JP3347674B2 - 土壌微生物分解方式の便槽 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、土壌微生物（以
下、単に微生物という）を生息させた木材チップ、オガ
屑あるいは植物裁断片など（以下、単に培基という）を
便槽に収容し、上記粉粒状培基と排泄物とを攪拌しなが
ら土壌微生物の活動を活発化させる温度（以下、活性化
温度という）に加温して排泄物を分解させる微生物分解
方式の便槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】微生物分解方式の便槽として図４に示す
ように微生物を生息させた培基１を収容した便槽２に排
泄物を導き、上記培基１中に排泄物が均等に分散するよ
うに攪拌翼３で攪拌し、図示しないヒーターで活性化温
度に加温して排泄物を分解するようにしたものが提案さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記提案のものを実際
の使用状態で試験を重ねてきた結果、攪拌翼が常に同一
の軌跡を描いて回転していると、攪拌が及ばない死角域
が画され、その死角域に排泄物が入ると後続の排泄物と
合体して次第に大きな塊となり、いつまでも分解されず
悪臭を放つ原因となることがわかった。

【０００４】この発明は上記知見に基づき、便槽内に収
容された培基に排泄物が均等に分散し、効率よく分解す
るようにした土壌微生物分解方式の便槽を提供しようと
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の発明は、土壌微生物を生息させた培
基を収容した便槽に排泄物を導き、攪拌して上記排泄物
を培基中に分散させ、上記土壌微生物の活動を活発化さ
せる温度に加温して排泄物を分解する微生物分解方式の
便槽において、上記便槽に、攪拌翼を取り付けた回転軸
を複数配置し、少なくとも１本の回転軸を軸方向に揺動
するようにしていることを特徴とするものである。

【０００６】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載の土壌微生物分解方式の便槽において、攪拌翼が、回
転軸に直交する線を軸にして回転軸に対し任意の角度を
もって折り曲げられてなるものである。

【０００７】また、請求項３記載の発明は、排泄物を培
基と共にシリンダー内に導くホッパーと、上記シリンダ
ー内に導かれた排泄物と培基とを下流側に押し出す推進
翼と 、培基と共に押し出された排泄物を培基中に分散さ
せる破砕翼とを備えた破砕押し出し機構を備え、上記破
砕押出し機構によって押し出された培基中に分散した排
泄物を上記シリンダーを介して循環するように構成した
ものである。上記のごとく構成するこの発明は、攪拌の
死角域ができないようにした攪拌翼で攪拌するので、未
分解排泄物が集まって大きい塊となることがなく、培基
中に排泄物が満遍に分散して効果的に分解が進行するよ
うになっている。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、この発明に係る実施形態を
図面を参照しながら説明する。便槽１０には、減速機付
きモーター１１からチェン１２とスプロケット１３を介
して２本の回転軸１４に回転力が伝達される。各回転軸
１４には複数の攪拌翼１５が取り付けられている。な
お、１８は、駆動部のカバーで、１９は、便器を取り付
ける床板である。

【０００９】攪拌翼１５は、円盤状の素材に放射状にス
リットを入れ、そのスリットの根元から連続してボス１
６に沿って間欠的スリットをいれて、その部分を交互反
対に向けて任意の角度に折り曲げたもので、攪拌翼１５
の取り付け間隔、折り曲げの角度は不作為に設定すると
排泄物が培基によく混ざる。また、回転軸１４を軸方向
に揺動するようにすると一層よく混ざるようになる。

【００１０】上記実施形態の他に第二実施形態として、
回転軸１４に複数個のボス１６を固着し、このボス１６
に棒材１７（丸棒、角棒、平角棒のいずれでもよい）を
放射状に植設して攪拌翼１５’とし、この攪拌翼１５’
を回転させながら回転軸を軸方向に揺動させるような構
成とすることもできる。

【００１１】また、第三実施形態として、培基２２を収
容した便槽１０内に排泄物２１を受け入れるホッパー２
４を備えたシリンダー２３を配設し、排泄物２１を培基
２２と共にホッパー２４を経由してシリンダー２３内に
導き、上記シリンダー２３内に設けられた推進翼２５に
よって排泄物２１を培基２２と共に推進し、破砕翼２６
によって排泄物２１を砕きながら培基２２中に分散さ
せ、培基２２中に細かく分散した排泄物２１を培基と共
に上記シリンダー２３を経由して循環するように構成す
ることもできる。なお、２７は、シリンダー２３と推進
翼２５と破砕翼２６とからなる破砕分散機構、２８は推
進翼２５と破砕翼２６を駆動するスクリュー軸、２９は
スクリュー軸を駆動するギアードモーターである。

【００１２】

【発明の効果】以上説明した如くこの発明によれば、便
槽内での攪拌の死角域が無くなり、土壌微生物を生息さ
せた培基に排泄物が満遍に混ざり、微生物による分解が
偏りなく効果的に進行する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る第一実施形態の組立て斜視図

【図２】同第二実施形態の斜視図

【図３】同第三実施形態の断面図

【図４】従来技術に係る組立て斜視図

【符号の説明】

１０ 便槽 １１ モーター １２ チェン １３ スプロケット １４ 回転軸 １５ 攪拌翼 １６ ボス １７ 棒材 ２１ 排泄物 ２２ 培基 ２３ シリンダー ２４ ホッパー ２５ 推進翼 ２６ 破砕翼 ２７ 破砕押出機 ２８ スクリュー軸 ２９ ギアードモーター

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】土壌微生物を生息させた培基を収容した便
   槽に排泄物を導き、攪拌して上記排泄物を培基中に分散
   させ、上記土壌微生物の活動を活発化させる温度に加温
   して排泄物を分解する微生物分解方式の便槽において、上記便槽に、攪拌翼を取り付けた回転軸を複数配置し、
   少なくとも１本の回転軸を軸方向に揺動するようにして
   いることを特徴とする土壌微生物分解方式の便槽。
2. 【請求項２】攪拌翼が、回転軸に直交する線を軸にして
   回転軸に対し任意の角度をもって折り曲げられてなる請
   求項１記載の土壌微生物分解方式の便槽。
3. 【請求項３】排泄物を培基と共にシリンダー内に導くホ
   ッパーと、上記シリンダー内に導かれた排泄物と培基と
   を下流側に押し出す推進翼と、培基と共に押し出された
   排泄物を培基中に分散させる破砕翼とを備えた破砕押し
   出し機構を備え、上記破砕押出し機構によって押し出さ
   れた培基中に分散した排泄物を上記シリンダーを介して
   循環するようにしてなる土壌微生物分解方式の便槽。