JP3333287B2 - 非水溶媒電池セパレーター - Google Patents

非水溶媒電池セパレーター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム、ナトリウム
などの軽金属を活物質とする負極と、金属の酸化物ある
いはハロゲン化物などの活物質を正極とする非水溶媒電
池、もしくは、リチウムイオン電池等の非水溶媒電池に
用いられるセパレーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤やアルカリ性または酸性の溶液
に対する耐性を有する合成樹脂からなる微孔性多孔膜は
各種の分離用膜や、電池用セパレーター、電解コンデン
サー用セパレーター等に使用されている。特に非水溶媒
電池であるリチウム電池においては、リチウム金属、リ
チウムイオン等が用いられているためにプロトン性電解
質は使用できず、γ−ブチロラクトン、ポリプロピレン
カーボネート、ジメトキシエタンなどの有機溶媒に、L
iBF4 、LiClO4 などのリチウム塩を溶解した電
解液を電解質として使用している。このような電解液で
は電導度が低いので、セパレ−タ−の厚みをできるだけ
薄くして、正負極間の距離を極力小さくする必要があ
る。このような例としては、特開昭60−23954号
公報に見られるごとく、上記したような有機溶媒に不溶
な材料、特にポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレ
フィン系材料の微孔性多孔膜をセパレーターとして用い
ている。
【0003】しかしながら、このように薄いセパレータ
ーを用いただけでは、低温及び室温での電流放電特性が
充分とは言えなかった。非水溶媒電池では、上記のよう
にいわゆる非プロトン性電解液は一般に内部抵抗が高い
ので、低温及び室温での電流放電特性を改善するには、
セパレーターの透過性を改良しなければならなかった。
【0004】このような例としては、特開平1−267
951号公報に見られるごとく、透気度を規定したも
の、特開平2−304863号公報に見られるごとく、
透気度と、さらに空孔率を規定したものがある。しかし
ながら、このような膜では、低温及び室温での電流放電
特性がまだ充分とは言えず、しかも、低温及び室温での
電流放電特性を改良するために透過性能を上げたため膜
の強度が低下し、電池を捲回する際の生産スピードが上
げられず、電池組立性が不良で、電池が高コストとなる
ものであった。
【0005】一方、低温及び室温での電流放電特性を改
良するために、表面の孔径が内部の孔径と異なるいわゆ
る非対称膜をセパレーターとして用いた特開平3−25
2048号公報が知られているが、このような膜を使用
した際には捲回時に表面の小孔径部が破壊され、耐電圧
等の信頼性に乏しいものであった。また、膜強度を上
げ、高エネルギー密度の電池を得るため、高分子多孔膜
の空孔中に電解質溶液を含浸させた膜を使用する技術
が、例えば特開平3−95871号公報に開示されてい
るが、このような膜においては、該公報により開示され
ているポリエーテル類等の高分子では樹脂との溶融混合
が容易でなく、電解質溶液を含浸させるための工程が増
加し、高コストとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点の
ない、すなわち、性能上、高強度、低電気抵抗、高透過
性かつ低温及び室温での放電特性に優れた低コストの単
膜の微孔性多孔膜からなるセパレーターを提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂を混入させた
ポリオレフィン樹脂からなり、表裏貫通孔の最大孔径が
1μm以下、平均孔径が0.01〜1μmである微孔性
多孔膜を用いてなる非水溶媒電池セパレーターを与える
ものである。
【0008】本発明によれば、熱可塑性ノニオン型吸収
性樹脂を混入させたポリオレフィン樹脂からなる微孔性
多孔膜を非水溶媒電池セパレーターに用いることによ
り、熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂が、電解質を含んだ
電解液を吸収しゲル化するため低温及び室温での放電特
性が良好になると考えられる。本発明で用いられる熱可
塑性ノニオン型吸収性樹脂とは、熱可塑性で、非イオン
型の吸収性を示す樹脂のことで、後述する測定方法によ
って得られる電解液の吸収性が好ましくは1〜30%、
特に好ましくは5〜20%のものである。本発明に用い
られる熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂の具体例として
は、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリビニレンカーボネート、ポリエチレンオキサイド等
の化合物を単独あるいは複数組み合わせたものや、架橋
構造を有するものに変性させたものなどが挙げられる。
中でも、ポリオレフィン樹脂との溶融混練のしやすさか
ら、融点が260℃以下のものが好ましく、例えばポリ
エチレンオキサイドを架橋して得られるアクアコーク<
住友精化社製熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂の登録商標
>が好適に用いられる。
【0009】本発明でいうところのポリオレフィン樹脂
とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン等の
ホモ重合体および共重合体及びこれらの混合物のことを
いい、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン及び超高分子量ポリエチレン等のポ
リエチレンや、アイソタクチック、シンジオタクチッ
ク、アタクチックポリプロピレン等のポリプロピレン
や、ポリブテン、ポリメチルペンテンや、エチレンプロ
ピレンランダムコポリマー、エチレンプロピレンブロッ
クコポリマー、エチレンプロピレンラバー等が挙げられ
る。また、このようなポリオレフィン樹脂には、必要に
応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロ
ッキング剤、着色剤、難燃化剤等の添加物を本発明の目
的を損なわない範囲で添加することができる。
【0010】本発明における微孔性多孔膜の膜厚は、1
0〜60μmが好ましく、更に好ましくは15〜50μ
mである。膜厚が10μmより薄い場合は耐電圧信頼性
に乏しいものとなり、60μmより厚い場合は電池内容
積におけるセパレーターの占有率が大きくなり、電池の
小型化、高エネルギー密度化を妨げる原因となる。本発
明における微孔性多孔膜の機械方向弾性率は、膜強度、
耐電圧信頼性、電池組立性等の点から5000kgf/
cm2 以上であることが好ましい。
【0011】本発明における微孔性多孔膜の気孔率は、
以下の式により定義されるものである。 気孔率=空孔容積÷膜全容積×100 空孔容積=含水重量−絶乾重量 本発明における微孔性多孔膜の気孔率は、30〜80
%、好ましくは35〜70%、さらに好ましくは35〜
50%であることが望ましい。気孔率が小さすぎるとイ
オン透過性に劣り、低温及び室温での電流放電特性に劣
るものとなり、大きすぎると膜強度に劣り、耐電圧信頼
性及び電池組立性に劣るものとなる。
【0012】本発明における微孔性多孔膜の表裏貫通孔
の最大孔径は1μm以下でなければならず、好ましくは
0.7μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下であ
る。最大孔径が1μmより大きくなると、電極を捲回す
る際に微小な極板の活物質粉末がセパレーターの孔中に
入り込んでセパレーターを通過してしまうこと等による
内部短絡等が起こり易くなり、耐電圧信頼性に劣るもの
となる。
【0013】本発明における平均孔径は、0.01〜1
μmでなけらばならず、好ましくは0.05〜0.7μ
m、さらに好ましくは0.05〜0.5μmである。平
均孔径が1μmより大きくなると最大孔径の場合と同
様、電極を捲回する際に微小な極板の活物質粉末がセパ
レーターの孔中に入り込んでセパレーターを通過してし
まうこと等による内部短絡等が起こり易くなり、耐電圧
信頼性に劣るものとなる。また、平均孔径が0.01μ
mより小さくなるとイオン透過性に劣り、低温及び室温
での電流放電特性に劣るものとなる。
【0014】また、その他の物性についてはなんら規定
するものではないが、電気抵抗については10Ωcm2
以下、さらに好ましくは5Ωcm2 以下、透気度につい
ては1000秒以下、好ましくは500秒以下であるこ
とが望ましい。本発明の非水溶媒電池セパレーターとし
て用いられる微孔性多孔膜を得るためには、例えば、予
め熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂を混入させたポリオレ
フィン樹脂と液状または固体状有機物を溶融混練し、シ
ート状に押出成形するか、熱可塑性ノニオン型吸収性樹
脂とポリオレフィン樹脂と液状または固体状有機物を溶
融混練し、シート状に押出成形し、得られたシート状成
形物から液状または固体状有機物を抽出し、一軸または
二軸の延伸を施すことにより得ることができる。ここ
で、液状または固体状有機物とは、溶融成形時に液体状
態に保たれ、かつ一般的有機溶剤、水等に溶解し、容易
に成形体から抽出されるものである。さらに、固体状有
機物とは、25℃で固体状の有機物のことをいう。
【0015】このような液状または固体状有機物として
は、キシレン、トルエン、デカリン、デカン、ドデカ
ン、O−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンや、流
動パラフィン、パラフィンワックス、プロセスオイル等
の鉱油、ステアリルアルコール、フタル酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジシクロヘキシル等
のフタル酸エステル類、セバシン酸ジ−n−ブチル等の
セバシン酸エステル、リン酸トリ−n−ブチル等のリン
酸エステルなどが挙げられる。
【0016】予め熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂を混入
させたポリオレフィン樹脂を作製する場合や、予め熱可
塑性ノニオン型吸収性樹脂を混入させたポリオレフィン
樹脂と液状または固体状有機物を溶融混練し、シート状
に押出成形する場合や、熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂
とポリオレフィン樹脂と液状または固体状有機物を溶融
混練し、シート状に押出成形するには、単軸押出機、二
軸押出機等公知の手段にて押出成形できるが、熱可塑性
ノニオン型吸収性樹脂の劣化を防止するためホッパーか
ら窒素気流を導入するのが良い。また、シート成形時に
は、押出シートの厚みむらを少なくするためにギヤーポ
ンプを押出機とダイスの間に介在させるのが望ましい。
さらに好ましくは、重量フィーダーを使用したり、ギヤ
ーポンプ前圧力により押出機のスクリュー回転数を制御
するのが望ましい。
【0017】ポリオレフィン樹脂と液状有機物を混合す
る場合はポリオレフィン樹脂をホッパーから投入し、液
状有機物を、押出機バレルの途中から投入するのが作業
性がよく、ポリオレフィン樹脂と固体状有機物を混合す
る場合は、予め混合したポリオレフィンの混合物からな
るポリオレフィン樹脂と固体状有機物をホッパーから投
入するのが作業性が良い。
【0018】ポリオレフィン樹脂と熱可塑性ノニオン型
吸収性樹脂の混合比率は、好ましくは、ポリオレフィン
樹脂60重量部、熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂40重
量部からポリオレフィン樹脂95重量部、熱可塑性ノニ
オン型吸収性樹脂5重量部、更に好ましくは、ポリオレ
フィン樹脂80重量部、熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂
20重量部からポリオレフィン樹脂95重量部、熱可塑
性ノニオン型吸収性樹脂5重量部である。
【0019】ポリオレフィン樹脂と液状または固体状有
機物の混合物に対するポリオレフィン樹脂の割合は、5
〜80重量%、液状または固体状有機物の割合は、20
〜95重量%の範囲内である。ポリオレフィンの混合物
からなるポリオレフィン樹脂が5重量%より少量であれ
ば、得られた微孔性多孔膜は強度の弱いものとなってし
まい、電池用セパレーターとして使用される場合の組立
加工性に劣ることになる。一方、80重量%より多くな
れば、電気抵抗が高くなり、また透過性能も悪くなる。
従って、内部抵抗が大きくなるため、電池から有効に電
気エネルギーを取り出せなくなり、電池用セパレーター
としての性能に劣るものになってしまう。
【0020】本発明において、押出樹脂温、押出スピー
ド等は、特に限定されるものではないが、押出樹脂温は
180℃〜260℃が好ましく、押出スピードは0.1
m/分〜30m/分の押出スピードで押出すのが好まし
い。溶融混合物をダイスを通してフィルムまたはシート
状に押出し冷却する場合は所定の温度に設定したロ−ル
にて冷却するのがよい。また、エアーナイフ、デュアル
バキューム等の手段を所望により用いてもよい。ダイス
吐出部から冷却部までの距離はなんら限定されるもので
ないが、5cm〜1mであることが好ましい。
【0021】得られたシート状成形物から液状または固
体状有機物を抽出するには、樹脂の貧溶媒かつ液状また
は固体状有機物の良溶媒中に、好ましくは20〜90℃
にて浸漬し、シート状成形物より液状または固体状有機
物を除去すればよい。抽出溶媒としては、メタノール、
エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素等の有機溶媒が挙げられる。
【0022】シート状成形物と抽出溶媒の接触は所定温
度の溶媒に所定時間浸漬してひきあげる浸漬法により行
うことができる。または、シート状成形物の表面上に抽
出溶媒を連続的に流下或は噴射する方法により行うこと
もできる。連続的に抽出処理を施すには、多段に区分け
された槽をロールを介して連続的にシートを送り出しな
がら、抽出溶媒をシートの進行方向と逆の方向から流
す、多段向流法を用いるのが良い。
【0023】抽出処理を経た成形品を乾燥する工程にお
ける乾燥の方法は、例えば、空気または窒素ガスを吹き
付ける方法、減圧乾燥方法、熱空気、或いは熱窒素ガス
乾燥室を通過させる方法、成形品の熱収縮が許容できる
温度に加熱した金属ロールに接触させる方法等、公知の
方法が使用できる。延伸とは、シート状成形物を所望の
膜厚に延ばす手段を指す。特に延伸機を使用する場合
は、延伸温度80〜140℃の範囲内より選ばれた所定
の条件で、シートを機械方向(一軸方向)または二軸方
向に引き延ばすことで、所望の膜厚に調整された微孔性
多孔膜が得られる。ここで、抽出、延伸工程の順序につ
いては、なんら限定されるものではないが、液状または
固体状有機物を抽出する前に延伸を施し、該延伸物から
液状または固体状有機物を抽出し、乾燥し、さらに延伸
すると、得られたポリオレフィン微孔性多孔膜の透過性
能、及び強度が高くなり、望ましい。
【0024】この様にして得られた微孔性多孔膜は、非
水溶媒電池のセパレーターに適したものであり、その
他、アルカリ電池セパレーターとして用いることも可能
である。また、イオンを含有しないため、PHコントロ
ールの必要な植物培養培地や徐放性膜等にも使用でき
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明について、実施例を挙げて更に
詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるも
のではない。尚、実施例における測定方法および評価方
法は次の通りである。 (1)膜厚 ダイヤルゲージ(最小目盛り:1μm)を使用した。 (2)気孔率 次式より算出した。
【0026】気孔率=空孔容積÷膜全容積×100 空孔容積=含水重量−絶乾重量 (3)機械方向弾性率 ASTM−D−882に準拠し、インストロン型引張試
験機にて測定した。 (4)平均孔径 ASTM−F−316−80に準拠し、ハーフドライ法
にて評価した。尚、測定圧力の上限は、10kgf/c
2 とした。 (5)最大孔径 ASTM−E−128−61に準拠し、エタノール中で
のバブルポイントより算出した。 (6)透過性能 透気度により評価した。
【0027】透気度はJIS P−8117に準拠し、
東洋精機製B型ガーレー式デンソメーターを用い、標線
目盛り0から100までに要する時間をストップウォッ
チにて測定した。 (7)電気抵抗 安藤電気製AG−4311型LCRメーターにて、25
℃で測定した。
【0028】電解液:炭酸プロピレン 50体積% ジメトキシエタン50体積% 過塩素酸リチウム1mol/dm3 条件:白金黒電極 極板間距離3mm 極板面積 0.785cm2 交流 1kHZ 組立:図1に記載 (8)低温及び室温での電流放電特性 正極活物質としての二酸化マンガン粉末、導電剤として
の炭素粉末、及び結着剤としての弗素樹脂粉末を混合
し、水を加えてペーストを作製し、このペーストをステ
ンレス製のラス板に塗着、乾燥した後、加熱処理して帯
状の正極を得た。セパレーターでリチウム負極を覆い、
これに正極を重ねた後、これらを渦巻状に捲き取り、電
極体を作製した。次に、この電極体を電池外装缶に挿入
し、電解液としてプロピレンカーボネートとジオキソラ
ンの混合溶媒に過塩素酸リチウムを溶解したものを注液
した後、封口して電池を得た。得られた電池を室温と−
20℃の二通りの温度において1.0Aの電流で3秒間
放電した後、7秒間休止し、これを繰り返すという条件
でパルス放電を行った。電池電圧が1.5Vの終止電圧
になるまでのパルス回数を測定し、室温に対する−20
℃のパルス回数が30%以上のものを良好とした。 (9)吸収性 試料を5cm×5cmに切り取り、50℃の恒温槽中で
24時間放置後、デシケーターの中で20℃まで冷却
し、秤量する。(W1 )次に炭酸プロピレン(比重1.
2057g/cm3 、20℃)中に試料を2日間浸漬し
た後に取り出し、ガーゼで電解液を除去し秤量する。
(W2 )吸液性A(%)は下記の式によって求められ
る。
【0029】
【数1】
【0030】
【実施例1】低密度ポリエチレン35重量%、およびア
クアコークNU−40(住友精化株式会社製熱可塑性ノ
ニオン吸収剤)5重量%の混合物に、フタル酸ジオクチ
ル60重量%を添加し、ホッパーから窒素気流を導入さ
せながら30m/mφ二軸押出機に650m/m幅Tダ
イスを取り付けた製膜装置に供給して、厚さ290μm
のシート状の原膜を得た。樹脂温は170℃、押出スピ
ードは0.4m/分、ダイス吐出部から冷却ロールまで
の距離は10cmであった。該膜を、抽出溶剤として
1,1,1−トリクロロエタンを使用し、1,1,1−
トリクロロエタン中に20分間浸漬し、フタル酸ジオク
チルを抽出除去して、乾燥し、岩本製作所社製二軸延伸
試験機にて、温度120℃、速度500mm/minの
条件下で押出方向に平行なMD方向に5倍、押出方向に
垂直なCMD方向に2倍延伸し、微孔性多孔膜を得た。
以上のようにして得られた膜は、表1に記載の性能を有
し、高強度、低電気抵抗、高透過性かつ低温及び室温で
の放電特性が良好であった。
【0031】
【実施例2】速度を300mm/minで延伸した以外
は、実施例1と同様にして微孔性多孔膜を得た。得られ
た膜は、表1に記載の通り、延伸速度を小さくすること
により、更に低い電気抵抗を示した。
【0032】
【実施例3】ポリプロピレン樹脂60重量%とアクアコ
ークNU−40(住友精化株式会社製熱可塑性ノニオン
吸収剤)40重量%とを190℃でホッパーから窒素気
流を導入させながら30m/mφ二軸押出機にて溶融混
練し、マスタ−バッチを作製した。このマスターバッチ
10重量%と高密度ポリエチレン40重量%の混合物
に、流動パラフィン50重量%を、30m/mφ二軸押
出機に650m/m幅Tダイスを取り付けた製膜装置に
供給して、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシ
ート状の原膜を得た。さらに、流動パラフィンを抽出
し、延伸を施し、実施例1と同様にして、微孔性多孔膜
を得た。
【0033】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0034】
【実施例4】ポリプロピレン樹脂60重量%とアクアコ
ークNU−40(住友精化株式会社製熱可塑性ノニオン
吸収剤)40重量%とを190℃でホッパーから窒素気
流を導入させながら30m/mφ二軸押出機にて溶融混
練し、マスタ−バッチを作製した。このマスタ−バッチ
10重量%と高密度ポリエチレン40重量%の混合物
に、流動パラフィン50重量%を、30m/mφ二軸押
出機に650m/m幅Tダイスを取り付けた製膜装置に
供給して、実施例1と同様にして、厚さ300μmのシ
ート状の原膜を得た。流動パラフィンを抽出する前に、
岩本製作所社製二軸延伸試験機にて、温度120℃、速
度500mm/minの条件下で押出方向に平行なMD
方向に2倍、押出方向に垂直なCMD方向に2倍延伸
し、流動パラフィンを抽出し、乾燥した。さらに、岩本
製作所社製二軸延伸試験機にて、温度120℃、速度5
00mm/minの条件下で押出方向に平行なMD方向
に2倍、押出方向に垂直なCMD方向に2倍延伸し、微
孔性多孔膜を得た。
【0035】以上のようにして得られた膜は、表1に記
載の性能を有していた。
【0036】
【比較例】低密度ポリエチレン40重量%に、フタル酸
ジオクチル60重量%を添加し、ホッパーから窒素気流
を導入させながら30m/mφ二軸押出機に650m/
m幅Tダイスを取り付けた製膜装置に供給して、厚さ2
90μmのシート状の原膜を得た。樹脂温は170℃、
押出スピードは0.4m/分、ダイス吐出部から冷却ロ
ールまでの距離は10cmであった。該膜を、抽出溶剤
として1,1,1−トリクロロエタンを使用し、1,
1,1−トリクロロエタン中に20分間浸漬し、フタル
酸ジオクチルを抽出除去して、乾燥し、岩本製作所社製
二軸延伸試験機にて、温度120℃、速度500mm/
minの条件下で押出方向に平行なMD方向に5倍、押
出方向に垂直なCMD方向に2倍延伸し、微孔性多孔膜
を得た。以上のようにして得られた膜は、表1に記載の
ように低温放電性が不良であった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の非水溶媒電池セパレーターは、
熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂を混入させたポリオレフ
ィン樹脂を用いることにより、低温及び室温での放電特
性が良好になり、しかも、高強度、低電気抵抗、高透過
性で、低コストの単膜のセパレーターである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる微孔性多孔膜の電気抵抗測
定における組立の概略図
【符号の説明】
1 電極 2 テフロンパッキン 3 膜 4 外径2cm、内径1cm、厚み1mmのテフロンパ
ッキン 5 電極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノニオン型吸収性樹脂を混入さ
    せたポリオレフィン樹脂からなり、表裏貫通孔の最大孔
    径が1μm以下、平均孔径が0.01〜1μmである微
    孔性多孔膜を用いてなる、非水溶媒電池セパレーター。
  2. 【請求項2】 微孔性多孔膜の厚みが40μm以下であ
    る、非水溶媒電池セパレーター。
JP25398793A 1993-10-12 1993-10-12 非水溶媒電池セパレーター Expired - Fee Related JP3333287B2 (ja)

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