JP3342993B2 - 鋼板の均一冷却方法 - Google Patents
鋼板の均一冷却方法Info
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- JP3342993B2 JP3342993B2 JP19477095A JP19477095A JP3342993B2 JP 3342993 B2 JP3342993 B2 JP 3342993B2 JP 19477095 A JP19477095 A JP 19477095A JP 19477095 A JP19477095 A JP 19477095A JP 3342993 B2 JP3342993 B2 JP 3342993B2
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- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板の均一冷却方法に
関し、特に高温鋼板を水冷する際の幅方向均一冷却に好
適な鋼板の均一冷却方法に関する。
関し、特に高温鋼板を水冷する際の幅方向均一冷却に好
適な鋼板の均一冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼板製造プロセスにおいては、
鋼板の機械的性質向上のための変態組織制御手段として
オンライン制御冷却が行われている。これは通常、鋼板
幅方向をカバーする長さを有するノズルヘッダを搬送ラ
インに沿って上下に複数本配列し、各ノズルヘッダに設
けたノズルから、搬送ラインを通過する高温鋼板に冷却
水を噴射するという方法で行われる。
鋼板の機械的性質向上のための変態組織制御手段として
オンライン制御冷却が行われている。これは通常、鋼板
幅方向をカバーする長さを有するノズルヘッダを搬送ラ
インに沿って上下に複数本配列し、各ノズルヘッダに設
けたノズルから、搬送ラインを通過する高温鋼板に冷却
水を噴射するという方法で行われる。
【0003】かかる鋼板の冷却方法において、噴射水量
を板幅方向で均等に設定すると、噴射された冷却水は鋼
板表面に沿って端部から流れ落ちるため、図9に示され
るように、板幅方向の板上通過水量密度(鋼板単位表面
積当たりの冷却水通過流量)はセンター(中央部)から
エッジ(端部)に向かうほど高くなるように分布する。
冷却後の鋼板温度を決定するのは鋼板表面から冷却水へ
の熱流束であり、この熱流束は図11に示されるように一
般に水量密度が高いほど大きい。そのため板幅方向のエ
ッジほど冷却が早く進行するいわゆるエッジ過冷却が生
じ、図7に示されるように、板幅方向の冷却後温度がエ
ッジほど低い分布を呈し、その結果、鋼板幅方向では長
手方向に比べて材質の不均一が発生しやすいという問題
があった。
を板幅方向で均等に設定すると、噴射された冷却水は鋼
板表面に沿って端部から流れ落ちるため、図9に示され
るように、板幅方向の板上通過水量密度(鋼板単位表面
積当たりの冷却水通過流量)はセンター(中央部)から
エッジ(端部)に向かうほど高くなるように分布する。
冷却後の鋼板温度を決定するのは鋼板表面から冷却水へ
の熱流束であり、この熱流束は図11に示されるように一
般に水量密度が高いほど大きい。そのため板幅方向のエ
ッジほど冷却が早く進行するいわゆるエッジ過冷却が生
じ、図7に示されるように、板幅方向の冷却後温度がエ
ッジほど低い分布を呈し、その結果、鋼板幅方向では長
手方向に比べて材質の不均一が発生しやすいという問題
があった。
【0004】このエッジ過冷却を防ぐ方法として、これ
までに、冷却設備に遮蔽板を設置して鋼板幅端部に上部
ヘッダからの冷却水が直接かからないようにする方法
(特開昭58-32511号公報)、幅方向に対して水量分布が
最適流量クラウンになるように制御する方法(特開昭61
-193717 号公報)、スリットノズルタイプの冷却ヘッダ
のスロート部の間にアリ溝を設けて該アリ溝内に移動可
能に設けたマスク部材により水膜の幅を変える方法(実
開昭59-106612 号公報)などが提案されている。
までに、冷却設備に遮蔽板を設置して鋼板幅端部に上部
ヘッダからの冷却水が直接かからないようにする方法
(特開昭58-32511号公報)、幅方向に対して水量分布が
最適流量クラウンになるように制御する方法(特開昭61
-193717 号公報)、スリットノズルタイプの冷却ヘッダ
のスロート部の間にアリ溝を設けて該アリ溝内に移動可
能に設けたマスク部材により水膜の幅を変える方法(実
開昭59-106612 号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
技術の方法では、図10に示すように、板上通過水量密度
の板幅方向分布がセンターよりエッジで高い傾向は依然
として解消せず、根本的な解決にはならない。板幅方向
の均一冷却を実現するためには、板上通過水量密度を板
幅方向に可能な限り均等に分布させることが不可欠であ
る。
技術の方法では、図10に示すように、板上通過水量密度
の板幅方向分布がセンターよりエッジで高い傾向は依然
として解消せず、根本的な解決にはならない。板幅方向
の均一冷却を実現するためには、板上通過水量密度を板
幅方向に可能な限り均等に分布させることが不可欠であ
る。
【0006】そこで、本発明は、高温鋼板の制御冷却に
おいて、板上通過水量密度を板幅方向に均等に分布させ
ることができる鋼板の均一冷却方法を提供することを課
題とする。
おいて、板上通過水量密度を板幅方向に均等に分布させ
ることができる鋼板の均一冷却方法を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、上下からの冷却水により冷却され
つつある鋼板の幅端部の一方と他方に交互に高速気流
を、上からの冷却水が、表面に達して板状通過冷却水と
なったものは気流が噴射されない側の端部より流出し、
気流が噴射された側の端部には達しないように、噴射し
て鋼板の幅端部と板上通過冷却水との接触時間を制御す
ることを特徴とする鋼板の均一冷却方法である。
になされた本発明は、上下からの冷却水により冷却され
つつある鋼板の幅端部の一方と他方に交互に高速気流
を、上からの冷却水が、表面に達して板状通過冷却水と
なったものは気流が噴射されない側の端部より流出し、
気流が噴射された側の端部には達しないように、噴射し
て鋼板の幅端部と板上通過冷却水との接触時間を制御す
ることを特徴とする鋼板の均一冷却方法である。
【0008】
【作用】本発明は前記構成を採用したことにより、高温
の鋼板の板上通過水量密度の幅方向分布を高速気流噴射
によってきめ細かく制御できるので、全冷却過程を分割
した素過程が短時間であっても各々の素過程において時
間平均的に幅方向に均等化された板上通過水量密度の分
布パターンを得ることができる。したがって熱流束の鋼
板幅方向分布も均等化され、冷却不均一が解消し、均質
な材質の作り込みと、良好な形状をもつ鋼板の製造が可
能となる。
の鋼板の板上通過水量密度の幅方向分布を高速気流噴射
によってきめ細かく制御できるので、全冷却過程を分割
した素過程が短時間であっても各々の素過程において時
間平均的に幅方向に均等化された板上通過水量密度の分
布パターンを得ることができる。したがって熱流束の鋼
板幅方向分布も均等化され、冷却不均一が解消し、均質
な材質の作り込みと、良好な形状をもつ鋼板の製造が可
能となる。
【0009】
【実施例】本発明の実施の形態の説明図を図1に示す。
図1において、1はノズルヘッダ、11はノズル、2は鋼
板、3は気流噴射ノズル、4は給水管、5はテーブルロ
ーラである。図1に示されるように、高温の鋼板2は、
テーブルローラ5によって搬送されながら、給水管4か
ら供給されノズルヘッダ1に設けたノズル11から落下す
る冷却水によって冷却される。鋼板2の表面に達した冷
却水は板上通過冷却水となり、気流噴射ノズル3の作用
により、気流が噴射されない側の端部より流出し、気流
が噴射された側の端部には達しない。この気流噴射ノズ
ル3は、幅方向の左右の端部の上方に設置され、オン、
オフ、噴射気流の流速および噴射角度を選択することが
できる。これにより、板幅方向に均一な板上通過水量密
度を形成するのに最適な気流噴射パターンを付与でき
る。
図1において、1はノズルヘッダ、11はノズル、2は鋼
板、3は気流噴射ノズル、4は給水管、5はテーブルロ
ーラである。図1に示されるように、高温の鋼板2は、
テーブルローラ5によって搬送されながら、給水管4か
ら供給されノズルヘッダ1に設けたノズル11から落下す
る冷却水によって冷却される。鋼板2の表面に達した冷
却水は板上通過冷却水となり、気流噴射ノズル3の作用
により、気流が噴射されない側の端部より流出し、気流
が噴射された側の端部には達しない。この気流噴射ノズ
ル3は、幅方向の左右の端部の上方に設置され、オン、
オフ、噴射気流の流速および噴射角度を選択することが
できる。これにより、板幅方向に均一な板上通過水量密
度を形成するのに最適な気流噴射パターンを付与でき
る。
【0010】例えば、左上側の気流噴射ノズル3から鋼
板2の左端部に向けてt1 秒間気流を噴射すると、板上
通過水量密度は、図2に示されるように幅方向に右上が
りの分布を呈し、続いて右上側の気流噴射ノズル3から
鋼板2の右端部に向けてt2秒間気流を噴射すると、板
上通過水量密度は、図3に示されるように逆に右下がり
の幅方向分布を呈する。左右の気流噴射ノズル3の各々
の噴射時間を等しくすれば、t1 +t2 秒間の板上通過
水量密度の幅方向分布は、図4に示されるようにほぼ均
等化される。この気流噴射時間(t1 秒およびt2 秒)
はいくらでも短くできるから、きめ細かい制御が可能で
あり、したがって全冷却過程を分割した素過程(t1 +
t2 秒間)が短時間であっても各々の素過程において時
間平均的に幅方向に均等化された板上通過水量密度の分
布パターンを得ることができる。
板2の左端部に向けてt1 秒間気流を噴射すると、板上
通過水量密度は、図2に示されるように幅方向に右上が
りの分布を呈し、続いて右上側の気流噴射ノズル3から
鋼板2の右端部に向けてt2秒間気流を噴射すると、板
上通過水量密度は、図3に示されるように逆に右下がり
の幅方向分布を呈する。左右の気流噴射ノズル3の各々
の噴射時間を等しくすれば、t1 +t2 秒間の板上通過
水量密度の幅方向分布は、図4に示されるようにほぼ均
等化される。この気流噴射時間(t1 秒およびt2 秒)
はいくらでも短くできるから、きめ細かい制御が可能で
あり、したがって全冷却過程を分割した素過程(t1 +
t2 秒間)が短時間であっても各々の素過程において時
間平均的に幅方向に均等化された板上通過水量密度の分
布パターンを得ることができる。
【0011】本発明による鋼板の冷却後温度と伸びの板
幅方向分布を図5、図6にそれぞれ示す。なお従来法に
よる鋼板の冷却後温度と伸びの板幅方向分布を図7、図
8にそれぞれ示す。図5と図7との比較および図6と図
8との比較から明らかなように、本発明による鋼板で
は、従来のエッジ過冷却現象が解消され、板幅方向の伸
びの偏差が従来の1.9 %から0.8 %に低減した。
幅方向分布を図5、図6にそれぞれ示す。なお従来法に
よる鋼板の冷却後温度と伸びの板幅方向分布を図7、図
8にそれぞれ示す。図5と図7との比較および図6と図
8との比較から明らかなように、本発明による鋼板で
は、従来のエッジ過冷却現象が解消され、板幅方向の伸
びの偏差が従来の1.9 %から0.8 %に低減した。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、鋼板幅方向の冷却不均
一が解消し、均質な材質の作り込みと、良好な形状をも
つ鋼板の製造が可能となる。
一が解消し、均質な材質の作り込みと、良好な形状をも
つ鋼板の製造が可能となる。
【図1】本発明の実施の形態の説明図である。
【図2】幅方向左端部から気流を噴射したときの板上通
過水量密度の板幅方向分布を示すグラフである。
過水量密度の板幅方向分布を示すグラフである。
【図3】幅方向右端部から気流を噴射したときの板上通
過水量密度の板幅方向分布を示すグラフである。
過水量密度の板幅方向分布を示すグラフである。
【図4】本発明による板上通過水量密度の板幅方向分布
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】本発明による鋼板の冷却後温度の板幅方向分布
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図6】本発明による鋼板の伸びの板幅方向分布を示す
グラフである。
グラフである。
【図7】従来法による鋼板の冷却後温度の板幅方向分布
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図8】従来法による鋼板の伸びの板幅方向分布を示す
グラフである。
グラフである。
【図9】従来法による板上通過水量密度の板幅方向分布
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
【図10】従来法による板上通過水量密度の板幅方向分布
の他例を示すグラフである。
の他例を示すグラフである。
【図11】熱流束の水量密度依存性示すグラフである。
1 ノズルヘッダ 2 鋼板 3 気流噴射ノズル 4 給水管 5 テーブルローラ 11 ノズル
Claims (1)
- 【請求項1】 上下からの冷却水により冷却されつつあ
る鋼板の幅端部の一方と他方に交互に高速気流を、上か
らの冷却水が、表面に達して板状通過冷却水となったも
のは気流が噴射されない側の端部より流出し、気流が噴
射された側の端部には達しないように、噴射して鋼板の
幅端部と板上通過冷却水との接触時間を制御することを
特徴とする鋼板の均一冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19477095A JP3342993B2 (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 鋼板の均一冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19477095A JP3342993B2 (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 鋼板の均一冷却方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0938713A JPH0938713A (ja) | 1997-02-10 |
JP3342993B2 true JP3342993B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=16329962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19477095A Expired - Fee Related JP3342993B2 (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 鋼板の均一冷却方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3342993B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4674646B2 (ja) * | 2009-06-30 | 2011-04-20 | 住友金属工業株式会社 | 鋼板の冷却装置、熱延鋼板の製造装置、及び鋼板の製造方法 |
CN110314945B (zh) * | 2018-03-30 | 2020-12-22 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种热轧带钢轧后冷却的侧喷方法 |
-
1995
- 1995-07-31 JP JP19477095A patent/JP3342993B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0938713A (ja) | 1997-02-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |