JP3333007B2 - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JP3333007B2
JP3333007B2 JP16861893A JP16861893A JP3333007B2 JP 3333007 B2 JP3333007 B2 JP 3333007B2 JP 16861893 A JP16861893 A JP 16861893A JP 16861893 A JP16861893 A JP 16861893A JP 3333007 B2 JP3333007 B2 JP 3333007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークに対して複数の
工具を用いて複数種類の加工を行うことを可能とする工
作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の工作機械として、図10
に示すように、ベッド1を垂直に配置し、そのベッド1
の平坦な前面に、それぞれがワーク保持用の第一主軸2
及び第二主軸3を備えた第一主軸台2A、第二主軸台3
Aを、各主軸2、3が垂直に且つ上下に対向するように
配置し、各主軸台2A、3Aをそれぞれ、X軸スライド
4、5に垂直方向(Z軸方向)に移動可能に保持させる
と共にそのX軸スライド4、5をベッド1に水平方向
(X軸方向)に移動可能に保持させ、更に、前記第一主
軸2及び第二主軸3の中間位置に、各主軸に対応して、
それぞれ複数の工具6、7を備えた第一刃物台8及び第
二刃物台9を設け、且つ中央にカットオフツール10を
設けた工作機械が提案されている(特開平1−2287
01号公報参照)。この公報に開示の工作機械では、第
一主軸2に保持したワークを、第一刃物台8の所望の工
具6に対してX軸方向及びZ軸方向に送って所望の加工
を行い、次いでそのワークを第二主軸3に移し、その第
二主軸3に保持したワークを、第二刃物台9の所望の工
具7に対してX軸方向及びZ軸方向に送って所望の加工
を行うという動作によって、ワークに対して前面、背面
の加工を含む各種の加工を効率良く行うことが可能であ
る。また、2本の主軸を垂直に配置したことにより、機
械の据え付け面積を小さくできるという利点も有してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この工作機械
では、各刃物台に工具を水平に並べて配置しているた
め、加工の種類を多くしようとして工具の個数を増やし
た場合、機械幅が大きくなり、設置スペースが大きくな
るという問題があった。
【0004】また、主軸台2Aを保持したX軸スライド
4をX軸方向に移動させるためには、通常、図11に示
すように、ボールねじ12とそれに噛み合うボールナッ
ト13を用いており、このボールねじ12を保護するた
め、X軸スライド4の両側にスライドカバー14を取り
付けている。このスライドカバー14は、X軸スライド
4がベッド1の端部に移動してきた時には、直角に設け
ている収容部15内に屈曲して収容されるように構成さ
れている。ところが、このような屈曲可能なスライドカ
バー14は製作が困難であり、しかも、そのスライドカ
バー14を屈曲させながら収容部15内に収容する際
に、摩擦抵抗等が大きく、X軸スライド4の移動に干渉
して加工精度を低下させることがあるという問題もあっ
た。
【0005】更に、図10において、第一主軸2に対す
るワークの供給、排出はベッド1の左側の端部で行い、
第二主軸3に対するワークの供給、排出はベッド1の右
側の端部で行うため、ワークの供給、排出を自動化する
場合、2箇所にワーク供給排出装置を設ける必要があ
り、コスト高となるという問題もあった。
【0006】本発明は、上述の問題点に鑑みて為された
もので、設置面積をあまり大きくすることなく多くの工
具を備えることが可能で、且つスライドカバーの製作を
容易とする工作機械を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、それぞれX軸方向、Z軸
方向に移動可能な2組の主軸台を備え、ワークに対する
前面加工、背面加工を並行して能率良く行うことの可能
な工作機械を提供することを目的とする。
【0008】更に、本発明は2組の主軸台を備えなが
ら、2組の主軸台の主軸に対して単一のワーク供給排出
装置によってワーク供給及び排出を行うことの可能な工
作機械を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべくな
された本願第一の発明は、垂直に設けられた円筒状ベッ
ドと、その円筒状ベッドに円周方向に移動可能に取り付
けられたX軸スライドと、そのX軸スライドを前記円筒
状ベッドの円周方向に移動させるX軸駆動装置と、前記
X軸スライドに垂直方向に移動可能に取り付けられ、垂
直に配置されたワーク保持用の主軸を備えた主軸台と、
該主軸台を垂直方向に移動させるZ軸駆動装置と、前記
円筒状ベッドに、前記主軸の移動領域に沿って円周方向
に並べて且つ前記主軸に対向して設けられた複数の工具
とを有する工作機械を要旨とする。
【0010】また、本願第二の発明は、垂直に設けられ
た円筒状ベッドと、その円筒状ベッドに円周方向に移動
可能に取り付けられた第一X軸スライドと、その第一X
軸スライドを前記円筒状ベッドの円周方向に移動させる
第一X軸駆動装置と、前記第一X軸スライドに垂直方向
に移動可能に取り付けられ、垂直に且つ下向きに配置さ
れたワーク保持用の第一主軸を備えた第一主軸台と、該
第一主軸台を垂直方向に移動させる第一Z軸駆動装置
と、前記第一X軸スライドよりも下方において前記円筒
状ベッドに円周方向に移動可能に取り付けられた第二X
軸スライドと、その第二X軸スライドを前記円筒状ベッ
ドの円周方向に移動させる第二X軸駆動装置と、前記第
二X軸スライドに垂直方向に移動可能に取り付けられ、
垂直に且つ上向きに配置されたワーク保持用の第二主軸
を備えた第二主軸台と、該第二主軸台を垂直方向に移動
させる第二Z軸駆動装置と、前記円筒状ベッドの第一主
軸と第二主軸との中間位置に、前記第一主軸の移動領域
に沿って円周方向に並べて且つ前記第一主軸に対向して
設けられた複数の工具からなる第一工具群と、前記第二
主軸の移動領域に沿って円周方向に並べて且つ前記第二
主軸に対向して設けられた複数の工具からなる第二工具
群とを備え、前記第一X軸スライド及び第二X軸スライ
ドは、それぞれに保持している第一主軸及び第二主軸
が、少なくとも共通のワーク受け渡し軸線上に移動可能
なように移動領域が定められていることを特徴とする工
作機械を要旨とする。
【0011】ここで、前記第一主軸スライド及び第二X
軸スライドは、それぞれに保持している第一主軸及び第
二主軸が、共通のワーク受け渡し軸線上から、その反対
側に位置するワーク供給排出軸線上まで移動可能なよう
に移動領域を定めておくことが好ましい。
【0012】
【作用】本願第一の発明は上記したように、主軸台や工
具を取り付けるベッドを円筒状として垂直に設け、多数
の工具をその円周に沿って並べると共に主軸台をX軸ス
ライドによって円筒状ベッドの円周方向に移動させると
いう構成としたことにより、ワークを保持した主軸を、
円周方向に並べられた多数の工具のどれに対しても、加
工を行うための位置に移動させることができ、従って所
望の工具による加工を行うことができる。しかも、多数
の工具は、円筒状ベッドの円周に沿って並べられている
ので、従来のように平坦な面に水平に並べる場合に比べ
て設置スペースを小さくすることができる。更に、X軸
スライドは円筒状ベッドに円周方向に移動するので、そ
の移動部分を覆うように設けるスライドカバーは、円筒
状ベッドの表面に適合する円弧状としておけば、従来の
ように屈曲可能とする必要はなく、これにより製作が容
易となり、また、移動時の抵抗が小さいのでX軸スライ
ドがスムーズに移動可能であり、加工精度を低下させる
ということがほとんどない。
【0013】本願第二の発明は、円筒状ベッドに対し
て、第一主軸台と第二主軸台とを上下に配置し、その中
間位置に、それぞれが円周方向に並べられた複数の工具
からなる第一工具群と第二工具群とを各主軸台に対応さ
せて設けたことにより、第一主軸台及び第二主軸台にお
いて並行して加工を行うことが可能であり、効率よく加
工を行うことができる。また、第一主軸台と第二主軸台
とを、それぞれの主軸軸線が一致するワーク受け渡し位
置に位置決めすることにより、上下の主軸間でワークの
受け渡しを行うことが可能であり、ワークの前面、背面
の加工を能率良く行うことができる。
【0014】ここで、第一主軸台及び第二主軸台をそれ
ぞれ保持した第一X軸スライドと第二X軸スライドの移
動範囲を、第一主軸及び第二主軸が、共通のワーク受け
渡し軸線上から、その反対側に位置するワーク供給排出
軸線上まで移動可能なように定めておくと、第一主軸、
第二主軸のいずれをもそのワーク供給排出軸線上に位置
させることができ、この位置にワーク供給排出装置を設
けておけば、単一のワーク供給排出装置によって第一主
軸及び第二主軸に対するワークの供給、排出を行うこと
ができる。
【0015】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例による工作機械の要部
の概略斜視図、図2はその工作機械の円筒状ベッド及び
その円筒面に配置された各部品を平面状に展開して示す
概略正面図、図3はその工作機械の主要部品を示す概略
斜視図、図4は円筒状ベッドに配置された第一主軸台を
X軸方向に移動させる機構を示す概略断面図、図5はそ
の円筒状ベッドに配置された第一工具群、第二工具群を
示す概略平面図である。
【0016】図1〜図5において、21は垂直に配置さ
れた円筒状ベッド、22は垂直に且つ下向きに配置され
た第一主軸、23はその第一主軸22を回転可能に保持
した第一主軸台、25はこの第一主軸台23を第一主軸
22の軸線方向即ちZ軸方向に摺動可能に保持する第一
X軸スライド、26はZ軸方向に配置され、第一主軸台
23に取付けたナットに噛み合うボールねじ、27はそ
のボールねじ26を回転駆動する第一Z軸サーボモータ
である。第一Z軸サーボモータ27及びボールねじ26
は、第一主軸22を保持した第一主軸台23をZ軸方向
に即ち垂直方向に移動させるためのものであり、第一Z
軸駆動装置を構成する。
【0017】28は、円筒状ベッド21に、Z軸に直角
な円周方向に即ちX軸方向に延びるように取り付けられ
た第一ガイドであり、第一X軸スライド25を移動可能
に保持している。この第一ガイド28は図4から良く分
かるように、円筒状ベッドの半周を越えた長さを有して
おり、第一主軸22を、中心対称に配置されるワーク受
け渡し軸線C及びワーク供給排出軸線Dに移動させるこ
とができるようになっている。29は円筒状ベッド21
の中心軸線を支点軸として旋回可能に設けられたアーム
であり、その先端が第一X軸スライド25に連結されて
いる。30はそのアーム29を旋回させるための第一X
軸サーボモータであり、バックラッシュのない減速装置
30aを備えている。これらのアーム29、第一X軸サ
ーボモータ30等は、第一X軸スライド25及びそれに
保持されている第一主軸台23等をX軸方向に即ち水平
な円周方向に移動させるものであり、第一X軸駆動装置
を構成する。
【0018】図4において、31は、第一ガイド28を
保護するよう第一X軸スライド25に取り付けられたス
ライドカバーである。このスライドカバー31は円筒状
ベッド1の外周面に適合するような円弧状に作られてお
り、そのため、第一X軸スライド25がどこに移動して
も、円弧状を保って移動可能である。この構成は、図1
1に示す従来のスライドカバー14が強制的に曲げられ
ながら移動するのに比べて、スライドカバー31の移動
を容易に且つスムーズにしており、このため、第一X軸
スライド25の移動に対する抵抗を小さくし、加工精度
を向上させる効果をもたらす。更に、スライドカバー3
1は屈曲する必要がないので、製作が容易であり、コス
トを下げることもできる。なお、スライドカバー31の
円周方向の長さは、切粉等から第一ガイド28を保護で
きる程度の長さがあれば良く、図示したように円筒状ベ
ッド1の一部を覆う長さで良いが、場合によっては、円
筒状ベッド1全体を包囲するような長さ(従ってスライ
ドカバーは円筒状となる)としてもよい。
【0019】32は、第一主軸22よりも下方に位置
し、垂直に且つ上向きに配置された第二主軸、33は第
二主軸32を回転可能に保持した第二主軸台であり、こ
の第二主軸台33も第一主軸台23と同様な機構によ
り、X軸方向及びZ軸方向に移動可能に保持されてい
る。すなわち、35は第二X軸スライド、36はボール
ねじ、37は第二Z軸サーボモータ、38は第二ガイ
ド、39はアーム、40は減速装置40aを備えた第二
X軸サーボモータであり、ボールねじ36及び第二Z軸
サーボモータ37は第二主軸32を保持した第二主軸台
33をZ軸方向即ち垂直方向に移動させる第二Z軸駆動
装置を構成し、アーム39、第二X軸サーボモータ40
等は、第二X軸スライド35及びそれに保持されている
第二主軸台33等をX軸方向に即ち水平な円周方向に移
動させるものであり、第二X軸駆動装置を構成する。各
サーボモータはNC装置(図示せず)によって制御され
る構成となっている。なお、第二X軸スライド35に
も、第二ガイド38を保護するためのスライドカバー
(図示せず)が取り付けられている。
【0020】ここで、第一主軸台23を円周方向に移動
させるための第一ガイド28と第二主軸台33を円周方
向に移動させるための第二ガイド38とは、円筒状ベッ
ドを軸線方向に見た状態において、互いに対称に配置さ
れている。従って、第一主軸22のX軸方向の移動範囲
と、第二主軸32のX軸方向の移動範囲とは、その両端
で重なるように設定されており、第2図において、両主
軸22、32がそれぞれ、共通の垂直なワーク受け渡し
軸線C−C上から、その左右の加工領域を通って、共通
の垂直なワーク供給排出軸線D−Dまで移動可能であ
る。
【0021】第一主軸22、第二主軸32の構造は特に
限定されるものではないが、本実施例では、第一主軸2
2として、図6に示すものが使用されている。図6にお
いて、主軸22は中空の主軸本体22aと、その先端に
設けられたワーク把持用のコレット22bを備えたチャ
ック22cと、コレット22bに連結され主軸本体22
a内に摺動可能に配置された摺動スリーブ22dと、主
軸本体22a外面に取付けられたコイル22e等を備え
ており、第一主軸台23は内面にコイル23aを備えて
いる。この構成により、第一主軸22と第一主軸台23
がモータを構成している。換言すれば、第一主軸台23
はビルトインモータ方式のものであり、モータのロータ
が主軸22となっている。第一主軸後端には摺動スリー
ブ22dを介してコレット22bを開閉する開閉用ピス
トン装置22fが連結されている。更に、第一主軸22
の内部には、内部に収容したワークWを前進させるピス
トン22g及びそのピストン22gの背面に圧力空気を
作用させる回転継手22h、エアパイプ22iが接続さ
れている。この構成により、第一主軸22内に長尺のワ
ークWを収容しておき、加工の進行に応じてピストン2
2gにより、ワークWを主軸先端から突出させることが
できる。なお,第二主軸32は同様の構造としてもよい
し、或いは単にワークを把持する機能を有するだけのも
のであってもよい。
【0022】図1、図2において、44は、ワーク受け
渡し軸線C−C上で且つ第一主軸22と第二主軸32の
間に配置されたカットオフツールである。このカットオ
フツール44は、図7に示すように、刃物45と、その
刃物45を保持しベッド21に対して摺動可能な保持体
46と、その保持体46に取付けたナット47に噛み合
うボールねじ48と、そのボールねじ48を回転駆動す
る駆動モータ49等を備えており、駆動モータ49によ
り、刃物45を矢印B−B方向に往復動させ、第一主軸
22及び第二主軸32に保持したワークWを切り離すこ
とが可能である。
【0023】図1〜図5において、50はカットオフツ
ール44の片側に、円筒状ベッド21に、第一主軸22
の移動領域に沿って円周方向に並べて且つ第一主軸22
に対向して配置された複数の工具51a、51b、51
c・・・からなる第一工具群であり、ベッド21に固定
して設けられる第一工具台52にホルダー53によって
取り付けられている。55はカットオフツール44の反
対側に、第二主軸32の移動領域に沿って円周方向に並
べて且つ第二主軸32に対向して配置された複数の工具
56a、56b、56c・・・からなる第二工具群であ
り、ベッド21に固定して設けられる第二工具台57に
ホルダー58によって取り付けられている。ここで使用
される工具51a、51b、51c・・・及び工具56
a、56b、56c・・・は、固定工具、回転工具等任
意である。なお、これらの工具を取り付ける第一工具台
52及び第二工具台57はそれぞれ固定して設けられた
工具台であるので、回転工具でも容易に取付けることが
できる。例えば、ドリル等の回転工具を使用する場合に
は、ホルダー53又は58に工具駆動用モータを取り付
ければよい。
【0024】なお、図示は省略しているが、円筒状ベッ
ド21の背面側のワーク供給排出軸線Dの近傍には、そ
の位置に移動してきた第一主軸22及び第二主軸32に
対してワークの供給、排出を行うためのワーク供給排出
装置が設けられている。
【0025】次に、上記構成の工作機械による加工動作
を説明する。図8に示すように、第一主軸22にワーク
Wを保持させ、この第一主軸22をX軸、Z軸方向に送
ることにより、第一工具群50の適当な工具51a、5
1b、51c・・・によってワークWに対する加工を行
う。所定の加工が終了すると、図9に示すように、第一
主軸22と第二主軸32とを同一軸線C−C上に移動さ
せ、互いに接近させることにより、ワークWを第一主軸
22から第二主軸32に受け渡す。その後は、図8に示
すように、第二主軸32をX軸、Z軸方向に送ることに
より、第二主軸32に保持させたワークWを第二工具群
55の適当な工具56a、56b、56c・・・によっ
てワークWに対する加工を行う。この時、第二主軸32
に保持したワークに対する加工と並行して、第一主軸2
2では新たなワークWを保持し、加工を行う。かくし
て、第一主軸22、第二主軸32による並行加工及び一
つのワークに対する前面、背面加工を効率良く行うこと
ができる。
【0026】なお、背面加工の必要のないワークに対す
る加工を行う場合には、第一主軸22と第二主軸32と
の間でのワーク受け渡しを行う必要はなく、両主軸2
2、32にそれぞれ異なるワークを保持させ、並行して
各ワークに対する所望の加工を行えばよい。
【0027】第一主軸22及び第二主軸32へのワーク
の供給及び排出は、その第一主軸22或いは第二主軸3
2をワーク供給排出軸線D−Dに一致する位置に移動さ
せ、その近傍に配置されているワーク供給排出装置によ
って行う。
【0028】次に、ワークとして長尺のものを用いる場
合には、そのワークWを図6に示すように、第一主軸2
2内に収納しておき、先端をコレット22bから所定量
だけ突出させた状態でコレット22bで把持する。この
状態で、ワーク先端に所定の加工を施す。加工終了後、
第一主軸22及び第二主軸32をワーク受け渡し軸線C
−C上に位置決めし、図7に示すように、ワークWの下
端を第二主軸32でも保持し、カットオフツール44に
よってワークを切断し、第二主軸32に受け渡す。その
後、第二主軸32による加工を行う。一方、第一主軸2
2では、ピストン22gによってワークWを送り出し、
先端をコレット22bから適当な長さだけ突出させ、そ
の部分に加工を施す。以下同様の動作を繰り返すことに
より、加工の都度ワーク供給を行う必要がなく、連続的
に加工を行うことができる。
【0029】なお、上記実施例では、円筒状ベッド21
に、第一主軸22と第二主軸32とを設けた例を示した
が、本願第一の発明はこの構成に限らず、単一の主軸の
みを用いる構成としてもよい。その場合には、円筒状ベ
ッドの全周に渡って、単一の主軸に対して多数の工具を
配置することができる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本願第一の発明
は、主軸台や工具を取り付けるベッドを円筒状として垂
直に配置し、多数の工具をその円周に沿って並べる構成
としたことにより、従来のように平坦な面に工具を水平
に並べる場合に比べて設置スペースを小さくすることが
でき、また、X軸スライドは円筒状ベッドに円周方向に
移動するので、その移動部分を覆うように設けるスライ
ドカバーは、円筒状ベッドの表面に適合する円弧状とし
ておけば、従来のように屈曲可能とする必要はなく、こ
れにより製作が容易となり、また移動時の抵抗が小さく
なり、スムーズに移動させることができる等の効果を有
している。
【0031】本願第二の発明は、円筒状ベッドに対し
て、第一主軸台と第二主軸台とを上下に配置し、その中
間位置に、それぞれが円周方向に並べられた複数の工具
からなる第一工具群と第二工具群とを各主軸台に対向し
て設けたことにより、第一主軸台及び第二主軸台におい
て並行して加工を行うことが可能であり、効率よく加工
を行うことができ、また、第一主軸台と第二主軸台と
を、それぞれの主軸軸線が一致するワーク受け渡し位置
に位置決めすることにより、上下の主軸間でワークの受
け渡しを行うことが可能であり、ワークの前面及び背面
の加工を能率良く行うことができる等の効果を有してい
る。
【0032】ここで、第一主軸台及び第二主軸台をそれ
ぞれ保持した第一X軸スライドと第二X軸スライドの移
動範囲を、第一主軸及び第二主軸が、共通のワーク受け
渡し軸線上から、その反対側に位置するワーク供給排出
軸線上まで移動可能なように定めておくと、第一主軸、
第二主軸のいずれをもそのワーク供給排出軸線上に位置
させることができ、この位置にワーク供給排出装置を設
けることにより、単一のワーク供給排出装置によって第
一主軸及び第二主軸に対するワークの供給、排出を行う
ことが可能となり、装置構造を簡略化することができる
等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による工作機械の主要部の概
略斜視図
【図2】その工作機械の円筒状ベッド及びその円筒面に
配置された各部品を平面状に展開して示す概略正面図
【図3】その工作機械の主要部品を示す概略斜視図
【図4】円筒状ベッドの円筒面に配置された第一主軸台
をX軸方向に移動させる機構を示す概略断面図
【図5】その円筒状ベッドの円筒面に配置された第一工
具群、第二工具群を示す概略平面図
【図6】上記実施例における第一主軸22及び第一主軸
台23の概略断面図
【図7】上記実施例におけるカットオフツールの概略断
面図
【図8】上記実施例において第一主軸及び第二主軸にそ
れぞれ保持したワークに対する加工の状態を説明する概
略正面図
【図9】第一主軸と第二主軸の間でワーク受け渡しを行
う状態を説明する概略正面図
【図10】従来の工作機械の概略正面図
【図11】その従来例におけるA−A矢視概略断面図
【符号の説明】
21 円筒状ベッド 22 第一主軸 23 第一主軸台 25 第一X軸スライド 27 第一Z軸サーボモータ 28 第一ガイド 29 アーム 30 第一X軸サーボモータ 31 スライドカバー 32 第二主軸 33 第二主軸台 35 第二X軸スライド 37 第二Z軸サーボモータ 38 第二ガイド 39 アーム 40 第二X軸サーボモータ 44 カットオフツール 50 第一工具群 51a、51b、51c・・・ 工具 52 第一工具台 53 ホルダー 55 第二工具群 56a、56b、56c・・・ 工具 57 第二工具台 58 ホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 17/00 B23B 3/06 B23B 3/30 B23Q 1/01

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直に設けられた円筒状ベッドと、その
    円筒状ベッドに円周方向に移動可能に取り付けられたX
    軸スライドと、そのX軸スライドを前記円筒状ベッドの
    円周方向に移動させるX軸駆動装置と、前記X軸スライ
    ドに垂直方向に移動可能に取り付けられ、垂直に配置さ
    れたワーク保持用の主軸を備えた主軸台と、該主軸台を
    垂直方向に移動させるZ軸駆動装置と、前記円筒状ベッ
    ドに、前記主軸の移動領域に沿って円周方向に並べて且
    つ前記主軸に対向して設けられた複数の工具とを有する
    工作機械。
  2. 【請求項2】 垂直に設けられた円筒状ベッドと、その
    円筒状ベッドに円周方向に移動可能に取り付けられた第
    一X軸スライドと、その第一X軸スライドを前記円筒状
    ベッドの円周方向に移動させる第一X軸駆動装置と、前
    記第一X軸スライドに垂直方向に移動可能に取り付けら
    れ、垂直に且つ下向きに配置されたワーク保持用の第一
    主軸を備えた第一主軸台と、該第一主軸台を垂直方向に
    移動させる第一Z軸駆動装置と、前記第一X軸スライド
    よりも下方において前記円筒状ベッドに円周方向に移動
    可能に取り付けられた第二X軸スライドと、その第二X
    軸スライドを前記円筒状ベッドの円周方向に移動させる
    第二X軸駆動装置と、前記第二X軸スライドに垂直方向
    に移動可能に取り付けられ、垂直に且つ上向きに配置さ
    れたワーク保持用の第二主軸を備えた第二主軸台と、該
    第二主軸台を垂直方向に移動させる第二Z軸駆動装置
    と、前記円筒状ベッドの第一主軸と第二主軸との中間位
    置に、前記第一主軸の移動領域に沿って円周方向に並べ
    て且つ前記第一主軸に対向して設けられた複数の工具か
    らなる第一工具群と、前記第二主軸の移動領域に沿って
    円周方向に並べて且つ前記第二主軸に対向して設けられ
    た複数の工具からなる第二工具群とを備え、前記第一X
    軸スライド及び第二X軸スライドは、それぞれに保持し
    ている第一主軸及び第二主軸が、少なくとも共通のワー
    ク受け渡し軸線上に移動可能なように移動領域が定めら
    れていることを特徴とする工作機械。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の工作機械において、前
    記第一主軸スライド及び第二X軸スライドは、それぞれ
    に保持している第一主軸及び第二主軸が、共通のワーク
    受け渡し軸線上から、その反対側に位置するワーク供給
    排出軸線上まで移動可能なように移動領域が定められて
    いることを特徴とする工作機械。
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