JP3336152B2 - スチーム発生装置 - Google Patents

スチーム発生装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電によりスチームを
イオン化するスチーム発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のスチーム発生装置と
しては、スチーム発生室内に一対の放電電極を対向配置
し、放電電極の放電によりスチームをイオン化(微細
化)してスチーム噴出孔から外部へ放出し、特に毛髪や
肌にスチームを作用させる場合にスチームが毛髪や肌に
浸透し易くなるようにしたものが知られている。
【0003】また、従来の放電電極20′は、例えば図
7に示すように、放電電極20′の基部20bをテフロ
ンチューブ30にて被覆したものが知られており、この
放電電極20′をスチーム発生室(図示せず)のハウジ
ングに設けた支持開口部にテフロン材から成る固定部を
挿着し、この固定部に上記テフロンチューブ30で被覆
した放電電極20′を挿入して固定するようにしてい
た。このテフロンチューブ30は揆水性を有しており、
結露防止を図るうえで有効である。尚、図中の60は高
圧発生手段に電気的に接続される端子部、22はカシメ
部、Rは抵抗部である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構造では、テフロンチューブ30で被覆された放電電極
20′と、スチーム発生室の支持開口部に挿着されるテ
フロン材の固定部とが別部材であるため、部品点数の増
加により組立て性及び作業性が低下するばかりか、部材
の寸法精度、取付け精度の誤差等に起因して、放電電極
20′の位置ずれ(芯ずれ)や、放電電極20′間の距
離の変化等が生じるおそれがあり、そのために安定した
放電ができなくなり、結果的にイオン化スチーム粒子を
安定的に発生させることができないという問題があっ
た。
【0005】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、放電の安定化を図
ることができると共に、組立て性及び作業性の向上を図
ることができ、且つ結露によるリーク発生を防止するこ
とができるスチーム発生装置を提供するにあり、さらに
他の目的とするところは、スチーム発生室の防水効果を
容易に高めることができるスチーム発生装置を提供する
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、スチーム発生室13内に一対の放電電極
20を対向配置し、放電電極20の放電によりスチーム
をイオン化するようにしたスチーム発生装置において、
各放電電極20の夫々の基部20bに難燃材から成る支
持体22を一体形成して一対の電極ブロック23を構成
し、各放電電極20の先部20aをスチーム発生室13
内に突出させた状態で各電極ブロック23の支持体22
部分をスチーム発生室13のハウジング24に設けた支
持開口部25に挿嵌すると共に、スチーム発生室13内
へ突出した電極ブロック23の支持体22部分の表面2
2aを揆水性材26で被覆して成ることに特徴を有して
いる。
【0007】また、電極ブロック23の支持体22部分
とスチーム発生室13の支持開口部25との嵌合面が該
支持体22の挿嵌方向Aに対して傾斜したテーパ面であ
るのが好ましい。
【0008】
【作用】本発明によれば、各放電電極20の夫々の基部
20bに難燃材から成る支持体22を一体形成して一対
の電極ブロック23を構成し、各放電電極20の先部2
0aをスチーム発生室13内に突出させた状態で各電極
ブロック23の支持体22部分をスチーム発生室13の
ハウジング24に設けた支持開口部25に挿嵌したか
ら、電極ブロック23の一体化により、部材の寸法精
度、取付け精度の誤差が生じなくなり、従来のような放
電電極20の位置ずれ(芯ずれ)や、放電電極20間の
距離Dの変化等が生じなくなり、安定した放電ができる
ようになる。しかも、スチーム発生室13内へ突出した
電極ブロック23の支持体22部分の表面22aを揆水
性材26で被覆したから、揆水性材26による揆水作用
により支持体22部分の表面22aでの結露防止を図る
ことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例では、図3に示すように、スチーム発生
機構1を内蔵しているヘッド部2と、高圧発生手段3を
内蔵しており使用時に保持する部分であるハンドル4と
で構成された本体5と、この本体5に対して開閉操作自
在となった基台6とを備えたスチームヘアカール器7を
例示する。この基台6には、フック8,9によりブラシ
部10が着脱自在に装着されると共に、基台6と本体5
とに夫々ブリスル11が設けられ、さらに基台6を本体
5から開放するための操作子12が設けられており、操
作子12により基台6を本体5に閉じた状態にして基台
6に取付けたブラシ部10で毛髪をブラッシングする状
態と、基台6と本体5とを開放した状態にしてブラシ部
10を基台6から取外すと共にブリスル11,11間に
毛髪を挟み込んでブラッシングする状態とのいずれかを
自由に選択できる構造となっている。
【0010】また、スチーム発生機構1のスチーム発生
室13内にはヒータ部14と放電部15とが配置されて
いる。ヒータ部14には給水タンク16からフェルト1
7を介して水が供給され、この水はヒータ部14により
加熱されて蒸気化し、発生したスチームが放電部15の
放電により、弱酸性化し、その粒子が微細化(イオン
化)されて、本体5に設けたスチーム噴出孔18から開
口部19より噴出するようになっている。このようにイ
オン化スチーム粒子を噴出させながらブラッシングを行
なえば、毛髪への水分の浸透性が良く、通常のスチーム
に比べて、例えば約0.1〜0.9ポイント水分率を上
げることができ、しっとり感のある仕上がりが得られる
と共に、毛髪に対するブリスル11の通りも良くなって
毛髪を傷め難くすると共に、癖毛を伸ばす効果が高くな
る。また、これに伴い静電気量も温風でブラッシングす
ると多くなって髪の毛が広がり易く、ストレートにまと
まり難いが、水分を与えながらのブラッシングの場合に
は静電気が水分で抑えられるため、ストレートにまとま
り易くなる。
【0011】ここで、放電部15は、図1、図2、図
4、図5に示すように、一対の放電電極20,20から
成り、これら放電電極20の先部20aがスチーム発生
室13内に対向配置されている。放電電極20の材質
は、例えば長さが8mm程度の棒状に加工された銀パラ
ジウム(AgPd、Pd:40%)が用いられる。放電
電極20の基部20bには略L字状に形成されたリード
部21の一端21a側がカシメにより連結されている。
リード部21の材質は、黄銅板(BSP:0.3t)か
ら成る。このリード部21の他端21b側はカシメ部2
2、抵抗部R及び端子部60を介して後述する高圧発生
手段3に電気的に接続されている。
【0012】各放電電極20の夫々の基部20bには、
例えばP.P.S(ポリフェニレンサルファイド)等の
ような難燃材より成る支持体22が一体形成されて電極
ブロック23が構成される。本実施例では、放電電極2
0の基部20bを含むリード部21のL字状部分全体が
支持体22と一体形成され、且つ放電電極20の先部2
0aをスチーム発生室13内に突出させた状態で電極ブ
ロック23の支持体22部分がスチーム発生室13のハ
ウジング24に設けた支持開口部25(図5)に挿嵌さ
れるようになっている。この電極ブロック23の支持体
22部分の外面は支持開口部25に対する電極ブロック
23の挿嵌方向Aに向かう程徐々に先細状となるように
傾斜したテーパ面となっており、一方、支持開口部25
の内面もまた該支持体22部分と同じ方向に傾斜したテ
ーパ面となっており、電極ブロック23の支持体22部
分がハウジング24の支持開口部25によるテーパ挿入
止めにより固定されるようになっている。
【0013】さらに、スチーム発生室13内へ突出した
電極ブロック23の支持体22部分の表面22aにはテ
フロン等のような揆水性材26が被覆されている。支持
体22の外面には爪状の突起80が突設され、揆水性材
26の内面には該突起80が嵌合する凹部81が凹設さ
れ、突起80と凹部81との凹凸嵌合により、揆水性材
26は支持体22の外面に位置決めされ、揆水性材26
による結露防止効果が得られるようになっている。
【0014】次に、放電電極20に接続される高圧発生
手段3の回路図の一例を図6に示す。この例では、電源
スイッチSWはオンオフ切替型であり、オン位置でヒー
タ部14と高圧発生手段3とに通電される。高圧発生手
段3は、抵抗R、ダイオードD、コンデンサC、高圧ト
ランス70から成り、高圧トランス70の一次側コイル
と並列に所定の電圧でオンするスイッチング素子Qが接
続されている。ここで、高圧発生手段3に電源が供給さ
れると、コンデンサCに電荷が充電され、スイッチング
素子Qの両端電圧も上昇する。そして、スイッチング素
子Qの両端電圧が所定の電圧に達すれば、スイッチング
素子QのオンでコンデンサCに充電された電荷がスイッ
チング素子Qを通じて高圧トランス70に流れ、高圧ト
ランス70の二次側に高電圧が生じて、放電電極20で
空間放電する。高圧トランス70の一次側コイルと二次
側コイルの間を短絡している抵抗R2は、二次側コイル
の電位を安定させるためのものである。尚、高圧発生手
段3は図6の構成に限定されるものではない。
【0015】しかして、上記電極ブロック23の放電電
極の先部をスチーム発生室内に突出させた状態で電極ブ
ロック23の支持体22部分をスチーム発生室13のハ
ウジング24に設けた支持開口部25に挿嵌させるよう
にしたから、電極ブロック23の一体化により、部材の
寸法精度、取付け精度の誤差を無くすことができ、これ
に伴い放電電極20の位置が安定化し、放電電極20間
の距離Dの変化等も生じなくなり、従って、放電の安定
化が図られ、イオン化スチーム粒子を安定的に発生させ
ることができる。また、放電電極20と支持体22との
一体化により、部品点数が減少し、組立て性及び作業性
がアップする。さらに、スチーム発生室13内へ突出し
た電極ブロック23の支持体22部分の表面22aを揆
水性材26で被覆したことにより、揆水性材26による
揆水作用によりスチーム発生室13内に露出した支持体
22部分の表面22aでの結露防止を図ることができ、
安定した放電を行いながら、同時にリーク発生を防止で
きる。そのうえ、電極ブロック23の支持体22部分と
スチーム発生室13の支持開口部25との嵌合面を該支
持体22の挿嵌方向Aに対して傾斜したテーパ面とした
から、電極ブロック23の支持体22部分とスチーム発
生室13の支持開口部25とのテーパ嵌合により、支持
開口部25からの水漏れや、スチーム漏れが生じるのを
確実に防止でき、スチーム発生室13の防水効果を高め
ることが容易となる。
【0016】また本実施例では、銀パラジウムから成る
放電電極20の基部20bに黄銅板から成るリード部2
1をつなぎ合わせたものを難燃材から成る支持体22で
一体化して電極ブロック23を構成したから、従来(図
7)のL字状に曲成された放電電極20′では23mm
程度必要であったものを、本実施例では放電電極20の
長さを8mm程度にまで短縮することが可能となり、コ
ストダウンが図られる。尚、放電電極20の材質は銀パ
ラジウムに限定されるものではなく、リード部21の材
質は黄銅板に限定されるものではない。
【0017】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明は、スチ
ーム発生室内に一対の放電電極を対向配置し、放電電極
の放電によりスチームをイオン化するようにしたスチー
ム発生装置において、各放電電極の夫々の基部に難燃材
から成る支持体を一体形成して一対の電極ブロックを構
成し、各放電電極の先部をスチーム発生室内に突出させ
た状態で各電極ブロックの支持体部分をスチーム発生室
のハウジングに設けた支持開口部に挿嵌したから、電極
ブロックの一体化により、部材の寸法精度、取付け精度
の誤差を無くすことができ、これに伴い放電電極の位置
が安定化し、放電電極間の距離の変化等も生じなくな
り、従って、放電の安定化が図られ、イオン化スチーム
粒子を安定的に発生させることができ、且つ部品点数が
減少して組立て性及び作業性の向上を図ることができ
る。更にスチーム発生室内へ突出した電極ブロックの支
持体部分の表面を揆水性材で被覆したことにより、揆水
性材による揆水作用により支持体部分の表面での結露防
止を図ることができ、安定した放電を行いながら、同時
にリーク発生を防止できるという効果を奏する。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の電極ブロッ
クの支持体部分とスチーム発生室の支持開口部との嵌合
面が該支持体の挿嵌方向に対して傾斜したテーパ面であ
るから、請求項1記載の効果に加えて、電極ブロックの
支持体部分とスチーム発生室の支持開口部とがテーパ嵌
合して支持開口部から水漏れや、スチーム漏れが生じる
のが確実に防がれ、スチーム発生室の防水効果を高める
ことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の放電部付近の断面図であ
る。
【図2】同上の電極ブロックの断面図である。
【図3】同上の放電部を備えたスチームヘアカール器の
断面図である。
【図4】(a)はスチーム発生室付近の側面断面図、
(b)は正面断面図である。
【図5】(a)は電極ブロックの配置状態を説明する一
部破断側面図、(b)は(a)のB部の拡大断面図であ
る。
【図6】同上の高圧発生手段の回路図である。
【図7】従来の放電電極の断面図である。
【符号の説明】
13 スチーム発生室 20 放電電極 20a 先部 20b 基部 22 支持体 22a 表面 23 電極ブロック 24 ハウジング 25 支持開口部 26 揆水性材 A 挿嵌方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A45D 20/50 A45D 1/04 A45D 7/02 A46B 11/00 102

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチーム発生室内に一対の放電電極を対
    向配置し、放電電極の放電によりスチームをイオン化す
    るようにしたスチーム発生装置において、各放電電極の
    夫々の基部に難燃材から成る支持体を一体形成して一対
    の電極ブロックを構成し、各放電電極の先部をスチーム
    発生室内に突出させた状態で各電極ブロックの支持体部
    分をスチーム発生室のハウジングに設けた支持開口部に
    挿嵌すると共に、スチーム発生室内へ突出した電極ブロ
    ックの支持体部分の表面を揆水性材で被覆して成ること
    を特徴とするスチーム発生装置。
  2. 【請求項2】 電極ブロックの支持体部分とスチーム発
    生室の支持開口部との嵌合面が該支持体の挿嵌方向に対
    して傾斜したテーパ面であることを特徴とする請求項1
    記載のスチーム発生装置。
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