、ヒト
または動物に対する局所投与に適した有用物質含有混合
物をも包含する。「局所投与」とは、粘膜部分への有用
物質の適用、並びに選択した外皮部分に適当な製剤を適
用することによる有用物質のいわゆる経皮適用を包含す
ることを意図する。そのようないずれの場合において
も、本発明の材料混合物は、有用物質の徐放が調節可能
であることによって特徴付けられる。このことにより、
例えば、広い範囲で予め任意に決定し得るデリバリー濃
度で、予め決定し得る時間にわたって、有用物質を生体
に有効に適用することが可能となる。いずれの場合にお
いても、本発明の徐放システムの構造的要素と、そこか
ら放出する有用物質との相互作用、並びに適用部位にお
ける生体と徐放システムとの相互作用を調べることが、
当然必要となる。しかしながら、本発明の徐放システム
の形成において構造的要素の選択の自由度が高く、構造
的要素の組み合わせの自由度も同様に高いことは、実質
的にどのような任意の有用物質の放出および適用も時間
的に調節できるという新たな可能性をもたらす。
本発明の教示は、活性成分のいわゆる生体付着性製剤
の分野における改良に特に適当である。生体付着性製剤
は、投与した活性物質混合物の表面の官能基または官能
性部分と、生体の粘膜部分とが、体液の関与により相互
作用することによって高い付着性を示し、それ故、例え
ば胃腸管内で滞留時間が長いというようなシステムとし
て知られている。「物質の生体付着性製剤」という用語
に関しては、例えば、ハーヴェ・トゥーニア(Herve T
ournier)ら、「ニユー・バイオアドヘシブ・ポリマー
ズ・フォー・トピック・ミュコーサル・ドーシジ・フォ
ームズ(New Bioadhesive Polymers for Topic Mu
cosal Dosage Forms)」、プロシード・インターン・
シンプ・コントロール・レル・バイオアクト・マター
(Proceed.Intern.Symp.Control.Rel.Bioact.Mate
r.)、15(1988)、コントロールド・リリース・ソテエ
ティ・インコーポレーテッド(Controlled Release S
ociety,Inc.)、第237号、418/419頁、およびそこに引
用された文献を参照のこと。
本発明の教示は、実際の徐放システムと、非経口、経
腸または他の局所適用のためのその調整とに応じて、種
々の具体的な材料混合物を包含する。ただし、そのよう
な種々の材料混合物は全て、以下詳細説明する本発明の
一定の原則に基づく。
活性物質を徐放する担体材料 本発明の範囲内で好ましい担体材料は、炭素原子数2
〜6のヒドロキシカルボン酸のオリゴマーおよび/また
はポリマー化合物であると定義する。ヒドロキシカルボ
ン酸は、炭素原子数が2〜4であるものが特に重要であ
る。グリコール酸および/または乳酸の対応する化合物
がここで考えられる。それらは工業的規模での入手が容
易であるだけではない;そのような成分は加水分解に対
する安定性がそれぞれ異なるので、そのような成分の選
択および相互調整が重要な役割を担う。乳酸誘導体と
は、D−、L−および/またはDL体(ラセミ体を包含す
る)のいずれの立体配置のものをも包含する。生体の加
水分解作用下におけるポリマー化合物の分解時間を、ポ
リエステル形成分子モジュールを適当に選択することに
より、既知の方法で調整する。すなわち、ポリグリコー
ル酸は数日以内に加水分解されることがわかっており、
ポリ−DL−ラクチドは数週ないし数箇月以内に分解され
得る。
従って、そのようなポリマー材料に関する最近の関連
文献においては、予め決定する重合度(可能ならば均一
である)の調整が重視されている。例えば欧州特許A1−
0244114号および欧州特許A2−0299730号を参照し得る。
この場合、ポリエステル担体材料の特定のパラメータを
選択および調節することによって、デポ材料の多様な必
要条件を満足することが試みられている。
本発明は、デポ材料の構成成分として前記架橋剤成分
(更に詳細に後述する)を使用することによって、低級
ヒドロキシカルボン酸(とりわけ乳酸および/またはグ
リコール酸)から誘導する担体のバリエーションを非常
に豊富にする。とりわけ、担体材料の主成分の選択にお
いて、本発明の教示によって、有用物質の徐放を適用条
件下に最適化するように、その主成分を決定することが
できる。それと共に、デポ材料の必要条件の更なる要素
を、更に説明するように、架橋剤成分によってもたら
し、満足する。
すなわち、本発明において通例適当な担体材料は、室
温で高粘性ないし固体のコンシステンシーを示す低級ヒ
ドロキシカルボン酸のオリゴマーおよび/またはポリマ
ーである。とりわけ、平均分子量範囲約200〜5000のオ
リゴエステルが適当であり得、その中で平均分子量範囲
約300〜2000のオリゴエステル材料が好ましい。
本発明の基礎をなす研究において、驚くべきことに、
ドイツ連邦共和国特許第3229540号、ドイツ連邦共和国
特許第3716302号およびドイツ連邦共和国特許第3825211
号公報に記載のような、いわゆる骨蝋を担体材料の主成
分とすると、抗生物質と組み合わせて、実際に好都合な
放出速度を達成し得ることがわかった。上記公報の高粘
性ないし固体ワックス状ポリエステルオリゴマーの性質
に関する開示を、引用により、活性物質を徐放する担体
材料の開発に関する本発明の開示の一部とする。
ドイツ連邦共和国特許第3229540号には、内在性硬組
織上で機械的に止血するための、前記低級ヒドロキシカ
ルボン酸(とりわけグリコール酸および/または乳酸)
から誘導する吸収性ワックスが記載されている。そのよ
うなワックスは、その構造の故に、内因性代謝メカニズ
ムによって分解され、その分解速度は既知の方法によっ
て調節し得る。グリコール酸のオリゴマーは、乳酸オリ
ゴマーよりも、内因性代謝による分解が速い。好ましい
ワックスの平均分子量範囲は、約200〜1500、とりわけ
約300〜1000である。
前記ポリエステルオリゴマーの平均分子量を調節する
ために、一官能性および/または多官能性のアルコール
またはカルボン酸を使用することが提案されている。オ
キシカルボン酸と、一官能性および/または多官能性成
分との混合比を適当に選択することによって、既知の方
法で平均分子量を予め決定することができる。得られる
反応生成物は、使用した出発物質もまだ幾分含有する。
ドイツ連邦共和国特許第3716307号には、前記のよう
なワックス状ポリエステルの、より進んだ最適化が記載
されている。この文献には特に、平均分子量の調節のた
めに、極めて特定した三官能性アルコール(すなわちグ
リセロール)を使用することが記載されている。グリセ
ロールと乳酸および/またはグリコール酸オリゴエステ
ルとの組み合わせは、前記のような分解性ワックス状成
分を生成し、これを生体組織に移植すると、生体との適
合性が顕著に高い。望ましくない組織の損傷を回避する
ために、分解性ワックスを精製して未反応カルボキシル
基を除去し得る。
ドイツ連邦共和国特許第3825211号に記載の、グリコ
ール酸および/または乳酸のオリゴマーから成る高粘性
ないし固体の生成吸収性ワックスは、最終的に、有機お
よび/または無機酸の生体適合性塩を含有することを特
徴とする。そのような塩は、オリゴマーワックス中に存
在し得る遊離カルボキシル基の完全な反応によって生成
したものであり、および/または添加物としてワックス
中に均一に分散したものである。混合成分として特に適
当なものは、とりわけ、アルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩および/またはアルミニウム塩であり、それらの
うち、ナトリウム塩、カルシウム塩および/またはマグ
ネシウム塩が特に重要である。
本発明の好ましい態様においては、比較的分子量の小
さいオリゴマーワックスを担体材料として使用する。こ
のようなワックスで、低級ヒドロキシカルボン酸として
専らグリコール酸を用いたものは、急速に分解され、そ
れ故、有用物質の徐放を比較的短時間しか持続すること
ができない。このことは、本発明によるモジュール原則
の範囲内で計画的に利用し得る場合がある:すなわち、
徐放システムの一部としてグリコール酸ワックスを使用
すると、調節した量の有用物質を作用時間の所期相にお
いて放出することができる。手術時に、局部的に比較的
高濃度の抗生物質を作用させることが望ましい場合があ
る。このような要求は、所定の抗生物質を含んだ分解の
速いグリコール酸ワックスを充分量加えることによっ
て、満足することができる。
しかし、長期間(例えば2〜4週間)にわたって抗生
物質を放出するためには、グリコール酸ワックスはもは
や適当ではない。本出願人の研究によると、このような
場合にとりわけ、比較的低分子量の乳酸ワックスが、有
用物質の所望の放出性を示すことがわかった。すなわ
ち、生体組織への移植後約1〜4週間にわたって抗生物
質を局部で均一に放出するために、オリゴマー化度(1
分子当たりの乳酸単位数)が平均約6〜20、とりわけ約
8〜15の乳酸オリゴマーが特に適当である。このような
適用のために、本出願人の前記ドイツ連邦共和国特許の
範囲内でアルコール(特に多官能性アルコール)を併用
して、特に簡単な方法で適当な乳酸ワックスを調製し得
る。オリゴエステル部分当たり乳酸単位を平均3〜5個
有する乳酸グリセロールエステル(生体に対し特に穏や
かである)を特に有利に使用し得る。オリゴ乳酸部分の
平均分子量に関するこの説明は、エチレングリコールを
使用する場合にも適用し得る。
前記のようなオリゴエステルの分解性についての研究
によると、乳酸/グリセロールワックスは大きい加水分
解抵抗性を有し得るので、生体へのその吸収は、薬理学
的有用物質の徐放時間よりも実質的に長時間要し得る。
このことは、本発明において、その担体材料の使用可能
性には無関係である。乳酸/グリセロール担体材料がそ
のようにゆっくり分解すると不都合である場合には、本
発明の更なる決定要素、すなわちとりわけ、グリコール
酸から誘導した部分と乳酸から誘導した部分との二つが
混合して存在するワックスによって、分解を速めるよう
に調節し得る。これについては、更に後述する。
前記のような比較的低分子量のワックス、とりわけそ
のような乳酸ワックスは、デポ材料の品質に関する他の
重要な条件、とりわけ取扱い性、非粘着性、貯蔵安定性
などを満足しない。そのようなワックスに特有のこの欠
点は、本発明の全体にとっては重大ではない。この欠点
は、更に後述するように、前記架橋剤成分の併用によっ
て補うことができる。
生体組織に直接移植するための好ましい担体材料の選
択および性質に関する前記説明は、経腸および/または
他の局所適用用の徐放システムにも適用し得る。しか
し、その場合は、本発明の範囲内で担体材料の適当な例
の各範囲を拡張することが妥当である。このことを下記
の例によって説明し得る:経口適用時には、担体材料中
の遊離カルボキシル基の存在が許容し得るだけではな
い;生体付着のメカニズムとして、投与した多成分混合
物の表面の官能性カルボキシル基と、粘膜部分との相互
作用が知られており、この相互作用は、粘膜部分への多
成分混合物の結合を持続するために重要なメカニズムで
ある。従って、カルボキシメチルセルロース、および/
または遊離カルボキシル基を有するアクリル酸および/
またはメタクリル酸のポリマーまたはコポリマー化合物
が、前記のような活性物質の生体付着性製剤用の重要な
ポリマー担体として既知である。
この既知の粘膜相互作用のメカニズムは、本発明によ
ると、担体材料を適当に設計することによって、すなわ
ち一価および/または好ましくは多価のカルボン酸を用
いてヒドロキシカルボン酸エステルの平均オリゴマー化
度を調節することによって確保することができる。それ
により得られるオリゴマー分子は末端カルボキシル基を
有することによって特徴付けられ、その末端カルボキシ
ル基は、最終生成物の適用後に粘膜と生体付着相互作用
し得る。分子量調節用カルボン酸としては、生理学的に
許容し得るものが特に適当であり、それらのうち、一価
および多価カルボン酸を包含することが知られているい
わゆる食用酸が特に好ましい。
加水分解に対する安定性に関しては、オリゴマー担体
材料合成用のヒドロキシカルボン酸の選択に関する前記
説明を同様に適用し得る。
本発明に従って使用する架橋剤成分 架橋剤成分として以下説明する活性成分は、ラジカル
反応性成分であり、好ましくは多官能性であり、オレフ
ィン性二重結合によってポリマー化合物を形成するよう
反応し得る。即用デポ材料中では、反応性架橋剤は、重
合および/または架橋によって対応するポリマー化合物
に変換されており、そのような形態でデポ材料の重要な
性質を決定付ける。架橋剤は、高粘性ないしワックス状
のオリゴマー化合物から成る担体材料を主成分として含
有する組成物全体を、充分に強固化するために就中非常
に重要である。驚くべきことに、そのような反応性成分
は比較的少量でも、軟質ワックスを充分に固体、非粘着
性または非付着性の材料に変換し得ることがわかった。
とりわけ、選択したワックス担体材料との混合物中で反
応性架橋剤成分を硬化することにより、所望の適用−技
術的性質を全て有する組み合わせ材料が得られる。ま
た、本発明は、モジュール原則により、複数の最終生成
物の態様を包含する。それについては更に後述する。
本発明が提供する反応性架橋剤および/またはその反
応により生成するポリマー化合物は、低級ヒドロキシカ
ルボン酸および/またはそのオリゴマーのオレフィン性
不飽和エステルから成る。従って、移植したポリマー化
合物の分解、およびこの材料成分の吸収がやはり確実と
なり得る。
架橋剤成分として使用するのに適しているのは、とり
わけ、分子中の官能性オレフィン基数が1を越える既知
の多官能性成分である。特に適当なものは、架橋剤成分
を少なくとも実質的な割合で含有する二ないし四官能性
オレフィン性反応性ヒドロキシカルボン酸誘導体であ
る。
本発明の範囲内で好ましい架橋剤は、低級多官能性ア
ルコールまたはカルボン酸と乳酸および/またはグリコ
ール酸とのエステルおよび/またはオリゴエステルであ
って、末端オレフィン性不飽和基をも有するものであ
る。この場合も特に適当なのは、二価ないし四価の低級
アルコール、とりわけエチレングリコールおよび/また
はグリセロールから誘導した架橋剤成分であって、アク
リル酸および/またはメタクリル酸部分[本発明中、ア
クリル(メタクリル)酸部分と称する]で末端部分をオ
レフィン置換したものである。
前記のような反応性成分は、例えばドイツ連邦共和国
公開特許第3204504号およびドイツ連邦共和国公開特許
第3229635号に詳細に記載されている。これらの文献に
は、とりわけ、ヒドロキシカルボン酸のオリゴマー鎖上
に末端アクリル(メタクリル)酸部分を有するアクリレ
ート(メタクリレート)化合物であって、室温で固体な
いし液体で徐蒸発性の化合物が記載されている。このポ
リエステルオリゴマーの平均分子量は200〜600の範囲で
ある。そのような多官能性アクリル(メタクリル)酸エ
ステルは、内在性硬組織を結合するための外科的バイン
ダーシステムとして、要すればプラスチックおよび/ま
たは金属と共に使用することが意図されている。このよ
うな化合物は、本発明の範囲内で適当な架橋剤の一例で
ある。
しかし、反応性架橋剤成分は、前記のようなアクリル
(メタクリル)酸エステルに限定されない。本発明に関
するエステル分子への反応性オレフィン基の導入は、任
意の既知の方法で用い得る。カルボキシル基を有する基
本構造への末端オレフィン基の既知の導入方法を、単な
る例として参照し得る。ここで、担体材料(好ましい一
態様においては末端水酸基を有するオリゴマーである
が、例えば生体付着性材料のようなある種の用途のため
には末端カルボキシル基を有する化合物として形成する
担体材料)に関する前記説明を同様に適用し得る。ヒト
および動物において使用するのに特に重要な一群の架橋
剤成分は、乳酸および/またはオリゴ乳酸のグリセロー
ルエステルに末端アクリル(メタクリル)酸部分を導入
した反応生成物である。ここで、乳酸に加えて、または
乳酸の代わりに、グリコール酸部分を架橋剤分子中に組
み合わせてもよい。好ましい態様においては、架橋剤
は、確率的平均として、オレフィン性不飽和末端基を少
なくとも2個有し、そのうちで、アクリル(メタクリ
ル)酸および/またはその反応性誘導体と完全に反応し
た架橋剤成分が本発明において特に重要である。確率的
平均としてグリセロール1モル当たりオレフィン性末端
基を2〜3個有するそのような架橋剤は、重要な一態様
においては、グリセロール1モル当たりの確率的平均と
して乳酸部分を3〜12モル、とりわけ3〜6モル有し得
る。グリセロール/乳酸/アクリル(メタクリル)酸の
モル比が約1/4/3である反応性グリセロール誘導体は、
非常に有効な架橋剤成分であり、これを非反応性担体材
料の重量に対して例えば1〜5重量%の量で混合する
と、高粘性または軟質ワックス状担体の物理的性質を再
構成し得るので、本発明の必要条件を満足する。
以下の説明は特に、生体内に移植する徐放システムに
関するものである:ここで本発明は、どの成分について
も最適に生体適合性とした材料混合物を提供することを
意図する。この説明は、架橋剤成分に関して特に重要で
あり得る。
架橋剤は、ラジカルを介する反応を受け易い系であ
る。そのようなシステムには、望ましくない早期の反応
を確実に防止するために、ラジカル抑制剤を併用する必
要がある。そのようなラジカル抑制剤はとりわけ、ラジ
カル反応性系[すなわち例えば多官能性アクリレート
(メタクリレート)エステル]の調製時に既に必要であ
る。前記のような多官能性アクリル(メタクリル)酸エ
ステルはゲル化傾向が大きいので非常に有効な抑制剤の
使用を製造工程において既に必要とする。本発明の本質
的な一面によると、架橋剤成分は、その製造、貯蔵およ
び/または加工に由来する、種類および/または量に関
して望ましくない抑制剤を含有しない。
本発明の範囲内で適当な抑制剤の特に重要な一例はト
コフェロール化合物であり、そのうち特にα−トコフェ
ロール(すなわちビタミンE)が好ましい。
多官能性アクリル(メタクリル)酸化合物に関して、
生理学的に適合性のトコフェロール化合物(とりわけビ
タミンE)を適用時の抑制剤として、また要すれば製造
時の抑制剤として使用することは、本出願人の先のドイ
ツ連邦共和国特許出願第3939161号に詳細に記載されて
いる。この先の特許出願の開示を、引用により本発明の
開示の一部とする。
引用した先のドイツ連邦共和国特許出願第3939161号
には、溶媒、とりわけ製造に由来する残留溶媒を含有し
ないオレフィン性反応性アクリル(メタクリル)酸エス
テルの使用についても記載されているが、その部分も、
本発明の範囲内の架橋剤成分に関連がある。すなわち、
本発明の好ましい態様においても、架橋剤成分の製造に
おいて、溶媒、とりわけ生理学的に問題のあり得る溶媒
は初めから存在しない。これに関して、本出願人のドイ
ツ連邦共和国公開特許第3843854号、第3843938号、第38
43930号および第3843843号も同時に参照のこと。
担体材料と、架橋剤成分および/またはその反応によ
り生成するポリマー成分との混合比は広い範囲で変化し
得る。混合比は複数のパラメータ、特に以下のパラメー
タによって左右される:担体材料の性質、特に室温およ
び適用温度における物理的性質;貯蔵および適用時のデ
ポ材料の品質および性質の必要条件;架橋剤成分および
/またはその反応により生成するポリマー成分の反応性
および個々の性質;並びに最終材料の所期用途のための
必要条件。とりわけこの最後の項目に関して、生体内に
移植して薬剤組成物を放出するための材料と、例えば農
業分野で生物学的活性物質を徐放するために使用するデ
ポ材料とは、満足すべき必要条件の異なることは明白で
ある。非反応性担体材料と反応性担体成分との混合比に
関する限り、通例、架橋剤成分は系全体の半分を越えて
は存在しない。好ましい態様においては、非常に少量の
架橋剤成分を使用する。とりわけ、改質のための少なく
とも部分的に反応した架橋剤成分は、混合物中に、担体
材料と架橋剤成分との総重量に対して約0.5〜40重量
%、好ましくは約1〜10重量%の割合で存在し得る。本
発明の徐放システムを薬学分野で、特に生体組織内への
移植のために使用する場合、架橋剤成分の好ましい割合
は約10重量%までであり得る。既に述べたように、この
場合、混合比が5重量%までの場合、とりわけ架橋剤成
分を約2〜5重量%含有する混合物を使用する場合に、
良好な結果が得られる。このことは、比較的高い架橋活
性を示す化合物、例えば末端水酸基を有するグリセロー
ル/乳酸エステルまたはオリゴエステルの三官能性アク
リル(メタクリル)酸エステルのような化合物を使用す
る場合に特に当てはまる。
本発明の徐放システムの種々の態様 初めに述べたように、徐放システムの最終的な活性は
種々の相互作用パラメータに影響されるので、徐放シス
テムの放出性を確実に予測することは困難である。シス
テムの具体的態様の変化によって個々の場合の必要条件
を最適化し得ることは、本発明の特に有利な点である。
これについて、以下更に説明する: デポ材料の大部分または少なくとも実質的な部分は通
例、前記のような担体材料から成る。放出メカニズムの
時間的調節は、オリゴマーおよび/またはポリマー成分
を形成する成分と、それによって決まる放出性との選択
によって影響し得る。このことは、まず、限定的に選択
および構成する均一な種類の化合物に当てはめることが
できる。更なる調節は、異なる種類のワックスまたは樹
脂を組み合わせた少なくとも二成分の組成を有する担体
材料の使用により可能となる。例えば、比較的速く分解
されるオリゴマーおよび/またはポリマー化合物を、分
解のより遅い化合物と組み合わせて使用する。更なる調
節は、担体材料のそのような異なる成分の特定の混合方
法によって行い得る。これには、均質混合物から、異な
る部分を有する混合物(予め選択した特定の組成を有す
る材料部分と、異なる組成を有し、それ故分解性の異な
る材料部分とを組み合わせた混合物)に至るまで、あら
ゆる種類が含まれる。このような形態では、例えば、実
際の使用において生じる多孔性を調節すること、すなわ
ち担体材料組成物ブロックの体液および/または増殖細
胞透過性を調節することができる。また、種々の成分の
担体材料を層状に配置して、実際の使用においては各層
状ブロックの分解速度が異なる故に特定の必要条件を満
足する、主に密集した材料ブロックを形成することも考
えられる。
担体材料の調節による前記のような調整は、本発明に
よる架橋剤成分の併用によって実質的に拡張される。前
記説明を、担体材料および架橋剤成分から成る材料混合
物にも適用し得る。すなわち、一態様においては、担体
材料および架橋剤成分は(有用物質と共に)殆んど均一
な混合物として存在し得る。しかし、架橋剤成分および
/またはそれから生成するポリマー化合物が、例えば、
徐放システム中で層状に存在することも可能である。す
なわち、架橋剤不含有の有用物質/担体混合物部分に、
反応した架橋剤成分を含有する材料によって占められた
部分が、少なくとも高い程度に介在し、および/または
覆っていてよい。架橋剤成分を、担体材料全体に組み合
わせる必要は無い。すなわち、例えば、徐放用担体とし
て、室温および/または適用温度で高粘性の乳酸オリゴ
マーであって、本発明の範囲内で架橋剤成分を介在さ
せ、例えば取扱い性の改良のために寸法安定性となるよ
う固定されたものが、特に適当であり得る。そのような
組み合わせ材料を、更なる担体材料、例えば高分子量ポ
リマーまたはグリコール酸オリゴマーおよび/またはポ
リマー(いずれも固体として得られる)から成る材料と
更に混合し得る。
ここで挙げられる本発明の可能性を以下説明する:架
橋剤成分を使用し、それにより、架橋剤成分および/ま
たはそれから生成するポリマー化合物によってデポ材料
部分の性質を調節することが可能となったことにより、
とりわけ、ヒドロキシカルボン酸オリゴマーのような比
較的低分子量の担体材料を所期用途に使用することが初
めて可能になった;多くの場合、所望の徐放性を示すの
は、正にそのような比較的低分子量の担体材料である。
再生細胞増殖に対する障害は、個々の担体材料(例えば
乳酸を含有する)を小さく保つことによって、確実に排
除することができる。本発明に従って安定化したデポ材
料は、微粒子もしくは粉末として組織に導入し得、また
は局所適用形態で使用し得る;しかし、より大きい立体
形態、例えばプレート、ロッド、球または他の適当な立
体形態で生体組織に固定することも充分可能であり、そ
のような大きい単位は生体内で崩壊する故に、再生細胞
増殖の望ましくない遅延を確実に回避することができ
る。
架橋剤成分の硬化 本発明に従って設計するデポ材料の多様性に関する上
記説明に関連して、本発明の架橋剤成分をポリマー化合
物に変換するための可能な方法も多様であることは明白
である。それによって、場合に応じた調節が実現でき、
実際の使用において有用物質を損なわれていない状態で
利用可能とするデポ材料を提供するという主目的を確実
に達成することができる。
本出願人の研究によると、架橋剤成分を、明らかに広
範な担体/有用物質混合物中に混合して均一な混合物を
形成し、有用物質に実質的な悪影響を及ぼすこと無くそ
の場で反応させることが可能であることがわかった。本
発明による材料のこの最も簡単な態様においては、担体
/有用物質を含有するデポ材料の少なくとも一部と混合
したラジカル反応性架橋剤成分から、改質用ポリマー化
合物をその場で調製する。すなわち、まず担体材料とし
てのグリセロール/乳酸オリゴマーと、アミノグリコシ
ド抗生物質とから成る活性材料混合物を調製するのに、
担体材料を比較的低い温度で溶融し、有用物質を適当に
導入して均一な混合物を形成し得る。例えば、そのよう
な担体材料を溶融するには、約70℃未満の温度、または
少なくとも約70℃程度の温度で実際に充分である。同様
の温度範囲で、グリセロール/乳酸/アクリル(メタク
リル)酸架橋剤成分を少量、例えば1〜5重量%、とり
わけ2〜4重量%の量で混合して、均一な混合物を形成
することができる。その架橋剤成分の架橋は、ラジカル
開始反応によって好都合に達成できる。対応するポリマ
ー化合物が生成し、これが、薬剤組成物を放出するよう
設計したデポ材料の最終的な表現型の決定に大きく関与
する。例えば、乾燥状態で殆んど粘着しない成形物品を
製造することができ、所望により、それを更に粉砕する
ことができる。
本発明に従って使用する有用物質と架橋剤成分とが、
有用物質の性質を損うような何らかの相互作用を起こす
危険性がある場合も、本発明の原則を困難無く適用する
ことができる:そのような場合、担体/有用物質混合物
を予め決定した粒子形に変換し、次いで、本発明の範囲
内の架橋剤成分を含有する被覆を施す。この場合も、担
体材料/架橋剤成分混合物を使用し得るが、被覆には有
用物質を含ませない。被覆中に使用する担体材料は、内
部の放出する有用物質用の担体材料と同じであっても、
異なっていてもよい。後の硬化工程において、架橋剤成
分と、コアに含ませた有用物質との間に、実質的な相互
作用は起こり得ない。前記二種の態様は、単なる例であ
ると解釈すべきである。それらは、個別に使用すること
も、相互に組み合わせて使用することもできる。また、
上記のような多くの可能な組み合わせから、特定のデポ
材料の設計のために更なる具体的な態様を導き得る。
本発明の好ましい一態様においては、反応の開始は、
生理学的に望ましくない成分が最終生成物中に含まれな
いようにする条件下で行い得る。ここで、本出願人の先
のドイツ連邦共和国特許出願P4037516号に記載の説明を
参照し得る。その関連した開示を引用により本発明の開
示の一部とする。
先の出願P4037516号には、ヒトおよび動物に移植する
ための分解性高強度材料および成形物品が記載されてお
り、その材料は、低級ヒドロキシカルボン酸の多官能性
ヒドロキシ末端オリゴマーの硬化アクリル(メタクリ
ル)酸エステルから成る。その材料は、就中、種類およ
び/または量に関して望ましくない反応助剤および/ま
たは製造に由来する他の添加剤(活性物質の不純物)を
実質的に含有しないことを特徴とする。これは、とりわ
けその製造において、多官能性アクリル(メタクリル)
酸エステル抑制剤と、その架橋のために要すれば使用す
る開始剤および/または開始システムとの間で、種類お
よび量に関して調節を行うからである。硬化は、照射
(特にUV照射)によって行うか、または実質的に生体適
合性の成分を含有する開始システム、もしくは分解時に
放出される残留物が生理学的に問題とならないように少
なくとも種類および量に関して制限した開始システムを
使用することによって行う。
照射硬化において、前記UV光による硬化に加えて、反
応を誘導する他の照射の使用も考えられる。そのような
他の照射としては、例えばレーザー光、X線またはγ線
を挙げることができる。いずれの既知の開始剤を併用す
ることも可能である;例えばエンサイル・ポリム・サイ
・アンド・エング(Encyl.Polym.Sci.and Eng.)(第
2版)、第11巻、187−207、並びに関連市販品、例えば
メルク(Merck)、ダームシュタット(Darmstadt)(ド
イツ連邦共和国)およびチバ−ガイギー(Ciba−Geig
y)(スイス)の製品を参照のこと。
本発明によると、化学的に誘導したラジカル開始重合
によって既知の方法で反応性材料を硬化することも、特
に可能である。この場合、既知の助剤を使用するなら
ば、以下のことを参考にして反応助剤を選択し得る:還
元剤および/または金属化合物(金属は複数の原子価状
態で存在し得る)と組み合わせて使用する過酸化物から
成る多様なレドックス系が従来知られている。これにつ
いて、例えば、プログレス・イン・ポリマー・サイエン
ス(PROGRESS IN POLYMER SCIENCE)、第8巻、パー
ガモン・プレス(Pergamon Press)、オックスフォー
ド−ニューヨーク、1982、61〜131頁、およびそこに引
用された多くの主要な文献を参照のこと。
反応した材料中に残留する材料の種類および量に関し
て実質的に生理学的に問題を起こさない適当なレドック
ス系の選択において、以下のことがらが本発明にとって
特に有益である。生理学的に比較的安全な反応物質系
は、特に水性の重合系に関連して従来の文献に記載され
ている。本発明に従って架橋する材料そのものは、無水
系である。しかし、低級ヒドロキシカルボン酸から誘導
するオリゴマー構造の故に、通例水性系で使用する前記
化合物も、本発明の範囲内でしばしば溶解することがで
きる。従って、多官能性アクリル(メタクリル)酸エス
テルまたは担体材料とのその混合物の無水反応相におい
ても、生理学的許容性の高い活性剤系を非常に均一に分
布させることが可能であり、次いで架橋を予め決定した
温度で行うことができる。
前記のようなレドックス系として適当な広範な成分の
うち、以下のものを例示し得る:過酸化物化合物、例え
ば過酸、ジアシルパーオキシド、ヒドロパーオキシドな
どであって、その中で、生理学的に適合性の酸(例えば
いわゆる食用酸)が、過酸化物形成成分として特に重要
であり得る。広範な活性剤または還元剤の群からは、例
えばアスコルビン酸、ソルボース、フルクトース、デキ
ストロースまたは他の糖のような、生理学的に許容し得
る化合物が挙げられる。
レドックス系を活性化するのに適当な金属化合物は、
とりわけ鉄を、既知の方法で2価および/または3価鉄
の形態でレドックス系に加えることによって誘導し得
る。例えば、鉄のグリコール酸および/または乳酸塩を
用いることによって、均一に鉄を含有する混合物を特に
好都合に形成することができる。
既に説明し、また明白なことでもあるが、本発明の範
囲内で徐放システムの可能な態様は多様であるので、薬
剤活性および一般に生物学的活性を有する広範な有用物
質の殆ど全てに対して、本発明の担体/架橋剤系を適用
することができる。活性物質そのものだけでなく、その
適用形態も、広い範囲内で変化し得る。このことを、抗
生物質を有用物質として含有する混合物を例に挙げて説
明し得る:薬剤組成物を放出するように設計したデポ材
料を、例えば、感染感受性の組織部分に配置(例えば挿
入)し、次いで封入することができる。一方、デポ材料
を外部の創傷部分(例えば火傷などによる)に適用し、
次いでそこに留置し、および/または包帯交換において
少なくとも部分的に除去し、新しい薬剤デポ材料と交換
するということも可能である。
薬剤デポ材料中の有用物質の濃度は、広い範囲内で変
化し得る。物質混合物の実際の有用性の支配的な要因
は、活性物質の徐放性を所望のように調節することに存
するのである。有用物質の量は通例、徐放システム全体
の40〜45重量%以下である。ヒトおよび動物に適用する
薬剤有用物質の重要な分野においては、有用物質濃度が
約25〜25重量%、特に約10〜15重量%を越えることは稀
である。活性の高い有用物質、例えば抗生物質、細胞増
殖抑制剤、ホルモンなどは通例、薬剤放出材料中で約0.
1〜10重量%、特に約1〜8重量%の量で使用する。
有用物質の放出を最適に調節するために、有用物質を
通例、使用する担体材料の少なくとも一部と充分混合し
て含ませる。更に、徐放システム単位中に活性物質を不
均一分布させ得ることに関して前記説明を適用し得る。
本発明の範囲内の徐放システムの適用形態は、粉末状な
いし任意の形状の立体である。適用する徐放システムは
量的に容易に測定でき、その徐放システムの単位体積ま
たは単位重量当たりの有用物質量も予め決定するので、
デポ材料中の有用物質の定量的投与が可能である。
生体組織に直接移植するものほど厳密でない投与形態
に関して本発明を利用する場合は、通常の生薬(galeni
sch)補助材料を併用すること、および/または本発明
の徐放システムを通常の投与形態に製剤化することが可
能である。このことを、以下例を挙げて説明する:本発
明により微粒子として製造した薬剤デポ材料を、錠剤、
坐剤、軟膏などに製剤化し、その形態で生体に導入、ま
たは体表面に適用し得る。生薬補助材料は薬剤の非徐放
分を含有し得、これが導入または適用直後に活性を表
し、活性物質の徐放がそれに続く。
他の場合には、既知の補助材料を使用することによ
り、本発明の範囲内で調節した物質の効果を調節的に提
供または拡張することができる。このことを、生体付着
性の有用物質の製剤によって例示し得る:本発明の多成
分混合物の表面と、粘膜表面との共有結合、すなわち生
体付着は、本発明の担体材料の官能基(カルボキシル基
および/または水酸基)によって直接もたらされる。こ
の効果は、既知の粘膜付着性材料を多成分混合物の賦形
剤として併用することによって、更に向上し得る。実際
に適当な材料は、例えば、カルボキシメチルセルロース
およびアクリル(メタクリル)酸ポリマーおよび/また
はコポリマーに加えて、アルギネート、ヒドロキシアル
キルセルロース、ゼラチン、ペクチン、ポリビニルピロ
リドン、固体ポリエチレングリコールなどである。これ
に関連して、例えば更に以下のような文献を参照し得
る:ジェイ・ディー・スマート(J.D.Smart)ら、「ア
ン・インビトロ・インベスティゲーション・オブ・ミュ
コーサ−アドヘシブ・マテリアルズ・フォー・ユース・
イン・コントロールド・ドラッグ・デリバリー(An in
−vitro investigation of mucosa−adhesive mate
rials for use in controlled drug deliver
y)」、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・フ
ァーマコロジー(J.Pharm.Pharmacol.)1984、36、295
−299;およびキナム・パーク(Kinam Park)ら、「バ
イオアドヘシブ・ポリマーズ・アズ・プラットフォーム
ズ・フォー・オーラル−コントロールド・ドラッグ・デ
リバリー:メソッド・トゥ・スタディ・バイオアドヘジ
ョン(Bioadhesive polymers as platforms for o
ral−controlled drug delivery:method to study
bioadhesion)」、インターナショナル・ジャーナル
・オブ・ファーマシューティクス(International Jou
rnal of Pharmaceutics)、19(1984)、102−127。
前記のような併用する補助材料の量は、広い範囲内で
変化し得、生薬の態様においては、本発明範囲の材料混
合物よりも多くてもよい。しかし、そのような製剤にと
って常に不可欠であるのは、実際の使用において活性の
ためにあまり重要でない部分以外の部分では、本発明に
よる物質組み合わせが支配的であるということである。
本発明の好ましい態様を次に示す。
1.薬学的および/または生物学的有用物質と、活性物質
を徐放する担体材料としての低級ヒドロキシカルボン酸
のオリゴマーおよび/またはポリマー化合物とを含有す
る徐放システムであって、該徐放システムおよび/また
はデポ材料が、低級ヒドロキシカルボン酸および/また
はそのオリゴマーのオレフィン性不飽和エステル(架橋
剤成分)から生成するポリマー化合物によって改質され
ている徐放システム。
2.オレフィン性多官能性架橋剤成分のポリマー、好まし
くは二ないし四官能性オレフィン性反応性ヒドロキシカ
ルボン酸誘導体のポリマーを、改質剤として少なくとも
部分的に含有する上記第1項に記載の徐放システム。
3.活性物質を徐放する担体材料として、炭素原子数2〜
6、好ましくは2〜4のヒドロキシカルボン酸、特に乳
酸および/またはグリコール酸のオリゴマーおよび/ま
たはポリマー化合物を含有し、好ましい架橋剤成分は、
上記炭素原子数範囲のヒドロキシカルボン酸、特に乳酸
および/またはグリコール酸の反応性誘導体である上記
第1項または第2項に記載の徐放システム。
4.ヒトおよび/または動物において、とりわけ生体内に
移植し、および/または局所適用するのに適当な上記第
1〜3項のいずれかに記載の徐放システム。
5.架橋剤の少なくとも一部は、低級多官能性アルコール
またはカルボン酸と乳酸および/またはグリコール酸と
のエステルおよび/またはオリゴエステルであって、末
端オレフィン性不飽和基を有するものであり、好ましい
架橋剤成分は、二ないし四価の低級アルコール、とりわ
けエチレングリコールおよび/またはグリセロールから
誘導し、アクリル(メタクリル)酸部分でオレフィン置
換したものである上記第1〜4項のいずれかに記載の徐
放システム。
6.架橋剤成分は、乳酸および/またはそのオリゴマーの
グリセロールエステルと、アクリル(メタクリル)酸お
よび/またはその反応性誘導体との反応生成物であり、
グリセロール1モル当たり確率的平均で2〜3モルのオ
レフィン性末端基を有する上記第1〜5項のいずれかに
記載の徐放システム。
7.活性物質を徐放する担体材料として、室温で高粘性な
いし固体である低級ヒドロキシカルボン酸のオリゴマー
および/またはポリマーを含有し、生体内移植用には、
オリゴマー化合物として低級官能性アルコール、とりわ
けエチレングリコールおよび/またはグリセロールのエ
ステルが存在することが好ましく、局所適用用には、末
端カルボキシル基を有するオリゴマー化合物を担体材料
中に少なくとも部分的に使用し得る上記第1〜6項のい
ずれかに記載の徐放システム。
8.活性物質を徐放する担体材料として、平均分子量範囲
が約200〜5000、好ましくは約300〜2000のオリゴエステ
ルを含有し、特に好ましくは平均分子量範囲が約200〜1
500、とりわけ約300〜1000のグリセロール/オリゴ乳酸
エステルを含有する上記第1〜7項のいずれかに記載の
徐放システム。
9.活性物質を徐放する担体材料の重量に対して、改質用
の少なくとも部分的に反応した架橋剤成分はより少ない
量で含有し、架橋剤の混合比は、担体材料と架橋剤成分
との合計に対して好ましくは約0.5〜40重量%、より好
ましくは約1〜20重量%であり、とりわけ架橋剤成分含
量は約10重量%未満である上記第1〜8項のいずれかに
記載の徐放システム。
10.担体材料と架橋剤成分のポリマーとが、有用物質と
組み合わせた徐放システム中に、殆んど均一な混合物の
形態で存在し、および/または例えば、架橋剤を少なく
とも殆んど含有しない有用物質/担体材料混合物部分
が、反応した架橋剤成分を含有する材料部分によって覆
われているような層状形態で存在する上記第1〜9項の
いずれかに記載の徐放システム。
11.担体材料は、少なくとも二つの様式の構造を有し、
使用条件下、とりわけ生体内で比較的崩壊速度の高いオ
リゴーおよび/またはポリエステルと、崩壊速度のより
低いオリゴーおよび/またはポリエステルとを併せて含
有し、高崩壊速度の材料部分はグリコール酸から誘導す
ることが好ましく、低崩壊速度の材料部分は乳酸から誘
導することが好ましい上記第1〜10項のいずれかに記載
の徐放システム。
12.乳酸から誘導したオリゴマーおよび/またはポリマ
ーと、グリコール酸から誘導したオリゴマーおよび/ま
たはポリマーとの少なくとも殆んど均一な混合物を担体
材料として含有し、更に、担体材料の各成分が個別の材
料部分をなす多相混合物をも含有し得る上記第1〜11項
のいずれかに記載の徐放システム。
13.とりわけ担体材料の多相混合物の場合、形状、種類
および/または量に応じて、架橋剤成分のポリマーも多
相状態で徐放システム中に存在し得る上記第1〜12項の
いずれかに記載の徐放システム。
14.有用物質として薬剤活性を有する成分、とりわけ抗
生物質、細胞増殖抑制剤、コルチゾンおよび/またはホ
ルモンを含有し、それ故とりわけ生体内への移植用であ
るか、または有用物質として農作物保護および/または
植物成長促進の分野の活性物質を含有する上記第1〜13
項のいずれかに記載の徐放システム。
15.実際の適用における活性物質の徐放において、薬学
的および/または生物学的有用物質を担体材料と共に含
有するデポ材料、とりわけ徐放システムを調節するため
の、低級ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリ
ゴマーのオレフィン性不飽和エステルから成り、ラジカ
ルにより反応性である架橋剤成分の用途。
16.適用形態の徐放システムにおいては、架橋剤はポリ
マー化合物として存在し、適用する徐放システム内に殆
んど均一に、または不均一に分布している上記第15項に
記載の態様。
17.改質用ポリマー化合物は、デポ材料の少なくとも一
部と混合したラジカル反応性架橋剤成分からその場で調
製する上記第15項または第16項に記載の態様。
18.乳酸および/またはグリコール酸エステルから誘導
し、少なくとも一部は、2〜4個、好ましくは少なくと
も2および/または3個のオレフィン基を分子中に有す
る多官能性架橋剤成分を使用する上記第15〜17項のいず
れかに記載の態様。
19.低級多官能性アルコール、とりわけエチレングリコ
ールおよび/またはグリセロールと、乳酸および/また
はグリコール酸とのヒドロキシ末端反応生成物の多官能
性アクリル(メタクリル)酸エステルを架橋剤成分とし
て使用する上記第15〜18項のいずれかに記載の態様。
20.架橋剤成分を担体/有用物質混合物と混合し、その
場で反応させ、および/または反応した硬化成分を含有
する材料層で担体/有用物質混合物を覆う上記第15〜19
項のいずれかに記載の態様。
21.低級ヒドロキシカルボン酸、とりわけ乳酸および/
またはグリコール酸の生体適合性オリゴマーおよび/ま
たはポリマーを担体材料として使用し、この成分の平均
分子量範囲は、好ましくは約200〜5000、とりわけ約300
〜2000である上記第15〜20項のいずれかに記載の態様。
実施例 実施例1 1.吸収性ワックスの調製および説明 a.グリコール酸/グリセロールから製造するワックス グリコール酸とグリセロールとの反応生成物の調製方法 攪拌機、クライゼン(Claisen)ヘッドおよび冷却器
(「蒸留ブリッジ」)を取り付けた三つ口フラスコに、
グリコール酸およびグリセロールを入れる。混合物を完
全な不活性窒素ガス雰囲気中で150℃に加熱し、新たな
反応水が生じなくなるまで3〜5時間反応を続ける。次
いで、フラスコを150℃で注意深く排気して、10トルと
する。そのような反応条件下で更に2時間後、混合物を
100℃に冷却し、大気圧とし、前記のように中和し、生
成物を高温の間に排出する。
バッチの組成およびオリゴマーの性質を第1表に示
す。
b.ラクチドおよびグリセロールから製造するワックス ラクチドとグリセロールとの反応生成物の調製方法 通常の実験室用装置内で、ラクチド[ベーリンガー・
インゲルハイム(Bhringer,Ingelheim)社のL
(−)−ラクチドN]およびグリセロールを、攪拌しな
がら195℃に加熱した。195℃で3時間反応を続け、中和
後、生成物を高温の間に排出した。触媒として、塩化ス
ズ(II)のエーテル溶液を加えていた(ラクチド3モル
とグリセロール1モルとの反応において、エーテル1000
m中のSnCl22.5g溶液を7m使用)。
オリゴマーの組成および性質を第2表に示す。
2.反応性架橋剤成分の調製 2.1 グリコール酸/エチレングリコール4:1オリゴマー
の調製 25試験反応器に、グリコール酸16.72kgおよびエチ
レングリコール3.41kgを入れた。この透明ペースト状材
料を、窒素気流下の不活性雰囲気中で溶融し、次いで更
に最高温度145〜150℃(底部温度)に加熱した。水の蒸
留を伴って反応が始まった後、反応水が新たに生成しな
くなるまで反応を11時間続けた(変換率70%で、蒸気温
度は70〜73℃に低下)。蒸留により得た水溶液に関し
て、蒸留物の量、酸価(グリコール酸含量)および水含
量[カール・フィッシャー(Karl Fischer)法によ
る]を分析した。反応を完結させるために、混合物を注
意深く排気して400トルとし、更に圧力を2時間で10ト
ルに低下し、そのレベルに1時間保つことによって、定
量的変換を達成するよう残留反応水を除去した。
更なる凝縮物を、定量のために低温トラップ(ドライ
アイスおよびエタノールで冷却)に集めた。全反応時間
の後、混合物を100℃に冷却し、窒素によって大気圧に
戻し、生成物を高温の間に排出した。生成物を更に精製
することなく、オリゴグリコール酸ビスメタクリレート
の調製に使用した。
2.2 収率および量比 蒸留物の量 4222.8g グリコール酸(酸価46より): 263.58g−263.6g HPLCによって測定したエチレングリコール 水の量(カール・フィッシャー法による) 蒸留物中91.6%=3868.1g=変換率97.7% 2.3 オリゴグリコール酸ビスメタクリレート 市販のメタクリル酸[レーム(Roehm)社]を、次の
ようにしてビタミンEで新たに抑制する: 減圧蒸留装置内で、メタクリル酸(沸点163℃)15モ
ル(=1291.35g)を、フェノチアジン(安定剤)3.87g
(=3000ppm)と混合する;水流減圧下、強い空気流下
にメタクリル酸を留去した。ビタミンE[コビトール
(Covitol)F−1000−2、67%、ヘンケル社(Henkel
KGaA)]100ppm(=139mg/)を受器に入れ、メタク
リル酸を攪拌しながら蒸留する。蒸留により932gのメタ
クリル酸が回収された後、蒸留を停止する。
2.4 反応過程 攪拌機、クライゼンヘッドおよび冷却機(「蒸留ブリ
ッジ」)を取り付けた三つ口フラスコに、オリゴグリコ
ール酸294g、メタクリル酸206.4gおよびp−トルエンス
ルホン酸17.5gを入れた;混合物を、ビタミンE(α−
トコフェロール)0.86gで抑制した。反応の間、混合物
に少なくとも40/hの速度で空気を通した。
生成する水を除去しながら、最高温度105℃でエステ
ル化を行った。水の除去量が35.78gを越えるまで(変換
率が97%を越えるまで)反応を続けた。
反応の間、蒸留受器はドライアイス/エタノール混合
物で冷却した。最高の底部温度105℃および圧力500ミリ
バールで12〜14.5時間エステル化を行うと、全変換率は
97〜98.5%であった。水溶液(受器および低温トラップ
から回収したもの)を1.5時間毎にサンプリングし、蒸
留物量、酸価(メタクリル酸含量)、およびカール・フ
ィッシャー法による水含量を分析した。
蒸留物に含まれる水含量およびメタクリル酸量は、差
から計算した;各測定後、反応のために充分なメタクリ
ル酸がまだ利用可能であるかどうか調べた。多くの場
合、約7.5または8時間後に、メタクリル酸0.1モルを補
充する必要があった。
反応の完了後(変換率は97%を越える)、生成物を排
出して精製した。
2.5 反応生成物の処理 反応の終了時に、生成物は完全に酸不含有ではない。
従って、Ca(OH)で中和した。酸価測定において、測
定に要する水の故に、生成物は加水分解を受け、その反
応によって酸が連続的に遊離するので、酸含量を滴定に
よって測定することは不可能であった。
そこで、酸価は、理論的に計算しなければならなかっ
た。
中和に要する計算量のCa(OH)を暖かい反応生成物
に入れ、500ミリバールで40/hの空気を通しながら、
混合物を105℃で30分間攪拌した。
中和生成物(100〜105℃で高粘性)を、3バールの圧
力下に100〜105℃で、加圧吸引フィルターおよびレッフ
ラー(Loeffler)フィルター(80NM012)によって濾過
する。
次いで、生成物をまだ高温の間に、ラウンドフィルタ
ー(NMG16、中程度の濾過速度)により、同様の条件下
に再度濾過した。
実施例2 吸収性ワックスおよび反応性架橋剤から成る混合物の調
製、並びにその反応 反応性架橋剤(実施例1.2によるモノマー)を、実施
例1.1aのグリコール酸ワックスまたは実施例1.1bの乳酸
ワックスのいずれかと混合する。混合物の性質を、第3
〜6表に示す。重合体の製造のために、混合物に、UV光
源[ドクトル・ヘンレ社(Dr.Hnle GmbH);UV ASpo
t400/T;400W、200/230V]の照射を5時間行った。
以下の表中、「GS」はグリコール酸を、「EG」はエチ
レングリコールを表す。第3表および第4表に示す混合
物は、増感剤の添加無しにUV光下に反応させた。これに
対し、第5表および第6表に示す混合物は、UV増感剤を
添加して反応させた(第5表の説明参照)。
実施例3 以下説明するように、有用物質を含有する本発明のデ
ポ材料サンプルを調製する。このサンプルを用いて、実
験モデルにおける有用物質の放出を調べる。
有用物質として、市販の種々の抗生物質を使用し、こ
れをまず担体と組み合わせて均一な混合物を形成する。
次いで、混合物に架橋剤を加え、その多成分混合物を約
1〜2mmの厚さの層としてテフロン(Teflon)フィルム
に適用し、UV光を数時間照射する。
採用した条件(増感剤無添加;冷却UVランプ500W、照
射時間10時間、多成分混合物の温度28℃)で、表面がま
だ非粘着性となっていない材料が得られる。所望によ
り、それを非冷却UVランプで非粘着性となるまでアフタ
ーキュアする(15時間;温度80℃)。
詳細は以下の通りである: 担体材料:ラクチド/グリセロールのモル比6/1の縮
合生成物 架橋剤:オリゴ(グリコール酸/エチレングリコール
4:1)ビスメタクリレート 有用物質:ゲンタマイシンスルフェート(Gentamycin
sulfat、商標)、クロラムフェニコール(Chlorampheni
col、商標)およびテトラサイクリン(Tetracyclin、商
標)の名称で入手し得る抗生物質 有用物質/担体混合比:5重量%および0.1重量% 有用物質/担体混合物に対する架橋剤量:3重量% 有用物質を含有するデポ材料は、次のようにして調製
する:オリゴ乳酸担体材料と粉砕した抗生物質とを、予
め決定した量で、要すれば担体材料を少し暖めて、充分
混合する。50℃で、均一な混合物が得られるように架橋
剤成分を加える。この組成物をテフロンフィルム上に展
延して、厚さ1〜2mmの層を形成し、UV硬化に付す。
徐放効果の測定 栄養寒天を適用したガラスプレートに、使用試験細菌
を広い面積にわたって均一に接種した。この培地に、試
験する材料サンプルを接触させた。2日間インキュベー
ト後、抗生物質含有サンプルと、抑制域外縁との間の距
離を測定することによって、材料サンプル周囲に形成さ
れた抑制域を測定した。次いで、抗生物質含有材料サン
プルを、段階的に水道水流による浸出に付す。各洗浄段
階の後、新たに接種した栄養寒天プレート上で、更に形
成される抑制域を測定する。試験材料サンプル周囲に抑
制域が検出されなくなるまで、その操作を何段階も繰り
返す。
試験細菌として、スタヒロコッカス・アウレウス(St
aphylococcus aureus)(ATCC6538)およびエシェリキ
ア・コリ(Escherichia coli)(ATCC11229)を使用し
た。
水による浸出の操作は、次のようにして行う:浸出す
る材料を、合成スポンジ間に配置する。次いで、ハンド
シャワーを用いて、スポンジに均一に水流を通す。要す
れば、浸出操作中に起こり得る破損による材料損失を防
ぐために、材料サンプルを薄い透過性の布で包む。
本発明による活性物質の徐放を提供するデポ材料の徐
放効果をより詳細に評価するために、臨床的に用いられ
ている市販の抗生物質徐放製剤の浸出性をも、同様の操
作条件下に並行して試験する。ここで使用する材料は、
メルク社(ダームシュタット)から、「セプトパル(Se
ptopal、商標)」−10er−ミニケッテ(Minikette)の
名称で市販されている。この従来の材料は、ゲンタマイ
シン・スルフェート5重量%と混合したメチルメタクリ
レート−メチルアクリレートコポリマーである。このポ
リマー担体は、生体吸収性ではない。この材料は、外科
的移植後、通例5〜7日後、または約1〜3箇月経過後
に、要すれば手術によって、完全に取り除かなければな
らない。
3.1 使用した試験菌:スタヒロコッカス・アウレウス 6段階から成る試験において、ゲンタマイシン5重量
%を含有し、実施例3に記載の組成を有する徐放材料
を、全19日間にわたって浸出に付す。試験材料サンプル
周囲に形成される抑制域を、試験開始時と、各浸出工程
の間に前述のように測定する。
「セプトパル」の長時間挙動も、全く同じ条件下に並
行して試験する。
以下のような連続的段階で浸出を行い、その間に抑制
域を測定する: 第1段階 4日間 第2段階 4日間 第3段階 3日間 第4段階 2日間 第5段階 3日間 第6段階 3日間 観察された抑制域のサイズ(mm)を、第7表に示す: 第7表 実施例3のデポ材料 「セプトパル」 抑制域(mm) 12−15 12−15 第1段階 8 8−10 第2段階 5− 7 5−10 第3段階 6− 8 7− 9 第4段階 5 7 第5段階 6− 8 6− 8 第6段階 4 2− 3 同様の試験において、本発明の前記組成のデポ材料を
1重量%の濃度のゲンタマイシン・スルフェートと混合
し、同様の方法で段階的な浸出に付す。新しい材料によ
る抑制域、および各段階後の抑制域は以下の通りであ
る: 新しい材料 7−10mm 第1段階(4日間浸出) 5mm 第2段階(4日間浸出) 1−2mm 第3段階(3日間浸出) 3−5mm 第4段階(2日間浸出) 0mm 3.2 以下の有用物質をそれぞれ0.1重量%の抗生物質濃度
で含有する本発明のデポ材料を用いて、同様の試験を行
う:ゲンタマイシン・スルフェート、エリスロマイシ
ン、テトラサイクリンおよびクロラムフェニコール。
浸出は1日間ずつ行い、その間に観察し得る抑制域の
サイズを測定する。
抑制域(試験菌:スタヒロコッカス・アウレウス)の
ブランク値は、使用したどの材料サンプルに対しても約
5〜6mmである。ゲンタマイシン・スルフェート・デポ
材料の活性は、第3日目の水による浸出まで実質的に不
変である:その後、抑制域サイズの殆ど直線的な縮小が
観察され、第7日の浸出後には零となる。エリスロマイ
シンを含有する徐放材料の場合も、抑制域サイズの経時
変化は殆んど同様である。しかし、零値となるのは第8
日の浸出後である。浸出段階5〜7の間は、ゲンタマイ
シン・スルフェート含有製剤よりも抑制域値が大きい。
テトラサイクリン含有徐放製剤は、第1回の浸出段階
後も殆んど活性の低下を示さない;しかし、その後急速
に活性が低下する。クロラムフェニコール含有製剤は、
第1日の水による浸出後に既に活性が初期値の50%未満
に低下する。
活性成分濃度を5重量%に高め、グリセロール/グリ
コール酸/乳酸のモル比1/2/10のオリゴマーを使用する
と、テトラサイクリン含有製剤による抑制域のブランク
値(42mm)は、8日間の水による浸出後にも、あまり顕
著に低下せず、約10単位低下するだけである(31mm)。
同じ期間でそれよりも幾分大きい活性損失が、抗生物質
としてゲンタマイシン・スルフェートを含有する材料サ
ンプル、およびエリスロマイシンを含有する材料サンプ
ルに見られる。しかし、この場合も、ブランク値の50%
を越える抗生物質活性が維持される。
試験菌がエシェリキア・コリである場合も、培地上で
の同様の試験において、本発明による抗生物質徐放効果
が確認される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゾルク、ライナー ドイツ連邦共和国デー−4000デュッセル ドルフ13、ビューヒャーシュトラアセ6 番 (56)参考文献 特開 昭58−147421(JP,A) 特開 昭59−46963(JP,A) 特開 平2−80054(JP,A) 特開 平1−163135(JP,A) 特表 平5−503504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/00 A61K 47/32

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬学的および/または生物学的有用物質
    と、活性物質を徐放する担体材料としての低級ヒドロキ
    シカルボン酸のオリゴマーおよび/またはポリマー化合
    物とを含有する徐放システムであって、該徐放システム
    が、低級ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリ
    ゴマーのオレフィン性不飽和エステル(架橋剤成分)か
    ら生成するポリマー化合物によって改質されている徐放
    システム。
  2. 【請求項2】オレフィン性多官能性架橋剤成分のポリマ
    ーを、改質剤として少なくとも部分的に含有する請求項
    1記載の徐放システム。
  3. 【請求項3】活性物質を徐放する担体材料として、炭素
    原子数2〜6のヒドロキシカルボン酸のオリゴマーおよ
    び/またはポリマー化合物を含有し、架橋剤成分は、上
    記炭素原子数範囲のヒドロキシカルボン酸の反応性誘導
    体である請求項1または2記載の徐放システム。
  4. 【請求項4】ヒトおよび/または動物において、生体内
    に移植し、および/または局所適用するのに適当な請求
    項1〜3のいずれかに記載の徐放システム。
  5. 【請求項5】架橋剤の少なくとも一部は、低級多官能性
    アルコールまたはカルボン酸と乳酸および/またはグリ
    コール酸とのエステルおよび/またはオリゴエステルで
    あって、末端オレフィン性不飽和基を有するものである
    請求項1〜4のいずれかに記載の徐放システム。
  6. 【請求項6】架橋剤成分は、乳酸および/またはそのオ
    リゴマーのグリセロールエステルと、アクリル(メタク
    リル)酸および/またはその反応性誘導体との反応生成
    物であり、グリセロール1モル当たり確率的平均で2〜
    3モルのオレフィン性末端基を有する請求項1〜5のい
    ずれかに記載の徐放システム。
  7. 【請求項7】活性物質を徐放する担体材料として、室温
    で高粘性ないし固体である低級ヒドロキシカルボン酸の
    オリゴマーおよび/またはポリマーを含有し、生体内移
    植用には、オリゴマー化合物として低級官能性アルコー
    ルのエステルが存在し得、局所適用用には、末端カルボ
    キシル基を有するオリゴマー化合物を担体材料中に少な
    くとも部分的に使用し得る請求項1〜6のいずれかに記
    載の徐放システム。
  8. 【請求項8】活性物質を徐放する担体材料として、平均
    分子量範囲が200〜5000のオリゴエステルを含有する請
    求項1〜7のいずれかに記載の徐放システム。
  9. 【請求項9】活性物質を徐放する担体材料の重量に対し
    て、改質用の少なくとも部分的に反応した架橋剤成分は
    より少ない量で含有し、架橋剤の混合比は、担体材料と
    架橋剤成分との合計に対して0.5〜40重量%である請求
    項1〜8のいずれかに記載の徐放システム。
  10. 【請求項10】担体材料と架橋剤成分のポリマーとが、
    有用物質と組み合わせた徐放システム中に、殆んど均一
    な混合物の形態で存在し、および/または架橋剤を少な
    くとも殆んど含有しない有用物質/担体材料混合物部分
    が、反応した架橋剤成分を含有する材料部分によって覆
    われている層状形態で存在する請求項1〜9のいずれか
    に記載の徐放システム。
  11. 【請求項11】担体材料は、少なくとも二つの様式の構
    造を有し、使用条件下で比較的崩壊速度の高いオリゴー
    および/またはポリエステルと、崩壊速度のより低いオ
    リゴーおよび/またはポリエステルとを併せて含有し、
    高崩壊速度の材料部分はグリコール酸から誘導し、低崩
    壊速度の材料部分は乳酸から誘導する請求項1〜10のい
    ずれかに記載の徐放システム。
  12. 【請求項12】乳酸から誘導したオリゴマーおよび/ま
    たはポリマーと、グリコール酸から誘導したオリゴマー
    および/またはポリマーとの少なくとも殆んど均一な混
    合物を担体材料として含有し、更に、担体材料の各成分
    が個別の材料部分をなす多相混合物をも含有し得る請求
    項1〜11のいずれかに記載の徐放システム。
  13. 【請求項13】形状、種類および/または量に応じて、
    架橋剤成分のポリマーが多相状態で徐放システム中に存
    在し得る請求項1〜12のいずれかに記載の徐放システ
    ム。
  14. 【請求項14】有用物質として薬剤活性を有する成分を
    含有し、それ故生体内への移植用であるか、または有用
    物質として農作物保護および/または植物成長促進の分
    野の活性物質を含有する請求項1〜13のいずれかに記載
    の徐放システム。
  15. 【請求項15】実際の適用における活性物質の徐放にお
    いて、薬学的および/または生物学的有用物質を担体材
    料と共に含有する徐放システムを調節するための、低級
    ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリゴマーの
    オレフィン性不飽和エステルから成り、ラジカルにより
    反応性である架橋剤成分。
  16. 【請求項16】適用形態の徐放システムにおいては、ポ
    リマー化合物として存在し、適用する徐放システム内に
    殆んど均一に、または不均一に分布している請求項15記
    載の架橋剤成分。
  17. 【請求項17】改質用ポリマー化合物は、徐放システム
    材料の少なくとも一部と混合したラジカル反応性架橋剤
    成分からその場で調製する請求項16記載の架橋剤成分。
  18. 【請求項18】乳酸および/またはグリコール酸エステ
    ルから誘導し、少なくとも一部は、2〜4個のオレフィ
    ン基を分子中に有する多官能性架橋剤成分である請求項
    15〜17のいずれかに記載の架橋剤成分。
  19. 【請求項19】低級多官能性アルコールと、乳酸および
    /またはグリコール酸とのヒドロキシ末端反応生成物の
    多官能性アクリル(メタクリル)酸エステルから成る請
    求項15〜18のいずれかに記載の架橋剤成分。
  20. 【請求項20】徐放システムの調製において、架橋剤成
    分を担体/有用物質混合物と混合し、その場で反応さ
    せ、および/または反応した硬化成分を含有する材料層
    で担体/有用物質混合物を覆う請求項15〜19のいずれか
    に記載の架橋剤成分。
  21. 【請求項21】低級ヒドロキシカルボン酸の生体適合性
    オリゴマーおよび/またはポリマーを担体材料として使
    用し、この成分の平均分子量範囲は200〜5000である請
    求項15〜20のいずれかに記載の架橋剤成分。
JP50765592A 1991-04-17 1992-04-11 デポ担体材料から薬学的および/または生物学的有用物質を徐放するための改良された徐放システム Expired - Fee Related JP3351523B2 (ja)

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