JP3333546B2 - 単品加工方法及び単品取付方法 - Google Patents

単品加工方法及び単品取付方法

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JP3333546B2
JP3333546B2 JP13001192A JP13001192A JP3333546B2 JP 3333546 B2 JP3333546 B2 JP 3333546B2 JP 13001192 A JP13001192 A JP 13001192A JP 13001192 A JP13001192 A JP 13001192A JP 3333546 B2 JP3333546 B2 JP 3333546B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用金型の埋金の
様に、構造物である相手側への取付精度を厳格に要求さ
れる個別の単品を、高精度で加工する単品加工方法及び
その単品取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような単品は構造物に特有の形状を
有する個別の単品であり、構造物に取り付けられた状態
での精度が要求される。そこで、単品の対相手側取付面
のみならず、ノック穴や残りの他の面が高精度に加工さ
れなければならない。そこで、このような個別の単品を
加工する従来の加工方法を図9により説明する。同図
(a)でCAD/CAMシステムにより単品の3次元形
状などの加工用データが作成される。そして、同図
(b)(c)で正確な直角6面体を加工する。すなわ
ち、同図(b)の(b−1)から(b−4)で素材10
1をチャック102で保持するという段取りを4回行っ
て、フライスの水平工具103で平行な4面をその断面
が正確な長方形になるように加工する。つぎに、同図
(c)の(c−1)と(c−2)で既に加工済みの4面
を基準にして治具105で固定する2回の段取りを行っ
て残りの2面をフライスの垂直工具104で加工し、各
々の面が直角となった直角6面体106とする。そし
て、同図(d)で6面体106をNC工作機械に治具1
07で固定し、ノック穴等を正確に加工する。この場合
の加工の方向は、対相手側取付面側からの場合と、表面
側から場合の2通りがある。引き続き、同図(e)のN
Cフライス上で治具108を用いて固定し表面NC加工
を行う。そして、逃がしの加工のため、同図(f)で治
具109で固定し直す段取りを最低3回行って、逃がし
の加工を終えて、所望の単品110を得る。
【0003】上述した従来の単品加工法は、まず直角6
面体を加工し、面基準でノック穴や表面NC加工を行う
方法である。したがって、直角6面体を加工する専用の
工作機械を用いて、出来るかぎり正確な直角6面体を得
ることが前提となっている。この直角6面体をCAD/
CAMシステムに組み込まれたNC工作機械に面基準で
固定し、ノック穴と表面NC加工を行う。
【0004】しかしながら、この直角6面体は合計6回
の段取りを経て加工されるため、段取り変えに伴って必
然的に生じる僅かの誤差が累積され、直角6面体そのも
のが加工誤差を有する。加工誤差を有する直角6面体の
面を基準にすると、基準面と表面NC加工の関係が正確
であったとしても、以下のような誤差を生じる。取付面
側からの穴あけ加工の場合は、掴み替えによる6面体誤
差を含み、表面側からの穴あけの場合は、ドリルのたわ
みにより取付面に垂直にならないという誤差を生じる。
したがって、ノック穴と表面形状との位置関係に誤差を
含むものとなり、相手側構造物とノック穴で位置決めす
るとき、所定精度の構造物が得られないことになる。
【0005】通常の組み込み構造物であれば、上述した
従来の単品加工法でも間に合う。ところが、自動車用金
型の如き組み込み構造物は、上型ホルダ、下型ホルダ、
グランクホルダ、パット等の金型本体(以下、相手側構
造物と言う)に、切刃、抜刃、曲刃、成形ブロック等の
如く相手側構造物に組み込まれる特定の形状を有すると
いう意味での個別形状を有する埋金(以下、単品とい
う)を数十個組み込んで形成される。自動車用金型は間
隙精度を厳格に要求され、間隙を形成する面が三次元曲
面であるため、上述した従来の単品加工法による単品で
は相手側構造物に組み込んだ後の誤差が無視できず、単
品を加工して相手側構造物に組み込むと、金型が完成す
るという単純な加工方法は従来不可能とされてきた。
【0006】そのため、自動車用金型の如き高精度の組
み込み構造物は、以下の方法で製作される。一般的方法
として、構造物に取り付けられる数個乃至数十個の単品
の取付座面の切削加工を終えると、一旦工作機械から降
ろして穴あけ加工後の中間素材がボルト締結などで組み
込まれ、再び工作機械に載せて基準ピン穴の共加工や三
次元曲面等のNC加工を施す製作方法がある。この様に
して仕上げ加工された単品は構造物から一旦取り外さ
れ、逃がし加工、焼き入れ、研磨等を行い、再び構造物
に組み込まれる。この製作方法は一体加工と呼ばれるも
ので、一体加工の為に重複的な加工工程となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】自動車用金型の如き高
精度の組み込み構造物がこの様に一体加工で製作される
理由は、高精度の単品を加工する方法がなかったからで
ある。また、基準面からの精度の良い単品を加工するこ
とができたとしても、構造物の所定位置に整合させて組
み込むためには基準ピン穴が必要になるが、上述したよ
うに、単品のノック穴と表面形状との位置関係に誤差が
あるため、構造物の取付穴と一致しなくなる。そのた
め、自動車用金型の如き高精度の組み込み構造物は一体
加工が当然とされてきた。しかしながら、一体加工のた
めに、構造物全体が載る大型工作機械に煩雑に載せ変え
る加工工程が必要であり、小さな単品の仕上げ加工の為
に大型工作機械が動員され、それがために製作コスト低
減と納期短縮に限界が生じるという問題点を有してい
た。また、一体加工の単品は互換性を有しないので、摩
耗した単品の取り替えや、単品の加工ミスの為に取り替
え再加工が行う場合、製作時と同様の面倒な一体加工を
施工する必要があるという問題点を有していた。
【0008】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、単品の加工と構造物の加工を独立して行って
も、組み込み精度が確保できる、すなわち互換性のある
単品が加工できる単品加工方法及びその単品取付方法を
提供し、自動車用金型の如き高精度の組み込み構造物の
製造を簡略化する共に製造工程を自動化できる画期的方
法を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の単品加工方法は、相手側に取り付けられる
個別の単品を素材から所望の形状に加工する方法であっ
て、少なくとも対相手側取付面となる基準面及び対相手
側取付面に対する任意寸法の2点の基準穴を同一保持状
態で加工する第1工程と、前記2点の基準穴から決まる
座標軸と前記基準面とを基準にして工作機械の座標系に
保持し、前記基準面以外の1以上の加工面を同一保持状
態で加工する第2工程とを含んでなるものである。そし
て、本発明の単品取付方法は、上記した単品が取り付け
られる相手側の取付面に同一座標系で2点の基準穴を加
工し、単品と相手側を整合させるものである。
【0010】
【作用】本発明の単品加工方法は個別の単品に対して基
準面と任意寸法の2点の基準穴を同一保持状態で高精度
で加工する第1工程を前提として始めて成り立つもので
ある。この第1工程で加工される基準面と基準穴に対し
て他の基準面が全く不要であり、素材としての単品に合
った任意の基準面と基準穴が加工される点が従来と異な
る逆転の発想となっている。基準面と同一保持状態で基
準穴を加工するので、基準穴の基準面に対する直角精度
が確保され、表面から加工する場合のドリルのたわみに
よる芯ずれ誤差も無く、2点の基準穴距離精度が保証さ
れる。第2工程はこの基準面を基準穴で相手側の取付面
に取り付けたのと同じ状態で工作機械の座標系に固定
し、基準穴から座標軸を求めこの座標を加工基準にして
基準面以外の加工面を同一保持状態で加工し、模擬的に
相手側の取付面に単品が取り付けられたのと同じ状態で
加工することにより、従来の段取り変え等に起因する累
積誤差が排斥される。そして、この単品が取り付けられ
る相手側取付面の2点の基準穴も同一座標系で加工する
と、言わば模擬一体加工となり、単品と相手側が高精度
に整合する。
【0011】
【実施例】以下、本発明方法の具体的実施例を図面を参
照しつつ説明する。図1は本発明の単品加工法を示す図
である。
【0012】図1において、同図(a)はCAD/CA
M工程、同図(b)(c)は第1工程、同図(d)
(e)が第2工程、同図(f)(g)は逃がし加工工程
であり、これらの工程のなかで特徴的な工程は第1,2
工程である。まず、同図(a)のCAD/CAM工程
で、三次元形状、端部形状、基準穴となるノックピン
穴、ボルト穴等の加工用データが作成される。
【0013】図1(b)で素材1が立型の枠型治具2に
固定される。型枠治具2は底枠2aに2本の縦枠2b,
2cを立設したものであり、底枠2aが工作機械のター
ンテーブルの座標系に着脱自在に装着される。同図
(c)は素材1が枠型治具2に固定され、底枠2aが工
作機械のターンテーブルの座標系に装着された状態を示
している。ここで、枠型治具2がターンテーブルに装着
されると、枠型治具2側の加工基準点が所定座標(x,
y,z)に位置するように予め補正されている。また、
素材1の裏側(対相手側取付面)は常に枠型治具2より
所定寸法はみだした状態で固定されている。そして、
(c−1)で加工基準点にマイクロフロッピー3を経て
素材1のCAMデータを入力し、素材1の表側にボルト
穴にあっては座面まで、2個の基準穴にあっては所定深
さまでの下穴としての逃がし穴4が加工される。(c−
2)で枠型治具2を工作機械のターンテーブルにより1
80度反転させ、座標系に補正された加工基準点を入力
する。そして、素材1の裏側(対相手側取付面)に基準
面5を平面仕上げ切削により加工後、荒径用ドリルでボ
ルト穴、基準穴の下穴を貫通加工し、全穴リーマ仕上げ
による基準穴6の加工に至る裏側の全加工を同一保持状
態で無人加工する。以上が第1工程である。
【0014】図1(d)で、基準面5及び基準穴6を基
にして素材1を立型のパレット10に固定する。パレッ
ト10は工作機械に対して着脱自在に装着され、工作機
械の座標系と関係づけられ取付面11と格子状の取付穴
12を有している。すなわち、取付穴12の全てが加工
基準点となりうる。この取付面11に素材1の基準面5
を押し当て、取付穴12に挿立されたノックピンを素材
1の基準穴6に嵌めると、素材1は工作機械の座標系に
固定されたことになる。しかしながら、パレット10の
取付穴12のピッチは穴の大きさにより必然的に制限を
受け、例えば穴径が16mmであると、ピッチは25m
mとなるのに対して、素材1の基準穴6は素材の大きさ
形状によって1mm単位でその位置が異なる。そこで、
後述するロケータ13を用いて、取付穴12と基準穴6
の寸法差を吸収する。具体的には、基準穴6のX軸及び
Y軸の交点14が特定の取付穴12に一致するように、
ロケータ13を介して2点の基準穴6をパレット10の
X軸及びY軸に位置決めし、素材1が固定されるロケー
タ13を適宜の固定装置を用いてパレット10に固定す
る。この時、パレット10のスペースに余裕があると、
複数の素材1を固定する。そして、同図(e)で工作機
械座標系における素材1の加工基準点を補正入力し、マ
イクロフロッピー3を経てCAMデータを入力し、素材
1の表面、端部形状やボーリング等基準面以外の露出面
(5面)全部の切削加工を同一保持状態で無人加工し、
単品15を完成させる。以上が第2工程である。
【0015】図1(f)(g)は必要に応じて行われる
逃がし加工の工程を示している。同図(f)で単品15
をパレット10に裏返しで固定する。同図(h)で加工
基準点を補正入力し、端部の逃がし加工を行う。
【0016】上述した単品の加工と独立して単品が取り
付けられる相手側構造物の加工を行う。この加工は単品
の取付面等の切削加工、及び単品の基準穴に対するノッ
クピン穴、ボルト穴等の穴加工をCAD/CAMの同一
座標系により加工する。そして、加工後の相手側構造物
に単品をノックピンとボルトで取り付けると組み込みが
一気に完了する。
【0017】このような単品加工法及び単品取付方法で
は、相手側構造物は取付面側からノック穴をし、それに
取り付く単品も、取付面からノック穴加工をするため
に、境界面誤差が発生しない。そのため、相互の嵌合、
取り合い精度の整合性が確保される。また、単品の基準
面以外の面がこの基準穴から定めた同一座標系基準で同
一保持状態のまま加工されているので、単品加工に累積
誤差が入り込む余地がない。したがって、相手側構造物
に単品を取り付けるだけで、従来の一体加工に相当する
精度が得られる。
【0018】つぎに、図2〜図5により、この単品加工
法に用いられる枠型治具、パレット、ロケータの詳細を
説明する。
【0019】図2は第1工程で使用される横型の枠型治
具を示す斜視図であり、同図(a)は表面の加工状態、
同図(b)は裏面の加工状態を示す。図1(b)のもの
は立型であったが、加工すべき単品の形状や工作機械の
種類によって図示の横型が用いられる。この枠型治具2
0は四角枠21の四隅に表裏両面から締結可能なカップ
リング穴22が設けられ、スライド23で素材1が固定
されている。工作機械のテーブルにはカップリング穴2
2に対応する部分にワンタッチ又は自動カップリング装
置が設けられ、枠型治具20をカップリング装置で装着
することにより工作機械に対する加工基準点24が決ま
るようになっている。図2(a)は基準穴の表側部分4
を加工しており、表側部分4が工作機械座標系で(xm,
m,m)であるとすると、枠型治具20を反転した同
図(b)の状態では、基準穴6は(xm,−ym,m
d)に補正入力されて加工され、基準面5はzm −dで
切削加工される。このような枠型治具20を用いると、
反転することにより工作機械座標系に対する関係を維持
しながら加工できる。
【0020】図3は第2工程で使用される横型のパレッ
トを示す図であり、同図(a)は上面図、同図(b)は
底面図、同図(c)は取付穴の断面図である。このパレ
ット25の裏面に6か所のカップリング穴26が設けら
れており、工作機械のテーブルにはカップリング穴26
に対応する部分にワンタッチ又は自動カップリング装置
が設けられ、パレット25をカップリング装置で装着す
ることにより工作機械に固定される。パレット25の表
面には縦横のピッチがPの取付穴12が設けられ、取付
穴12はリーマ穴12aとボルト穴12bとからなって
いる。この取付穴12にノックピンを挿立して素材の基
準穴に嵌めると、基準穴が工作機械の既知の座標系に位
置することになる。しかし、前述したように取付穴12
のピッチPが単品の任意の2点の基準穴ピッチと一致し
ないため、次に述べるロケータを介して固定される。
【0021】図4は第2工程で使用されるロケータ13
を示す図であり、同図(a)は上面図、同図(b)は同
図(a)のX−X断面図である。ロケータ13は厳密に
平行な上面31と下面32とを有するブロックであり、
上面31に素材の基準穴が嵌まるノックピン33が挿立
されている。また、上面31から下面32に至る第1長
穴34とセレーション35a,35bを施した第2長穴
35が設けられている。この第1長穴34と第2長穴3
5はパレット25の取付穴12のピッチPと一致する距
離Pだけ離れて平行に設けられている。一方の取付穴1
2に挿立される第1ノックピン36のスライド面36a
が第1長穴34に嵌まるようになっている。他方の取付
穴12に挿立される第2ノックピン37のセレーション
37a,37bが第2長穴35のセレーション35a,
35bに噛み合うようになっている。セレーション35
a,37aのピッチpとセレーション35b,37bの
ピッチpは1/4pだけずれており、第2ノックピン3
7の噛み合わせを逆にすることにより、1/2pずつノ
ックピン33の位置を取付穴12に対して矢印a方向に
ずらせることができる。したがって、セレーションのピ
ッチpを2mmにすると、x軸方向とy軸方向に1mm
単位で設けられた基準穴であっても、ロケータを介して
パレットに固定できる。
【0022】図5は上述したロケータ13の使用状態を
示す図であり、同図(a)は斜視図、同図(b)は素材
の座標軸を示す図である。同図(a)のように、2点の
基準穴6,6のX軸とY軸の長さL,Mが上述したセレ
ーションの1/2pの倍数であれば、X軸とY軸の交点
14を特定の取付穴12に一致させるようにロケータ1
3,13を配設し、他の取付穴に挿立される第1ノック
ピン36と第2ノックピン37でロケータ13,13を
固定できる。このロケータ13,13を介してパレット
25に固定された素材1の座標例が同図(b)である。
基準穴6,6の交点14が工作機械の既知の座標系に位
置して加工基準点となりうる取付穴に一致するので、こ
れを基にして素材1の芯を自在に設定できる。
【0023】なお、ロケータ13が固定されるパレット
として、格子状配置の取付穴を有するパレットを用いる
場合を説明したが、x軸とy軸方向にのみ取付穴が等ピ
ッチで配列され、取付穴のx軸とy軸の交点が加工基準
点となったパレットを用いることができる。この場合、
ロケータの第1ノックピンと第2ノックピン穴は直線上
に配列される。さらに、x軸とy軸の各々にセレーショ
ン付の取付溝を有し、交点が加工基準点となったパレッ
トを用いることもできる。この場合、ロケータは取付溝
に対して二点で固定できるものであればよい。
【0024】これらの枠型治具、パレット、ロケータを
用いる単品加工法は汎用性があり、金型以外の機械装置
の一部、治具、その他の高精度で組み込まれる部品に広
く利用できる。しかし、その利点が顕著に現れるのは金
型の分野である。そこで、上述した単品加工法及び単品
取付法による金型の製作工程を図6及び図7により説明
する。
【0025】図6(a)で金型本体以外に、金型本体に
取り付けられる上刃、下刃、ボタンダイ、リテーナー、
カム、カッタ、リフタ及び小パッドなどの埋金の三次元
形状、端部形状、ノックピン穴、ボルト穴等の加工用デ
ータがCAD/CAMシステムにより作成される。図6
(b)〜(f)は通常のテーブルを有するNC工作機械
で上刃を加工する場合を示し、図6(g)〜(j)はタ
ーンテーブルを有するNC工作機械でカムを加工する場
合を示している。また、図7(k)(l)は金型本体の
加工を示し、図7(m)は組み込み状態を示している。
【0026】図6(c)で横型の枠型治具20に上刃素
材45を固定し、枠型治具20を工作機械テーブルのカ
ップリング装置40で装着し、ボルト頭穴等の表面側部
分の穴を加工する。同図(d)で枠型治具20を反転さ
せてカップリング装置40に再装着し、上刃素材45に
対して基準面となる基底面、ネジ、ボルト、基準穴とな
るノック穴などを加工する。同図(e)で横型のパレッ
ト25にロケータ13を介して上刃素材1を固定する段
取りを行って、パレット25をテーブルのカップリング
装置41て装着し、表面、背面、トリムライン等の基底
面以外の全体を一度に加工する。同図(f)で上刃素材
45を反転させて固定する段取りを行って、パレット2
5をテーブルのカップリング装置41に再装着し、逃が
しを加工して上刃を完成させる。上刃素材45が完成す
るまでの段取り数は、枠型治具20への固定と、パレッ
ト25への2回の固定の合計3回である。例えば、図9
の従来例では、6面加工で6回、穴加工で1回、表面N
C加工で1回、逃がしが3面であれば3回の合計11回
の段取り数となる。本発明方法のように段取りが減る
と、高精度のものを工数を短縮して加工できる。
【0027】また、図6(h)でカム素材46を立型の
枠型治具2に固定し、枠型治具2をターンテーブル47
に装着する。ターンテーブル47のNC回転により、表
穴と基底面を加工する。同図(i)で立型のパレット1
0にロケータ13を介してカム素材46を固定し、傾斜
面以外の複数方向を全加工する。立型のパレット10を
ターンテーブル47に斜めに装着し、残りの傾斜面を加
工する。以上の単品加工と前後して、同図(k)でこの
構造物49は工作機械のテーブルに治具50を介して固
定され、基準面が加工される。同図(l)で構造物49
を反転させテーブルに治具51を介して固定され、単品
加工と同じ座標系で、単品の取付面52や単品の基準穴
に相当するノック穴53を加工する。そして、同図
(m)で例えば上刃45をノックピン54及びボルト5
5で取り付け、その他の単品を同様にして取り付けると
金型が完成する。以上の工程による単品は高精度であ
り、互換性を有するので、加工途中の設計変更や加工ミ
スが生じた場合でも、従来のように始めから一体加工の
手順を踏むことなく、再度単品のみを加工し直して取り
付ければよい。そのため、金型の納品後に、埋金の欠損
や摩耗が生じても、同じ座標系で同じ単品を加工すれば
よく、埋金の予備品化が可能となる。
【0028】このように、金型本体と埋金が別々に加工
され、埋金の取付で金型が完成する工程になると、金型
製造工程の自動化が一気に進むことになる。この自動化
例を図8により説明する。中央着脱台60で枠型治具や
パレットに埋金素材を固定する段取りに人間が介在する
が、段取りが終わった枠型治具やパレットは自動倉庫6
1に一旦保管され、その後24時間稼働の加工ライン6
2で加工される。加工ラインは竪マシニング63、横マ
シニング64、ワイヤ・放電機65、バンドソー66を
走行ロボット67で連結したものである。走行ロボット
67は自動倉庫61から受け取った枠型治具やパレット
を竪マシニング63や横マシニング64に直接搬入装着
可能なアームを有している。一方、金型本体は第1工作
機械70で基準面を加工し、次いで第2工作機械71で
基準面以外の取付面等を一括加工する。そして、金型本
体と埋金は組立場72に集められ、埋金を順次取り付け
るという一括組立が行われる。
【0029】従来の如く埋金を金型本体と一体加工する
工程では、金型本体に埋金を置いてボルト穴加工し、段
取り変えしてボルトで組み込み、段取り変えしてノック
穴を加工し、段取り変えして表面の共加工をし、埋め金
を一旦金型本体からばらして逃がし加工等を行い、再び
金型本体に取り付けるという工程になり、金型本体の段
取りが多くなり大型機械を動員して部分的に加工するこ
とが多い。しかし、本発明方法による金型製造工程で
は、埋金のためには小型機械を活用でき、平行生産が可
能となる。また段取り減少による工数短縮も大きく、金
型の原価を数割低減することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の単品加工方法は個別単品に対し
て基準面と任意の2点の基準穴を同一保持状態で高精度
で加工する第1工程により、基準穴の基準面に対する直
角精度を確保し、この基準面を基準穴で取り付けたのと
同じ状態で工作機械の座標系に保持して基準穴から座標
軸を求めこの座標を加工基準にして基準面以外の加工面
を同一保持状態で加工する第2工程により、相手側の取
付面に単品が取り付けられたのと同じ状態で加工するこ
とで従来の段取り変え等に起因する累積誤差をなくした
ので、従来の一体加工に相当する整合性を有する高精度
の単品が得られる。したがって、一体加工を前提として
いた例えば自動車用金型を金型本体と単品である埋金と
を別々に加工でき、製造工程の自動化が進み、製造原価
を大幅に低減することができるという画期的効果を奏す
る。また、金型本体に対して互換性のある埋金となるの
で、使用中の摩耗や欠損に備えて予備品としての埋金を
提供することも可能であり、金型に対する保守点検に革
命をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単品加工方法を示す図である。
【図2】第1工程で使用される枠型治具を示す図であ
る。
【図3】第2工程で使用されるパレットを示す図であ
る。
【図4】第2工程で使用されるロケータを示す図であ
る。
【図5】ロケータによる加工基準点の決め方を示す図で
ある。
【図6】単品を本加工方法で製作する工程を示す図であ
る。
【図7】構造物を本加工方法で製作する工程を示す図で
ある。
【図8】金型を本加工方法で製作するための機器配置図
である。
【図9】従来の単品加工方法を示す図である。
【符号の説明】
5 基準面 6 基準穴 2,20 枠型治具 10,25 パレット 13 ロケータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23P 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相手側に取り付けられる個別の単品を素
    材から所望の形状に加工する方法であって、少なくとも
    対相手側取付面となる基準面及び対相手側取付面に対す
    る任意寸法の2点の基準穴を同一保持状態で加工する第
    1工程と、前記2点の基準穴から決まる座標軸と前記基
    準面とを基準にして工作機械の座標系に保持し、前記基
    準面以外の1以上の加工面を同一保持状態で加工する第
    2工程とを含んでなり、 この第2工程において、工作機械に対して着脱自在であ
    り加工基準点に対する取付手段を有するパレットに、単
    品の2点の基準穴を通過する基準線の交点が上記加工基
    準点に位置するように取付穴と加工基準点との寸法差を
    吸収するロケーターを介して固定するようにした 単品加
    工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の単品加工方法の第1工程
    において、素材の表裏が露出したまま固定でき工作機械
    の工具に対して反転可能な枠型治具を用い、表面から前
    記基準穴の表側部分を加工し、工作機械の座標と素材の
    相対関係を保持しつつ反転して裏面に基準面と基準穴を
    加工する単品加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の単品加工方法で単品を加
    工し、該単品が取り付けられる相手側の取付面に同一座
    標系で2点の基準穴を加工し、単品と相手側を整合させ
    る単品取付方法。
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