JP3344122B2 - 内燃機関の燃料圧制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料圧制御装置

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JP3344122B2
JP3344122B2 JP28075294A JP28075294A JP3344122B2 JP 3344122 B2 JP3344122 B2 JP 3344122B2 JP 28075294 A JP28075294 A JP 28075294A JP 28075294 A JP28075294 A JP 28075294A JP 3344122 B2 JP3344122 B2 JP 3344122B2
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pressure
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茂樹 宮下
正 福山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料圧制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関により駆動される吐出量可変な燃料
ポンプを具備し、燃料ポンプから吐出された高圧の燃料
を燃料リザーバ内に供給すると共に燃料リザーバから各
気筒の燃料噴射弁に夫々燃料を分配供給し、燃料リザー
バ内に燃料圧センサを取付けてこの燃料圧センサの出力
信号に基き燃料リザーバ内の燃料圧が目標燃料圧となる
ように燃料ポンプの吐出量を制御するようにした内燃機
関が公知である(特開昭63−117147号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような内
燃機関では燃料ポンプからの燃料の吐出作用は間欠的に
行われ、また燃料噴射弁からの燃料噴射作用も間欠的に
行われるので燃料ポンプからの燃料の吐出作用および燃
料噴射弁からの燃料噴射作用によって燃料リザーバ内の
燃料圧は変動を繰返すことになる。一方、燃料圧センサ
による燃料リザーバ内の燃料圧の検出も間欠的に行わ
れ、従って燃料圧が高圧側に変動しているときに燃料圧
が検出されると検出された燃料圧は実際の平均燃料圧に
比べて高くなり、燃料圧が低圧側に変動しているときに
燃料圧が検出されると検出された燃料圧は実際の平均燃
料圧に比べて低くなる。即ち、燃料圧センサによって検
出される燃料圧は必ずしも燃料リザーバ内の平均燃料圧
に一致しない。その結果、燃料圧センサの出力信号に基
いて燃料ポンプの吐出量を制御するとかえって平均燃料
圧の変動をひき起こしてしまうという問題を生じること
になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明によれば、燃料噴射弁に供給される燃
料の圧力を予め定められた圧力に制御するようにした内
燃機関において、機関において燃焼せしめられる混合気
の空燃比を検出するために機関排気通路内に配置された
空燃比検出手段と、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力
を予め定められた圧力に制御する燃料圧制御手段と、
料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する燃料圧検出
手段とを具備し、燃料圧検出手段が正常に作動している
ときには燃料圧検出手段により検出された燃料の圧力お
よび空燃比検出手段により検出された空燃比の双方に基
いて燃料圧制御手段により燃料噴射弁に供給される燃料
の圧力が予め定められた圧力に制御され、燃料圧検出手
段が故障したときには空燃比検出手段により検出された
空燃比に基いて燃料圧制御手段により燃料噴射弁に供給
される燃料の圧力が予め定められた圧力に制御される。
【0005】
【0006】また、番目の発明によれば上記問題点を
解決するために番目の発明において、燃料圧検出手段
が正常に作動しているときに機関の運転状態が過渡運転
状態となったときには燃料圧検出手段により検出された
燃料の圧力に基いて燃料圧制御手段により燃料噴射弁に
供給される燃料の圧力が予め定められた圧力に制御され
る。
【0007】また、3番目の発明によれば上記問題点を
解決するために1番目の発明において、機関の運転状態
が過渡運転状態となったときに空燃比検出手段により検
出された空燃比がリッチである間は燃料圧制御手段によ
るリッチ空燃比に基く燃料の圧力の低下制御を禁止する
禁止手段を具備している。また、4番目の発明によれば
上記問題点を解決するために1番目の発明において、空
燃比検出手段による空燃比の検出が開始される前は機関
回転数に基いて燃料圧制御手段により燃料噴射弁に供給
される燃料の圧力が予め定められた圧力に制御される。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【実施例】図1を参照すると、1は4つの気筒2を具え
た機関本体、3は各気筒2内に燃料を噴射するための燃
料噴射弁を夫々示す。各気筒2は対応する吸気枝管4を
介してサージタンク5に連結され、サージタンク5は吸
気ダクト6およびエアフローメータ7を介してエアクリ
ーナ(図示せず)に連結される。吸気ダクト6内にはス
ロットル弁8が配置される。また、各気筒2は共通の排
気マニホルド9に連結される。
【0012】一方、図1に示されるようにサージタンク
5の上方には高圧の燃料で満たされた燃料リザーバ10
が配置され、この燃料リザーバ10内の高圧の燃料が各
燃料噴射弁3に分配供給される。燃料リザーバ10には
変形可能な袋状の可変容積体11を内蔵したアキュムレ
ータ12が取付けられ、この可変容積体11内は燃料リ
ザーバ10内の燃料圧とほぼ同じ圧力に維持されてい
る。燃料リザーバ10内の燃料圧が変動するとそれに伴
なって可変容積体11が変形し、それによって燃料リザ
ーバ10内の燃料圧の変動が抑制される。燃料リザーバ
10内へは機関駆動の吐出量が可変な燃料ポンプ13か
ら燃料が供給される。
【0013】この燃料ポンプ13は機関のクランクシャ
フトによりクランクシャフトの1/2の回転速度でもっ
て回転駆動せしめられるカムシャフト14と、カムシャ
フト14によって往復動せしめられる一対のプランジャ
15と、各プランジャ15の頂面上に形成された燃料加
圧室16と、各燃料加圧室16の頂面上に配置されて通
常開弁せしめられている溢流弁17と、溢流弁17を駆
動するためのソレノイド18とを具備し、各燃料加圧室
16は夫々対応する逆止弁19および燃料供給管20を
介して燃料リザーバ10内に連結される。燃料タンク2
1内の燃料は燃料ポンプ22およびリリーフ弁23を介
し溢流弁17の周りを通って燃料加圧室16内に供給さ
れる。また、燃料リザーバ10内は安全弁24を介して
燃料タンク21内に供給される。
【0014】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具
備する。エアフローメータ7は吸入空気量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧が対応するAD変換器3
7を介して入力ポート35に入力される。スロットル弁
8にはスロットル開度に比例した出力電圧を発生するス
ロットルセンサ40が取付けられ、このスロットルセン
サ40の出力電圧が対応するAD変換器37を介して入
力ポート35に入力される。また、機関本体1には機関
冷却水温に比例した出力電圧を発生する水温センサ41
が取付けられ、この水温センサ41の出力電圧が対応す
るAD変換器37を介して入力ポート35に入力され
る。
【0015】一方、燃料リザーバ10には燃料リザーバ
10内の燃料圧に比例した出力電圧を発生する燃料圧セ
ンサ42が取付けられ、この燃料圧センサ42の出力電
圧が対応するAD変換器37を介して入力ポート35に
入力される。また、排気マニホルド9の集合部には空燃
比を検出するための酸素濃度センサ(以下O2 センサと
称す)43が配置され、このO2 センサ43の出力信号
が対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入
力される。更に入力ポート35には例えば機関クランク
シャフトが30度回転する毎に出力パルスを発生するク
ランク角センサ44が接続され、CPU34内ではこの
クランク角センサ44の出パルスから機関回転数、現
在のクランク角およびカムシャフト14の現在のカム角
が算出される。一方、出力ポート36は対応する駆動回
路38を介して各燃料噴射弁3および燃料ポンプ13の
ソレノイド18に接続される。
【0016】前述したように燃料ポンプ13の溢流弁1
7は通常開弁しており、プランジャ15が下降すると燃
料ポンプ22から吐出された燃料が燃料加圧室16内に
供給される。次いでプランジャ15が上昇を開始すると
今度は燃料加圧室16内の燃料が溢流弁17を介して排
出される。次いでソレノイド18が付勢されて溢流弁1
7が閉弁せしめられるとプランジャ15の上昇に伴ない
燃料加圧室16内の燃料が加圧され、燃料加圧室16内
の燃料圧が燃料リザーバ10内の燃料圧よりも高くなる
と燃料加圧室16内の燃料が燃料リザーバ10内に供給
される。この燃料リザーバ10内への燃料の供給はプラ
ンジャ15が最大上昇位置に達するまで続行される。
【0017】即ち、図2に示されるようにソレノイド1
8に制御パルスが印加されると溢流弁17が閉弁せしめ
られ、溢流弁17はプランジャ15のリフト量が最大に
なるまで閉弁し続ける。溢流弁17が閉弁せしめられて
いる間、燃料が燃料ポンプ13から燃料リザーバ10内
に供給され続け、従って溢流弁17が閉弁しているカム
角θを長くするほど燃料ポンプ13からの燃料吐出量が
多くなることがわかる。従って図1に示される実施例で
は図2に示されるカム角θを制御することによって、即
ち制御パルスの発生タイミングを制御することによって
燃料ポンプ13からの燃料吐出量を制御するようにして
いる。なお、図3は図2に示すカム角θと燃料ポンプ1
3からの燃料吐出量f(θ)との関係を示している。図
3からわかるようにカム角θと燃料吐出量f(θ)とは
完全に正比例してはいない。
【0018】次に燃料噴射時間TAUの算出方法につい
て説明する。本発明による実施例では次式に基づいて燃
料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・FAF・K1 ・K2 ここでTPは基本燃料噴射時間を示し、FAFはフィー
ドバック補正係数を示し、K1 は過渡運転時の、即ち加
減速運転時の補正係数を示し、K2 はリッチ混合気或い
はリーン混合気とするための補正係数を示している。基
本燃料噴射時間TPは混合気の空燃比を理論空燃比とす
るのに必要な噴射時間を表わしており、この基本燃料噴
射時間TPは機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転
数N)および機関回転数Nの関数として図4に示される
ようなマップの形で予めROM32内に記憶されてい
る。
【0019】フィードバック補正係数FAFはO2 セン
サ43の出力信号に基き空燃比に応じて通常は1.0を
中心として上下動する。O2 センサ43は混合気の空燃
比が理論空燃比よりも大きいとき、即ちリーンのときに
は0.1(V)程度の出力電圧、即ちリーン信号を発生
し、混合気の空燃比が理論空燃比よりも小さいとき、即
ちリッチのときには0.9(V)程度の出力電圧、即ち
リッチ信号を発生する。図6はこのO2 センサ43の出
力信号に基いて行われるフィードバック補正係数FAF
の制御ルーチンを示しており、次にこの制御ルーチンに
ついて図5を参照しつつ説明する。なお、図6に示すル
ーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
【0020】図6を参照すると、まず初めにステップ1
00においてO2 センサ43が正規の出力を発生してい
るか否か、即ちO2 センサ43が活性化しているか否か
が判別される。機関始動後暫らくの間はO2 センサ43
の温度が低く、従ってO2 センサ43は活性化していな
いので処理サイクルを完了する。次いでO2 センサ43
の温度が上昇し、O2 センサ43が活性化するとステッ
プ101に進む。
【0021】ステップ101ではO2 センサ43の出力
電圧Vが0.45(V)程度の基準電圧Vrよりも高い
か否かが判別される。V>Vrのとき、即ちO2 センサ
43がリッチ信号を発生しているときにはステップ10
2に進んで前回の割込み時にO2 センサ43がリーン信
号を発生していたか否かが判別される。前回の割込み時
にO2 センサ43がリーン信号を発生していたとき、即
ち混合気がリーンからリッチに変化したときにはステッ
プ103に進んでFR1 がFR2 とされ、次いでステッ
プ104で現在のFAFの値がFR1 とされ、次いでス
テップ105においてFAFからスキップ値Sが減算さ
れる。次いでステップ112に進む。
【0022】一方、ステップ102において前回の割込
み時にもO2 センサ43がリッチ信号を発生していると
判断された場合にはステップ106に進んでFAFから
積分値K(K≪S)が減算され、次いでステップ112
に進む。従って図5に示されるように空燃比がリーンか
らリッチに切換わるとフィードバック補正係数FAFは
スキップ量Sだけ急激に減少せしめられ、次いで積分値
Kずつ徐々に減少せしめられる。
【0023】一方、ステップ101においてO2 センサ
43の出力電圧Vが基準電圧Vrよりも高くないと判別
されたとき、即ちO2 センサ43がリーン信号を発生し
ているときにはステップ107に進んで前回の割込み時
にO2 センサ43がリッチ信号を発生していたか否かが
判別される。前回の割込み時にO2 センサ43がリッチ
信号を発生していたとき、即ち混合気がリッチからリー
ンに変化したときにはステップ108に進んでFL1
FL2 とされ、次いでステップ109で現在のFAFの
値がFL1 とされ、次いでステップ110においてFA
Fにスキップ値Sが加算される。次いでステップ112
に進む。
【0024】一方、ステップ107において前回の割込
み時にもO2 センサ43がリーン信号を発生していると
判断された場合にはステップ111に進んでFAFに積
分値Kが加算され、次いでステップ112に進む。従っ
て図5に示されるように空燃比がリッチからリーンに切
換わるとフィードバック補正係数FAFはスキップ量S
だけ急激に増大せしめられ、次いで積分値Kずつ徐々に
増大せしめられる。このようにしてFAFは通常1.0
を中心として上下動する。
【0025】一方、ステップ112ではFR1 ,F
2 ,FL1 ,FL2 の平均値FAFM(=(FR1
FR2 +FL1 +FL2 )/4)が算出される。図5か
らわかるようにFR1 ,FR2 はFAFがスキップ量S
だけ急激に減少せしめられる前のFAFの値を示してお
り、FL1 ,FL2 はFAFがスキップ量Sだけ急激に
増大せしめられる前のFAFの値を示している。従って
FAFMはフィードバック補正係数FAFの平均値を表
わしていることになる。
【0026】図7は燃料噴射時間TAUの算出ルーチン
を示しており、このルーチンは繰返し実行される。図7
を参照するとまず初めにステップ200において図4に
示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次
いでステップ201ではO2 センサ43が活性化したか
否かが判別される。O2 センサ43が活性化していない
ときにはステップ202に進んでフィードバック補正係
数FAFが1.0とされ、次いでステップ203におい
て補正係数K1 ,K2 が1.0とされる。次いでステッ
プ212に進んで次式に基き燃料噴射時間TAUが算出
される。
【0027】TAU=TP・FAF・K1 ・K2 このときFAF,K1 ,K2 は全て1.0であるのでT
AU=TPとなり、燃料噴射時間TAUが基本燃料噴射
時間TPとなる。一方、ステップ201においてO2
ンサ43が活性化したと判断されたときにはステップ2
04に進んで過渡運転状態であるか否かが判別される。
過渡運転状態でないときにはステップ205に進んで補
正係数K1 は1.0とされ、次いでステップ207に進
む。これに対して過渡運転状態のときにはステップ20
6に進んで加速状態に応じた補正係数K1 、或いは減速
状態に応じた補正係数K1が算出される。次いでステッ
プ207に進む。
【0028】ステップ207では理論空燃比以外の空燃
比とすべき非ストイキ運転状態であるか否か、即ち機関
出力を増大するためにリッチ混合気にすべき運転状態で
あるか否か、或いは燃料消費量の向上のためにリーン混
合気とすべき運転状態であるか否か等が判別される。理
論空燃比にすべき運転状態のときにはステップ208に
進んで補正係数K2 が1.0とされ、次いでステップ2
12に進む。
【0029】一方、理論空燃比以外の空燃比とすべき非
ストイキ運転状態のときにはステップ209に進んで燃
料圧センサ42がフェイルしているか否か、即ち故障し
ているか否かが判別される。燃料圧センサ42が故障し
ているか否かは燃料圧センサ42の出力電圧が零となっ
ているか、或いは最大値に張り付いていることから検出
することができる。燃料圧センサ42が故障をしていな
いときにはステップ210に進んで目標とするリッチ混
合気或いはリーン混合気を形成するのに必要な補正係数
2 の値が算出される。次いでステップ211に進んで
フィードバック補正係数FAFが1.0に固定され、次
いでステップ212に進む。従ってこのときには空燃比
のフィードバック制御が中止される。
【0030】これに対してステップ209において燃料
圧センサ42が故障していると判断されたときにはステ
ップ208に進んで補正係数K2 が1.0とされ、次い
でステップ212に進む。従ってこのときには非ストイ
キ運転時であっても混合気がリッチ或いはリーンとされ
ないことになる。即ち、燃料圧センサ42が故障したと
きには非ストイキ運転時であっても空燃比が理論空燃比
となるようにフィードバック補正係数FAFに基いて燃
料噴射時間TAUが制御される。
【0031】次に燃料リザーバ10内の燃料圧の基本的
な制御方法について説明する。燃料リザーバ10内の目
標燃料圧P0 は機関の運転状態に応じて変化させること
もできるし、機関の運転状態にかかわらずに一定とする
こともできる。いずれの場合であっても燃料リザーバ1
0内の実際の燃料圧Pが目標燃料圧P0 となるように燃
料ポンプ13のソレノイド18の制御パルスの発生時
期、即ち図2のカム角θが制御される。
【0032】この場合本発明による実施例では燃料噴射
による予測カム角θ1 と比例積分(PI)制御量θ2
の和によりカム角θ(=θ1 +θ2 )を制御するように
している。即ち、燃料噴射が行われると噴射量Qf に相
当する分だけ燃料リザーバ10内の燃料が減少し、従っ
て燃料リザーバ10内の燃料圧Pを目標燃料圧P0 に維
持するには次に噴射すべき燃料の噴射量Qf と同じ量f
(θ)の燃料を燃料ポンプ13から燃料リザーバ10内
に吐出させてやればよいことになる。この場合、燃料吐
出量f(θ)とカム角θとは図3に示す関係を有するの
で噴射量Qf が定まれば図3に示す関係から予測カム角
θ1 が定まることになる。なお、噴射量Qf は燃料噴射
時間TAUと目標燃料圧P0 から求める。このようにし
て予測カム角θ1 が算出される。
【0033】一方、噴射量Qf と同じ量f(θ)だけ燃
料ポンプ13から燃料を吐出させても実際には目標燃料
圧P0 と実際の燃料圧Pとの間に依然として圧力差があ
り、この圧力差をなくすためにPI制御が行われる。こ
のPI制御は次式に従って行われる。 I=I+C2 ・(P0 −P) θ2 =C1 ・(P0 −P)+I 上式においてC1 ・(P0 −P)は比例項、Iは積分項
を夫々示している。なお、上式においてC1 ,C2 は定
数を表わしている。
【0034】ところで図1に示されるような実施例では
燃料リザーバ10内の燃料圧は燃料ポンプ13から燃料
が吐出される毎に増大し、燃料噴射が行われる毎に減少
する。従って燃料圧センサ42により間欠的に検出され
る燃料圧Pは必ずしも燃料リザーバ10内の燃料圧の平
均値を表わしておらず、従って燃料圧センサ42の出力
信号に基いて燃料リザーバ10内の燃料圧を制御しても
燃料圧Pを目標燃料圧P0 に一致させるのは困難であ
る。そこで本発明による実施例ではO2 センサ43の出
力信号を用いて燃料リザーバ10内の燃料圧Pが目標燃
料圧P0 に一致するように制御している。
【0035】即ち、燃料リザーバ10内の燃料圧Pが目
標燃料圧P0 よりも低くなった場合、噴射時間が一定で
あれば噴射量が減少する。この場合、空燃比を理論空燃
比に一致させる空燃比のフィードバック制御が行われて
いると噴射量が減少しないようにフィードバック補正係
数FAFが大きくなって噴射時間が増大せしめられる。
即ち、フィードバック補正係数FAFは通常1.0を中
心として上下動しているが燃料圧Pが目標燃料圧P0
りも低くなるとフィードバック補正係数FAFは1.0
よりも大きくなり、従ってフィードバック補正係数FA
Fが1.0よりも大きくなったということは燃料圧Pが
目標燃料圧P0 よりも低くなっていることを意味してい
る。
【0036】一方、燃料リザーバ10内の燃料圧Pが目
標燃料圧P0 よりも高くなった場合、噴射時間が一定で
あれば噴射量が増大する。この場合、空燃比を理論空燃
比に一致させる空燃比のフィードバック制御が行われて
いると噴射量が増大しないようにフィードバック補正係
数FAFが小さくなって噴射時間が減少せしめられる。
即ち、フィードバック補正係数FAFは通常1.0を中
心として上下動しているが燃料圧Pが目標燃料圧P0
りも高くなるとフィードバック補正係数FAFは1.0
よりも小さくなり、従ってフィードバック補正係数FA
Fが1.0よりも小さくなったということは燃料圧Pが
目標燃料圧P0 よりも高くなっていることを意味してい
る。
【0037】従ってO2 センサ43により検出された空
燃比に基いて変化するフィードバック補正係数FAFの
挙動から燃料圧Pが目標燃料圧P0 に維持されているか
を判断できることになる。本発明による実施例ではO2
センサ43が活性化しているか否か、過渡運転時か否
か、および燃料圧センサ42が故障しているか否かに応
じて夫々異なる燃料圧制御を行っており、次にこれらの
各制御について順次説明する。
【0038】図8はO2 センサ43が活性化しており、
過渡運転状態ではなく、また燃料圧センサ42が正常に
作動している場合を示している。この場合にはカム角θ
は基本的には噴射量Qf に基づく予測カム角θ1 と、燃
料圧センサ42による検出燃料圧Pおよび目標燃料圧P
0 に基づくPI制御量θ2 との和より求められ、燃料圧
センサ42による検出燃料圧Pが目標燃料圧P0 に一致
するようにカム角θが制御される。即ち、この場合、目
標燃料圧が図8に示される目標燃料圧Iであるとすると
図8に示されるように燃料圧センサ42による検出燃料
圧Pが目標燃料圧Iに一致するようにカム角θが制御さ
れる。
【0039】しかしながらこの場合、燃料圧センサ42
による検出燃料圧が実際の燃料圧、即ち実燃料圧を正確
に表わしておらず、図8に示されるように燃料圧センサ
42による検出燃料圧が実燃料圧よりも高いとすると検
出燃料圧が目標燃料圧Iとなったときに実燃料圧は目標
燃料圧Iよりもかなり低くなってしまう。そこで本発明
による実施例では検出燃料圧が目標燃料圧Iとなったと
きに実燃料圧が目標燃料圧Iとなるように目標燃料圧を
目標燃料圧IIまで上昇させるようにしている。
【0040】ここで次に問題となるのは実燃料圧を目標
燃料圧Iに一致させるこようにするにはどの程度目標燃
料圧を上昇させればよいかということにある。ところが
この場合、この上昇すべき目標燃料圧はフィードバック
補正係数FAFの変化およびFAFの平均値FAFMの
変化となって表われ、従ってこれらFAF又はFAFM
の値から上昇すべき目標燃料圧を求めることができるこ
とになる。以下このことについて説明する。
【0041】燃料噴射時間TAUをTAU=TP・FA
Fで表わし、燃料圧をPで表わすと噴射量Qf は基本的
に次式で表わされる。 Qf =TAU・P1/2 =TP・FAF・P1/2 ここで基本燃料噴射時間TPが一定である運転状態を考
えると空燃比を理論空燃比に維持するために、即ち噴射
量Qf を一定に維持するためにFAF・P1/2の値はほ
ぼ一定の値に維持される。即ち、このとき燃料圧Pが図
8の目標燃料圧I(=P0 )に維持されていたとすると
フィードバック補正係数FAFは1.0を中心として上
下動し、従ってフィードバック補正係数FAFの平均値
FAFMはほぼ1.0となるのでFAF・P1/2 の値は
FAF・P1/2 ≒FAFM・P0 1 /2=P0 1/2となる。
【0042】一方、図8に示されるように実燃料圧Pが
目標燃料圧I(=P0 )に対してPdだけ低下したとす
るとこのときのFAF・P1/2 の値はFAF・P1/2
FAFM・P1/2 となる。この値はP0 1/2 に等しくな
るのでFAFM・P1/2 =P 0 1/2となり、斯くしてP0
=P・FAFM2 と表わされることになる。即ち、目標
燃料圧I(=P0 )は実燃料圧PのFAFM2 倍になっ
ていることになる。従って実燃料圧を目標燃料圧I(=
0 )としたい場合には目標燃料圧IIをP0 のFAFM
2 倍とすればよいことになり、従って本発明による実施
例では目標燃料圧IIをP0 ・FAFM2 としている。こ
のように目標燃料圧IIをP0 ・FAFM 2 にすると目標
燃料圧が目標燃料圧Iから目標燃料圧IIに切換えられた
ときにカム角θのPI制御によって検出燃料圧が目標燃
料圧IIに次第に近づき、その結果実燃料圧が目標燃料圧
Iに次第に近づいて最終的には実燃料圧が目標燃料圧I
にほぼ等しくなる。
【0043】図8に示されるように目標燃料圧が目標燃
料圧Iから目標燃料圧IIに切換えられると区間Xの間に
おいて実燃料圧は徐々に上昇する。本発明による実施例
ではこの区間Xでは空燃比センサ43の出力信号に基く
フィードバック制御が停止され、燃料圧センサ42によ
る検出燃料圧Pに基いて空燃比が理論空燃比に維持され
るように次式よりフィードバック補正係数FAFが算出
される。
【0044】FAF=1.0+(FAFM−1.0)・
〔|P0 −P|/ΔP〕1/2 ここでP0 は目標燃料圧IIを示し、Pは検出燃料圧を示
し、ΔPは検出燃料圧が目標燃料圧Iになったときの目
標燃料圧IIと検出燃料圧Pとの差圧を示し、FAFMは
検出燃料圧が目標燃料圧Iになったときの値を夫々示し
ている。次にO2 センサ43が活性化しており、燃料圧
センサ42が正常に作動している場合において加速運転
或いは減速運転が行われた場合について説明する。図9
を参照すると、図9にはスロットル開度TAの変化と、
噴射量、即ち燃料噴射時間TAUの変化が示されてい
る。破線で示される噴射時間TAU1 は、加速増量或い
は減速減量を行なわない場合の、即ち基本燃料噴射時間
TPに対する補正係数K1 が1.0とされている場合の
噴射時間を示しており、実線で示される噴射時間TAU
2 は補正係数K1 によって補正されたときの実際の噴射
時間を示している。従って実線TAU2 と破線TAU1
との差は補正係数K1 による補正量を表わしていること
になる。
【0045】図9からわかるように加速運転が行われた
ときにはK1 >1.0であり、この補正係数K1 はスロ
ットル開度TAが増大せしめられている間、増大し続
け、スロットル開度TAの増大作用が停止せしめられる
と徐々に減少する。これに対して減速運転が行われたと
きにはK1 <1.0であり、この補正係数K1 はスロッ
トル開度TAが減少せしめられている間、減少し続け、
スロットル開度TAの減少作用が停止せしめられると徐
々に増大する。
【0046】また図9に示されるように加速運転或いは
減速運転が開始されると過渡フラグがセットされる。こ
の過渡フラグは図10に示される過渡判定ルーチンによ
り制御される。このルーチンは一定時間毎の割込みによ
って実行される。図10を参照すると、まず初めにステ
ップ300においてスロットルセンサ40の出力信号に
基き前回の割込み時におけるスロットル開度TAと今回
の割込み時におけるスロットル開度TAとの差ΔTA、
即ちスロットル開度変化量ΔTAが算出される。次いで
ステップ301ではスロットル開度変化量ΔTAの絶対
値|ΔTA|が予め定められた一定値ΔXよりも大きい
か否かが判別される。|ΔTA|>ΔXのときには加速
運転時又は減速運転時であると判断してステップ302
に進む。なお、この場合、スロットル開度変化量ΔTA
に代えて機関回転数Nの変化量ΔNを算出し、この変化
量ΔNの絶対値|ΔN|が設定値を越えたということか
ら加速運転時又は減速運転時であると判別することもで
きる。
【0047】ステップ302ではステップ301におい
て|ΔTA|>ΔXと判断されたうちの|ΔTA|のう
ちで最大の|ΔTA|が算出される。次いでステップ3
03ではカウント値Cが零とされ、次いでステップ30
4では過渡フラグがセットされる。次いでステップ30
1において|ΔTA|≦ΔXであると判別されるとステ
ップ305に進んでカウント値Cが1だけインクリメン
トされる。次いでステップ306ではカウント値Cに対
する判別値Yが算出される。この判別値Yは図11に示
されるように機関冷却水温と最大|ΔTA|の関数であ
り、判別値Yは機関冷却水温が低くなるほど高くなり、
最大|ΔTA|が大きくなるほど高くなる。
【0048】次いでステップ307ではカウント値Cが
判別値Yよりも低いか否かが判別される。C<Yのとき
には処理サイクルを完了し、C≧Yになるとステップ3
08に進んで過渡フラグがリセットされる。従って過渡
フラグは過渡運転が開始されたときにセットされ、過渡
運転が完了した後、C≧Yになったときにリセットされ
ることがわかる。
【0049】図9に示されるように過渡フラグがセット
されている期間は補正係数K1 がK 1 >1.0又はK1
<1.0となっている期間、即ち増量補正又は減量補正
が行われている期間よりも長く、この過渡フラグがセッ
トされている期間中は空燃比に基づく燃料圧の制御、即
ちフィードバック補正係数FAFの平均値FAFMに基
づく燃料圧の制御は停止され、過渡フラグがセットされ
ている期間中は燃料圧センサ42による検出燃料圧に基
いて燃料圧が制御される。即ち、過渡時には空燃比の荒
れが予想され、過渡運転完了後も暫らくの間は空燃比の
荒れが予想されるので過渡運転が開始されてから過渡運
転完了後暫らくするまでの間、空燃比に基づく燃料圧の
制御が停止される。過渡運転時における機関冷却水温が
低いほど空燃比の荒れが大きくなると予想され、スロッ
トル開度の変化率ΔTAが大きいほど空燃比の荒れが大
きくなると予想されるので図11に示されるように判別
値Yの値は機関冷却水温が低くなるほど、又最大|ΔT
A|が大きくなるほど増大せしめられる。
【0050】次にO2 センサ43は活性化しているが燃
料圧センサ42が故障をしている場合について説明す
る。図12はO2 センサ43は活性化しているが燃料圧
センサ42が故障をしている状態において定常運転が行
われている場合を示している。この場合には燃料圧セン
サ42が故障をしているので燃料圧センサ42による検
出燃料圧に基づく燃料圧制御は行うことができず、従っ
てこの場合には空燃比に基いて、図12に示される実施
例ではフィードバック補正係数FAFの平均値FAFM
に基いて燃料圧が制御される。即ち、実燃料圧が目標燃
料圧よりも低くなればFAFの平均値FAFMは1.0
よりも大きくなり、実燃料圧が目標燃料圧よりも高くな
ればFAFの平均値FAFMは1.0よりも小さくなる
のでFAFの平均値FAFMの値から実燃料圧の挙動を
推定することができる。前述したように実燃料圧をP、
目標燃料圧をP 0 とするとFAFの平均値FAFMが
1.0に対してずれた場合にはP0 =P・FAFM2
関係があり、従ってP0 およびFAFMから実燃料圧P
を推定できることになる。そこで本発明による実施例で
は実燃料圧Pの推定値、即ち推定燃料圧PをP=P0
FAFM2 なる関係から求め、この推定燃料圧Pを用い
てカム角θをPI制御するようにしている。
【0051】なお、図1に示す内燃機関では例えば全負
荷運転時にはリッチ混合気が燃焼せしめられ、このとき
にはフィードバック補正係数FAFが1.0に固定され
たオープンループ制御が行われる。従ってこの場合には
FAFの平均値FAFMの値に基づく燃料圧制御は行え
ないことになる。燃料圧センサ42が正常であればこの
とき燃料圧センサ42による検出燃料圧によって燃料圧
を制御することができるが燃料圧センサ42が故障して
いるときにはこのような燃料圧センサ42による検出燃
料圧に基く燃料圧制御も行えないことになる。即ち、例
えば全負荷運転時には燃料圧の制御を全く行えないこと
になる。
【0052】また、このことは例えば特定の運転状態の
ときにリーン混合気を燃焼せしめるようにした場合も同
様であり、従ってリッチ混合気やリーン混合気のように
理論空燃比以外の混合気が燃焼せしめられるとこのとき
には燃料圧制御を全く行えなくなってしまうことにな
る。そこで本発明による実施例では燃料圧制御を全く行
えなくなってしまう運転状態が生じないように燃料圧セ
ンサ42が故障したときにはリッチ混合気やリーン混合
気による運転を行わないようにしている。即ち、既に説
明した図7に示す燃料噴射時間TAUの算出ルーチンに
おいてステップ209で燃料圧センサ42が故障した、
即ちフェイルしたと判断されたときにはステップ208
に進んで補正係数K2 が1.0とされ、それによってリ
ッチ混合気或いはリーン混合気による運転が禁止され
る。
【0053】なお、図12を参照しながら燃料圧センサ
42が故障した場合の燃料圧制御について説明してきた
が図12に示す燃料圧の制御方法はもともと燃料圧セン
サを具えていない場合にも適用することができる。図1
3はO2 センサ43は活性化しているが燃料圧センサ4
2が故障している状態において加速運転又は減速運転が
行われた場合を示している。前述したように加速運転や
減速運転のときには空燃比が荒れると予想されるので本
来は加速運転時や減速運転時のような過渡運転時には空
燃比に基づく燃料圧制御は停止した方が好ましい。しか
しながらこのようにすると燃料圧センサ42が故障して
いる場合には燃料圧の制御が全く行われなくなり、燃料
圧がどうなってしまうのかわからない。といって空燃比
に基づき燃料圧を制御すると実燃料圧が目標燃料圧から
大巾にずれてしまう危険性がある。
【0054】ところでこの場合最も問題となるのは実燃
料圧が低下して噴射量が減少し、その結果混合気が大巾
にリーンになって失火を生じることである。そこで本発
明による実施例では図13に示されるように過渡運転時
(K1 >1.0又はK1 <1.0のとき)に混合気がリ
ーンになってフィードバック補正係数FAFが1.0よ
りも大きくなったときには燃料圧を上昇させるために推
定燃料圧PをP=P0/FAF2 とし、FAF≦1.0
のときには推定燃料圧Pを変化させないようにしてい
る。
【0055】即ち、混合気がリーンとなってフィードバ
ック補正係数FAFが1.0よりも大きくなったときは
燃料圧を上昇させるために推定燃料圧Pが低下せしめら
れ、これに対して混合気がリッチとなってフィードバッ
ク補正係数FAFが1.0よりも小さいときには燃料圧
を低下させるために推定燃料圧Pを上昇させることはし
ないようにしている。その結果、過渡運転時(K1
1.0又はK1 <1.0のとき)には少くとも燃料圧が
低下するのを阻止することができるので混合気がリーン
となって失火が生じるのを阻止することができることに
なる。
【0056】なお、過渡運転時(K1 >1.0又はK1
<1.0のとき)には燃料圧の上昇については何ら阻止
しておらず、従って燃料圧が目標燃料圧P0 よりも高く
なってリッチ混合気になる可能性がある。しかしながら
混合気がリーンとなって失火を生じたときの車両運転性
や排気エミッションの悪化に比べれば混合気がリッチに
なったときの車両運転性や排気エミッションの悪化の方
がはるかに小さいので混合気がリーンになることのみを
阻止するようにしている。
【0057】なお、増量補正(K1 >1.0)又は減量
補正(K1 <1.0)が完了してから過渡フラグがリセ
ットされるまでの間は空燃比の荒れが比較的小さくなる
のでこのときにはフィードバック補正係数FAFが1.
0よりも大きくなろうと小さくなろうとP=P0 /FA
2 なる関係に基いて推定燃料圧Pが算出される。とこ
ろで過渡運転時には定常運転時に比べて空燃比の変動巾
が大きくなり、例えば過渡運転時には混合気の空燃比が
大巾にリーンとなる。このときリーンの度合がただちに
検出できればリーンの度合に応じて推定燃料圧Pを低下
させればよいことになる。ところが図5を参照して説明
したようにフィードバック補正係数FAFは一定の積分
値Kでもってゆっくりとしか増大減少しないので混合気
が大巾にリーンになったとしてもFAFはなかなか大き
な値とならず、燃料圧の上昇作用が遅れを生ずることに
なる。そこで本発明による実施例では過渡運転時にはP
I制御の比例項の係数C1 および積分項の係数C2 の値
を増大させて燃料圧を急速に目標燃料圧に近づけるよう
にしている。
【0058】図13に示される噴射時間TAU1 および
TAU2 は図9に示されるTAU1及びTAU2 と同じ
であり、従ってTAU1 とTAU2 との差が補正係数K
1 による補正量を表わしている。前述したように過渡運
転時には噴射時間はTAU2のように制御される。しか
しながら過渡運転時にできるだけ混合気がリーンになる
のを回避するために燃料圧センサ42が故障したときに
は図13においてTAU3 で示されるように過渡運転時
にTAU3 >TAU2 となるように加速時におけるK1
の値を大きくし、減速時におけるK1 の値を1.0に近
づけることもできる。
【0059】次にO2 センサ43が活性化する前の、即
ち機関始動後数10秒間における燃料圧制御について説
明する。図14は燃料圧センサ42が正常に作動してい
るときの燃料圧制御を示している。このときには機関ア
イドリング運転時に機関回転数Nが目標回転数N0 とな
るように次式に基づいて目標燃料圧P0 が制御される。
【0060】 P0 =P0 ・C3 ・(N0 −N)(C3 は定数) なお、機関アイドリング運転時における目標回転数N0
は図15に示されるように機関始動からの経過時間te
と機関冷却水温Twの関数である。なお、図15におい
てTw1 は通常の始動時の場合を示しており、Tw2
極低温からの始動時の場合をしめしており、Tw3 は暖
機状態からの始動時の場合を示している。これらT
1 ,Tw2 ,Tw3 は3つの例を示しただけであって
種々の冷却水温Twに対する目標回転数N0 の時間経過
が予めROM32内に記憶されている。
【0061】図16は燃料圧センサ42が故障している
場合においてO2 センサ43が活性化する前の燃料圧制
御を示している。この場合にもアイドリング運転時に機
関回転数Nが図15に示される目標回転数N0 となるよ
うに燃料圧が制御されるがこの場合には本来PI制御に
より定められるカム角θのうちの制御量θ2 がN=N 0
となるように制御される。
【0062】次に図17から図19を参照しつつ燃料圧
の制御ルーチンについて説明する。なお、このルーチン
は一定時間毎の割込みによって実行される。図17から
図19を参照するとまず初めにステップ400において
次に噴射すべき噴射量Qf が図7にルーチンにおいて算
出された燃料噴射時間TAUと目標燃料圧P0 から算出
される。次いでステップ401ではこの噴射量Qf と同
じ燃料吐出量f(θ)にするのに必要な予測カム角θ1
が図3に示す関係から算出される。次いでステップ40
2では燃料圧センサ42が故障したか否かが判別され
る。燃料圧センサ42が故障していないときにはステッ
プ403に進んでO2 センサ43が活性化しているか否
かが判別される。O2 センサ43が活性化しているとき
にはステップ404に進んで図10に示す過渡判定ルー
チンにより制御される過渡フラグがセットされているか
否かが判別される。過渡フラグがセットされていないと
きにはステップ405に進む。このとき図8に示す燃料
圧制御が行われる。
【0063】即ち、ステップ405では図8の期間Xで
あることを示すFAFフラグがセットされているか否か
が判別される。FAFがセットされていないときにはス
テップ406に進んで燃料圧センサ42による検出燃料
圧Pが目標燃料圧P0 にほぼ等しいか否かが判別され
る。PとP0 とが等しくないときにはステップ412に
ジャンプして次式に基づきPI制御の積分項Iが算出さ
れる。
【0064】I=I+C2 ・(P0 −P) 次いでステップ413では次式に示すように積分項Iに
比例項C1 ・(P0 −P)を加算することによってPI
制御量θ2 が算出される。 θ2 =C1 ・(P0 −P)+I 次いでステップ414では予測カム角θ1 とPI制御量
θ2 とを加算することによって図2に示す制御パルスを
発生すべきカム角θ(=θ1 +θ2 )が算出される。こ
のカム角θに従ってソレノイド18の制御パルスが発生
せしめられ、それによって燃料リザーバ10内の燃料圧
が目標燃料圧P0 に次第に近づく。
【0065】次いでステップ406において検出燃料圧
Pと目標燃料圧P0 とがほぼ等しくなったと判別された
ときにはステップ407に進んでフィードバック補正係
数FAFの平均値FAFMと1.0との差の絶対値|F
AFM−1.0|が一定値Zよりも大きくなったか否か
が判別される。この一定値Zは実燃料圧がほぼ目標燃料
圧に一致しているときに(FAFM−1.0)がとるで
あろう値の限界値を表わしている。従って|FAFM−
1.0|≦Zのときには実燃料圧がほぼ目標燃料圧P0
になっているものと考えられ、このときにはステップ4
12にジャンプする。
【0066】これに対してステップ407において|F
AFM−1.0|>Zであると判別されたときにはステ
ップ408に進んで目標燃料圧P0 にFAFM2 を乗算
することにより新たな目標燃料圧P0 が算出される。次
いでステップ409では新たな目標燃料圧P0 と検出燃
料圧Pとの差圧ΔP(=P0 −P)が算出される。次い
でステップ410ではFAFフラグがセットされる。次
いでステップ411では図6に示されるFAFの制御が
禁止され、次いでステップ412に進む。
【0067】FAFフラグがセットされるとステップ4
05からステップ418に進んで次式に基づきフィード
バック補正係数FAFが算出される。 FAF=1.0+(FAFM−1.0)・(|P0 −P
|/ΔP)1/2 次いでステップ419では|FAF−1.0|が一定値
αよりも小さくなったか否かが判別され、|FAF−
1.0|≧αのときにはステップ412にジャンプす
る。ステップ418におけるFAFの算出は|FAF−
1.0|<αとなるまで、即ち図8の区間Xの間、続行
される。次いでステップ419において|FAF−1.
0|<αになったと判別されるとステップ420に進ん
でFAFが1.0とされ、次いでステップ421におい
てFAFフラグがリセットされる。次いでステップ42
2では図6に示すFAFの制御の禁止が解除され、斯く
して図6に示すFAFの制御ルーチンが再開される。次
いでステップ412に進む。
【0068】一方、ステップ404において過渡フラグ
がセットされていると判断されたときにはステップ41
2にジャンプする。このとき図9に示す燃料圧制御が行
われる。即ち、このときにはフィードバック補正係数F
AFおよびその平均値FAFMに基づく燃料圧制御は行
われず、燃料圧は燃料圧センサ42による検出燃料圧P
によって制御される。
【0069】一方、ステップ402において燃料圧セン
サ42が故障をしたと判断されたときにはステップ42
3に進んでO2 センサ43が活性化しているか否かが判
別される。O2 センサ43が活性化しているときにはス
テップ424に進んで過渡フラグがセットされているか
否かが判別される。過渡フラグがセットされていないと
きにはステップ425に進む。このとき図12に示す燃
料圧制御が行われる。
【0070】即ち、ステップ425では(FAFM−
1.0)の絶対値|FAFM−1.0|が一定値Zより
も大きいか否かが判別され、|FAFM−1.0|≦Z
のときにはステップ412にジャンプする。これに対し
て|FAFM−1.0|>Zのときにはステップ426
に進んで比例項の係数C1 がCA1 とされ、次いでステ
ップ427において積分項の係数C2 がCA2 とされ
る。次いでステップ428では目標燃料圧P0 をFAF
2 により除算することによって推定燃料圧P(=P0
/FAFM2 )が算出される。次いでステップ412に
進む。
【0071】一方、ステップ424において過渡フラグ
がセットされているときにはステップ434に進む。こ
のとき図13に示す燃料圧制御が行われる。即ち、ステ
ップ434において補正係数K1 が1.0であるか否か
が判別され、K1 =1.0でないとき、即ち増量補正
(K1 >1.0)が行われているか又は減量補正(K1
<1.0)が行われているときにはステップ435に進
んでフィードバック補正係数FAFが1.0よりも大き
くなったか否かが判別される。FAF≦1.0のときに
はステップ412にジャンプする。これに対してFAF
>1.0のときにはステップ436に進む。
【0072】ステップ436では比例項の係数C1 がC
1 よりも大きな値のCB1 とされ、次いでステップ4
37において積分項の係数C2 がCA2 よりも大きな値
のCB2 とされる。即ち、過渡運転時にはC1 およびC
2 が定常運転時に比べて大きくされる。次いでステップ
438では目標燃料圧P0 をFAF2 により除算するこ
とによって推定燃料圧P(=P0 /FAF2 )が算出さ
れる。一方、ステップ434においてK1 =1.0であ
ると判別されたときにはステップ436にジャンプす
る。このときにはFAFの値にかかわらずにステップ4
38において推定燃料圧P(=P0 /FAF2 )が算出
される。
【0073】一方、ステップ402において燃料圧セン
サ42が故障していないと判断され、次いでステップ4
03においてO2 センサ43が活性化していないと判断
されたときにはステップ415に進んで機関アイドリン
グ運転時か否かが判別される。アイドリング運転時でな
いときにはステップ412にジャンプする。これに対し
てアイドリング運転時にはステップ416に進む。この
とき図14に示す燃料圧制御が行われる。即ち、ステッ
プ416において図15に示す関係から目標回転数N0
が算出され、次いでステップ417では次式に基づいて
目標燃料圧P0が更新される。
【0074】 N0 =N0 ・C3 ・(N0 −N)(C3 は定数) 次いでステップ412に進む。一方、ステップ402に
おいて燃料圧センサ42が故障していると判断され、次
いでステップ423においてO2 センサ43が活性化し
ていないと判断されたときにはステップ429に進んで
機関アイドリング運転時であるか否かが判別される。ア
イドリング運転時でないときにはステップ414にジャ
ンプする。これに対してアイドリング運転時にはステッ
プ430に進む。このとき図16に示す燃料圧制御が行
われる。即ち、ステップ430では図15に示す関係か
ら目標回転数N0 が算出され、次いでステップ431で
は機関回転数Nが目標回転数N0よりも低いか否かが判
別される。N0 >Nのときにはステップ432に進んで
カム角の制御量θ2 に一定値αが加算され、次いでステ
ップ414に進む。これに対してN0 ≦Nのときにはス
テップ433に進んでカム角の制御量θ2 から一定値α
が減算され、次いでステップ414に進む。
【0075】燃料圧センサ42が故障しており、O2
ンサ43が活性化している場合において加速運転又は減
速運転が行われたときには前述したように空燃比に基い
て燃料圧が制御される。このとき燃料圧をできる限り目
標燃料圧に維持しておくためにはこのような過渡運転時
に空燃比ができるだけ変動しないようにすることが好ま
しい。図20および図21は燃料圧センサ42が故障し
ており、O2 センサ43が活性化している場合において
過渡運転が行われた場合に空燃比ができるだけ変動しな
いようにする代表的な二つの方法を示している。
【0076】図20はスロットル弁8を電気モータ等の
アクチュエータにより駆動し、アクセルペダルの踏込み
量に対してスロットル開度TAの変化率を小さくさせる
ようにした場合を示している。このようにスロットル開
度TAの変化量を小さくすることによって空燃比の荒れ
を抑制することができる。図21はスロットル開度TA
と車速の関数である自動変速機のシフトマップを示して
おり、過渡運転時には実線に示すように1速(1st)
と2速(2nd)の切換ラインおよび2速(2nd)と
3速(3rd)の切換ラインを破線に示す通常時に比べ
て低速側に移行させるようにした場合を示している。こ
のように切換ラインを低速側に移行させると1速と2速
間、或いは2速と3速間において切換えが行われたとき
に切換前後における機関回転数差が小さくなり、斯くし
て空燃比の荒れを抑制することができることになる。
【0077】また前述したようにO2 センサ43が活性
化する前はアイドリング運転時の機関回転数に基づいて
燃料圧を制御するようにしている。しかしながらこのよ
うな燃料圧制御方法に代えて燃料圧、排気温或いはアイ
ドリング回転変動を検出してこれらの検出値に基いて燃
料圧制御を行うこともできる。即ち、燃焼速度、即ち燃
焼圧の上昇率から混合気がリーンであるかリッチである
かを判別し、これに基いて燃料圧制御をすることも可能
であるし、また理論空燃比のときに排気温が最も高くな
るので排気温が高くなるように燃料圧を制御することも
可能であるし、また混合気がリーンになるとアイドリン
グ回転変動が大きくなるのでこれに基いて燃料圧制御を
行うこともできる。
【0078】次にO2 センサ43の代わりに空燃比その
ものを検出しうる空燃比センサ43を用いた場合につい
て説明する。この空燃比センサ43は例えば図22に示
されるように空燃比(A/F)に応じた出力電圧Vを発
生し、従って空燃比センサ43の出力電圧Vから空燃比
(A/F)を知ることができる。また、この空燃比セン
サ43を用いた場合には混合気の空燃比が機関の運転状
態に応じてリーン、理論空燃比又はリッチに切換えら
れ、機関運転状態に応じた目標空燃比(A/F) 0 が機
関負荷Q/Nおよび機関回転数Nの関数として図23に
示すマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0079】図24は空燃比センサ43の出力信号に基
いて行われるフィードバック補正係数FAFの制御ルー
チンを示しており、次にこの制御ルーチンについて図2
4を参照しつつ説明する。なお、図24に示すルーチン
は一定時間毎の割込みによって実行される。図24を参
照すると、まず初めにステップ500において空燃比セ
ンサ43が正規の出力を発生しているか否か、即ち空燃
比センサ43が活性化しているか否かが判別される。機
関始動後暫らくの間は空燃比センサ43の温度が低く、
従って空燃比センサ43は活性化していないので処理サ
イクルを完了する。次いで空燃比センサ43の温度が上
昇し、空燃比センサ43が活性化するとステップ501
に進む。
【0080】ステップ501では図23に示すマップか
ら目標空燃比(A/F)0 が算出される。次いでステッ
プ502では空燃比センサ43により検出された空燃比
(A/F)が目標空燃比(A/F)0 よりも大きいか否
かが判別される。(A/F)>(A/F)0 のときには
ステップ503に進んでフィードバック補正係数FAF
に一定値Wが加算され、(A/F)≦(A/F)0 のと
きにはステップ504に進んでフィードバック補正係数
FAFから一定値Wが減算される。このフィードバック
補正係数FAFは通常1.0を中心として上下動する。
【0081】図25は燃料噴射時間TAUの算出ルーチ
ンを示しており、このルーチンは繰返し実行される。図
25を参照するとまず初めにステップ600において図
4に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出され
る。次いでステップ601では図23に示すマップから
目標空燃比(A/F)0 が算出される。次いでステップ
602では基本燃料噴射時間TPを目標空燃比(A/
F)0 で除算することにより空燃比を目標空燃比(A/
F)0 とするのに必要な基本燃料噴射時間TP0 (=T
P/(A/F)0 )が算出される。
【0082】次いでステップ603では空燃比センサ4
3が活性化したか否かが判別される。空燃比センサ43
が活性化していないときにはステップ608に進んでフ
ィードバック補正係数FAFおよび補正係数K1 が1.
0とされる。次いでステップ607に進んで次式に基き
燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP0 ・FAF・K1 このときFAFおよびK1 は共に1.0であるのでTA
U=TP0 となり、燃料噴射時間TAUが基本燃料噴射
時間TP0 となる。
【0083】一方、ステップ603において空燃比セン
サ43が活性化したと判断されたときにはステップ60
4に進んで過渡運転状態であるか否かが判別される。過
渡運転状態でないときにはステップ605に進んで補正
係数K1 は1.0とされ、次いでステップ607に進
む。これに対して過渡運転状態のときにはステップ60
6に進んで加速状態に応じた補正係数K1 、或いは減速
状態に応じた補正係数K 1 が算出される。次いでステッ
プ607に進む。従ってこの実施例では燃料圧センサ4
2が故障したとしても混合気はリーン又はリッチとされ
る。
【0084】次に図26から図28を参照しつつ燃料圧
の制御ルーチンについて説明する。なお、このルーチン
は一定時間毎の割込みによって実行される。図26から
図28を参照するとまず初めにステップ700において
次に噴射すべき噴射量Qf が図25にルーチンにおいて
算出された燃料噴射時間TAUと目標燃料圧P0 から算
出される。次いでステップ701ではこの噴射量Qf
同じ燃料吐出量f(θ)にするのに必要な予測カム角θ
1 が図3に示す関係から算出される。次いでステップ7
02では燃料圧センサ42が故障したか否かが判別され
る。燃料圧センサ42が故障していないときにはステッ
プ703に進んで空燃比センサ43が活性化しているか
否かが判別される。空燃比センサ43が活性化している
ときにはステップ704に進んで図10に示す過渡判定
ルーチンにより制御される過渡フラグがセットされてい
るか否かが判別される。過渡フラグがセットされていな
いときにはステップ705に進む。
【0085】ステップ705ではFAFフラグがセット
されているか否かが判別される。FAFがセットされて
いないときにはステップ706に進んで燃料圧センサ4
2による検出燃料圧Pが目標燃料圧P0 にほぼ等しいか
否かが判別される。PとP0とが等しくないときにはス
テップ713にジャンプして次式に基づきPI制御の積
分項Iが算出される。
【0086】I=I+C2 ・(P0 −P) 次いでステップ714では次式に示すように積分項Iに
比例項C1 ・(P0 −P)を加算することによってPI
制御量θ2 が算出される。 θ2 =C1 ・(P0 −P)+I 次いでステップ715では予測カム角θ1 とPI制御量
θ2 とを加算することによって図2に示す制御パルスを
発生すべきカム角θ(=θ1 +θ2 )が算出される。こ
のカム角θに従ってソレノイド18の制御パルスが発生
せしめられ、それによって燃料リザーバ10内の燃料圧
が目標燃料圧P0 に次第に近づく。
【0087】次いでステップ706において検出燃料圧
Pと目標燃料圧P0 とがほぼ等しくなったと判別された
ときにはステップ707に進んでフィードバック補正係
数FAF1.0との差の絶対値|FAF−1.0|が一
定値Zよりも大きくなったか否かが判別される。この一
定値Zは実燃料圧がほぼ目標燃料圧に一致しているとき
に(FAF−1.0)がとるであろう値の限界値を表わ
している。従って|FAF−1.0|≦Zのときには実
燃料圧がほぼ目標燃料圧P0 になっているものと考えら
れ、このときにはステップ713にジャンプする。
【0088】これに対してステップ707において|F
AF−1.0|>Zであると判別されたときにはステッ
プ708に進んでFAFと1.0との差がΔFAF(=
FAF−1.0)とされる。次いでステップ709に進
んで目標燃料圧P0 にFAF 2 を乗算することにより新
たな目標燃料圧P0 が算出される。次いでステップ71
0では新たな目標燃料圧P0 と検出燃料圧Pとの差圧Δ
P(=P0 −P)が算出される。次いでステップ711
ではFAFフラグがセットされる。次いでステップ71
2では図24に示されるFAFの制御が禁止され、次い
でステップ713に進む。
【0089】FAFフラグがセットされるとステップ7
05からステップ719に進んで次式に基づきフィード
バック補正係数FAFが算出される。 FAF=1.0+ΔFAF・(|P0 −P|/ΔP)1/2 次いでステップ720では|FAF−1.0|が一定値
αよりも小さくなったか否かが判別され、|FAF−
1.0|≧αのときにはステップ713にジャンプす
る。ステップ719におけるFAFの算出は|FAF−
1.0|<αとなるまで続行される。次いでステップ7
20において|FAF−1.0|<αになったと判別さ
れるとステップ721に進んでFAFが1.0とされ、
次いでステップ722においてFAFフラグがリセット
される。次いでステップ723では図24に示すFAF
の制御の禁止が解除され、斯くして図24に示すFAF
の制御ルーチンが再開される。次いでステップ713に
進む。
【0090】一方、ステップ704において過渡フラグ
がセットされていると判断されたときにはステップ71
3にジャンプする。このときにはフィードバック補正係
数FAFに基づく燃料圧制御は行われず、燃料圧は燃料
圧センサ42による検出燃料圧Pによって制御される。
一方、ステップ702において燃料圧センサ42が故障
をしたと判断されたときにはステップ724に進んで空
燃比センサ43が活性化しているか否かが判別される。
空燃比センサ43が活性化しているときにはステップ7
25に進んで過渡フラグがセットされているか否かが判
別される。過渡フラグがセットされていないときにはス
テップ726に進む。ステップ726では(FAF−
1.0)の絶対値|FAF−1.0|が一定値Zよりも
大きいか否かが判別され、|FAF−1.0|≦Zのと
きにはステップ713にジャンプする。これに対して|
FAF−1.0|>Zのときにはステップ727に進
み、目標燃料圧P0 をFAF2により除算することによ
って推定燃料圧P(=P0 /FAF2 )が算出される。
次いでステップ713に進む。
【0091】一方、ステップ725において過渡フラグ
がセットされているときにはステップ733に進む
テップ733では補正係数K1 が1.0であるか否かが
判別され、K1 =1.0でないとき、即ち増量補正(K
1 >1.0)が行われているか又は減量補正(K1
1.0)が行われているときにはステップ734に進ん
でフィードバック補正係数FAFが1.0よりも大きく
なったか否かが判別される。FAF≦1.0のときには
ステップ713にジャンプする。これに対してFAF>
1.0のときにはステップ727に進んで推定燃料圧P
(=P0 /FAF2 )が算出される。一方、ステップ7
33においてK1 =1.0であると判別されたときには
ステップ727に進んで推定燃料圧P(=P0 /FAF
2 )が算出される。
【0092】一方、ステップ702において燃料圧セン
サ42が故障していないと判断され、次いでステップ7
03において空燃比センサ43が活性化していないと判
断されたときにはステップ716に進んで機関アイドリ
ング運転時か否かが判別される。アイドリング運転時で
ないときにはステップ713にジャンプする。これに対
してアイドリング運転時にはステップ717に進む。ス
テップ717では図15に示す関係から目標回転数N0
が算出され、次いでステップ718では次式に基づいて
目標燃料圧P0 が更新される。
【0093】 N0 =N0 ・C3 ・(N0 −N)(C3 は定数) 次いでステップ713に進む。一方、ステップ702に
おいて燃料圧センサ42が故障していると判断され、次
いでステップ724において空燃比センサ43が活性化
していないと判断されたときにはステップ728に進ん
で機関アイドリング運転時であるか否かが判別される。
アイドリング運転時でないときにはステップ715にジ
ャンプする。これに対してアイドリング運転時にはステ
ップ729に進む。ステップ729では図15に示す関
係から目標回転数N0 が算出され、次いでステップ73
0では機関回転数Nが目標回転数N0 よりも低いか否か
が判別される。N0 >Nのときにはステップ731に進
んでカム角の制御量θ2 に一定値αが加算され、次いで
ステップ715に進む。これに対してN0 ≦Nのときに
はステップ732に進んでカム角の制御量θ2 から一定
値αが減算され、次いでステップ715に進む。
【0094】なお、図28のステップ725,726,
727,733および734からわかるようにこの実施
例では燃料圧センサ42が故障したときの過渡運転時に
比例項の係数C1 および積分項の係数C2 を定常時に比
べて特に大きくしていない。これは、この実施例では空
燃比の変動量がただちにフィードバック補正係数FAF
の変動量となって表れ、従って過渡運転時にこれら係数
1 ,C2 を大きくする必要がないからである。
【0095】
【発明の効果】燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を正
確に予め定められた圧力に一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】溢流弁の制御方法を説明するための図である。
【図3】燃料吐出量f(θ)を示す図である。
【図4】基本燃料噴射時間TPのマップを示す図であ
る。
【図5】フィードバック補正係数FAFの変化を示す図
である。
【図6】フィードバック補正係数FAFを制御するため
のフローチャートである。
【図7】燃料噴射時間TAUを算出するためのフローチ
ャートである。
【図8】燃料圧の変化等を示す図である。
【図9】噴射量の変化等を示す図である。
【図10】過渡運転状態を判定するためのフローチャー
トである。
【図11】判別値Yを示す図である。
【図12】燃料圧の変化等を示す図である。
【図13】燃料圧の変化等を示す図である。
【図14】機関回転数の変化等を示す図である。
【図15】目標回転数を示す図である。
【図16】機関回転数の変化等を示す図である。
【図17】燃料圧を制御するためのフローチャートであ
る。
【図18】燃料圧を制御するためのフローチャートであ
る。
【図19】燃料圧を制御するためのフローチャートであ
る。
【図20】スロットル開度TAの変化を示す図である。
【図21】自動変速機のシフトマップを示す図である。
【図22】空燃比センサの出力を示す図である。
【図23】目標空燃比(A/F)0 のマップを示す図で
ある。
【図24】フィードバック補正係数FAFを制御するた
めのフローチャートである。
【図25】燃料噴射時間TAUを算出するためのフロー
チャートである。
【図26】燃料圧を制御するためのフローチャートであ
る。
【図27】燃料圧を制御するためのフローチャートであ
る。
【図28】燃料圧を制御するためのフローチャートであ
る。
【符号の説明】
3…燃料噴射弁 10…燃料リザーバ 13…燃料ポンプ 42…燃料圧センサ 43…O2 センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−126057(JP,A) 特開 昭58−165563(JP,A) 特開 昭58−128425(JP,A) 特開 昭50−53722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/20 395 F02D 41/14 310 F02D 41/22 395 F02D 41/38 F02M 47/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を予
    め定められた圧力に制御するようにした内燃機関におい
    て、機関において燃焼せしめられる混合気の空燃比を検
    出するために機関排気通路内に配置された空燃比検出手
    段と、燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を予め定めら
    れた圧力に制御する燃料圧制御手段と、燃料噴射弁に供
    給される燃料の圧力を検出する燃料圧検出手段とを具備
    し、燃料圧検出手段が正常に作動しているときには該燃
    料圧検出手段により検出された燃料の圧力および上記空
    燃比検出手段により検出された空燃比の双方に基いて上
    記燃料圧制御手段により燃料噴射弁に供給される燃料の
    圧力が予め定められた圧力に制御され、燃料圧検出手段
    が故障したときには上記空燃比検出手段により検出され
    た空燃比に基いて上記燃料圧制御手段により燃料噴射弁
    に供給される燃料の圧力が予め定められた圧力に制御さ
    れる内燃機関の燃料圧制御装置。
  2. 【請求項2】 上記燃料圧検出手段が正常に作動してい
    るときに機関の運転状態が過渡運転状態となったときに
    は該燃料圧検出手段により検出された燃料の圧力に基い
    て上記燃料圧制御手段により燃料噴射弁に供給される燃
    料の圧力が予め定められた圧力に制御される請求項1に
    記載の内燃機関の燃料圧制御装置。
  3. 【請求項3】 機関の運転状態が過渡運転状態となった
    ときに上記空燃比検出手段により検出された空燃比がリ
    ッチである間は上記燃料圧制御手段によるリッチ空燃比
    に基く上記燃料の圧力の低下制御を禁止する禁止手段を
    具備した請求項1に記載の内燃機関の燃料圧制御装置。
  4. 【請求項4】 上記空燃比検出手段による空燃比の検出
    が開始される前は機関回転数に基いて上記燃料圧制御手
    段により燃料噴射弁に供給される燃料の圧力が予め定め
    られた圧力に制御される請求項1に記載の内燃機関の燃
    料圧制御装置。
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