JP3348902B2 - 受波型圧電素子 - Google Patents
受波型圧電素子Info
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Description
た受波型圧電素子に関する。
信すべく通常はこれら媒体中に置かれて使用されるマイ
クロホン、ならびに水中または液体中を伝播する音波を
受信すべく通常はこれらの媒体中に置かれて使用される
ハイドロホン等の受波型圧電素子が知られている。
は、圧電素子の大きさが音波の波長に比べて十分小さい
場合には、静水圧圧電ひずみ定数(dh 定数)によって
表現され、当然dh 定数が大きい程感度が優れる。
電特性を付与された圧電体に固有のものと捉えられてお
り、これを素子の構造面から捉えて圧電素子の感度向上
に結び付けた例は皆無に等しい。
体からより高い感度の受波型圧電素子を実現することに
ある。
ば、上述の目的の達成のためには、一定の大きさの圧電
体を、より大面積の一対の剛性部材により圧電体の厚さ
方向で挾持させ、該剛性部材の外表面に作用する音圧を
より小面積の圧電体の厚さ方向変形応力として収束させ
ることが極めて有効であることが見出された。
る厚さを挾む二つの表面と該二表面にほぼ直交する外周
側面を有する圧電体と、前記圧電体表面よりも大面積で
あり、かつ圧電体をその厚さ方向に挾持する一対の剛性
部材とを含み、該一対の剛性部材の外表面に作用する音
圧をより小面積の圧電体の厚さ方向変形応力として収束
させ、且つ前記一対の剛性部材の圧電体挾持に用いられ
ない側方突出部と、その屈曲延長部又は追加の剛体枠の
内表面を含む剛体表面により包囲された気密な内部空間
を区画・形成させ、該内部空間を真空とするか、気体ま
たは発泡樹脂のいずれかを充填することにより、前記剛
性部材の側方突出部内表面および圧電体の外周側面への
音圧を遮断するように構成したことを特徴とするもので
ある。
応力としての収束を効果的に達成するためには、音圧に
より圧電体の厚さ方向へ一対の剛性部材が変位するのを
妨げずに自在とすること、および一対の剛性部材の圧電
体を挾持する内側面において、圧電体の挾持に用いられ
ない側方突出部の内表面に対する音圧の作用を実質的に
遮断するように構成することが好ましい。すなわち、圧
電体の厚さ方向変形応力として収束させることにより利
用可能な音圧の作用する剛性部材の外表面積(有効作用
面積)は、一般的な意味での外表面積そのものではな
く、剛性部材が圧電体を押圧する方向(押圧方向)に垂
直な平面への剛性部材の外表面の投影面積であり、且つ
そのうち外表面と対向する内表面に音圧が作用すること
がある場合には、その音圧の作用する内表面の面積(同
様に押圧方向に垂直な平面への投影面積)を差し引いた
ものとなる。平板状の圧電体の場合、上記の「圧電体を
押圧する方向に垂直な平面」は、一般に圧電体表面に平
行な平面とされる。
と解釈されるべきであり、可聴域の音波に限定されるも
のではない。より正確には、本発明の音波は、その波長
が剛性部材の大きさと比較できる程度より長い圧力振動
の波である。また、音圧は上記振動の圧力である。
きさの圧電体をより大面積の一対の剛性部材で挾持させ
て、圧電体の厚さ方向変形に寄与する音圧の有効作用面
積を増大させることにより見掛け上dh定数の著しい増
大を図ることができる。また、音圧の有効作用面積の増
大のために行われる、剛性部材内表面への音圧の遮断に
より、圧電体のdh定数のうち、圧電体の厚さ方向成分
(厚さ方向に分極した場合のd33成分)と相反する作用
を有する厚さ方向と直交する成分(例えばd31成分およ
びd32成分)の寄与、すなわち、圧電体の厚さ方向と直
交する側面への音圧の作用、を遮断する効果があるため
(本出願人による平成5年特許願第33509号、特開
平6−269091号公報)、この面でもdh定数の見
掛けの増大に寄与するものと解される。
受波型圧電素子の好ましい態様を説明する。図面中、異
なる態様の説明に用いた同一参照符号は類似部分を示
す。
単に「圧電素子」と称す)の一実施例の厚さ方向断面図
である。図1を参照して、この圧電素子10は、ある厚
さtを挾む二表面1aおよび1bとこれら二表面にほぼ
直交する側面1cを有するシート状の圧電体1(その表
面形状は矩形または円形等、任意である)を、圧電体1
よりも大面積の一対の剛性板材2および3で厚さt方向
に挾持し、さらに該剛性板材2、3をその側面2c、3
cと対向する内面4aを有する剛性のある枠体4内に収
容してなる。圧電体表面1a、1bにはそれぞれ電極5
a、5bが全面に形成されており、剛性板材2、3はそ
の押圧面2e、3eにおいて電極5a、5bの表面にそ
れぞれ当接して、または場合によっては接着固定して設
けられる。剛性板材2、3は、圧電体表面1a、1bの
寸法よりも全方位で大きく、それぞれ側方突出部2b、
3bを有するように形成されている。
4の内面4aおよび上記突出部2b、3bの内面2d、
3dとに囲まれて空気が封入された内部空間6が形成さ
れており、この内部空間6を気密に保つため、エラスト
マー樹脂からなる被覆材7が、剛性板材2、3と枠体4
との当接部位を覆って設けられている。
1が用いられる時には枠体4は設けられなくとも良い。
この場合には、被覆材7は、剛性板材2、3の側面2c
と3cの間を覆って設けられ、それによって気密な内部
空間6が形成される。
い程度の剛性を有する本発明の剛性部材たる剛性板材
2、3と枠体4とにより区画された内部空間6内の圧力
は一定に保たれ、剛性板材の突出部内表面2d、3dへ
の音圧の作用は実質的に遮断される。さらに、剛性板材
2、3は、その側面2c、3cが枠体4の内面4aとの
間で摺動するため、圧電体を挾んでその厚さ方向へ移動
自在であり、圧電体1の厚さ方向への変形が妨げられる
ことはない。その結果、大面積の剛性板材の外表面2
a、3aで受けた音圧を押圧面2e、3eを介して小面
積の圧電体表面1a、1bに収束・集中することがで
き、圧電体に加わる変形荷重が増加する分高い感度が実
現される。
ー系圧電体またはセラミック系圧電体を用いて、ハイド
ロホンやマイクロホンとすることができる。例えば、両
表面に厚さ70μmの銅箔電極を接着した厚さ500μ
m、平面寸法35mm□の弗化ビニリデン系樹脂のポリ
マー圧電体1と、それを厚さ方向に挾持する厚さ5m
m、平面寸法100mm□のアクリル樹脂板である剛性
板材2、3とからなる図1のようなハイドロホンを例示
し得る。本発明の圧電体の分極方向は本実施例のように
厚さ方向でも、また面方向(この場合に電極は、一般に
圧電体の側面に対向して配置される)であっても良い
が、厚さ方向とすることにより、より大なるdh 定数が
得られる場合が多い。
圧を相対的に小面積の圧電体表面に収束する機能を持つ
本発明の剛性部材を音圧増幅器として捉えることもでき
る。この場合、増幅率の一つの目安は、上記で定義した
剛性部材の有効作用面積と圧電体の表面積との比であ
る。勿論、この増幅率あるいは面積比は1を越える値で
あるが、その上限は圧電体に加わる応力(増幅された音
圧)が圧電体に塑性変形を引き起こす降伏点を考慮して
決定されるのが好ましい。増幅率あるいは面積比は、最
大応力がこの降伏点荷重を超えない範囲で選ばれるのが
よい。因みに、この降伏点は、弗化ビニリデン系樹脂の
ポリマー系圧電体にあっては7×107 Pa(パスカ
ル)を多少超えた値である。
圧電体表面に垂直な方向であり、前記した密閉した内部
空間6の形成により、剛性板材の外表面2a、3aに対
向する内表面は内部空間6を区画する2dおよび3d部
分および圧電体1に対する押圧面2eおよび3eを含め
て全て音圧の直接的作用が実質的に遮断されている。従
って、剛性板材の外表面2aおよび3aの面積が前記投
影面積に等しく、その全てが有効作用面積として利用で
き、これと圧電体1の表面1aおよび1bの面積との比
により増幅率が定まる。
施例の厚さ方向断面図である。この圧電素子20では、
断面コの字状で周縁部に凸面12fおよび13fを形成
した剛性板材12、13が用いられている。図1の剛性
板材2、3に対応して、本発明の剛性部材たる剛性板材
12、13はそれぞれ外表面12a、13a、突出部1
2b、13b、側面12c、13c、突出部内面12
d、13dおよび押圧面12e、13eをもって配置さ
れる。そして、剛性部材12、13のコの字状に突き出
た内面12fと13fとの間の空隙は、剛性板材12、
13が圧電体1の厚さ方向へは音圧により変位自在なよ
うに、エラストマー樹脂11でシールされている。この
ようにして形成された内部空間6には、気体または発泡
樹脂などが充填されると共に、そこを真空とすることも
できる。なお、圧電体1の圧縮変形率よりも大きい変形
率を有する材料であれば、空隙をシールするエラストマ
ー樹脂11あるいは内部空間6に充填される発泡樹脂の
代わりに用いることができる。
圧電体表面に垂直な方向であり、板材12、13の外表
面12a、13aと対向する内面の全領域に対する音圧
の遮断が達成されている。従って外表面12aおよび1
3aの全体が音圧の有効作用面積として利用される。
かつその間をシールするためには、本実施例のようにエ
ラストマー樹脂11を充填する以外にジャバラ、板バネ
等の剛性と弾力性を併せ持つ部材を用いることでもよ
い。
実施例の厚さ方向断面図、図4(a)〜(c)は図3の
圧電素子に組み込まれる圧電要素21(電極形成がなさ
れている圧電体)の各種態様の平面図、図4(d)は該
圧電要素の共通の側面図である。
形の水平断面形状を持つボウル状(碗状)の一対の剛性
板材22、23で挾持されている。図1の剛性板材2、
3に対応して、本発明の剛性部材たる剛性板材22、2
3はそれぞれ曲面状の外表面22a、23a、突出部2
2b、23bおよび突出部内面22d、23dをもって
配置される。剛性板材22、23は、平らな圧電要素2
1の表面に均一に当接するように、その押圧面(底面)
22e、23eが平坦に加工されている。そして、圧電
要素21を挾持した一対の剛性板材22、23は剛性の
ある円筒24中に収容され、その側面22c、23cと
円筒24の内面24aとの間の空隙はエラストマー樹脂
25でシールされている。エラストマー樹脂25は、気
密な内部空間6が形成され、剛性板材22、23が圧電
体1の厚さ方向へは音圧により変位自在なように、該空
隙に充填される。
表面に垂直な方向である。しかし、この場合の音圧の有
効作用面積は、剛性板材22および23の曲面をなす外
表面22aおよび23aの面積そのままではなく、外表
面22aおよび23aの圧電体表面に平行な平面(図3
で紙面に垂直な方向)への垂直投影面積となる。
0に組み込まれる圧電要素21の代表的な平面形状の例
である。図4(a)はリング状電極26a、27aを有
する圧電要素21a(部分19は電極ならびに圧電体の
欠損部)、図4(b)は円形電極26b、27bを有す
る圧電要素21b、図4(c)は四角形電極26c、2
7cを有する圧電要素21cをそれぞれ示す。なお、各
電極からは、リード電極28または29が延長して、形
成されている。また、図4(d)は、上記圧電要素21
a〜21cの共通の側面図である。
例の厚さ方向断面図である。この圧電素子50には、断
面が円弧状で円弧断面と直交する方向(本図の紙面に垂
直な方向)に延長するある長さを有する部分円筒あるい
は蒲鉾状の圧電要素41が装着されている。一方、剛性
板材42には凹部が、剛性板材43には凸部が形成され
ており、該凹部または凸部の表面としての押圧面42
e、43eは、圧電要素41の表面41a、41bに適
合した(同じ曲率)形状である。そして、圧電要素41
はこれらの押圧面42e、43eの間にサンドイッチさ
れる形で一対の剛性板材42、43で挾持されている。
図1の剛性板材2、3に対応して、本発明の剛性部材た
る剛性板材42、43はそれぞれ、突出部42b、43
bおよび突出部内面42d、43dをもって配置され
る。
43d間の空隙は、全周にわたってエラストマー樹脂4
4でシールされ、それによって、気密な内部空間6の形
成と音圧による剛性板材42、43の押圧方向への自由
な変位とが確保される。しかし、この場合の押圧方向
は、剛性板材42、43の間隔が狭まる方向、すなわち
図5において上下方向であり、圧電体のすべての表面部
位においてそれに垂直な方向となるわけではない。そこ
で、剛性板材の押圧面42e、43eと圧電要素表面4
1a、41bとの間のそれぞれの空隙にエラストマー樹
脂等を充填することにより応力分散層45、46を形成
して、剛性板材の外表面42a、43aで受けた音圧が
圧電要素表面41a、41bに均一かつ垂直に作用する
ようになっている。なお、応力分散層を形成する代わり
に、前記凸部および凹部の曲率中心を中心として、剛性
板材42、43をそれぞれ放射状に小分割して再び組み
合わせた構造(分割部品相互の空隙にはエラストマー樹
脂を充填する)の剛性板材を用いて、上述の均一かつ垂
直な押圧を実現しても良い。
性板材42の上面42aおよび剛性板材43の下面43
aであり、該面42aおよび43aの面積が音圧の有効
作用面積となり、これら面に作用する音圧が曲面の圧電
要素表面41a、41bに分散されて作用する。
基づき説明した。しかしながら、本発明は上記実施例に
のみ限定されるものではない。以下、本発明の受波型圧
電素子のより一般的な態様について、若干、補足説明す
る。
体の他に例えばPZT等のセラミック系圧電体が好適に
用いられる。特に、ポリマー系圧電体は、圧電体と音波
伝播媒体との固有音響インピーダンスの関係で音波の反
射が少ない(音響透過性が良い)ことから、ハイドロホ
ンにより適性がある。しかし、音波の反射により多少音
圧が弱められても、本発明により受信感度が高められる
結果、ポリマー系圧電体を用いて高性能のマイクロホン
を構成し得る。
熱性を有するシアン化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体
が好適に用いられるほか、優れた圧電特性のフッ化ビニ
リデン系樹脂圧電体が好ましく、なかでも圧電性発現に
適したβ型結晶化のために一軸延伸の必要なフッ化ビニ
リデン(VDF)単独重合体に比べて、通常の結晶条件
化でβ型結晶化の可能なVDF系共重合体(例えば優位
量のVDFと劣位量のフッ化ビニル(VF)、トリフル
オロエチレン(TrFE)あるいはテトラフルオロエチ
レン(TFE)との共重合体)が好ましく、更には優位
量(特に70〜80モル%)のVDFと劣位量(特に3
0〜20モル%)のTrFEとの共重合体がもっとも好
ましく用いられる。
より成膜後、必要に応じて一軸延伸あるいは軟化温度以
下での熱処理、軟化温度以下での電界印加により分極処
理に付されて、フィルムないしシートとして形成され
る。本発明に用いられるポリマー系圧電体は、その厚み
に特に制限はないが、一般に1〜200μm(2mm)
程度で供給される。また、上述のフィルムまたはシート
を単層で用いることができるほか、分極方向を同一とし
て、あるいは中間電極層を介して逆方向に積層して、例
えば2〜20層程度の積層体として用いられる。
うな平板状、あるいは曲板状に加えて、筒状、柱状ある
いはカップ状など、要するにある厚さを挾む二つの表面
とそれにほぼ直交する側面を有する形状であれば良い。
圧電体の分極方向は、表面にほぼ垂直な方向即ち厚さ方
向とされるのが好ましく、特にポリマー系圧電体は厚さ
方向を分極方向として用いられることが多いが、本発明
は、必ずしもそのような分極方向に限定されない。
の電極は、圧電体表面と側面のいずれに設けられても良
い。このような電極としては、公知の蒸着電極や接着剤
で貼付された箔電極の他、特願平3−356668号の
明細書に記載のような金属溶射電極や特願平4−158
844号の明細書に記載のような圧電体の表層に埋入さ
れた多孔シート状電極が好適に用いられる。また、本発
明のエラストマー樹脂を例示すれば、シリコーンゴム、
ウレタンゴム、フロロプレンゴム、ブチルゴム、などの
エラストマー樹脂またはその接着剤である。
3、22、23、42、43等)は、圧電体(1、2
1、41等)の二表面に対向して圧電体をその厚さ方向
に挾持するように配置される。しかし、剛性部材の形状
は、ほぼ平行な二つの表面を有すると認識されるような
板状である必要はなく、例えば図5の形状あるいは凹凸
や不定形を含む任意の形状を採用することでもよい。剛
性部材は、圧電体表面にあるいはそこに電極が形成され
ている場合には、図1〜図3に示すようにこの電極表面
に当接して設けられるため、その押圧面は一般に圧電体
の表面形状に対応した形状をもって形成されるが、剛性
部材の外表面で受けた音圧が押圧面を介して圧電体表面
に均一に作用するように、剛性部材と圧電体表面または
電極表面との間には、エラストマー樹脂などの応力分散
層が形成される構成(例えば図5)であってもよい。
用面積の増大を図るべく、圧電体の表面積よりも大なる
前記外表面積を有するように形成され、従って、圧電体
側面から突出した部分を持って配置される。そして、本
発明では、剛性部材の該突出部分の内表面への音圧の作
用は実質的に遮断されるように構成される。本発明の好
ましい実施態様(図1〜図5)によれば、このような突
出部分内表面への音圧の遮断は、圧電体側面のさらに側
方に、上記突出部分内表面により、好ましくは圧電体側
面と協働して、区画された機密な内部空間を形成し、該
内部空間内を真空とするか、気体、エラストマー樹脂ま
たは発泡樹脂のいずれかを充填することによって達成さ
れる。なお、圧電体側面からの突出の方向は、圧電体表
面上の全方向である必要はなく、部分的であっても良
い。
剛性部材は、一般的に硬質の樹脂材料、金属材料または
磁器材料などで形成される。剛性部材の剛性の程度は、
それが音圧により変形して受圧面積が実質的に減少した
り、前記突出部内表面の圧力が音圧に追従したりするこ
とのない剛性の範囲とされるのがよい。また、剛性部材
の材質や剛性の程度の決定には、音波伝播媒体との固有
音響インピーダンスの違いや、剛性部材を含めた圧電素
子の固有振動数と音波の振動数との関係なども考慮され
る場合がある。
の作用する剛性部材の外表面と対向する面(内表面)へ
の音圧の作用が完全に遮断されており、外表面(の圧電
体表面と平行な表面への投影面積)がほぼ音圧の有効作
用面積として利用し得る例であり、これらは本発明にと
って好ましい態様であるが、外表面との対向面の一部に
若干音圧が作用し、その分だけ音圧の有効作用面積が減
殺されたとしても、有効作用面積/圧電体表面積で定ま
る音圧増幅率が、本質的に1より大なる値、好ましくは
2以上、より好ましくは10以上、となる範囲で本発明
の効果は充分享受し得る。
てのハイドロホンの製造例および比較製造例を説明す
る。
方法で静水圧圧電ひずみ定数(dh定数)を測定して求
めた。耐圧容器に入れたシリコン油等の絶縁性液体中に
試料を浸漬し、容器に窒素ガス源から圧力P(ニュート
ン(N)/m2 )を加えながら試料の電荷量Q(クーロ
ン(C))を測定する。そして、ゲージ圧2kg/cm
2 近辺での圧力上昇dPに対する電荷の増加量dQを
得、下式で計算した: dh =(dQ/dP)/A 単位は、C/Nである。ここで、Aは電極面積(m2 )
である。
状を図4(d)に示す電極面積4mm2 の圧電要素21
cを製造した。
比)共重合体(呉羽化学工業製)をダイス温度265℃
でシート押出しし、125℃で13時間の熱処理後、シ
ート厚さ方向に75MV/mの電界下、123℃での保
持時間5分、昇降時間を含めて全1時間の分極処理を行
ない、厚さ500μmのポリマー圧電体シートを得た。
圧電体1を切り出し、その両面に幅2mmで厚さ70μ
mの銅箔をポリエステル系接着剤で図4(d)の側面形
状となるように貼付して電極26c、27cおよびリー
ド電極28、29(長さ5mm)を形成した。そして、
リード電極にそれぞれリード線を接続して、圧電素子3
0とする前の圧電要素21cを得た。
C/Nであった。
図4(d)に示す電極面積59mm2 の圧電要素21a
を製造した。
から10mmφの円形の圧電体1を切り出し、その両面
に厚さ70μmの銅箔をポリエステル系接着剤で図4
(d)の側面形状となるように貼付して10mmφの電
極面およびリード電極28、29(長さ5mm)を形成
した。続いて、該電極面の中心に5mmφの孔を開け、
その後リード電極にそれぞれリード線を接続して、圧電
素子30とする前のリング状の電極26a、27aを有
する圧電要素21aを得た。
/Nであった。
ンを得た。この圧電素子30の平面形状はほぼ円形であ
る。
形の圧電要素21cの表面に接着剤を塗布した。そし
て、接着剤が塗布された圧電要素を水平断面形状が円形
でボウル状(碗状)の一対の剛性板材22、23で挾持
して互いに接着固定し、続いて剛性板材22、23を長
さ38mm、内径80mmφ、厚み5mmの塩化ビニー
ル樹脂製の円筒24中に収容した。さらに、図3に示す
ように剛性板材22、23と円筒24の隙間にウレタン
ゴム接着剤25を充填して両者を固定すると共に、内部
空間6を密封して圧電素子30を得た。実際には、ボウ
ル状の剛性板材22、23としては、押圧面22e、2
3eを平らに加工したアクリル樹脂製のプラスチックレ
ンズ成形品が用いられ、その厚みは5mm、その外表面
22a、23aの水平面への透影による円形の直径は7
5mmφ(有効受圧面積として各4420mm2 )であ
った。圧電要素21に接続されたリード線は、剛性板材
22、23をそれぞれ貫通して設けられた孔を通して別
々に外部に引き出され、孔はその後シールされた。
は、−10,900pC/Nであった。
こと、円筒24の内径が130mmφ、剛性板材22、
23の側面22c、23cの水平断面の直径が125m
mφ(有効受圧面積として各12300mm2 )である
ことを除いて実施例1と同様にして圧電素子30を得
た。
pC/Nであった。
子の圧電定数がブランク(比較例1および2による剛性
板材を配置しない状態の圧電素子)に比べて、実に千倍
近い値にまで増加することを示している。さらに、この
圧電定数の増加率が所謂面積比と強い相関があることか
ら、面積比を更に増やせば、より大きな増加率が得られ
ることを示唆している。
の表面積とdh 定数を有する圧電体をより大面積の一対
の剛性部材で挾持させて、圧電体の厚さ方向変形に寄与
する音圧の有効作用面積を増大させることによりdh 定
数の見掛け上の著しい増大を図り、これにより、音波の
受信感度を著しく向上したマイクロホン、ハイドロホン
等に有効な受波型圧電素子が得られる。
断面図。
向断面図。
向断面図。
られる圧電要素の平面図、(d)はこれら圧電要素の共
通の側面図。
向断面図。
材 4、24:剛性枠体 5a、5b、26a〜26c、27a〜27c:電極 6:密閉空間 7:被覆材 10、20、30、40、50:受波型圧電素子 21(21a〜21c)、41:圧電要素 28、29:電極リード部
Claims (4)
- 【請求項1】 ある厚さを挾む二つの表面と該二表面に
ほぼ直交する外周側面を有する圧電体と、前記圧電体表
面よりも大面積であり、かつ圧電体をその厚さ方向に挾
持する一対の剛性部材とを含み、該一対の剛性部材の外
表面に作用する音圧をより小面積の圧電体の厚さ方向変
形応力として収束させ、且つ前記一対の剛性部材の圧電
体挾持に用いられない側方突出部と、その屈曲延長部又
は追加の剛体枠の内表面を含む剛体表面により包囲され
た気密な内部空間を区画・形成させ、該内部空間を真空
とするか、気体または発泡樹脂のいずれかを充填するこ
とにより、前記剛性部材の側方突出部内表面および圧電
体の外周側面への音圧を遮断するように構成したことを
特徴とする受波型圧電素子。 - 【請求項2】 前記圧電体が、セラミックス系圧電体あ
るいはポリマー系圧電体のいずれかである請求項1に記
載の受波型圧電素子。 - 【請求項3】 前記圧電体の分極方向が厚さ方向であ
り、前記二表面上に電極がそれぞれ設けられている請求
項1または2に記載の受波型圧電素子。 - 【請求項4】 液体中を伝播する音波を受信するハイド
ロホンとして機能する請求項1乃至3のいずれかに記載
の受波型圧電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07750593A JP3348902B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 受波型圧電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07750593A JP3348902B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 受波型圧電素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06269092A JPH06269092A (ja) | 1994-09-22 |
JP3348902B2 true JP3348902B2 (ja) | 2002-11-20 |
Family
ID=13635830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07750593A Expired - Lifetime JP3348902B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 受波型圧電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3348902B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9095880B2 (en) | 2010-06-30 | 2015-08-04 | Nec Corporation | Oscillator |
JP5691410B2 (ja) * | 2010-11-01 | 2015-04-01 | 日本電気株式会社 | 発振装置 |
-
1993
- 1993-03-12 JP JP07750593A patent/JP3348902B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06269092A (ja) | 1994-09-22 |
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