JP3347297B2 - 半導体製造装置 - Google Patents

半導体製造装置

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JP3347297B2 JP29798998A JP29798998A JP3347297B2 JP 3347297 B2 JP3347297 B2 JP 3347297B2 JP 29798998 A JP29798998 A JP 29798998A JP 29798998 A JP29798998 A JP 29798998A JP 3347297 B2 JP3347297 B2 JP 3347297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザビームを
利用して多結晶あるいは非結晶の半導体材料を溶融/再
結晶化する半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子用として広く用いら
れている非晶質シリコン(以下、a−Siと言う)薄膜ト
ランジスタは、薄膜トランジスタ(以下、TFTと言う)
の特性が単結晶シリコンTFTに比較して劣るため、論
理素子用や電流ドライバ用としては使うことができず、
主に表示パネルにおける画素に電圧を印加するスイッチ
としてのみ用いられている。
【0003】一方においては、上記a−Siを多結晶シ
リコン(以下、p−Siと言う)とすることによって、T
FTの特性が非常に優れたものになることが知られてい
る。実際、この方法によれば、TFTの性能を示す指数
であるキャリア移動度は、a−SiTFTでは1cm2/s程
度であるが、p−SiTFTでは約100cm2/sとなり、
その値は2桁改善される。その結果、液晶表示素子で
は、従来からの画素のスイッチとしての役割に加えて、
スイッチ用TFTに電圧を印加する役割を担うドライバ
素子、このドライバ素子に順次電流を配る役割を担うシ
フトレジスタ回路、映像信号を画素に必要な電流に変換
する信号増幅回路、これらの素子や回路を制御するコン
トロール回路等、従来単結晶シリコンTFTを用いて形
成されたIC(集積回路)を用いていた回路素子を、p−
SiTFTによって構成することが可能となる。
【0004】また、上記p−Siを用いたドライバ素子
用TFTは、a−Siを用いた表示用TFTをガラス基
板上に作成する際に同時に形成することが可能であり、
そうした場合にはドライバ素子を表示画面と同時に形成
してもコストは同じとなる。そして、表示パネル上にフ
レキシブルプリント基板等を用いて接続していたドライ
バ用のICが不要となり、上記ICに掛っていたコスト
を削減可能になる。さらに、上記ICをガラス基板に接
続する作業が不要となるためその工賃が不要となる。加
えて、上記フレキシブルプリント基板の接続に必要なガ
ラス基板上の領域が不要となり、有効画面率(液晶表示
素子の表面積に対する実際に画像を表示できる表示面積
の割合)を大きくすることができる。したがって、同じ
表示面積であれば、ドライバ素子として上記ICを用い
た液晶表示素子に比して周辺のドライバの実装面積を小
さくすることができる。その結果、液晶表示素子の小型
化とその液晶表示素子を用いた電子機器の小型化が実現
できる。
【0005】また、従来、表示画面の精細度は、上記フ
レキシブルプリント基板をガラス基板上に接続する際の
接続ピッチによって制限されていた。しかしながら、上
記p−SiTFTの採用によってフレキシブルプリント
基板の接続が不要となるために、表示画面の精細度が改
良される。また、p−SiTFTの性能がa−SiTFT
よりも優れているためにTFTのサイズを小さくするこ
とができ、各画素における光が通過する空間(開口率)を
大きくでき、明るい表示画可能となる。
【0006】上述したように、上記p−SiTFTは、
a−SiTFTでは実現できない長所を有しているが、
一方ではその製造に際してシリコンを結晶化する技術上
の大きな問題がある。シリコンを結晶化するためにはシ
リコンをその結晶化温度以上に加熱しなければならない
のであるが、その加熱方法として以下の2つの方法があ
る。
【0007】第1の方法は、熱処理炉の中で長時間熱処
理してa−Siをp−Siに結晶化する方法である。結晶
化時の熱処理温度は高い方が好ましいが、低温p−Si
TFTではガラス基板を用いており、ガラスの材質で決
まる制限温度以上ではガラス基板が変形するために、上
記制限温度より低い温度でa−Siをp−Siに変えるた
めの熱処理を行う必要がある。通常、この制限温度は6
00℃以下であり、10時間以上の長時間の熱処理が必
要である。したがって、第1の方法は、実際の製造工程
に適用するには、生産性の低さと得られるp−Siの結
晶性が不十分であることとから、全く不満足なものであ
る。
【0008】第2の方法は、ガラス基板の表面に形成し
たa−Si薄膜のみを瞬間的に加熱結晶化し、ガラス基
板の温度はその耐熱性の範囲内に収める方法であり、通
常は加熱にレーザ技術が用いられる。第2の方法におい
ては、a−Si薄膜が吸収する波長(500nm以下)のレ
ーザ光を瞬間的にa−Si薄膜に照射し、a−Si薄膜を
瞬間的に溶融して疑固結晶化する。その場合、レーザ光
の照射時間は50n秒程度の非常に短時間であるため、
a−Si薄膜は溶融するがレーザ光の熱がガラス基板に
伝導される前に加熱が停止されてしまうのである。
【0009】図3に、上記第2の方法が適用された従来
のレーザ結晶化装置の概念を示す。a−Si薄膜が形成
されたガラス基板は、基板ローダ1にセットされたカセ
ットから1枚ずつ取り出されて、基板移載機2によって
予備加熱チャンバ3に移送される。そして、予備加熱チ
ャンバ3内で所定の温度まで昇温された後に、基板移載
機2によってレーザ処理チャンバ4に送出される。一
方、レーザ発振器5で発生されたレーザビームは、レー
ザ導光路6を通ってレーザ処理チャンバ4に導かれてガ
ラス基板上のa−Si薄膜に上側から照射される。ここ
で、レーザ処理チャンバ4にはガラス基板が1枚ずつ送
られ、レーザビームによる熱処理は1度に1枚ずつ行わ
れる。こうして、熱処理が終了したガラス基板は、基板
移載機2によって冷却チャンバ7に移送されて、所定の
温度まで冷却される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のレーザ結晶化装置によるa−Siの結晶化には以下
のような問題がある。すなわち、上述のように、レーザ
処理チャンバ4における熱処理は1度に1枚ずつ行われ
るために、処理能力が低いと言う問題がある。
【0011】また、上記ガラス基板は予備加熱チャンバ
3で加熱されて所定の温度に達した後にレーザ処理チャ
ンバ4へ送られるため、両チャンバ3,4間を搬送する
間に基板温度が変わってしまうという問題がある。
【0012】また、上記ガラス基板は表面を上方に向け
て結晶化処理が行われるため、雰囲気中のダストや不純
物が付着するという問題がある。ガラス基板の表面にダ
ストが付着すると、その部分のp−Siの結晶性が局部
的に劣悪となり、表示パネルの輝点や黒点となる。
【0013】また、通常、レーザ光の出力はレーザ発振
器5の性能で決まっており、3ジュール程度が現在の技
術的な限界である。従って、ガラス基板の面積が大きい
と基板全体を一挙に熱処理することができず、レーザ光
を細長い断面形状に整形し、基板上を光走査しながら基
板全体を処理する方法が取られる。ところが、この方式
においては、細長い断面形状に整形されたレーザビーム
の不均一性が問題となる。すなわち、長尺形状ビームは
長手方向に均一なビームを作るのが難しく、光学系を最
適な条件に調節しても長手方向へのビームのばらつきは
通常5%〜10%程度はある。加えて、レーザ発振器5
は時間の経過と共にその発振状態が変動するため、上記
長尺方向のビームの均一性を長期間維持することにも非
常な労力が必要である。したがって、上述のごとく均一
性が不十分なビームを用いて結晶化されたp−Siは特
性が不均一なものとなってしまう。
【0014】そこで、上述のように長手方向に不均一な
レーザビームを用いて結晶性が均一なp−Siを得るた
めに、複数のレーザビームを重ねるビーム重畳が行われ
る。図4に、ビーム重畳の原理を示す。レーザビーム1
1はガラス基板12上を相対的に走査していき、ガラス
基板12上に形成されたa−Si薄膜全体を結晶化す
る。その場合、ガラス基板12を走査する方法とレーザ
ビーム11を走査する方法とがあるが、何れの方法であ
っても相対的な移動を考えると同じである。図4におい
ては、ガラス基板12を矢印(イ)の方向に移動すること
によって走査を行う。但し、図4中においては、説明の
都合上レーザビームが移動したように表現してある。先
ず第1のビームを照射する。13はその場合における第
1のビームのビームエッジである。次にレーザビーム1
1を移動して(実際にはガラス基板12を移動して)第2
のビームを照射する。14は第2のビームのビームエッ
ジである。同様に、ガラス基板12の移動によってビー
ムエッジは15,16,17と順次移動する。その場合、
図5に示すように、得られた液晶パネル21上に表示縞
22〜26が現れる。この表示縞22〜26は、図4に
示すビーム重畳の際におけるビームエッジ13〜17に
相当するのである。このようなビーム重畳の際における
上記ビームエッジ13〜17に起因する表示縞は表示パ
ネルの歩留まりを低下させ、レーザ結晶化における大き
な問題となる。つまり、上記ビーム重畳を行っても結晶
化処理後の結晶性は不均一なものとなってしまうのであ
る。
【0015】加えて、ビーム重畳におけるレーザビーム
の重ね回数は、通常10回から100回になり、1枚の
ガラス基板12を結晶化処理するのに長時間を要する問
題もある。
【0016】また、レーザビームの照射エネルギーが低
い場合には結晶性が悪く、得られるp−Siを用いて作
成されたTFTの特性も低下する。一方、照射エネルギ
ーが高い場合も低い場合と同様に結晶性が劣悪となり、
得られるp−SiTFTの特性も悪く、使用不可能とな
る。このように、照射エネルギーには結晶化に最適な範
囲があるがその範囲は非常に狭く、p−SiTFTの量
産化は大変困難なものとなっている。さらに、レーザビ
ームの照射エネルギーには、レーザ発振器の発振状態の
変動に起因する通常5%〜20%のばらつきがあり、こ
の照射エネルギーのばらつきが上述のビームの均一性に
加わって事情は更に複雑なものとなる。
【0017】尚、上記レーザビームの不均一性を改善す
る方法として、特開平6−120139号公報に開示さ
れている半導体製造方法がある。この半導体製造方法に
おいては、レーザのビーム照射面内の均一性を改善する
ために、レーザ発振器からレーザビームを照射すべき基
板までの間に反射鏡を設置し、この反射鏡を回転するこ
とによってレーザビーム中の均一性を改善するものであ
る。しかしながら、レーザビーム中の均一性は改善され
るもののビームのショット間のエネルギーばらつきを改
善することはできず、未だ不十分なものであると言え
る。また、上記その他の問題については解決の方法を提
案するものではない。
【0018】そこで、この発明の目的は、レーザが有す
る均一性の悪さにも拘わらず、低価格で表示品位の優れ
た再結晶Siが得られる生産性に優れた半導体製造装置
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、レーザ光源から出射された
レーザビームを多結晶あるいは非結晶の半導体材料に照
射し,上記半導体材料を溶融して再結晶化する半導体製
造装置であって、少なくとも1つのホルダ面を有して,
このホルダ面に上記半導体材料を保持するホルダ体を備
えて、上記ホルダ面は,垂直方向に対して2度乃至20
度の傾斜角で傾斜していることを特徴としている。
【0020】上記構成によれば、ホルダ体における多結
晶あるいは非結晶の半導体材料が保持されるホルダ面
は、垂直方向に対して2度〜20度の範囲で傾斜してい
る。したがって、略水平方向を向いている上記半導体材
料の表面に雰囲気中のダストや不純物が付着することは
ない。
【0021】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
かかる発明の半導体製造装置において、上記ホルダ体
は、炭素で形成されると共に、その表面がシリコンカー
バイトで覆われていることを特徴としている。
【0022】上記構成によれば、上記ホルダ体は炭素で
形成されているため、照射されるレーザ光は速やかにホ
ルダ体に吸収されて熱エネルギーが効率良く保持され
る。さらに、上記ホルダ体の表面がシリコンカーバイト
で覆われているため、加熱によって炭素が蒸発して処理
チャンバ内を汚染することはない。
【0023】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
かかる発明の半導体製造装置において、上記ホルダ体
は,筒状に形成されると共に,軸を通る回転軸を有してお
り、上記回転軸を回転させる回転駆動手段を備えたこと
を特徴としている。
【0024】上記構成によれば、上記ホルダ体に保持さ
れている上記半導体材料にレーザビームを照射する際
に、上記ホルダ体が回転される。したがって、上記半導
体材料に上記レーザビームが不規則に重畳されて照射さ
れ、上記半導体材料の結晶性の均一性が向上される。そ
のため、上記再結晶化された半導体材料を用いて形成さ
れた液晶表示パネル上に規則的な縞が生じることはな
い。
【0025】また、請求項4に係る発明は、請求項3に
かかる発明の半導体製造装置において、上記ホルダ体は
多角筒を成しており、上記ホルダ面は上記多角筒の各側
平面に設けられていることを特徴としている。
【0026】上記構成によれば、上記ホルダ体における
多数のホルダ面に、複数の半導体材料が保持される。こ
うして、1回の処理で多数の半導体材料が生産性良く溶
融/再結晶化される。
【0027】また、請求項5に係る発明は、請求項1ま
たは請求項3に係る発明の半導体製造装置において、上
記ホルダ体を,上記レーザ光源に対して相対的に上下方
向に移動させる上下駆動手段を備えたことを特徴として
いる。
【0028】上記構成によれば、上記ホルダ体に保持さ
れている上記半導体材料にレーザビームを照射する際
に、上記ホルダ体が上記レーザ光源に対して相対的に上
下方向に移動される。したがって、上記半導体材料に上
記レーザビームが重畳されて照射され、上記半導体材料
の結晶性の均一性が向上される。特に、請求項3と組み
合わせることによって上記レーザビームの重畳回数が飛
躍的に多くなり、上記半導体材料の結晶性の均一性がさ
らに向上される。
【0029】また、請求項6に係る発明は、請求項1に
かかる発明の半導体製造装置において、上記レーザ光源
およびホルダ体は1つのチャンバ内に収納されており、
上記チャンバ内に、上記半導体材料におけるレーザビー
ム照射面を予備加熱する予備加熱手段を備えたことを特
徴としている。
【0030】上記構成によれば、予備加熱手段による上
記半導体材料の予備加熱とレーザ光源による上記半導体
材料の溶融/再結晶化処理とが同一チャンバ内で行われ
る。したがって、予備加熱された上記半導体材料の温度
がレーザ処理されるまでに低下することがなく、上記半
導体材料の結晶性が均一になる。
【0031】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
かかる発明の半導体製造装置において、上記予備加熱手
段は、赤外線ランプであることを特徴としている。
【0032】上記構成によれば、不純物を放出しない赤
外線ランプで上記半導体材料が予備加熱されて、上記半
導体材料に対する不純物の混入が防止される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の半導
体製造装置における概略図である。尚、図1(a)は平面
図であり、図1(b)は側面図である。この半導体製造装
置は、例えば、ガラス基板上に形成されたa−Si薄膜
にレーザビームを照射してa−Si薄膜のみを加熱結晶
化し、p−Si薄膜を得るものである。
【0034】図1において、31はレーザ発振装置であ
る。本実施の形態においては、レーザ発振装置31を、
a−Si薄膜が形成されたガラス基板32を保持する上
記ホルダ体である基板ホルダ33の左右夫々に3台ずつ
合計6台設置している。尚、この台数は6台に限定する
ものではなく、基板ホルダ33の大きさや、基板ホルダ
33に設置するガラス基板32の枚数や、半導体製造装
置全体の処理能力等によって、最適な台数を設定すれば
よい。尚、6台のレーザ発振装置31は水平方向の位置
をずらせて設置されており、タイミングを合わせて発振
させるようにしている。
【0035】上記基板ホルダ33は、正八角錐の一部を
切り取った形状を有し、中心軸を通る回転軸34を有し
ている。また、基板ホルダ33は、8面のホルダ面33
aを有しており、このホルダ面33aにガラス基板32を
略垂直に立てて保持するようになっている。尚、ホルダ
面33aは、基板ホルダ33全体の回転等によってガラ
ス基板32が落ちないように垂直方向に対して傾いてい
る。その傾斜角度は垂直方向に対して5度である。この
傾斜角度は、小さ過ぎると、基板ホルダ33の回転振動
によってガラス基板32が落下してしまう。また、大き
過ぎると、ダストがガラス基板32に付着しやすくなっ
て不良率が増加する。したがって、ホルダ面33a傾斜
角度は、望ましくは2度〜20度の範囲である。
【0036】さらに、上記基板ホルダ33は、加熱源で
ある赤外線ランプ35からの赤外線を吸収し易いように
炭素で作成する。そして、加熱によって蒸発した炭素が
レーザ処理チャンバ37内を汚染することがないよう
に、その表面をシリコンカーバイトで覆っている。ま
た、上述のように、基板ホルダ33全体は回転軸34を
中心として回転すると共に、上下に動く構造となってい
る。したがって、例えレーザビーム36の照射エネルギ
ーが不均一であっても、多重にビーム重畳が行われるた
めにp−Siの膜質が不均一になることはない。その場
合のビーム重畳は段階的ではないので、得られたp−S
iを用いて形成された液晶パネルに図5に示すような表
示縞は発生しない。
【0037】ここで、上記基板ホルダ33の回転駆動手
段は、例えば、回転軸34に回転方向にスプライン結合
された駆動軸61および第1モータ62で構成する。一
方、上下駆動手段は、例えば回転軸34の周囲に設けら
れた複数のリング状の歯63と、この歯63に歯合する
ウォーム64と、第2モータ65と、第2モータ65の
回転運動をウォーム64に伝達する伝達機構66で機構
する。尚、上記回転駆動手段および上下駆動手段はこれ
に限定されるものではなく、公知の駆動手段および運動
伝達手段を組み合わせて構成すればよい。
【0038】レーザ結晶化に際しては、時間を長くして
ゆっくり結晶化を行うことによって結晶粒径を大きくで
きる。こうして得られたp−Siを用いてTFTを形成
することによって、TFTの特性を改善することができ
る。そのためには、ガラス基板の温度を上げた状態でレ
ーザ加熱するのが望ましいのであるが、この場合には以
下のような問題が生ずる。すなわち、上記レーザ処理チ
ャンバ内に加熱手段としてヒータ等を設置すると、この
ヒータからの不純物の放出によってp−Si中に上記不
純物が混入するため、このp−Siで形成されたTFT
の特性が低下してしまうのである。そこで、従来は、上
述の問題を防止するためにレーザ処理チャンバ内にヒー
タを入れず、図3に示すように予備加熱チャンバ3内で
ガラス基板を予備加熱し、冷える前にレーザ処理チャン
バ4に移してレーザ処理を行っている。したがって、上
述のように、搬送の途中でガラス基板の温度が低下して
結晶性が不均一になるという問題が発生するのである。
【0039】本実施の形態では、上記不純物混入の問題
を解決するために、上記レーザ処理チャンバ37内に不
純物を放出しない赤外線ランプ35を設置し、レーザ処
理チャンバ37内で赤外線による予備加熱とレーザ光線
による結晶化処理とを行うのである。こうして、1つの
レーザ処理チャンバ37内で予備加熱とレーザ処理とを
同時に行うことによって、ガラス基板32を予備加熱チ
ャンバからレーザ処理チャンバ37へ搬送する必要が無
く、上記搬送によってガラス基板32の加熱が不充分に
なることがない。
【0040】また、上記予備加熱とレーザ処理とを同時
に行うに際して、ガラス基板32を保持している基板ホ
ルダ33は、回転軸34によって回転される。したがっ
て、1つのガラス基板32がレーザビーム36によって
不規則に重畳されて照射されることになり、得られるp
−Siの結晶性の均一性が向上される。本実施の形態で
は650℃で加熱してレーザ処理を行うことによって、
結晶性の均一性が良好で表示縞が生じないp−Siが得
られた。また、加熱温度を700℃まで上げてもガラス
基板32の変形は生じなかった。
【0041】さらに、上述のように、6台のレーザ発振
装置31を水平方向の位置をずらせて設置してタイミン
グを合わせて発振させている。したがって、基板ホルダ
33全体が上下動しながら回転することと相俟って長尺
状のビームに整形することなく照射面積を広げることが
でき、ビーム断面形状における長手方向へのビームエネ
ルギーの不均一性は発生しない。尚、個々のレーザ発振
装置31から出力されるレーザビームの照射エネルギー
には、5%〜20%のばらつきがある。しかしながら、
基板ホルダ33全体は、回転軸34を中心として回転す
ると共に、上下に動く構造となっている。したがって、
レーザビームが重畳され、しかも重畳回数が飛躍的に多
くなるため、p−Siの結晶性の均一性が大幅に改善さ
れる。
【0042】また、上記構成を有する基板ホルダ33に
よって8枚のガラス基板を同時にレーザ処理できるた
め、量産性に優れた再結晶化装置を提供できる。尚、本
実施の形態においては、基板ホルダ33を正八角錐の上
部を切り取った形状に成して、8枚のガラス基板を同時
にレーザ処理できるようにしたが、基板ホルダの形状を
変えて8枚より多くのガラス基板を同時にレーザ処理で
きるようにすることも可能である。
【0043】上記実施の形態においては、上記基板ホル
ダ33におけるレーザ発振装置31によってレーザ処理
されるホルダ面33aと赤外線ランプ35によって予備
加熱されるホルダ面33aとは、異なるホルダ面33aで
ある。したがって、基板ホルダ33の回転によって予備
加熱とレーザ処理とが略同時に行われるとは言え、厳密
に言えば同時に行われていないため予備加熱温度が低下
する。
【0044】以下、上記レーザ発振装置と赤外線ランプ
とを組み合わせて、赤外線ランプによる予備加熱とレー
ザ発振装置によるレーザ処理とを同時に行う実施の形態
について説明する。
【0045】図2は、上記レーザ発振装置と赤外線ラン
プとを組み合わせた実施の形態におけるレーザ発振装置
と赤外線ランプと基板ホルダのホルダ面の部分を示す。
尚、本実施の形態における基板ホルダの基本構造は、図
1に示す基板ホルダ33と同一である。
【0046】図2において、レーザ発振装置41から放
出されたレーザビーム42は集光レンズ43で集光さ
れ、反射鏡44で反射された後、ガラス基板45上に形
成されたa−Si膜46表面における領域47を照射し
て加熱する。一方、赤外線ランプ48から放射された赤
外線49は、集光レンズ50で集光され、反射鏡51で
反射された後、レーザビーム42の反射鏡44を透過し
て、ガラス基板45上のa−Si膜46表面における領
域52を照射して予備加熱する。ここで、予備加熱領域
52はレーザ照射領域47を含んでレーザ照射領域47
よりも広く取っている。
【0047】上記構成をとることによって、上記赤外線
49による予備加熱をレーザビーム42による加熱と同
時に行うことが可能となる。したがって、赤外線49に
よって予備加熱された領域52の温度がレーザビーム4
2照射時まで変化することがない。したがって、a−S
i膜46の結晶化条件を精密に制御することができ、結
晶性の均一性をさらに向上させることができるのであ
る。
【0048】尚、この場合にも、上記ガラス基板45
は、図1に示す基板ホルダ33と同じ構成を有する基板
ホルダのホルダ面に略垂直に立てて保持されている。し
たがって、当該基板ホルダの回転によって、1つのガラ
ス基板45がレーザ発振装置41と赤外線ランプ48と
で1回に加熱される時間を短時間にできる。その結果、
ガラス基板の温度を制限温度以下に抑えてa−Si膜4
6の加熱温度を600℃以上に上げることが可能にな
り、結晶化に有利となる。本実施の形態では650℃で
加熱してレーザ処理を行うことによって、結晶性の均一
性が良好で表示縞が生じないp−Siが得られた。ま
た、加熱温度を700℃まで上げてもガラス基板の変形
は生じなかった。
【0049】尚、上記各実施の形態においては、赤外線
ランプ35,48による予備加熱とレーザ発振装置31,
41によるレーザ照射との両方を行っているが、レーザ
発振装置31,41によるレーザ照射のみを行っても差
し支えない。また、基板ホルダ33を上下動させながら
回転させているが、回転あるいは上下動のみを行っても
差し支えない。また、上記上下動に際して基板ホルダ3
3を上下動させているが、レーザ発振装置31,41お
よび赤外線ランプ35,48を上下動させても構わな
い。
【0050】さらに、上記各実施の形態においては、上
記ガラス基板32,45上に形成されたa−Si膜を結晶
化してp−Si膜を形成する場合を例に説明している。
しかしながら、この発明の半導体製造装置によれば、ガ
ラス基板上に形成されたp−Si膜を溶融/再結晶化する
場合にも適用できる。
【0051】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の半導体製造装置は、半導体材料を保持するホル
ダ体のホルダ面における垂直方向に対する傾斜角度を2
度〜20度の範囲内にしたので、上記半導体材料の表面
は上方を向かずに略水平方向を向くことになる。したが
って、雰囲気中のダストや不純物が上記半導体材料の表
面に付着することを防止できる。すなわち、この発明に
よれば、全体にわたって結晶性が均一な半導体材料を得
ることができる。
【0052】また、請求項2に係る発明の半導体製造装
置における上記ホルダ体は、炭素で形成されている。し
たがって、照射されるレーザ光は速やかに上記ホルダ体
に吸収されて熱エネルギーが保持され、上記半導体材料
が効率良く加熱される。さらに、上記ホルダ体の表面は
シリコンカーバイトで覆われているので、加熱によって
炭素が蒸発して処理チャンバ内を汚染することを防止で
きる。
【0053】また、請求項3に係る発明の半導体製造装
置における上記ホルダ体は筒状に形成されており、回転
駆動手段によって回転可能になっているので、上記ホル
ダ体を回転させながら上記半導体材料にレーザビームを
照射することができる。したがって、上記半導体材料に
上記レーザビームを不規則に重畳して照射でき、上記半
導体材料の結晶性の均一性を向上することができる。す
なわち、この発明によれば、上記再結晶化された半導体
材料を用いて液晶表示パネルを形成することによって、
規則的な表示縞が生じない液晶表示パネルを形成するこ
とができる。
【0054】また、請求項4に係る発明の半導体製造装
置における上記ホルダ体は多角筒を成しており、上記ホ
ルダ面は上記多角筒の各側平面に設けられているので、
上記多数のホルダ面に複数の半導体材料を保持すること
ができる。こうして、1回の処理で多数の半導体材料を
溶融/再結晶化でき、生産性を向上できる。
【0055】また、請求項5に係る発明の半導体製造装
置は、上記ホルダ体をレーザ光源に対して相対的に上下
方向に移動させる上下駆動手段を備えたので、上記レー
ザビームを重畳して上記半導体材料に照射でき、上記半
導体材料における結晶性の均一性を向上できる。特に、
請求項3と組み合わせることによって上記レーザビーム
の重畳回数を飛躍的に高めることができ、上記半導体材
料における結晶性の均一性をさらに向上できる。
【0056】また、請求項6に係る発明の半導体製造装
置は、上記レーザ光源およびホルダ体を1つのチャンバ
内に収納し、このチャンバ内に予備加熱手段を備えたの
で、上記予備加熱手段による上記半導体材料の予備加熱
とレーザ光源による上記半導体材料の溶融/再結晶化処
理とを同一チャンバ内で行うことができる。したがっ
て、予備加熱された上記半導体材料の温度がレーザ処理
されるまでに低下するのを防止でき、上記半導体材料の
結晶性を均一にできる。
【0057】また、請求項7に係る発明の半導体製造装
置における上記予備加熱手段は、不純物を放出しない赤
外線ランプであるので、上記予備加熱手段に起因する上
記半導体材料に対する不純物の混入を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の半導体製造装置における概略図で
ある。
【図2】 図1とは異なる半導体製造装置におけるレー
ザビームおよび赤外線の照射状態の説明図である。
【図3】 従来のレーザ結晶化装置の概念図である。
【図4】 ビーム重畳の原理を示す図である。
【図5】 図4に示すビーム重畳によって得られた液晶
パネルにおける表示縞の説明図である。
【符号の説明】
31,41…レーザ発振装置、32,45…ガラス基板、
33…基板ホルダ、33a…ホルダ面
34…回転軸、35,48…赤外線ラ
ンプ、 36,42…レーザビーム、37…レ
ーザ処理チャンバ、 43,50…集光レン
ズ、44,51…反射鏡、 46…a−
Si膜、47…レーザ照射領域、 49…
赤外線、52…予備加熱領域、 61…
駆動軸、62,65…モータ、 64…
ウォーム、66…伝達機構。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から出射されたレーザビーム
    を多結晶あるいは非結晶の半導体材料に照射し、上記半
    導体材料を溶融して再結晶化する半導体製造装置であっ
    て、 少なくとも1つのホルダ面を有して、このホルダ面に上
    記半導体材料を保持するホルダ体を備えて、 上記ホルダ面は、垂直方向に対して2度乃至20度の傾
    斜角度で傾斜していることを特徴とする半導体製造装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体製造装置におい
    て、 上記ホルダ体は、炭素で形成されると共に、その表面が
    シリコンカーバイトで覆われていることを特徴とする半
    導体製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体製造装置におい
    て、 上記ホルダ体は、筒状に形成されると共に、軸を通る回
    転軸を有しており、 上記回転軸を回転させる回転駆動手段を備えたことを特
    徴とする半導体製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体製造装置におい
    て、 上記ホルダ体は多角筒を成しており、上記ホルダ面は上
    記多角筒の各側平面に設けられていることを特徴とする
    半導体製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項3に記載の半導体
    製造装置において、 上記ホルダ体を、上記レーザ光源に対して相対的に上下
    方向に移動させる上下駆動手段を備えたことを特徴とす
    る半導体製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の半導体製造装置におい
    て、 上記レーザ光源およびホルダ体は1つのチャンバ内に収
    納されており、 上記チャンバ内に、上記半導体材料におけるレーザビー
    ム照射面を予備加熱する予備加熱手段を備えたことを特
    徴とする半導体製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体製造装置におい
    て、 上記予備加熱手段は、赤外線ランプであることを特徴と
    する半導体製造装置。
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