JP3338046B2 - 活性汚泥処理のプロセス制御装置 - Google Patents

活性汚泥処理のプロセス制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、有機性廃水を活性汚泥により処理するため
のプロセス制御装置に関するものである。
B.発明の概要 本発明は曝気槽内への送風量や処理系外へ引き抜く余
剰汚泥量を制御するプロセス制御装置において、 硝化反応に伴う酸素消費速度、あるいはこれを浮遊物
濃度等で除算したアンモニア性窒素濃度指標値を用い、
これらと処理水のアンモニア性窒素濃度との関係を水温
毎に予め求めておき、この関係からアンモニア性窒素濃
度が目標値となるような例えばアンモニア性窒素濃度指
標値を水温に基づいて補正し、この値と実際の指標値と
の偏差分に基づいて送風量等のプロセス制御設定値を求
めることによって、処理水質の安定化を図るようにした
ものである。
C.従来の技術 有機性廃水を処理するためには、例えば活性汚泥を用
いる方法が知られている。この活性汚泥処理は、好気性
条件下で好気性微生物を利用して廃水中の有機物を酸化
分解し、最終的には炭酸ガスと水を生成する機能を有し
ている。従ってこの処理においては酸化分解過程で消費
する酸素を補給しなければならず、このため送風(ブロ
ワ)設備が必要である。送風量を制御するためには、例
えば曝気槽内の溶存酸素濃度(以下「DO」という)を適
正なレベルに維持するDO制御方法が実用化されている。
この方法では基質の酸化分解に伴う曝気槽内の酸素消費
速度を指標としており、具体的には次のようにして行わ
れる。即ちブロワからの酸素供給速度と前記酸素消費速
度とを用いて曝気槽内のDOの変化速度を求めると(1)
式のように表される。
dc/dt=KLa(Cs−C)−rr ……(1) ここでCは溶存酸素濃度(mg/l)、Csは飽和溶存酸素
濃度(mg/l)、KLaは総括酸素移動係数(1/h)、rrは酸
素消費速度(mgO2/l/h)であり、KLaは次の(2)式で
表される。
KLa=A・GsB ……(2) ただしGsは送風量(m3/h)、A,Bは定数である。
そして(1)式よりrr変化によるDO変化 (dc/dt)を零にするために(3)式が成立するように
送風量(Gs)を操作している。
rr=KLa(Cs−C)=A・GsB(Cs−C) ……(3) D.発明が解決しようとする課題 このように従来では、酸素消費速度がどの程度である
か、あるいはある地点のDOを一定に制御するためにはど
の程度の送風量としたらよいかといった判断に対してrr
の検出値が用いられていた。ところでrrは次の(4)式
で表される。
rr=aL・dL/dt+aN・dN/dt+b・MLSS ……(4) ここでaLは単位BOD(生化学的酸素要求量)あるいは
単位TOC(全有機炭素量)を除去するに当り必要な酸素
量(mgO2/mgBOD(TOC))、dL/dtは単位時間当りのBOD
(TOC)除去量(mgBOD(TOC)/h)、aNは単位アンモニ
ア性窒素を除去するに当り必要な酸素量,(mgO2/mgNH4
−N、dN/dtは単位時間当りのNH4−N除去量(mgNH4−N
/h)、bは内生呼吸定数(1/h)、MLSSは活性汚泥浮遊
物濃度(mg/l)である。
(4)式からわかるようにrr値は炭素系基質(BOD、TO
C)除去に伴う酸素消費とアンモニア性窒素除去(硝
化)に伴う酸素消費と活性汚泥の内生呼吸分との和とし
て求まるため、rr値が変化した場合、これがどの因子に
よるものか判断することができなかった。
一方処理水のアンモニア性窒素濃度を効率的に除去し
たい場合があるが、従来の制御方法ではrr値の変化がど
の因子によるものか判断できず、rr値をそのまま制御入
力信号としていたので、アンモニア性窒素について安定
した水質を長期的に確保することができなかった。
本発明の目的は、アンモニア性窒素について処理水質
の安定化を図ることにある。
E.課題を解決するための手段及び作用 従来の呼吸速度方式では、硝化(アンモニア性窒素の
亜硝酸性窒素への酸化)に伴う酸素消費速度のみを把握
することができなかった。これは(4)式に示すように
炭素系基質除去に伴う酸素消費速度と分離して夫々個別
に計測することができなかったためである。ここに本発
明では硝化反応を抑制をする試薬を用い、これをrr測定
時に添加することにより硝化に伴う酸素消費を含まない
rrを計測しこの計測値と硝化反応抑制剤を用いない状態
で測定したrrの計測値との差をとって硝化に伴う酸化消
費速度を求めている。硝化反応抑制剤としては例えばア
リルチオ尿素(以下「ATU」という。)を用いることが
でき、これはアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素へ酸化す
るnitrosomonasに対して抑制効果がある。rrの測定につ
いては、曝気時にサンプリングした混合液を固液分離
し、その分離液のみ曝気して測定する下水試験方法や混
合液のまま曝気して測定する簡易法があるが、いずれの
場合でも通常ATUは混合液のサンプリング後に添加され
る。このようにして求めたrr値をATU−rrと定義し、ま
た硝化に伴う酸素消費速度をNit−rrと定義すると、
(4)式中のaL・dL/dt+b・MLSS=ATU−rr、また、aN
・dN/dt=Nit−rrとなるので、(4)式はrr=ATU−rr
−Nit−rrで表わされ、Nit−rrは次の(5)式で表され
る。
Nit−rr=rr−ATU−rr ……(5) ここで例えば、Nit−rr、ATU−rr、rrの各々を例えば
MLSSで除算した値を夫々Nit−kr、ATU−kr、krと定義す
ると、(5)式をMLSSで除算することにより(6)式が
得られる。
Nit−kr=kr−ATU−kr ……(6) 一方アンモニア性窒素除去速度は一般にMonodの式に
より(7)式で表すことができる。
dN/dt=(Km・N/(KN+N))・MLSS ……(7) ただしkmは最大反応速度定数(1/h)、KNは飽和定数
(mg/l)、Nはアンモニア性窒素濃度である。
上記aN・dN/dt=Nit−rrをMLSSで除算したNit−kr=a
N・(dN/dt)/MLSSに(7)式を代入すると、(8)式
が成立する。
Nit−kr=aN・(Km・N/(KN+N)) ……(8) ここで、微生物反応は水温により変化するので、温度
補正が必要となる。温度補正が必要なパラメータは、Km
であり、例えば次式で示すことができる。
Km(T)=km(15)expθ(T−15) ……(9) ここで、km(15)は15℃における最大反応速度定数、
Km(T)はT℃における最大反応速度定数、θは温度
係数、Tは水温である。
第2図に水温が、それぞれ、25.1℃,21.4℃,18.4℃,1
5.6℃における式(8)の関係を示す(都市下水処理に
おける実験結果)。この式(8)、(9)より各パラメ
ータを求めると、km(15)=13.9/日、θ=0.079であ
る。
これにより明らかなように、水温が上昇するにつれて
Nit−krは高くなる。また、NH4−Nがある値(第2図で
はN)以下では、NH4−Nの濃度が低下するにつれてNit
−krは低くなる。従って、Nit−rr計(実際は、rr値とA
TU−rr値からNit−rrを演算する)を用いて、処理水のN
H4−N濃度を一定に制御するためには、NH4−Nの目標
値(Nset)Nit−kr(15)の関係を明らかにする必要が
ある(ここでは基準温度は15℃とした)。これは式
(8)と式(9)より次のように求められる。
Nit−krset(15) =aN(km(15)・Nset/(KN+Nset)) ……(10) この関係より、制御系の目標値は、Nset又はNit−Krs
et(15)のどちらでも可能となる。
具体的には本発明は、第1図に示すように曝気槽1内
の混合液をサンプリングし、硝化反応抑制剤例えばATU
により硝化反応を抑制した状態と硝化反応抑制剤を用い
ない状態とにおいて夫々サンプリング液の酸素消費速度
を検出して、それら検出値の差から硝化に伴う酸素消費
速度を検出する酸素消費速度検出部2と、ここからの検
出値を曝気槽内の微生物量の指標値であるMLSSで除算し
てアンモニア性窒素濃度指標値、例えばNit−krを求め
る指標値演算部3と、曝気槽内の混合液の温度を検出す
る水温検出部18と、Nit−krと処理水のアンモニア性窒
素濃度との関係を水温毎に予め記憶すると共に、この関
係と前記水温検出部18によって検出された水温検出値と
に基づいてアンモニア性窒素濃度の目標値に対応するNi
t−krの設定値を補正設定する設定値設定部4と、この
設定値設定部4より出力された設定値と前記指標値演算
部3の出力値との偏差に基づいてプロセス制御設定値を
演算により求める設定値演算部5とを設けてなり、前記
設定部4におけるアンモニア性窒素濃度指標値の設定部
の補正は、微生物反応の物質収支式に基づいて導出した
酸素消費速度に関する数式モデル式と、前記数式モデル
式に含まれる温度依存性のある定数や係数の基準温度と
水温検出値とに対する関係とを利用して行うことを特徴
とする。第1図中6はMLSS計である。
このような構成によれば、酸素消費速度検出部2にて
Nit−rrが検出され、指標演算部3にてNit−rr/MLSS即
ちNit−krが求められる。一方設定値設定部4では、第
2図に示すようなNit−krとアンモニア性窒素濃度との
関係データが各水温毎に記憶されており、水温検出部18
は水温を検出して水温測定値を設定値設定部4に入力す
る。この関係データを用いてNit−krの設定値が出力さ
れる。そしてこの設定値と指標値演算部3より出力され
たNit−krとの偏差分が設定値演算部5にて取り出さ
れ、その偏差分に応じてプロセス制御設定値が出力され
る。このプロセス制御設定値としては、DO制御に適用す
る場合にはDO設定値が相当し、また余剰汚泥制御に適用
する場合には例えばSRT(平均汚泥滞留時間)設定値が
相当する。
ここに本発明では、指標演算部3にてアンモニア性窒
素濃度指標値を出力するにあたって、Nit−rrをMLSSで
除算する代わりに他の微生物量の指標値、例えばVSS
(揮発性固形物量)、ATP(アデリシントリフォスフェ
ート)、DNA(デオキシペントース核酸)、TTC(トリフ
ェニルテトグリウムクロライド)または硝化菌量等を検
出してその検出値で除算してもよいし、あるいはVSSやA
TP等の検出値にてMLSSの検出値を補正し、その補正した
MLSSで除算してもよい。
また本発明では、Nit−krの検出値と設定値との偏差
分に基づいてプロセス制御設定値を決定する代わりに、
Nit−rrの検出値とその設定値との偏差分に基づいてプ
ロセス制御設定値を決定してもよい。この場合には、設
定値設定部4には予めNit−rrと処理水のアンモニア性
窒素濃度との関係を水温毎に記憶しておく。前記設定値
設定部4は、水温検出部18からの水温測定値の入力を受
けてNit−rrの設定値を設定値演算部5へ出力する。酸
素消費速度検出部2からは、Nit−rrの検出値が前記設
定値演算部5へ出力される。そして設定値演算部5から
は、入力されたNit−rrの設定値とNit−rrの検出値との
偏差分に応じたプロセス制御設定値が出力される。
これにより、Nit−rrを指標として用いる場合はMLSS
計6と指標値演算部3が省略可能となる。
F.実施例 第3図は本発明の実施例を示す図であり、この例では
操作端として曝気槽1内への送風量を調節している。同
図中7はNit−rr計、8はMLSS計、9はDO計、18aは水温
計であり、これら計測器は曝気槽1の出口付近に設置さ
れている。なお曝気槽1が完全混合タイプの場合には、
Nit−rr計7の設置場所として十分混合されている地点
を選び、またプラックフロータイプでは出口付近を選
ぶ。また10は指標値演算部としてのNit−kr演算部、11
は設定値設定部、12は設定値演算部としてのNit−krコ
ントローラ、13はDOコントローラ、14は送風量(以下
「Gs」という)コントローラ、15はGs計、16はGs弁、17
はブロワ、19は最終沈澱池である。
次に第3図の実施例の作用について述べる。先ずNit
−rr計7にて曝気槽1内の混合液をサンプリングし、そ
のサンプリング液のrr値を求め、次いで当該サンプリン
グ液にAUT等の硝化反応抑制剤を添加してATU−rrを求
め、rr値からATU−rr値を差し引いてNit−rrを求める。
すなわち、演算部10はNit−rrからNit−krの導出を行う
もので、このNit−rrとMLSS計8の検出値がNit−kr演算
部10に入力され、ここで(11)式の演算がされてNit−k
rが求められる。
Nit−kr=(Nit−rr/MLSS)×103 ……(11) ただしNit−kr、Nit−rr、MLSSの単位は夫々(mgO2/g
ss/h)、(mgO2/l/h、(mg/l)である。
ここでNit−rr計7は3分から60分に1回程度しか測
定できないので、最新の検出値が出力されるまでは前回
の出力値をホールドする。一方設定値設定設定部11には
予めNit−krと処理水のアンモニア性窒素濃度Nとの関
係データが水温毎に記憶されており、制御目標値は、処
理水NH4−N濃度(Nset)で、また、Nit−krset(15)
で設定する。曝気槽1に設置した水温計18aよりその時
の水温を入力し、その水温におけるNit−krset値、即ち
Nit−kr(T)を設定値設定部11によって求める。また
設定値設定部11はNit−krset(15)からNit−krset
(T)への変換を実行する。Nit−krset(15)とNit−k
rset(T)の関係は、前述の式(8),(9),(10)
より次のように求めることができる。
Nit−krset(T) =aN(km(15)Nset/(KN+Nset)expθ(T−15) =Nit−krset(15)・expθ(T−15) ……(12) そして、設定値設定部11からの設定値Nit−krsetとNi
t−kr演算部10よりの出力値がNit−krコントローラ12に
入力され、ここでDO設定値DOsetが演算により求められ
る。この演算は後記〜のように制御系安定化処理を
行うことにより求めている。
以上においてNit−krの検出値は流入負荷変動に伴っ
て1日周期で変動すること、上述のようにNit−rrの測
定はバック連続であって30〜60分間に1回程度行われる
こと、及びDO設定値を一旦変更してから安定化するまで
30分間程度を必要とすること等から、上記DO設定値を演
算するためには、次の〜のように制御系安定化処理
を行うことにより決定している。
Nit−krの検出値は移動平均処理(例えば24時間移動
平均)し、その移動平均値を用いて設定値Nit−krseと
の偏差eを算出する。この場合偏差e(t)、移動平均
値をNit−kr(t),設定値をNit−kr(t)とする
と、e(t)は(13)式で表される。
e(t)=nit−kr(t)−Nit−kr(t) ……(13) 偏差eがある一定の不感帯εの範囲にあるときは、DO
設定値を変更しない。
DO設定値は一度変更したならば、ある一定時間t1は変
更しない。またDO設定値の変更については、変化率(単
位時間におけるDO設定値の変更幅)の最大値を設定し、
変化率がこの値以下になるように制限する。更にDO設定
値には上下限リミッタ値を設ける。また△DO(DO設定値
の変更幅)と偏差eの絶対値|e|との関係は一般に非線
形となるので第4図に示すように比例(P)要素主体の
演算が適している。
次にNit−krコントローラ12からDO設定値が出力され
た後は、DOコントローラ13にて前記DO設定値とDO計9よ
りのDO検出値との偏差分を取り出し、これに基づいてGs
設定値をGsコントローラ14に出力する。Gsコントローラ
14ではGs設定値とGs計15よりのGs検出値との偏差分を取
り出し、これに応じてGs弁16の開度を調整する。
第3図の実施例によれば、制御目標値を処理水のNH4
−N濃度(Nset)で、また制御設定値を基準温度(To)
におけるNit−krset(To)で与えることができ、制御設
定値の自動温度補正が可能である。このことは、Nit−k
rに関する温度特性式を用いて、基準温度(To)からそ
の時の水温におけるNit−krset(T)に変換することが
可能になったためである。ここで、制御目標値をNsetで
与える場合は、式(10)を用いてNsetからNit−krset
(To)を求め、以下同様に処理することができる。
すなわち、本発明では先述したようにNit−kr制御シ
ステムにおいて、制御目標値を、処理水のNH4−N濃度
(Nset)で、また制御設定値をNit−krset(To)で与
え、曝気槽に設置した水温計により、その時の水温
(T)における設定値Nit−krset(T)を温度式を用い
て求めるものである。また、温度補正後の制御設定値Ni
t−krset(T)とNit−krの計測値Nit−krmeaとの偏差
からDO制御におけるDO設定値を演算するものである。
以上の実施例では送風量制御に関するプロセス制御設
定値を得る場合であるが、本発明では余剰汚泥制御に関
するプロセス制御設定値を得るようにしてもよい。通常
余剰汚泥制御としては、一日にある一定量を余剰汚泥と
して引き抜く定量引き抜き制御や、SA(汚泥日令)制
御、SRT(平均汚泥滞留時間)制御等が実施されてお
り、ここに挙げた例においては、夫々引き抜き流量設定
値(m3/日)、SA設定値(日)、SRT設定値(日)が例え
ばNit−krコントローラから出力される。余剰汚泥制御
に適用する場合には、DO設定値の変更に比べてSRT設定
値等を変更してからその設定値で定常になるまで非常に
長い期間(例えば1ケ月程度)必要とするので、制御系
の設計についてはこの点を考慮に入れる必要がある。
即ち、プロセス制御設定値を余剰汚泥制御単独に適用
する場合には、一旦設定値を変更したならば、例えばSA
やSRT制御の場合、夫々の設定値の3倍期間(例えば設
定値が10日であれば30日)程度は変更しないように設計
する必要がある。また送風量制御と組み合わせて制御し
てもよく、この場合は、送風量制御を優先させ送風量制
御では設定値に制御できなくなった時点で余剰汚泥制御
を働かせる方法がよい。例えば、送風量制御でDO設定値
(またはGs設定値)が上下限値に達し、送風量での制御
が不可能となった場合などがこれに当たる。
G.発明の効果 本発明によれば、硝化反応抑制剤により、硝化反応を
抑制した状態と硝化反応抑制剤を用いない状態とにおい
て混合液の酸素消費速度を測定することによりその速度
差をアンモニア性窒素濃度温度補償した指標とし、この
指標値とアンモニア性窒素濃度との関係データから処理
水のアンモニア性窒素濃度の目標値に応じた指標値の設
定値を決定すると共に、これと検出値との突き合わせ結
果からDO設定値等のプロセス制御設定値を得るようにし
ている。従ってアンモニア性窒素について安定した水質
を長期的に確保することができる。そして目標水質にな
るように管理しているから無駄な送風をしなくて済み、
従来のDO一定制御に比べて更に一層の省エネルギー化を
図ることができる。また従来のDO一定制御では、DO設定
値は、処理水値などから運転が判断し、手動で試行錯誤
的に設定していたが、本発明により自動的、定量的に設
定することが可能となり省人化が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す構成図、第2図はアンモニ
ア性窒素濃度とNit−krとの関係を示す関係図、第3図
は本発明の実施例を示す構成図、第4図はDO濃度設定値
変更幅の決定図である。 1……曝気槽、2……酸素消費速度検出部、3……指標
値演算部、4……設定値設定部、5……設定値演算部、
6……MLSS計、7……Nit−rr計、……8MLSS計、9……
DO計、10……Nit−kr演算部、11……設定値設定部、12
……Nit−krコントローラ、13……DOコントローラ、14
……Gsコントローラ、18……水温検出部、18a……水温
計。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−143694(JP,A) 特開 昭61−100657(JP,A) 特開 平1−143695(JP,A) 特開 昭59−171861(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機性廃水と活性汚泥との混合液を曝気槽
    で曝気した後固液分離して、上澄水を処理水として放流
    する活性汚泥処理のプロセス制御装置において、 前記混合液をサンプリングし、硝化反応抑制剤により硝
    化反応を抑制した状態と硝化反応抑制剤を用いない状態
    とにおいて夫々サンプリング液の酸素消費速度を検出し
    て、それら検出値の差から硝化に伴う酸素消費速度を検
    出する酸素消費速度検出部と、硝化に伴う酸素消費速度
    と処理水のアンモニア性窒素濃度との関係を水温毎に予
    め記憶すると共に、この関係と水温検出値とに基づいて
    設定入力されたアンモニア性窒素濃度の目標値に対応す
    る前記硝化に伴う酸素消費速度の設定値を水温毎に補正
    した値に設定する設定値設定部と、この設定値設定部よ
    り出力された設定値と前記酸素消費速度検出部よりの出
    力値との偏差に基づいてプロセス制御設定値を演算によ
    り求める設定値演算部とを設けてなり、前記設定値設定
    部における酸素消費速度の設定値の補正は、微生物反応
    の物質収支式に基づいて導出した酸素消費速度に関する
    数式モデル式と、前記数式モデル式に含まれる温度依存
    性のある定数や係数の基準温度と水温検出値とに対する
    関係とを利用して行うことを特徴とする活性汚泥処理の
    プロセス制御装置。
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