JP3351104B2 - 車両通信システム - Google Patents

車両通信システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両通信システムに
係り、詳しくは、通信制御機能を備えた複数の車載制御
装置を共通の通信回線により接続した車両通信システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の車両通信システムでは、通信制
御機能を備えた複数の車載制御装置が共通の通信回線に
て接続され、この通信回線を介して各種演算データ等の
データ通信が盛んに行われる。そして、通信回線等に異
常が発生すると、通信を一定時間だけ中断した後、復帰
させるようにしている。また、異常発生時における復帰
処理には初期化処理等、多大な演算負荷を要するため、
一回の走行中に通信異常による通信の中断回数が所定の
規定回数に達すると、それ以降の通信の復帰動作を停止
するようにしている。そして、通信の復帰停止後には、
通信による受信データの代わりにある一定値による制御
が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車両通信シ
ステムでは、例えば車両走行中に送電線や放送局等から
の強い電磁波を受けるとノイズによる通信異常が発生
し、この場合、従来のように一定時間の通信中断を所定
の規定回数だけ行う通信システムでは一時的な電磁波障
害であっても中断回数が直ぐに規定回数に達してしま
う。つまり、車両が電磁波区域から離れて通信異常(電
磁ノイズ)が解消されたにもかかわらず、通信が復帰で
きないという事態を招く。
【0004】また、通信回線がドア等に挟まれて一時的
にショートした場合にも、中断回数が直ぐに規定回数に
達することで、ショートが解消されたにもかかわらず通
信の復帰がなされないことになる。
【0005】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、一時的なノイ
ズ等による通信の異常発生時において通信の中断及び復
帰を適正に行うことができる車両通信システムを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、通信制御機能を備えた複
数の車載制御装置が共通の通信回線により接続され、通
信の異常発生時には通信を一時的に中断した後に復帰さ
せ、通信の中断回数が所定の規定回数に達すると前記復
帰動作を停止するようにした通信システムにおいて、通
信の中断回数に応じて、前記中断から復帰までに要する
時間を変化させる手段を備えたことを要旨としている。
【0007】請求項2に記載の発明は、通信の中断回数
が多くなるほど、前記中断から復帰までに要する時間を
長くするようにしている。請求項3に記載の発明は、通
信制御機能を備えた複数の車載制御装置が共通の通信回
線により接続され、通信の異常発生時には通信を一時的
に中断した後に復帰させ、通信の中断回数が所定の規定
回数に達すると前記復帰動作を停止するようにした通信
システムにおいて、通信の復帰から次の中断までの時間
に応じて、前記中断から復帰までに要する時間を変化さ
せる手段を備えたことを要旨としている。
【0008】請求項4に記載の発明は、通信の復帰から
次の中断までの時間が長くなるほど、前記中断から復帰
までに要する時間を長くするようにしている。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、通信の異常発
生時には通信を一時的に中断した後に復帰させ、通信の
中断回数が所定の規定回数に達すると復帰動作を停止す
る。このとき、通信の中断回数に応じて、中断から復帰
までに要する時間を変化させる。つまり、電磁波障害
等、一時的な通信異常により通信の中断及び復帰動作が
行われる場合にも、中断回数が規定回数に達するまでの
時間が適正に調整され、従来のように不用意に通信の復
帰ができなくなることが抑制される。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、通信の中
断回数が大きくなるほど、前記中断から復帰までの時間
が長くなる。請求項3に記載の発明によれば、通信の異
常発生時には通信を一時的に中断した後に復帰させ、通
信の中断回数が所定の規定回数に達すると復帰動作を停
止する。このとき、通信の復帰から次の中断までの時間
に応じて、中断から復帰までに要する時間を変化させ
る。つまり、請求項1の作用と同様に、電磁波障害等、
一時的な通信異常により通信の中断及び復帰動作が行わ
れる場合にも、中断回数が規定回数に達するまでの時間
が適正に調整され、従来のように不用意に通信の復帰が
できなくなることが抑制される。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、通信の復
帰から次の中断までの時間が長くなるほど、中断から復
帰までの時間が長くなる。
【0012】
【実施例】
(第1実施例)以下、この発明の車両通信システムを具
体化した第1実施例を図面に従って説明する。
【0013】図1は、本実施例における車両通信システ
ムの概要を示している。同図に示すように、車両(自動
車)には車両電子制御を行うための複数の車載制御装置
が搭載されている。具体的には、エンジン用電子制御装
置(エンジン用ECU)1,自動変速機用電子制御装置
(AT用ECU)2,メータ用電子制御装置(メータ用
ECU)3,アンチロックブレーキシステム用電子制御
装置(ABS用ECU)4が搭載されている。各ECU
1〜4は共通の通信回線5により接続され、通信回線5
を介して相互間の通信が可能となっている。
【0014】ここで、ECU1〜4の構成について、エ
ンジン用ECU1を例にして詳しく説明する。エンジン
用ECU1において、ワンチップマイクロコンピュータ
からなるCPU6、入力インターフェース7及び出力イ
ンターフェース8は、バス9により接続されている。C
PU6には、制御プログラムを記憶したり演算データを
一時的に記憶したりするメモリ6aが設けられている。
入力インターフェース7には、アクセルペダル位置セン
サやエンジン回転角センサ等からなるセンサ群12、及
びスタータスイッチ等からなるスイッチ群13が接続さ
れている。また、出力インターフェース8には、スロッ
トル開度位置を制御するDCモータ等からなるアクチュ
エータ群14が接続されている。
【0015】そして、CPU6は、センサ群12及びス
イッチ群13からの検出信号に基づいて、各種演算デー
タ(エンジン回転数データやアクセルペダル位置データ
等)を演算すると共に、エンジンの状態を最適に制御す
べくアクチュエータ群(スロットル駆動用DCモータ)
14を制御する。
【0016】また、通信回線5の制御を司る通信制御回
路10は、制御ロジック部15、レシーバ16、ドライ
バ17及び開閉回路18を備えている。制御ロジック部
15は、CPU6から転送された送信データや他のEC
Uから受信した受信データを蓄積すると共に、通信回線
5の監視等を行う。制御ロジック部15及びCPU6は
データ転送線11にて接続されており、このデータ転送
線11を介して、CPU6から制御ロジック部15への
送信データの転送が行われると共に、制御ロジック部1
5からCPU6への受信データの受け渡しが行われる。
【0017】また、レシーバ16は通信回線5からの信
号を受信し、ドライバ17は通信回線5へ信号を送信す
る。開閉回路18は、制御ロジック部15又はCPU6
からの指令に従い、制御ロジック部15と通信回線5と
の間の通信路を「開」又は「閉」に切り換えるものであ
る。つまり、通信異常が発生すると、制御ロジック部1
5からの指令により開閉回路18が開かれ、通信が中断
される。また、所定時間の通信の中断後、CPU6から
の指令により開閉回路18が閉じられ、通信が復帰され
る。
【0018】なお、他のECU2〜4についても、上記
エンジン用ECU1とほぼ同様の構成を有しており、各
々にCPUや通信制御回路等を備え、センサ群やスイッ
チ群からの検出信号に基づいて各種アクチュエータ群を
制御する。そして、各ECU1〜4は相互間で、各種制
御量の演算に必要なデータの受け渡しを行う。例えば、
エンジン用ECU1にて演算されたエンジン回転数デー
タは通信回線5を経てメータ用ECU3に送信され、メ
ータ用ECU3にてタコメータの駆動に用いられる。ま
た、AT用ECU2からの車速データは通信回線5を経
てエンジン用ECU1に送信され、エンジン用ECU1
にてスロットル制御に用いられる。
【0019】一方、図2は通信回線5を伝送される通信
フレームのフォーマットを示しており、本通信システム
では図示の如く構成されるフレームが各ECU1〜4間
で受け渡される。なお、同フレームにおいて、「SOF
(スタートオブフレーム)」は当該フレームの先頭を示
す部分であり、それに続く「Data」は送信データの
内容が組み込まれるデータフィールドを示す部分であ
る。また、「CRC」はCRC(サイクリック冗長性検
査)法を用いてデータ伝送やデータ記録におけるエラー
検出を行う部分であり、「EOF(エンドオブフレー
ム)」はフレームの末尾を示す部分である。
【0020】以下、上記の如く構成される車両通信シス
テムの作用について、図3〜図5を用いて説明する。図
3は、通信状態の異常(送信データのエラー)を検出し
て通信を中断させるための処理ルーチンを示すフローチ
ャートであり、同ルーチンは通信制御回路10内の制御
ロジック部15により実行される。図4は、通信の中断
から復帰までに要する時間(復帰時間TF とする)を設
定するための処理ルーチンを示すフローチャートであ
り、同ルーチンはCPU6により実行される。
【0021】さて、図3のルーチンが起動すると、制御
ロジック部15はステップ100で直前に通信の復帰命
令があったか否かを判別する。この復帰命令は通信が中
断状態から復帰した際に発せられるものであって、ステ
ップ100が肯定判別された場合、制御ロジック部15
はステップ190に移行してエラーカウンタCerr を
「0」にクリアし、ステップ100が否定判別された場
合、ステップ110に移行する。ここで、エラーカウン
タCerr は送信データの異常状態を表すカウンタであ
る。
【0022】また、制御ロジック部15は、ステップ1
10〜160で送信データの通信状態を判定すると共
に、その判定結果に応じてエラーカウンタCerr をカウ
ントアップ或いはダウンさせる。詳しくは、制御ロジッ
ク部15は、ステップ110で送出時の送信ビットと受
け取ったビットとが不一致であるか否かを判別し、不一
致の場合、ステップ120に移行する。この場合、制御
ロジック部15は、ステップ120でエラーカウンタC
err を「8」カウントアップした後、ステップ170に
移行する。また、制御ロジック部15は、ステップ13
0で受信フレームのCRCエラーを判別し、CRCエラ
ーの場合、ステップ140に移行する。この場合、制御
ロジック部15は、ステップ140でエラーカウンタC
err を「4」カウントアップした後、ステップ170に
移行する。なお、ステップ110,130のエラー判別
は上記方法に限定されるものではない。
【0023】さらに、制御ロジック部15は、ステップ
150でフレームデータが正常であるか否かを判別し、
正常であればステップ160に移行する。この場合、制
御ロジック部15は、ステップ160でエラーカウンタ
Cerr を「16」カウントダウンした後、ステップ17
0に移行する。また、ステップ110,130,150
が共に否定判別された場合には、エラーカウンタCerr
のカウントアップ或いはダウンを行わずにステップ17
0に移行する。これは、制御ロジック部15と通信回線
5との通信路が切り離され、通信が中断されている場合
に相当する。
【0024】その後、制御ロジック部15はステップ1
70で、エラーカウンタCerr が「256」以上である
か否かを判別する。そして、Cerr <256であれば、
制御ロジック部15はそのままステップ100にリター
ンし、Cerr ≧256であれば、ステップ180で開閉
回路18を「開」にして通信を中断させた後、ステップ
100にリターンする。
【0025】この図3の処理では、エラー条件毎に重み
付けられてエラーカウンタCerr がカウントアップ又は
ダウンされる。これにより、ランダム的に発生する短時
間のノイズに起因する通信エラーについて、その場合の
通信の中断が防止される。
【0026】一方、図4のルーチンにおいて、CPU6
は、ステップ200で通信の復帰動作が必要であるか否
かを判断し、必要でなければそのまま本ルーチンを終了
する。このとき、前回の通信中断に伴う復帰処理(後続
のステップ210〜240の処理)が既になされていれ
ば、ステップ200は肯定判別される。また、復帰動作
が必要であれば、CPU6は、ステップ210で中断回
数カウンタCF を「1」カウントアップする。ここで、
中断回数カウンタCF は、車両の1回の走行中における
通信の中断回数をカウントするものであり、IGSWの
オンにより初期化(CF =0)されるようになってい
る。
【0027】その後、CPU6は、ステップ220で中
断回数カウンタCF が所定の規定回数(本実施例では、
16回)を越えているか否かを判別する。そして、CF
≦16であれば、CPU6はステップ230で中断回数
カウンタCF に応じて復帰時間TF を算出する(TF =
CF ・16)。ここで、復帰時間TF は、中断回数カウ
ンタCF の値に対して16msの重み付けがなされる。
さらに、CPU6は、続くステップ240で上記の如く
求めた復帰時間TF をレジスタにセットする。その後、
CPU6は、レジスタに設定された復帰時間TF が経過
するタイミングで開閉回路18を「閉」にする。
【0028】また、ステップ220でCF >16であれ
ば、CPU6はそのまま本ルーチンを終了する。即ち、
CF >16の場合には、ステップ230,240が実施
されないため開閉回路18が「開」状態で保持され、以
後、通信の復帰動作が止められる。
【0029】図5は、ノイズに伴う通信の中断及び復帰
動作を示したタイミングチャートであり、図5(a)は
本実施例の通信システムの動作を、図5(b)は従来の
通信システムの動作を示している。図5の時間t1〜t
2はノイズの発生期間を示している。なお、図5におい
て、開閉回路18の「閉」から「開」の動作が通信の中
断を示し、「開」から「閉」の動作が通信の復帰を示し
ている。
【0030】先ず図5(a)を用いて本実施例について
説明する。時間t1にてノイズが発生すると、エラーカ
ウンタCerr がカウントアップされ、Cerr ≧256と
なるタイミングで開閉回路18が「開」となり、通信が
中断される。このとき、中断回数カウンタCF が「0」
から「1」に変更され、復帰時間TF1(=16ms)が
設定される。なお、図5の復帰時間TF には中断回数カ
ウンタCF に対応する添字を付している。
【0031】そして、復帰時間TF1の経過後、開閉回路
18が「閉」になり、通信が復帰される。しかし、この
通信の復帰時にもノイズが発生しているため、再びCer
r ≧256となるタイミングで開閉回路18が「開」と
なり、通信が中断される。このとき、中断回数カウンタ
CF が「1」から「2」に変更されて、復帰時間TF2
(=32ms)が設定される。
【0032】その後、ノイズが継続的に発生しているた
め、時間t2に達するまで、通信の中断及び復帰動作が
繰り返し実施される。即ち、中断回数カウンタCF の
「2」から「3」への変更と共に復帰時間TF3(=48
ms)の設定が行われ、さらに、中断回数カウンタCF
の「3」から「4」への変更と共に復帰時間TF4(=6
4ms)の設定が行われる。
【0033】一方、図5(b)の従来例では、時間t1
のノイズ発生に伴い、図5(a)と同様に通信が中断さ
れ、中断回数カウンタCF が「0」から「1」に変更さ
れると共に、復帰時間TF1’(=16ms)が設定され
る。そして、復帰時間TF1’の経過後、通信が復帰され
る。以後、時間t2に達するまで、通信の中断毎に一定
時間(16ms)の復帰時間TF2’〜TF7’が設定さ
れ、中断及び復帰動作が繰り返し実施される。この場
合、復帰時間TF1’〜TF7’は全て同じ時間(16m
s)で設定されている。従って、時間t1〜t2におい
て、図5(a)では中断回数カウンタCF が「4」まで
カウントされたのに対し、図5(b)では中断回数カウ
ンタCF が「7」までカウントされる。
【0034】なお、時間t2以後もノイズが継続的に発
生したとすれば、従来例では256msで中断回数カウ
ンタCF が規定回数(16回)に達するのに対し、本実
施例では、最短でも2176msで中断回数カウンタC
F が規定回数(16回)に達することになる。
【0035】そして、上記詳述した本実施例の車両通信
システムによれば、以下に示す効果を発揮することがで
きる。即ち、電磁波障害により通信回線5にノイズが重
畳した場合や通信回線5がドアに挟まってショートした
場合等、一時的な通信異常により通信の中断及び復帰動
作が行われる場合にも、中断回数が規定回数に達するま
での時間が適正に調整される。従って、従来のように不
用意に通信の復帰ができなくなることが抑制される。ま
た、中断回数が規定回数に達するまでの時間が長くなる
ため、長時間のノイズ等にも適正に対処することができ
る。さらに、ノイズ発生時に割り込み発生する復帰処理
回数が少なくなるため、CPU6のソフトウェア処理負
荷が低減され、車両制御への影響を少なくすることがで
きる。 (第2実施例)次に本発明の第2実施例について、上記
第1実施例との相違点を中心に説明する。上記第1実施
例では、復帰時間TF を中断回数カウンタCF の値に正
比例させて変化させた。これに対し、第2実施例では、
通信回線5の状態(復帰から次の中断までにかかる時
間)に合わせて変化させている。
【0036】図6は第2実施例における復帰時間TF の
設定ルーチンを示しており、同ルーチンは第1実施例の
図4のルーチンに相当する。なお、図6においてステッ
プ300〜320は、図4のステップ200〜220と
同じ処理であり、ここでは、ステップ320でのCF ≦
16の判定処理に続く、ステップ330〜350を説明
する。
【0037】つまり、CPU6は、ステップ330で通
信の復帰から次の中断までに要した所要時間TS を計測
し、続くステップ340で前記所要時間TS を反映させ
た復帰時間TF を算出する(TF =TS ・16)。ここ
で、通信の復帰から次の中断までに要した所要時間TS
は、図3のルーチンにて示すエラーカウンタCerr が所
定値(Cerr ≧256)に達するまでの時間に相当す
る。従って、所要時間TS に応じて復帰時間TF を長く
することで、断線等により通信異常の状態が変化しない
場合には中断回数カウンタCF のカウントが早くなり、
断続的に通信異常の状態が変化する場合には中断回数カ
ウンタCF のカウントが遅くなる。また、CPU6は、
続くステップ350で上記復帰時間TF をレジスタにセ
ットする。そして、CPU6はレジスタに設定された復
帰時間TF が経過した時、開閉回路18を「閉」にして
通信を復帰させる。
【0038】この第2実施例では、通信異常の状態に応
じた復帰時間TF の設定が可能となり、通信の復帰処理
を適正に行うことができる。このように、前述の第1実
施例と同様に本発明の目的を達成することができる。
【0039】なお、本発明は上記実施例の他に、次の様
態にて具体化することができる。上記第1実施例では中
断回数カウンタCF の値に比例させて復帰時間TF を設
定し、第2実施例では復帰から中断までの所要時間TS
に比例させて復帰時間TF を設定したが、これを変更し
てもよい。例えば、中断回数カウンタCF や所要時間T
S に対する復帰時間TF の変化量を新たに設定したりす
ることも可能である。また、上記2つの条件(中断回数
カウンタCF の値,所要時間TS )を合わせて復帰時間
TF を設定するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発明によれば、一
時的なノイズ等による通信の異常発生時において通信の
中断及び復帰を適正に行うことができるという優れた効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における車両通信システムを示す構成図
である。
【図2】通信フレームのフォーマットを示す構成図であ
る。
【図3】第1実施例において、制御ロジック部が実行す
る通信中断の処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図4】第1実施例において、CPUが実行する通信の
復帰時間設定ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第1実施例における作用を説明するためのタイ
ミングチャートであり、(a)は本実施例の通信システ
ムの動作を、図5(b)は従来の通信システムの動作を
示している。
【図6】第2実施例において、CPUが実行する通信の
復帰時間設定ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…車載制御装置としてのエンジン用ECU、2…車載
制御装置としてのAT用ECU、3…車載制御装置とし
てのメータ用ECU、4…車載制御装置としてのABS
用ECU、5…通信回線、6…CPU。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信制御機能を備えた複数の車載制御装
    置が共通の通信回線により接続され、通信の異常発生時
    には通信を一時的に中断した後に復帰させ、通信の中断
    回数が所定の規定回数に達すると前記復帰動作を停止す
    るようにした通信システムにおいて、 通信の中断回数に応じて、前記中断から復帰までに要す
    る時間を変化させる手段を備えたことを特徴とする車両
    通信システム。
  2. 【請求項2】 通信の中断回数が多くなるほど、前記中
    断から復帰までに要する時間を長くする請求項1に記載
    の車両通信システム。
  3. 【請求項3】 通信制御機能を備えた複数の車載制御装
    置が共通の通信回線により接続され、通信の異常発生時
    には通信を一時的に中断した後に復帰させ、通信の中断
    回数が所定の規定回数に達すると前記復帰動作を停止す
    るようにした通信システムにおいて、 通信の復帰から次の中断までの時間に応じて、前記中断
    から復帰までに要する時間を変化させる手段を備えたこ
    とを特徴とする車両通信システム。
  4. 【請求項4】 通信の復帰から次の中断までの時間が長
    くなるほど、前記中断から復帰までに要する時間を長く
    する請求項3に記載の車両通信システム。
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