JP3334488B2 - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP3334488B2
JP3334488B2 JP11675196A JP11675196A JP3334488B2 JP 3334488 B2 JP3334488 B2 JP 3334488B2 JP 11675196 A JP11675196 A JP 11675196A JP 11675196 A JP11675196 A JP 11675196A JP 3334488 B2 JP3334488 B2 JP 3334488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光走査装置に係
り、より詳しくは、光源から出射される光ビームを被走
査面に対して主走査することによって該被走査面を走査
する光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内蔵した光走査装置によっ
て、記録すべき画像に基づく光ビームを記録面に対して
主走査及び副走査することによって該記録面に画像を露
光するプリンタが知られている。このようなプリンタに
おいては、記録面に照射する光ビームの1画素あたりの
点灯時間(パルス幅)を変え、露光される画像の面積を
変えることにより階調表現を行う方法が知られている
(Pulse WidthModulation =
PWM方式)。
【0003】このPWM方式においては、光走査装置で
のビーム径の設定を主走査方向について画素サイズより
も小さくすると階調表現の幅が広がることが知られてい
る。即ち、主走査方向のビーム径を画素サイズに対し小
さく設定することにより、濃度の低い領域を再現するこ
とが可能となり、かつ中・高濃度域の階調表現に関して
もその再現のばらつきが小さくなり一様性が増す。例え
ば、特開平3−2773号公報によると、主走査方向の
ビーム径を画素サイズに対し70%以下に設定すると、
極めて高い効果があると示されている。これは400線
のPWM方式の階調画像では約44μm以下に、600
線のPWM方式の階調画像では約30μm以下に相当す
る。
【0004】しかしながら、通常のレンズを用いた光学
系の光走査装置においては、主走査方向のビーム径を極
端に絞ることは困難である。即ち、レーザ光等の光ビー
ムをレンズを用いて結像させたビーム(ガウシアンビー
ム)の場合、ビーム径を小さくしていくと、該ビームの
焦点深度が浅くなってしまう。その一方で、光走査装置
においては、結像した光ビームの深度方向の中心位置
(ビームウエスト)が必ずしも被走査面に一致せず、若
干ずれるのが通例であり、また光源として用いることの
多いレーザダイオード素子は、周囲の温度変化に伴っ
て、出射する光ビームの波長が変動するため、ビームウ
エストの位置も変動してしまう。
【0005】これらの制約、さらには設計公差などを考
えると、一般的な光走査装置の主走査方向のビーム径
は、780nmの赤外光光源を用いた場合には40μm
程度が、670nmの可視光光源を用いた場合には35
μm程度が、その限界であると考えられる。
【0006】一方、近年では、コンパクトディスク、光
磁気ディスク、光走査装置等において、超解像現象を利
用して形成されるベッセルビームの適用が提案されてい
る。このベッセルビームは、第1種0次ベッセル関数の
2乗にほぼ比例する強度分布を示す光ビームであり、非
回折性ビームとも呼ばれる。
【0007】上記超解像現象とは、光の干渉を利用した
ビーム径形成手法である。即ち、光軸上に同波長・同位
相の光を集光あるいは交差させ光の干渉域を形成する。
この干渉域において光軸上では光は常に強め合い、そこ
から外れた所では常に弱め合うため、結果としてレンズ
で光を結像する場合に似たビームスポットが得られる。
このようにして形成されるベッセルビームは、ビーム径
を極めて細く絞りつつ同時に深い焦点深度が得られると
いう特性を有する。
【0008】しかしながら、このベッセルビームでは、
被走査面上で光軸中心に対し同心円状に大きな副極大
(サイドローブ)が発生すること、また光の干渉を利用
するため光の位相のオーダーで光学部材を調整取付けす
る必要があることなどから、実際の産業分野への適用は
困難であった。
【0009】また、従来提案されているベッセルビーム
の光学系は、主走査・副走査といった方向性の区別な
く、円形ビームを小径化することに主眼が置かれてお
り、代表的なものとして、円形開口を通過した光の回折
光を干渉させてベッセルビームを発生させるもの(非回
折性レーザービーム/上原喜代治/応用物理 59巻6
号所載)、アキシコンプリズムを用いるもの(特開平4
−171415号公報参照)などが知られている。とこ
ろが、前者は、円形開口部での光量損失が極めて大き
く、その実用には極めて強力なレーザ光源を必要とする
ことなどから、産業分野への適用は困難であり、後者
は、光学部材の部分的なばらつき(例えば硝材の厚さ・
屈折率の部分的なばらつきなど)があった場合には、そ
れを補正することができず、やはり良好なベッセルビー
ムを実現するのは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解消するために成されたものであり、超解像現象の利点
を活用し、サイドローブの悪影響を少なく抑えつつ主走
査方向のビーム径を画素サイズに比べごく小さく絞るこ
とができる光走査装置を提供することを第1の目的と
し、光学部材の位置精度出しを容易に行うことができる
光走査装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1記載の光走査装置は、光源から出射
される光ビームを被走査面に対して主走査することによ
って該被走査面を走査する光走査装置であって、前記光
ビームを一方向について複数の光路に分割する分光光学
系と、前記分光光学系により複数の光路に分割された光
ビームを前記被走査面上に収束させる収束光学系と、を
有し、前記収束光学系で光ビームを収束させる際に、光
の干渉を発生させ、前記一方向についてベッセルビーム
を形成させる、ことを特徴とする。
【0012】なお、上記一方向としては、主走査方向
や、被走査面において主走査方向に垂直な方向(以下、
副走査方向と称す)、或いはこれら以外の任意の1つの
方向を適用できる。
【0013】この請求項1記載の光走査装置では、分光
光学系によって光ビームを一方向について複数の光路に
分割し、収束光学系によって、前記複数の光路に分割さ
れた光ビームを被走査面上に収束させる。この収束の際
に、光の干渉を発生させ、前記一方向についてベッセル
ビームを形成させる。このようにして一方向についての
みベッセルビームを形成する。
【0014】例えば、一方向として主走査方向にのみ図
3(A)に示すようなベッセルビームを形成し、それに
対し副走査方向は従来のように図3(B)に示すような
ガウシアンビームを形成する。このとき、主走査方向に
は10μm程度の極端に小さなビーム径が、副走査方向
には通常の結像光学系で得られるクラスのビーム径が、
それぞれ実現でき、同時にサイドローブの発生も主走査
方向のみに限定される。
【0015】このように請求項1記載の光走査装置によ
れば、サイドローブの悪影響を少なく抑えつつ主走査方
向のビーム径を画素サイズに比べごく小さく絞ることが
でき、階調表現の幅を広げることができる。
【0016】次に、上記第2の目的を達成するために、
請求項2記載の光走査装置は、請求項1記載の光走査装
置において、前記複数の光路のうち少なくとも一方の光
路上に、光路長を調整する光路長調整手段を設けたこと
を特徴とする。
【0017】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項3記載の光走査装置は、請求項1又は請求項2に
記載の光走査装置において、前記分光光学系の傾きを補
正する傾き補正手段をさらに有することを特徴とする。
【0018】上記請求項2記載の光走査装置のように、
複数の光路のうち少なくとも一方の光路上に、光路長を
調整する光路長調整手段を設けることにより、該光路長
調整手段によって光路長を微調整し、複数の光路に分割
された光ビームの波面調整を容易に行うことができ、好
適にベッセルビームを発生させる光の干渉状態を得るこ
とができる。
【0019】また、上記請求項3記載の光走査装置のよ
うに、分光光学系の傾きを補正する傾き補正手段を具備
することにより、該補正手段によって分光光学系の傾き
補正を容易に行うことができ、好適にベッセルビームを
発生させる光の干渉状態を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る光走査装置の各種実施形態を順に説明する。
【0021】[第1実施形態]図1に示す第1実施形態
の光走査装置10には、光源としてのレーザダイオード
12が設置されており、このレーザダイオード12の出
射側近傍には、レーザダイオード12からの光ビーム
を、拡散光から平行光に変換するためのコリメータレン
ズ14が配置されている。
【0022】コリメータレンズ14で波面(位相)の揃
った平行光とされた光ビームは、シリンドリカルレンズ
16を介して、2枚組の三角プリズム18に入射し、こ
れら2枚組の三角プリズム18によって主走査方向にみ
て2つの光路に分割され、波面の揃った2本の平行な光
ビームに変換される。2本の平行な光ビームはミラー2
0で反射された後、回転多面鏡22の側面に設けられた
反射面22C上に収束するようになっている。
【0023】回転多面鏡22は、その側面に反射面22
Cを8面有すると共に、図示しないスキャナモータによ
って軸22Bを中心に矢印Q1方向に等角速度で回転し
ており、各反射面22Cへの光ビームの入射角を連続的
に変化させ偏向する役割を有している。即ち、回転多面
鏡22は、光ビームを偏向して矢印Mで示す主走査方向
に沿って走査させる。
【0024】回転多面鏡22によって偏向された光ビー
ムの進行方向には、該光ビームを被走査体28における
被走査面28A上に主走査方向に収束させ且つ該収束点
を矢印Mで示す主走査方向に等速度移動させるためのf
θレンズ24が配置されている。fθレンズ24を透過
した光ビームは、シリンドリカルレンズ26を介して被
走査面28A上に結像する。
【0025】一方、ドラム状の被走査体28は軸Vを中
心として矢印Q2方向に回転している。即ち、被走査面
28Aは図1において紙面垂直方向に(副走査方向に)
スクロールしている。
【0026】よって、上記fθレンズ24の作用による
被走査面28A上の結像点の主走査方向に沿った等速度
移動と、被走査面28Aの副走査方向へのスクロール
と、によって、被走査面28Aは光ビームにより走査さ
れる。
【0027】ところで、被走査面28A上に収束する光
ビームは、主走査方向については、2枚組の三角プリズ
ム18によって一旦2つの光路に分割されるものの、f
θレンズ24によって被走査面28A上に収束すること
となる。このとき、光路が交差して光の干渉が発生し、
結果として主走査方向の断面を見るとベッセルビームが
形成される。
【0028】一方、この光ビームは、副走査方向につい
ては、シリンドリカルレンズ16によって回転多面鏡2
2の反射面22C上に一旦収束する。反射面22Cで偏
向されると同時に再度発散した光ビームは、シリンドリ
カルレンズ26によって被走査面28A上に収束する。
このような構成とすることにより、光走査装置10で
は、副走査方向において、反射面22Cと被走査面28
Aとが光学的に共役の関係となり、反射面22Cの面精
度のバラツキを補正する、いわゆる面倒れ補正光学系が
実現されている。このとき被走査面28A上に収束する
ビームプロファイルを副走査方向から見ると、ガウシア
ンビームとなる。
【0029】以上説明した本第1実施形態の光走査装置
10において、被走査面28A上に収束する光ビームの
ビームプロファイルについて、さらに説明を加える。
【0030】まず、主走査方向成分のビームプロファイ
ルに関しては次の式(1)でその形状が表されること
が、特開平5−307151号公報に示されている。
【0031】I0(r)=A・J0 2(αr) ・・・(1) 但し、A:定数、r:光軸からの距離、α:定数、
0 :1種0次ベッセル関数であり、実際の光学系に適
用する場合は、これにガウス関数を乗じた形に近似でき
ることが同文献に示されている。より具体的には、ビー
ムプロファイルの主走査方向の断面が図3(A)に示す
ように中心部で急激に立ち上がる曲線となる。
【0032】また、特開平6−139614号公報に
は、ベッセルビームを適用した場合に得られるビーム径
の大きさDが次の式(2)で示されている。
【0033】D=0.82λ/NA ・・・(2) 但し、λは使用する光の波長、NAはその光学系の開口
数を示す。
【0034】ここで、一例として波長λを780nm、
開口数NAを0.062とした場合の光学系を想定する
と、この光学系によって形成されるビーム径は10μm
となる。焦点深度は光学系の設定によるが、同程度のガ
ウシアンビームに比べて非常に深い深度が得られる。
【0035】なお、特開平5−307151号公報に示
されるビーム径を10μmに絞った光走査装置の例で
は、ガウシアンビームを用いた光走査装置の焦点深度は
0.3mm程度しかないのに対し、ベッセルビームを用
いた光走査装置の焦点深度は10mm程度となることが
示されている。即ち、像面湾曲の大きさ、温度変化に起
因した光ビームの波長変化による焦点位置のずれを考慮
すると、ガウシアンビームで10μmのビーム径を実現
するのは極めて困難であるが、ベッセルビームを用いれ
ば10μm程度のビーム径を達成することが可能とな
る。
【0036】但し、図2に示すように、ベッセルビーム
における主ビームの主走査方向両隣には、ガウシアンビ
ームに比べて大きなサイドローブが発生する。その大き
さは、メインビームに比べて、1次のサイドローブが1
5%程度、2次も10%程度に及ぶ。ガウシアンビーム
の場合は大きくとも5%程度である。
【0037】次に、本第1実施形態の光走査装置による
副走査方向のビーム径のプロファイルに注目する。これ
に関しては、図3(B)に示すように通常の結像光学系
で得られるガウシアンビームとなる。そのビーム径の大
きさは解像密度によって決まり、例えば600dpiで
は42μm以上に、400dpiでは63.5μm以上
に設定される。この副走査方向に関してはサイドローブ
の発生は小さく、大きくとも5%程度である。
【0038】以上の説明から明らかなように、本第1実
施形態の光走査装置によれば、主走査方向に極めて細い
ビーム径の光ビームを被走査面に収束させることができ
る。計算の結果として、図4の線図には、300dpi
のPWM変調の階調画像を形成する際に、本構成の光走
査装置で主走査方向10μmのビーム径のベッセルビー
ムにより形成した場合の階調特性曲線L2と、従来のガ
ウシアンビームで主走査方向50μmのビーム径の光ビ
ームにより形成した場合の階調特性曲線L1とを示す。
なお、副走査方向は共に50μmのガウシアンビームと
する。
【0039】図4の階調特性曲線L1、L2を比較した
場合、矢印U1部において階調特性曲線L2の方が立ち
上がりが良いことから、本第1実施形態の光走査装置に
よれば、再現開始濃度がより淡い側に移り、より淡い色
の再現が可能となる。また、階調特性曲線L2では、中
高濃度域のリニアリティが非常にフラットになるため、
従来リニアリティが悪かったときに必要であった複雑な
補正が不要となり、中間階調の再現を容易に行うことが
できる。
【0040】[第2実施形態]次に、第2実施形態を説
明する。この第2実施形態は、請求項2記載の発明に対
応しており、光走査装置に光路長調整手段を設けた例を
示す。
【0041】即ち、図5に示すように、第2実施形態の
光走査装置10Sでは、図1に示す第1実施形態の光走
査装置10において、ミラー20と回転多面鏡22との
間の分割された光路のうち一方の光路上に光路長調整手
段30が設置されている。この光路長調整手段30は、
図6(A)に示すように、対向させて配置した2枚のく
さび型プリズム30A、30Bによって構成されてい
る。さらに、この光路長調整手段30では、一方のくさ
び型プリズム30Bが矢印G1方向又は矢印G2方向に
移動できるよう構成されている。その移動手段としては
ピエゾ素子などが望ましい。なお、図5の例では、分割
された光路のうち一方の光路上に光路長調整手段30を
設置しているが、分割された光路の各々に光路長調整手
段を設置しても良い。
【0042】ここで、一方の光路にのみ上記光路長調整
手段30を設置した場合の作用を説明する。なお、光路
長調整手段30が設置されていない光路を光路A、光路
長調整手段30が設置された光路を光路Bとする。
【0043】光路長調整手段30(2枚組のくさび型プ
リズム30A、30B)の中の光路長をL+ΔL(ΔL
は調整のしろ)とすると、それぞれの光路を光が通過す
る時間は次のようになる。
【0044】 光路A:(L+ΔL)/c ・・・(3) 光路B:(L+ΔL)/v=n・(L+ΔL)/c ・・・(4) 但し、cは真空中の光の速度、vはくさび型プリズム媒
質中の光の速度、nは三角プリズム媒質の屈折率、をそ
れぞれ示す。
【0045】ここで、光ビームが光路Bを通過した直後
では、光ビームが光路Bに入射した時に同じ波面であっ
た光路A側の光ビームの波面位置は、以下の式(5)で
示される。
【0046】 n・(L+ΔL)/c×c=n・(L+ΔL) ・・・(5) よって、光路A側の光ビームと光路B側の光ビームと
は、以下のΔxだけ波面位置がずれることになる。
【0047】 Δx=n・(L+ΔL)−(L+ΔL) =(n−1)(L+ΔL) ・・・(6) ここで波長780nmの光源に対し、その1/20程度
の精度で波面調整を行う場合を考える。光路長調整手段
の調整量は前述の式(6)より、調整のしろΔL及びプ
リズムの屈折率nにより決まる。光路長調整手段の駆動
手段として分解能5μmのピエゾ素子、くさび型プリズ
ムの頂角を1°とすると、その調整のしろΔLは0.0
87μmピッチで動く。
【0048】一方、くさび型プリズムの屈折率nを1.
52(対 波長780nm)とすると、式(6)より波
面位置のずれ量Δxは、以下の式(7)で示される。
【0049】 Δx=(1.52−1)(L+87a) =0.52L+45a ・・・(7) (但し、単位はnmとし、aは整数の定数とする) この式(7)より、ほぼ波長の5%ピッチで(45/7
80より)、波面調整が可能であることがわかる。実際
には、図6(A)に示す矢印G1又は矢印G2方向にく
さび型プリズム30Bを移動させることにより調整する
ことができる。
【0050】上記のような波面調整は、図6(B)に示
すように、光路長調整手段としてウィンドウガラス32
を使用し該ウィンドウガラス32を矢印J方向に回転さ
せることによって実行しても良く、同様の作用・効果を
得ることができる。
【0051】また、図6(C)に示すように、光路上に
1つの二等辺三角形プリズム34Aを配置し、該二等辺
三角形プリズム34Aによる光ビームの反射方向にもう
1つの二等辺三角形プリズム34Bを配置することによ
り、光路長調整手段34を構成しても良い。この図6
(C)の光路長調整手段34では、二等辺三角形プリズ
ム34Bを矢印F1又は矢印F2方向に移動させること
によって光路長を調整することができる。なお、図6
(C)の例では、プリズムに拘わらず組合せミラーなど
を用いても構わない。
【0052】ところで、上記光走査装置10Sにおいて
波面にずれが生じた状態で被走査面を走査した場合、光
路が分割された光ビーム同志の干渉に不具合が生じ、ビ
ーム径が細いベッセルビームは形成されない。そこで、
干渉に不具合が生じた状態を検知するために、実際に走
査する光ビームをCCDカメラなどに導光して検知した
り、被走査面としての感光材料上に細線画像を露光・現
像しそのトナー像を調べたりすることが望ましい。
【0053】[第3実施形態]次に、第3実施形態を説
明する。この第3実施形態は、請求項3記載の発明に対
応しており、光走査装置において分光光学系の傾きを補
正する例を説明する。
【0054】この第3実施形態における光走査装置は、
第1実施形態の光走査装置と同様に図7に示すように2
枚組の三角プリズム18A、18Bによって分光光学系
を構成しているものとする。
【0055】これら三角プリズム18A、18Bのうち
の一方、例えば三角プリズム18Aが、何らかの原因に
よって主走査方向に倒れ図7の点線Z1の位置に変位し
た場合、該三角プリズム18Aの光軸中心は設計値から
ずれることになる。
【0056】そこで、もう一方のプリズム18Bを同じ
角度だけ矢印W1方向に沿って倒し、図7の点線Z2の
位置に変位させる。これにより、該もう一方のプリズム
18Bの光軸中心は同じ変位量だけ変位し、光路が光軸
設計値に水平となるよう補正される。さらに、分光光学
系18よりも光の進行方向下流側に配置され主走査方向
にパワーを持つ光学部材(例えば、図1、図7に示すf
θレンズ24など)への入射位置が変位するため、これ
ら主走査方向にパワーを持つ光学部材も同時に主走査方
向に水平移動させるよう補正する。
【0057】これらの補正により、三角プリズムが主走
査方向に倒れた場合でも、目的とするビーム径及びビー
ムプロファイルの光ビームを形成することができる。
【0058】一方、図8に示すように三角プリズム18
A、18Bのうちの一方が何らかの原因によって副走査
方向に倒れた場合には、上記主走査方向に倒れた場合と
同様に、もう一方のプリズムを同じ副走査方向に同じ角
度だけ倒してやれば良い。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、サイドロ
ーブの悪影響を少なく抑えつつ主走査方向のビーム径を
画素サイズに比べごく小さく絞ることができ、階調表現
の幅を広げることができる、という効果が得られる。
【0060】また、請求項2記載の発明によれば、複数
の光路に分割された光ビームの波面調整を容易に行うこ
とができ、好適にベッセルビームを発生させる光の干渉
状態を得ることができる、という効果が得られる。
【0061】また、請求項3記載の発明によれば、補正
手段によって分光光学系の傾き補正を容易に行うことが
でき、好適にベッセルビームを発生させる光の干渉状態
を得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第3実施形態における光走査装置の概略
構成図である。
【図2】第1実施形態の光走査装置によるビーム収束点
におけるビームプロファイルを示す図である。
【図3】(A)は図2のビームプロファイルにおける主
走査方向の断面図であり、(B)は図2のビームプロフ
ァイルにおける副走査方向の断面図である。
【図4】従来のガウシアンビームによる光走査装置及び
本発明に係るベッセルビームによる光走査装置の各々の
階調性を示す線図である。
【図5】第2実施形態における光走査装置の概略構成図
である。
【図6】(A)は光路長補正手段を2枚組のくさび型プ
リズムで構成した例を示す図であり、(B)はウインド
ウガラスの回転によって光路長を補正する例を示す図で
あり、(C)は2枚組の二等辺三角形プリズムのうちの
一方を移動させて光路長を補正する例を示す図である。
【図7】第3実施形態における光走査装置で、対向する
三角プリズムのうちの一方が主走査方向に倒れた場合の
補正例を示す図である。
【図8】図7の対向する三角プリズムのうちの一方が副
走査方向に倒れた場合の補正例を示す図である。
【符号の説明】
10 光走査装置 12 レーザダイオード(光源) 18 分光光学系 18A、18B 三角プリズム 22 回転多面鏡 24 fθレンズ 28A 被走査面 30 光路長補正手段 30A、30B くさび型プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 1/113

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射される光ビームを被走査面
    に対して主走査することによって該被走査面を走査する
    光走査装置であって、 前記光ビームを一方向について複数の光路に分割する分
    光光学系と、 前記分光光学系により複数の光路に分割された光ビーム
    を前記被走査面上に収束させる収束光学系と、 を有し、 前記収束光学系で光ビームを収束させる際に、光の干渉
    を発生させ、前記一方向についてベッセルビームを形成
    させる、 ことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の光路のうち少なくとも一方の
    光路上に、光路長を調整する光路長調整手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記分光光学系の傾きを補正する傾き補
    正手段をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の光
    走査装置。
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