JP3348597B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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雅章 竹上
健史 新井
慎一 渡邊
徹 加地
大輔 三宅
正務 原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機に関す
る。より詳しくは、ヒートポンプ方式の空気調和機に関
する。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプ方式の空気調和機として
は、概略、図4に示すように、圧縮機4と、室外熱交換
器5と、受液器9と、電動式の膨張弁6と、室内熱交換
器3とをこの順に備えたものがある。41,42,4
3,44および45は冷媒配管である。例えば冷房運転
中は、制御装置1が出力した制御信号に基づいて、膨張
弁6を所定の開度に設定した状態で圧縮機4を駆動し
て、図中に示す矢印の向きに冷媒回路に沿って冷媒を循
環させる。これにより、凝縮器として働く室外熱交換器
5で冷媒から室外に熱を放出する一方、蒸発器として働
く室内熱交換器3で室内から冷媒に熱を取り込む。この
とき、蒸発器として働く室内熱交換器3の出口の過熱度
を制御するために、膨張弁6は一定の開度に設定されて
いる。運転停止時には、制御装置1が発生した停止指令
に基づいて、圧縮機4を停止すると同時に膨張弁6を全
閉にしている。これにより、運転停止中に冷媒回路内で
冷媒が移動するのを防止している。
【0003】なお、暖房運転中は、図示しない四路切換
弁によって冷媒の循環の向きを上とは逆にする。そし
て、凝縮器として働く室内熱交換器3で冷媒から室内に
熱を放出する一方、蒸発器として働く室外熱交換器5で
室外から冷媒に熱を取り込む。運転停止のための動作は
上と同じである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば冷房
運転中に、蒸発器として働く室内熱交換器3の出口がガ
ス不足気味になっていたり、運転停止期間が長いため
に、室内熱交換器3側から圧縮機4や膨張弁6を通して
室外熱交換器5側へ冷媒が漏れたりすることがある。こ
の状態で、一旦停止した冷房運転を再開した場合、室内
熱交換器3から圧縮機4までの配管41が長いことや、
受液器9から膨張弁6までの冷媒配管44が比較的長い
ことから、圧縮機4の起動直後に圧縮機4の吸込側48
で冷媒が不足する。このため、低圧圧力異常や吐出ガス
高温異常(圧縮機の冷却不足に起因する)による異常停
止が発生し、また、これに伴って圧縮機4の耐久性が低
下するという問題がある。なお、この問題は、暖房運転
を一旦停止した後再開する場合にも、同様に生ずる。
【0005】そこで、この発明の目的は、運転を一旦停
止した後再開する場合に、圧縮機の吸込側の冷媒不足を
防止でき、したがって異常停止の発生や圧縮機の耐久性
低下を防止できる空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の空気調和機は、少なくとも圧縮機
と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とをこの順に有する閉
じた冷媒回路を備え、運転中は制御部が出力した制御信
号に基づいて上記膨張弁を所定の開度に設定した状態で
上記圧縮機を駆動して、上記冷媒回路に沿って冷媒を循
環させて上記凝縮器で冷媒から外部に熱を放出する一
方、上記蒸発器で外部から冷媒に熱を取り込み、運転停
止中は上記制御部が発生した停止指令に基づいて上記圧
縮機を停止するとともに上記膨張弁を全閉にする空気調
和機において、上記制御部が停止指令を発生した時点
で、上記膨張弁をその停止指令発生前の開度よりも大き
い開度に所定時間だけ設定し、続いて上記圧縮機の停止
と上記膨張弁の全閉とを同時に実行することを特徴とす
る。
【0007】運転中、制御部が停止指令を発生する前の
膨張弁の開度は、蒸発器の出口の過熱度を制御するため
に、一定の開度に設定されているものとする。この請求
項1の空気調和機では、上記制御部が停止指令を発生し
た時点から、上記膨張弁をその停止指令発生前の開度よ
りも大きい開度に所定時間だけ設定する。この設定時間
に、蒸発器の出口の過熱度を制御するための必要量を超
える量の冷媒が膨張弁を通して蒸発器に送られる。上記
設定時間が経過した時点で、上記圧縮機の停止と上記膨
張弁の全閉とを同時に実行して、運転を停止する。この
後、運転を再開した場合、蒸発器側である低圧側に冷媒
が溜まっていることから、圧縮機の起動直後に圧縮機の
吸込側に冷媒が十分に供給される。したがって、低圧圧
力異常や吐出ガス高温異常による異常停止の発生や圧縮
機の異常停止が防止される。この結果、運転が円滑に再
開され、圧縮機の寿命が延びる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0009】図3に示す一実施形態のヒートポンプ方式
の空気調和機は、制御装置11以外は図4に示したのと
同じ構成であり、同一構成部は同一番号を付して説明を
省略する。
【0010】冷房運転中は、制御部としての制御装置1
1が出力した制御信号に基づいて、図1(c),(d)に示す
ように室内ファン7および室外ファン8を回転させる。
これとともに、図1(a),(b)に示すように膨張弁6を所
定の開度に設定した状態で圧縮機4を駆動して、図3中
に示す矢印の向きに冷媒回路に沿って冷媒を循環させ
る。これにより、凝縮器として働く室外熱交換器5で冷
媒から室外に熱を放出する一方、蒸発器として働く室内
熱交換器3で室内から冷媒に熱を取り込む。このとき、
蒸発器として働く室内熱交換器3の出口の過熱度を制御
するために、図1(a)に示すように、膨張弁6に一定の
パルス(aパルス)を印加して、その開度を一定に設定
している。なお、室内ファン7と圧縮機4とはインバー
タ(INV)制御を行っている。
【0011】この空気調和機は、運転停止のために図2
に示すフローに従って動作する。すなわち、 制御装置11は、停止指令を発生すると(図2のS
1)、図1(a)に示すように、その時点から10秒間だ
け、停止指令発生前のaパルスに対して電圧が1.5倍
のパルス(1.5aパルス)を膨張弁6に印加して、膨
張弁6をその停止指令発生前の開度よりも大きい開度に
設定する(図2のS2)。この10秒間に、図3に示す
室内熱交換器3の出口の過熱度を制御するための必要量
を超える量の冷媒が膨張弁6を通して室内熱交換器3に
送られて、室内熱交換器3に過剰の冷媒が溜まる。
【0012】 図1(a),(b)に示すように、上記10
秒間が経過した時点で、制御装置11は、圧縮機4の停
止と膨張弁6の全閉とを同時に実行して、冷房運転を停
止する(図2のS3)。また、この時点で、図1(c),
(d)に示すように、室内ファン7を最低周波数の運転に
切り替え、室外ファン8を停止(オフ)する。
【0013】このようにして冷房運転を一旦停止した
後、冷房運転を再開した場合、室内熱交換器3に過剰の
冷媒が溜まっていることから、圧縮機4の起動直後に冷
媒配管41を通して圧縮機4の吸込側48に冷媒が十分
に供給される。したがって、圧縮機4の吸込側48で低
圧圧力異常が起こるのが防止される。また、圧縮機4の
吐出側49で吐出ガス高温異常(圧縮機の冷却不足に起
因する)が起こるのが防止される。このように、この空
気調和機によれば、低圧圧力異常や吐出ガス高温異常に
よる異常停止の発生を防止でき、それに伴って圧縮機の
異常停止を防止することができる。この結果、圧縮機の
寿命を延ばすことができる。
【0014】なお、暖房運転を行うためには、図示しな
い四路切換弁によって冷媒の循環の向きを上とは逆にす
る。そして、凝縮器として働く室内熱交換器3で冷媒か
ら室内に熱を放出する一方、蒸発器として働く室外熱交
換器5で室外から冷媒に熱を取り込む。運転停止のため
に、上と同じ動作をすることによって、同様の作用効果
を奏することができる。すなわち、暖房運転を一旦停止
した後、暖房運転を再開した場合、低圧圧力異常や吐出
ガス高温異常による異常停止の発生を防止することがで
きる。この結果、運転を円滑に再開でき、圧縮機の寿命
を延ばすことができる。
【0015】なお、本発明では、圧縮機の停止前に膨張
弁の開度を所定時間だけその前の膨張弁の開度より大き
くしているが、圧縮機の起動前に膨張弁の開度を所定時
間だけ大きくすることが考えられる。しかし、こうした
場合は、長い配管が存在する場合には、冷媒が圧縮機の
吸込側に到達するまでに時間がかかり、圧縮機の吸込側
の冷媒不足を解消できない。また、圧縮機の起動前に膨
張弁を開ける方法では、圧縮機の起動指令に対する応答
性が悪くなる。
【0016】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の空
気調和機は、制御部が停止指令を発生した時点から、膨
張弁をその停止指令発生前の開度よりも大きい開度に所
定時間だけ設定するので、その間に蒸発器側に冷媒が溜
まる。したがって、運転を一旦停止した後再開する場合
に、圧縮機の起動直後に圧縮機の吸込側に冷媒を十分に
供給でき、したがって、低圧圧力異常や吐出ガス高温異
常による異常停止の発生を防止することができる。この
結果、運転を円滑に再開でき、圧縮機の寿命を延ばすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の空気調和機の動作タ
イミングを示す図である。
【図2】 上記空気調和機の運転停止のための動作フロ
ーを示す図である。
【図3】 上記空気調和機の構成を模式的に示す図であ
る。
【図4】 従来の空気調和機の構成を模式的に示す図で
ある。
【符号の説明】
3 室内熱交換器 4 圧縮機 5 室外熱交換器 6 膨張弁 9 受液器 11 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 慎一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 加地 徹 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 三宅 大輔 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 原 正務 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 北野 茂一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (56)参考文献 特開 昭60−221664(JP,A) 実開 昭59−98247(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 F24F 11/02 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも圧縮機(4)と、凝縮器
    (5)と、膨張弁(6)と、蒸発器(3)とをこの順に
    有する閉じた冷媒回路を備え、運転中は制御部(11)
    が出力した制御信号に基づいて上記膨張弁(6)を所定
    の開度に設定した状態で上記圧縮機(4)を駆動して、
    上記冷媒回路に沿って冷媒を循環させて上記凝縮器
    (5)で冷媒から外部に熱を放出する一方、上記蒸発器
    (3)で外部から冷媒に熱を取り込み、運転停止中は上
    記制御部(11)が発生した停止指令に基づいて上記圧
    縮機(4)を停止するとともに上記膨張弁(6)を全閉
    にする空気調和機において、 上記制御部(11)が停止指令を発生した時点で、上記
    膨張弁(6)をその停止指令発生前の開度よりも大きい
    開度に所定時間だけ設定し、続いて上記圧縮機(4)の
    停止と上記膨張弁(6)の全閉とを同時に実行すること
    を特徴とする空気調和機。
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