JP3350770B2 - 眼球運動測定装置 - Google Patents

眼球運動測定装置

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JP3350770B2 JP09740094A JP9740094A JP3350770B2 JP 3350770 B2 JP3350770 B2 JP 3350770B2 JP 09740094 A JP09740094 A JP 09740094A JP 9740094 A JP9740094 A JP 9740094A JP 3350770 B2 JP3350770 B2 JP 3350770B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検者の病状を診断す
る際などに、回旋成分を含む眼球運動を測定するための
眼球運動測定装置に係り、特に虹彩紋理を1画面ごとに
安定して画像認識することのできる眼球運動測定装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】めまい患者の診断のためには、眼球運動
の水平、垂直方向の測定のみならず、回旋成分の測定が
重要である。この回旋成分を定量的に計測することによ
り、めまいの原因が脳にある中枢性か、耳にある末梢性
かの判別が可能となる。回旋成分がある場合はめまいの
原因は約90%が末梢性であると判断され、生命に危険
がない場合が多く患者も安心できる。また治療方法が中
枢性か末梢性かで異なるため、この判断はめまい診断上
極めて重要である。
【0003】本出願人は先に特願平2−116943号
により、眼球運動の水平、垂直、回旋成分を短時間で測
定することのできる眼球運動測定装置を提案した。この
装置の一例の概略構成を図7及び図8に示す。これらの
図において、有底円筒状の筐体1の底部1aには、撮像
カメラであるビデオカメラ2が中心軸上に取り付けられ
ている。ビデオカメラ2の前面に設けられた光学レンズ
部2aの周囲には、環状の基板3に同心的に取り付けら
れた複数個、例えば8個の光源としてのLED4が配設
されている。また光学レンズ部2aとLED4との間に
は、LED4から発した光が直接ビデオカメラ2側に漏
れないようにするために、円筒状の遮蔽板5が同心的に
設けられている。さらにビデオカメラ2はケーブル6に
よって図示しないコントロールユニットに接続されてい
る。
【0004】上記のように構成された眼球運動測定装置
により眼球運動を測定するときは、ビデオカメラ2の光
軸の延長線が被検者の眼球7の中心の位置になるよう
に、装置本体をゴーグルなどにより被検者の頭部に装着
する。次にLED4を被写体ぶれが生じない程度の時
間、例えば1/300秒乃至1/1000秒程度点灯
し、ビデオカメラ2により眼球7を撮影し、図示しない
VTRにより第1画面を録画する。
【0005】次に録画された第1画面を図示しないディ
スプレイで再生し、再生画面を見ながら追跡しやすい鮮
明な虹彩紋理8を1個選択する。そして図9に示すよう
に、瞳孔9の中心位置10と選択した虹彩紋理8にそれ
ぞれウィンド11,12を掛ける。このウィンド操作で
特定した瞳孔中心10と虹彩紋理8の追跡を行ない、画
像認識処理によりそれぞれの位置座標を決める。
【0006】以降同様な処理を第2画面以降について行
なうが、第1画面で選択しウィンド12が掛けられた虹
彩紋理8は、パソコンで自動的に追跡することができ
る。そして各画面における瞳孔中心10及び虹彩紋理8
の位置座標を決める解析処理が終了すると、各解析デー
タから瞳孔中心10及び虹彩紋理8の位置座標の水平・
垂直方向の時間変化及び回旋角度の時間変化を求める演
算処理が行なわれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た眼球運動測定装置によると、虹彩紋理8の位置座標と
瞳孔9の中心10の位置座標の時間変化から、虹彩紋理
8の回旋成分を計算して求める方式であるため、虹彩紋
理8を連続して安定に追跡する必要がある。しかし従来
のLED4は図8に示すように、ビデオカメラ2の光学
レンズ部2aの周囲全周にわたってほぼ等間隔に配置さ
れていたため、図9に示すようなLED4の映り込み1
3も眼球7の表面の円周上にほぼ等間隔に形成される。
この結果、第1画面で選択した虹彩紋理8がLED4の
映り込み13の中に入ってしまい、画像認識が困難にな
るという問題があった。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、眼球の虹彩紋理8を1画面ごとに安定して画
像認識することができ、眼球運動の回旋成分の計測を確
実に行うことのできる眼球運動測定装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明は、眼球に光を照射する光
源としての複数個の発光素子と、前記発光素子により照
射された眼球の運動を撮像する撮像カメラとを備えた眼
球運動測定装置において、前記撮像カメラの光軸を中心
とする一円周上において、所定の領域では前記複数個の
発光素子は等間隔に配置され、前記所定の領域以外の領
域は発光素子が存在せず前記間隔の1つ分よりも長い領
域であることを特徴とする。また、請求項2に記載の発
明は、前記一円周上において前記所定の領域以外の領域
は眼球に対し上部および/または下部に位置し、前記所
定の領域以外の領域に近接した眼球の虹彩紋理を追跡す
る手段を具備することを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の本発明は、眼球に光を照
射する眼球撮像用光源としての複数個の発光素子と、前
記発光素子により照射された眼球の運動を撮像する撮像
カメラとを備えた眼球運動測定装置において、前記複数
個の発光素子は、前記撮像カメラの光軸を中心とする一
円周上全体において等間隔に配置されており、前記複数
個の発光素子のうち選択された発光素子を非発光とする
設定を行う非発光設定手段を備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1に記載の眼球運動測定装置において
は、前記撮像カメラの光軸を中心とする一円周上におい
て、所定の領域では前記複数個の発光素子は等間隔に配
置され、前記所定の領域以外の領域は発光素子が存在せ
ず前記間隔の1つ分よりも長い領域であるので、所定の
領域以外の領域を非発光とし、反射光の映り込みがない
特定の虹彩紋理を得ることができる。従って、確実な画
像認識と連続的な自動追跡を行うことができる。また、
請求項2に記載の眼球運動測定装置においては、前記一
円周上において前記所定の領域以外の領域は眼球に対し
上部および/または下部に位置するので、眼球の上部お
よび/または下部の虹彩紋理の虹彩紋理に反射光の映り
込みをなくし、追跡手段はこれらの虹彩紋理を追跡す
る。
【0012】また、請求項3に記載の眼球運動測定装置
においては、眼球撮像用光源としての複数個の発光素子
は、前記撮像カメラの光軸を中心とする一円周上全体に
おいて等間隔に配置されており、前記複数個の発光素子
のうち選択された発光素子を非発光とする設定を行う非
発光設定手段を備えるので、非発光設定手段によって反
射光の映り込みがない虹彩紋理を選択することができ
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の眼球運動測定装置の一実施例
を図面を参照して説明する。
【0014】図1乃至図6に本発明の実施例の構成を示
す。これらの図において、図7乃至図9に示す従来例に
対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は
適宜省略する。本実施例の特徴は光源としてのLED4
の配置あるいはその駆動方法により適切な位置に非発光
部22を設けることにあり、装置本体の他の部分の構成
は図7乃至図9に示す従来例と同様である。
【0015】図1に示す実施例では、円周21の上部に
非発光部22を画成するように、8個のLED4を下方
に片寄って配置している。
【0016】本実施例においては、図2に示すようにL
ED4の映り込み13a,13bはそれぞれ眼球7の右
側または左側の虹彩紋理8aまたは8bの上に重なって
いるため、それらの虹彩紋理を追跡することは困難であ
る。しかしながら、非発光部22(第1図)に対応した
眼球上部にある虹彩紋理8cを選択するならば、正確な
測定が可能となる。
【0017】図3に示す実施例では、8個のLED4を
撮像カメラ2の光軸を中心として円周上に設けられた環
状の基板3(図7)の上に4個づつをひとまとめにし
て、左側及び右側にそれぞれ片寄らせて配置しているた
め、前記光軸を中心とした円周21の上部分及び下部分
にLEDの映り込みを起こすことのない非発光部22を
画成することができる。
【0018】本実施例においては、眼球運動は一般に上
下運動より左右運動の方が多いので図4に示すように右
側または左側の虹彩紋理8dまたは8eを測定規準とし
て選択した場合には、眼球7が左右に動いたときに虹彩
紋理8d、8eが目尻の内側に隠れてしまう恐れがある
ばかりか、LED4の映り込み13dまたは13eの中
に入ってしまい画像認識が困難になりやすい。従って測
定基準としては上下の非発光部22近傍にある虹彩紋理
のうち鮮明な自動追跡しやすい例えば虹彩紋理8fまた
は8gを選択することがよい。
【0019】また、眼球7は正しい球体ではないが水晶
体の表面が椀状に膨出している。一方その眼球を撮影す
る撮像カメラ2は位置を動かすことなく、その眼球7を
真上から撮影する構成となっているため、例えば図4に
示すように右側の虹彩紋理8dを測定規準として選択し
た場合に、眼球7全体が右方向に動いたときは、椀状に
突出した水晶体を斜めに通して虹彩紋理8dを撮影する
ことになるため、瞳孔9の中心10と虹彩紋理8dとの
距離が実際より短く撮影されることとなる。この結果、
眼球の移動距離と中心10からみた回転角度のデータか
ら導き出す回旋成分の計算値に誤差が生ずる恐れがあ
る。
【0020】一方、例えば図4の眼球上部にある虹彩絞
理8fを測定規準として選択した場合に、眼球7が右方
向に動いたとしても、測定しようとする距離は瞳孔9の
中心10と虹彩紋理8fとの距離であって、眼球の移動
方向とほぼ直行する方向の距離を撮像画面から測定する
こととなっているため、椀状に突出した水晶体が距離測
定に及ぼす影響は少ない。従って、測定値の誤差は右側
の虹彩紋理8dを選んだ場合より小さくできる。
【0021】図5に示す実施例は、基板3上に多数のL
ED4(本実施例では8個)を設け、例えば図6の虹彩
紋理8hを選択したときに、その虹彩紋理8hに映り込
みを起こさない非発光部22を画成するようにLED4
hを消灯するものである。
【0022】上記各実施例を総合すると、測定基準とし
て選択した虹彩紋理8の中にLED4の映り込みが起き
ないように、LED4を部分的に片寄せて固定的に配置
するか例えば、図7に示すようにLED4に対応するよ
うに底部1aに設けられたスイッチ15により選択的に
消灯して非発光領域を画成するものである。さらに好ま
しくはその非発光領域を眼球7の上部あるいは下部に設
けるものである。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
眼球運動測定装置は、特定の虹彩紋理が光源の反射光の
映り込みの中に入ることを防ぐことができ、虹彩紋理を
1画面毎に安定して画像認識することができる。この結
果、眼球運動の回旋成分の計測を確実に行なうことがで
きる。請求項2に記載の眼球運動測定装置によれば、眼
球の上部および/または下部の虹彩紋理に反射光が映り
込むのを防ぎ、追跡手段はこれらの虹彩紋理を追跡する
ので、正確に回旋成分を計測することができる。
【0024】請求項3に記載の眼球運動測定装置は、複
数個の発光素子のうち選択した発光素子を非発光とする
ことができ、どの位置の虹彩紋理であっても測定対象と
して自由に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の眼球運動測定装置の一実施例で非発光
部を上方に設けるようにした光源の配置の第1の例を示
す配置図。
【図2】図1に示す第1の例における眼球上の光源の映
り込みを示す説明図。
【図3】本発明の一実施例で非発光部を上方及び下方に
設けるようにした光源配置の第2の例を示す配置図。
【図4】図3に示す第2の例における眼球上の光源の映
り込みを示す説明図。
【図5】本発明の一実施例で光源の一部を消灯して非発
光部を設けるようにした第3の例を示す配置図。
【図6】図5に示す第3の例における眼球上の光源の映
り込みを示す説明図。
【図7】従来の眼球運動測定装置の一例の構成を示す縦
断面図。
【図8】図9の正面図。
【図9】図9に示す装置による眼球上の光源の映り込み
を示す説明図。
【符号の説明】
2 ビデオカメラ(撮像カメラ) 3 基板 4 LED(光源) 7 眼球 8 虹彩紋理 15 スイッチ
(非発光設定手段) 22 非発光部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼球に光を照射する光源としての複数個
    の発光素子と、前記発光素子により照射された眼球の運
    動を撮像する撮像カメラとを備えた眼球運動測定装置に
    おいて、前記撮像カメラの光軸を中心とする一円周上において、
    所定の領域では前記複数個の発光素子は等間隔に配置さ
    れ、前記所定の領域以外の領域は発光素子が存在せず前
    記間隔の1つ分よりも長い領域である ことを特徴とする
    眼球運動測定装置。
  2. 【請求項2】 前記一円周上において前記所定の領域
    外の領域は眼球に対し上部および/または下部に位置
    し、 前記所定の領域以外の領域に近接した眼球の虹彩紋理を
    追跡する手段を具備すること を特徴とする請求項1記載
    の眼球運動測定装置。
  3. 【請求項3】 眼球に光を照射する眼球撮像用光源とし
    ての複数個の発光素子と、前記発光素子により照射され
    た眼球の運動を撮像する撮像カメラとを備えた眼球運動
    測定装置において、 前記複数個の発光素子は、前記撮像カメラの光軸を中心
    とする一円周上全体において等間隔に配置されており、 前記複数個の発光素子のうち選択された発光素子を非発
    光とする設定を行う非発光設定手段を備えることを特徴
    とする眼球運動測定装置。
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