JP3348294B2 - ディジタルコンピュータシステム - Google Patents

ディジタルコンピュータシステム

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JP3348294B2
JP3348294B2 JP17930692A JP17930692A JP3348294B2 JP 3348294 B2 JP3348294 B2 JP 3348294B2 JP 17930692 A JP17930692 A JP 17930692A JP 17930692 A JP17930692 A JP 17930692A JP 3348294 B2 JP3348294 B2 JP 3348294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタルコンピュータ
システムに関するものであり,特に,診断,デバックな
どに好適に構成されるディジタルコンピュータシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルコンピュータシステム内のプ
ロセッサの動きを監視または診断することは,たとえ
ば,プログラムデバック時,ディジタルコンピュータシ
ステムの保守点検時,あるいは,ディジタルコンピュー
タシステムに障害が発生したときその解析などに有効で
ある。そのため,ディジタルコンピュータシステムの内
部動作,特に,プログラムの動作状態を監視または把握
するために種々の手段が講じられているが,直接,内部
バスをアクセスしてそのプロセッサの詳細動きを監視
することはまだ実現されておらず,通常,ソフトウエア
を用いて外部バスを介してプロセッサの入出力状態を監
視している。
【0003】また,コンピュータシステムの診断,デバ
ック,および,統計収集機能は,通常,ソフトウエア・
シミュレーション(エミュレーション)することによっ
て実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ディジタルコンピュー
タシステムの内部バスを直接監視できないから,プロセ
ッサの動きそのものを直接監視できないという問題に遭
遇している。また,ソフトウエアを用いてディジタルコ
ンピュータシステムの動作を制限して上記入出力状態を
監視するため,その監視用ソフトウエアが動作すること
で,本来のソフトウエアを動作させるディジタルコンピ
ュータシステムの動作とは異なる状態で,具体的には,
動作速度を低下させた状態,あるいは,診断のための特
別の動作状態で,ディジタルコンピュータシステムの監
視を行わざるをえない。このことは,実際の動作状態で
プログラムまたはディジタルコンピュータシステム全体
の動作を監視することができないという問題に遭遇して
いる。さらにソフトウエアの規模が大きくなり,診断用
プログラム作成の負担が大きい。従来のディジタルコン
ピュータシステムの診断方法ては,その診断のためにプ
ログラムに外部から条件設定などの外的要因を与えた診
断ができない。
【0005】また,上述したソフトウエア・エミュレー
ションによる診断,デバック,統計収集によっては,ハ
ードウエア自体の診断ができない,診断の自由度が小さ
く,的確な情報収集ができない,シミュレーションをす
ることがプロセッサの実行サイクルを割いてしまい本来
のプロセッサの処理が行われない,コンピュータシステ
ムの的確な動特性を得ることが困難である。
【0006】本発明は上述した問題を解決し,ディジタ
ルコンピュータシステム,特に,自由度を高くして,デ
ィジタルコンピュータシステム内のプロセッサの動作状
態を直接監視または診断可能なディジタルコンピュータ
システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決し,上述
した目的を達成するため,本発明のディジタルコンピュ
ータシステムは,実行すべき命令を解読する命令シーケ
ンサと,前記命令シーケンサに接続され前記命令シーケ
ンサと協働して診断制御処理を行なう主診断制御処理回
路と、該主診断制御処理回路に接続された命令のフェッ
チまたは実行を計数する第1のカウンタと,該主診断制
御処理回路に接続されたプログラムの実行時間を計時す
るタイマとを有する診断制御回路と,前記診断制御回路
および内部バスに接続された診断インタフェース手段
と,前記診断インタフェース手段に接続されたユーザタ
ーミナル手段とを有し,前記命令シーケンサで扱われる
命令語は診断内容に応じて前記診断制御回路内の前記第
1のカウンタおよび前記タイマの使用を規定する少なく
とも2ビットの診断ビットを有し,前記主診断制御処理
回路は前記命令語に指定されたビットに応じて前記第1
のカウンタおよび前記タイマを動作させ,前記ユーザタ
ーミナル手段は前記診断インタフェース手段を介して前
記診断制御回路に,診断内容に応じて前記命令語のビッ
トを設定し,前記ユーザターミナル手段は前記診断イン
タフェース手段を介して前記第1のカウンタの値および
前記タイマの値を入力する。
【0008】
【0009】
【0010】
【作用】実行すべき命令を解読する命令シーケンサはプ
ロセッサで実行される命令を解読して,演算部に出力す
る。診断制御回路内の主診断制御処理回路は命令シーケ
ンサと協働して診断制御処理を行なう。第1のカウンタ
は,主診断制御処理回路に接続された命令のフェッチま
たは実行を計数する。タイマはプログラムの実行時間を
計時する。
【0011】ユーザターミナル手段によって,診断イン
タフェース手段を介して主診断制御処理回路に,複数の
診断機能が上記命令語の診断ビットの組合せが指定され
主診断制御処理回路で指定された診断ビットに応じ
てカウンタおよびタイマを駆動する。これらの診断機能
を作用させる診断状態が規定されており,診断状態と診
断機能との組合せに応じた診断が行われる。その診断機
能と診断状態との例を下記に列挙する。診断機能 機能1:第1診断ビットを第1のカウンタに使用し,第
2診断ビットも第1のカウンタに使用する。 機能2:第1診断ビットを第1のカウンタに使用し,第
2診断ビットをタイマに使用する。このタイマをトグル
操作に使用する。 機能3:第1診断ビット,第2診断ビットをともにタイ
マに使用する。 機能4:第1診断ビットと第2診断ビットとをブレーク
ポイント設定に使用する。これは任意のプロセッサをホ
ールト(halt,クロックを停止させて動作中断)さ
せる場合に使用する。 機能5:第1診断ビット,第2診断ビットとをブレーク
ポイント設定に使用する。ただし,このブレークポイン
ト設定は,全てのプロセッサをホールトさせる場合に使
用する。診断ビットは2つに限らず,3以上の複数ビッ
トを使用することができる。診断状態 状態X:第1の診断ビットおよび第2の診断ビットがと
もに,フェッチのときに作用する。 状態Y:第1の診断ビットがフェッチのときに,第2の
診断ビットは実行に作用する。 状態Z:第1の診断ビットと第2の診断ビットとがとも
に実行のときに作用する。 なお,フェッチのときに作用するとは,命令がフェッチ
されたときに第1の診断ビットおよび第2の診断ビット
の設定が可能であることを意味する。
【0012】
【実施例】図1は本発明のディジタルコンピュータシス
テムの実施例の構成図である。このディジタルコンピュ
ータシステムは,プロセッサ本体を構成するインストラ
クション・フェッチ・ユニットIFU,シーケンサSE
Q,オペレーションユニット(演算部)OU,内部レジ
スタユニットIRU,外部インタフェースEXT−I/
Fを有し,これらのユニットが,内部制御信号バスC1
〜C4と内部データバスD1〜D4で接続されている。
内部制御信号バスC1と内部データバスD1とがプロセ
ッサの外部に接続されている。さらにこのコンピュータ
システムには,第1のカウンタ(CTRA)101,第
2のカウンタ(CTRB)102,タイマ(TMR)1
03,主診断制御処理回路(IDCC)104,およ
び,診断インタフェースDIAG−I/Fに接続された
バス105を有する診断制御回路100がプロセッサ本
体の内部に設けられている。主診断制御処理回路104
はバス105を介して診断インタフェースDIAG−I
/Fに接続されている他,命令シーケンサSEQにも接
続されている。
【0013】さらに,この実施例のディジタルコンピュ
ータシステムにおいては,上記コンピュータシステム本
来のプロセッサの動作状態を直接監視可能なように,プ
ロセッサ内に本発明の診断インタフェース手段に該当す
診断インタフェースDIAG−I/Fを設けている。
診断インタフェースDIAG−I/Fは,内部データバ
スD3を介してオペレーションユニットOUに接続され
ている内部データバスD2に接続され,または,内部制
御信号バスC4を介してシーケンサSEQに接続されて
いる。この診断インタフェースDIAG−I/Fもプロ
セッサを構成する。ディジタルコンピュータシステムは
さらに,診断インタフェースDIAG−I/Fを介し
て,プロセッサの外部にオペレーションユニットOUの
動作状況を出力する,あるいは,オペレーションユニッ
トOUに強制的な特別の動作を行わせるために,ユーザ
ターミナルUTを有している。
【0014】インストラクション・フェッチ・ユニット
IFUは,プロセッサの外部から実行すべきプログラム
を読み込み,その都度,実行すべきインストラクション
(命令)をフェッチして,内部制御信号バスC2を介し
命令シーケンサSEQに印加する。命令シーケンサS
EQはインストラクション・フェッチ・ユニットIFU
でフェッチしたインストラクションを順序的に(シーケ
ンシャルに)解読(解析)して,解読しインストラク
ションに応じて,内部制御信号バスC3,C3aを介し
てオペレーションユニットOUに印加する,あるいは,
内部制御信号バスC3,C3bを介して内部レジスタユ
ニットIRUに印加する,または,内部制御信号バスC
3,C3cを介して外部インタフェースEXT−I/F
に印加する。したがって,オペレーションユニットO
U,内部レジスタユニットIRU,外部インタフェース
EXT−I/Fは命令シーケンサSEQによって制御さ
れる。インストラクション・フェッチ・ユニットIFU
命令シーケンサSEQとが協働して,オペレーション
ユニットOUにおいて実行される命令を解読して制御す
る。
【0015】オペレーションユニットOUは命令シーケ
ンサSEQにおいて解読されたインストラクションを実
行する。オペレーションユニットOUにおけるインスト
ラクションの実行に応じて,データが内部データバスD
2a,D2,および,内部制御信号バスC3a,C3,
C3bを介してオペレーションユニットOUと内部レジ
スタユニットIRUとの間でデータ伝送を行う。同様
に,オペレーションユニットOUにおけるインストラク
ションの実行に応じて,データが内部データバスD2
a,D2,D2c,および,内部制御信号バスC3a,
C3,C3cを介してオペレーションユニットOUと外
部インタフェースEXT−I/Fとの間で伝送される。
内部レジスタユニットIRUはプロセッサ内のメモリの
総称であり,たとえば,オペレーションユニットOUを
介さずに,内部レジスタにデータを保存する,あるい
は,外部にデータを送出する。外部インタフェースEX
T−I/Fは,プロセッサの外部とのインタフェースを
とる部分であり,内部データバスD1を介して外部との
データを送受信を行う。または,外部インタフェースE
XT−I/Fは,内部データバスD2c,D2,D2a
を介して,外部インタフェースEXT−I/Fとオペレ
ーションユニットOUとの間のデータ送受信を,あるい
は,内部データバスD2c,D2,D2bを介して,外
部インタフェースEXT−I/Fと内部レジスタユニッ
トIRUとの間のデータ送受信を行う。
【0016】診断インタフェースDIAG−I/Fは内
部データバスD3を介してオペレーションユニットO
U,内部レジスタユニットIRU,外部インタフェース
EXT−I/Fに接続されている内部データバスD2に
接続されている。したがって,診断インタフェースDI
AG−I/Fは内部データバスD2の上を伝送される種
々のデータを読み取ることができる。また,上述したよ
うに,命令シーケンサSEQはそこで解読したインスト
ラクションに応じて,オペレーションユニットOU,内
部レジスタユニットIRU,外部インタフェースEXT
−I/Fなどの動作を制御する。診断インタフェースD
IAG−I/Fは直接,命令シーケンサSEQに接続さ
れており,インストラクション・フェッチ・ユニットI
FUと同様に,本発明のユーザターミナル手段に該当す
ユーザターミナルUTからの外部からの強制的に実行
すべきインストラクションをフェッチさせることができ
る。その結果,ユーザターミナルUTを介して印加しフ
ェッチするインストラクションに応じて,外部からオペ
レーションユニットOU,内部レジスタユニットIR
U,外部インタフェースEXT−I/Fなどを駆動制御
して,内部データバスD2に現れるデータを内部データ
バスD3を介して読み取ることができる。本発明の診断
インタフェース手段に該当する診断インタフェースDI
AG−I/Fはまた,診断制御回路100の主診断制御
処理回路104に、本発明のユーザターミナル手段に該
当するユーザターミナルUTからの診断指令を送出す
る。
【0017】ユーザターミナルUTは,内部データバス
D4を介して診断インタフェースDIAG−I/Fに接
続されており,プロセッサの外部から診断インタフェー
スDIAG−I/Fを制御して,プロセッサの内部状態
を監視し,あるいは,プロセッサを外的に制御する。ユ
ーザターミナルUTはたとえば,パーソナルコンピュー
タを用いて実現する。
【0018】診断制御回路100は,診断インタフェー
スDIAG−I/Fを介してユーザターミナルUTから
指令された診断制御処理を行う。診断制御回路100の
制御動作を規定するため,さらに,図2に示すように,
プロセッサで動作する命令語のフィールドには,第1の
診断ビットDIAGAと第2の診断ビットDIAGBと
が規定されている。これらの診断ビットの組合せで,診
断制御回路100における診断処理内容を規定する。
【0019】その組合せの機能と診断状態を下記に例示
する。診断機能 (1)機能1 診断ビットDIAGAをカウンタに使用し, 診断ビットDIAGBもカウンタに使用する。 (2)機能2 診断ビットDIAGAをカウンタに使用し,診断ビット
DIAGBをタイマに使用する。このタイマをトグル操
作に使用する。 (3)機能3 診断ビットDIAGA,診断ビットDIAGBをともに
タイマに使用する。つまり,第1の診断ビットDIAG
Aをタイマ開始に使用し,第2の診断ビットDIAGB
をタイマの終了に使用する。 (4)機能4 診断ビットDIAGAと診断ビットDIAGBとをブレ
ークポイント設定に使用する。これは任意のプロセッサ
の動作をホールト(halt,クロックを停止させて動
作中断)させる場合に使用する。 (5)機能5 診断ビットDIAGAと診断ビットDIAGBとをブレ
ークポイント設定に使用する。ただし,このブレークポ
イント設定は,全てのプロセッサの動作をホールトさせ
る場合に使用する。
【0020】上述した機能は,下記の診断状態で処理さ
れる。診断状態 (イ)状態X 第1の診断ビットDIAGAおよび第2の診断ビットD
IAGBがともに,フェッチのときに作用する。 (ロ)状態Y 第1の診断ビットDIAGAがフェッチのときに,第2
の診断ビットDIAGBは実行に作用する。 (ハ)状態Z 第1の診断ビットDIAGAと第2の診断ビットDIA
GBとがともに実行のときに作用する。 なお,フェッチのときに作用するとは,命令がインスト
ラクション・フェッチ・ユニットIFUにおいてフェッ
チされたときに第1の診断ビットDIAGAおよび第2
の診断ビットDIAGBの設定が可能であることを意味
する。また,実行時に作用するとは,命令実行時に第1
の診断ビットDIAGAおよび第2の診断ビットDIA
GBの設定が可能であることを示す。
【0021】したがって,上述した機能と状態とを組み
合わせると,合計15種の診断モードにおいて種々の内
容の診断を行うことができる。図2に示した命令語はプ
ログラマなどのユーザが任意に設定できる。したがっ
て,プログラムレベルでの的確な診断モードの指定が可
能となる。また,ハードウエア試験,および,ソフトウ
エア試験またはデバックにおけるプロセッサの動特性の
評価のための統計データ収集を容易に行うことができ
る。この診断は診断ソフトウエアを用いないから,その
診断ソフトウエアを動作させることによる動作の遅延,
あるいは,診断のために処理内容が変更になるというこ
とが防止できる。
【0022】まず,診断インタフェースDIAG−I/
Fを介して,プロセッサの内部状態を監視する動作につ
いて述べる。ユーザ(利用者)がユーザターミナルUT
を用いて診断インタフェースDIAG−I/Fを介して
行う,診断モードとしては,たとえば,下記に列挙する
ものがある。
【0023】(1)単純データ読みだしモード このモードは内部データバスD2を流れるデータを診断
インタフェースDIAG−I/Fを介してユーザターミ
ナルUTに読みだす処理形態である。このモードとして
は,開始時間と終了時間を設定できる。あるいは,読み
だしたデータが所定数に到達したら終了することができ
る。
【0024】(2)条件付データ読みだしモード 上述した単純読みだしモードによると,非常に大量のデ
ータがユーザターミナルUTに読み出されることになる
ので,その記憶容量と読み出したデータの有効な活用が
難しい。そこで,この条件付データ読みだしモードは,
データ読みだしにある条件,たとえば,内部レジスタユ
ニットIRUのあるアドレスにデータの記憶が行われる
ときのみ読みだしを行うとか,外部インタフェースEX
T−I/Fから内部データバスD1を介して外部にデー
タを出力するときのみ読みだしを行うなどの条件を課し
て,診断インタフェースDIAG−I/Fがインストラ
クション・フェッチ・ユニットIFUでフェッチしたイ
ンストラクションを内部制御信号バスC5を介して内部
データバスから入力し,ユーザターミナルUTから設定
された該当する条件に対応するときのみ,診断インタフ
ェースDIAG−I/Fが内部データバスD2に流れる
データを読みだし,診断インタフェースDIAG−I/
F内に設けられたバッファメモリに一次記憶し,ユーザ
ターミナルUTに出力する動作形態である。またこのモ
ードとしては,たとえば,ユーザターミナルUTが設定
したプログラムが動作するときだけの内部データバスD
2を流れるデータを読みだしすることもできる。このよ
うな条件についてはその他,種々の条件を設定できる。
【0025】(3)データ書き込みモード このモードは,ユーザターミナルUTで設定したデータ
を診断インタフェースDIAG−I/Fが,インストラ
クション・フェッチ・ユニットIFUの動作を中断させ
インストラクション・フェッチ・ユニットIFUの代わ
りに,内部制御信号バスC4を介してデータ書き込みイ
ンストラクションをフェッチしてシーケンサSEQに印
加して,内部データバスD3から,内部レジスタユニッ
トIRUに,あるいは,外部インタフェースEXT−I
/FにユーザターミナルUTからのデータを書き込む動
作形態である。この動作終了後は診断インタフェースD
IAG−I/Fは,動作を中断させたインストラクショ
ン・フェッチ・ユニットIFUの動作を再開させて,再
び,本来のプログラム動作を継続させる。
【0026】(4)オペレーションユニット駆動モード 上記データ書き込みモードではデータを内部レジスタユ
ニットIRUまたは外部インタフェースEXT−I/F
にデータを書き込むが,このモードにおいては,インス
トラクション・フェッチ・ユニットIFUを中断させ
て,ユーザターミナルUTからのインストラクションで
オペレーションユニットOUを強制的に動作させる。そ
して,オペレーションユニットOUの動作結果を内部デ
ータバスD2を流れるデータを読み取り,オペレーショ
ンユニットOUの動作に伴う動作結果を監視する。
【0027】(5)読み取りデータの統計処理(分析)
処理モード 単純データ読みだしモード,あるいは,条件付データ読
みだしモードで読み出したデータを,統計処理して,そ
の結果をユーザターミナルUTに出力する。たとえば,
上述した条件付データ読みだしモードにおいて,あるア
ドレスに書き込まれたデータの回数を計数する,平均値
を算出する,値が変化したときの時間とその値を検出す
るなどの処理がある。
【0028】たとえば,上述した単純データ読みだしモ
ードについて,さらに詳細な動作を述べる。ユーザは,
ユーザターミナルUTを介して「単純データ読みだしモ
ード」を設定する。ユーザターミナルUTはそのモード
設定に応答して,そのモードを指定して診断インタフェ
ースDIAG−I/Fを駆動する。診断インタフェース
DIAG−I/Fは,単純読みだしモードを認識し,内
部データバスD2の上を流れるデータを読み取り,その
内部のバッファメモリに記憶する。診断インタフェース
DIAG−I/Fはこの動作を継続する。ユーザは上記
モードにおいて,読み取ったデータの出力をユーザター
ミナルUTを介して,診断インタフェースDIAG−I
/Fに要求する。診断インタフェースDIAG−I/F
はその要求に応答して,バッファメモリに記憶した読み
だしデータを順次,ユーザターミナルUTに出力する。
ユーザターミナルUTは診断インタフェースDIAG−
I/Fから出力されたデータを,たとえば,CRT表示
装置に表示する,あるいは,プリンタに出力する。これ
により,プロセッサ側の動作に干渉を与えず,プロセッ
サで動作する本来のプログラムにそのための変更,修正
などを加えることなく,オペレーションユニットOUな
どから内部レジスタユニットIRUに伝送されるデータ
を,プロセッサの外部に設けられたユーザターミナルU
Tに出力することができる。ユーザターミナルUTに出
力されたデータの活用方法としては,たとえば,デバッ
クのときは,あるプログラムの動作の途中結果の分析,
あるいは,一連のプログラム処理のなかで動作していく
プログラムの動作履歴解析などとして用いることができ
る。
【0029】上述した各モードの内容と,上述した単純
データ読みだしモードの動作とを考慮すると,それぞれ
の診断モードにおける詳細動作は明らかであるから,上
述したその他の診断モードの詳細動作については省略す
る。図1に示した構成,および,診断インタフェースD
IAG−I/FおよびユーザターミナルUTの処理機
能,および,これらの機能の組合せからして,上述した
診断モード以外にも,ソフトウエアの負担を必要とせ
ず,デバック時,保守時,あるいは,プロセッサの動作
監視のためのその他診断処理を行うことができることは
もちろんである。
【0030】このような診断モードを,単独に,あるい
は,組み合わせると,以下に例示するような種々の利用
形態,そして,その結果としての効果を奏する。 (1)オペレーションユニットOU,内部レジスタユニ
ットIRU,外部インタフェースEXT−I/Fなどの
プロセッサ自体の本来の動作に影響を与えず,プログラ
マ,保守員,顧客などの利用者が希望する条件で,プロ
セッサの内部動作状況を把握することができる。その結
果,たとえば,プログラムデバック時のプログラムの動
作分析またはプログラムの処理結果と妥当性の評価を行
うことができる。 (2)プログラムの外部のユーザターミナルUTからの
指令によって,現在すでにそのディジタルコンピュータ
システムに装荷されたプログラムの処理内容を中断,ま
たは,変更させる処理が可能になる。たとえば,ユーザ
ターミナルUTを介して診断インタフェースDIAG−
I/Fにデータを与え,そのデータを内部レジスタユニ
ットIRUに書き込むことができる。この処理は,たと
えば,デバック時において,時間のかかる収斂計算を行
わせる場合,その収斂計算の結果が事前に判っている場
合,その計算結果をユーザターミナルUTを介して内部
レジスタユニットIRUに書き込み,計算終了後のプロ
グラム処理にジャンプさせて,デバック時間短縮を計る
という用途に用いる。あるいは,保守点検時に,外部か
ら明らかな誤動作を生じさせる命令を与えて,プロセッ
サの誤動作検出回路の機能を確認する場合に用いること
ができる。 (3)プロセッサの内部動作の監視結果を統計処理し
て,プロセッサの回路モジュールの使用状況,あるい
は,プログラムの動作解析を行うことができる。 (4)量産時のコンピュータシステムの自動試験が可能
になる。 (5)プロセッサの自己診断回路として組み込み,自己
診断を行うわせることかできる。
【0031】次に,診断制御回路100を介した診断処
理動作について述べる。図2に示した命令語はソフトウ
エアで設定する。したがって,デバック時に,プログラ
マが事前に診断を希望するプログラムにおいて,図2に
示した命令語の第1の診断ビットDIAGAと第2の診
断ビットDIAGBに希望する条件を設定しておく。た
とえば,診断状態Xにおいて,診断機能1を設定してお
く。そうすると,その命令がインストラクション・フェ
ッチ・ユニットIFUにおいてフェッチされたときにイ
ンストラクション・フェッチ・ユニットIFUから診断
制御回路100が駆動され,主診断制御処理回路104
はフェッチ回数を第1のカウンタ101で計数させる。
その結果は後に,診断インタフェースDIAG−I/F
を介してユーザターミナルUTに出力されて,ユーザー
が第1のカウンタ101の計数値を確認できる。
【0032】また診断機能2が設定された場合は,第1
のカウンタ101が所定の命令のフェッチを計数すると
ともに,タイマ103がその命令が到達してから次の所
定の命令が到達するまでの時間を計時する。タイマ10
3が計時する対象は命令の到来時間に限らず,設定され
た診断内容に応じて,たとえば,ある1つのプログラム
が動作する時間の計時などにも使用される。
【0033】上述した診断機能と診断状態との15の組
合せの動作も上記同様に行われる。この診断制御回路1
00を介して診断処理は,上述した診断インタフェース
DIAG−I/Fを介して内部データバスD2を流れる
データを読み取る場合に比べると,プログラマの意思を
反映させてプログラマが自己の希望する条件で希望する
プロセッサの内部動作,またはプログラムの動作結果
を,きめ細かに認識できるという利点がある。ただし,
この場合も,診断機能4および5を除き,プロセッサ本
来の動作に支障を与えずにプログラム処理結果を確認で
きる。また,データのときにプロセッサ内のある状態を
確認したい場合などのときは,診断機能4,5を遂行す
ることもできる。
【0034】さらに診断インタフェースDIAG−I/
Fによる内部データバスD2からのデータ収集と診断制
御回路100による診断とを組み合わせることができ
る。その結果,コンピュータシステムにおける種々の診
断,デバック支援,保守点検などが非常に有効に実現で
きる。これらの診断処理を行う場合,プロセッマ,保守
員,ユーザはユーザターミナルUTを介して行うことが
でき,希望する診断を容易に実現することができる。
【0035】図3に本発明のより特定的なディジタルコ
ンピュータシステムの構成図を示す。図3に示したディ
ジタルコンピュータシステムは,記号処理言語,たとえ
ば,LISPを用いた並列分散処理形ディジタルコンピ
ュータシステムであり,エバリュエータユニットEU
と,リソースマネジャRMと,データストーリジSTR
Gと,診断インタフェースDIAG−I/F,および,
診断手段DIAGとを有する。ここでは,エバリュエー
タユニットEUがコンピュータ本体として位置し,リソ
ースマネジャRM内のワークステーションWSがユーザ
ターミナルUTに対応する外部コンピュータとして位置
している。図3に示した診断インタフェースDIAG−
I/Fと診断手段DIAGとが,図1における診断イン
タフェースDIAG−I/Fおよび診断制御回路100
に対応している。図3に示した構成例では,診断手段D
IAGが図1に示した診断インタフェースDIAG−I
/Fおよび診断制御回路100の処理を行い,図3に示
した診断インタフェースDIAG−I/Fは単にワーク
ステーションWSとの間の接続に使用する図1に示した
内部データバスD4に相当している。したがって,診断
手段DIAGには図1に示した診断制御回路100の回
路が組み込まれている。データストーリジSTRGはプ
ロセッサの外部機器の1種である。
【0036】図1に示したディジタルコンピュータシス
テムを構成するモジュールは図2に示したコンピュータ
システム内のモジュールの関連部分を対応させると下記
のようになる。図1に示したインストラクション・フェ
ッチ・ユニットIFUが図3に示したエバリュエータユ
ニットEU内のインストラクションキャッシュIC,シ
ーケンサSEQがエバリュエータユニットEU内のシス
テムコントローラSC,オペレーションユニットOUが
エバリュエータユニットEU内の演算ユニットALUお
よびマスカMSK,内部レジスタユニットIRUが演算
ユニットALU内のローカルメモリLM,外部インタフ
ェースEXT−I/Fが演算ユニットALU内のメイン
メモリインタフェースMM−I/Fおよびリソースマネ
ジャインタフェースRM−I/F,ユーザターミナルU
TがリソースマネジャRM内のワークステーションWS
である。
【0037】また図1に示した内部データバスD1〜D
4が図2に内部データバスIB1〜IB3に対応してい
る。ただし,図3には内部制御信号バスCは示していな
い。診断手段DIAGは,内部データバスIB1〜IB
3に内部バス接続ラインIL1〜IL3を介して接続さ
れている。また,診断手段DIAGは内部バス接続ライ
ンIL4を介して,シーケンサSEQに相当するシステ
ムコントローラSCに接続されている。また診断手段D
IAGは,診断用インタフェースD−I/Fを介してワ
ークステーションWSに接続されており,この診断用イ
ンタフェースD−I/Fが図1に示した内部データバス
D4に対応している。
【0038】図3に示したディジタルコンピュータシス
テムにおいても,図1に示したディジタルコンピュータ
システムと同様に,図1に示したユーザターミナルUT
として機能するワークステーションWSからの診断モー
ドの指定に応じて,ユーザが希望する任意のエバリュエ
ータユニットEU内の動作監視,外的駆動条件の設定,
その他の動作を行うことができる。
【0039】図1に示した診断制御回路100を含む図
3の示した診断手段DIAGは,それぞれ32ビットの
第1のカウンタ101および第2のカウンタ102,分
解能50ns,ビット幅32ビットのタイマ103を有
する。したがって,タイマ103としては,最高200
秒の計時を行うことができる。図3に示したディジタル
コンピュータシステムにおける命令語としては,データ
転送型,分岐型,データ演算型,多方向分岐型などがあ
るが,図2に示した第1の診断ビットDIAGAおよび
第2の診断ビットDIAGBはこれら命令語の構成如何
に係わらず,共通した固定位置,たとえば,MSBとそ
の次のビット位置に位置している。したがって,診断手
段DIAGにおいて,図1に示した診断制御回路100
の主診断制御処理回路104が動作する場合,命令語の
構成に係わらず,上述した診断状態上述した診断機能に
ついての診断処理を行うことができる。
【0040】図3に示した診断手段DIAGは上述した
ように,図1に示した診断手段DIAGの動作と診断制
御回路100の動作を行うから,図3に示したディジタ
ルコンピュータシステムにおいては,両者の診断処理を
組み合わせることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば,プログラムの動作状
態,あるいは,プロセッサの動作状態をそのプログラム
の動作またはプロセッサの本来の動作に支障を与えず,
知ることができる。また本発明によれば,命令語に希望
する診断タイミングを設定できるから,きめのこまかい
診断処理,統計収集などを遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタルコンピュータシステムの第
1の実施例の構成図である。
【図2】図1のディジタルコンピュータシステムにおけ
る診断を支持する命令語の構成を示す図である。
【図3】本発明のディジタルコンピュータシステムの第
2実施例として,記号言語を用いた並列分散処理ディジ
タルコンピュータシステムの構成図である。
【符号の説明】
IFU・・インストラクション・フェッチ・ユニット SEQ・・命令シーケンサ IRU・・内部レジスタユニット OU・・・オペレーションユニット EXT−I/F・・外部インタフェース C1〜C4・・内部制御信号バス D1〜D4・・内部データバス DIAG・・診断手段 DIAG−I/F・・診断インタフェース(診断インタ
フェース手段) UT・・ユーザターミナル(ユーザターミナル手段) EU・・エバリュエータユニット RM・・リソースマネジャ STRG・・データストーリジ ALU・・演算ユニット(オペレーションユニット) IB1〜IB4・・内部バス IL1〜IL4・・内部バス接続ライン WS・・・ワークステーション IC・・・インストラクションキャッシュ SC・・・システムコントローラ LM・・・ローカルメモリ 100・・診断制御回路 101・・第1のカウンタ 102・・第2のカウンタ 103・・タイマ 104・・主診断制御処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 11/22 - 11/34 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実行すべき命令を解読する命令シーケンサ
    と,前記命令シーケンサに接続され前記命令シーケンサと協
    働して診断制御処理を行なう主診断制御処理回路と、該
    主診断制御処理回路に接続された命令のフェッチまたは
    実行を計数する第1のカウンタと,該主診断制御処理回
    路に接続されたプログラムの実行時間を計時するタイマ
    とを有する診断制御回路と, 前記診断制御回路および内部バスに接続された診断イン
    タフェース手段と, 前記診断インタフェース手段に接続されたユーザターミ
    ナル手段と を有し,前記命令シーケンサで扱われる命令語は診断内容に応じ
    て前記診断制御回路内の前記第1のカウンタおよび前記
    タイマの使用を規定する少なくとも2ビットの診断ビッ
    トを有し, 前記主診断制御処理回路は前記命令語に指定されたビッ
    トに応じて前記第1のカウンタおよび前記タイマを動作
    させ, 前記ユーザターミナル手段は前記診断インタフェース手
    段を介して前記診断制御回路に,診断内容に応じて前記
    命令語のビットを設定し, 前記ユーザターミナル手段は前記診断インタフェース手
    段を介して前記第1のカウンタの値および前記タイマの
    値を入力する, ディジタルコンピュータシステム。
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