JP3347919B2 - 積層固着鉄芯用金型および積層鉄芯片 - Google Patents

積層固着鉄芯用金型および積層鉄芯片

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JP3347919B2
JP3347919B2 JP17214395A JP17214395A JP3347919B2 JP 3347919 B2 JP3347919 B2 JP 3347919B2 JP 17214395 A JP17214395 A JP 17214395A JP 17214395 A JP17214395 A JP 17214395A JP 3347919 B2 JP3347919 B2 JP 3347919B2
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laminated iron
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気機器に使用
される鉄芯を製造する積層固着鉄芯用金型およびその積
層鉄芯片に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スタータモータのアマチュアコ
ア、オルタネータのステータ(アマチュア)コア、磁石
発電機のステータコア、点火コイルのコアなどの電気機
器に鉄芯片を積層してなる積層固着鉄芯が用いられてい
る。この種の積層固着鉄芯をプレス加工で製造するに
は、例えば特開昭51-53204号公報あるいは特公昭58-419
28号公報に提案されているように、金属材料に打出し突
起を設け、この突起を含む部分を打ち抜きして積層鉄芯
片を得るとともに、この外形抜きダイに先行して打ち抜
かれている積層鉄芯片の突起裏面の凹部へ突起凸部を嵌
合させて両者を一体に固着させ、これを順次繰り返し、
所定枚数だけ固着させることによりなされている。
【0003】図15は例えば特開昭51-53204号公報に記
載された従来の積層固着鉄芯のプレス加工工程を説明す
る図であり、図15の(a)はスケルトンのプレス加工
状態を示す平面図、図15の(b)はスケルトンのプレ
ス加工状態を示す断面図である。図において、1は金属
材料からなる長尺のスケルトン、2はスケルトン1に穿
設されたプレス順送り加工用のパイロット穴、3は製品
に必要な穴、4は積層固着鉄芯6の分離個片となる係合
穴、5は積層鉄芯片6aを相互に固着するための打出し
突起である。ここで、係合穴4は、図16に示すよう
に、幅W1、長さL1の矩形状に穿設されている。そし
て、打出し突起5は、図17に示すように、スケルトン
1の表裏に形成された凹部および凸部から構成され、凸
部のスケルトン1の裏面からの突出量はスケルトン1の
板厚より少なくなっている。また、凹部の幅W2は凸部
の幅W3より10ミクロン程度小さく、凹部の長さL2
凸部の長さL3より小寸法に形成されている。さらに、
係合穴4の幅W1は打出し突起5の凹部の幅W2と同寸法
に、係合穴4の長さL1は凹部の長さL2より大きく形成
されている。さらに、積層鉄芯片6aはコの字状の平面
形状を有し、その各辺のほぼ中央部にそれぞれ打出し突
起5が1個づつ形成されている。
【0004】つぎに、上記従来の積層固着鉄芯の製造方
法について図18を参照しつつ説明する。第1工程
(I)において、プレス順送り加工のパイロット穴2お
よび製品に必要な穴3がスケルトン1にあけられる。第
2工程(II)では、係合穴4がスケルトン1に積層厚
さに応じた時期に間歇的にあけられる。この場合、必要
な時期にソレノイド13に信号が与えられ、ソレノイド
13が収縮する。そして、ピン14によりソレノイド1
3に連結されているカム板12がソレノイド13側に引
き付けられ、カム板12の逃がし部15がパンチ7の頭
をはずれ、パンチ7の遊びがなくなって打ち抜き可能な
パンチとなる。また、係合穴4をあける必要のない時期
では、ソレノイド13が伸長され、カム板12がソレノ
イド13から離反する方向に押し出される。そして、カ
ム板12の逃がし部15がパンチ7の頭の位置にきて、
パンチ7の遊びが生じて打ち抜きできないパンチとな
る。したがって、ソレノイド13を積層厚さに応じた時
期に作動させることにより、係合穴4が間歇的にあけら
れる。第3工程(III)では、積層鉄芯片6aを一体
に固着させるための打出し突起5がスケルトン1にパン
チ8により成形される。第4工程(IV)では、ブラン
クパンチ9とブランクダイス10とにより積層鉄芯片6
aを得るための外形打ち抜きが行われるとともに、打ち
抜かれた積層鉄芯片6aの打出し突起5の凸部をブラン
クダイス10内に先行して打ち抜かれている積層鉄芯片
6aの打出し突起5の凹部に圧入させて両者を一体に固
着する加工が行われる。このようにして打ち抜かれた積
層鉄芯片6aはブランクダイス10内に先行して打ち抜
かれている積層鉄芯片6aに一体に固着されて、ブラン
クダイス10に連通する側圧リング16を通じて金型外
に排出される。そして、一体に固着された多数枚の積層
鉄芯片6a群は間歇的にあけられた係合穴4を有する積
層鉄芯片6aにおいて分離されて、所定の積層厚さの積
層固着鉄芯6が得られる。
【0005】ついで、ブランクダイス10および側圧リ
ング16の構成について図19を参照しつつ詳細に説明
する。ブランクダイス10は、大量生産できるように破
損防止と耐摩耗性とを考慮して超硬合金で作製された4
つのブランクダイス10a〜10dをダイプレート17
に焼バメあるいは圧入して構成されている。そして、側
圧リング16がこのブランクダイス10に連通して配設
されている。この側圧リング16の内寸法W5は、ブラ
ンクダイス10の内寸法W4より数ミクロン(締め代Δ
L)だけ小さく形成されている。そこで、ブランクパン
チ9により打ち抜かれてブランクダイス10内に入った
積層鉄芯片6aは、順次側圧リング16内に圧入されて
いく。この時、締め代ΔLに起因する側圧P1が積層鉄
芯片6aに保持力として作用する。そして、この保持力
により、打ち抜かれた積層鉄芯片6aの打出し突起5の
凸部がブランクダイス10内に先行して打ち抜かれてい
る積層鉄芯片6aの打出し突起5の凹部に圧入され、積
層鉄芯片6aどうしが隙間なく密着一体化されて、金型
外に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層固着鉄芯用
金型は以上のように、ブランクダイス10と側圧リング
16とが別体で構成されている。そこで、ブランクダイ
ス10a〜10dと側圧リング16との位置精度が数ミ
クロンずれると、締め代ΔLの均等性が崩れて、ブラン
クダイス10内の積層鉄芯片6aが側圧リング16内に
ずれながら圧入され、積層鉄芯片6aどうしの打出し突
起5の圧入部にせん断方向の応力が生じてしまう。その
結果、金型より排出された積層固着鉄芯6は積層方向の
剥離強度、底面に対する側面の垂直度などの品質面の低
下をもたらすことになる。また、締め代ΔLが設定値に
対して数ミクロン増えると側圧P1も増大し、側圧リン
グ16が焼き付きを起こしたり、破損したりすることに
なる。逆に数ミクロン少ないと、保持力も減少して打出
し突起5どうしの圧入が不完全となり、積層鉄芯片6a
どうしの密着性が低下し隙間を生じてしまうことにな
る。また、積層鉄芯片6aがブランクパンチ9とブラン
クダイス10a〜10bとで打ち抜かれる際に、図19
の(b)に示されるように、打ち抜き力により内圧P2
が発生する。この内圧P2により4分割されたブランク
ダイス10a〜10dがミクロンオーダで口開きし、積
層鉄芯片6aは大きめに打ち抜かれる。そして、この内
圧P2は側圧リング16に作用せず、側圧リング16の
内寸法は変わらない。このことは締め代ΔLが増えたこ
とと等価となり、この積層鉄芯片6aが側圧リング16
に圧入されると、側圧リング16が焼き付きを起こした
り、破損したりすることになる。したがって、従来の積
層固着鉄芯用金型は、上述の不具合を回避するために、
ブランクダイス10a〜10dおよび側圧リング16の
形状精度、位置精度を高精度に仕上げる必要があり、製
造が困難になるとともに、コストが増加してしまうとい
う課題があった。また、4分割されたブランクダイス1
0a〜10dの口開きに対して有効な対策がなく、側圧
リング16の焼き付きあるいは破損事故を防止すること
ができないという課題もあった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、積層固着鉄芯の品質が安定し、
金型を簡易にかつ低コストで製造できるとともに、ブラ
ンクダイスの口開きによる焼き付きあるいは破損事故を
防止できる積層固着鉄芯用金型および積層鉄芯片を得る
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る積層固着鉄芯用金型は、所定位置に打出し突起が複
数形成された積層鉄芯片を抜き加工するブランクダイス
と、該ブランクダイス内に積層鉄芯片を順次抜き込んで
いくブランクパンチとを備え、積層鉄芯片をブランクダ
イス内に抜き込むブランクパンチの加圧力により打出し
突起相互を圧入して積層固着鉄芯を得る積層固着鉄芯用
金型において、ブランクダイス内に抜き込まれた積層鉄
芯片の各打出し突起を挟んで対向するようにブランクダ
イスの切刃面の下方に設けられ、抜き込まれた積層鉄芯
片の各打出し突起を挟む両端面に当接して積層鉄芯片に
側圧を発生させる側圧発生面と、側圧発生面を除いてブ
ランクダイス内に抜き込まれた積層鉄芯片の端面との間
に隙間を形成するようにブランクダイスの切刃面の下方
に設けられた隙間形成面とを備えたものである。
【0009】また、この発明の第2の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第1の発明において、切刃面と側
圧発生面とを同一平面に形成し、積層鉄芯片の各打出し
突起を挟む両端部に突出片を形成する突出片抜き面を切
刃面の側圧発生面の上部の部位にそれぞれ刻設し、突出
片抜き面の下端と側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に
形成された段差部でつないだものである。
【0010】また、この発明の第3の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第1の発明において、側圧発生面
を切刃面に対して内方に突出する切刃面と平行な平面に
形成し、切刃面の下端と側圧発生面の上端とを滑らかな
曲面に形成された段差部でつないだものである。
【0011】また、この発明の第4の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、打出し突起が等角ピッチで複数形成さ
れた積層鉄芯片を円形に抜き加工するブランクダイス
と、該ブランクダイス内に積層鉄芯片を順次抜き込んで
いくブランクパンチとを備え、積層鉄芯片をブランクダ
イス内に抜き込むブランクパンチの加圧力により打出し
突起相互を圧入して積層固着鉄芯を得る積層固着鉄芯用
金型において、ブランクダイス内に抜き込まれた積層鉄
芯片の各打出し突起の径方向外方に位置するようにブラ
ンクダイスの切刃面の下方に等角ピッチで複数設けら
れ、抜き込まれた積層鉄芯片の各打出し突起の径方向外
方の端面に当接して積層鉄芯片に側圧を発生させる側圧
発生面と、側圧発生面を除いてブランクダイス内に抜き
込まれた積層鉄芯片の端面との間に隙間を形成するよう
にブランクダイスの切刃面の下方に設けられた隙間形成
面とを備えたものである。
【0012】また、この発明の第5の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第4の発明において、切刃面と側
圧発生面とを同一円弧面に形成し、積層鉄芯片の各打出
し突起の径方向外方の端部に突出片を形成する突出片抜
き面を切刃面の側圧発生面の上部の部位にそれぞれ刻設
し、突出片抜き面の下端と側圧発生面の上端とを滑らか
な曲面に形成された段差部でつないだものである。
【0013】また、この発明の第6の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第4の発明において、側圧発生面
を切刃面に対して内方に突出する切刃面と平行な円弧面
に形成し、切刃面の下端と側圧発生面の上端とを滑らか
な曲面に形成された段差部でつないだものである。
【0014】また、この発明の第7の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第2、第3、第5、第6の発明の
いずれかの発明において、隙間形成面が、切刃面に対し
て所定角度を有する勾配面で形成されているものであ
る。
【0015】また、この発明の第8の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第1乃至第7の発明のいずれかの
発明において、ブランクダイスが分割可能に構成されて
いるものである。
【0016】また、この発明の第9の発明に係る積層固
着鉄芯用金型は、上記第1乃至第7の発明のいずれかの
発明において、ブランクダイスが一体物で構成されてい
るものである。
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】この発明の第1の発明においては、打出し突起
が形成された積層鉄芯片がブランクダイス内に順次抜き
込まれていく。そして、積層鉄芯片がブランクダイス内
の切刃面の下方に至ると、各打出し突起を挟む両端面の
みが側圧発生面に当接する。この時、側圧発生面と積層
鉄芯片の端面との間に発生する反力が、各打出し突起の
両側から積層鉄芯片に作用し、積層鉄芯片の保持力とな
る。そこで、積層鉄芯片をブランクダイス内に抜き込む
ブランクパンチの加圧力により、隣り合う積層鉄芯片の
打出し突起どうしが圧入されて一体に固着される。ま
た、積層鉄芯片がブランクダイスと擦れて発生する鉄粉
などは、積層鉄芯片の端面と隙間形成面との間から落下
する。そこで、鉄粉などの異物がブランクダイスと積層
鉄芯片との間に噛み込まれ、圧入力を増加させたり、側
圧を不均等にしたりすることが抑えられる。
【0020】また、この発明の第2の発明においては、
積層鉄芯片は各打出し突起を挟む両端部に突出片を有す
る外形形状に打ち抜かれてブランクダイス内に抜き込ま
れる。そして、積層鉄芯片は、突出片の端面が突出片抜
き面に沿って下降し、ブランクパンチの加圧力により滑
らかな曲面の段差部を乗り越えて側圧発生面に圧入され
る。この時、突出片抜き面と側圧発生面との段差が締め
代となって、側圧発生面から積層鉄芯片に側圧が作用す
る。
【0021】また、この発明の第3の発明においては、
積層鉄芯片はブランクダイス内に抜き込まれ、端面が切
刃面に沿って下降する。そして、積層鉄芯片の各打出し
突起を挟む両端面がブランクパンチの加圧力により滑ら
かな曲面の段差部を乗り越えて側圧発生面に圧入され
る。この時、切刃面と側圧発生面との段差が締め代とな
って、側圧発生面から積層鉄芯片に側圧が作用する。
【0022】また、この発明の第4の発明においては、
打出し突起が形成された積層鉄芯片が円形に打ち抜かれ
てブランクダイス内に順次抜き込まれていく。そして、
積層鉄芯片がブランクダイス内の切刃面の下方に至る
と、各打出し突起の径方向外方の端面のみが側圧発生面
に当接する。この時、側圧発生面と積層鉄芯片の端面と
の間に発生する反力が、各打出し突起を通って積層鉄芯
片の中心に向かって作用し、積層鉄芯片の保持力とな
る。そこで、積層鉄芯片をブランクダイス内に抜き込む
ブランクパンチの加圧力により、隣り合う積層鉄芯片の
打出し突起どうしが圧入されて一体に固着される。ま
た、積層鉄芯片がブランクダイスと擦れて発生する鉄粉
などは、積層鉄芯片の端面と隙間形成面との間から落下
する。そこで、鉄粉などの異物がブランクダイスと積層
鉄芯片との間に噛み込まれ、圧入力を増加させたり、側
圧を不均等にしたりすることが抑えられる。
【0023】また、この発明の第5の発明においては、
積層鉄芯片は各打出し突起の径方向外方の端部に突出片
を有する円形の外形形状に打ち抜かれてブランクダイス
内に抜き込まれる。そして、積層鉄芯片は、突出片の端
面が突出片抜き面に沿って下降し、ブランクパンチの加
圧力により滑らかな曲面の段差部を乗り越えて側圧発生
面に圧入される。この時、突出片抜き面と側圧発生面と
の段差が締め代となって、側圧発生面から積層鉄芯片の
中心に向かう側圧が作用する。
【0024】また、この発明の第6の発明においては、
積層鉄芯片は円形に打ち抜かれてブランクダイス内に抜
き込まれ、外周端面が切刃面に沿って下降する。そし
て、積層鉄芯片の各打出し突起の径方向外方の端面がブ
ランクパンチの加圧力により滑らかな曲面の段差部を乗
り越えて側圧発生面に圧入される。この時、切刃面と側
圧発生面との段差が締め代となって、側圧発生面から積
層鉄芯片の中心に向かう側圧が作用する。
【0025】また、この発明の第7の発明においては、
隙間形成面が、切刃面に対して所定角度を有する勾配面
で形成されているので、ブランクダイスを傾けての加工
により簡易に形成できる。
【0026】また、この発明の第8の発明においては、
ブランクダイスが分割可能に構成されているので、複雑
な外形形状の積層鉄芯片に対応する抜き形状を簡易に形
成できる。
【0027】また、この発明の第9の発明においては、
ブランクダイスが一体物で構成されているので、打ち抜
き力により発生する内圧に起因するブランクダイスの口
開き現象が防止され、積層鉄芯片が高精度に管理された
外形形状に打ち抜かれる。
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る積
層固着鉄芯用金型による積層鉄芯片の外形打ち抜き工程
を説明する下型平面図、図2は図1のII−II矢視断
面図、図3は図1のIII−III矢視断面図、図4は
この発明の実施の形態1に係る積層固着鉄芯用金型の4
分割ブランクダイスを構成するブランクダイスを示す斜
視図であり、図において図15乃至図19に示した従来
の積層固着鉄芯用金型と同一または相当部分には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0031】図において、19は積層固着鉄芯6を構成
するコの字状の積層鉄芯片であり、この積層鉄芯片19
は打出し突起5を挟んで対向する両端部に幅W、突出量
ΔDの突出片19aが形成された外形形状に構成されて
いる点を除いて積層鉄芯片6aと同様に構成されてい
る。20はブランクダイスであり、このブランクダイス
20は大量生産できるように破損防止と耐摩耗性とを考
慮して超硬合金で作製された4つのブランクダイス20
a〜20dをダイプレート17に焼バメあるいは圧入し
て構成されている。ブランクダイス20aは、表面の切
刃エッジ部21から切刃面22が垂下して形成され、こ
の切刃面22の下端から隙間形成面としての勾配面23
が逃げ角Qで形成されている。そして、突出片19aに
対応する切刃エッジ部21から段差ΔD、幅Wで突出片
抜き面としての切刃面25が垂下して形成され、切刃面
25の下方に側圧発生面24が切刃面22と同一平面と
なるように形成され、さらに切刃面25の下端と側圧発
生面24の上端とはラッピング加工により滑らかに形成
された段差部26でつながれている。また、ブランクダ
イス20b〜20dも、ブランクダイス20aと同様に
構成されている。
【0032】このように構成されたブランクダイス20
a〜20dから組み上げられたブランクダイス20は、
積層鉄芯片19のコの字状の外形形状に切刃エッジ部2
1が形成され、切刃エッジ部21から切刃面22、25
が打ち抜き方向、すなわちブランクダイス20表面と直
交する方向に形成され、切刃面22の下端から勾配面2
3が形成され、切刃面25の下端から段差部26を介し
て滑らかにつながれた側圧発生面24が形成されて構成
されている。そして、切刃面22と側圧発生面24とは
同一平面に形成され、切刃面22と切刃面25とは段差
ΔDをもって形成され、切刃面25および側圧発生面2
4はブランクダイス20の内壁面に相対して形成されて
いる。ここで、Wは4〜6ミリに、ΔDは数ミクロンに
それぞれ設定されている。
【0033】つぎに、この実施の形態1による積層固着
鉄芯の製造について説明する。まず、従来の積層固着鉄
芯の製造方法と同様に、スケルトン1にパイロット穴
2、製品に必要な穴3、間歇的に設けられた係合穴4お
よび打出し突起5が形成される。その後、ブランクパン
チ(図示せず)とブランクダイス20とにより積層鉄芯
片19を得るための外形打ち抜きが行われる。打ち抜か
れた積層鉄芯片19は順次ブランクダイス20内に抜き
込まれる。そして、切刃面25で打ち抜かれた突出片1
9aはブランクパンチの加圧力により段差部26を乗り
越え、側圧発生面24に圧入される。この時の締め代は
切刃面25と側圧発生面24との段差ΔDとなり、さら
にこの切刃面25および側圧発生面24が打出し突起5
を挟んで対向して設けられているので、締め代ΔDによ
り打出し突起5の両側から積層鉄芯片19に反力Pが作
用し、積層鉄芯片19の保持力となる。そこで、打ち抜
かれた積層鉄芯片19の打出し突起5の凸部がブランク
ダイス20内に先行して打ち抜かれている積層鉄芯片1
9の打出し突起5の凹部に圧入されて両者が一体に固着
する。そして、一体に固着された多数枚の積層鉄芯片1
9群は側圧発生面24を通過後、間歇的にあけられた係
合穴4を有する積層鉄芯片19において分離されて落下
し、金型外に排出されて、所定の積層厚さの積層固着鉄
芯6が得られる。
【0034】このように構成されたブランクダイス20
aを作製するには、まず研削加工を施してブランクダイ
ス20aの表面に対して直交する切刃面22と側圧発生
面24との両面を同時に形成する。そして、ブランクダ
イス20aを逃げ角Qと同角度傾けて研削加工を施して
勾配面23を形成する。ついで、研削加工を施して切刃
面25を形成する。その後、切刃面25と側圧発生面2
4との段差部26をラッピング加工を施して滑らかにつ
なげて、ブランクダイス20aの加工が完了する。ま
た、他のブランクダイス20b〜20dも同様に加工さ
れる。
【0035】このように、この実施の形態1によれば、
積層鉄芯片19に側圧Pを作用させる側圧発生面24を
ブランクダイス20に一体に形成しているので、積層鉄
芯片に側圧を作用させる側圧リング16をブランクダイ
ス10と別体とする従来の積層固着鉄芯用金型のよう
に、ブランクダイス10と側圧リング16との位置精度
がずれて締め代の均等性が崩れるようなことがない。そ
こで、締め代の均等性がずれて発生する積層固着鉄芯6
の積層方向の剥離強度、底面に対する側面の垂直度など
の品質面の低下を防止することができる積層固着鉄芯用
金型が得られる。また、切刃面22と側圧発生面24と
は同一平面であるので、両面同時に研削加工が可能とな
る。また、勾配面23もブランクダイス20a〜20d
を逃げ角Qと同角度傾けて研削加工することにより容易
に除肉できる。また、切刃面25も研削加工が可能な形
状である。そこで、ブランクダイス20a〜20dを高
加工精度で、簡易に、かつ、低コストで作製することが
でき、複雑な外形形状にも対応することができる。
【0036】また、切刃面25の段差ΔDがばらつく
と、側圧発生面24に積層鉄芯片19が圧入される際に
ずれながら入り込み、打出し突起5の両側から積層鉄芯
片19に作用する側圧Pが不均等となる。この不均等な
側圧Pにより、打出し突起5どうしの圧入部が受ける応
力も不均等となり、積層固着鉄芯6は積層方向の剥離強
度、底面に対する側面の垂直度などの品質面の低下がも
たらされる。しかしながら、ブランクダイス20a〜2
0dに形成される切刃面25は研削加工が可能な形状で
あり、切刃面22と比較測定しながら研削加工すること
により段差ΔDを高精度に形成することができ、さらに
打出し突起5を挟んで両側に側圧発生面24を設けてい
るので、打出し突起5の両側から側圧Pを均等に積層鉄
芯片19に作用させることができ、段差ΔDのばらつき
や側圧Pの不均等に起因する積層固着鉄芯6の品質面の
低下が抑えられる。また、積層鉄芯片19を打ち抜く際
に切刃面22、25に発生する打ち抜き力、あるいは、
積層鉄芯片19を側圧発生面24に圧入する際に側面発
生面24に発生する内圧がブランクダイス20a〜20
dを口開きさせるように作用する。しかしながら、ブラ
ンクダイス20a〜20dが口開きして積層鉄芯片19
が大きめに打ち抜かれても、切刃面25と側圧発生面2
4との段差ΔDは変化せず一定値に維持される。そこ
で、締め代ΔDが一定に保たれ、圧入力が増加すること
なく、焼き付きおよび破損事故を防止できる。
【0037】また、勾配面23が形成されているので、
積層鉄芯片19とブランクダイス20とは側圧発生面2
4のみで接触することになり、両者の接触面積が著しく
低減されて積層鉄芯片19の圧入力が低減でき、圧入力
の増大に伴う焼き付きおよび破損事故を防止できる。さ
らに、積層鉄芯片19がブランクダイス20と擦れるこ
とにより発生する鉄粉は勾配面23と積層鉄芯片19と
の隙間から外部に排出されるので、該鉄粉が積層鉄芯片
19とブランクダイス20との間に噛み込んで、圧入力
を増加させたり、側圧を不均等にさせたりする事故も抑
えられ、焼き付きおよび破損事故が防止できる。
【0038】さらに、この実施の形態1によれば、積層
鉄芯片19に打出し突起5を設け、該打出し突起5を挟
んで両端部に突出する突出片19aを有する外形形状に
形成しているので、積層鉄芯片19の突出片19aに対
応する切刃面25および側圧発生面24を有するブラン
クダイス20を用いることにより、打出し突起5どうし
の圧入時に打出し突起5の両側から積層鉄芯片19に均
一な側圧Pを作用させることができ、打出し突起5どう
しの圧入部に発生するせん断方向の応力を抑えることが
できる。そこで、積層方向の剥離強度、底面に対する側
面の垂直度などの品質面の低下を抑え、さらには焼き付
きおよび破損事故の発生を抑えて積層固着鉄芯6を作製
することができる積層鉄芯片を得ることができる。
【0039】実施の形態2.上記実施の形態1では、打
出し突起5を挟んで両端部に突出片19aを有する外形
形状の積層鉄芯片19に適用するものとしているが、こ
の実施の形態2では、突出片19を省略した外形形状の
積層鉄芯片6aに適用するものである。ここで、この実
施の形態2による積層固着鉄芯用金型の構成を図5を参
照しつつ説明する。ブランクダイス20aは、表面の切
刃エッジ部21から切刃面22が垂下して形成され、こ
の切刃面22の下端から勾配面23が逃げ角Qで形成さ
れている。そして、積層鉄芯片6aの打出し突起5を挟
んで対向する位置に切刃面22の下端から内方に段差Δ
D、幅Wで側圧発生面24が形成され、切刃面22の下
端と側圧発生面24の上端とはラッピング加工により滑
らかに形成された段差部26でつながれている。この
時、切刃面22と側圧発生面24とは互いに平行な面で
形成されている。また、ブランクダイス20b〜20d
も、ブランクダイス20aと同様に構成されている。
【0040】このように構成されたブランクダイス20
a〜20dから組み上げられたブランクダイス20は、
積層鉄芯片6aの外形形状に切刃エッジ部21が形成さ
れ、切刃エッジ部21から切刃面22が打ち抜き方向、
すなわちブランクダイス20表面と直交する方向に形成
され、切刃面22の下端から段差部26を介して滑らか
につながれた側圧発生面24が形成され、さらに切刃面
22の下端から側圧発生面24を除いて勾配面23が形
成されて構成されている。そして、切刃面22と側圧発
生面24とは段差ΔDをもって互いに平行な平面に形成
され、側圧発生面24は積層鉄芯片6aの打出し突起5
を挟んで対向するようにブランクダイス20の内壁面に
相対して形成されている。ここで、Wは4〜6ミリに、
ΔDは数ミクロンにそれぞれ設定されている。
【0041】この実施の形態2では、切刃面22で打ち
抜かれた積層鉄芯片6aは順次ブランクダイス20内に
抜き込まれ、側圧発生面24に圧入されていく。この
時、締め代は切刃面22と側圧発生面24との段差ΔD
となり、打出し突起5の両側から積層鉄芯片6aに側圧
Pが発生する。そこで、この側圧Pが積層鉄芯片6aの
保持力として作用し、打ち抜かれた積層鉄芯片6aの打
出し突起5の凸部がブランクダイス20内に先行して打
ち抜かれている積層鉄芯片6aの打出し突起5の凹部に
圧入されて両者が一体に固着される。また、ブランクダ
イス20a〜20dは、上記実施の形態1と同様に研削
加工ができ、簡易に、高精度に、かつ安価に金型を作製
できる。また、ブランクダイス20a〜20dは、切刃
面22を側圧発生面24と比較測定しながら研削加工す
ることにより段差ΔDを高精度に形成することができ、
打出し突起5の両側から積層鉄芯片6aに作用する側圧
Pを均等にできる。また、積層鉄芯片6aを側圧発生面
24に圧入する際に側面発生面24に発生する内圧によ
りブランクダイス20a〜20dが口開きしても、切刃
面22と側圧発生面24との段差ΔDは変化せず一定値
に維持される。そこで、この実施の形態2においても、
上記実施の形態1と同様の効果が得られる。また、この
実施の形態2によれば、積層鉄芯片に側圧を発生させる
ための突出片が不要となり、製品仕様に合った外形形状
が得られる。
【0042】実施の形態3.上記実施の形態1では、ブ
ランクダイス20を4分割されたブランクダイス20a
〜20dから構成するものとしているが、この実施の形
態3では、図6〜図8に示すように、ブランクダイス2
0を一体物で構成するものとし、同様の効果が得られ
る。この場合、ブランクダイス20が一体物で構成され
ているので、打ち抜き力により発生する内圧に起因する
ブランクダイス20の口開き現象が防止され、高精度に
管理された外形形状に積層鉄芯片を打ち抜くことができ
る。なお、ブランクダイス20を作製するには、まず切
刃面22および側圧発生面24をワイヤカット放電加工
機を用いて形成する。そして、逃げ角Qはワイヤカット
放電加工機のテーパーカット機能を用いて勾配面23を
形成する。そして、放電加工機を用いて、切刃面22か
ら段差ΔD、幅Wで切刃面25を形成し、その後切刃面
25と側圧発生面24との段差部26をラッピング加工
により仕上げて、作製することができる。
【0043】実施の形態4.上記実施の形態1では、打
出し突起5を挟む両端部に突出片19aを有するコの字
状の外形形状の積層鉄芯片19に適用するものとしてい
るが、この実施の形態4では、図11に示すように、打
出し突起5を挟む両端部に突出片30aを有するE字状
の外形形状の積層鉄芯片30に適用するものである。
【0044】つぎに、この実施の形態4による積層固着
鉄芯用金型の構成を図9および図10を参照しつつ説明
する。ブランクダイス20を構成する4分割されたブラ
ンクダイス20a〜20dは、それぞれ表面の切刃エッ
ジ部21から切刃面22が垂下して形成され、この切刃
面22の下端から勾配面23が逃げ角Qで形成されてい
る。そして、突出片30aに対応する切刃エッジ部21
から段差ΔD、幅Wで切刃面25が垂下して形成され、
切刃面25の下方に側圧発生面24が切刃面22と同一
平面となるように形成され、さらに切刃面25の下端と
側圧発生面24の上端とはラッピング加工により滑らか
に形成された段差部26でつながれている。ここで、W
は4〜6ミリに、ΔDは数ミクロンにそれぞれ設定され
ている。
【0045】このように構成されたブランクダイス20
a〜20dから組み上げられたブランクダイス20は、
積層鉄芯片30のE字状の外形形状に切刃エッジ部21
が形成され、切刃エッジ部21から切刃面22、25が
打ち抜き方向、すなわちブランクダイス20表面と直交
する方向に形成され、切刃面22の下端から勾配面23
が形成され、切刃面25の下端から段差部26を介して
滑らかにつながれた側圧発生面24が形成されて構成さ
れている。そして、切刃面22と側圧発生面24とは同
一平面に形成され、切刃面22と切刃面25とは段差Δ
Dをもって形成され、切刃面25および側圧発生面24
は積層鉄芯片30の打出し突起5を挟んで対向するよう
にブランクダイス20の内壁面に相対して形成されてい
る。そこで、この実施の形態4においても、上記実施の
形態1と同様の効果が得られる。
【0046】なお、上記実施の形態4では、ブランクダ
イス20a〜20dに切刃面22と段差ΔDをもって外
方に切刃面25を形成して、この切刃面25の下端から
段差部26を介して切刃面22と同一平面となるように
側圧発生面24を形成するものとしているが、切刃面2
5を省略し、切刃面22の下端から段差部26を介して
内方に段差ΔDをもって側圧発生面24を切刃面22と
平行な平面となるように形成するものとしても、同様の
効果が得られる。この場合、積層鉄芯片の外形形状は突
出片30aが省略された形状となる。
【0047】実施の形態5.図12はこの発明の実施の
形態5に係る積層固着鉄芯用金型を示す下型平面図、図
13は図12のXIII−XIII矢視断面図、図14
はこの発明の実施の形態5に係る積層固着鉄芯用金型に
適用される積層鉄芯片を示す平面図である。図におい
て、31は超硬合金で作製されたブランクダイスであ
る。このブランクダイス31は、円形の切刃エッジ部2
1から切刃面22が垂下して形成され、この切刃面22
の下端から勾配面23が逃げ角Qで形成されている。そ
して、切刃面22に対して段差ΔD、幅Wで大径の切刃
面25が等角ピッチで4つ形成され、各切刃面25の下
方に側圧発生面24が切刃面22と同一面となるように
形成され、さらに切刃面25の下端と側圧発生面24の
上端とはラッピング加工により滑らかに形成された段差
部26でつながれている。32は円形外形の積層鉄芯片
であり、この積層鉄芯片32は、中心穴32aを有する
リング状に形成され、その外周部に等角ピッチでスロッ
ト32bが形成され、打出し突起5が等角ピッチで4つ
形成され、さらに外周端部にそれぞれ突出量ΔD、幅W
で突出片32cが等角ピッチで4つ形成されている。な
お、各突出片32cはそれぞれ打出し突起5の径方向外
方に位置している。ここで、Wは4〜6ミリに、ΔDは
数ミクロンにそれぞれ設定されている。
【0048】この実施の形態5では、スケルトン1にパ
イロット穴2、中心穴32a、スロット32b、間歇的
に設けられた係合穴4および打出し突起5が形成され
る。その後、ブランクパンチ(図示せず)とブランクダ
イス31とにより積層鉄芯片32を得るための外形打ち
抜きが行われる。打ち抜かれた積層鉄芯片32は順次ブ
ランクダイス31内に抜き込まれる。そして、切刃面2
5で打ち抜かれた突出片32cは段差部26を乗り越
え、側圧発生面24に圧入される。この時の締め代は切
刃面25と側圧発生面24との段差ΔDとなる。そし
て、この切刃面25および側圧発生面24が等角ピッチ
で設けられているので、締め代ΔDにより各側圧発生面
24から打出し突起5を通って中心に向かう反力Pが積
層鉄芯片32にバランスよく作用し、積層鉄芯片32の
保持力となる。そこで、打ち抜かれた積層鉄芯片32の
打出し突起5の凸部がブランクダイス31内に先行して
打ち抜かれている積層鉄芯片32の打出し突起5の凹部
に圧入されて両者が一体に固着する。そこで、この実施
の形態5においても、上記実施の形態1と同様の効果が
得られる。
【0049】なお、上記実施の形態5では、ブランクダ
イス31に切刃面22と段差ΔDをもって外方に切刃面
25を形成して、この切刃面25の下端から段差部26
を介して切刃面22と同一面となるように側圧発生面2
4を形成するものとしているが、切刃面25を省略し、
切刃面22の下端から段差部26を介して内方に段差Δ
Dをもって側圧発生面24を切刃面22と平行な面とな
るように形成するものとしても、同様の効果が得られ
る。この場合、積層鉄芯片の外形形状は突出片32cが
省略された形状となる。
【0050】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】この発明の第1の発明によれば、所定位置
に打出し突起が複数形成された積層鉄芯片を抜き加工す
るブランクダイスと、該ブランクダイス内に積層鉄芯片
を順次抜き込んでいくブランクパンチとを備え、積層鉄
芯片をブランクダイス内に抜き込むブランクパンチの加
圧力により打出し突起相互を圧入して積層固着鉄芯を得
る積層固着鉄芯用金型において、ブランクダイス内に抜
き込まれた積層鉄芯片の各打出し突起を挟んで対向する
ようにブランクダイスの切刃面の下方に設けられ、抜き
込まれた積層鉄芯片の各打出し突起を挟む両端面に当接
して積層鉄芯片に側圧を発生させる側圧発生面と、側圧
発生面を除いてブランクダイス内に抜き込まれた積層鉄
芯片の端面との間に隙間を形成するようにブランクダイ
スの切刃面の下方に設けられた隙間形成面とを備えてい
るので、積層固着鉄芯の品質が安定し、金型を簡易にか
つ低コストで製造できるとともに、ブランクダイスの口
開きによる焼き付きあるいは破損事故を防止できる積層
固着鉄芯用金型が得られる。
【0052】また、この発明の第2の発明によれば、上
記第1の発明において、切刃面と側圧発生面とを同一平
面に形成し、積層鉄芯片の各打出し突起を挟む両端部に
突出片を形成する突出片抜き面を切刃面の側圧発生面の
上部の部位にそれぞれ刻設し、突出片抜き面の下端と側
圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成された段差部で
つないでいるので、金型を簡易に、かつ、高精度に製造
でき、側圧を積層鉄芯片にバランスよく作用させること
ができる。
【0053】また、この発明の第3の発明によれば、上
記第1の発明において、側圧発生面を切刃面に対して内
方に突出する切刃面と平行な平面に形成し、切刃面の下
端と側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成された段
差部でつないでいるので、上記第2の発明と同様の効果
が得られる。
【0054】また、この発明の第4の発明によれば、打
出し突起が等角ピッチで複数形成された積層鉄芯片を円
形に抜き加工するブランクダイスと、該ブランクダイス
内に積層鉄芯片を順次抜き込んでいくブランクパンチと
を備え、積層鉄芯片をブランクダイス内に抜き込むブラ
ンクパンチの加圧力により打出し突起相互を圧入して積
層固着鉄芯を得る積層固着鉄芯用金型において、ブラン
クダイス内に抜き込まれた積層鉄芯片の各打出し突起の
径方向外方に位置するようにブランクダイスの切刃面の
下方に等角ピッチで複数設けられ、抜き込まれた積層鉄
芯片の各打出し突起の径方向外方の端面に当接して積層
鉄芯片に側圧を発生させる側圧発生面と、側圧発生面を
除いてブランクダイス内に抜き込まれた積層鉄芯片の端
面との間に隙間を形成するようにブランクダイスの切刃
面の下方に設けられた隙間形成面とを備えているので、
上記第1の発明と同様の効果が得られる。
【0055】また、この発明の第5の発明によれば、上
記第4の発明において、切刃面と側圧発生面とを同一円
弧面に形成し、積層鉄芯片の各打出し突起の径方向外方
の端部に突出片を形成する突出片抜き面を切刃面の側圧
発生面の上部の部位にそれぞれ刻設し、突出片抜き面の
下端と側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成された
段差部でつないでいるので、金型を簡易に、かつ、高精
度に製造でき、側圧を積層鉄芯片にバランスよく作用さ
せることができる。
【0056】また、この発明の第6の発明によれば、上
記第4の発明において、側圧発生面を切刃面に対して内
方に突出する切刃面と平行な円弧面に形成し、切刃面の
下端と側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成された
段差部でつないでいるので、上記第5の発明と同様の効
果が得られる。
【0057】また、この発明の第7の発明によれば、上
記第2、第3、第5、第6の発明のいずれかの発明にお
いて、隙間形成面が、切刃面に対して所定角度を有する
勾配面で形成されているので、金型を簡易に製造でき
る。
【0058】また、この発明の第8の発明によれば、上
記第1乃至第7の発明のいずれかの発明において、ブラ
ンクダイスが分割可能に構成されているので、積層鉄芯
片の複雑な外形形状にも簡易に対応することができる。
【0059】
【0060】
【0061】また、この発明の第の発明によれば、
記第1乃至第7の発明のいずれかの発明において、ブラ
ンクダイスが一体物で構成されているので、金型の口開
き現象が防止でき、積層鉄芯片の外形形状を高精度に管
理することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る積層固着鉄芯
用金型による積層鉄芯片の外形打ち抜き工程を説明する
下型平面図である。
【図2】 図1のII−II矢視断面図である。
【図3】 図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る積層固着鉄芯
用金型の4分割ブランクダイスを構成するブランクダイ
スを示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る積層固着鉄芯
用金型の4分割ブランクダイスを構成するブランクダイ
スを示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る積層固着鉄芯
用金型を示す下型平面図である。
【図7】 図6のVII−VII矢視断面図である。
【図8】 図6のVIII−VIII矢視断面図であ
る。
【図9】 この発明の実施の形態4に係る積層固着鉄芯
用金型を示す下型平面図である。
【図10】 図9のX−X矢視断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態4に係る積層固着鉄
芯用金型に適用される積層鉄芯片を示す平面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5に係る積層固着鉄
芯用金型を示す下型平面図である。
【図13】 図12のXIII−XIII矢視断面図で
ある。
【図14】 この発明の実施の形態5に係る積層固着鉄
芯用金型に適用される積層鉄芯片を示す平面図である。
【図15】 従来の積層固着鉄芯のプレス加工工程を説
明する図である。
【図16】 スケルトンに形成される係合穴を示す図で
あり、図16の(a)はその平面図、図16の(b)は
図16の(a)のXVIb−XVIb矢視断面図、図1
6の(c)は図16の(a)のXVIc−XVIc矢視
断面図である。
【図17】 スケルトンに形成される打出し突起を示す
図であり、図17の(a)はその平面図、図17の
(b)は図17の(a)のXVIIb−XVIIb矢視
断面図、図17の(c)は図17の(a)のXVIIc
−XVIIc矢視断面図である。
【図18】 従来の積層固着鉄芯のプレス加工工程を説
明する図である。
【図19】 従来の積層固着鉄芯用金型による積層鉄芯
片の外形打ち抜き工程を説明する図であり、図19の
(a)はその下型平面図、図19の(b)は図19の
(a)のXIXb−XIXb矢視断面図である。
【符号の説明】
5 打出し突起、6 積層固着鉄芯、6a,19、3
0、32 積層鉄芯片、19a、30a、32a 突出
片、20、20a〜20d、31 ブランクダイス、2
2 切刃面、23 勾配面(隙間形成面)、24 側圧
発生面、25 切刃面(突出片抜き面)、26 段差
部。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置に打出し突起が複数形成された
    積層鉄芯片を抜き加工するブランクダイスと、該ブラン
    クダイス内に前記積層鉄芯片を順次抜き込んでいくブラ
    ンクパンチとを備え、前記積層鉄芯片を前記ブランクダ
    イス内に抜き込む前記ブランクパンチの加圧力により前
    記打出し突起相互を圧入して積層固着鉄芯を得る積層固
    着鉄芯用金型において、 前記ブランクダイス内に抜き込まれた前記積層鉄芯片の
    各打出し突起を挟んで対向するように前記ブランクダイ
    スの切刃面の下方に設けられ、抜き込まれた前記積層鉄
    芯片の各打出し突起を挟む両端面に当接して前記積層鉄
    芯片に側圧を発生させる側圧発生面と、前記側圧発生面
    を除いて前記ブランクダイス内に抜き込まれた前記積層
    鉄芯片の端面との間に隙間を形成するように前記ブラン
    クダイスの切刃面の下方に設けられた隙間形成面とを備
    えたことを特徴とする積層固着鉄芯用金型。
  2. 【請求項2】 切刃面と側圧発生面とを同一平面に形成
    し、積層鉄芯片の各打出し突起を挟む両端部に突出片を
    形成する突出片抜き面を前記切刃面の前記側圧発生面の
    上部の部位にそれぞれ刻設し、前記突出片抜き面の下端
    と前記側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成された
    段差部でつないだことを特徴とする請求項1記載の積層
    固着鉄芯用金型。
  3. 【請求項3】 側圧発生面を切刃面に対して内方に突出
    する前記切刃面と平行な平面に形成し、前記切刃面の下
    端と前記側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成され
    た段差部でつないだことを特徴とする請求項1記載の積
    層固着鉄芯用金型。
  4. 【請求項4】 打出し突起が等角ピッチで複数形成され
    た積層鉄芯片を円形に抜き加工するブランクダイスと、
    該ブランクダイス内に前記積層鉄芯片を順次抜き込んで
    いくブランクパンチとを備え、前記積層鉄芯片を前記ブ
    ランクダイス内に抜き込む前記ブランクパンチの加圧力
    により前記打出し突起相互を圧入して積層固着鉄芯を得
    る積層固着鉄芯用金型において、 前記ブランクダイス内に抜き込まれた前記積層鉄芯片の
    各打出し突起の径方向外方に位置するように前記ブラン
    クダイスの切刃面の下方に等角ピッチで複数設けられ、
    抜き込まれた前記積層鉄芯片の各打出し突起の径方向外
    方の端面に当接して前記積層鉄芯片に側圧を発生させる
    側圧発生面と、前記側圧発生面を除いて前記ブランクダ
    イス内に抜き込まれた前記積層鉄芯片の端面との間に隙
    間を形成するように前記ブランクダイスの切刃面の下方
    に設けられた隙間形成面とを備えたことを特徴とする積
    層固着鉄芯用金型。
  5. 【請求項5】 切刃面と側圧発生面とを同一円弧面に形
    成し、積層鉄芯片の各打出し突起の径方向外方の端部に
    突出片を形成する突出片抜き面を前記切刃面の前記側圧
    発生面の上部の部位にそれぞれ刻設し、前記突出片抜き
    面の下端と前記側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形
    成された段差部でつないだことを特徴とする請求項4記
    載の積層固着鉄芯用金型。
  6. 【請求項6】 側圧発生面を切刃面に対して内方に突出
    する前記切刃面と平行な円弧面に形成し、前記切刃面の
    下端と前記側圧発生面の上端とを滑らかな曲面に形成さ
    れた段差部でつないだことを特徴とする請求項4記載の
    積層固着鉄芯用金型。
  7. 【請求項7】 隙間形成面が、切刃面に対して所定角度
    を有する勾配面で形成されていることを特徴とする請求
    項2、3、5、6のいずれかに記載の積層固着鉄芯用金
    型。
  8. 【請求項8】 ブランクダイスが分割可能に構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載
    の積層固着鉄芯用金型。
  9. 【請求項9】 ブランクダイスが一体物で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の
    積層固着鉄芯用金型。
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