JP3336230B2 - テロメラーゼ活性の検出方法 - Google Patents

テロメラーゼ活性の検出方法

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JP3336230B2
JP3336230B2 JP17260297A JP17260297A JP3336230B2 JP 3336230 B2 JP3336230 B2 JP 3336230B2 JP 17260297 A JP17260297 A JP 17260297A JP 17260297 A JP17260297 A JP 17260297A JP 3336230 B2 JP3336230 B2 JP 3336230B2
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稔 広瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テロメラーゼ活性
の検出方法、癌細胞の検出方法、癌の診断方法、並びに
癌細胞の検出用及び/又は癌の診断薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒト体細胞は22対の常染色体と1対の性
染色体を持っている。1つの細胞に合計46本の染色体が
存在しているが、各染色体は独立を保っており、互いに
結合することはまれである。この重要な機能を担ってい
るのがテロメアであり、テロメアの存在を維持する役割
を果たすのがテロメラーゼである。テロメアは染色体の
末端に位置し、ヒトの場合、6塩基からなる5'-TTAGGG-
3'が数百回繰り返されている特徴的な配列を有する。細
胞が分裂増殖するにはDNAの複製が必須であるが、D
NA複製の機構上、一度DNAが複製されると染色体の
末端テロメアは短くなる。つまり細胞分裂が繰り返され
る度に、テロメア配列は短くなり、この部分が消去され
ると、細胞に悪影響を及ぼす染色体同士の結合が誘発さ
れる。さらに、その他の遺伝子異常も加わり、細胞は死
に至る(細胞の老化と死)。テロメア配列は細胞の老化
と死、すなわち細胞の世代交代に重要な機能を果してい
る。ところが、本来死ぬべき細胞群(遺伝子の異常を蓄
積した、老化した細胞群)のテロメア配列がテロメラー
ゼにより常に付加され続けると、その集団の一部は不死
化し、ついには癌化すると考えられている。よって、テ
ロメラーゼ活性を検出することは、癌の診断や治療の予
後をモニターする上で極めて有用である。
【0003】最近、このテロメラーゼ活性をPCR(Pol
ymerase Chain Reaction) 法を利用して高感度に検出す
るTRAP(Telomeric Repeat Amplification Protoco
l) 法が開発された(Kim N.W. et al.,(1994) Science,2
06,2011-2015; Piatyszek M.A. et al.,(1995) Meth.Ce
ll Sci.,17,1-15))。この方法は、単一のプライマー伸
長アッセイ系によりテロメラーゼを検出するというもの
であり、大きく分けて3つのステップからなる。最初
に、細胞からテロメラーゼの抽出を行う。次に、テロメ
ラーゼによるTTAGGG鎖の伸長反応を行い、この反応物を
2種類のプライマー(TSプライマー、CXプライマー
と呼ばれる)を用い、PCRにより増幅する。最後に、
増幅産物を電気泳動し、オートラジオグラフィーによっ
てラダーの確認を行うことでテロメラーゼ活性を検出す
る。この方法により検出感度が改良され、10個程度の少
ない細胞数でもテロメラーゼ活性の検出が可能となっ
た。
【0004】しかしながら、以上3つのステップの中
で、検出系は電気泳動を行わなければならず、操作が煩
雑であり長時間を要する。例えば、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動やHPLC等による32P−標識反応産物や
蛍光標識反応産物の分析を依然として必要としており、
検出できるサンプル数に制限があり、32Pの場合、その
取扱い(例えばゲル又は大量の廃液処理)が容易ではな
い。さらに、ゲル作製、電気泳動等分離(分析)のため
の時間及び露出(検出)時間(通常は2〜48時間)など
の一連の操作に長時間を要する。
【0005】これらのことは、特にリアルタイムの分析
が求められる癌の進行や予後を迅速に診断することは困
難であり、大量のサンプルを分析することも困難であ
る。従って、前記電気泳動やオートラジオグラフィーに
代わる別の検出系の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、迅速かつ高
感度にテロメラーゼ活性を検出できる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
基づいて鋭意研究を行った結果、テロメラーゼによるD
NA伸長反応を、Gen-Probe 社によって開発されたハイ
ブリダイゼーション・プロテクション・アッセイ(Hybr
idization Protection Assay;HPA)と組み合わせた
システムを構築することにより、迅速かつ高感度にテロ
メラーゼ活性を検出し得ることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、テロメラーゼによる
DNA伸長反応によって伸長されたオリゴヌクレオチド
配列を増幅し、得られる増幅産物を非放射性標識物質で
標識されたプローブとハイブリダイズさせることにより
テロメラーゼ活性を検出することを特徴とするテロメラ
ーゼ活性の検出方法である。非放射性標識物質として
は、例えばアクリジニウムエステル、ルミノール、イソ
ルミノール、ピロガロール、プロトヘミン、アミノブチ
ルエチル−n−イソルミノール、アミノヘキシルエチル
−n−エチル−イソルミノール、又はアクリジン誘導体
である。アクリジン誘導体としては、例えば次式I:
【0009】
【化3】
【0010】( [式中、Xはハロゲン又は次式II:
【0011】
【化4】
【0012】(式中、X1 は窒素原子、リン原子、ホウ
素原子又はヒ素原子を表し、R1 はアルコキシ若しくは
アリールオキシ、又は置換若しくは非置換のアルキル、
アルケニル若しくはアリールを表し、R2 は水素原子、
アルコキシ若しくはアリールオキシ、又は置換若しくは
非置換のアルキル、アルケニル若しくはアリールを表
す。)
【0013】若しくは次式III:
【0014】(式中、X は酸素原子又は硫黄原子を
表し、R2 は前記と同様である。)で示される基を表
し、Yは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、R3 は水
素原子、アミノ、ヒドロキシ、チオール、カルボン酸、
ハロゲン、ニトロ、アルコキシ若しくはアリールオキ
シ、又は置換若しくは非置換のアセチル、アルキル、ア
ルケニル若しくはアリールを表し、R4 は置換又は非置
換のアルキル、アルケニル又はアリールを表し、R1
2 、R3 又はR4 の少なくとも1つは化学結合できる
反応性部位を含む。] )で示されるものが挙げられる。
ここで、化学結合できる反応性部位とは、プローブと結
合する部位のことをいう。例えば、リンカーを介する場
合において相手がアミノリンカー(リンカー末端がアミ
ノ基)のときは、当該反応性部位はアミノ基と結合する
部位である。そして、この部位に結合できる物質として
例えばカルボン酸誘導体、好ましくは酸ハロゲン化物、
エステル等が挙げられる。
【0015】但し、本発明においては上記非放射性標識
物質に限定されない。従って、アクリジン誘導体として
上記式Iで示されるもののほか、日本特許2602315 号公
報に記載の化学式Iで示されるものも挙げられる。
【0016】テロメラーゼによるDNA伸長反応によっ
て伸長されたオリゴヌクレオチド配列の増幅は、少なく
とも「AGNGTT」(NはA、T、G又はCを表す。)で示
される塩基配列を3’側に含むオリゴヌクレオチドプラ
イマー及び/又は配列番号21で表される塩基配列を含
むオリゴヌクレオチドプライマーを用いたポリメラーゼ
連鎖反応により行われる。また、当該増幅は、少なくと
も「AGNGTT」(NはA、T、G又はCを表す。)で示さ
れる塩基配列を3’側に含むオリゴヌクレオチドプライ
マー及び/又は配列番号21で表される塩基配列を含む
オリゴヌクレオチドプライマーを用いたRNA合成反応
によっても行われる。ここで、該RNA合成反応に使用
されるオリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも一つ
にはプロモーター配列が付加されている。
【0017】また、前記増幅は、配列番号21で表され
る塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの5’
側、又は該プライマーの塩基配列において少なくとも1
個のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加された塩基
配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーの5’側に、
さらに「TTAGGG」で示される配列とはハイブリダイズし
ない任意の配列が付加されたオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いたポリメラーゼ連鎖反応又はRNA合成反応
によっても行われる。本発明においては、ハイブリダイ
ズしない条件として、例えば30〜120 ℃、好ましくは37
〜90℃を挙げることができる。
【0018】ここで、少なくとも「AGNGTT」(NはA、
T、G又はCを表す。)で示される塩基配列を3’側に
含むオリゴヌクレオチドプライマーとしては配列番号1
で表されるものが挙げられ、配列番号21で表される塩
基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーとしては配
列番号2で表されるものが挙げられる。また、プロモー
ターとしては、T7RNAポリメラーゼプロモーター、
T3RNAポリメラーゼプロモーター又はSP6RNA
ポリメラーゼプロモーターが挙げられる。さらに、本発
明は、前記テロメラーゼ活性の検出方法により癌細胞中
のテロメラーゼ活性を検出することを特徴とする癌細胞
の検出方法である。
【0019】癌細胞としては、侵襲的又は非侵襲的に得
られた検体に含まれるものが挙げられる。侵襲的に得ら
れた検体としては、膀胱組織、前立腺組織、子宮組織、
子宮頸組織、乳房組織、膵臓組織、肝臓組織、大腸組
織、胃組織、肺組織、末梢血細胞、腎臓組織、皮膚組
織、食道組織、脳組織又は口腔組織が挙げられ、非侵襲
的に得られた検体としては、尿、前立腺液、膀胱洗浄
液、子宮スメア、膵液、十二指腸液、糞便、口腔内洗浄
液、腸管内洗浄液、唾液又は痰が挙げられる。
【0020】さらに、本発明は、前記癌細胞の検出方法
によって癌細胞を検出することを特徴とする癌の診断方
法である。癌としては、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子
宮頸癌、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、大腸癌、胃癌、肺癌、
腎臓癌、皮膚癌、口腔癌、食道癌、脳腫瘍又は白血病が
挙げられる。
【0021】さらに、本発明は、少なくとも「AGNGTT」
(NはA、T、G又はCを表す。)で示される塩基配列
を3’末端に含むオリゴヌクレオチドプライマー、配列
番号21で表される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド
プライマー又はこれらのプライマーの塩基配列において
少なくとも1個のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付
加された塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマ
ー、及び非放射性標識物質で標識されたプローブを含む
診断薬キットである。該キットには、少なくとも1つの
プライマーにプロモーターが付加されたものも含まれ
る。なお、プロモーターの例は前記と同様である。前記
診断薬キットには、配列番号21で表される塩基配列を
含むオリゴヌクレオチドプライマーの5’側、又は該プ
ライマーの塩基配列において少なくとも1個のヌクレオ
チドが欠失、置換若しくは付加された塩基配列を含むオ
リゴヌクレオチドプライマーの5’側に、さらに「TTAG
GG」で示される配列とはハイブリダイズしない任意の配
列が付加されたオリゴヌクレオチドプライマーもさらに
含まれる。
【0022】前記診断薬キットは、テロメラーゼ活性検
出のため、又は癌の診断のために用いられる。癌の診断
の対象としては、例えば膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子
宮頸癌、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、大腸癌、胃癌、肺癌、
腎臓癌、皮膚癌、口腔癌、食道癌、脳腫瘍又は白血病が
挙げられる。
【0023】さらに、本発明は、テロメラーゼによるD
NA伸長反応によって伸長されたオリゴヌクレオチド配
列を増幅し、得られる増幅産物を、放射性標識物質を用
いることなく検出することを特徴とするテロメラーゼ活
性の検出方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は、細胞又は組織抽出液
(以下「細胞抽出液」という)中のテロメラーゼ活性を
検出する方法である。本発明は、テロメラーゼ活性を、
テロメラーゼのDNA伸長反応によって伸長されたオリ
ゴヌクレオチド配列の有無を指標として検出するもので
あり、その手法として、該オリゴヌクレオチド配列を増
幅し、その増幅産物を非放射性標識物質で標識したプロ
ーブとハイブリダイズさせることを特徴とするものであ
る。
【0025】(1) 細胞抽出液の調製およびテロメア反復
配列の増幅 まず、癌組織又は癌細胞株からテロメラーゼを含む細胞
抽出液を調製する。癌組織及び癌細胞株の種類は特に限
定されないが、大腸癌、肝臓癌などの癌組織のほか、大
腸癌、肝臓癌、子宮頸癌、慢性骨髄性白血病、膠芽腫、
乳癌、繊維肉腫などの癌細胞株、例えばK562、MKN1、He
La、U937、U373MG、T98G、A172、MCF-7 、HT-1080 、Lo
Vo、WiDr、SW857 、VA-4等が挙げられる。なお、細胞の
抽出は、公知の方法又は公知の方法に改良を加えて行う
ことができる(Kim N.W.et al.,(1994)Science,206,201
1-2015) 。
【0026】次に、細胞抽出液に少なくとも塩基配列
「AGNGTT」(NはA、T、G又はCを表す)を3’側に
含むオリゴヌクレオチドプライマー(以下「プライマー
1」ともいう)(例えば配列番号1)を加え、DNAの
伸長反応を行う。ここで、プライマー1における塩基配
列「AGNGTT」は当該プライマー1の3’末端側の配列と
なるように設計し合成することが好ましい。また、上記
プライマー1の長さは特に限定されず、少なくとも塩基
配列「AGAGTT」「AGTGTT」「AGGGTT」又は「AGCGTT」を
3'側に含む限り、任意に設計することができる。例え
ば、配列の長さは好ましくは6〜100 塩基、さらに好ま
しくは11〜60塩基である。
【0027】そして、テロメラーゼ伸長反応によって伸
長されたDNA(テロメア反復配列)を増幅する。テロ
メア反復配列を増幅するには、例えばポリメラーゼ連鎖
反応法又はRNA合成法により行うことができる。ポリ
メラーゼ連鎖反応又はRNA合成法を用いることにより
高感度の検出結果が得られる。
【0028】ポリメラーゼ連鎖反応を行う場合は、プラ
イマーとして前記プライマー1及び/又は例えば配列番
号21で表される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプ
ライマー(以下「プライマー2」ともいう)(例えば配
列番号2)を用いる。これらのプライマーは市販のDN
A合成機等を用いて化学合成することができる。なお、
ポリメラーゼ連鎖反応は、通常のアッセイ緩衝液中で行
う。ポリメラーゼ連鎖反応により目的のDNAを大量に
得ることができる。
【0029】RNA合成法を用いてテロメア反復配列を
増幅させる場合は、例えば、公知のTMA法(Transcri
ption Mediated Amplification法;特表平4-500759号公
報)と呼ばれる手法に基づいて増幅させることができ
る。
【0030】好ましくは、前記TMA法に改良を加えて
増幅する。すなわち、図1に示すように、プライマー1
の5’側にプロモーター配列(以下「プロモーター」と
いう)を付加し、テロメラーゼによるDNA伸長反応を
行う(図1(1) )。プロモーターとしては、例えば、T
7ポリメラーゼプロモーター(例えば配列番号13〜1
9)、T3ポリメラーゼプロモーター(例えば配列番号2
0)又はSP6ポリメラーゼプロモーター等が挙げられ
る。但し、本発明では、上記配列番号に記載のプロモー
ターに限定されない。
【0031】次に、リバースプライマーを用いてDNA
を二本鎖にする(図1(2) )。ここで、リバースプライ
マーとは、テロメラーゼにより伸長された一本鎖DNA
を二本鎖にするために用いるオリゴヌクレオチドプライ
マーをいう。リバースプライマーとして、例えば前記プ
ライマー2を使用することができる。
【0032】二本鎖にしたDNAから、前記プロモータ
ーに対応するポリメラーゼを用いてRNAを合成する。
例えば、T7ポリメラーゼプロモーターを用いた場合は
T7RNAポリメラーゼ、T3ポリメラーゼプロモータ
ーを用いた場合はT3RNAポリメラーゼ、SP6ポリ
メラーゼプロモーターを用いた場合はSP6RNAポリ
メラーゼを用いてRNAを合成する(図1(3) )。
【0033】但し、本発明では、プライマー1及びプラ
イマー2のいずれか一方又は両方を用いてRNA合成反
応を行うことができる。上記プライマーのいずれか一方
を用いる場合は当該プライマーの5’側にプロモーター
配列を付加してRNA合成反応を行う。また、上記プラ
イマーの両方を用いる場合は、いずれか一方のプライマ
ー又は両方のプライマーの5’側にプロモーター配列
付加してRNA合成反応を行うことができる。
【0034】得られるRNAについてリバースプライマ
ー(例えばプライマー2)を用いたDNA伸長反応を行
い、DNAとRNAとのハイブリッドを形成させる(図
1(4) )。そして、RNAの分解及びDNAの伸長を行
い、二本鎖のDNAを得る。この二本鎖DNA断片を鋳
型として、前記の各種ポリメラーゼを用いてRNAを合
成する(図1(6) )。図1(3)〜(6) の反応を繰り返す
ことによりRNAを大量に合成(増幅)し、反応を停止
する場合は、反応液を例えば60℃に加熱する。以上の方
法により、目的のRNAを大量に得ることができる。
【0035】あるいは、上記改良したTMA法で使用す
るリバースプライマーに、さらにその5’側に任意の配
列、すなわち「TTAGGG」で示される塩基配列にハイブリ
ダイズしないように無作為に配列を選択して合成した塩
基配列を付加したものを用いることもできる(図1(2)
参照)。このように無作為に配列を選択して合成された
オリゴヌクレオチドを本発明ではタッグ配列といい、タ
ッグ配列が連結されたリバースプライマーをタッグ配列
リバースプライマー(tag-sequence reverse primer)と
いう。ただし、タッグ配列は、全長のリバースプライマ
ーに連結してもよく、リバースプライマーの5’側又は
3’側の一部(1〜8塩基、好ましくは4〜6塩基)を
欠失、置換又は付加させたプライマーに連結してもよ
い。また、タッグ配列は「TTAGGG」で示される塩基配列
とはハイブリダイズしない配列となるように合成するこ
とが必要である。従って、タッグ配列は、「TTAGGG」で
示される塩基配列と一部が相補的であってもハイブリダ
イズしないものであればよく、さらに「TTAGGG」で示さ
れる塩基配列とは全く無関係な配列であってもよい。な
お、タッグ配列の長さは1〜40個であるが、5〜30
個のものが増幅効率が高い点で好ましい。また、ハイブ
リダイズしない条件は、例えば30〜120 ℃、好ましくは
37〜90℃である。
【0036】(2) テロメラーゼ活性の検出 前記のようにして大量に得られたオリゴヌクレオチド
(DNA又はRNA)を検出するため、本発明は、Gen-
Probe 社によって開発されたハイブリダイゼーション・
プロテクション・アッセイ(Hybridization Protection
Assay;HPA)法を用いる(特表平2-503147号公
報)。
【0037】HPA法とは、非放射性標識物質でラベル
したオリゴマーをプローブとして用い、該プローブが検
出の対象となるDNA又はRNAにハイブリダイズした
ときの当該非放射性標識物質からの化学発光を検出する
手法である。その特徴は、ハイブリダイズしたプローブ
とハイブリダイズせずに遊離しているプローブとを区別
するために行われる洗浄などの物理的な分離操作を行う
代わりに、遊離のプローブの標識物質を選択的に加水分
解させ、その標識物質を失活させてしまうことにある。
このため操作が簡便でしかも短時間に目的のターゲット
(核酸又はオリゴヌクレオチド)を検出できる。
【0038】非放射性標識物質としては、例えばアクリ
ジニウムエステル(Acridinium ester;以下「AE」と
いう)、ルミノール(Luminol)、イソルミノール(Isolu
minol)、ピロガロール(Pyrogallol)、プロトヘミン(Pro
tohaemin) 、アミノブチルエチル−n−イソルミノール
(Aminobutylethyl-n-isoluminol)、アミノヘキシルエチ
ル−n−エチル−イソルミノール(Aminohexylethyl-n-e
thyl-isoluminol)、又はアクリジン誘導体が挙げられ
る。アクリジン誘導体としては、例えば次式I:
【0039】
【化5】
【0040】( [式中、Xはハロゲン又は次式II:
【0041】
【化6】
【0042】(式中、X1 は窒素原子、リン原子、ホウ
素原子又はヒ素原子を表し、R1 はアルコキシ若しくは
アリールオキシ、又は置換若しくは非置換のアルキル、
アルケニル若しくはアリールを表し、R2 は水素原子、
アルコキシ若しくはアリールオキシ、又は置換若しくは
非置換のアルキル、アルケニル若しくはアリールを表
す。)
【0043】若しくは次式III:
【0044】(式中、X は酸素原子又は硫黄原子を
表し、R2 は前記と同様である。)で示される基を表
し、Yは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、R3 は水
素原子、アミノ、ヒドロキシ、チオール、カルボン酸、
ハロゲン、ニトロ、アルコキシ若しくはアリールオキ
シ、又は置換若しくは非置換のアセチル、アルキル、ア
ルケニル若しくはアリールを表し、R4 は置換又は非置
換のアルキル、アルケニル又はアリールを表し、R1
2 、R3 又はR4 の少なくとも1つは化学結合できる
反応性部位を含む。] )で示されるものが挙げられる。
但し、本発明では、上記非放射性標識物質に限定される
ものではない。
【0045】ここで、ハロゲンとしては、例えばフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素又はアスタチンが挙げられる。
アルキルとしては炭素数1〜20、好ましくは1〜5のも
の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル
等が挙げられる。アルケニルとしては炭素数1〜10、好
ましくは1〜5のもの、例えばビニル、アリル等が挙げ
られる。アリールとしては、例えばフェニル、トリル、
ナフチル、キシリル等が挙げられる。アルコキシとして
は、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のもの、例えばメ
トキシ、エトキシ等が挙げられ、アリールオキシとして
は、例えばフェノキシ、ナフトキシ等が挙げられる。
【0046】本発明において使用するプローブは、テロ
メラーゼ伸長反応によって伸長され、それをもとに増幅
されたDNA又はRNAに相補的であれば特に限定され
ない。通常、10〜40ベース、好ましくは15〜30ベースの
プローブが使用される。プローブに用いるオリゴヌクレ
オチドは、通常のホスホアミダイト法等により市販のD
NA合成機を用いて合成することができる。なお、化学
合成の際に、AE等を標識するためのアミノリンカーを
導入しておく。
【0047】DNAプローブのAE等の標識は、AEに
ついてはDNA合成時に導入したアミノリンカーと、A
EのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルとの反応に
より行う。AE等の標識位置は、DNA合成時に導入す
るアミノリンカーの位置によって自由に設定することが
できる(松岡幸雄等,臨床病理,臨時増刊特集第85号,
82-91 頁, 1990年) 。
【0048】 AEを用いた検出 図2に示すとおり、AE標識したプローブと増幅したD
NA又はRNA(ターゲット)とがハイブリダイズした
場合は、AEは二重らせんの間で安定化する。一定時間
加水分解を行ってもAEのエステル結合は保護されるた
め、アルカリ及び過酸化水素を加えることでアクリジニ
ウムエステルは化学発光することができ、その化学発光
からターゲットを検出することができる(図2(1) )。
【0049】一方、プローブとターゲットとがハイブリ
ダイズしない場合は、AEは二重らせんの間で安定化で
きない。この状態で加水分解を行うとAEのエステル結
合は加水分解を受ける。その結果、化学発光は全く起こ
らず、ターゲットを検出することはできない(図2(2)
)。
【0050】検出に使用されるプローブとしては、例え
ば、プローブ1(配列番号3)、プローブ2(配列番号
4)、プローブ3(配列番号5)、プローブ4(配列番
号6)、プローブ5(配列番号7)、プローブ6(配列
番号8)、プローブ7(配列番号9)又はプローブ8
(配列番号10)が挙げられる。なお、プローブ1と2、
プローブ3と4、プローブ5と6、プローブ7と8と
は、それぞれ同じ配列のものであるが、AEの結合位置
が異なるものである。AEが結合する位置は、各プロー
ブの塩基配列のうち、プローブ1については第14番目と
15番目の間、プローブ2については第15番目と16番目の
間、プローブ3については第9番目と10番目の間、プロ
ーブ4については第10番目と11番目の間、プローブ5に
ついては第13番目と14番目の間、プローブ6については
第14番目と15番目の間、プローブ7については第15番目
と16番目の間、プローブ8については第16番目と17番目
の間とした。
【0051】前記(1) のようにして増幅されたDNA又
はRNAにAEで標識されたプローブを加え、60℃で5
〜30分インキュベートする。未反応のプローブに基づく
化学発光を除くため加水分解試薬を加え、さらに60℃で
5〜10分インキュベートする。インキュベート後、化学
発光測定装置(ルミノメーター;例えばリーダーI)を
用いてAEの化学発光を検出する。また、AEを用いた
HPAは、Gen-Probe 社のキットを用いて、説明書に従
って行うこともできる。
【0052】 アクリジン誘導体、その他の非放射性
標識物質を用いた検出 前記DNA又はRNAを含む溶液に前記アクリジン誘導
体で標識したプローブを適量加えて反応させる。反応
後、加水分解等の処理を行った後、AEの検出と同様に
化学発光を検出する。
【0053】なお、ルミノール、イソルミノール、ピロ
ガロール、プロトヘミン、アミノブチルエチル−n−イ
ソルミノール、アミノヘキシルエチル−n−エチル−イ
ソルミノールについても上記と同様にして、又はその他
の方法により化学発光を検出することができる。
【0054】本発明においては、テロメラーゼ活性を検
出するにあたり、テロメラーゼによるDNA伸長反応に
よって伸長されたオリゴヌクレオチド配列を増幅した
後、得られる増幅産物を、放射性標識物質を用いること
なく検出することもできる。例えば、FITC(Fluorescein
Isothiocyanate)、ローダミン(Rhodamine) 、クマリン
(Coumarin)などの蛍光物質を用いて配列番号1のプライ
マーの5’側に蛍光ラベルを施し、電気泳動を行い、所
定の検出装置によって増幅産物を検出することができ
る。本発明の方法により、従来の検出方法と比較して高
感度の検出結果が得られる。
【0055】また、放射性物質を使用しないため特殊な
廃棄処理設備を必要とせず、従来のように反応産物と取
り込まれなかった放射性物質とを分離させる必要もな
い。その結果、検出を迅速に行うことができる。すなわ
ち、HPA操作の開始から1時間以内に結果を得ること
ができるため、全体として1日以内で全ての検出プロセ
スを完了することができる。さらに、本発明によりテロ
メラーゼ活性を再現性よく検出することが容易にでき、
大量のサンプルを容易に取り扱うことができる。
【0056】本発明の方法を用いて臨床的に得られた組
織等のテロメラーゼ活性を検出することは、癌細胞の検
出及び癌の診断に有用であり、癌の進行や治療の予後を
モニターする上で極めて有用である。ここで、検出の対
象となる癌細胞としては、例えば侵襲的又は非侵襲的に
得られた検体に含まれるものが挙げられる。
【0057】本発明においては、物理的又は化学的にヒ
ト組織又は器官に傷(創傷)を与えて検体を採取した場
合、その採取に伴い出血があれば侵襲的であるという。
例えば手術、内視鏡による組織の切除、針による生検、
採血のための注射等が侵襲的な方法として例示される。
そして、侵襲的に得られた検体としては、膀胱組織、前
立腺組織、子宮組織、子宮頸組織、乳房組織、膵臓組
織、肝臓組織、大腸組織、胃組織、肺組織、末梢血細
胞、腎臓組織、皮膚組織、食道組織、脳組織又は口腔組
織等が挙げられる。
【0058】一方、本発明においては、物理的又は化学
的にヒト組織又は器官に傷(創傷)を与えることなく検
体を採取することができ、その結果出血がなければ非侵
襲的であるという。例えば体外への排泄物を採取する手
法や器官の洗浄等が非侵襲的な方法として例示される。
そして、非侵襲的に得られた検体としては、例えば尿、
前立腺液、膀胱洗浄液、子宮スメア、膵液、十二指腸
液、糞便、口腔内洗浄液、腸管内洗浄液、唾液又は痰等
が挙げられる。
【0059】(3) 癌細胞の検出用及び/又は癌の診断薬
キット 本発明のキットは、本発明のテロメラーゼの検出方法に
使用される試薬、すなわち、少なくとも「AGNGTT」(N
はA、T、G又はCを表す。)で示される塩基配列を
3’末端に含むオリゴヌクレオチドプライマー、配列番
号21で表される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプ
ライマー又はこれらのプライマーの塩基配列において少
なくとも1個のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加
された塩基配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー、
及び非放射性標識物質で標識されたプローブを含むもの
である。
【0060】また、本発明のキットには、これらのオリ
ゴヌクレオチドプライマーの5’側にプロモーター配列
が付加されたものも含まれる。これらのキットは、テロ
メラーゼ活性を検出するために、癌細胞を検出するため
に、あるいは癌を診断するために使用される。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されな
い。
【0062】〔実施例1〕TRAP法による増幅及びH
PA法によるテロメラーゼ活性の検出 I.材料及び方法 (1) 細胞株からのテロメラーゼを含む抽出液の調製 癌細胞株K562 およびMKN1を細胞培養し、培養液を
遠心し上清を除去した。次に、200μl の氷冷lysis buf
fer (10mM Tris 、1mM MgCl2、1mM EGTA 、0.5% CH
APS(Cholamidopropyl-dimethyl-ammonio-1-propanesul
fonate )、10% Glycerol、5mM β−メルカプトエ
タノール、0.1mM AEBSF(4-(2-aminoethyl)-benzenesu
lfonyl fluoride hydrochlorine ; pH 7.5) を添加後ピ
ペットで4〜5回攪拌した。氷上で30分間放置後、 15,
000rpm、20分間、4℃で遠心し上清を別のチューブに採
取した(細胞500個相当/μl)。
【0063】(2) プライマーの合成 プライマー1として配列番号1のものを、プライマー2
(リバースプライマー)として配列番号2のものを、A
BI社のDNA合成機を用いて合成した。
【0064】(3) TRAP法 癌細胞株からテロメラーゼを抽出し、以下の通りTRA
P法を行った。まず、下記の試薬をチューブに添加し
た。 5μl 10xTRAP-PCR バッファー(0.2M Tris, 15mM
MgCl2, 680mM KCl,0.05 % Tween20, 5mM EGTA pH 8.
3) 0.25μl 10mM dNTPs 2μl プライマー1(50ng/μl)(配列番号1) 0.2μl T4g32 プロテイン(5 μg/μl)(ベーリン
ガーマンハイム社) 0.4μl Ampli Taq(5U/μl) なお、32Pを用いる場合は0.4 μLのα−dCTP(3,0
00Ci/mmol; 4 μCi/assay)を添加する。
【0065】DEPC(diethyl pyrocarbonate)で処理
したH2Oで全量を48μl とした。これにテロメラーゼ
を含む抽出液を2μl 加え、攪拌後20℃で30分インキュ
ベートした。ミネラルオイルを1滴重層し、90℃で3分
間インキュベートし、2μlリバースプライマー(配列
番号2)(50ng/μl)を添加し、PCRを行った。PC
Rは、94℃で40秒、50℃で40秒、72℃で60秒を1サイク
ルとしてこれを31サイクル行い、最後に72℃で120 秒間
インキュベートした(IWAKI TSR-300)。試料は、(1) で
調製した2種類の抽出液を溶解バッファーで10倍段階希
釈したもの(細胞数1,000 、100 、10および1個相当/
チューブ)を用いた。
【0066】(4) HPAによる検出 プローブの感度比較試験 本発明において各プローブの感度を比較するため、合成
オリゴマーをターゲットとして純系でのHPAを行っ
た。ターゲットオリゴマー(配列番号12)をH2Oで500
、50、10、5、1および0.5fmol/10μl となるように
段階希釈した。各濃度のターゲットを10μl ずつチュー
ブに添加し、90μl のH2Oを加えた。化学発光量が 3.
0×106 rlu /100μl(rlu: relative light units) にな
るようにハイブリダイゼーション液で調製したプローブ
液を 100μl 添加後、60℃で20分間インキュベートし
た。これに 300μl のDH液(600mM ホウ酸, 182mM 水
酸化ナトリウム, 1% Triton X-100)を添加し、攪拌
後60℃で10分間インキュベートした。インキュベート後
チューブを水中で約3分間急冷した後、化学発光量をリ
ーダーI(Gen-Probe 社) で測定した。
【0067】図3及び4に示したように、純系でのHP
Aの検出感度は1万rlu をカット−オフ値とした場合0.
5〜1fmolであり、最も感度の良かったプローブがプロ
ーブ1であり、次にプローブ3であった。そこで、本発
明では、プローブとして使用し得るプローブ1〜8のう
ち、好ましいプローブとしてプローブ1をテロメラーゼ
活性の検出に用いた。なお、図4は、図3のターゲット
0〜10fmolにおける推移を拡大したものである。
【0068】 テロメラーゼ活性の検出 5μl のTRAPプロダクトを 100μl のH2Oの入っ
たチューブに添加し、95℃で5分間熱変性を行った。氷
水中で急冷(約3分) した後、 100μl のプローブ1
(配列番号3)(3×106 rlu/ 100μl )を添加した。
60℃で20分間インキュベート後、 300μl のDH液を添
加し攪拌した。60℃で10分間インキュベートした。続い
てチューブを水中で約3分間急冷した後室温に戻し、化
学発光量をリーダーIで測定した。
【0069】対照として、既存の方法(電気泳動後32
のラベル、及び非放射標識であるSYBR Green染色(FM
C社))による検出を行った。すなわち、細胞数 1,000
個及び 100個相当のTRAPプロダクトについて、プロ
ダクトを10、100 及び 1,000倍希釈し、前述と同様の方
法で、電気泳動したもの(32P又はSYBR Greenで染色)
の検出感度について、HPAを行ったものとの検出感度
を比較した。
【0070】なお、電気泳動は、12%のポリアクリルア
ミドゲルに10μl のTRAPプロダクトを用いて行った
(100Vで15分、 300Vで約1時間泳動した)。32Pを用
いた場合は、電気泳動後、80℃で30分間ゲルの乾燥を行
った。次に、−80℃でオートラジオグラフィーを行い、
ラダーの有無を確認した。また、SYBR Green染色は、0.
5 ×TBE(0.045M Tris-borate, 0.001M EDTA (pH8.
0) )でSYBR Greenを10,000倍に希釈した液で約30分間
染色した後、UV下でラダーの確認を行った。
【0071】II. 結果 図5において、抽出液を10倍段階希釈(細胞数1,000 、
100 、10、1 個相当のテロメラーゼを含む)したものを
サンプルとしてTRAPを行った場合、32P標識により
ラダーを確認できたものは細胞数10個相当までであり
(図5(1) )、SYBR Greenで染色したものでは10個(M
KN1)および 100個(K562)までであった(図5(2)
)。一方、HPAの検出感度は、1万rlu をカット−
オフ値とした場合、1個相当(MKN1)及び10個(K
562 )まで陽性となった(図5(3) )。
【0072】また、図6において、細胞数 1,000、 100
個相当の抽出液を用いたTRAPプロダクトを10倍段階
希釈して3者の検出感度比較を行った結果、32Pで標識
した場合は1,000 個相当のTRAPプロダクトで 100倍
希釈までラダーを確認でき(図6(1)A)、 100個相当の
TRAPプロダクトでは10倍希釈までしかラダーを確認
できなかった(図6(1)B)。SYBR Greenで染色した場合
は、1,000 、100 個相当のTRAPプロダクトとも10倍
希釈までしかラダーを確認できなかった(図6(2) )。
HPAの場合には 1,000及び 100個相当のTRAPプロ
ダクトとも 100倍希釈まで陽性となった(図6(3) )。
以上より、HPAの検出感度は32Pとほぼ同程度であ
り、SYBR Green染色による検出感度より、少なくとも10
倍高いことが確認された。
【0073】〔実施例2〕RNA合成による増幅及びH
PAによるテロメラーゼ活性の検出(1) 本発明者は、プライマー1の5'側にT7RNAポリメラ
ーゼプロモーター(配列番号13)を結合させたプライマ
ー(「T7プライマー」という;本実施例では配列番号
11のもの)を用いて、テロメラーゼ活性により伸長反応
を行い、T7RNAプロモーター領域を含む一本鎖DN
Aの合成を行った。この一本鎖DNAをターゲットとし
てTMAを行い、最終的にRNAを大量に合成した。
【0074】I.材料及び方法 (1)増幅試薬 4mM ATP, Disodium, Trihydrate 4mM CTP, Disodium, Dihydrate 4mM GTP, Disodium, Monohydrate 4mM UTP, Disodium, Dihydrate 40mM Trizma, Base 12.5mM 塩化カリウム 1mM dATP, Disodium 1mM dCTP, Trisodium 1mM dGTP, Trisodium 1mM dTTP, Trisodium pH 7.5±0.1 18mM 塩化マグネシウム
【0075】(2) 酵素試薬 1mM EDTA 140mM Trizma, Base 70mM 塩化カリウム 10% Triton X-102 2% グリセロール 2,000U RTase 2,000U T7 RNAポリメラーゼ
【0076】(3) プライマー 配列番号11のプライマー(10pmol/assay) 配列番号21のプライマー(30pmol/assay)
【0077】50μl の増幅試薬(配列番号11のプライマ
ーを含む)をチューブに加え、これに2μl のテロメラ
ーゼが含まれるK562細胞抽出液を希釈したものを添加
し、20℃で30分間インキュベートした。これに 200μl
のミネラルオイルと25μl の2倍濃度の増幅試薬(配列
番号21のプライマーを含む)を添加し、95℃で5分、次
に60℃で10分、そして42℃で5分間インキュベートし
た。25μl の酵素試薬を添加し、42℃で2時間インキュ
ベートした。増幅終了後、10μl のTMAプロダクトを
100 μl のH2O の入ったチューブに添加し、さらに100
μl のプローブ(3×106rlu/100 μl ) 液を添加し
た。
【0078】なお、プローブとして以下の配列を有し、
第14番目(T)と第15番目(A)との間にAEで標識し
たものを用いた。 プローブの配列:5'-CTAACCCTAACCCTAACCCTAACCCTAACTC
T-3'(配列番号29) 65℃で20分間インキュベート後、300 μl のDH液を添
加し攪拌した。65℃で10分間インキュベートした後、チ
ューブを水中で約3分間急冷した。室温に戻した後、化
学発光量をリーダーIで測定した。
【0079】II. 結果 図9のように、10個相当のK562細胞抽出液を用いた場合
でも陽性となり、高感度にテロメラーゼ活性を検出する
ことができた。
【0080】〔実施例3〕RNA合成による増幅及びH
PAによるテロメラーゼ活性の検出(2) 本実施例では、タッグ配列リバースプライマーを使用し
てRNA合成を行い、実施例2と同様にしてテロメラー
ゼ活性を検出した。但し、酵素試薬を添加した後の増幅
温度及び時間は、それぞれ40℃、75分間とした。
【0081】使用したプライマーを以下に示す。なお、
アルファベットの小文字はタッグ配列を示す。
【0082】 CXプライマー: CCCTTACCCTTACCCTTACCCTAA (配列番号2) CX-A-2: TTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号21) CX-A-2-III: acgtagcgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号22) CX-A-2-II-11: cgtagcgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号23) CX-A-2-II-10: gtagcgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号24) CX-A-2-II: tagcgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号25) CX-A-2-II-8: agcgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号26) CX-A-2-II-7: gcgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号27) CX-A-2-1: cgttagTTACCCTTACCCTTACCCT (配列番号28)
【0083】また、検出の対象としてK562細胞を用い、
所定の数に調製して試験を行った。その結果、500 個の
K562細胞の検出を行った場合は、図7に示すとおり、9
塩基のタッグを付加したプライマー(CX-A-2-II(配列番
号25) 及び12塩基のタッグを付加したプライマー
(CX-A-2-III(配列番号22))を用いたときにRNA
合成効率が高められ、検出感度が高まることがわかっ
た。
【0084】また、K562細胞の数を100 個に減らして検
出を行った場合は、9〜12塩基のタッグを付加したプ
ライマー(配列番号22〜25)を用いたときにRNA
合成効率が高められ、少ない細胞数においても検出感度
が高まることがわかった(図8)。
【0085】さらに、0〜50個のK562細胞を調製し、1
0塩基のタッグを付加したプライマー(CX-A-2-II-10
(配列番号24) )を用いてRNA合成反応及び検出を
行った場合は、細胞数2.5 個でも検出され(図10)、
本発明の方法により高感度に細胞を検出することができ
た。
【0086】〔実施例4〕癌細胞の検出 I.細胞及び組織 (1) 癌細胞株 HeLa細胞(子宮頸癌)、U937(組織球リンパ腫)、K562
(慢性骨髄性白血病)、U373MG(膠芽腫)、T98G(膠芽
腫)A172(膠芽腫)、MCF-7(乳癌) 、HT-1080(繊維肉
腫) 、LoVo (大腸癌) 、WiDr (大腸癌) 、SW857(大腸
癌) 及びVA-4(SV40-形質転換繊維芽細胞) を10%FCS 含
有RPMI培地で培養した。なお、正常細胞として、健常人
末梢核球(MNC) 及び健常人繊維芽細胞(HNF) から採取し
たものを用いた。
【0087】(2) 肝臓癌組織 手術切除された肝臓癌及び肝臓疾患83症例から得た組織
を液体窒素中で冷凍し、使用まで -80℃で保存した。 (3) 大腸癌組織 手術切除された大腸癌26症例から得た組織を液体窒素中
で冷凍し、使用まで -80℃で保存した。
【0088】III. TRAP 法 常法に従い、実施例1と同様にして前記細胞又は組織か
らテロメラーゼ活性を含む抽出液を得た。次に、それぞ
れの癌細胞株並びに大腸癌組織及び肝臓癌組織の細胞抽
出液についてテロメラーゼによる伸長反応及び遺伝子の
増幅を行った。
【0089】テロメラーゼによる伸長反応は、配列番号
1で表されるオリゴヌクレオチドを用い、20℃で30分行
った。また、遺伝子の増幅は、配列番号2で表されるオ
リゴヌクレオチドを用い、94℃で40秒、50℃で40秒及び
72℃で60秒の反応を1 サイクルとしてこれを31サイクル
行い、最後に72℃で120 秒インキュベートした(IWAKI
TSR-300)。
【0090】IV. HPA TRAP法で得た増幅産物を94℃で5分変性させたのち、増
幅産物とハイブリダイズするAE標識プローブを加え、60
℃で20分反応させた。次いで、DHバッファーを加え、60
℃で10分反応させた。反応溶液について、ルミノメータ
ーで化学発光量(RLU; relative light units) を測定し
た(測定時間2秒/tube)。
【0091】V.定量HPA テロメラーゼ活性陽性コントロール(対照)として、K5
62細胞抽出液の段階希釈液を用意し、前記癌細胞株と同
様にしてTRAPを行った。そして、IVに記載の方法に従っ
てHPA を行った。但しテロメラーゼ活性陽性コントロー
ルの広範囲な直線性を得るため、AE標識プローブ量と発
光量を調節し、2本の検量線を得た(図11)。
【0092】検量線の計算式から、サンプル中に含まれ
る癌細胞の標準コントロール対応個数分を算出した。す
なわち、得られたHPA のデータに基づいて、サンプル中
に含まれる各癌細胞が何個分の陽性細胞(K562細胞) に
相当するのかを検量線により算出した。得られた値に0.
1 を乗じ、HPA unitとした。
【0093】VI. 結果 図12に示す通り、各種癌細胞は、正常細胞と比較して
顕著なテロメラーゼ活性を有していた。また、肝臓癌
(HCC; Hepatocellular carcinoma)組織についてテロメ
ラーゼ活性を測定した結果、表1及び図13に示すとお
り、HCC では高分化型、中分化型及び低分化型の種類に
かかわらず、急性肝炎、慢性肝炎及び肝硬変と比較して
顕著にテロメラーゼ活性が認められた。また、大腸癌に
ついても同様の結果が得られた。
【0094】
【表1】
【0095】また、本発明の方法は、非侵襲的に又は侵
襲的に得た検体に含まれる細胞由来のテロメラーゼ活性
を検出又は定量することで癌の診断に利用する方法にも
有効である。診断可能な癌種と、カッコ内にそれに対応
する検体を例示すると、膀胱癌(尿、膀胱洗浄液、内視
鏡又は手術で得た組織)、前立腺癌(前立腺液、針生
検、手術で得た組織)子宮頸癌(スメア、内視鏡又は手
術で得た組織、子宮癌(内視鏡又は手術で得た組織)、
乳癌(針生検、手術で得た組織)、膵癌(膵液、十二指
腸液、手術で得た組織)、肝癌(針生検、手術で得た組
織)、口腔癌(口腔内洗浄液、手術で得た組織)、食道
癌(内視鏡又は手術で得た組織)、大腸癌(糞便、腸管
内洗浄液、内視鏡又は手術で得た組織)、胃癌(内視鏡
又は手術で得た組織)、肺癌(痰、内視鏡又は手術で得
た組織)、脳腫瘍(手術で得た組織)などである。ま
た、末梢血中の有核細胞にテロメラーゼ活性がみられれ
ば、白血病の診断に利用でき、もしその末梢血が固型癌
患者由来であれば、転移を予想することができる。
【0096】非侵襲的に得られた検体から癌を診断する
にあたり、その検体の例として尿を挙げる。尿からサン
プルを得る方法については、例えばJournal of Nationa
l Institute, Vol.89, No.10,p724-730,May 21,1997 に
記載の方法や、International Journal of Oncology 9:
1169-1173,1996, American Cancer Society (1997)p36
2-369に記載されている方法が挙げられる。これらの方
法により得た尿について、本発明の方法を用いてテロメ
ラーゼ活性を測定することにより、膀胱癌、前立腺癌、
腎臓癌の診断が可能である。これらのことから、本発明
の方法は、癌の診断に極めて有用であることがわかっ
た。
【0097】
【発明の効果】本発明により、テロメラーゼ活性の検出
方法、癌細胞の検出方法、癌の診断方法並びに癌細胞の
検出用及び/又は癌の診断薬キットが提供される。本発
明は、迅速かつ高感度にテロメラーゼ活性を検出できる
点で、癌の診断等に有用である。
【0098】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 他の情報: TS Primer 配列: AATCCGTCGA GCAGAGTT 18
【0099】配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 他の情報: CX Primer 配列: CCCTTACCCT TACCCTTACC CTAA 24
【0100】配列番号:3 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:14..15 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: CCCTTACCCT AACCCTAACT CTGCTCGAC 29
【0101】配列番号:4 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:15..16 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: CCCTTACCCT AACCCTAACT CTGCTCGAC 29
【0102】配列番号:5 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:9..10 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: ACCCTAACCC TAACTCTGCT CGACGGATT 29
【0103】配列番号:6 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:10..11 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: ACCCTAACCC TAACTCTGCT CGACGGATT 29
【0104】配列番号:7 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:13..14 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: CCTAACCCTA ACCCTAACCC TAACC
25
【0105】配列番号:8 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:14..15 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester CCTAACCCTA ACCCTAACCC TAACC 25
【0106】配列番号:9 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:15..16 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: ACCCTAACCC TAACCCTAAC CCTAACCCT 29
【0107】配列番号:10 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:16..17 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: ACCCTAACCC TAACCCTAAC CCTAACCCT 29
【0108】配列番号:11 配列の長さ:53 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AATTTAATAC GACTCACTAT AGGGAGACTC TCTCTCTCTC TCTCTCTAGA GTT 53
【0109】配列番号:12 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AATCCGTCGA GCAGAGTTAG GGTTAGGGTT AGGG 34
【0110】配列番号:13 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AATTTAATAC GACTCACTAT AGGGAGA 27
【0111】配列番号:14 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GAAATTTAAT ACGACTCACT ATAGGGAGA 29
【0112】配列番号:15 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTCCCTAAAT TAATACGACT CACTATAGGG AGATA 35
【0113】配列番号:16 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GCCGGGAATT TAATACGACT CACTATAGGG AGACC 35
【0114】配列番号:17 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACTTCGAAAT TAATACGACT CACTATAGGG AGACC 35
【0115】配列番号:18 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGCTCGAAAT TAATACGACT CACTATAGGG AGAAC 35
【0116】配列番号:19 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GCGTAGGAAA TAATACGACT CACTATAGGG AGAGG 35
【0117】配列番号:20 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ATTAACCCTC ACTAAAGGGA AC 22
【0118】配列番号:21 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TTACCCTTAC CCTTACCCT 19
【0119】配列番号:22 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: ACGTAGCGTT AGTTACCCTT ACCCTTACCC T 31
【0120】配列番号:23 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CGTAGCGTTA GTTACCCTTA CCCTTACCCT 30
【0121】配列番号:24 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GTAGCGTTAG TTACCCTTAC CCTTACCCT 29
【0122】配列番号:25 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: TAGCGTTAGT TACCCTTACC CTTACCCT 28
【0123】配列番号:26 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AGCGTTAGTT ACCCTTACCC TTACCCT 27
【0124】配列番号:27 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GCGTTAGTTA CCCTTACCCT TACCCT 26
【0125】配列番号:28 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CGTTAGTTAC CCTTACCCTT ACCCT 25
【0126】配列番号:29 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列の特徴 特徴を表す記号:modified base 存在位置:14..15 特徴を決定した方法:E 他の情報:acridinium ester 配列: CTAACCCTAA CCCTAACCCT AACCCTAACT CT 32
【図面の簡単な説明】
【図1】RNAポリメラーゼを用いたRNA合成反応を
利用し、テロメラーゼ活性を検出する概要を示す模式図
である。
【図2】HPA法の原理を示す図である。
【図3】プローブ1〜8の感度の測定結果を示す図であ
る。
【図4】プローブ1〜8の感度の測定結果を示す図であ
る。
【図5】HPA法と従来法の検出法における感度の比較
試験結果を示す電気泳動写真である。
【図6】HPA法と従来法の検出法における感度の比較
試験結果を示す電気泳動写真である。
【図7】タッグ配列を付加したオリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いたときのテロメラーゼ活性の検出結果を示
す図である。
【図8】タッグ配列を付加したオリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いたときのテロメラーゼ活性の検出結果を示
す図である。
【図9】タッグ配列を付加したオリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いたときのテロメラーゼ活性の検出結果を示
す図である。
【図10】タッグ配列を付加したオリゴヌクレオチドプ
ライマーを用いたときのテロメラーゼ活性の検出結果を
示す図である。
【図11】テロメラーゼ活性の検量線を示す図である。
【図12】各種癌細胞のテロメラーゼ活性を示す図であ
る。
【図13】肝臓癌組織のテロメラーゼ活性を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−274697(JP,A) 特表 平2−503147(JP,A) 特表 平4−500759(JP,A) 国際公開95/13381(WO,A1) Jpn.J.Cancer Re s.,Vol.87,pp.329−331 (1996) Methods in Cell S cience,Vol.17,pp.1− 15(1995) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テロメラーゼによるDNA伸長反応によっ
    て伸長されたオリゴヌクレオチド配列を、タッグ配列リ
    バースプライマー、又はプライマー1とタッグ配列リバ
    ースプライマーとの組み合わせを用いて増幅し、得られ
    る増幅産物を非放射性標識物質で標識されたプローブと
    ハイブリダイズさせることによりテロメラーゼ活性を検
    出することを特徴とするテロメラーゼ活性の検出方法で
    あって、 プライマー1が、少なくとも「AGNGTT」(NはA、T、G又
    はCを表す。)で示される塩基配列を3’側に含むもので
    あり、 タッグ配列リバースプライマーが、配列番号21に示さ
    れる塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーの
    5’側に、さらに「TTAGGG」で示される配列とはハイブ
    リダイズしない9〜12個の配列が付加されたオリゴヌ
    クレオチドプライマーである、前記検出方法。
  2. 【請求項2】 増幅が、RNA合成反応により行われるも
    のである請求項1記載の検出方法。
  3. 【請求項3】 タッグ配列リバースプライマーが、配列
    番号22〜25に示されるいずれかのものである請求項
    1又は2記載の検出方法。
  4. 【請求項4】 プライマー1が配列番号1に示されるも
    のである請求項1〜3のいずれか1項に記載の検出方
    法。
  5. 【請求項5】 非放射性標識物質が、アクリジニウムエ
    ステル、ルミノール、イソルミノール、ピロガロール、
    プロトヘミン、アミノブチルエチル-n-イソルミノー
    ル、アミノヘキシルエチル-n-エチル−イソルミノー
    ル、又はアクリジン誘導体である請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の検出方法。
  6. 【請求項6】 アクリジン誘導体が、次式I: 【化1】 ( [式中、Xはハロゲン又は次式II: 【化2】 (式中、X1 は窒素原子、リン原子、ホウ素原子又はヒ
    素原子を表し、R1 はアルコキシ若しくはアリールオキ
    シ、又は置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル若
    しくはアリールを表し、R2 は水素原子、アルコキシ若
    しくはアリールオキシ、又は置換若しくは非置換のアル
    キル、アルケニル若しくはアリールを表す。) 若しくは次式III: −X2−R2 (III) (式中、X2は酸素原子又は硫黄原子を表し、R2 は前
    記と同様である。) で示される基を表し、Yは酸素原子、硫黄原子又はNH
    を表し、R3 は水素原子、アミノ、ヒドロキシ、チオー
    ル、カルボン酸、ハロゲン、ニトロ、アルコキシ若しく
    はアリールオキシ、又は置換若しくは非置換のアセチ
    ル、アルキル、アルケニル若しくはアリールを表し、R
    4 は置換又は非置換のアルキル、アルケニル又はアリー
    ルを表し、R1、R2、R3又はR4の少なくとも1つは化
    学結合できる反応性部位を含む。] ) で示されるものである、請求項5記載の検出方法。
  7. 【請求項7】 オリゴヌクレオチド配列の増幅が、プラ
    イマー1及び/又はタッグ配列リバースプライマーに、
    さらにプロモーター配列が付加されたプライマーを用い
    て行われるものである請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の検出方法。
  8. 【請求項8】 プロモーター配列がT7RNAポリメラ
    ーゼプロモーター配列、T3RNAポリメラーゼプロモ
    ーター配列又はSP6RNAポリメラーゼプロモーター
    配列である請求項7記載の検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のテ
    ロメラーゼ活性の検出方法により癌細胞中のテロメラー
    ゼ活性を検出することを特徴とする癌細胞の検出方法。
  10. 【請求項10】 癌細胞が、侵襲的又は非侵襲的に得ら
    れた検体に含まれるものである請求項9記載の検出方
    法。
  11. 【請求項11】 侵襲的に得られた検体が、膀胱組織、
    前立腺組織、子宮組織、子宮頸組織、乳房組織、膵臓組
    織、肝臓組織、大腸組織、胃組織、肺組織、末梢血細
    胞、腎臓組織、皮膚組織、食道組織、脳組織又は口腔組
    織である請求項10記載の検出方法。
  12. 【請求項12】 非侵襲的に得られた検体が、尿、前立
    腺液、膀胱洗浄液、子宮スメア、膵液、十二指腸液、糞
    便、口腔内洗浄液、腸管内洗浄液、唾液又は痰である請
    求項10記載の検出方法。
  13. 【請求項13】 プライマー1、タッグ配列リバースプ
    ライマー、及び非放射性標識物質で標識されたプローブ
    を含む診断薬キットであって、 プライマー1が、少なくとも「AGNGTT」(NはA、T、G又
    はCを表す。)で示される塩基配列を3’側に含むもので
    あり、 タッグ配列リバースプライマーが、配列番号21に示さ
    れる塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマーの
    5’側に、さらに「TTAGGG」で示される配列とはハイブ
    リダイズしない9〜12個の配列が付加されたオリゴヌ
    クレオチドプライマーである、前記キット。
  14. 【請求項14】 プライマー1及び/又はタッグ配列リ
    バースプライマーにプロモーター配列が付加された、請
    求項13記載の診断薬キット。
  15. 【請求項15】 タッグ配列リバースプライマーが、配
    列番号22〜25に示されるいずれかのものである請求
    項13又は14記載の診断薬キット。
  16. 【請求項16】 プロモーター配列がT7RNAポリメ
    ラーゼプロモーター配列、T3RNAポリメラーゼプロ
    モーター配列又はSP6RNAポリメラーゼプロモータ
    ー配列である請求項14記載の診断薬キット。
  17. 【請求項17】 テロメラーゼ活性検出のための請求項
    13〜16のいずれか1項に記載の診断薬キット。
  18. 【請求項18】 癌の診断のための請求項13〜16の
    いずれか1項に記載の診断薬キット。
  19. 【請求項19】 癌が、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子
    宮頸癌、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、大腸癌、胃癌、肺癌、
    腎臓癌、皮膚癌、口腔癌、食道癌、脳腫瘍又は白血病で
    ある請求項18記載の診断薬キット。
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