JP3343151B2 - 自立瓶 - Google Patents

自立瓶

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JP3343151B2
JP3343151B2 JP8140293A JP8140293A JP3343151B2 JP 3343151 B2 JP3343151 B2 JP 3343151B2 JP 8140293 A JP8140293 A JP 8140293A JP 8140293 A JP8140293 A JP 8140293A JP 3343151 B2 JP3343151 B2 JP 3343151B2
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伸一 上原
要一 土屋
健 比田井
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0223Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by shape
    • B65D1/0261Bottom construction
    • B65D1/0284Bottom construction having a discontinuous contact surface, e.g. discrete feet

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  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自立瓶に関し、特に、
容器自体とこれを自立させるための脚部とが一体成形さ
れている自立瓶の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、二軸延伸ブロー成形容器と称さ
れる合成樹脂製の薄肉の容器(以下、成形品という)
は、例えば射出成形によって得られた有底パリソンをブ
ロー型のキャビティ内に位置させ、容器の軸方向に縦軸
延伸させると共に、内部に吹き込んだ気体の圧力によっ
て軸方向と直角な方向に膨張させることが行われる。
【0003】ところで、二軸延伸ブロー成形される容器
には、自立瓶と称される容器がある。この容器の構成の
一つとして、二軸延伸ブロー成形によって底部を半球形
状に設定された容器本体と、この本体を自立させるため
に底部に装着されるベースカップとを有する構成があ
る。
【0004】容器本体の底部を半球形状としているの
は、充填された中身、例えば、炭酸等の充填物からの気
化ガスによる内圧を底部内面に均等に作用させるためで
ある。また、脚部は、容器本体を支えるため、あるい
は、装飾的な意味合いで着色するような場合のために、
容器本体とは別材質のもので構成されることがあり、例
えば、容器本体がポリ・エチレン・テレフタレート(P
ET)によって形成されている場合には、PETとは異
なる材質を用いられることがある。
【0005】しかしながら、材質の異なる部品を用いた
容器、所謂、自立瓶では、リサイクルを行ううえで部品
毎の仕分けが必要になる。従って、リサイクルする際に
簡単に再処理工程を実行することが困難であるととも
に、再処理すべき部品の点数が多くなるという問題があ
った。
【0006】そこで、従来では、複数の部品で構成する
ことなく、容器本体と脚部とを一体成形によって、所
謂、ワンピース瓶として形成することが実用化されてい
る。
【0007】すなわち、図5は、上述したワンピース瓶
100を示しており、このワンピース瓶100は、接地
部をなす脚部120が、底部110の周方向にて等間隔
で放射状に複数本、例えば、奇数本形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種、自
立瓶に要求される機械的特性として、耐内圧性がある。
この耐内圧性に関する具体的な特性値としては、例え
ば、充填される中身を炭酸とした場合、10.5kg/
cm2 以上が必要とされている。この値は、当然のこと
であるが、輸送中での衝撃による発泡および外気温が上
昇した場合の発泡による内圧上昇を見込んだ安全率を考
慮して設定されている。
【0009】しかしながら、このような機械的特性とい
う観点で自立瓶を検討すると、次のような問題があっ
た。
【0010】すなわち、自立瓶をブロー成形する場合に
は、縦軸延伸に用いられるストレッチロッドと接触する
ことで瓶の底部中央位置が冷却され、所謂、未延伸部分
となる。従って、このような未延伸部が存在している
と、その部分での配向性が低いことを理由に機械的強度
が得にくい。しかしながら、容器本体と脚部とを別体で
構成した、所謂、ツーピース瓶の場合には、容器本体の
底部が半球形状をなしているので未延伸による肉厚が十
分厚ければ、底部から破裂するという事態はさほど起こ
らないのが現状である。
【0011】一方、ワンピース瓶の場合には、次の理由
によって、底部での破裂を起こす危険が考えられる。
【0012】すなわち、奇数本の脚部を有する瓶では、
図6において符号Pで示すように、底部の中心位置から
脚部に向け移行する境界の形状反転点Pが存在してい
る。この反転点Pは、上述したストレッチロッドとの関
係で延伸率が低く、所謂、未延伸部に存在している。
【0013】このような未延伸による強度が比較的低い
位置である反転点Pは、内圧による応力集中が発生しや
すい。
【0014】一方、上述した形状反転点Pを有する脚部
は、瓶の中心に向けて形成されているので、底部中心で
は、全ての脚部に発生する応力集中を担うことになる。
【0015】しかしながら、底部中心は、上述した形状
反転点Pよりも亀裂が生じやすく、この亀裂の存在によ
って底部が破裂しやすくなることがある。
【0016】すなわち、有底パリソン底部には、射出成
形時に形成されるゲート部があるが、このゲート部は、
シア熱(射出ゲートを通過する材料中に発生する剪断方
向の力による熱)の発生による微結晶部分や歪が多く存
在しており、所謂、安定した分子構造を呈していない不
均質部分である。
【0017】この分子構造に関し、形状反転点Pでは、
非晶構造、所謂、アモルファスであるために、比較的安
定した構造を呈している。一方、底部中心は不均質部分
であるため、微視的には応力集中が生じやすい場所とい
え、その周囲にひび(クレイズ)や亀裂(クラック)が
発生しやすくなる。
【0018】このような底部に位置するゲート部での欠
陥は、1ステージ方式に限らず、射出成形部と最終ブロ
ー成形部とが別の基台上に設置された、所謂、2ステー
ジ方式の場合のパリソンでもいえる。
【0019】また、この種、ブロー成形により自立瓶を
成形する場合には、射出成形されたパリソンに残ってい
るゲートを除去する場合がある。すなわち、図7に示す
ように、射出成形後、まだ柔らかい状態のゲートをニッ
パ130等によって押しつぶした後に裁断して除去する
場合がある。なお、図7中、二点鎖線で示すニッパ13
0および符号140は、裁断時の状態および除去された
ゲートをそれぞれ示している。
【0020】しかしながら、ニッパ130の刃の形式に
もよるが、押し潰されたゲートの根元までが完全に除去
されてゲート痕跡が全くなくなるようにすることは困難
であり、往々にしてゲートの根元が、図8に示すよう
に、エッジ状あるいはリング状に残り、所謂、ゲート痕
跡150となる。なお、図9は、図8において符号Xで
示した方向からみたゲート痕跡150の状態を示してい
る。特に、所謂、2ステージ方式では、射出成形後、ゲ
ートを除去した際のゲート痕跡を完全になくすための処
理時間を設けることが可能であるものの、1ステージ方
式では、同じ基台上での成形品の搬送サイクル時間が限
定されている関係上、ゲート痕跡を完全になくすことは
困難である。
【0021】ところで、ゲート痕跡150、特に、痕跡
として存在するエッジは、瓶底部の表面から僅かに突出
した形状をなし、比較的熱容量が小さくなっているので
早期に冷えて固化しやすい。従って、ブロー成形時での
ブロー圧力によって瓶底部がキャビティ面に加圧された
場合、固化したエッジが、これよりも熱容量が大きくて
ブロー成形時には未だある程度の柔らかさを残している
底部の肉部内に埋没することがある。本来ならば、埋没
したゲート痕跡150と底部110の肉部とは一体化さ
れることが理想であるが、上述したように、お互いの熱
容量の違いによって固化速度が異なるので一体化するこ
とが困難である。従って、エッジは、図10(A)ある
いは(B)に示すように、押し潰された際に底部との間
で未接着な状態のままで底部表面に残存することがあ
る。このため、最終ブロー成形後には、図10(C)あ
るいは(D)に示すように、底部とエッジとの間の未接
着部分が割れ目160と同じ状態をなし、この周りに応
力集中が発生すると、亀裂が生じてしまう場合がある。
当然のことではあるが、未接着部分が存在している底部
の肉厚は、底部の他の部分に比較して薄くなっているの
で、内圧が作用した場合の耐久性も低くなる。なお、図
10において、(C)は(A)に示したゲート痕跡の変
形後を、また、(D)は(B)に示したゲート痕跡の変
形後をそれぞれ示している。
【0022】このような問題は、上述したようにゲート
の裁断を行う自立瓶では特に顕著であるほか、ゲートレ
ス構造あるいはゲート付きのものであっても、所謂、ゲ
ート痕が残っている底部を有する自立瓶に対しても同じ
ようにいえることである。
【0023】そこで、本発明の目的とするところは、上
記した従来の自立瓶における問題に鑑み、耐内圧性をも
たせて、特に、底部の破裂などを引起こすことがない構
造を備えた自立瓶を提供することにある。
【0024】また、本発明の別の目的とするところは、
底部に耐内圧性をもたせるにあたり、底部の肉厚の減少
を抑えることができる構造を備えた自立瓶を提供するこ
とにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、下向き凸の略半球形状の底部の周方向にて等間
隔となる3箇所以上の箇所に、下方に向け放射状に突出
する脚部を有する自立瓶において、縦軸中心線上の底部
頂部の周縁領域に周方向にて上向きに窪む周リブを設
け、前記周リブの外縁は、前記略半球形状の底部と接続
され、かつ前記底部から前記脚部へ移行する形状反転点
よりも底部中心側にあり、前記脚部の接地端からの前記
周リブの外縁の高さをH1とし、前記底部頂部の高さを
H2としたとき、前記底部頂部が前記周リブの外縁より
も下向きに突出した膨出部とされて、H2<H1の関係
が成立することを特徴としている(図2及び図3参
照)。
【0026】請求項2記載の発明は、底部にゲート痕跡
を有する有底パリソンを二軸延伸ブロー成形して形成さ
れ、下向き凸の略半球形状の底部の周方向にて等間隔と
なる3箇所以上の箇所に、下方に向け放射状に突出する
脚部を有する自立瓶において、下向き凸の前記底部の頂
部領域に、該頂部領域の中心部が周縁部よりも下方に膨
出することで形成された膨出部を設け、この膨出部の半
径をrとし、前記周縁部からの突出高さをhとし、前記
パリソン底部に残存するゲート痕跡の半径をr1 、そ
の突出高さをh1 としたとき、 r>r1でかつh>h1 の関係に設定されていることを特徴としている。
【0027】
【0028】
【作用】自立瓶、特に、形状が反転する部分を有する自
立瓶では、射出成形時での微結晶部分や歪が多く存在し
ている底部ゲート部の周囲に応力集中が発生しやすく、
亀裂やひび割れが生じやすくなる。
【0029】また、これとは別に底部の耐内圧性を確保
できなくなる要因の一つに肉厚の変化がある。底部表面
に残存するゲート痕跡がブロー圧により押し潰されるこ
とによって、底部との間で未接着部分を生じることがあ
り、この部分が成形後に割れ目をなすことがある。従っ
て、割れ目があるとその部分の肉厚も薄くなり、この部
分に応力集中が発生しやすいことで亀裂が生じやすくな
る。
【0030】そこで、本発明では、ゲート痕跡よりも外
側で、かつ、反転点よりも内側に今一つの形状反転部を
なす周リブを形成している。これにより、不均一部分で
機械的強度が低くなりがちな底部中央、特に、ゲート周
囲での応力集中を分散させることができる。特に、ゲー
ト痕跡及びその周囲は、シア熱による微結晶や歪がある
ことで亀裂が発生しやすく、応力集中が発生することは
底部の破裂という点で好ましくないが、上述した応力集
中の分散によって、底部の破裂を未然に防止することが
できる。
【0031】また本発明では、有底パリソンに残存する
ゲート痕跡によって底部の肉厚が薄くなってしまうのを
防止することができる。すなわち、ゲート痕跡は、押し
潰されて倒れた状態の時、底部との間で未接着部分が残
存することがあり、この未接着部分が底部の割れ目に相
当することになる。そこで、本発明では、底部中央に膨
出部を形成している。この膨出部は、ゲート痕跡を収容
できる容積をもつ形状寸法を設定されたキャビティ面に
よって形成されることで、ブロー成形時に、ゲート痕跡
を膨出部の形状に倣って付形させることができる。この
ため、ゲート痕跡は、底部の一部として常に一定した形
に形状出しされることになるので、ゲート痕跡が押し潰
されることがない。
【0032】
【実施例】以下、図面において本発明の詳細を説明す
る。
【0033】図1は、本発明による自立瓶の底部を成形
するために用いられる型を示す断面図である。
【0034】すなわち、本発明による自立瓶を形成する
ためのブロー型10は、複数の半径S1、S2によっ
て、瓶胴部および底部にそれぞれ対向するキャビティ面
10A、10Bが形成されている。これは、仮に、自立
瓶の底部が瓶胴部半径まで膨張した場合においても、図
1において符号10Cで示すキャビテイ面で成形される
脚部の接地面よりも下方に底部が到達しないようにする
ためである。このような半径の設定により、底部が内圧
によってあるいは落下衝撃力を受けた際に変形した場合
であっても、底部が脚部の接地面から下方に飛出すこと
がない。従って、底部が飛出した場合に生じる自立瓶の
自立性の悪化、所謂、自立安定性の悪化を防ぐことがで
きる。
【0035】一方、成形品である自立瓶の底部に対面す
るキャビテイ面10Bには、リング状の突起10Dが形
成されている。リング状突起10Dは、本実施例の特徴
的な構成であり、自立瓶での応力拡散のために設けられ
ている。
【0036】すなわち、リング状突起10Dは、自立瓶
の底部に対向するキャビテイ面からキャビティ面内方に
向けて、例えば1mm以上、好ましくは、1〜2mm程
度の高さを設定されて形成されている。
【0037】そして、リング状突起10Dの形成位置
は、反転点Pおよびゲート痕跡との間で次のような関係
を設定されている。なお、次に挙げる位置関係におい
て、底部とは、成形される自立瓶での呼称を意味し、図
1では、底部に対向するキャビティ面10Bが相当して
いる。
【0038】いま、底部の中心位置(符号Lで示す中心
線と交差する位置)からリング状突起10Dの内側まで
の半径をRとし、底部の中心位置から脚部成形用のキャ
ビティ面10Cに向け移行する境界の形状反転点Pまで
の半径をR1とし、そして、底部に残存するゲート痕跡
の半径をR2としたとき、 R2<R≦R1 の関係を設定されている。
【0039】従って、リング状突起10Dは、ゲート痕
跡の位置よりも底部中心から外側で、かつ、反転位置P
よりも底部中心に片寄った位置で、例えば、自立瓶内の
内方に向け突出させてある。
【0040】本実施例は以上のような構成であるから、
図1に示したブロー型10を用いて成形された自立瓶
は、図2に示す底部20の形状を有する。
【0041】すなわち、自立瓶の底部20は、ストレッ
チロッド(図示されず)およびブロー圧力による縦軸お
よび横軸の二軸方向の延伸により、ブロー型10のキャ
ビテイ面10A、10Bおよび10Cにそれぞれ接触す
ることになる。自立瓶は、ストレッチロッドにより縦軸
方向に延伸されながらブロー圧によって側壁に対向する
キャビテイ面10Aに接触することで側壁部が成形さ
れ、そして、脚部に対向するキャビテイ面10Cよりも
先に底部に対向するキャビティ面10Bに接触すること
で底部が未延伸状態での肉厚を設定される。
【0042】一方、底部20がこれに対向するキャビテ
ィ面10Bに接触すると、キャビティ面10Bに形成さ
れているリング状突起10Dにより、底部の一部、つま
り、図2において、二転鎖線で示すゲート痕跡よりも外
側の位置で、しかも、反転点Pよりも内側の位置で空間
内に向け突出する周リブ22が形成される。
【0043】この周リブ22は、底部20に残っている
ゲート痕跡の周囲近傍で変形部を構成しており、応力集
中が発生する部分である。従って、底部20では、応力
集中が分散されることになる。このため、ゲート痕跡が
存在している箇所では、この部分に応力集中が発生した
場合にひび割れや亀裂を生じやすいが、応力集中を分散
することで、ゲート痕跡周囲での応力集中を弱めること
ができ、これによって、ひび割れや亀裂の発生を抑える
ことができる。なお、周リブ22を形成することで底部
での応力集中を分散する作用は、形状反転点Pにも影響
し、この部分での応力集中も軽減されることになる。し
かも、周リブ22は、底部での曲げモーメントに対して
も効果を発揮するので、この点からも底部の破裂を効率
良く回避することができる。
【0044】一方、図3に示すように、本実施例では、
図10において説明したように、ゲート痕跡が成形時に
用いられるブロー圧力によって押し潰される場合の問
題、つまり、ゲート痕跡が底部の肉部内に埋没する際、
未接着部分が割れ目状になって底部の肉厚が薄くなると
ともにその部分への応力集中を招くという問題を解決す
るための構造が設けられている。
【0045】すなわち、図3は、上述した構造を示すブ
ロー型10の断面図であり、この構造は、自立瓶の底部
に対向するキャビティ面10Bに形成された凹部10E
によって構成されている。この凹部10Eは、自立瓶の
底部20において、下向き凸に形成される頂部領域で、
中心部が周縁部よりも下方に膨出する膨出部24を形成
するために設けられている。
【0046】そして、凹部10Eは、パリソン30の底
部中心位置から、図中、二点鎖線で示すパリソン30の
ゲート痕跡の半径をr1とし、凹部10Eの半径をrと
した場合、r>r1の関係を設定され、ゲート痕跡より
も外側に凹部10Eの外周部が位置している。
【0047】また、図3において、凹部10Eの深さ
(h)は、ゲート痕跡を収容できる空間容積を得られる
ようにパリソン30のゲート痕跡の突出高さ(h1)に
対してh>h1の関係を設定されている。
【0048】なお、この凹部10Eは、その深さ(h)
に関して、自立瓶の膨出部24が、図3に示す底部の半
径S2を逸脱しない程度の寸法に設定されることが好ま
しい。これは、自立瓶の底部が飛出した場合の自立安定
性を悪化させないためである。さらに、図4において、
凹部10Eの外周部から連続する側壁面10Fは、立ち
上がる角度を略直角に近い角度に設定されることが好ま
しい。これは、ブロー成形された場合に、凹部10Eの
内部に収容されているゲート痕跡のエッジ部が凹部10
Eによって押し潰されることがないようにするためであ
る。
【0049】このような構造からなる凹部10Eは、外
周部がゲート痕跡よりも外側に位置しているので、ゲー
ト痕跡を自立瓶の底部として形状出しすることができ
る。つまり、図3において二点鎖線で示すように、パリ
ソン先端部に残存しているゲート痕跡は、凹部10Eに
位置した後、従来のようにキャビティ面で押し潰される
のではなく、凹部10Eの形状に倣って付形されること
になる。従ってパリソン30のゲート痕跡の形状が、カ
ッティングによって区々になっても、自立瓶にブロー成
形した後のゲート痕跡は、図3において実線で示すよう
に、一定した形状の底部の一部として形状出しされるこ
とになる。このため、ゲート痕跡は、底部との間で未接
着部分を生じないので、底部での肉厚の変化、つまり、
薄くなる事態が回避される。
【0050】このようなゲート痕跡を底部の形状出しに
用いる場合には、比較的、変形のための熱保有量が残っ
ているホットパリソン方式が効果的である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
周リブを設けることで、自立瓶の底部での応力集中部を
複数に分散することができる。従って、微結晶部分でし
かも歪によりひび割れや亀裂が生じやすいゲート痕跡お
よびその周囲への応力集中を抑えることができる。
【0052】また、本発明によれば、ゲート痕跡が押し
潰されて底部との間に未接着部分が生じるのを防止する
ことで未接着部分が割れ目として残るのを避けて、この
部分への応力集中を防止することができる。すなわち、
底部には、下向き凸の頂部領域に、ゲート痕跡を収容で
きる容積をもつキャビティ面によって成形された膨出部
が設けられている。従って、ゲート痕跡は、ブロー成形
される際に、膨出部を形成するためのキャビティ面に倣
って付形されることになる。このため、一定形状の底部
の一部として形状出しされるゲート痕跡は、キャビティ
面によって押し潰されることがないので、底部との未接
着部、つまり、割れ目を残すことがない。これにより、
亀裂も発生しないのでこの部分への応力集中を回避する
ことができる。
【0053】このように、底部での応力集中箇所の分散
および応力集中が発生しやすい亀裂の発生を防止するこ
とによって、未延伸部に相当する底部での強度を向上さ
せて耐内圧性を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自立瓶を形成するために用いられ
るブロー型の底部構造を示す断面図である。
【図2】図1に示したブロー型により成形される自立瓶
の底部構造を示す断面図である。
【図3】本発明による自立瓶の底部の他の部分を成形す
るために用いられるブロー型の底部構造を示す断面図で
ある。
【図4】図3に示した自立瓶の他の部分の一部構造を説
明するための図3相当の断面図である。
【図5】自立瓶の一例を示す斜視図である。
【図6】図5中、符号Zで示す部分の構造を示す断面図
である。
【図7】自立瓶の成形に用いられるパリソンのゲート痕
跡を除去するための構造を示す模式図である。
【図8】図7に示したパリソンの底部構造、特にゲート
痕跡の構造を示す模式的な断面図である。
【図9】図8中、符号Xで示す方向の矢視図である。
【図10】図8に示したゲート痕跡の成形時での状態を
示す断面図であり、(A)および(B)は成形前に残存
するゲート痕跡の形態を示し、(C)および(D)は
(A)および(B)に示した形態のゲート痕跡が成形さ
れた後の形態を示している。
【符号の説明】
10 自立瓶を成形するためのブロー型 10A 自立瓶の側壁に対向するキャビティ面 10B 自立瓶の底部に対向するキャビティ面 10C 自立瓶の脚部に対向するキャビティ面 10D 自立瓶の周リブを形成するための周状突起 10E 自立瓶の膨出部を形成するための凹部 20 自立瓶 22 周リブ 24 膨出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−9880(JP,A) 実開 昭59−178214(JP,U) 実開 平6−39716(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/02 B65D 1/00 B65D 1/02 B65D 1/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下向き凸の略半球形状の底部の周方向に
    て等間隔となる3箇所以上の箇所に、下方に向け放射状
    に突出する脚部を有する自立瓶において、 縦軸中心線上の底部頂部の周縁領域に周方向にて上向き
    に窪む周リブを設け、前記周リブの外縁は、前記略半球形状の底部と接続さ
    れ、かつ前記底部から前記脚部へ移行する形状反転点よ
    りも底部中心側にあり、 前記脚部の接地端からの前記周リブの外縁の高さをH1
    とし、前記底部頂部の高さをH2としたとき、前記底部
    頂部が前記周リブの外縁よりも下向きに突出した膨出部
    とされて、H2<H1の関係が成立することを特徴とす
    る自立瓶。
  2. 【請求項2】 底部にゲート痕跡を有する有底パリソン
    を二軸延伸ブロー成形して形成され、下向き凸の略半球
    形状の底部の周方向にて等間隔となる3箇所以上の箇所
    に、下方に向け放射状に突出する脚部を有する自立瓶に
    おいて、 下向き凸の前記底部の頂部領域に、該頂部領域の中心部
    が周縁部よりも下方に膨出することで形成された膨出部
    を設け、この膨出部の半径をrとし、前記周縁部からの
    突出高さをhとし、前記パリソン底部に残存するゲート
    痕跡の半径をr1、その突出高さをh1としたとき、 r>r1でかつh>h1 の関係に設定されていることを特徴とする自立瓶。
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