JP3332637B2 - ポンプ装置および該ポンプ装置を有するインクジェット記録装置 - Google Patents

ポンプ装置および該ポンプ装置を有するインクジェット記録装置

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JP3332637B2
JP3332637B2 JP02380695A JP2380695A JP3332637B2 JP 3332637 B2 JP3332637 B2 JP 3332637B2 JP 02380695 A JP02380695 A JP 02380695A JP 2380695 A JP2380695 A JP 2380695A JP 3332637 B2 JP3332637 B2 JP 3332637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポンプ装置および該ポ
ンプ装置を有するインクジェット記録装置に関し、該ポ
ンプは、インクジェット記録装置の記録液体吐出を安定
的に動作させるために用いる回復手段として好適に使用
されるものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、記録液の小
滴を飛翔させ、紙等への被記録媒体に塗布させて記録を
行うものである。従来より、ゴミまたは液状インクが乾
燥により増粘して、ノズルの目詰りをおこしたり、ノズ
ル中に気泡が生じて、吐出不良が発生する、という問題
点があった。このような吐出不良を回復する手段として
は、ポンプにより減圧してインクをノズル先端より吸引
する方法が、一般的である。昨今では、カラー記録に対
する要請が強く、複数色インクを吐出可能な記録ヘッド
を搭載したカラーインクジェット記録装置が増えてお
り、これに対応した回復装置としては、以下のようなも
のが開発されている。
【0003】(1)色数に応じたポンプ/色数に応じた
吸引系を搭載し、複数のポンプを同時に動作させる。
【0004】(2)1ポンプ/1吸引系を搭載し、複数
の記録ヘッドに対して時分割で動作させる。
【0005】(3)1ポンプ/色数に応じた吸引系を搭
載し、動作させる。
【0006】さらに、従来のインクジェット記録に用い
られるインクは、一般に水を主成分とし、これに乾燥防
止、目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸
点溶剤を含有したものが一般的で、このようなインクを
用いて普通紙に記録を行った場合、十分な定着性が得ら
れなかったり、記録紙表面の填料やサイズ剤の不均一な
分布によると推定される不均一画像が発生したりした。
また、特にカラー画像を得ようとした場合には、複数の
色のインクのうち先に付着したインクが紙に定着する以
前に、他のインクが紙に次々と重ねられることから、色
の異なる画像の境界部分では色が滲んだり、不均一に混
ざり合って、満足すべき画像が得られなかった。
【0007】そこで、上述した問題点を改善するため
に、記録インクの噴射に先だって被記録媒体上に画像を
良好にせしめる液体を記録性向上液として塗布させる方
法が、開示されている。
【0008】なお、ここで、記録性の向上とは、濃度、
彩度、エッジ部分のシャープネス度合い、ドット径等の
画質を向上させること、インクの定着性を向上させるこ
と、耐水性の、耐候性等の耐候性、すなわち画像保存性
を向上させること、を含む。
【0009】前記記録性向上液を塗布させる従来の方法
としては、たとえば、特開平5−202328号公報に
は少なくとも1つのカルボキシル基を有する少なくとも
1つの化学染料剤を含むインク組成物と、多価金属塩溶
液とを使用し、被記録媒体に、多価金属塩溶液を適用し
た後に、インク組成物を適用して良好な画像を得る方法
が開示されている。
【0010】また、特開昭64−63185号公報に
は、染料を不溶化する処理液をインクジェット記録ヘッ
ドによって記録紙上に付着させる技術が開示されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような処理液を使用した記録装置における回復装置に関
する、上記のように色数に応じたポンプ/色数に応じた
吸引系を搭載し、複数のポンプを同時に動作させる方法
には、以下のような欠点があった。
【0012】(1)複数のポンプ/吸引系を搭載する
と、ポンプの占める容積が大きくなり、回復装置ひいて
は記録装置全体の大きさが増大する。また、それに応じ
て本体コストの上昇を招く。
【0013】(2)部品点数が増え、サイズが大きくな
ることによるコストの上昇を招く。
【0014】(3)選択的に吸引できないため、不要な
インクを消費し、ランニングコストの上昇を招く。
【0015】また、上記のように1ポンプ/1吸引系を
搭載し、複数の記録ヘッドに対して時分割で動作させる
方法には、以下のような欠点があった。
【0016】(1)記録ヘッドに当接する吸引系がすべ
て共通であるため、吐出前にインクと処理液がノズル面
で混合するため、増粘/固化により適正な吐出が得られ
ない。すなわち、処理液を利用する目的を達し得ない。
【0017】(2)時分割駆動のため、回復処理にかか
る時間が長くなり、装置全体のスループットの低下を招
く。
【0018】また、上記のように1ポンプ/色数に応じ
た吸引系を搭載し、動作させる方法には、以下のような
欠点があった。
【0019】(1)ポンプ内でインクと処理液が混合す
るため、増粘/固化により適正な吸引/排出動作が行わ
れず、信頼性の低下を招く。すなわち、処理液を利用す
る目的を達し得ない。
【0020】(2)選択的に吸引できないため、不溶な
インクを消費し、ランニングコストの上昇を招く。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1のポンプ装置は、ピストンがシリ
ンダの内部を往復移動することによりシリンダの内部に
圧力を発生するポンプ装置において、前記ピストンの往
復移動方向に対して前記シリンダの両側に配設された各
一対の吸入口および排出口と、前記ピストンの往復移動
時に前記シリンダ内部の前記ピストンとの摺動面をクリ
ーニングするクリーニング手段と、を備えることを特徴
とする。
【0022】本発明の請求項2のポンプ装置は、前記請
求項1のポンプ装置において、前記シリンダ内において
前記ピストンにより隔絶された両側のチャンバを含む流
路内に、各々色材を含むインクと、インクによる記録性
を向上させるための記録性向上液とが対応して流れるこ
とを特徴とする。
【0023】本発明の請求項3のポンプ装置は、前記請
求項2のポンプ装置において、前記記録性向上液が前記
インク内の色材を凝集させるものであることを特徴とす
る。
【0024】本発明の請求項4のポンプ装置は、前記請
求項2または3のポンプ装置において、前記記録性向上
液が低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含み、
前記インクがアニオン性染料を含むことを特徴とする。
【0025】本発明の請求項5のポンプ装置は、前記請
求項2または3のポンプ装置において、前記記録性向上
液が低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含み、
前記インクがアニオン性染料が含有されているかまたは
少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されている
ことを特徴とする。
【0026】本発明の請求項6のインクジェット記録装
置は、インクジェット記録ヘッドからのインクの吐出状
態を安定的に保持または回復するための回復手段として
前記請求項1ないし5のいずれかに記載のポンプ装置を
用いることを特徴とする。
【0027】本発明の請求項7のインクジェット記録装
置は、前記請求項6のインクジェット記録装置におい
て、前記インクジェット記録ヘッドがインクを吐出する
ために利用される熱エネルギーを発生するための熱エネ
ルギー発生手段を備えることを特徴とする。
【0028】
【0029】
【0030】
【作用】前記構成の本発明によれば、シリンダのピスト
ン往復方向両側に各一対の吸入口、排出口を備えたこと
により、単一のポンプにより2系統の流路系を構成し、
両者を隔絶することにより、処理液を利用可能な状態で
使用ポンプ数を少なくし、ポンプサイズも小さく、コス
トを抑えることができる。また、一往復動作で2系統の
吸引が可能であるため、回復時間を短くして記録装置全
体のスループットを向上させられる。また、吸引量を削
減することによりランニングコストを抑えることができ
る。そして、クリーニング手段によりピストンの移動時
にシリンダの内径部をクリーニングできるので、インク
中の色材の凝集を防ぐことができる。
【0031】なお、本発明において、凝集あるいは不溶
化とは、(i)インクに使用している色剤がアニオン性
基を有する水溶性染料の場合では、前記アニオン性基と
記録性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオン性
基がイオン的に相互作用を起こしてイオン結合が生じ、
インク中に均一に溶解していた染料が溶液中から分離す
る現象を意味する。また、(ii)インクに使用している
色剤が顔料で場合には、顔料分散剤あるいは顔料表面と
記録性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオン性
基がイオン的相互作用を起こし、顔料の分散破壊が生
じ、顔料の粒子径が巨大化することを意味する。通常、
このような凝集あるいは不溶化に伴って、インクの粘度
が上昇する。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の参考例および
実施例を詳細に説明する。
【0033】(参考例1) 図1は、本発明の第1の参考例によるポンプの動作中の
一状態を示す断面図であり、シリンダ1内にはピストン
2が図示矢印A,B方向に往復移動可能な構成となって
いる(図1ではピストン2が図示矢印A方向に移動して
いる状態を示してある)。また、3は、ピストン2の先
端部に係止されたO−リングで、シリンダ1内を第1チ
ャンバ10、第2チャンバ11間を各々独立に気密性を
保持している。4は、第1チャンバ10と外界間の気密
性を保持するO−リングである。シリンダ1の両側に
は、各々、一対の吸入口12,14、排出口13,15
が配設されている。吸入口12,14には、シリンダ内
側に可撓性をもった吸入弁12V,14Vが配設されて
おり、各々、第1,第2チャンバ10,11内が負圧に
なった時のみ開放となる一方向弁の構成となっている。
また、一対の排出口13,15には、各排出口外側に可
撓性をもった排出弁13V,15Vが配設されており、
各々、第1,第2チャンバ10,11内が正圧になった
時のみ開放となる一方向弁の構成となっている。
【0034】次に、このような構成のポンプの動作を、
図1および図2を用い説明する。
【0035】図1で、ピストン2が図示矢印A方向に移
動している状態においては、シリンダ1の第1チャンバ
10内は、体積膨張により負圧が発生し、吸入口12に
おける吸入弁12Vは、前記負圧に対して開放方向の一
方向弁であるため、吸入口12は、外界に対して開放と
なる。また、排出口13における排出弁13Vは、前記
負圧に対して閉塞方向の一方向弁であるため、排出口1
3は外界に対して密閉である。このように吸入口12か
らの吸入のみが可能な構成となっている。一方、シリン
ダ1の第2チャンバ11内は体積圧縮により正圧が発生
し、吸入口14における吸入弁14Vは、前記正圧に対
して閉塞方向の一方向弁であるため、吸入口14は、外
界に対して密閉となる。また、排出口15における排出
弁15Vは、前記正圧に対して開放方向の一方向弁であ
るため、排出口15は外界に対して開放である。このよ
うに排出口15からの排出のみが可能な構成となってい
る。
【0036】図2は、図1の状態からピストン2が図示
矢印B方向に移動している状態で、シリンダ1の第1チ
ャンバ10内は、体積圧縮により正圧が発生し、吸入口
12における吸入弁12Vは、前記正圧に対して閉塞方
向の一方向弁であるため、吸入口12は外界に対して密
閉となる。また、排出口13における排出弁13Vは、
前記正圧に対して開放方向の一方向弁であるため、排出
口13は外界に対して開放である。このように排出口1
3からの排出のみが可能な構成となっている。一方、シ
リンダ1の第2チャンバ11内は体積膨張により負圧が
発生し、吸入口14における吸入弁14Vは、前記負圧
に対して開放方向の一方向弁であるため、吸入口14は
外界に対して開放となる。また、排出口15における排
出弁15Vは、前記負圧に対して閉塞方向の一方向弁で
あるため、排出口15は外界に対して密閉である。この
ように吸入口14からの吸入のみが可能な構成となって
いる。ここで、各吸入/排出弁12〜15Vは、例えば
ゴム、金属薄板、合成樹脂薄板を素材とした部材で、シ
リンダ1内に発生し得る圧力差に応じて、開閉方向の可
撓性を有しているものである。
【0037】以上のように、ピストン2の一往復動作に
よって第1チャンバ10,第2チャンバ11の2系統の
吸入/排出が実行可能な構成となっている。
【0038】(参考例2) 図3は、本発明の第2の参考例によるポンプの動作中の
一状態を示す断面図であり、図中、同一構成要素には同
一の番号を付記してあり、説明は省略する。この参考
のポンプは、第1の参考例のポンプに比べて吸入/排出
弁を簡略化した構造で、図において、シリンダ1は、第
1チャンバ10,第2チャンバ11の間に各々に対して
内径の小さい部位を有しており、この部位をO−リング
3が摺接している。ピストン2には、O−リング3を挟
んで両側に弁ピストン31,32があり、各々は、外径
がシリンダ1の内径に摺接移動可能であるとともに、内
径はピストン2の軸部に対して所定量の間隙を生じる大
きさで遊嵌されている。弁ピストン31,32とO−リ
ング3の両側で構成される空間が、各々第3チャンバ1
6,第4チャンバ17である。ピストン2には、閉フラ
ンジ部22,23が一体的に構成され、フランジ外径
は、シリンダ1の内径より小さく、弁ピストン31,3
2の内径より大きい。さらに、ピストン2には、開フラ
ンジ部21,24が一体的に構成され、フランジ外径
は、シリンダ1の内径より小さく、弁ピストン31,3
2の内径より大きい。さらに、開フランジ部21,24
には、弁ピストン31,32の内径に対し、少なくとも
一部の開口が、これに重ねあう大きさの各々、穴21
A,24Aが例えば同心円上に複数個構成されている。
【0039】次に、前記構成のポンプの動作を図3〜8
を用いて説明する。
【0040】図3から図4にいたる間で、ピストン2が
図示矢印B方向に移動している状態においては、弁ピス
トン31,32は、その外周がシリンダ1内に摺接して
いるため、図示状態で停止したままであり、O−リング
3が移動することにより第3チャンバ16、ならびに穴
21Aを介して、第1チャンバ10は、体積圧縮により
正圧が発生し、第3チャンバ16内の内容物は、穴21
Aを通じて第1チャンバ10へ排除され、さらに、開放
状態である排出口13から排出される(図4図示矢印方
向)。同様に、第4チャンバ17、ならびに穴24Aを
介して、第2チャンバ11は、体積膨張により負圧が発
生し、吸入口14ならびに排出口15から吸入が行われ
る(図4図示矢印方向)。ここでは、吸入口14の流抵
抗は、穴24Aの流抵抗と比較して大きく設定している
ため、実際には吸入口14からの吸入は行われず、排出
口15からの吸入のみが行われる。具体的には、吸入口
14の口径を、排出口15ならびに穴24Aの口径に対
して小さくしたり、吸入口14の流路長を、排出口15
ならびに穴24Aの流路長に対して長く設定することに
より、排出口15だけからの吸入が実施可能である。
【0041】次に、図4から図5にいたる間で、ピスト
ン2が図示矢印B方向に移動している状態においては、
閉フランジ部22が、弁ピストン31に当接し、第1チ
ャンバ10,第3チャンバ16とを隔絶した状態で、移
動している。また、開フランジ部24が、弁ピストン3
2に当接し、第1チャンバ11,第4チャンバ17とを
連通した状態で、移動している。このため、第1チャン
バ10内は、体積圧縮により正圧が発生し、第1チャン
バ10内の内容物は、排出口13から排出される(図5
図示矢印方向)。同様に第3チャンバ16においては、
シリンダ1の内径変化で、体積膨張により負圧が発生
し、吸入口12より吸入が行われる(図5図示矢印方
向)。第4チャンバ17、ならびに穴24Aを介して、
第2チャンバ11は体積膨張で負圧が発生し、排出口1
5から吸入が行われる(図5図示矢印方向)。
【0042】次に、図5から図6にいたる間で、ピスト
ン2が図示矢印A方向に移動している状態においては、
弁ピストン31,32は、その外周がシリンダ1内に摺
接しているため、図示状態で停止したままであり、O−
リング3が移動することにより、第3チャンバ16、な
らびに穴21Aを介して、第1チャンバ1は体積膨張に
より負圧が発生し、吸入口12ならびに排出口13から
吸入が行われる(図6図示矢印方向)。ここでは、吸入
口12の流抵抗は穴21Aの流抵抗と比較して大きく設
定しているため、実際には、吸入口12からの吸入は行
われず、排出口13からの吸入のみが行われる。具体的
には、吸入口12の口径を排出口13ならびに穴21A
の口径に対して小さくしたり、吸入口12の流路長を排
出口13ならびに穴21Aの流路長に対して長く設定す
ることにより、排出口13だけからの吸入が実施可能で
ある。同様に、第4チャンバ17、ならびに穴24Aを
介して、第2チャンバ11は体積圧縮により正圧が発生
し、第4チャンバ17内の内容物は、穴24Aを通じて
第2チャンバ11へ排除され、さらに開放状態である排
出口15から排出される(図6図示矢印方向)。
【0043】次に、図6から図7にいたる間で、ピスト
ン2が図示矢印A方向に移動している状態においては、
ポンプの動作は、図5から図6にいたる間と、同様であ
る。
【0044】次に、図7から図8にいたる間で、ピスト
ン2が図示矢印A方向に移動している状態においては、
開フランジ部21が、弁ピストン31に当接し、第1チ
ャンバ10,第3チャンバ16とを連通した状態で、移
動している。また、開フランジ部23が、弁ピストン3
2に当接し、第2チャンバ11,第4チャンバ17とを
隔絶した状態で移動している。このため、第1チャンバ
10、ならびに穴21Aを介して、第3チャンバ16
は、体積膨張により負圧が発生し、排出口13から吸入
が行われる(図8図示矢印方向)。第2チャンバ11内
には、より正圧が発生し、第2チャンバ11内の内容物
は、排出口15から排出される(図8図示矢印方向)。
同様に、第4チャンバ17においては、シリンダ1の内
径変化で、体積膨張により負圧が発生し、吸入口14よ
り吸入が行われる(図8図示矢印方向)。
【0045】以上のように、ピストン2の一往復動作に
よって、第1チャンバ10/第3チャンバ16の組合せ
と、ならびに第2チャンバ11/第4チャンバ17の組
合せとの2系統の吸入/排出が実行可能な構成となって
いる。
【0046】本参考例においては、所望の吸引圧力に応
じて、シリンダ1の大内径、小内径、吸入口12,1
4、排出口13,15のシリンダ長手方向の位置、ピス
トン2のストロークを、任意に決定できる。ストローク
が定まることによって、開フランジ部21,23と閉フ
ランジ部22,24との間隔、さらにO−リング3と各
閉フランジ部22,24との隙間が、決定される。ま
た、弁ピストン31,32は、O−リング3と同様に、
シリンダ1と摺接し、隔壁として作用するため、O−リ
ング3と同様に、可撓性を持ったゴム、樹脂などで構成
されるものである。さらに、弁ピストン31,32は、
図示のように、同一形状の部品を反転して用いて、単純
化が図られている。
【0047】
【0048】
【0049】(実施例) 図9は、本発明の第1の実施例によるポンプを示す断面
図の拡大図であり、図中、前記参考例のポンプと同一構
成要素には、同一の番号を付記してあり、説明は省略す
る。この実施例のポンプの構造は、前記参考例1,2
のいずれのポンプに対しても適用することが可能であ
る。図9において、シリンダ1は、第1チャンバ10、
第2チャンバ11に分けられており、その境界部には0
−リング3が摺接している。O−リングによって区切ら
れた空間は、それぞれのチャンバに対して独立に気密性
を保っており、その空間にクリーニング部材として吸収
体Qが位置決めして配置してある。ピストン2がA、ま
たはB方向に移動時にO−リング3は気密性を保ちなが
ら移動するが、シリンダ1内壁には色材を含むインクま
たはインク中の色材を凝集させる記録性向上液がわずか
ではあるが残存する。そのため、吸収体Qを両チャンバ
の境界部に配置することにより、ピストン2が移動時に
シリンダ1の内径部を吸収体により拭き取ることにより
クリーニングし、インク中の色材の凝集を防ぐことが可
能である。
【0050】本実施例では、1枚の吸収体をクリーニン
グ部材として用いたが、もちろん色材を含むインク用と
インク中の色材を凝集させる記録性向上液用に別々の吸
収体を用いてもかまわない。また、クリーニング部材と
して図10のようにワイパWを用いても、また、吸収体
とワイパを同時に用いてももちろんかまわない。なお、
本発明においては、1個のポンプに搭載される流路系の
個数についても、1ポンプ当りで2系統の流路系の組合
せの他にも制限が無いことは、明白である。例えば、1
個のポンプにおいて2系統の流路系を拡張し、1個のポ
ンプにおいて3系統などさらに流路系の個数を増やすこ
とが、可能である。具体的には、シリンダ1がさらにも
う1系統の吸入口/排出口、弁ピストン、O−リング、
開フランジ/閉フランジ部を構成すれば、3系統の流路
系で同様の効果が得られることは明らかである。 また、
本発明のポンプ装置では、たとえば、吸入口12,14
には吸入チューブを配設して、吸引すべき部材と接続
し、排出口は図示のとおり大気開放状態にしておけば、
ひとつのピストンの往復動作により2系統の流路系にお
いて、所望の効果が得られる。
【0051】(実施例) 本実施例は、回復装置ならびに記録装置の実施例であ
り、上述のポンプ装置を記録装置の回復装置に用いた場
合について説明する。
【0052】図11は、本発明の実施例によるポンプ
装置を用いた回復装置の模式的斜視図で、図において、
503は回復装置を示し、筐体50にたとえば前記参考
例2において示した2系統の流路系を有したポンプ5
1,52,53が配設される。ポンプ51〜53の各々
2個ずつ構成された排出口は、図示下方向に向き筐体5
0に構成された穴50Aから回復装置503外へすべて
排出されるものである。また、ポンプ51〜53の各々
2個ずつ構成された吸引口は、記録ヘッド(不図示)と
当接する6個のキャップ部材62〜67に可撓性のチュ
ーブを介して接続されている。各キャップ部材62〜6
7は、キャップホルダー60に係止されている。また、
キャップホルダー60は、両端の軸部61により筐体5
0に対して回動可能かつ記録ヘッド当接方向に付勢可能
に支持されている。また、各ポンプ51〜53は、ピス
トン軸先端に歯形が構成され、ピニオン54と噛合して
いる。さらに、ピニオン54は、不図示の駆動源(例え
ばモータ)と噛合しており、駆動源の例えば正逆回転に
より往復運動するものである。
【0053】図12を用いて記録装置本体内部について
説明する。図12は、記録装置の部分模式的斜視図であ
り、図において、400は、各々処理液、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラック、処理液を吐出するためのヘ
ッドを一体的に構成した記録ヘッドユニット100と、
各々処理液、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、
処理液に対応したカートリッジ150R,150Y,1
50M,150C,150K,150L(以降150R
〜Lと記載)とを固定したキャリッジである。このキャ
リッジ400は、駆動源401により、ベルト302を
介して図示矢印B,C方向に走査する。キャリッジ40
0上には、記録ヘッドユニット100、カートリッジ1
50R〜Lをキャリッジ400に固定するためのヘッド
カバー421が回動、係合自在に配設されている。30
6は、キャリッジ400上の記録ヘッドユニット100
に駆動信号を伝達するためのケーブルである。505
は、キャリッジ400が移動するためのガイド軸であ
り、502は、キャリッジ400の一端を支持、ガイド
するためのサポート軸である。記録ヘッドユニット10
0は、熱エネルギを利用して前記インク液滴を形成し、
像を形成する形態を有し、キャリッジ400に載置され
た状態において、カートリッジ150R〜Lとインク流
路で接続されている。300は、キャリッジ400の走
査方向に延在するリニアスケールである。405は、上
述の構成部材を支持している板金構成のシャーシであ
り、501は、ガイド軸505を弾性的に掛止するため
の掛止部材である。回復装置503は、シャーシ405
に固定され、記録ヘッドユニット100を待機時に保護
し、各記録ヘッド101R〜Lの目詰まりやインク増粘
を解消する。上述の一体的に構成されたシャーシ405
は、ボトムケース504上に固定される。ボトムケース
504には、さらに外装部品(不図示)が被せられ、記
録装置として完成する構成である。
【0054】ここで、カートリッジ150R〜Lについ
ては、いずれもが可能であり、内部に収納される液体の
み異なるものである。また、150R,150Lについ
ては、収納する液体はいずれも記録性向上の処理液であ
り、符号は別にしたが実態は同一のカートリッジであっ
ても構わない。
【0055】次に、印字ならびに回復動作について説明
する。
【0056】図12において、図示B,C方向にキャリ
ッジ400が走査を開始すると、シャーシ405に固定
されたリニアスケール300上をキャリッジ400上に
固定された読取素子(不図示)が相対的に移動すること
によって、位置信号が発生し、該位置信号と同期を図っ
た記録ヘッド駆動信号を発生させ、記録ヘッドユニット
100に伝達することにより、記録ヘッドの駆動を行
い、該当するインク液滴ないしは、前記処理液滴を記録
媒体上に吐出する。記録が終了し、キャリッジ400が
待機状態になると、回復装置503の位置へ退避し、記
録ヘッドユニット100に構成された各記録ヘッドは、
回復装置503のキャップホルダ60が揺動/当接する
ことにより、保護される。この状態において、例えばカ
ートリッジ150R〜Lのいずれかを交換すると、記録
ヘッド内にインクを流入させる必要が生じ、回復装置5
03を動作させることになる。図13は、回復装置50
3が記録ヘッドユニット100から吸引をしている状態
を示した断面図である。図示矢印C,D方向に揺動可能
なキャップホルダ60は、図示矢印C方向へ付勢されて
いるため、キャップ62は、記録ヘッドのノズル面を包
含して当接している。この状態でポンプ51を動作させ
ると、一往復動作でキャップ62から処理液を吸引し、
キャップ63からはブラックのインクを各々独立して吸
引可能である。また、ポンプ52,53についても同様
であり、小さなスペースと短い時間で回復動作を実施で
きるものである。さらに、各色を独立して吸引可能であ
るため、インク/処理液の混合を回避でき、ポンプの動
作信頼性、ひいては記録ヘッドの信頼性を向上させるこ
とが可能となった。重ねて、各色を独立して吸引可能で
あるため、吸引した各色のインクを再度回収して印字を
実行することも可能となり、ランニングコストの低減を
求められる記録装置においても有効である。
【0057】また、本実施例においては、ポンプ51〜
53までを同時に駆動する構成を示したが、例えば図1
4に示すように、キャップホルダ60をキャップ個数分
に分割し、軸62に対して各々独立に揺動可能で記録ヘ
ッドへの当接を可能とすることにより、記録ヘッドユニ
ット100の各色記録ヘッドに対して、任意の種類/個
数を単独に必要十分な吸引を行うことができるのは明白
である。
【0058】なお、本発明は、搭載されるポンプの個数
についても、実施例記載のような4色インクと2個の処
理液を各々の2系統に接続した3個のポンプの組合せの
他にも制限は無いことは明白である。
【0059】例えば、単色のインクに対応して濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個設けられるもので
あってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モード
としては、一般的なイエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックによる記録モードだけでなく、異なる色の複色カラ
ー、または濃度変調による階調表現を実現するフルカラ
ーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも、
本発明は極めて有効である。また、例えば、処理液とブ
ラックによる単色の記録においても、本発明は極めて有
効である。
【0060】さらに、前記実施例では、シリアルタイプ
のインクジェット記録装置を示したが、記録可能な最大
幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッ
ドに対しても、本発明は有効に適用できる。例えば、処
理液を吐出する記録ヘッドや、ブラック、シアン、マゼ
ンタ、イエローを吐出する記録ヘッドの各々に対応する
吸引キャップ、ポンプ装置を順に接続すれば、所望の効
果を得られることは明らかである。また、フルラインタ
イプの記録ヘッドとしては、複数個の記録ヘッドの組合
せ配列によって、その長さを満たす、いわゆるスタガー
タイプや、一体直線的に構成された、いわゆるインライ
ンタイプのいずれでも構わない。
【0061】前述の本発明の構成において、記録性向上
液、すなわち、インク染料を不溶化する処理液は、一例
として以下のようにして得ることができる。
【0062】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧
濾過した後、NaOHでpHを4.8に調製し、処理液
Alを得ることができる。
【0063】 [Alの成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド 2.0部 (商品名;エレクトロストッパQE、花王製) カチオン性化合物の高分子成分 ポリアミンスルホン(平均分子量;5000) 3.0部 (商品名;PAS−92、日東紡績製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0064】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:クロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過し
てイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインクY
1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0065】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.05部 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代えた以外はY1と 同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ 組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの
混合において、本発明では、上述した処理液とインクが
被プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で
混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれ
ているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチ
オン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基
を有する水溶性染料または顔料インクに使用しているア
ニオン性化合物とがイオン的相互作用により会合を起こ
し、瞬間的に溶液相から分離を起こす。この結果顔料イ
ンクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集体ができ
る。
【0066】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被プリント材の繊維間の隙間に入り込みにくくな
り、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙
中にしみこむことにより、プリント品位と定着性との両
立が達成される。同時に上述したようなメカニズムによ
り生成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性
オリゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成
される凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、
液媒体の動きとともに移動することがないので、フルカ
ラーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色
のインクで形成されていたとしても互いに混じり合うよ
うなことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、
上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の
耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果
により形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効
果も有する。
【0067】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0068】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0069】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0070】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0071】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0072】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0073】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0074】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0075】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0076】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0077】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0078】なお、本発明では、記録性向上液の記録媒
体への塗布手段は、インクの吐出と同様の吐出手段によ
り行ってもよいし、ロールにより塗布してもよいし、そ
の他、周知の塗布手段を用いることが可能である。さら
に、記録性向上液の塗布時期は、インクの塗布の前でも
よいし、同時でもよいし、後でも可能である。
【0079】さらに、前記本発明の構成において、イン
クタンク(インク容器)へのインクの注入は、インク容
器にインク供給パイプ等を接続することでインクを導入
するインク導入路を形成し、このインク導入路を介して
インク容器にインクを注入することができる。インク容
器側のインク供給口としては、インクジェット記録ヘッ
ド側への供給口、大気連通口や、インク容器の壁面に穿
った孔部等を用いることができる。前記のようにしてイ
ンクを注入する場合には、記録性向上液も同時に注入し
ておくことが望ましく、この記録性向上液の注入も、前
記インクの注入と同様の手段および手順により行うこと
ができる。
【0080】本発明の液体噴射記録ヘッドを使用する記
録機構を備えた記録装置の形態としては、コンピュータ
等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるもの
の他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機
能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であっ
てもよい。
【0081】図15は本発明の記録装置をワードプロセ
ッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複
写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した場
合の概略構成を示すブロック図である。
【0082】図中、1801は装置全体の制御を行なう
制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/O
ポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力し
たり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御
を行なっている。1802はディスプレイ部で、この表
示画面には各種メニューや文書情報およびイメージリー
ダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示され
る。1803はディスプレイ部1802上に設けられた
透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を
押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項
目入力や座標位置入力等を行なうことができる。
【0083】1804はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置18
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805に
より可聴音に変換される。プリンタ部1806はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明記録装置が適用
されたものである。
【0084】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原
稿の読取りを行なう。1808はイメージリーダ部18
07で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送ら
れてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシ
ミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインターフ
ェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守
番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0085】1810はシステムプログラムやマネージ
ャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォントおよび辞書等を記憶するROMや、
外部記憶装置1812からロードされたアプリケーショ
ンプログラムや文書情報さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0086】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0087】フロッピィディスクやハードディスク等を
記憶媒体とする外部記憶装置で、こ外部記憶装置181
2には文書情報や音楽或は音声情報、ユーザのアプリケ
ーョンプログラム等が格納される。
【0088】図16は図15に示す情報処理装置の模式
的外観図である。
【0089】図中、1901は液晶等を利用したフラッ
トパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報およ
び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上
にはタッチパネル1803の表面を指等で押圧すること
により座標入力や項目指定入力を行なうことができる。
1902は装置が電話器として機能するときに使用され
るハンドセットである。キーボード1903は本体と脱
着可能にコードを介して接続されており、各種文書情報
や各種データ入力を行なうことができる。また、このキ
ーボード1903には各種機能キー1904等が設けら
れている。1905は外部記憶装置212へのフロッピ
ーディスクの挿入口である。
【0090】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を戴置する用紙戴置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907より記録さ
れる。
【0091】なお、上記でディスプレイ部1802はC
RTでもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプ
レイ等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加
え軽量化が図れるからである。
【0092】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部211から入力された各種情報が制御部1801によ
り所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部18
06に画像として出力される。
【0093】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0094】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0095】なお、上述した情報処理装置は図17に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図16と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付す。
【0096】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明の記録装置を適用することによって、高品位の記録画
像を高速かつ低騒音で得ることができるため、上記情報
処理装置の機能をさらに向上させることが可能となる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、シリンダのピスト
ン往復方向両側に各一対の吸入口、排出口を備えること
により、単一のポンプにより2系統の流路系を構成し、
両者を隔絶することにより、処理液を利用可能な状態で
使用ポンプ数を少なくし、ポンプサイズも小さく、コス
トを抑えることができる。また、一往復動作で2系統ま
たはそれ以上の吸引が可能であるため、回復時間を短く
して記録装置全体のスループットを向上させられる。ま
た、吸引量を削減することによりランニングコストを抑
えることができる。さらに、そして、クリーニング手段
によりピストンの移動時にシリンダの内径部をクリーニ
ングできるので、インク中の色材の凝集を防ぐことがで
きる。その結果、高信頼性のポンプ/回復装置が提供で
きた。
【0098】さらに、画像の耐水性が良好で、優れた画
質の高速、低ランニングコスト、高信頼性の記録装置が
提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の参考例によるポンプを示す断面
図である。
【図2】本発明の第1の参考例によるポンプの動作説明
の断面図である。
【図3】本発明の第2の参考例によるポンプを示す断面
図である。
【図4】本発明の第2の参考例によるポンプの動作説明
の断面図である。
【図5】本発明の第2の参考例によるポンプの動作説明
の断面図である。
【図6】本発明の第2の参考例によるポンプの動作説明
の断面図である。
【図7】本発明の第2の参考例によるポンプの動作説明
の断面図である。
【図8】本発明の第2の参考例によるポンプの動作説明
の断面図である。
【図9】本発明の第の実施例によるポンプを示す断面
図である。
【図10】本発明の第の実施例によるポンプの変形例
を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例による回復装置の模式的斜視
図である。
【図12】本発明の実施例による記録装置の模式的斜視
図である。
【図13】本発明の実施例による回復装置の部分断面図
である。
【図14】本発明の他の実施例による回復装置の模式的
斜視図である。
【図15】本発明の画像形成装置をワードプロセッサな
どとして機能する情報処理装置に適用した場合の概略構
成を示すブロック図である。
【図16】図15に示した情報処理装置の模式的外観図
である。
【図17】図15に示した情報処理装置のインクジェッ
トプリンタを本体に内蔵した構成の模式的外観図であ
る。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストン 3 O−リング 10 第1チャンバ 11 第2チャンバ 12 吸入口 12V 吸入弁 13 排出口 13V 排出弁 14 吸入口 14V 吸入弁 15 排出口 15V 排出弁 31 弁ピストン 32 弁ピストン 50 筐体 51〜53 ポンプ 60 キャップホルダ 61〜67 キャップ 100 記録ヘッドユニット 150 カートリッジ 300 リニアスケール 302 ベルト 400 キャリッジ 405 シャーシ 502 サポート軸 503 回復系 505 ガイド軸 Q 吸収体 W ワイパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/18 B41J 2/185 F04B 13/02 F04B 3/00 F04B 9/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンがシリンダの内部を往復移動す
    ることによりシリンダの内部に圧力を発生するポンプ装
    置において、 前記ピストンの往復移動方向に対して前記シリンダの両
    側に配設された各一対の吸入口および排出口と、 前記ピストンの往復移動時に前記シリンダ内部の前記ピ
    ストンとの摺動面をクリーニングするクリーニング手段
    と、 を備えることを特徴とするポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記シリンダ内において前記ピストンに
    より隔絶された両側のチャンバを含む流路内に、各々色
    材を含むインクと、インクによる記録性を向上させるた
    めの記録性向上液とが対応して流れることを特徴とする
    請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記記録性向上液は、前記インク内の色
    材を凝集させるものであることを特徴とする請求項2に
    記載のポンプ装置。
  4. 【請求項4】 前記記録性向上液は低分子成分と高分子
    成分のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性
    染料を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の
    ポンプ装置。
  5. 【請求項5】 前記記録性向上液は低分子成分と高分子
    成分のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性
    染料が含有されているかまたは少なくともアニオン性化
    合物と顔料とが含有されていることを特徴とする請求項
    2または3に記載のポンプ装置。
  6. 【請求項6】 インクジェット記録ヘッドからのインク
    の吐出状態を安定的に保持または回復するための回復手
    段として請求項1ないし5のいずれかに記載のポンプ装
    置を用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記インクジェット記録ヘッドは、イン
    クを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する
    ための熱エネルギー発生手段を備えることを特徴とする
    請求項6に記載のインクジェット記録装置。
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