JP3350015B2 - 履き物及びその製造方法 - Google Patents

履き物及びその製造方法

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JP3350015B2
JP3350015B2 JP2000039871A JP2000039871A JP3350015B2 JP 3350015 B2 JP3350015 B2 JP 3350015B2 JP 2000039871 A JP2000039871 A JP 2000039871A JP 2000039871 A JP2000039871 A JP 2000039871A JP 3350015 B2 JP3350015 B2 JP 3350015B2
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千尋 都筑
雄志 小林
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飛騨工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の表示物を表
示するワッペンを取着した履き物及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ゴム長靴、シューズ、鞄等の装
身物に取着して、同装身物が自己の所有物であることを
表示するワッペンが知られている。この様なワッペンと
しては、例えば特公平5−4081号公報に開示されて
いるような、表面に名前等を記入するワッペンがある。
ところが、このワッペンはその表面に名前等を記入する
ことから、その記入箇所が外部に露出している。このた
め、記入した内容が装身物の経年使用によって損傷を受
けてしまい外部から視認することができなくなるという
不都合があった。
【0003】一方、このような不都合を解消することが
できるものとして、例えば、次の2つの技術が公知とな
っている。先ず、実開昭62−161802号公報に
は、ワッペンを差し入れる表示ポケットを設けたシュー
ズが開示されている。この表示ポケットは表面が透明シ
ートで形成され、ファスナーによって開口が開閉可能に
構成されている。従って、この表示ポケット内に差し入
れられたワッペンは外部に露出することはない。
【0004】又、実用新案登録第3057764号の登
録実用新案公報には、装身物に設けられたプラスチック
製の立体プレート上に、所望の表記がなされたプレー
ト、透明な樹脂シールを順に貼り付けて構成されたワッ
ペンが開示されている。このワッペンも、所望の表記が
なされたプレートは透明な樹脂シールによってカバーさ
れているため外部に露出することがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
技術においては、前記表示ポケットはファスナーによっ
て開閉されるため、内部が密閉されていない。特に、雨
降り時に使用される長靴等の装身物にこの表示ポケット
を設けた場合には、ファスナー部から雨水等が侵入する
のは避けられない。この内部に侵入した水によって、表
示ポケット内のワッペンが損傷してしまうという不都合
があった。又、この様なワッペンを取着する装身物は主
に子供用であるが、子供が遊んでいる最中にファスナー
を壊してしまい、ワッペンの出し入れができなくなる等
の不都合もあった。
【0006】又、後者の技術においても、透明な樹脂シ
ールは単にプレート上に貼り付けられているだけである
ため、この透明な樹脂シールによって所望の表記がなさ
れたプレートが密閉されるわけではない。従って、前者
の技術と同様、雨水等の侵入を避けることはできず、そ
の侵入した水によって、プレート上の表記が損傷してし
まうという不都合があった。
【0007】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、表示物の表記を長期にわたって
安定維持することができるワッペンを取着した履き物
提供することにある。
【0008】又、本発明の別の目的は、表示物の表記を
長期にわたって安定維持することが可能で、簡単に製造
することができるワッペンを取着した履き物の製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明は、ワッペンが取着され
た履き物であって、前記ワッペンは、基材上に設けた表
示物を透明な表面シートで被覆し、前記表示物を、熱可
塑性樹脂よりなる前記基材及び表面シートが熱溶着され
て封止した平面状の封止部を備え、該封止部は、その内
周縁と外周縁との間の略中央部に前記表示物の周囲を囲
うとともに前記熱溶着時に形成される凹凸部を備えた。
【0010】この発明によれば、表示物を被覆する表面
シートによって、表示物が外部から損傷を受けることを
防止することができる。又、表示物の周囲が封止されて
いるため、内部に水等が侵入する虞もほとんどない。従
って、表示物の表記を長期にわたって安定維持すること
ができる。しかも、所望の表示物を用いることも可能で
あり、この場合、製造メーカーから提供される画一的な
ものではないオリジナルな表記がなされた履き物を得る
ことができる。また、熱溶着された封止部によって表示
物の周囲が確実に封止されるため、内部に水等が侵入す
る虞をより一層低減させることが可能となる。これによ
り、表示物の表記を長期にわたって安定維持することが
できる、という効果を一層確実なものとすることができ
る。さらに、封止部は凹凸部が形成可能となっているこ
とから、この封止部はある程度の広い幅をもって形成さ
れている。このため、その分、幅の狭い封止部に比べて
表示物の周囲がより一層確実に封止される。これによ
り、表示物の表記を長期にわたって安定維持することが
できる、という効果をよい一層確実なものとすることが
できる。又、封止部に設けられた凹凸部によって、表示
物の外観が強調される。これにより、ワッペン上におい
て、又、ひいてはワッペンを取着した履き物上におい
て、表示物を目立たせることができる。
【0011】
【0012】
【0013】請求項に記載された発明は、請求項1に
記載の履き物において、前記基材と前記表示物との間に
クッション材を介在させた。この発明によれば、表示物
がクッション材によって若干膨らんだ状態に保持される
ため、表示物が周囲から浮き出したような外観が作り出
される。これにより、ワッペン上において、又、ひいて
はワッペンを取着した履き物上において、表示物を目立
たせることができる。
【0014】請求項に記載された発明は、請求項1
は2に記載の履き物において、前記表示物を封止した封
止部に、前記履き物上の取付位置に施されている色と同
色を施した。この発明によれば、ワッペンを取着した
物上において、表示物のみを周囲から目立たせること
ができる。
【0015】
【0016】請求項に記載された発明では、請求項1
乃至の何れかに記載の履き物において、前記表面シー
トの前記表示物側の面にはその表示物に対する装飾を印
刷した。
【0017】この発明によれば、表示物に対して装飾が
施されるため、装飾性に優れたワッペンを得ることがで
きる。しかも、この装飾は表示物側の面に印刷されてい
るため、装飾についても外部から損傷を受けることが防
止される。従って、装飾を長期にわたって安定維持する
ことができる。
【0018】請求項5に記載された発明は、所定のサイ
ズに形成された表示物と、同表示物の周囲に施される装
飾枠が一面に印刷された透明な表面シートと、前記装飾
枠よりも大きく形成された基材とを予め用意し、前記基
材上に、前記表示物、同表示物と印刷面が対向するよう
にした表面シートを順に重ね合わせ、その積層物に高周
波を用いた加熱圧縮処理を施して、前記表示物前記装
飾枠に沿う所定幅が平面状の封止部となるように熱溶着
して封止しつつ、該熱溶着時には表示物の周囲を囲う凹
凸部が前記封止部の所定幅の略中央部に形成されるよう
し、前記封止部の周囲に沿ってワッペンを切り抜いた
後、前記ワッペンを履き物に取着して履き物を製造する
ようにした。
【0019】この発明によれば、表示物の表記を長期に
わたって安定維持することが可能で、簡単に製造するこ
とができるワッペンを取着した履き物が提供される。特
に、表面シートの重ね合わせは、表面シートの印刷面が
表示物と対向するように行われるため、高周波を用いた
加熱圧縮処理を行う際に色落ちすることがない。請求項
6に記載された発明では、請求項1乃至4の何れかに記
載の履き物において、前記封止部は、熱溶着によって、
前記基材及び表面シートが前記表示部を備えた箇所にお
ける前記基材及び表面シートよりも薄く形成されてい
る。
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施形態を図1〜図5に従
って説明する。図1は、履き物としての子供用ゴム製長
靴1を示している。この子供用ゴム製長靴1にはその側
面にワッペン2が貼り付けられている。従って、この側
面がワッペン2の取付位置とされている。本実施形態で
は、このワッペン2の表示物として、子供用ゴム製長靴
1の持ち主である子供の顔写真3が用いられている。
【0023】前記ワッペン2についてその具体的な構成
を、図2、3に従って説明する。ワッペン2は、全体と
して角の丸い略四角形状をなす薄板状に形成されてい
る。このワッペン2は、同ワッペン2全体よりもサイズ
が小さく且つ同ワッペン2の全体形状と略同形状をなす
表示物としての顔写真3を備えている。この顔写真3は
基材4上にクッション材5を介して設けられ、表面(表
示面)が透明な表面シート6で被覆されている。又、顔
写真3の周囲は封止されていて、顔写真3の周囲には封
止部7が形成されている。従って、この封止部7によっ
て顔写真3はその周囲が密閉された状態で保持されてい
る。
【0024】ここで、前記基材4、前記クッション材5
及び前記表面シート6は、塩化ビニル樹脂によってシー
ト状に形成されている。又、前記基材4は白色且つ不透
明なもので、前記表面シート6よりも若干分厚く形成さ
れている。クッション材5はスポンジ状をなし、基材4
及び表面シート6よりも分厚く形成されている。
【0025】前記封止部7には顔写真3が存在しておら
ず、封止部7は前記基材4、前記クッション材5及び前
記表面シート6が熱溶着されることにより形成されてい
る。そして、顔写真3の外周縁とワッペン2の外周縁と
の間は、全てこの封止部7が形成されている。
【0026】又、前記封止部7は一定の幅を有する平面
状に形成され、熱溶着により顔写真3を備えた箇所より
も薄く形成されている。このため、顔写真3を備えた箇
所はクッション材5によって若干膨らんだ状態に保持さ
れている。これにより、顔写真3が浮き出たような外観
が作り出されている。
【0027】更に、封止部7には装飾として前記子供用
ゴム製長靴1と同じ色が施されている。この色は表面シ
ート6の裏面に印刷されたものであって、表面シート6
の表面には色が現れているだけとなっている。加えて、
封止部7には顔写真3の周縁に沿って同顔写真3を囲う
無端状の凸部8(凹凸部)が形成されている。この凸部
8は、その断面形状が略半円状に形成されている。
【0028】従って、ワッペン2だけをみると、封止部
7に色が施されているとともに顔写真3の周囲に前記凸
部8が形成されていることにより、封止部7があたかも
フォトフレームであるかのような外観が作り出されてい
る。即ち、ワッペン2の顔写真3は、封止部7によって
も目立つようになっている。
【0029】そして、子供用ゴム製長靴1にこのワッペ
ン2を貼り付けた状態では、クッション材5によって顔
写真3が浮き出たような外観が作り出されていること、
封止部7に周囲と同じ色が施されていること、顔写真3
の周囲に凸部8が形成されていることによって、顔写真
3が目立つようになっている。
【0030】次に、このワッペン2の製造方法を、図
4、5に従って説明する。まず、第1の工程として、基
材4、クッション材5、顔写真3、表面シート6を用意
する。前記顔写真3は規定のサイズで、角の丸い略四角
形状に形成されている。この顔写真3はフィルムカメラ
等で撮影された写真から規定のサイズに切り抜いてもよ
いし、コンピュータによる各種画像処理等によってサイ
ズ等を調整してカラー印刷する等の種々の用法によって
得ることが可能である。尚、この規定のサイズは1種類
のみに限定されるわけではない。
【0031】又、前記表面シート6には、装飾として、
前記顔写真3の周囲に施される適当な色の装飾枠9が一
面に印刷されている。前記基材4及び前記クッション材
5は、前記表面シート6の装飾枠9よりも大きく形成さ
れている。
【0032】第2の工程として、第1の工程で用意した
各材料を重ね合わせる。まず、基材4上にクッション材
5を重ね合わせ、そのクッション材5の上に顔写真3を
表示面が上を向くように重ね合わせる。次に、顔写真3
の上に同顔写真3と装飾枠9の印刷面が対向するように
して表面シート6を重ね合わせる。この様にして、基材
4、クッション材5、顔写真3、表面シート6の順に積
層された積層物10を得る。
【0033】第3の工程として、高周波ウェルダーを用
いて前記積層物10に対して加熱圧縮処理を行う。図5
に示されているように、この工程で用いられる金属型1
1には、その押圧面に顔写真3の周囲を囲うように形成
された環状の押圧突部13と、その押圧突部13の内周
側に形成された押圧凹部17とが設けられている。押圧
突部13はその上面が平面状に形成されるとともに、内
周縁が前記顔写真3の外周縁と略一致するように形成さ
れている。そして、押圧突部13の上面には、内周縁と
外周縁との間の略中央部に断面略半円状の凹溝14が押
圧突部13の全体にわたって形成されている。又、押圧
突部13の外周縁部には、押圧突部13の上面から更に
突出する突起15が形成されている。尚、前記表面シー
ト6に印刷された装飾枠9の枠幅は、この押圧突部13
の内周縁と外周縁との間の長さよりも長くなっている。
【0034】この様な金属型11を用い、まず押圧突部
13の内周縁と顔写真3の外周縁とが略一致するように
金属型11又は押圧基台12上に載置された前記積層物
10の位置調節を行う。位置調整後の金属型11及び積
層物10の状態を図5(a)に示す。その後、金属型1
1によりその押圧面で表面シート6の上(表面)から積
層物10を押圧する。そして、金属型11により積層物
10を表面シート6の上から押圧しながら、金属型11
を電極として高周波電流を所定時間印加する。
【0035】すると、図5(b)に示すように、積層物
10の前記押圧突部13に対応する箇所は、押圧突部1
3によって加熱圧縮されるとともに熱溶着される。又、
顔写真3を備えた箇所は前記押圧凹部17によって加熱
圧縮される。これにより、顔写真3の周囲が封止されて
顔写真3が密封される。即ち、顔写真3の周囲全体に封
止部7が形成される。この封止部7では、熱溶着によっ
て基材4、クッション材5及び表面シート6が顔写真3
を備えた箇所よりも薄く形成される。そして、押圧突部
13に設けた凹溝14によって、封止部7には凸部8が
形成される。
【0036】又、同時に積層物10の前記突起15の先
端部に対応する箇所、即ち封止部7の周囲には脆弱部1
6が形成される。この脆弱部16では、熱溶着によって
基材4、クッション材5及び表面シート6が、薄皮の如
く封止部7よりも更に薄く形成される。
【0037】その後、金属型11を冷却して同金属型1
1を取り外すと(図5(c))、積層物10は前記脆弱
部16によってその内側に形成されたものが簡単に切り
取り可能となっている。そして、その切り取りにより、
顔写真3を備えたワッペン2が得られる。
【0038】この得られたワッペン2を子供用ゴム製長
靴1に貼り付ける際には、まず、ワッペン2の裏面に塩
化ビニル樹脂用の熱醗酵糊を塗布する。その後、予め射
出成形しておいた子供用ゴム製長靴1を約80度程度に
加熱し、その状態で前記熱醗酵糊を塗布したワッペン2
を側面に貼り付ける。これにより、顔写真3を備えたワ
ッペン2を側面に貼り付けた子供用ゴム製長靴1が得ら
れる。
【0039】以下、上記のような実施形態における特徴
的な作用効果を述べる。 (1) 顔写真3が表面シート6で被覆されるととも
に、その周囲が密封されているため、顔写真3が外部か
ら損傷を受けることを防止することができる。又、顔写
真3の周囲が密封されているため、内部に水等が侵入す
る虞もほとんどない。従って、ワッペン2はその表記を
長期にわたって安定維持することができる。その結果、
ワッペン2を側面に貼り付けた子供用ゴム製長靴1にお
いては、同長靴1が誰の持ち物であるかを長期にわたっ
て表示することができる。
【0040】(2) 基材4及び表面シート6が熱可塑
性樹脂である塩化ビニル樹脂により形成され、両者が熱
溶着されて顔写真3が密封されているため、この熱溶着
された封止部7によって顔写真3の周囲を確実に封止さ
れる。このため、ワッペン2の内部に水等が侵入する虞
をより一層低減させることができる。これにより、上記
の効果を一層確実なものとすることができる。
【0041】(3) 基材4と顔写真3との間にクッシ
ョン材5が介在されているため、顔写真3がクッション
材5によって若干膨らんだ状態に保持される。このた
め、顔写真3が周囲から浮き出したような外観が作り出
される。これにより、ワッペン2上において、又、ひい
てはワッペン2を貼り付けた子供用ゴム製長靴1におい
て、顔写真3を目立たせることができる。
【0042】(4) 顔写真3を密封した封止部7に子
供用ゴム製長靴1の側面に施されている色と同色が施さ
れているため、これによっても、ワッペン2を貼り付け
た子供用ゴム製長靴1において、顔写真3を目立たせる
ことができる。
【0043】(5) 封止部7は凸部8を形成可能な平
面状に形成されていることから、この封止部7はある程
度の広い幅をもって形成されている。このため、幅の狭
い封止部に比べて顔写真3の周囲をより一層確実に封止
することができる。これにより、顔写真3の表記を長期
にわたって安定維持することができる、という効果をよ
い一層確実なものとすることができる。
【0044】(6) 顔写真3を密封した封止部7上に
は顔写真3の周囲を囲う凸部8が設けられているため、
この凸部8によって顔写真3の外観が強調される。これ
により、ワッペン2上において、又、ひいてはワッペン
2を貼り付けた子供用ゴム製長靴1において、顔写真3
をより一層目立たせることができる。
【0045】(7) 表面シート6の顔写真3側の面に
は顔写真3に対する装飾が印刷されているため、装飾性
に優れたワッペン2を得ることができる。しかも、この
装飾は顔写真3側の面に印刷されているため、装飾につ
いても外部から損傷を受けることが防止することができ
る。従って、装飾を長期にわたって安定維持することが
できる。
【0046】(8) ワッペン2は、基材4、クッショ
ン材5、顔写真3、表面シート6を用意する第1の工
程、これら各部材を重ね合わせて積層物10を得る第2
の工程、高周波ウェルダーを用いて前記積層物10に対
して加熱圧縮処理を行う第3の工程を経て製造される。
この製造方法によれば、顔写真3を長期にわたって安定
維持することが可能なワッペン2を簡単に製造すること
ができる。特に、第3の工程では封止部7の形成と同時
にワッペン2を切り抜き可能な脆弱部16が形成される
ため、ワッペン2を簡単に切り抜いて得ることができ
る。
【0047】(9) 又、上記第2の工程では、顔写真
3と印刷面が対向するように表面シート6を重ね合わせ
ているため、高周波を用いた加熱圧縮処理を行う際に色
落ちすることがない。
【0048】(10) 顔写真3はワッペン2の全体形
状と略同形状に形成されているため、顔写真3の周囲を
密封した封止部7は全体に略同一の幅で形成される。こ
のため、顔写真3の周囲を均一に封止することができ、
しかも、顔写真3の見栄えがよい。
【0049】尚、上記した各実施形態は、例えば次のよ
うに変更することも可能である。○ ワッペン2を貼り
付ける履き物としては子供用ゴム製長靴1だけでなく、
長靴以外のものであってもよい。この場合、適当な接着
剤を用いて貼り付るとか、糸等で縫い付けるといった
適宜な方法を用いてワッペン2を取着することが可能で
ある。
【0050】○ 顔写真3の周囲を封止するのは、高周
波ウェルダーを用いて熱溶着することが最もよい方法で
あるが、例えば接着剤を用いる等、これ以外の方法によ
って行うことも可能である。
【0051】○ ワッペン2の表示物としては顔写真3
だけでなく、適宜所望のものが選択可能である。このた
め、製造メーカーから提供される画一的なものではない
オリジナルな表記を得ることができる。
【0052】○ 基材4、クッション材5及び表面シー
ト6は他の熱可塑性樹脂によって形成してもよく、高周
波加熱によって熱溶着可能なものであればよい。尚、ク
ッション材5については、必ずしも必要なものではな
い。
【0053】○ 装飾として表面シート6に印刷される
のは装飾枠9だけでなく、顔写真3の部分に及ぶような
装飾であってもよい。図4に示したようなべた塗りの装
飾枠9ではなく、様々な模様等の装飾を施してもよい。
又、印刷する色は子供用ゴム製長靴1と同じ色でなくて
もよく、所望の色を適宜選択することが可能である。
【0054】○ ワッペン2、ワッペン2を構成する各
部及び各部材の形状は本実施形態以外の形状であっても
よい。例えば、ワッペン2の全体形状や顔写真3の形状
は円形状、多角形状、その他適宜所望の形状であっても
よい。又、顔写真3についてはワッペン2の全体形状と
は異なった形状であってもよい。この場合、封止部7の
形状は顔写真3の形状によって変更される。
【0055】○ 凸部8の形状は断面略半円形状ではな
く、断面多角形状等、他の断面形状であってもよい。
又、顔写真3の周縁に沿った無端状ではなく、所々途切
れた形状であったり、必ずしも顔写真3の周縁に沿った
形状でなくてもよい。更に、この凸部8の変わりに凹凸
部として凹部を形成してもよいし、凸部8と凹部を一緒
に形成してもよい
【0056】次に、上記各実施の形態から把握できる請
求項以外の技術思想について、以下にその効果とともに
記載する。 ・ 請求項1において、前記表示物をワッペンの全体形
状と略同形状に形成した。この構成によれば、表示物の
周囲を封止した封止部7は全体に略同一の幅で形成され
るため、表示物の周囲を均一に封止することができる。
しかも、表示物の見栄えがよい。
【0057】・ 請求項において、積層物に高周波加
熱処理を施して前記装飾枠に沿う所定幅を熱溶着して表
示物を封止すると共にその封止部の周囲に脆弱部を形成
し、この脆弱部に沿ってワッペンを切り抜くようにし
た。この構成によれば、高周波を用いた加熱圧縮処理に
よって、封止部の形成と同時にワッペンを切り抜き可能
な脆弱部が形成されるため、ワッペンを簡単に切り抜い
て得ることができる。
【0058】・ 請求項において、高周波を用いた加
熱圧縮処理では、電極として高周波電流が印加される金
属型により、その押圧面で表面シートの上から所定の加
圧力で前記積層物を押圧し、前記金属型の押圧面には、
表示物の周囲を囲うように設けられ前記封止部を形成す
る環状の押圧突部と、押圧突部の外周縁部に設けられ前
記脆弱部を形成する突起と、押圧突部の内周側に形成さ
れ表示物に対応する箇所を加熱圧縮する押圧凹部とを設
けた。この構成によれば、ワッペンをより一層簡単に製
造することができる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至4
び6に記載の発明によれば、表示物の表記を長期にわた
って安定維持することができる。
【0060】又、請求項に記載の発明によれば、表示
物の表記を長期にわたって安定維持することが可能で、
簡単に製造することができるワッペンを取着した履き物
を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の子供用ゴム製長靴を示す斜視図。
【図2】 実施形態のワッペンを示す斜視図。
【図3】 実施形態のワッペンを示す断面図。
【図4】 実施形態のワッペンの製造工程において、積
層物を示す分解斜視図。
【図5】(a)〜(c) 実施形態のワッペンの製造工
程において、積層物に対する加熱圧縮処理を順に示す断
面図。
【符号の説明】
1…装身物としての子供用長靴、2…ワッペン、3…表
示物としての顔写真、4…基材、5…クッション材、6
…表面シート、7…封止部、8…凸部、10…積層物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−254024(JP,A) 特開 平8−266306(JP,A) 特開 昭60−125642(JP,A) 実開 昭59−99734(JP,U) 登録実用新案3030485(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 5/00 A43B 23/24 A44C 3/00 A45C 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワッペンが取着された履き物であって、 前記ワッペンは、基材上に設けた表示物を透明な表面シ
    ートで被覆し、前記表示物を、熱可塑性樹脂よりなる前
    記基材及び表面シートが熱溶着されて封止した平面状の
    封止部を備え、該封止部は、その内周縁と外周縁との間
    の略中央部に前記表示物の周囲を囲うとともに前記熱溶
    着時に形成される凹凸部を備えた履き物。
  2. 【請求項2】 前記基材と前記表示物との間にクッショ
    ン材を介在させた請求項1に記載の履き物。
  3. 【請求項3】 前記表示物を封止した封止部に前記履き
    物上の取付位置に施されている色と同色を施した請求項
    1又は2に記載の履き物。
  4. 【請求項4】 前記表面シートの前記表示物側の面にそ
    の表示物に対する装飾を印刷した請求項1乃至3の何れ
    かに記載の履き物。
  5. 【請求項5】 所定のサイズに形成された表示物と、同
    表示物の周囲に施される装飾枠が一面に印刷された透明
    な表面シートと、前記装飾枠よりも大きく形成された基
    材とを予め用意し、 前記基材上に、前記表示物、同表示物と印刷面が対向す
    るようにした表面シートを順に重ね合わせ、その積層物
    に高周波を用いた加熱圧縮処理を施して、前記表示物
    前記装飾枠に沿う所定幅が平面状の封止部となるように
    熱溶着して封止しつつ、該熱溶着時には表示物の周囲を
    囲う凹凸部が前記封止部の所定幅の略中央部に形成され
    るようにし、 前記封止部の周囲に沿ってワッペンを切り抜いた後、前
    記ワッペンを履き物に取着することを特徴とする履き物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記封止部は、熱溶着によって、前記基
    材及び表面シートが前記表示部を備えた箇所における前
    記基材及び表面シートよりも薄く形成されている請求項
    1乃至4の何れかにに記載の履き物。
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