JP3333949B2 - 面光源装置 - Google Patents

面光源装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、液晶パネルのバックラ
イト等に使用する面光源装置で導光体を用いた面光源装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の導光体を用いた面光源装置の基本
構成は、例えば図5に示すようなものである。この図で
1は冷陰極管等の直線状の光源、2は透明材料よりなる
板状の導光体、3は光拡散部材、4は反射部材、5はラ
ンプホルダーである。又導光体2の裏面(反射部材4の
側の面)には、適度の粗面又は多数の微少な粗面部より
なるパターンが形成されている。この面光源装置は、光
源1よりの光を導光体2内に入射させ、その一部の光を
表面2aより出射させ、この出射した光が導光体表面2
a側(出射面側)に配置されている光拡散部材3を通っ
て拡散光となる。このように図5の装置では、光拡散部
材3の表面の全体から拡散光を発することによって面光
源となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の面光源装
置は、ランプホルダー5、シート状の光拡散部材3、シ
ート状の反射部材4等を図6に符号7にて示すように両
面テープや接着剤を用いる等により導光体の出射側およ
び出射面に対向する側(反射部材4の側)の面に貼り付
けて固定していた。しかし、これら両面テープの内面や
接着剤は、導光体2の裏面(反射部材4の側の面)に形
成した粗面や微少粗面部と同様の作用つまり光を拡散反
射させる作用を有するために、この両面テープが用いら
れている部分又は接着剤で接着した部分の近くで輝度が
高くなり、例えば図7に示すような輝度分布となる。尚
図7において縦軸は輝度又横軸は導光体2の出射面の光
源1の側からの距離である。
【0004】このように、図5に示すような従来の面光
源装置においては、輝度分布の均一化がむずかしく、特
に出射面中の光源側での輝度が著しく高くなる欠点があ
る。
【0005】このような輝度むらは例えば液晶表示装置
のバックライトとして面光源装置を使用する場合好まし
くなく、斜めより観察する場合、前記の高輝度分布が観
察者により目視され好ましくない。
【0006】そのため、図5に示すような面光源装置を
バックライトとして使用している液晶表示装置等におい
ては、出射面中の前記の輝度の高くなる部分を除いた中
央の部分のみを使用していた。しかし、このように中央
部のみを使用するようにした装置においても、前記の高
輝度部分よりの光の影響を受け好ましくない。
【0007】本発明の目的は、前記の高輝度になる部分
より光が出射するのを防止し、しかも光源より出射され
る光で導光体内に入射した光を出来る限り利用するよう
にして明るく均一な輝度分布とした導光体を用いた面光
源装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の面光源装置は、
導光体と、前記導光体の入射端面に沿って近接配置され
た光源と、前記導光体の出射面側に配置された光拡散部
材と、前記導光体の出射面とは反対側に配置された反射
部材と、前記光源を覆うランプホルダーとを有し、前記
導光体の下面に適切な分布の粗面を設けたものであっ
て、前記光拡散部材の周辺部における少なくとも前記導
光体の入射端面の近傍に対応する位置に、40%乃至6
0%の範囲内の反射率を有する物質によって遮光処理を
したものであって、前記遮光処理に用いる物質は、赤、
青、緑の波長の光に対する反射率の差が2%以内である
塗料を用いたことを特徴とする。
【0009】本発明の面光源装置は、このように光拡散
部材のうちのランプホルダーを接着したことにより生ず
る異常に高い輝度を出射する光が通る個所に光を遮断す
る部分を設けることにより、この異常に高い輝度の光に
よる悪影響を除去すると共に、光拡散部材に設けられた
遮光部分は前記のような所定の反射率をもつ物質によっ
て構成され、遮光処理を施こした面で光を反射させてこ
れを面光源用の光として利用して光の利用効率を上げた
ものである。
【0010】又本発明の面光源装置における光拡散部材
に用いる物質は、分光反射特性が出来る限り平坦なもの
が望ましく、赤(波長700nm),青(波長435n
m)、緑(波長546nm)の波長の光に対する反射率
の差が2%以内であることが望ましい。
【0011】本発明の他の構成の面光源装置は、導光体
と、前記導光体の入射端面に沿って近接配置された光源
と、前記導光体の出射面側に配置された光拡散部材と、
前記導光体の出射面とは反対側に配置された反射部材
と、前記光源を覆うランプホルダーとを有し、前記導光
体の下面に適切な分布の粗面を設け又前記ランプホルダ
ーの両端又は前記光拡散部材あるいは前記反射部材のい
ずれかが前記導光体の前記光源側の端面近傍において前
記導光体に接合されているもので、前記接合は前記導光
体側に設けた導光体の屈折率より低い屈折率を持つ透明
薄膜を介して行なわれるように構成されていることを特
徴とする。
【0012】この面光源装置は、入射光が不必要な拡散
反射をして輝度むらを生ずる原因となる部分に導光体よ
りの低い屈折率の膜を設けたことにより入射光のほとん
どが接合部において全反射し、輝度むらを生ずることが
ない。
【0013】このように接合部に低い屈折率の膜を設け
た構成の場合も、その近傍に適切な反射率を有する遮光
用の物質によって光拡散部材に遮光処理をすれば一層好
ましい。
【0014】
【実施例】次に本発明の面光源装置の第1の実施例を示
す。
【0015】図1は本発明の第1の実施例を示す図であ
る。この図1の(A)は断面図で、1は冷陰極管等の直
線状光源、2は導光体、3は拡散部材、4は反射部材、
5はランプホルダーであり、拡散板3,反射部材4,ラ
ンプホルダー5は導光体の周辺部にて固定されている。
そして例えば拡散板3は、図1の(B)に示すようにそ
の周囲3aに一定の吸収率を持つ塗料が塗布されてい
る。この塗料は40%〜60%、できれば45%〜55
%程度の反射率を有することが好ましい。
【0016】この第1の実施例によれば、拡散部材3の
周辺に塗布された塗料(光吸収薄膜)により、この部分
での光の拡散反射を生ずることなく従来例のような輝度
むらを生ずることはない。この光吸収薄膜の反射率が4
0%以下つまり吸収率が高すぎるとこの近傍の出射面よ
り出射する光の一部が吸収されて、出射面全体での出射
光量の低下をまねく。
【0017】例えば反射率が14%の塗料を用いた場合
だと、出射面全体から出射される光量が、約20%ほど
低下してしまった。尚反射率が45%以下になると若干
の出射光量の低下をまねくため、45%以下にならない
ようにすることが最も望ましい。
【0018】逆に反射率が60%を越えると、図2に輝
度分布を摸式的に示すように、遮光部分(図中のAの範
囲)に近接する部分からある程度の範囲にわたって輝度
の高い部分(図中、矢印Bで示す付近)が生じ、逆に、
遮光部分から離れた位置に輝度の低下する部分(矢印C
で示す付近)が生ずるような傾向が見られた。この傾向
は反射率が55%を越えると若干あらわれるので、55
%を越えない範囲であることが最も望ましい。
【0019】このことより、塗料の反射率は、上述した
ように40%から60%の範囲のものを選択することが
望ましく、45%から55%の範囲のものを選択するこ
とが最も好ましい。
【0020】又、前記の拡散部材3の周辺3aに設ける
吸収薄膜の反射率(分光反射率)は出来る限りフラット
であることが望ましい。特に赤(波長700nm)、青
(波長435nm)、緑(波長546nm)の光に対す
る反射率は出来る限り等しいことが望ましく、これらの
波長に対する反射率の差が大きいと出射光が色づくため
好ましくない。そのため前記の三つの波長に対する反射
率の差が2%以上になると色づきが生じ好ましくなく、
したがって2%以内であることが望ましい。
【0021】上記実施例では、拡散部材3に塗料を塗布
することで遮光処理をしているが、場合によっては、塗
料を印刷したり、粘着性を有する物質を粘着したりする
などして、遮光処理をしてもよい。
【0022】このように遮光処理を施すことで、図3に
輝度分布を摸式的に示すように、遮光部分(図中のA’
の範囲)にほぼ近接する位置から、均一な輝度分布とな
る面光源装置を実現させることが可能(例えば、導光体
2の反射部材4側の面に、微少粗面部や印刷によるパタ
ーン、あるいは、形状が徐々に変化する粗面部等を適切
に設けたりすることで)となる。
【0023】図4は本発明の第2の実施例を示す図で、
導光体1の出射面の周辺部(固定部分)に導光体1の屈
折率よりも低い屈折率の透明薄膜6を設けた上でランプ
ホルダー5等を固定したものである。
【0024】この第2の実施例は、従来例において接合
のための接着剤等の部分(接合部)で導光体の表面に前
記の通りの導光体の材料の屈折率よりも低い屈折率の透
明薄膜を設けたため、入射した光は導光体2と透明薄膜
6との境界面にてほとんどが全反射する。ここでランプ
ホルダー5又は光拡散部材3あるいは反射部材4等を貼
り付けるための両面テープ又は接着剤と導光体1との間
に透明薄膜6が介在するため、このような接着剤に達す
る光は極めて少なくそれらの影響(拡散反射による影
響)はあまりなく均一な面光源が得られる。又透明薄膜
6の部分で反射され光は有効に利用出来る。
【0025】この実施例における導光体の材料2として
アクリル(屈折率1.492)又透明薄膜6として透明
のフッ素樹脂例えば旭硝子製のサイトップ(屈折率1.
34)がある。
【0026】又この実施例の導光体1の表面に透明薄膜
6を設けた構成は、いわゆる2重成形法により形成する
ことも可能である。
【0027】更に、第1の実施例と第2の実施例とを組
み合わせた構成とすることも可能である。つまり、図4
に示す構成の装置に、図1の(A)に示す周辺部を反射
率が40%〜60%より好ましくは45%〜55%の物
質によって遮光処理された光拡散部材を用いた面光源装
置である。この面光源装置は、第2の実施例に示す面光
源装置が均一な輝度で光の有効利用が可能である上に、
更に接合部近くでの若干の高輝度部分を図1の(B)
示す光拡散板を用いることにより光の利用効率を落とす
ことなく更に良好な輝度分布の面光源装置をなし得る。
【0028】ここでも光拡散部材で用いる物質は、赤,
青,緑の反射率差が2%以内のものが色づきの問題を生
ずることがなく好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明は、両面テープや接着剤によって
生ずる輝度むらを防止し、斜め方向から見てもむらがな
く、しかも光を有効に利用し得る面光源装置を実現させ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す図
【図2】 上記実施例と同じ構成で光拡散部材の光を
遮断する塗料の反射率が本発明の条件を満足しない場合
の出射面での輝度分布の模式図
【図3】 上記実施例の出射面での輝度分布の模式図
【図4】 他の第2の実施例の構成を示す図
【図5】 従来の面光源装置の構成を示す図
【図6】 前記従来例のランプホルダーおよびその接
合部を示す図
【図7】 従来の面光源装置の出射面での輝度分布を
示す図
【符号の説明】 1 光源 2 導光体 3a 遮光塗料 3 光拡散部材 5 ランプホルダー
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平6−4706(JP,U) 実開 平5−30803(JP,U) 実開 平4−46485(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 331 F21V 8/00 601 G02F 1/13357

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導光体と、前記導光体の入射端面に沿
    って近接配置された光源と、前記導光体の出射面側に配
    置された光拡散部材と、前記導光体の出射面とは反対側
    に配置された反射部材と、前記光源を覆うランプホルダ
    ーとを有し、前記導光体の下面に適切な分布の粗面を設
    けた面光源装置において、前記光拡散部材の周辺部にお
    ける少なくとも前記導光体の入射端面の近傍に対応する
    位置に、40%乃至60%の範囲内の反射率を有する物
    質によって遮光処理をしたものであって、前記遮光処理
    に用いる物質は、赤、青、緑の波長の光に対する反射率
    の差が2%以内である塗料を用いた面光源装置。
  2. 【請求項2】 導光体と、前記導光体の入射端面に沿
    って近接配置された光源と、前記導光体の出射面側に配
    置された光拡散部材と、前記導光体の出射面とは反対側
    に配置された反射部材と、前記光源を覆うランプホルダ
    ーとを有し、前記導光体の下面に適切な分布の粗面を設
    け又前記ランプホルダーの両端又は前記光拡散部材ある
    いは前記反射部材のいずれかが前記導光体の前記光源側
    の端面近傍において前記導光体に接合されている面光源
    装置において、前記接合は前記導光体側に設けた導光体
    の屈折率より低い屈折率を持つ透明薄膜を介して行なわ
    れるように構成されていることを特徴とする面光源装置
  3. 【請求項3】 前記光拡散部材の周辺部における少な
    くとも前記導光体の入射端面の近傍に対応する位置に、
    40%乃至60%の範囲内の反射率を有する物質によっ
    て遮光処理をした請求項2の面光源装置。
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