JP3332958B2 - キャリアを用いた電気接続用ソケット - Google Patents

キャリアを用いた電気接続用ソケット

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秀人 小田桐
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャリアを有する電気
接続用ソケットに関するもので、例えば、ICチップ搭
載モジュールのテスト/バーンイン試験を行う場合に、
ICチップ搭載モジュールを試験回路に接続するために
使用されるキャリアを有する電気接続用ソケットに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、ICチップ部品のモジュール
化が益々進んできている。また同時にCOB(Chip on
Board)技術の進歩と複合して、COBモジュールとして
のモジュール化が可能になってきた。このようなモジュ
ールとして、ICチップ及びその他の電子部品を基板上
に搭載し、基板の1端面近傍に外部回路と接続するため
のI/Oポートとなる端子を配列し、全体としてカード
状に形成されたICチップ搭載モジュールがある。
【0003】このようなカード状モジュールについてテ
スト/バーンイン試験を行う場合には、一般的にソケッ
ト接続が採用され、NON−ZIFタイプと呼ばれるソ
ケットを使用する。モジュールの端子を備えた端面を試
験装置のソケットに挿入すると、始めにモジュールの基
板エッジ部がソケット内のコンタクトと衝突し、さらに
モジュールをソケットに押し込むと、コンタクトはそれ
自身の弾性により変形してモジュールの進入を許し、コ
ンタクトの接点部は、基板エッジ部を乗り越えて摺動し
ながら、モジュールの端子と接触する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなソケット
とモジュールの構造では、モジュールをソケットに挿入
する際に、モジュールの基板エッジ部とソケットのコン
タクトとが衝突することとなり、コンタクト接点部の表
面が剥離したり、基板エッジ部が破損したりして、それ
ぞれが使用不能となることがあった。このような不都合
は、ICチップ搭載モジュールについてのみ生じるので
はなく、端子がエッジ部近傍に配列された基板をソケッ
トに挿入して電気的接続を行おうとするものにおいて、
広く起こりうるものである。
【0005】本発明は、端子がエッジ部近傍に配列され
た基板をソケットに挿入する際、ソケットのコンタクト
接点部の表面が剥離したり基板エッジ部が破損したりす
ることを防止することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】その端面近傍に複数の端
子を配列した基板、その基板を収納するキャリア及び、
該キャリアが挿入されたとき、前記端子と接触して電気
的接続を行う複数のコンタクトをボディー内部に収納し
たソケットを具備したキャリアを有する電気接続用ソケ
ットにおいて、ソケット内にレバー部を有するカムを設
け、レバー部とキャリアに設けた突起との係合により、
キャリアのソケットへの挿入にしたがってカムが一方向
に回転し、一方係合が外れると逆方向に回転し、この回
転に従いカムは、コンタクトが端子から離れる方向とコ
ンタクトが端子に接触する方向に移動するようにした。
ここで、逆方向の回転は、コンタクトの復元力を利用す
ることができるが、他の手段、例えばバネ等を利用する
ことも可能である。
【0007】
【作用】上記手段により、キャリアがソケットに挿入さ
れる際、キャリアの突起がカムのレバー部を作動させ、
キャリアの進行に伴いカムが回転する。このカムの回転
は、基板の端面がコンタクトに接触する前にコンタクト
の接点部を端子から離れる方向に移動させ、基板のエッ
ジ端がコンタクトの先端を通過した後は、コンタクトの
弾性力によりコンタクトの接点部が端子に向けて移動
し、コンタクトと端子が接触する。そして、カムは、コ
ンタクトの移動に伴い逆方向に回転する。したがって、
キャリアをソケットに挿入する間に、基板のエッジ部と
コンタクトとが衝突することがなくなる。その結果、キ
ャリアをソケットに着脱する際に、ソケットのコンタク
ト接点部の表面が剥離したり、基板エッジ部が破損した
りすることを防止することが可能となる。
【0008】
【実施例】本発明をICチップ搭載モジュールに対して
適用した一実施例について、図を用いて説明をする。図
2は本例のシステム構成を示し、1はICチップその他
を搭載したモジュール、2はモジュール1を収納するキ
ャリア、3はキャリア2が挿入されることによりモジュ
ール1との電気的接続を行うソケットである。モジュー
ル1は、カード状の基板4からなり、図示しないが、I
Cチップその他の電子部品を搭載している。また、基板
4は、そのエッジ端近傍にI/Oポートとなる複数の端
子5を配置している。
【0009】キャリア2は、モジュール1を弾性部8で
押さえて凹部6内に保持、収納する。また、モジュール
1は両側壁7により位置規制されて、キャリア2に対し
てモジュール1が固定される。キャリア2は、ソケット
3に挿入される先端部の両側部にスロット部9と突起1
0を備えているが、この両者については、後で説明をす
る。
【0010】ソケット3の詳細を図3に示す。ソケット
3は、ボディー11、コンタクト12、カム13、ピン
16を具備する。ボディー11は、ソケットのハウジン
グであり、その両側にはキャリア2を挿入する際の案内
となるガイド部24が設けられる。コンタクト12は、
電気接触子となるもので、図では1つのみを示している
がボディー11内に1列に複数個配置されている。カム
13は、中間部にコンタクト12の位置を規制する溝1
4を有し、両端部にレバー部15を有する。カム13の
詳細については、更に後で説明する。
【0011】ピン16が、カム13の回転軸として、ボ
ディーの穴17とカムの穴18を通して、ボディー11
にカム13を支持する、ピン16は、前記穴のいずれか
一方にきつく嵌め込まれ、他方には緩く嵌め込まれる。
そのため、カム13は、ソケット3内でピン16の軸方
向すなわちコンタクトの整列方向に横ずれ可能に、かつ
回転可能に取り付けられている。
【0012】本例の端子5とコンタクト12との接触部
の構造の詳細を、モジュール1、キャリア2、ソケット
3を組み合わせた状態を示す図1と図4を用いて説明す
る。図1において、(a)は、ソケット3にキャリア2
がガイド部24に案内されて少し挿入された状態の一部
断面正面図を示し、(b)は、ソケット3の平面図を示
す。図4は、図1の状態よりキャリア2が更に挿入され
て、先端近傍に設けた突起10がカム13のレバー部1
5に当接した状態の側面断面図を示す。
【0013】ソケット3のボディー11内には、モジュ
ール1の端子5と接触する複数のコンタクト12が一列
に配置される。このコンタクト12は、カム13の被作
動部でありまたバネとして動作する湾曲に形成されたア
ーム部19、該アーム部19の先端の接点部20、キャ
リアの背面の位置決めをする保持部21、両者を連結し
ボディーに固定するためのベース部22、及びソケット
3の外部に突出し、図示しない試験回路と所定の接続が
なされるソルダーテール部23から構成されている。
【0014】カム13は、その中間部に複数の溝14を
有し、コンタクト12の先端部近傍をその溝14内に入
れて、各コンタクト12の位置を規制する。カム13の
断面は、図4に示すような形状をしており、カム13
は、更にコンタクト12のアーム部19の弾力により、
図示時計方向に回転力が加えられうる形状を有してい
る。レバー部15の側面は、キャリア2のスロット部9
の側壁と係合して、両者の位置関係を規制し、端子5と
コンタクト12とが正確な位置関係で接触するように位
置決めをする。
【0015】次に、コンタクト12の開閉機構を図4〜
図6を用いて説明する。なお、以下の説明の内、コンタ
クト12とカム13の動作は、米国特許第499395
5号明細書に記載されたものとほぼ同様である。
【0016】図4は、前述のように、キャリア2がソケ
ット3に挿入された当初の状態を示しており、基板2の
端子5はコンタクト12の先端と離れており、カム13
が作動させられる直前の状態である。この状態では、カ
ム13のレバー部15と、キャリア2の突起10が接触
しており、カム13は、アーム部19との間に間隙を有
していても良く、又コンタクト12のアーム部19のバ
ネ力により、図示時計方向に回転するように付勢されて
いても良い。この状態では、コンタクト12の先端の接
点部20とキャリアの背面の位置決め保持部21との間
隔は、コンタクト12に挿入される端子5の部分の厚さ
よりも小さくされている。
【0017】キャリア2をソケット3に更に押し込むこ
とにより、図5に示すように、レバー部15はキャリア
2の突起10に乗り上げて、アーム部19のバネ力に抗
して図示反時計方向に回転させられる。これにより、カ
ム13も回転してその断面形状に従ってアーム部19が
図示左方向に移動させられ、コンタクト12の先端の接
点部20が最大に開く。この状態では、コンタクト12
の先端の接点部20とキャリアの背面の位置決め保持部
21の間隔は、端子5の部分の厚さよりも大きくなり、
接点部20と端子5は互いに干渉しない位置関係にな
る。したがって、更にキャリア2を押し込んでも、コン
タクト12の接点部20は、基板2のエッジ部及び端子
5とは衝突しないで、キャリア2がソケット3に挿入さ
れていく。
【0018】図6は、キャリア2が更に押し込まれてソ
ケット3へ完全に挿入された状態を示している。この状
態では、キャリア2の突起10はレバー部15の凸部よ
り下方に移動しているので、カム13はアーム部19の
バネ力により、レバー部15の凸部の動きに従って図示
時計方向へ回転させられる。これにより、コンタクト1
2のアーム部19は図示右方向に移動し、接点部20は
端子5と接触しアーム部19のバネ力により接触圧力が
与えられる。
【0019】以上説明したように、本例は、キャリア2
の挿入操作によりカム13が作動してコンタクト12が
開閉させられる。これにより、コンタクト12の先端部
は、基板4のエッジ端に衝突することなく端子5と接触
することができる。キャリア2を抜き取るときも同様
に、抜き取る操作によりカム13とコンタクト12は挿
入時と全く逆の動作をし、コンタクト12の先端部は基
板4のエッジ端と接触しない。
【0020】なお、以上の説明のうち、カム13とコン
タクト12の動作については、前述の米国明細書に記載
されたものと同様であるが、米国明細書に記載されたも
のは、集積回路装置のパッケージの端子の接続に適用さ
れるものであって、カムの動作は、パッケージとは別に
設けたタワーを操作することによって行っている。これ
に対し、本例のものは、キャリア2に設けた突起10に
よってカム13を動作させているため、キャリア2の挿
入、抜き取り動作により、同時にカムを動作させること
ができるものである。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
端子がエッジ部近傍に配列された基板を収納したキャリ
アをソケットに挿入あるいは抜き取り操作をしてそのコ
ンタクトと電気的に接続、接断する際に、ソケットのコ
ンタクトが基板のエッジ端に衝突することがない。した
がって、ソケットのコンタクト接点部の表面が剥離した
り、基板エッジ部が破損したりすることを防止すること
ができる。そして、キャリアのソケットへの着脱は挿入
と抜き取りの操作のみで簡単に行えるため、自動挿入に
対応しやすいという効果も奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のキャリアとソケットを組み合
わせた状態を示す正面図、及びソケット平面図。
【図2】本発明の実施例のシステム構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例のソケットを示す斜視図。
【図4】本発明の実施例の開閉機構の第1の状態を示す
側面断面図。
【図5】本発明の実施例の開閉機構の第2の状態を示す
側面断面図。
【図6】本発明の実施例の開閉機構の第3の状態を示す
側面断面図。
【符号の説明】
1…モジュール 2…キャリア 3…ソケット 4…基板 5…端子 6…凹部 7…側壁 8…弾性部 9…スロット部 10…突起 11…ボディー 12…コンタクト 13…カム 14…溝 15…レバー部 16…ピン 17,18…穴 19…アーム部 20…接点部 21…保持部 22…ベース部 23…ソルダーテール部 24…ガイド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 24/10 H01R 12/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面近傍に複数の端子を配列した基板、
    その基板を収納するキャリア及び、該キャリアが挿入さ
    れたとき、前記端子と接触して電気的接続を行う複数の
    コンタクトをボディー内部に収納したソケットを具備し
    たキャリアを用いた電気接続用ソケットにおいて、前記
    キャリアは挿入される端部近傍に突起を有し、前記ソケ
    ットは、その内部にコンタクトと接触する部分とレバー
    部を有するカムを有し、前記カムのレバー部は、前記キ
    ャリアの突起と係合する位置に置かれ、キャリアのソケ
    ットへの着脱に応じて、前記キャリアの突起と係合して
    カムを一方向に回転させ、前記突起との係合が外れると
    カムが逆方向に回転して戻り、前記カムのコンタクトと
    接触する部分は、カムの前記一方向の回転により前記コ
    ンタクトを前記端子から離す方向に移動させ、逆方向の
    回転に従い前記コンタクトが前記端子に接触する方向に
    移動させる形状に形成されていることを特徴とするキャ
    リアを用いた電気接続用ソケット。
  2. 【請求項2】 基板がICチップ搭載モジュールの基板
    であることを特徴とする請求項1記載のキャリアを用い
    た電気接続用ソケット。
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