JP3329718B2 - 板状材の処理装置、及びこれを備えた処理設備 - Google Patents

板状材の処理装置、及びこれを備えた処理設備

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JP3329718B2 JP36091297A JP36091297A JP3329718B2 JP 3329718 B2 JP3329718 B2 JP 3329718B2 JP 36091297 A JP36091297 A JP 36091297A JP 36091297 A JP36091297 A JP 36091297A JP 3329718 B2 JP3329718 B2 JP 3329718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体、液晶ディ
スプレイ、磁気ディスクなどの板状材を回転させつつ、
薬液等で板状材を処理する板状材の処理装置、及びこれ
を備えた処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体、液晶ディスプレイ、磁気ディス
クなどの薄膜デバイスの製造工程では、歩留まり向上の
ために、高清浄が不可欠である。半導体の例で言えば、
256MビットDRAMにおいて、除去すべき異物の大きさは0.
2μm以上、金属イオンの汚染量は109原子/cm2以下にす
ることが要求されている。さらに、設備投資の抑制のた
めに、多品種混合生産が不可避となり、複数の製造工程
に対応できる装置が必要とされる。このため、一種の製
造装置の多機能化及び高性能化が要求されている。
【0003】これらの要求に対する一具体策として、板
状試料(以下、単に試料と云う)を1枚ずつ処理する枚
葉処理方法が実用化されつつある。この枚葉処理で、流
体を用いて板状試料を高清浄処理を行うためには、面内
での処理均一化を図るために試料を回転する必要があ
る。
【0004】試料を枚葉処理する第1の従来技術として
は、例えば、特開平4-287922号公報に記載されているも
のがある。この装置は、試料がセットされる試料セット
部を有している回転体と、この回転体を回転させる回転
手段と、回転中の試料に対して上方から薬液等を供給す
る液供給手段とを備えているものである。この装置の試
料セット部は、回転体の一部を切り欠く等して、そこに
試料を嵌め込めるようにしたものである。なお、この公
報において、回転体を回転させる回転手段や、回転体を
回転可能に支持する軸受等に関しては、具体的には何ら
記載されていない。
【0005】また、第2の従来技術としては、例えば、
特開平4-94537号公報や特開平7-169732号公報に記載さ
れているものがある。この装置は、試料を把持する把持
手段を有している中空円筒状の回転体と、この回転体を
回転可能に支持する磁気軸受と、この回転体を回転させ
る回転手段と、回転中の試料に対して上方からと中空円
筒状の回転体の内部から(下方から)薬液等を供給する
処理液供給手段とを備えているものである。
【0006】また、第3の従来技術としては、例えば、
特開昭61-42918号公報や特開昭60-74438号公報に記載さ
れているものがある。この装置は、ベルヌーイの原理を
利用して試料を非接触保持するものである。具体的に、
この装置では、試料と対向する試料保持面に流体供給孔
を設け、ここから流体を供給して、流体の流れで生じる
負圧を試料に対する引力として、試料を非接触保持しつ
つ、この流体で試料を処理している。この装置で、試料
を回転させる場合には、試料に回転力が加わるよう、試
料保持面に複数の流体供給孔を設ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来技術では、試料を回転体の試料セット部に嵌め込む
だけであるため、試料と共に回転体を回転させている
際、回転体に対して試料が振動し、試料セット部と試料
との接触部分が傷付いたり、この接触部分から発塵した
りする。そこで、一定以上の力で試料をしっかりと把持
する機構を追加する方法が考えられるが、試料を把持し
ている把持状態と、試料を取り外すことができる非把持
状態とに変化可能な把持機構を、単純に、回転体に設け
ようとすると、その機構が複雑化したり、回転体が大
きくなるという問題がある。
【0008】また、前述したように、第1の従来技術に
おいて、回転体を回転させる回転手段や、回転体を回転
可能に支持する軸受等に関しては、具体的には何ら開示
されていないが、これらに、一般的なものが用いられて
いると仮定すると、具体的には、回転手段として、一般
的なモータと、モータの回転力を伝達する各種ギヤやベ
ルトとが用いられ、軸受として、転がり軸受を用いられ
ていると仮定すると、以下のような問題点がある。すな
わち、ギヤやベルト等の伝達部材や転がり軸受におけ
る摺接部分から、発塵したり、潤滑剤等が蒸発したりし
て、試料を汚染してしまうという問題点がある。
【0009】これに対して、磁気軸受を用いている第2
の従来技術では、先に述べた第1の従来技術の問題点
のうち、回転体が非接触で回転可能に支持されるの
で、問題点は、解決されている。しかしながら、この
第2の従来技術においても、一定以上の磁力を有するロ
ータマグネットやこれを制御するコントローラ等が必要
になるため、装置が大型化する上に、装置の高コスト
化を招いてしまうという問題点がある。さらに、磁気軸
受を構成する部品は、耐食性や耐熱性(この場合、例え
ば、50℃以上の環境下で使用可能であること)を有す
る材料で形成されていないため、高温で且つ腐食雰囲
気での使用ができないという問題点がある。このよう
に、第2の従来技術は、この問題点を有しているため
に、現在のところ実現されるに至っていない。
【0010】第3の従来技術は、以上の第1及び第2の
従来技術の問題点を一挙に解決するものとして
提案されたものである。すなわち、この第3の従来技術
では、流体の流れで生じる負圧を試料に対する引力とし
て、試料を非接触保持しつつ、この流体の流れで試料を
回転させているので、試料を保持する機構が小型化し、
機械要素相互の摺接等が無く、発塵が抑えられ、しか
も、構造が簡単であるため、コストが低く、高温で且つ
腐食雰囲気での使用に耐えうる材料を用い易い。しかし
ながら、この第3の従来技術では、試料を保持する保持
力は、試料保持面に対して垂直な方向にのみ働き、試料
保持面に対する接線方向に働かないので、この接線方向
の試料の位置ズレを防止するために、ストッパ等を設け
なくてはならなく、このストッパと試料との接触で、結
局、試料が破損したり、発塵したりしてしまうという
問題点がある。
【0011】従って、各従来技術についてまとめると、
試料を単に試料セット部に嵌め込んだり、流体の流れで
発生する負圧を利用して試料を保持すると、試料の振動
等で、試料が破損したり、発塵したりしてしまい、逆
に、試料をしっかりと機械的に挾持しようとすると、装
置が複雑化して高コスト化を招く上に装置が大型化する
という問題点がある。さらに、回転体の回転に伴う発塵
等を防ごうとすると、耐食性や耐熱性が著しく低下し、
実用に耐えられないという問題点がある。
【0012】そこで、本発明は、以上のような従来技術
の問題点に着目して、試料をしっかりと挾持しても装置
の複雑化や大型化を招くことがなく、且つ、回転体の回
転に伴う発塵等を防せぎつつ耐食性や耐熱性を確保し得
る処理装置及びこれを備えた処理設備を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の板状材の処理装置は、前記板状材を把持する複数の爪
を有している把持手段と、前記爪で把持されている前記
板状材に前記処理流体を噴出する処理流体噴出手段と、
前記把持手段の複数の前記爪が設けられている回転体
と、前記回転体を回転可能に支持する支持体と、前記回
転体を前記支持体に対して非接触で回転させる非接触回
転手段と、を備え、前記把持手段は、前記爪と、前記回
転体に取り付けられている揺動軸と、該揺動軸に揺動自
在に取り付けられ、該揺動軸を中心として一端側に該爪
が設けられ、該揺動軸を中心として、他端側全体の慣性
モーメントが該爪を含めた該一端側全体の慣性モーメン
トよりも大きい揺動アームと、を有し、前記支持体の一
部には、軸受面が形成され、前記回転体の一部にも、該
支持体の該軸受面と僅かな隙間を有して対向する軸受面
が形成され、該支持体には、該軸受面間に流体を供給す
る軸受用流体通路が形成され、該軸受面と該軸受用流体
通路とを有して構成される流体軸受を備えている、こと
を特徴とするものである。
【0014】ここで、前記揺動アームは、前記回転体が
回転していないとき、該揺動アームに設けられている爪
で前記板状材を把持できる位置で、前記揺動軸を中心と
してバランスがとれていることが望ましい。
【0015】また、前記目的を達成するための他の板状
材の処理装置は、前記板状材を把持する複数の爪を有し
ている把持手段と、前記爪で把持されている前記板状材
に前記処理流体を噴出する処理流体噴出手段と、前記把
持手段の複数の前記爪が設けられている回転体と、前記
回転体を回転可能に支持する支持体と、前記回転体を前
記支持体に対して非接触で回転させる非接触回転手段
と、を備え、前記把持手段は、前記爪と、前記回転体に
固定され該爪を出没自在に支持する爪支持部と、前記支
持体、前記回転体及び前記爪支持部を連通して該爪にま
で至り、該爪を該爪支持部に対して出没させる爪駆動用
流体が通る爪駆動用流体通路と、を有し、前記支持体の
一部には、軸受面が形成され、前記回転体の一部にも、
該支持体の該軸受面と僅かな隙間を有して対向する軸受
面が形成され、該支持体には、該軸受面間に軸受用流体
を供給する軸受用流体通路が形成され、該軸受面と該軸
受用流体通路とを有して構成される流体軸受を備えてい
る、ことを特徴とするものである。
【0016】ここで、以上の各板状材の処理装置の前記
処理流体噴出手段は、前記挾持手段で挾持されている前
記板状試料の表裏面のうち、いずれか一方の面に対向す
る対向面と、該対向面に処理流体噴出口が形成されてい
る処理流体通路と、を有する処理流体噴出板であっても
よい。この場合、前記処理流体噴射板として、前記把持
手段で把持されている前記板状試料の表裏面のうち、一
方の面に対向する対向面を有する第1の処理流体噴射板
と、他方の面に対向する対向面を有する第2の処理流体
噴射板とがあることが好ましい。
【0017】また、以上の各板状材の処理装置の前記非
接触回転手段は、ダイレクトドライブモータであっても
よい。この場合、前記支持体と前記回転体とで、前記ダ
イレクトドライブモータを収納するモータ室が形成され
ているとき、前記支持体と前記回転体との境界に、前記
モータ室と外部空間とを仕切る流体シールが形成されて
いることが望ましい。
【0018】また、以上の各板状材の処理装置の前記非
接触回転手段は、前記回転体に設けられている複数の羽
根と、前記支持体に形成され該羽根に送る回転駆動用流
体が通る回転駆動用流体通路とを有しているものであっ
てもよい。この場合、前記支持体と前記回転体とで、複
数の前記羽根が回転可能なモータ室が形成されていると
き、前記支持体と前記回転体との境界に、前記モータ室
と外部空間とを仕切る流体シールが形成されていること
が望ましい。
【0019】また、以上の各板状材の処理装置は、前記
流体軸受から流出する前記軸受用流体を、前記把持手段
で把持されている板状材から遠ざかる方向へ導く軸受用
流体迂回手段を有することが好ましい。
【0020】また、前記目的を達成するための板状材の
処理設備は、以上のいずれかの板状材の処理装置と、前
記処理流体噴出手段に前記処理流体を供給する処理流体
供給手段と、前記軸受用流体通路に前記軸受用流体を供
給する軸受用流体供給手段と、を備えていることを特徴
とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る各種実施形態
について図面を用いて説明する。
【0022】まず、第1の実施形態としての板状試料の
処理設備について、図1〜図5を用いて説明する。この
実施形態における板状試料の処理設備は、図1に示すよ
うに、板状試料1の表面に供給される薬液等が溜められ
る処理液槽(処理流体供給手段)81,82と、同じく
板状試料1の表面に供給されるガスが溜められる処理ガ
スボンベ(処理流体供給手段)92と、板状試料1を保
持しつつ回転させる処理装置と、処理装置に空気を供給
する送風機(軸受用流体供給手段、爪駆動用流体供給手
段)70と、送風機70からの空気を清浄化するフィル
タ71とを備えている。
【0023】処理装置は、図2に示すように、板状試料
1を把持する遠心式把持機構(把持手段)30と、この
把持機構30で把持されている板状試料1に対して各液
槽81,82や処理ガスボンベ92等からの処理流体を
噴射する処理流体上ノズル(処理流体噴出手段)51及
び処理流体下ノズル(処理流体噴出手段)52と、遠心
式把持機構30が設けられこの遠心式把持機構30ごと
回転する回転体20と、回転体20を回転可能に支持す
る支持体10と、回転体20を回転させる回転機構(非
接触回転手段)40と有している。
【0024】支持体10は、底板部12と円筒状の外筒
部13とを有しているベース11と、ベース11上に固
定されている円筒状の下ステータ14と、この下ステー
タ14の上に固定されている円筒状の上ステータ15
と、上ステータ15の上部開口を塞ぐ天板19と、板状
試料1にかけられた薬液等を受ける処理液受け槽18と
を備えている。天板19には、噴出口を上向きにした処
理流体下ノズル52が固定されている。処理液受け槽1
8は、上から見るとリング状を成している底板18a
と、底板18aの内周縁に沿って設けられている内周壁
18cと、底板18aの外周縁に沿って設けられている
外周壁18bとを有している。この処理液受け槽18
は、その底板18aがベース外筒部13の上に固定され
ている。支持体10の構成要素のうち、薬液等に接触す
る可能性のある天板19はポリエーテルエーテルケトン
(以下、PEEKという)で形成され、上ステータ15はア
ルミナで形成され、処理液受け槽18はポリテトラフル
オロエチレン(以下、PTFEという)で形成されている。
これら、PEEK、アルミナ、PTFEは、いずれも、耐食性及
び耐熱性の高い材料である。
【0025】回転体20は、上ステータ15の外周に回
転可能に配されている円筒状のロータ21と、このロー
タ21の下端に固定されているロータシャフト23と、
ロータ21の上に固定さている複数の把持機構支持台2
4を備えている。ロータシャフト23は、ロータ21の
下端から、下ステータ14とベース外筒部13との間に
まで伸びている。回転体20の構成要素のうち、薬液等
に接触する可能性のあるロータ21の外周側部分及び把
持機構支持台24はPEEKで形成され、ロータ21の内周
側部分はアルミナで形成されている。なお、後述する軸
受面16,22が形成されている上ステータ15及びロ
ータ21の内側部分は、いずれも、ここではアルミナで
形成しているが、この代わりに、例えば、炭化珪素で形
成してもよい。
【0026】上ステータ15の内部空間及び下ステータ
14の内部空間には、各液槽81,82や処理ガスボン
ベ92等からの処理流体を処理流体下ノズル52に導く
処理流体配管63と、送風機70からの空気が供給され
る軸受用流体配管75とが設けられている。円筒状の上
ステータ15の外周面と、同じく円筒状のロータ21の
内周面とは、それぞれ、軸受面16,22を形成してお
り、両面間には僅かな隙間が形成されている。上ステー
タ15には、軸受用流体配管75からの空気を両軸受面
16,22の間に導く軸受用流体通路17が形成されて
いる。これらステータ側軸受面16、ロータ側軸受面2
2、軸受用流体通路17で、流体軸受を形成している。
なお、この実施形態では、軸受面16,22の間に空気
が供給されるが、軸受面16,22の間には気体ではな
く液体を供給してもよい。
【0027】ロータシャフト23の下端部であって、そ
の外周面には、ロータマグネット42が固定され、ベー
ス外筒部13の内周面であって、ロータマグネット42
と対向する位置にステータコイル41が固定されてい
る。この実施形態における回転機構40は、これらロー
タマグネット42及びステータコイル41を有するダイ
レクトドライブモータである。
【0028】処理液受け槽18の内周壁18cの上端部
は、ロータ21の下端にまで伸びており、上下方向に突
出し凹んでいる多数の凹凸が形成されている。一方、ロ
ータ21の下端部には、内周壁18cの上端部の凹凸と
噛み合う多数の凸凹が形成されている。すなわち、内周
壁18cの上端部の凹凸とロータ21下端部の凸凹と
で、支持体10と回転体20との間のラビリンスシール
(流体シール)25を形成している。下ステータ14の
外周側とベース外筒部13の内周側との間には、ロータ
マグネット42及びステータコイル41が配され、ここ
がモータ室43を形成している。このラビリンスシール
25を形成する凹凸と凸凹との間には、モータ室43の
側から処理液受け槽18の側へ流体が流れる。一般的
に、ロータマグネット42やステータコイル41は、こ
れらの磁気特性や電気特性等が第1に考慮され、これら
の耐食性や耐熱性等はあまり考慮されない。従って、こ
れらが納められるモータ室43内に薬液等が入り込むこ
とは好ましくない。そこで、処理液受け槽内周壁18c
の上端部とロータ21の下端部とにラビリンスシール2
5を形成し、処理液受け槽18等からモータ室43内に
薬液等が入り込むのを防いでいる。
【0029】なお、この実施形態では、軸受用空気がス
テータ側軸受面16とロータ側軸受面22との間に供給
され、それが、下ステータ14の外周面とロータシャフ
ト23の内周面との間、ステータコイル41とロータマ
グネット42との間を通って、ラビリンスシール25に
至るので、ラビリンスシール25用に別途流体供給源を
設ける必要はない。
【0030】また、ここでは、処理液受け槽内周壁18
cの上端部とロータ21の下端部とにラビリンスシール
25を形成しているが、図3に示すように、処理液受け
槽内周壁18cの内周面に、水平方向に突出し凹んでい
る多数の凹凸を形成し、ロータシャフト23の外周面
に、内周壁18cの凹凸と噛み合う多数の凸凹を形成
し、これらの凹凸及び凸凹で、支持体10と回転体20
との間のラビリンスシール25bを形成してもよい。す
なわち、モータ室43内に薬液が入るのを防ぐことがで
きれば、どの位置にラビリンスシールを設けても一向に
構わない。
【0031】遠心式把持機構30は、図4に示すよう
に、回転体20の一部である把持機構支持台24に設け
られている揺動軸32と、揺動軸32を中心として揺動
可能に設けられている揺動アーム33と、揺動アーム3
3の一端(上端)に固定されている爪31とを有してい
る。爪31及び揺動アーム33は、いずれも、耐食性及
び耐熱性の高いPEEKで形成されている。揺動軸32は、
把持機構支持台24に水平に設けられている。揺動アー
ム33は、その他端(下端)に錘34を有している。揺
動アーム33は、この錘34によって、揺動軸32を中
心として、他端側全体の慣性モーメントが、爪31を含
めた一端側全体の慣性モーメントよりも大きくなってい
る。このため、回転体20が回転すると、揺動アーム3
3の他端側(錘34のある側)に遠心力が強く作用し、
揺動アーム33の一端側(爪31のある側)に遠心力が
弱く作用する。この結果、同図(b)に示すように、回
転体20が回転すると、揺動アーム33の他端側(錘3
4のある側)が回転軸Cから遠ざかり、揺動アーム33
の一端側(爪31のある側)が回転軸Cに近づいて、一
定以上の力で板状試料1を挾持できるようになる。ま
た、同図(a)に示すように、回転体20が回転してい
ないとき、揺動アーム33は、爪31で板状試料1を把
持できる位置(二点破線で示されている位置)で、揺動
軸32を中心としてバランスがとれている。これは、回
転体20が回転していないときでも、爪31で板状試料
1を軽く挾持できるようにするためである。なお、慣性
モーメントとは、物体の微小部分の質量をdmとし、物
体の基準となる位置(ここでは揺動軸32の位置)から
微小部分までの距離をrとした場合、∫r2dmで表さ
れる値のことである。従って、挾持力を強くしたい場合
には、錘34の質量を大きくするか、または、揺動軸3
2から錘34までの距離を長くするとよい。また、挾持
力を微調整したい場合には、揺動アーム33に対して錘
をスライド可能に取り付け、必要に応じて錘の位置を変
えられるようにするとよい。
【0032】把持機構30は、以上のように、水平方向
に伸びた揺動軸32を中心として揺動アーム33が揺動
するようにしてもよいが、図5に示すように、鉛直方向
に伸びた揺動軸32aを中心として揺動アーム33aが
揺動するようにしてもよい。なお、同図において、30
aは把持機構、31aは爪、34aは錘である。
【0033】図1に示すように、処理流体上ノズル51
及び処理装置内の処理流体配管63と、液槽81,82
及び処理ガスボンベ92との間には、処理流体ライン6
0が設けられている。この処理流体ライン60中には、
処理液槽81内の処理液と処理液槽82内の処理液との
うち、一方のみを選択的に各ノズル51,52に供給す
るための処理液切換弁61と、処理液槽81,82内の
処理液と処理ガスボンベ92からのガスとのうち、一方
のみを選択的に各ノズル51,52に供給するためのガ
ス切換弁62とが設けられている。処理装置内の軸受用
流体配管75と送風機70との間には、軸受用流体ライ
ン72が設けられている。この軸受用流体ライン72中
に、送風機70からの空気を清浄化するフィルタ71が
設けられている。
【0034】次に、第1の実施形態における板状試料1
の処理設備の取り扱い、及びその動作について説明す
る。まず、図4(b)に示すように、各揺動アーム33
の上端を開いて、そこに板状試料1をおいて、この板状
試料1を各揺動アーム33の各爪31で軽く把持する。
【0035】次に、送風機70を駆動し、ステータ側軸
受面16とロータ側軸受面22との間に軸受用空気を供
給してから、ダイレクトドライブモータ40を駆動し
て、回転体20と共に把持機構30で把持されている板
状試料1を回転させる。この回転体20の回転により、
板状試料1に対する遠心式把持機構30の把持力が強ま
り、板状試料1は遠心式把持機構30によりしっかりと
把持される。このように、この実施形態では、板状試料
1を遠心式把持機構30によりしっかりと把持している
ので、把持機構30に対する板状試料1の振動を抑えら
れ、把持機構30と板状試料1との接触部分の傷みや、
この接触部分からの発塵を抑えることができる。また、
この実施形態では、回転体20の回転による遠心力を利
用して、把持機構30の把持力を生み出しているので、
把持機構30の駆動源を別途設ける必要がなく、構造の
簡略化及び小型化が図られ、装置の製造コストを削減す
ることができる。殊に、小型化に関しては、把持機構3
0の構成のみならず、機械的な動力伝達部材のないダイ
レクトドライブモータ40を採用していることも大きな
要因である。また、この実施形態では、回転体20の回
転は、支持体10との間で非接触で且つギヤ等の機械的
動力伝達部材の無いダイレクトドライブモータ40で行
なわれ、支持体10による回転体20の支持は、非接触
の流体軸受で行なわれ、モータ室43の封止も、支持体
10と回転体20とが非接触のラビリンスシール25で
行なわれている。つまり、この実施形態では、支持体1
0に対して回転体20は非接触である。従って、支持体
10に対して回転体20が摺接することがなく、回転体
20の回転による発塵も抑えることができる。
【0036】以上の状態にしてから、ライン60中の切
換弁61,62を操作して、処理液槽81,82と処理
ガスボンベ92とのうちのいずれかから、処理流体上ノ
ズル51及び処理流体下ノズル52を介して、回転中の
板状試料1の上面及び下面に処理流体を供給する。板状
試料1に供給された処理液は、直接、処理液受け槽18
に、又は、支持体10の天板19及び回転体20のロー
タ21等を介して処理液受け槽18に溜る。処理流体の
一部は、上ステータ15の軸受面16とロータ21の軸
受面22との間に入り込む可能性があるものの、各軸受
面16,22は、耐食性及び耐熱性の高いアルミナで形
成されているので、腐食の心配はない。また、モータ室
43は、ラビリンスシール25で封止されているので、
この中に処理流体が入り込むことはなく、一般的に耐食
性や耐熱性のない材料で形成されているロータマグネッ
ト42やステータコイル41も腐食する心配はない。
【0037】ここで、この実施形態における装置と従来
の装置とのサイズ等の比較について、具体的に説明す
る。「従来技術」で述べた第1の従来技術の装置は、軸
受とモータとをあわせたものの直径が500mm、その高さ
が500mmであり、処理液受け槽の直径が300mm、その高さ
が300mmである。つまり、第1の従来技術の装置は、全
体として、直径が500mm、高さが800mmである。また、第
2の従来技術の装置は、実現に至っていないないが、タ
ーボ分子ポンプに用いられている磁気軸受とダイレクト
ドライブモータとを有して構成されているとすると、全
体として、直径が500mm、高さが500mmである。これに対
して、この実施形態では、前述した各種要因により、直
径が300mm、高さが250mmであり、格段の小型化が図られ
ている。また、第2の従来技術の装置は、本実施形態と
同様に非接触の軸受であるが、磁気軸受を採用している
ので、本実施形態に比べて約10倍の製造コストがかかる
上に、磁気軸受のコントロールユニットは、幅500mm、
奥行500mm、高さ1000mm程度の大きさがあり、システム
全体としても本実施形態の方が小型化されている。
【0038】次に、第2の実施形態としての板状試料の
処理設備について、図6〜図8を用いて説明する。この
実施形態における板状試料の処理設備は、図6に示すよ
うに、板状試料1の表面に供給される薬液等が溜められ
る処理液槽81,82と、板状試料1の表面に供給され
るガスが溜められる処理ガスボンベ92,93と、板状
試料1を保持しつつ回転させる処理装置と、処理装置に
空気を供給する送風機70と、送風機70からの空気を
清浄化するフィルタ71とを備えている。
【0039】この実施形態の処理装置は、把持機構35
が第1の実施形態と異なっていること、及び、第1の実
施形態における処理流体上ノズル51及び処理流体下ノ
ズル52の換わりに処理流体上噴出板53及び処理流体
下噴出板56を用いていること以外、基本的に第1の実
施形態と同様である。
【0040】把持機構35は、図7に示すように、流体
駆動式で、板状試料1に接触する爪36と、爪36を出
没自在に支持する爪支持部37とを有している。爪36
はPTFEで形成され、爪支持部37はPEEKで形成されてい
る。爪支持部37には、爪36の移動範囲を制限するス
トッパ38,38が形成されている。上ステータ15の
内部空間及び下ステータ14の内部空間には、軸受用流
体配管75の他に、爪駆動用流体配管76(図6に示
す)が設けられている。上ステータ15、ロータ21、
把持機構支持台24、爪支持部37には、爪駆動用流体
配管76からの流体を爪36にまで至らせる爪駆動用流
体通路17a,39が形成されている。ステータ側軸受
面16とロータ側軸受面22との間隔は、この爪駆動用
流体通路17a,39の近傍で狭まっている。これは、
爪駆動用流体通路17aを通ってきた流体が軸受面1
6,22相互間に漏れ出るのをできる限り抑えると共
に、軸受用流体が爪駆動用流体通路39に漏れ入るのを
できる限り抑えるためである。ロータ21は、上ステー
タ15に対して相対回転する。このため、ロータ21と
上ステータ15とに、それぞれ単なる貫通孔を設けて、
これらを爪駆動用流体通路としても、回転するロータ2
1の通路と回転しない上ステータ15の通路とを常時連
通させておくことはできない。そこで、この実施形態で
は、図8に示すように、上ステータ15に、複数の貫通
孔17b,17b,…を放射状に形成すると共に、複数
の貫通孔17b相互をつなげる周溝17cを形成して、
複数の貫通孔17b,17b,…と周溝17cとで上ス
テータ15の爪駆動用流体通路17aを形成する一方
で、ロータ21に上ステータ15の周溝17cとつなが
る複数の貫通孔39,39,…を放射状に形成して、こ
らの貫通孔でロータ21の爪駆動用流体通路39,3
9,…を形成している。このため、ロータ21が回転し
ても、ロータ21の爪駆動用流体通路39と、上ステー
タ15の爪駆動用流体通路17aの周溝とは、常につな
がっている状態なので、常時、上ステータ15側からロ
ータ21側へ爪駆動用流体を供給することができる。な
お、ここでは、ステータ側に周溝を設けたが、逆にロー
タ側に周溝を設けてもよい。
【0041】処理流体上噴出板53及び処理流体下噴出
板56には、いずれも、板状試料1に対向する平坦な対
向面54,57が形成されていると共に、対向面54,
57と反対側の面から対向面54,57に貫通した処理
流体通路55,58が形成されている。処理流体上噴出
板53は、流体駆動式把持機構35で把持されている板
状試料1の表面から上方へ、その対向面54が5mm離れ
た位置に設けられ、処理流体下噴出板56は、流体駆動
式把持機構35で把持されている板状試料1の裏面から
下方へ、その対向面57が5mm離れた位置に設けられ
る。処理流体上噴出板53の処理流体通路55には、処
理流体ライン60が直接接続され、処理流体下噴出板5
6の処理流体通路58には、装置内の処理流体配管63
を介して処理流体ライン60が接続されている。これら
処理流体噴出板53,56は、処理流体通路55,58
から噴射される処理流体を板状試料1に対してできる限
り均一に供給することと、板状試料1に供給した処理流
体がまわりに散乱してしまうのを防ぐこと、処理中の板
状試料1に対する外部からの汚染や外部気体による処理
流体の希釈をできる限り抑えることの三つの機能を担っ
ている。また、処理流体下噴出板56には、流体軸受の
軸受用流体出口近傍に軸受用流体迂回部59が形成さ
れ、下噴出板56は、この軸受用流体迂回部59により
軸受用流体が処理中の板状試料1の周りに近づくのを抑
制する機能も担っている。
【0042】図6に示すように、処理流体ライン60
は、第1の実施形態と基本的に同様である。但し、処理
ガスボンベ93が追加されているので、処理流体ライン
60は、処理ガスボンベ93にも伸びている。また、処
理装置内の軸受用流体配管75と送風機70との間に
は、第1の実施形態と同様に、軸受用流体ライン72が
設けられている。但し、この軸受用流体ライン72は、
途中で分岐しており、その分岐ラインが爪駆動用流体ラ
イン73を成している。この爪駆動用流体ライン73に
は、電磁弁74が設けられている。
【0043】次に、第2の実施形態における板状試料1
の処理設備の取り扱い、及びその動作について説明す
る。まず、爪駆動用流体ライン73中の電磁弁74を閉
じておき、爪駆動用流体通路17a,39に送風機70
からの空気が至らないようにして、この中の圧力を常圧
にしておき、図7(a)に示すように、爪36を爪支持
部37内に納めておく。そして、複数の爪36,36,
…の間に板状試料1をセットしてから、電磁弁74を開
くと共に、送風機70を駆動して、送風機70からの空
気を爪駆動用流体通路17a,39に供給して、この中
の圧力を高める。すると、図7(b)に示すように、爪
36は、爪支持部37から突出して、板状試料1をしっ
かりと把持する。このように、この実施形態において
も、板状試料1を流体駆動式把持機構35によりしっか
りと挾持しているので、把持機構35に対する板状試料
1の振動を抑えられ、把持機構35と板状試料1との接
触部分の傷みや、この接触部分からの発塵を抑えること
ができる。また、この実施形態では、把持機構35の駆
動源として、装置とは別体の送風機70を使用している
ので、把持機構35の大型化を防ぐことができる。この
ように、回転体20に設けられる把持機構35の大型化
を防ぐことができれば、ダイレクトドライブモータ40
の負荷が軽減するので、モータ40の小型化も図られ、
装置全体としての小型化が促進される。さらに、把持機
構35は、爪36が取り付けられる部材等に爪駆動用流
体通路39を形成すればよいので、構造の簡略化が図れ
る。従って、この実施形態でも、装置の小型化及び簡略
化により、製造コストを削減することができる。なお、
送風機70は、爪駆動用に別途設けたものではなく、軸
受流体用との兼用化を図っているので、第1の実施形態
に比べて設備の製造コストアップにつながることはな
い。但し、軸受用流体の圧力に比べて、爪駆動用流体の
圧力を著しく高くする必要がある場合には、軸受流体用
の送風機70の他に、爪駆動用の送風機を別途設けるこ
とが好ましい。
【0044】次に、ダイレクトドライブモータ40を駆
動して、回転体20と共に把持機構30で挾持されてい
る板状試料1を回転させる。なお、送風機70は、既に
駆動されているので、回転体20の回転前に、ステータ
側軸受面16とロータ側軸受面22との間に軸受用空気
は供給されている。この実施形態でも、第1の実施形態
と同様に、支持体10に対して回転体20は非接触であ
るので、支持体10に対して回転体20が摺接すること
がなく、回転体20の回転による発塵も抑えることがで
きる。
【0045】以上の状態にしてから、ライン60中の切
換弁61,62,64を操作して、処理液槽81,82
と処理ガスボンベ92,93とのうちのいずれかから、
処理流体上噴出板53及び処理流体下噴出板56を介し
て、回転中の板状試料1の上面及び下面に処理流体を供
給する。
【0046】次に、第3の実施形態としての板状試料1
の処理設備について、図9及び図10を用いて説明す
る。この実施形態における板状試料の処理設備は、図9
に示すように、板状試料1の表面に供給される薬液等が
溜められる処理液槽81,82,83,84,85と、
同じく板状試料1の表面に供給されるガスが溜められる
処理ガスボンベ92と、板状試料1を保持しつつ回転さ
せる処理装置と、処理装置に空気を供給する送風機70
と、送風機70からの空気を清浄化するフィルタ71と
を備えている。
【0047】この実施形態の処理装置は、回転機構が第
1の実施形態と異なり羽根車式を採用していること、及
び、第1の実施形態における処理流体上ノズル51及び
処理流体下ノズル52の換わりに、第2の実施形態にお
ける処理流体上噴出板53及び処理流体下噴出板56を
用いていること以外、基本的に第1の実施形態と同様で
ある。但し、この実施形態では、処理流体の接触部分と
なる、遠心式把持機構30、把持機構支持台24、ロー
タ21の外周部、処理液受け槽18は、いずれも、PTFE
で形成されている。
【0048】羽根車式回転機構45は、図10に示すよ
うに、ロータシャフト23の外周側に設けられた複数の
羽根46,46,…と、この羽根46に供給する空気が
通る回転駆動用流体通路76とを有している。回転駆動
用流体通路76は、ベース11の底板部12に形成され
ている。軸受用流体ライン72は、途中で分岐してお
り、この分岐ラインが回転駆動用流体ライン77を成
し、回転駆動用流体通路76に接続されている。
【0049】次に、第3の実施形態における板状試料1
の処理設備の取り扱い、及びその動作について説明す
る。まず、第1の実施形態と同様に、遠心式把持機構3
0の各揺動アーム33の上端を開いて、そこに板状試料
1をおいて、この板状試料1を各揺動アーム33の各爪
36で軽く把持する。
【0050】次に、送風機70を駆動し、ステータ側軸
受面16とロータ側軸受面22との間に軸受用空気を供
給すると共に、ロータシャフト23に設けられた羽根4
6に回転駆動用空気を供給する。羽根46に回転駆動用
空気が当たると、羽根46が設けられているロータシャ
フト23、このロータシャフト23に固定されているロ
ータ21が回転して、遠心式把持機構30で軽く把持さ
れている板状試料1も回転する。この回転体20の回転
により、第1の実施形態と同様に、板状試料1に対する
把持機構30の把持力が強まり、板状試料1は把持機構
30によりしっかりと把持される。この実施形態では、
把持機構30として、第1の実施形態と同じ遠心式把持
機構30を採用しているので、第1の実施形態と同様
に、構造の簡略化及び小型化が図られ、装置の製造コス
トを削減することができる。また、この実施形態では、
回転体20の支持及びモータ室43の封止は、第1の実
施形態と同様に、非接触である上に、回転体20の回転
も、支持体10との間で非接触で且つギヤ等の機械的動
力伝達部材の無い羽根46による流体駆動で行なわれて
いるので、支持体10に対して回転体20が摺接するこ
とがなく、回転体20の回転による発塵も抑えることが
できる。
【0051】以上の状態にしてから、ライン60中の切
換弁61,62,65,66,67を操作して、処理液
槽81,82,83,84,85と処理ガスボンベ92
とのうちのいずれかから、処理流体上噴出板53及び処
理流体下噴出板56を介して、回転中の板状試料1の上
面及び下面に処理流体を供給する。
【0052】
【実施例】次に、以上で述べた各板状試料の処理設備を
用いて、板状試料を実際に処理にしたので、この処理結
果について説明する。
【0053】「実施例1」ここでは、第1の実施形態の
処理設備を用いて、板状試料に対して、洗浄、リンス、
乾燥処理を行なった。
【0054】[I]試料 板状試料は、直径150mm、厚さ0.55mm、重量21.4g、抵抗
率6-12Wcmの信越化学製の6インチシリコンウェハであ
る。
【0055】[II]流体 (1)処理液槽(1) 28%アンモニア水:30%過酸化水素水:水=1:2:7の水溶液。
温度80℃。 (2)処理液槽(2) 超純水。室温。 (3)処理ガスボンベ 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。 [III]流体処理操作 (1)処理液槽(1)の洗浄液で180秒間の処理を行った。こ
のときウェハの回転数は約100rpmである。 (2)処理液槽(2)の超純水で60秒間の処理を行った。この
ときウェハの回転数は約100rpmである。 (3)処理ガスボンベの窒素で90秒間の処理を行った。こ
のときウェハの回転数は約1000rpmである。
【0056】[IV]異物数の評価 上記処理前後の異物の付着数を、日立電子エンジニアリ
ング製のレーザー表面検査装置を用いて計測し、除去率
(%)を求めた。第1の従来技術による洗浄処理の後は付
着異物数が12個であったのに対し、本実施例の洗浄処理
のあとは付着異物数は5個であった。第1の実施形態に
おける装置によれば、洗浄中に摺動する部分が存在しな
いために装置発塵が少なく、ウェハ表面の異物数を少な
く抑えられることが確認された。また、本装置が80℃の
高温条件においても問題なく動作すること、すなわち本
装置の高い耐食性及び耐熱性が確認された。
【0057】なお、処理ガスボンベ内のガスとしては、
窒素の換わり、他の不活性ガス、例えば、アルゴンやヘ
リウムを用いて、基本的に同様の結果を得ることができ
る。
【0058】「実施例2」ここでは、第1の実施形態の
処理設備を用いて、板状試料に対して、金属汚染除去、
リンス、乾燥処理を行った。
【0059】[I]試料 板状試料は、実施例1と同じウェハに対して以下の処理
を施したものである。まず、28%アンモニア水:30%過酸
化水素水:水=1:2:7の水溶液中、80℃にて10分間処理し
た。次いで、50%フッ化水素酸:水=1:99のフッ酸水溶液
に2分間浸漬させて、ウェハ表面の自然酸化膜を除去し
た。水洗後、所望の原子吸光分析用の標準液を希釈した
水溶液に30分間浸漬して、各種金属イオンが約1011〜10
22原子/cm2の割合で付着したウェハを作製した。すなわ
ち、この実施例で用いる板状試料は、各種金属イオンで
汚染されたウェハである。
【0060】[II]流体 (1)処理液槽(1) 36%塩酸:30%過酸化水素水:水=1:1:5の水溶液。温度80
℃。 (2)処理液槽(2) 超純水。室温。 (3)処理ガスボンベ 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。 [III]流体処理操作 (1)処理液槽(1)の洗浄液で90秒間の処理を行った。この
ときウェハの回転数は約100rpmである。 (2)処理液槽(2)の超純水で60秒間の処理を行った。この
ときウェハの回転数は約100rpmである。 (3)処理ガスボンベの窒素で90秒間の処理を行った。こ
のときウェハの回転数は約1000rpmである。
【0061】[IV]金属汚染の除去率の評価 上記処理前後の金属イオンの付着量をテクノス製の全反
射蛍光X先分析装置TREX610を用いて計測し、金属イオ
ンの残存率(%)を求めた。その結果、図11に示すよう
に、第1の実施形態における装置を用いると、第1の従
来技術の装置よりも、従来のバッチ方式の装置よりも、
ほぼ全ての金属イオンに関する残存率が低下すること、
言い替えると、除去率が高まることが確認された。これ
は、第1の実施形態における洗浄装置は、摺動による発
塵がなく、また接液部を耐食性の材料で構成することが
でき、潤滑のためのグリース等を必要としないので、装
置由来の汚染の発生を抑えることができるということが
大きいな要因であると考えられる。
【0062】「実施例3」ここでは、第2の実施形態の
処理設備を用いて、板状試料に対して、酸化膜除去、リ
ンス、乾燥処理を行なった。
【0063】[I]試料 板状試料は、実施例1と同じウェハに対して、1%の水蒸
気を含む酸素中、950℃雰囲気で処理し、ウェハ表面に1
80nmの熱酸化膜を形成したものである。
【0064】[II]流体 (1)処理液槽(1) 50%フッ化水素酸:水=1:99の水溶液。温度室温。 (2)処理液槽(2) 超純水。室温。 (3)処理ガスボンベ 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。 [III]流体処理操作 (1)処理液槽(1)の流体で90秒間の処理を行った。このと
きウェハの回転数は約100rpmである。 (2)処理液槽(2)の超純水で60秒間の処理を行った。この
ときウェハの回転数は約100rpmである。 (3)処理ガスボンベの窒素で90秒間の処理を行った。こ
のときウェハの回転数は約1000rpmである。
【0065】[IV]酸化膜除去性能の評価 ウォータマークの主たる発生原因は、ウェハに付着した
水滴に空気中の酸素が溶解してウェハのシリコンを酸
化、溶解し、溶解物が乾燥残渣として残ることによって
生じる。このウォータマークは直径1〜10mmの大きさで
あり、日立製の電子顕微鏡S-7100を用いて200〜20000倍
の倍率で観察し、発生数を計測した。この結果、第2の
実施形態における装置を使用して以上のような処理をし
た場合、ウォータマーク数は4個/cm2であり、第1の従
来技術による酸化膜除去および乾燥方法を採用した場
合、ウォータマーク数は47個/cm2、バッチ式酸化膜除去
に続くIPA蒸気乾燥方法を採用した場合、ウォータマー
ク数は8個/cm2であった。このように、第2の実施形態
における装置を使用すると、ウォータマークの数が少な
くなるのは、処理流体噴出板53,56を使用し、処理
中のウェハが酸素と接触しにくいためであると考えられ
る。
【0066】また、フッ酸によって酸化膜を除去したシ
リコン製ウェハ表面にはきわめて異物が付着しやすいこ
とが報告されているが、この実施形態の装置では装置由
来の発塵が少ないため、酸化膜除去処理後のウェハ上の
粒径0.3μm以上の異物数も4個に抑えることができた。
【0067】「実施例4」ここでは、第2の実施形態の
処理設備を用いて、板状試料に対して、窒化膜エッチン
グ、リンス、乾燥処理を行なった。なお、先に述べた実
施形態では、流体軸受部分をアルミナで形成しても炭化
珪素で形成してもよいように記載したが、この実施例の
処理で用いるリン酸に対して炭化珪素は腐食してしまう
ので、ここでは、流体軸受部を99.9%アルミナで形成し
たものを用いた。
【0068】[I]試料 板状試料は、実施例1と同じウェハに対して、アンモニ
アおよびジクロロシランを含む780℃雰囲気で処理し、
ウェハ表面に1000nmの窒化膜を形成したものである。
【0069】[II]流体 (1)処理液槽(1) 60%リン酸水溶液。温度150℃。 (2)処理液槽(2) 超純水。温度60℃。 (3)処理ガスボンベ 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。 [III]流体処理操作 (1)処理液槽(1)のエッチング液で10分間の処理を行っ
た。このときウェハの回転数は約100rpmである。 (2)処理液槽(2)の超純水で90秒間の処理を行った。この
ときウェハの回転数は約100rpmである。 (3)処理ガスボンベの窒素で90秒間の処理を行った。こ
のときウェハの回転数は約1000rpmである。
【0070】[IV]窒化膜エッチング性能の評価 窒化膜のエッチングレートをエリプソメトリーにより測
定したところ、3.5nm/minと従来のバッチ式の装置と同
様の値が得られた。また、面内のエッチングレートの分
布も±1.0%と均一性がよかった。
【0071】また、この第2の実施形態の装置は、板状
試料であるウェハと対向する処理流体噴出板53,56
を設けたので、前述した処理流体の拡散防止等の他、ウ
ェハ周りから熱が逃げるのを防ぐことができ、ウェハ周
りの温度制御を容易にしている。
【0072】「実施例5」ここでは、第2の実施形態の
処理設備を用いて、板状試料に対して、実施例3とほぼ
同様に、酸化膜エッチング、リンス、乾燥処理を行なっ
た。
【0073】[I]試料 板状試料は、実施例3の試料と全く同じである。すなわ
ち、板状試料は、実施例1と同じウェハに対して、1%の
水蒸気を含む酸素中、950℃雰囲気で処理し、ウェハ表
面に180nmの熱酸化膜を形成したものである。
【0074】[II]流体 (1)処理液槽(2) 超純水。室温。 (2)処理ガスボンベ(1) 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。 (3)処理ガスボンベ(2) 液状無水フッ酸に窒素ガスを通して生成された、2%のフ
ッ化水素ガスと水蒸気とを含むエッチングガス。室温。 [III]流体処理操作 (1)処理ガスボンベ(2)からの11L/minのエッチングガス
で35秒間の処理を行った。 (2)処理液槽(2)の超純水で90秒間の処理を行った。 (3)処理ガスボンベ(1)の窒素で60秒間の処理を行った。
【0075】[IV]熱酸化膜の評価 熱酸化膜の厚さをエリプソメータで計測し、処理前後の
値から処理速度(エッチング速度)を求めた。さらに、
ウェハに付着したフッ素を濃縮イオン電極法で測定し
た。
【0076】以上の諸条件のもと、熱酸化膜は上記エッ
チングガスによって330nm/minの速度でエッチングされ
ることがわかった。さらに、上記エッチングガスによる
エッチングでは、ウェハ表面に約7×1013原子/cm2のフ
ッ素原子が付着するが、処理液槽(2)の処理によって、
約1×1011原子/cm2まで低減できることがわかった。
【0077】気体軸受は、通常腐食されやすいグリース
の使用が不要であり、さらに気体軸受を耐食性の材質で
作成することで、腐食性の強いフッ化水素雰囲気におい
ても使用可能となる。ところで、気体軸受で使用された
ガスが、そこから流出した後、板状試料であるウェハ近
傍に至り、処理気体の濃度が希釈される恐れがある。こ
れに対して、第2の実施形態における装置では、ウェハ
の上下に処理流体噴出板53,56が配され、ウェハと
噴出板53,56との間(以下、処理空間とする)に、
処理気体以外の気体の侵入が抑制されると共に、下噴出
板56の軸受用流体迂回部59により軸受用ガスが処理
空間に近づくことも抑制され、処理気体の希釈という問
題を回避している。
【0078】「実施例6」ここでは、第2の実施形態の
処理設備を用いて、板状試料に対して、シリコン膜エッ
チング、リンス、乾燥処理を行なった。
【0079】[I]試料 板状試料は、実施例1と同じウェハに対して、ジシラ
ン、ホスフィンを含む気体を用いて510℃でリンをドー
プし、シリコン膜を形成したものである。
【0080】[II]流体 (1)処理液槽(2) 超純水。室温。 (2)処理ガスボンベ(1) 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。 (3)処理ガスボンベ(2) 液状三フッ化塩素に窒素ガスを通じて生成された、0.2%
の三フッ化塩素を含むエッチングガス。室温。 [III]流体処理 (1)処理ガスボンベ(2)からの11L/minのエッチングガス
で35秒間の処理を行った。 (2)処理液槽(2)の超純水で90秒間の処理を行った。 (3)処理ガスボンベ(1)の窒素で60秒間の処理を行った。
【0081】[IV]シリコン膜の評価 シリコン膜の厚さをエリプソメータで計測し、処理前後
の値から処理速度(エッチング速度)を求めた。さら
に、ウェハに付着したフッ素を濃縮イオン電極法で測定
した。
【0082】以上の諸条件のもと、シリコン膜は上記エ
ッチングガスによって250nm/minの速度でエッチングさ
れることがわかった。さらに、上記エッチングガスによ
るエッチングでは、ウェハ表面に約5×1013原子/cm2
フッ素原子が付着するが、処理液槽(2)の処理によっ
て、約1×1011原子/cm2まで低減できることがわかっ
た。
【0083】また、この実施例6では、実施例5と同様
に、腐食性の強い三フッ化塩素雰囲気においても装置が
腐食されることなく使用可能であり、気体軸受に使用さ
れる不活性ガス(窒素)によって処理気体の濃度が希釈
されることなく処理を行うことができた。
【0084】「実施例7」ここでは、第3の実施形態の
処理設備を用いて、試料に対して、レジスト除去、洗
浄、リンス、洗浄、リンス、乾燥処理を行なった。
【0085】[I]試料 板状試料は、実施例1と同じウェハに、スピンコート法
でフォトレジスト膜(厚さ1.6オm)を形成したものであ
る。
【0086】[II]流体 (1) 処理液槽(1) 96%硫酸:30%過酸化水素水=2:1。温度120℃。 (2) 処理液槽(3) 超純水。温度60℃。 (3) 処理液槽(4) 28%アンモニア水:30%過酸化水素水:水=1:2:7の水溶液。
温度80℃。 (4) 処理液槽(2) 超純水。室温。 (5) 処理液槽(5) 36%塩酸:30%過酸化水素水:水=1:1:5の水溶液。温度80
℃。 (6) 処理液槽(2) 超純水。室温。 (7) 処理ガスボンベ 半導体ライン内の窒素ユーティリティ。室温。
【0087】[III]流体処理 (1) 処理液槽(1)の処理液で90秒間の処理を行った。 (2) 処理液槽(3)の超純水で60秒間の処理を行った。 (3) 処理液槽(4)で洗浄液で90秒間の処理を行った。 (4) 処理液槽(2)の超純水で60秒間の処理を行った。 (5) 処理液槽(5)で洗浄液で90秒間の処理を行った。 (6) 処理液槽(2)の超純水で60秒間の処理を行った。 (3) 処理ガスボンベの窒素で60秒間の処理を行った。
【0088】[IV]付着異物ならびに金属汚染の評価 酸素またはオゾンを用いたアッシングでフォトレジスト
を除去するレジスト除去、洗浄、リンス、乾燥処理を一
つの装置で行った。以上の処理後の異物の付着数に関し
て実施例1と同様に評価し、金属汚染の除去率に関して
実施例2と同様に評価した。その結果は、それぞれ、実
施例2の結果、実施例3の結果と同様であった。また、
実施例5や実施例6と同様に、腐食性の強い硫酸と過酸
化水素とを含む120℃の環境下においても本装置は全く
問題なく動作した。
【0089】以上の各実施例で述べたように、本発明に
係る各種実施形態としての装置を用いると、装置起因の
汚染が少ない流体処理を行なうことができる。このた
め、この装置を半導体ウェハの製造工程における洗浄
(異物除去、金属汚染除去、酸化膜除去)ならびにエッ
チング装置として使用すると、洗浄性能が向上すること
で製品の歩留まりが向上する。
【0090】また、腐食性流体や高温流体を用いる処理
装置を、従来技術と比較して、大幅に小型化、簡略化す
ることができる。このため、製造ライン内における装置
のレイアウトが容易になり、半導体製造工程を例にとる
と、酸化、拡散などの各装置の近くに本発明に係る各種
実施形態の装置を配置することで、洗浄後の清浄度を低
下させることなく、蒸着、酸化ならびに拡散処理を行う
ことができる。また、枚葉式の処理を行う工程では、本
発明に係る各種実施形態の装置を用いて、前洗浄工程か
ら連続して行うことで、前洗浄以降の当該処理までの待
機時間が低減され、かつ平均化される。この結果、当該
処理の開始時に清浄度が維持され、製品の歩留まりが向
上する。また、製造期間が短縮される。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、把持機構により、板状
材がしっかりと把持されるので、把持機構に対する板状
材の振動を抑制でき、把持機構と板状材との接触部分に
おける板状材の破損や、接触部分からの発塵を抑えるこ
とができる。また、本発明では、把持機構を構成する爪
を回転体に設けたものの、爪の駆動源は回転体に設けて
いないので、把持機構を含めた回転体のサイズの小型化
を図ることができる。このように、回転体の小型化を図
れると、回転体を回転させる回転手段の負荷が形成さ
れ、回転手段の小型化も図れ、結果として、装置全体の
小型化、さらには製造コストの低減を図ることができ
る。
【0092】また、本発明では、回転体の回転は、支持
体との間で非接触な非接触回転手段で行なわれ、支持体
による回転体の支持は、非接触な流体軸受で行なわれ、
支持体に対して回転体は非接触であるので、支持体に対
して回転体が摺接することがなく、回転体の回転による
発塵も抑えることができる。さらに、回転体の支持は、
流体軸受であるため、磁気軸受のように、軸受を構成す
る部材に磁気特性や電気特性を考慮する必要が無いため
に、耐熱性や耐食性の高い材質を選定し易く、高温で腐
食性の高い雰囲気でも、実用に耐えうる装置を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としての処理設備
の系統図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態としての処理装置
の断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態としての処理装置
の変形例の要部断面図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態としての把持機構
の動作説明図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態としての把持機構
の変形例の斜視図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態としての処理設備
の系統図である。
【図7】本発明に係る第2の実施形態としての把持機構
の動作説明図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施形態としての処理設備
の系統図である。
【図10】本発明に係る第3の実施形態としての処理装
置の要部切欠き側面図である。
【図11】本発明に係る第1の実施形態としての処理設
備を使用した場合と、従来の処理装置を使用した場合と
における金属イオンの残存率(%)を示すグラフである。
【符号の説明】
1…板状試料、10…支持体、11…ベース、14…下
ステータ、15…上ステータ、16…ステータ側軸受
面、17…軸受用流体通路、17a…爪駆動用流体通
路、18…処理液受け層、20…回転体、21…ロー
タ、22…ロータ側軸受用流体通路、23…ロータシャ
フト、25,25b…ラビリンスシール、30,30a
…遠心式把持機構、31,31a…爪、32,32a…
揺動軸、33,33a…揺動アーム、34,34a…
錘、35…流体駆動式把持機構、36…爪、37…爪支
持部、39…爪駆動用流体通路、40…ダイレクトドラ
イブモータ(回転機構)、41…ステータコイル、42
…ロータマグネット、45…羽根車式回転機構、46…
羽根、51…処理流体上ノズル、52…処理流体下ノズ
ル、53…処理流体上噴出板、54,57…対向面、5
5,58…処理流体通路、56…処理流体下噴出板、6
0…処理流体ライン、61,62,65,66,67…
切換弁、70…送風機、71…フィルタ、72…軸受用
流体ライン、73…爪駆動用流体ライン、76…回転駆
動用流体通路、77…回転駆動用流体ライン、81,8
2,83,84,85…処理液槽、92,93…処理ガ
スボンベ。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 昭男 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 生産技術研究所内 審査官 遠藤 謙一 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 3/02 H01L 21/304 643

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状材を回転させつつ、その表面に処理流
    体を供給して該板状材を処理する板状材の処理装置にお
    いて、 前記板状材を把持する複数の爪を有している把持手段
    と、 前記爪で把持されている前記板状材に前記処理流体を噴
    出する処理流体噴出手段と、 前記把持手段の複数の前記爪が設けられている回転体
    と、 前記回転体を回転可能に支持する支持体と、 前記回転体を前記支持体に対して非接触で回転させる非
    接触回転手段と、 を備え、 前記把持手段は、前記爪と、前記回転体に取り付けられ
    ている揺動軸と、該揺動軸に揺動自在に取り付けられ、
    該揺動軸を中心として一端側に該爪が設けられ、該揺動
    軸を中心として、他端側全体の慣性モーメントが該爪を
    含めた該一端側全体の慣性モーメントよりも大きい揺動
    アームと、を有し、 前記支持体の一部には、軸受面が形成され、前記回転体
    の一部にも、該支持体の該軸受面と僅かな隙間を有して
    対向する軸受面が形成され、該支持体には、該軸受面間
    に流体を供給する軸受用流体通路が形成され、該軸受面
    と該軸受用流体通路とを有して構成される流体軸受を備
    えている、 ことを特徴とする板状材の処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の板状材の処理装置におい
    て、 前記揺動アームは、前記回転体が回転していないとき、
    該揺動アームに設けられている爪で前記板状材を把持で
    きる位置で、前記揺動軸を中心としてバランスがとれて
    いることを特徴とする板状材の処理装置。
  3. 【請求項3】板状材を回転させつつ、その表面に処理流
    体を供給して該板状材を処理する板状材の処理装置にお
    いて、 前記板状材を把持する複数の爪を有している把持手段
    と、 前記爪で把持されている前記板状材に前記処理流体を噴
    出する処理流体噴出手段と、 前記把持手段の複数の前記爪が設けられている回転体
    と、 前記回転体を回転可能に支持する支持体と、 前記回転体を前記支持体に対して非接触で回転させる非
    接触回転手段と、 を備え、 前記把持手段は、前記爪と、前記回転体に固定され該爪
    を出没自在に支持する爪支持部と、前記支持体、前記回
    転体及び前記爪支持部を連通して該爪にまで至り、該爪
    を該爪支持部に対して出没させる爪駆動用流体が通る爪
    駆動用流体通路と、を有し、 前記支持体の一部には、軸受面が形成され、前記回転体
    の一部にも、該支持体の該軸受面と僅かな隙間を有して
    対向する軸受面が形成され、該支持体には、該軸受面間
    に軸受用流体を供給する軸受用流体通路が形成され、該
    軸受面と該軸受用流体通路とを有して構成される流体軸
    受を備えている、 ことを特徴とする板状材の処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか一項に記載の板
    状材の処理装置において、 前記処理流体噴出手段は、前記把持手段で把持されてい
    る前記板状材の表裏面のうち、いずれか一方の面に対向
    する対向面と、該対向面に処理流体噴出口が形成されて
    いる処理流体通路と、を有する処理流体噴出板であるこ
    とを特徴とする板状試料の処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の板状材の処理装置におい
    て、 前記処理流体噴射板として、前記把持手段で把持されて
    いる前記板状材の表裏面のうち、一方の面に対向する対
    向面を有する第1の処理流体噴射板と、他方の面に対向
    する対向面を有する第2の処理流体噴射板とがあること
    を特徴とする板状材の処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか一項に記載の板
    状材の処理装置において、 前記非接触回転手段は、ダイレクトドライブモータであ
    ることを特徴とする板状材の処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の板状材の処理装置におい
    て、 前記支持体と前記回転体とで、前記ダイレクトドライブ
    モータを収納するモータ室が形成され、 前記支持体と前記回転体との境界に、前記モータ室と外
    部空間とを仕切る流体シールが形成されていることを特
    徴とする板状材の処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1から5のいずれか一項に記載の板
    状材の処理装置において、 前記非接触回転手段は、前記回転体に設けられている複
    数の羽根と、前記支持体に形成され該羽根に送る回転駆
    動用流体が通る回転駆動用流体通路とを有していること
    を特徴とする板状材の処理装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の板状材の処理装置におい
    て、 前記支持体と前記回転体とで、複数の前記羽根が回転可
    能なモータ室が形成され、 前記支持体と前記回転体との境界に、前記モータ室と外
    部空間とを仕切る流体シールが形成されていることを特
    徴とする板状材の処理装置。
  10. 【請求項10】請求項1から9のいずれか一項に記載の
    板状材の処理装置において、 前記流体軸受から流出する前記軸受用流体を、前記把持
    手段で把持されている板状材から遠ざかる方向へ導く軸
    受用流体迂回手段を有することを特徴とする板状材の処
    理装置。
  11. 【請求項11】請求項1から10のいずれか一項に記載
    の板状材の処理装置において、 前記処理流体噴出手段は、前記処理流体として液体を噴
    出する処理液体噴出手段と、該処理流体として気体を噴
    出する処理気体噴出手段と、を有し、 前記処理液体噴出手段は、前記処理流体として純水及び
    /又は洗浄水を噴出し、 前記処理気体噴出手段は、前記処理流体として、窒素、
    フッ化水素、三フッ化塩素のうち、少なくとも一つを噴
    出する、 ことを特徴とする板状材の処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1から11のいずれか一項に記載
    の板状材の処理装置と、 前記処理流体噴出手段に前記処理流体を供給する処理流
    体供給手段と、 前記軸受用流体通路に前記軸受用流体を供給する軸受用
    流体供給手段と、 を備えていることを特徴とする板状材の処理設備。
  13. 【請求項13】請求項2記載の板状材の処理装置と、 前記処理流体噴出手段に前記処理流体を供給する処理流
    体供給手段と、 前記軸受用流体通路に前記軸受用流体を供給する軸受用
    流体供給手段と、 前記爪駆動用流体通路に前記爪駆動用流体を供給する爪
    駆動用流体供給手段と、 を備えていることを特徴とする板状材の処理設備。
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