JP3348257B2 - 光アイソレータ装置 - Google Patents

光アイソレータ装置

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JP3348257B2
JP3348257B2 JP07132793A JP7132793A JP3348257B2 JP 3348257 B2 JP3348257 B2 JP 3348257B2 JP 07132793 A JP07132793 A JP 07132793A JP 7132793 A JP7132793 A JP 7132793A JP 3348257 B2 JP3348257 B2 JP 3348257B2
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昌行 木村
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エヌイーシートーキン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光アイソレータ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】可視光半導体レーザを光計測などの光信
号電送系の光源として用いる場合、半導体レーザからの
出射光の一部が、伝送路あるいは電送用光学部品の各接
続部で反射して半導体レーザへ帰還した場合には、半導
体レーザの発振特性の不安定化や雑音増加を引き起こ
す。この戻り光が帰還するのを防止するために、一般的
に光アイソレータが使用される。
【0003】光アイソレータの基本構成は、図5に示す
ように、ファラデー効果を有する磁気光学素子1と、一
対の偏光子2及び検光子3と、磁気光学素子1に磁界を
印加するための磁石4とから構成され、磁気光学素子
1,偏光子2,検光子3がそれぞれ光軸調整されてい
る。図5において矢印aの方向に伝搬する入射光は、偏
光子2を通過後、直線偏光となって磁気光学素子1に入
射する。そして、この磁気光学素子1を伝搬中、光は、
その入射面が磁石4の磁界強度により通常45度回転し
た状態で検光子3に入射する。ここで、偏光子2の傾き
は予め入射光の偏波面傾き(45度)と等しく設定され
ているので、偏光子2はこの入射光を透過させる。一
方、図5において矢印bのように逆方向に伝搬する入射
光は、検光子3と磁気光学素子1を透過することによ
り、偏光子2の偏波面に対して90度傾いた偏波面を持
った直線偏光になって偏光子2に入射されるので、この
逆方向の入射光は偏光子2を透過しない。従って、この
光アイソレータを使用することによって、戻り光の帰還
を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
光アイソレータを作動させるためには、その磁気光学素
子1に、入射光の波長に対して適切な強度の磁界を加え
る必要がある。
【0005】この磁気光学素子1に磁界を印加するため
の磁石4としては、通常、永久磁石が使用されており、
また、この磁石4と磁気光学素子1との相対位置は固定
されているため、この磁気光学素子1に印加される磁界
強度は、その温度変化を除いて常時一定となる。
【0006】このため、従来の光アイソレータは、使用
する光の波長を予め定めておき、その波長に対応した強
度をもつ磁界が印加されるように設計されている。従っ
て、従来の光アイソレータでは、予め定められた特定の
波長の光に対してしか最適条件で使用することができ
ず、使用する光の波長が定格外の波長に変化した場合に
は、その磁気光学素子内における偏波面のファラデー回
転角QFが所定値から変動して、適切な動作が期待でき
なくなってしまう欠点があった。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、磁気光学素子CdMnTeに印
加される磁界強度を可変できるようにすることによっ
て、ある波長範囲で常時最適条件で使用可能な光アイソ
レータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ファラ
デー効果を有する磁気光学素子にCdMnTe結晶を用
い、このCdMnTe結晶素子の周辺に磁石を配置した
光アイソレータ装置において、上記磁石を移動可能とし
た磁界強度調節手段により上記磁気光学素子に印加する
磁界強度を調節することを特徴とする光アイソレータ装
置が得られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図によって詳細に説
明する。
【0010】図1に本発明による光アイソレータ装置を
示す。
【0011】本実施例における光アイソレータの磁気光
学素子1には、厚さ1mmのCd(0.8)Mn(0.
2)Te結晶(ファラデー回転素子)を用いた。この磁
気光学素子1は、磁石4の中央に位置しており、この磁
石4の両側に、偏光子2及び検光子3が設置されてい
る。また、磁石4には、磁界強度調節手段としての調整
棒5が配設されている。この調整棒5の端部は、光アイ
ソレータ装置のホルダ端面の外方に延出されており、ホ
ルダ端面に配設されたナット6により任意の位置に調整
固定できるようになっている。このように、本実施例の
光アイソレータ装置は、磁界強度調節手段により磁石4
を移動可能とすることにより、磁気光学素子1と磁石4
の相対位置を変化させることができるので、磁気光学素
子1に印加する磁界強度を調節することが可能となる。
また、本実施例の磁石4には、中心磁界が8000Gの
NdFeB系の磁石を用いた。
【0012】すなわち、ファラデー回転素子であるCd
MnTe結晶は、回転角の波長依存性が大きい。この素
子を通る偏波面が45度回転するために必要な磁界と波
長の関係を図2に示す。ここで明らかなように、素子を
通る偏波面が45度回転するために必要な磁界は、波長
が長くなるほど大きくなり、0.6〜0.8μmで15
00G〜8000Gと変化する。そこで、本実施例のよ
うに、最大8000Gの磁界を発生させることができる
磁石4と磁気光学素子1(ファラデー回転素子)の相対
位置を変化させることにより目的とする波長の最適磁界
を得ることができる。
【0013】図3及び図4に消光比の測定方法を示す。
図3及び図4において、レーザ光源7を出た光は、レン
ズ8で集光され、偏光子2を通り規定される偏光成分の
みの光が磁気光学素子1(ファラデー回転素子)に入射
する。このファラデー回転素子を通過した光をパワーメ
ータ9により光電変換して電気信号に変換する。
【0014】図3に示す入射光の順方向損失FLは、次
の数1で示される。
【0015】
【数1】
【0016】図4に示す入射光の逆方向損失BLは、次
の数2で示される。
【0017】
【数2】
【0018】また、消光比(BL−FL)は、次の数3
で定義される。
【0019】
【数3】
【0020】数3で示すように、Iout1 とIout
2 の出射光の強度比により消光比(BL−FL)が測定
できる。
【0021】図1に示した本発明によるアイソレータ装
置では、波長可変型レーザを用いて、0.6〜0.8μ
mの光を通したときに、磁界調整を行なうことで30d
B以上の消光比が得られた。
【0022】なお、上記実施例では、光アイソレータの
磁気光学素子1として、Cd(0.8)Mn(0.2)
Te結晶を用いたが、この素子としては、組成比がCd
(1−X)Mn(X)Te(0≦X≦0.6)であれば
よく、組成が変化した場合、結晶の厚さと必要磁界が変
化するがその傾向は実施例と同一である。
【0023】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、磁気
光学素子(ファラデー回転素子)に印加される磁界強度
を常時最適な値に可変できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光アイソレータ装置の一実施例の構成
を示す概略図である。
【図2】ファラデー回転素子を通る偏波面が45度回転
するために必要な磁界と波長の関係を示す線図である。
【図3】上記光アイソレータ装置における入射光の順方
向損失を測定する装置の概略図である。
【図4】上記光アイソレータ装置における入射光の逆方
向損失を測定する装置の概略図である。
【図5】従来の光アイソレータ装置の構成を示す概略斜
視図である。
【符号の説明】
1 磁気光学素子 2 偏光子 3 検光子 4 磁石 5 調整棒 6 ナット 7 レーザ光源 8 レンズ 9 パワーメータ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファラデー効果を有する磁気光学素子に
    CdMnTe結晶を用い、このCdMnTe結晶素子の
    周辺に磁石を配置した光アイソレータ装置において、上
    記磁石を移動可能とした磁界強度調節手段により上記磁
    気光学素子に印加する磁界強度を調節することを特徴と
    する光アイソレータ装置。
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JP6148973B2 (ja) * 2013-12-04 2017-06-14 株式会社フジクラ 光アイソレータの製造方法
JP2020201415A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 株式会社フジクラ 光アイソレータ

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