JP3329544B2 - 水分測定方法 - Google Patents

水分測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分濃度未知の試料中
に溶解又は分散している水分量を測定する方法に関し、
更に詳細には、電子部品又は精密部品類の洗浄液等にお
ける水分濃度測定に好適な水分測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
溶液中の水分濃度を測定する方法としては、赤外吸収
法、誘電率法、超音波速度法、カールフィッシャー法等
が使用されていたが、これらの測定方法は、測定機器が
高価であったり、測定操作に熟練を要すなどの問題があ
り、安価で簡便な水分測定方法が必要とされていた。
【0003】一方、精密部品又は治工具類等の洗浄分野
においては、近年オゾン層破壊防止の面から、廃止が進
められている塩素系溶剤及びフロン系溶剤を用いる洗浄
液の代替品として、テルペン系溶剤、炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤等の溶剤系洗浄液や、界面活性剤等を
含有する水系洗浄液等の代替洗浄液が開発されている。
【0004】上記代替洗浄液においては、溶剤や界面活
性剤の持つ引火性を無くして非危険物化する目的で水を
添加しているものもあり、このような代替洗浄液で洗浄
を行なう場合、洗浄液中の水分がある濃度以下になると
洗浄液が危険物化し、逆に水分がある濃度以上になると
洗浄効率が低下するため水分管理が必須である。このよ
うな理由から、洗浄分野においても上述の如き水分測定
方法が用いられているが、前記溶液中の水分濃度を測定
する場合と同様に安価で簡便な水分測定方法が必要とさ
れていた。
【0005】安価で簡便に測定する方法として、分析化
学の分野では、濾紙に塩化コバルト水溶液を含ませ乾燥
させた試験紙を用いる方法(特開平2−91551号公
報)があるが、上記試験紙は、空気中の水分を吸収して
しまうため非常に不安定であり、正確な測定が困難であ
るという問題があった。
【0006】また、無水エチルアルコールに塩化コバル
ト(II)無水和物を溶解して得られる671nmに吸収
極大を持つ溶液に水を加えると、吸光度が変化すること
を利用した水分の定量方法〔日本化学会編“新実験化学
講座15 分析”p121(1991)〕も報告されて
いるが、該方法では、疎水性試料を測定する際に、均一
な液が得られない場合があった。又、発色効率が低いた
め、試料が多く必要となり、着色した試料を測定する場
合に色の識別が困難になるという問題点があった。
【0007】従って、本発明の目的は、水分濃度未知の
試料中の水分を、簡便且つ安価に、しかも広範囲の水分
濃度において精度良く測定することができる水分測定方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩化コバ
ルトのアルコール溶液が水分により変色することに着目
して種々検討を重ねた結果、ハロゲン化コバルト又はハ
ロゲン化銅を界面活性剤と疎水性溶媒との混合液に溶解
した水分測定試薬を用いて標本を作成することにより、
上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】即ち、本発明は、各々水分濃度の異なる複
数の水分濃度既知の検定液に、ハロゲン化コバルト又は
ハロゲン化銅を界面活性剤と疎水性溶媒との混合液に溶
解した水分測定試薬を、各々所定割合で添加混合して、
水分濃度に応じて着色度の異なる複数の着色検定液を
得、複数の該着色検定液を用いて標本を作成し、上記水
分測定試薬における上記ハロゲン化コバルト又はハロゲ
ン化銅と上記界面活性剤との割合が、上記界面活性剤1
00重量部に対して、上記ハロゲン化コバルト又はハロ
ゲン化銅0.1〜2.0重量部であり、一方、水分濃度
が未知の試料である、界面活性剤及び/又は溶剤と水と
を含有する洗浄液に、上記水分測定試薬を、上記所定割
合にて添加混合して該試料を着色し、然る後、着色した
上記試料の色と上記標本の色とを、同温度で目視により
照合比較することにより、上記試料の水分を定量するこ
とを特徴とする水分測定方法を提供するものである。
【0010】以下、本発明の水分測定方法について詳細
に説明する。本発明において標本を作成する際に用いら
れる検定液としては、水分と溶媒及び/又は界面活性剤
とを含有する溶液が挙げられる。上記溶媒としては、特
に限定されるものではないが、例えば、低級アルコール
(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ケトン
(アセトン等)、グリコール類(ポリエチレングリコー
ル等)等の親水性溶媒が挙げられる。上記界面活性剤と
しては、特に限定されるものではないが、後述する試料
に用いられている界面活性剤として列挙した界面活性剤
と同様の物質が挙げられる。また、溶媒と界面活性剤と
を含有する場合は、溶媒として前記の親水性溶媒を用い
てもよく、ケロシン、ベンゼン、ヘキサン等の疎水性溶
媒を用いることもできる。
【0011】本発明において用いられる水分測定試薬
は、ハロゲン化コバルト又はハロゲン化銅を界面活性剤
と疎水性溶媒との混合液に溶解した試薬である。
【0012】上記水分測定試薬に用いられる上記ハロゲ
ン化コバルト又はハロゲン化銅におけるハロゲンとして
は、特に限定されないが、塩素又は臭素が好ましく、ま
た、上記ハロゲン化コバルトとしては、塩化コバルト、
臭化コバルト等が挙げられ、上記ハロゲン化銅として
は、塩化銅、臭化銅等が挙げられる。上記水分測定試薬
における上記ハロゲン化コバルト又はハロゲン化銅と
界面活性剤と疎水性溶媒との混合液とを溶解させる割合
、界面活性剤100重量部に対して、上記ハロゲン化
コバルト又はハロゲン化銅0.1〜2.0重量部であ
【0013】上記水分測定試薬に用いられる上記界面活
性剤としては、アニオン性、カチオン性、両イオン性、
非イオン性界面活性剤が用いられるが、水分測定の精度
を考慮すると、活性剤製品中の水分が少ない非イオン性
界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)が好ましく、具体
例としては、下記の化合物等が挙げられる。
【0014】上記非イオン性界面活性剤としては、例え
ばアルキルエーテル型、アルキルアリルエーテル型、ア
ルキルチオエーテル型等のエーテル型;アルキルエステ
ル型、ソルビタンアルキルエステル型等のエステル型;
ポリオキシアルキレンアルキルアミン等のアミンとの縮
合型;ポリオキシアルキレンアルキルアマイド等のアミ
ドとの縮合型;ポリオキシエチレンとポリオキシプロピ
レンとをランダム又はブロック縮合させたプルロニック
又はテトロニック型;ポリエチレンイミン系等の界面活
性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はベンゼンス
ルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、
アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸
塩、アルカンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、α−スルホ
脂肪酸塩又はエステル、アルキル又はアルケニルエーテ
ルのカルボン酸塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性
剤及び両性界面活性剤としては、アルキル又は/及びア
ルケニルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベ
タイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアラニ
ン、ポリアミート、ポリアミン塩、イミダゾリン型両性
界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げ
られる。ここで、常温で液体又は固体のいずれの界面活
性剤も、用いることができる。
【0015】また、上記水分測定試薬は、上記ハロゲン
化コバルト又は上記ハロゲン化銅を上記界面活性剤と上
記疎水性溶媒との混合液に溶解した液として用いること
より、試料中の水分と水分測定試薬中のハロゲン化コ
バルト又はハロゲン化銅とが効率よく水和反応し、発色
の効率が高くなり精度の良い測定を行うことができる。
【0016】上記水分測定試薬に用いられる上記疎水性
溶媒としては、水を水和しにくい溶媒であれば、特に限
定されないが、水和量が小さいほどコバルトと水和する
水の量が増え、測定感度が上昇することから水和量が小
さければ小さい程よい。例えば、ケロシン、ベンゼン、
ヘキサン、キシレン等の炭化水素溶媒が挙げられる。
記疎水性溶媒と上記界面活性剤との混合比率は、疎水性
溶媒、界面活性剤、試料の種類、水分量により変動する
ものであり、特に限定されるものではないが、界面活性
剤100重量部に対して、疎水性溶媒を10000重量
以下とするのが好ましく、100〜3000重量部と
するのが更に好ましい。
【0017】また、上記水分測定試薬には、水分測定時
に上記水分測定試薬の乳化が生じるような該水分測定試
薬と試料との組合わせの場合に、乳化を抑制し、精度の
良い測定をするために、必要に応じて乳化抑制剤を添加
することもできる。上記乳化抑制剤としては、乳化抑制
機能のある物質であれば特に限定されないが、高級脂肪
酸、高級アミン等が挙げられる。
【0018】また、上記水分測定試薬は、上記ハロゲン
化コバルト又はハロゲン化銅に加えて、更に鉄化合物を
含んでいてもよい。上記鉄化合物としては、塩化鉄、硫
酸鉄等が挙げられ、例えば、塩化鉄を加えた水分測定試
薬では、色相及び着色度が上記ハロゲン化コバルト又は
ハロゲン化銅のみを溶解した水分測定試薬とは変化し、
色の識別が容易になるので、上記鉄化合物を用いるのが
好ましい。また、上記鉄化合物は、上記界面活性剤中に
溶解されているのが好ましい。上記鉄化合物を用いる場
合の使用量は、上記界面活性剤100重量部に対して、
0.05〜10.0重量部とするのが好ましい。また、
上記水分測定試薬の調製時に、上記ハロゲン化コバルト
又はハロゲン化銅の溶解を容易にするために、エタノー
ル等の低級アルコールを添加しても良い。また、標本の
変色域を調製するために予め水を添加しても良い。
【0019】本発明において、水分測定に供される試料
、界面活性剤及び/又は溶剤と水とを含有する洗浄
である
【0020】上記界面活性剤及び/又は溶剤と水とを含
有する洗浄液としては、具体的には、後述する溶剤の一
種又は二種以上の混合物に危険物化するのを防止するた
めに水を添加してなる溶剤系洗浄液;後述する界面活性
剤の一種又は二種以上の混合物と水とからなり、必要に
応じて上記溶剤を添加してなる水系洗浄液等が挙げら
れ、特に電子部品又は精密機械類の洗浄に用いられるフ
ロン代替洗浄液が好ましく挙げられる。
【0021】上記洗浄液に含有される溶剤としては、特
に限定はないが、動植物から得られるd−リモネン等の
テルペン類を有効成分とするテルペン系溶剤、ケロシ
ン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素を有効成分とする
炭化水素系溶剤、イソプロピルアルコール、エチルアル
コール、メチルアルコール等の低級アルコールを有効成
分とするアルコール系溶剤等が挙げられる。
【0022】また、上記洗浄液に含有される界面活性剤
としては、アニオン性、カチオン性、両イオン性、非イ
オン性界面活性剤等が用いられるが電子部品等の部材へ
の影響を考慮すると、非イオン性界面活性剤が好まし
く、例えば、アルキルエーテル型、アルキルアリルエー
テル型、アルキルチオエーテル型等のエーテル型;アル
キルエステル型、ソルビタンアルキルエステル型等のエ
ステル型;ポリオキシアルキレンアルキルアミン等のア
ミンとの縮合型;ポリオキシアルキレンアルキルアマイ
ド等のアミドとの縮合型;ポリオキシエチレンとポリオ
キシプロピレンをランダム又はブロック縮合させたプル
ロニック又はテトロニック型;ポリエチレンイミン系等
の界面活性剤が挙げられ、これらのうち、特に、炭素数
4〜22の炭化水素基を有するものが好ましく挙げられ
る。
【0023】また、上記洗浄液としては、上記の成分の
ほか、必要に応じてビルダー、キレート剤、防錆剤、消
泡剤等の添加剤を含有するものでもよく、また、上記添
加剤を用途に応じて任意に2種以上組み合わせて使用し
たものでもよい。
【0024】而して、発明の水分測定方法を実施する
には、各々水分濃度の異なる複数の水分濃度既知の上記
検定液に、上記水分測定試薬を、各々所定割合で添加混
合して、水分濃度に応じて着色度の異なる複数の着色検
定液を得、複数の該着色検定液を用いて標本を作成し、
一方、上記水分測定試薬を、水分濃度が未知の上記試料
に、上記所定割合にて添加混合して該試料を着色し、着
色した該試料の色と上記標本の色とを、同温度で目視に
より照合比較することにより、該試料の水分を定量す
る。
【0025】上記の複数の検定液における各々の水分濃
度は、測定する試料において必要とされる水分濃度によ
り変動するものであり、特に限定されるものではない
が、例えば各々の水分濃度を0〜20重量%の範囲で測
定する場合は、0.5〜4重量%毎に異ならせるのが好
ましく、その個数も5〜40個とするのが好ましい。
【0026】上記水分測定試薬を上記検定液及び試料に
添加する際における上記所定割合は、検定液に含まれる
水分により適宜設定すればよいが、例えば検定液水分が
10重量%の場合、上記検定液1に対して、上記水分測
定試薬を0.5〜100の範囲とするのが好ましい。上
記所定割合が、0.5未満であると、試料中に含まれる
着色成分により水分測定試薬の変色の度合を判断できな
くなる場合があり、また100を超えると、試薬の変色
度が小さくなり、誤差が大きくなるため好ましくない。
【0027】上記標本としては、上記着色検定液を測定
用容器に充填したものが好ましく用いられる。上記測定
用容器としては、透明で、着色した液の色が判別できる
ものであれば特に限定されないが、ガラス製、石英製、
プラスチック製等の試験管や比色管等が挙げられる。
【0028】また、上記標本としては、各々の上記着色
検定液の色と同じ色を付した着色体を用いることもでき
る。該着色体としては、各々の上記着色検定液と同じ色
を印刷し且つ各色にその水分濃度を付した印刷物や、着
色検定液を充填した測定用容器を水分濃度の順に並べる
等して撮った写真等が好ましく用いられる。上記標本と
して、上記着色体を使用すると、標本が小さく軽くな
り、場所を取らず可搬性に優れるので好ましいが、上記
着色体を使用する場合には、上記着色体を作成した際に
おける着色検定液の温度、即ち、標本の温度が判るよう
にしておく必要がある。
【0029】また、上記着色した試料も、上記測定用容
器に充填して測定に供するのが好ましい。
【0030】上記水分測定試薬を上記試料に添加する際
における上記所定割合は、上述した水分測定試薬を上記
検定液に添加する際における所定割合と同様である。
【0031】本発明において、試料の色と標本の色とを
目視により照合比較する際における、着色した試料と標
本との温度は、同温度とする必要があり、該温度は、0
〜70℃の範囲とするのが好ましい。上記温度が、0℃
未満であると、検定液若しくは試料が凍る可能性があ
り、また、70℃を超えると、測定中に検定液若しくは
試料中の水分が蒸発し、正しい水分濃度が測定できなく
なる場合があるので好ましくない。本発明における同温
度とは、温度の変化による検定液の変色のずれが、水分
濃度の測定に誤差を実用上与えない範囲の温度をいう。
例えば、塩化コバルト1g/リットルをブチルアルコー
ルに溶解した場合、20〜25℃で実質的に同色であ
る。
【0032】また、上記水分測定試薬として、温度が異
なると変色域がずれる水分測定試薬を使用した場合に
は、異なる温度、例えば0℃と25℃との様に標本及び
試料を加温または冷却して測定する際の温度を調節する
ことにより、変色域を測定の上限下限に調整することが
できる。即ち、本発明においては、着色検定液の色が青
色系から赤色系へと著しく変色する水分濃度を、標本
(各着色検定液)の温度を変化させることにより、測定
する試料に応じて最適な水分濃度の範囲へシフトさせる
ことができるので、1つの水分測定試薬で測定する(照
合比較する)際の温度を変えることによって、比色が困
難な試料を容易に測定することができる。
【0033】更に、測定したい水分濃度の上限と下限と
に変色域がある、異なる界面活性剤を用いた水分測定試
薬を使用して、2種以上の標本を作成することにより、
比色が困難な試料においても水分濃度の管理が容易にで
きる。
【0034】上述の目視により照合比較することにより
試料の水分を定量するには、着色した試料の色と標本の
色とを目視により照合比較して、着色した試料の色に最
も近い着色検定液の色を上記標本中から判別することに
より行うことができ、この際、判別された着色検定液に
おける水分濃度を確認することにより、上記試料の水分
の定量を行うことができる。
【0035】
【作用】本発明は、ハロゲン化コバルトやハロゲン化銅
の結晶水による色の変化を利用したものである。例え
ば、塩化コバルトを例に取ると、無水塩化コバルトの溶
液に水分を添加すると、水和して青色からピンク色に且
つ添加した水分の量に応じて変化する。従って、水分濃
度の異なる検定液に無水塩化コバルトの溶液を添加する
ことにより、種々色の異なる着色検定液を得ることがで
き、該着色検定液から作成される標本の色と、被測定液
である試料について同様の操作を行うことにより得られ
る着色された試料の色とを、目視により照合比較するこ
とにより、試料の水分を定量できる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】〔参考例1〕 塩化コバルト(II)無水和物をポリオキシエチレン(酸
化エチレン付加モル数=10モル)オクチルフェニルエ
ーテルに溶解し、塩化コバルト(II)無水和物の濃度
が、1g/リットルである水分測定試薬を得た。また、
イソプロピルアルコールに水を添加して、水分濃度が2
〜12重量%まで2重量%刻み(2重量%、4重量%、
6重量%、8重量%、10重量%、12重量%)に調整
された6種の検定液を得た。各検定液2mlと水分測定試
薬2mlとを10ml試験管内で混合し静置して、6種の着
色検定液を得、これを標本とした。得られた標本の20
℃における色を図1に示す。
【0038】次いで、2点(〔表1〕に示すS1及びS
2)の水分未知の試料(イソプロピルアルコールと水と
の組成物)2mlと、水分測定試薬2mlとを10ml試験管
内で混合し静置して、上記試料を着色した。そして、着
色した試料の色と上記標本の色とを、20℃にて標本の
色と目視により照合比較し、同色と認められる標本中の
着色検定液の水分濃度を、水分未知の試料の水分濃度と
した。
【0039】また、同じ試料について、カールフィッシ
ャー法により水分測定し、本発明の方法により測定した
結果と比較した。その結果を〔表1〕に示す。
【0040】〔実施例〕 水分測定試薬として、塩化コバルト(II)無水和物をヘ
キサン90重量%とポリオキシエチレン(酸化エチレン
付加モル数=10モル)オクチルフェニルエーテル10
重量%との混合液に溶解した液を用い、検定液の水分濃
度を0重量%、2重量%、4重量%、6重量%、8重量
%、10重量%にした以外は、参考例1と同様に標本を
作成した。得られた標本の20℃における色を図2に示
す。次いで、参考例1と同様に2点(〔表1〕に示すS
1及びS2)の水分未知の試料の水分濃度を測定した。
その結果を〔表1〕に示す。
【0041】
【表1】
【0042】〔実施例〕 塩化コバルト(II)無水和物をヘキサン90重量%とポ
リオキシエチレン(酸化エチレン付加モル数=10モ
ル)オクチルフェニルエーテル10重量%との混合液に
溶解し、塩化コバルト(II)無水和物の濃度が、1g/
リットルである水分測定試薬を得た。また、ポリオキシ
エチレン(酸化エチレン付加モル数=2)ブチルエーテ
ル60重量部と、ポリオキシエチレン(酸化エチレン付
加モル数=2)ヘキシルエーテル35重量部との混合液
に水を添加して、水分濃度が2〜12重量%まで2重量
%刻み(2重量%、4重量%、6重量%、8重量%、1
0重量%、12重量%)に調整された6種の検定液を得
た。各検定液1mlと水分測定試薬5mlとを10ml試験管
内で混合し静置して、6種の着色検定液を得、これを標
本とした。得られた標本の20℃における色を図3に示
す。
【0043】次いで、3点(〔表2〕に示すS3〜S
5)の洗浄液1mlと、水分測定試薬5mlとを10ml試験
管内で混合し静置して、上記試料を着色した。そして、
着色した試料の色と上記標本の色とを、20℃にて標本
の色と目視により照合比較し、同色と認められる標本中
の着色検定液の水分濃度を、水分未知の試料の水分濃度
とした。
【0044】また、同じ試料について、カールフィッシ
ャー法により水分測定し、本発明の方法により測定した
結果と比較した。その結果を〔表3〕に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】〔参考例2〕 塩化コバルト(II)無水和物をプロピルアルコールに溶
解し、塩化コバルト(II)無水和物の濃度が、5g/リ
ットルである水分測定試薬を得た。また、イソプロピル
アルコールに水を添加して、水分濃度が0〜20重量%
まで4重量%刻み(0重量%、4重量%、8重量%、1
2重量%、16重量%、20重量%)に調整された6種
の検定液を得た。各検定液2mlと水分測定試薬2mlとを
10ml試験管内で混合し静置して、6種の着色検定液を
得、これを標本とした。得られた標本の20℃における
色を図4に示す。
【0048】また、標本の温度と標本の色との関係を、
標本の温度を0℃、20℃、60℃とした場合におけ
る、標本中の各着色検定液の色の変化を観察して求め
た。即ち、着色検定液の色が青色系から赤色系に変色す
る水分濃度が、温度に如何に変化するかについて観察し
た。その結果を〔表4〕に示す。
【0049】次いで、2点(〔表5〕に示すS6及びS
7)の水分未知の洗浄液(イソプロピルアルコールと水
との組成物)2mlと、水分測定試薬2mlとを10ml試験
管内で混合し静置して、上記洗浄液を着色した。そし
て、着色した洗浄液の色と上記標本の色とを、20℃に
て標本の色と目視により照合比較し、同色と認められる
標本中の着色検定液の水分濃度を、水分未知の洗浄液の
水分濃度とした。
【0050】また、同じ洗浄液について、カールフィッ
シャー法により水分測定し、本発明の方法により測定し
た結果と比較した。その結果を〔表5〕に示す。
【0051】〔参考例3〕 水分測定試薬の溶媒として用いたプロピルアルコール
を、ブチルアルコールにした以外は、参考例2と同様に
標本を作成し、0℃、20℃、60℃における標本中の
各着色検定液の色の変化を求めた。その結果を〔表4〕
に示す。
【0052】〔参考例4〕 水分測定試薬の溶媒として用いたプロピルアルコール
を、ヘキシルアルコールにした以外は、参考例2と同様
に標本を作成し、0℃、20℃、60℃における標本中
の各着色検定液の色の変化を求めた。その結果を〔表
4〕に示す。
【0053】〔参考例5〕 水分測定試薬の溶媒として用いたプロピルアルコール
を、オクチルアルコールにした以外は、参考例2と同様
に標本を作成し、0℃、20℃、60℃における標本中
の各着色検定液の色の変化を求めた。その結果を〔表
4〕に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】〔参考例6〕 塩化コバルトを塩化銅にし、検定液の水分濃度を0重量
%、4重量%、6重量%、8重量%、10重量%、12
重量%にした以外は、参考例2と同様に標本を作成し
た。標本の20℃における色を図5に示す。
【0057】〔参考例7〕 塩化コバルトを臭化コバルトにし、検定液の水分濃度を
0重量%、2重量%、4重量%、6重量%、8重量%、
10重量%にした以外は、参考例2と同様に標本を作成
した。標本の20℃における色を図6に示す。次いで、
参考例2と同様に3点(〔表6〕に示すS8〜S10)
の水分未知の洗浄液の水分濃度を測定した。その結果を
〔表6〕に示す。
【0058】
【表6】
【0059】〔参考例8〕 塩化コバルトを、塩化コバルトと塩化鉄との混合物(重
量比5:2)にした以外は、参考例2と同様に標本を作
成した。標本の20℃における色を図7に示す。
【0060】〔参考例9〕 検定液の水分濃度を、0重量%、4重量%、6重量%、
8重量%、10重量%、12重量%にした以外は、参考
例2と同様に着色検定液を作成し、得られた各着色検定
液を写真にとり、該写真を基に水分濃度と該水分濃度に
おける色とを印刷した印刷物からなる着色体を作成し、
該着色体を標本とした。得られた標本を図8に示す。
【0061】
【発明の効果】本発明の水分測定方法によれば、水分濃
度未知の試料中の水分を、簡便且つ安価に、しかも広範
囲の水分濃度において精度良く測定することができる。
従って、本発明の水分測定方法は、電子部品や精密部品
類の洗浄に用いられる洗浄液で、水分を添加し非危険物
化している洗浄液の水分管理を行う際等において、特に
好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、参考例1で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図2】図2は、実施例で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図3】図3は、実施例で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図4】図4は、参考例2で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図5】図5は、参考例6で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図6】図6は、参考例7で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図7】図7は、参考例8で作成した標本の色を示す概
略図である。
【図8】図8は、参考例9で作成した標本(着色体)の
色を示す概略図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々水分濃度の異なる複数の水分濃度既
    知の検定液に、ハロゲン化コバルト又はハロゲン化銅を
    界面活性剤と疎水性溶媒との混合液に溶解した水分測定
    試薬を、各々所定割合で添加混合して、水分濃度に応じ
    て着色度の異なる複数の着色検定液を得、複数の該着色
    検定液を用いて標本を作成し、上記水分測定試薬におけ
    る上記ハロゲン化コバルト又はハロゲン化銅と上記界面
    活性剤との割合が、上記界面活性剤100重量部に対し
    て、上記ハロゲン化コバルト又はハロゲン化銅0.1〜
    2.0重量部であり、 一方、水分濃度が未知の試料である、界面活性剤及び/
    又は溶剤と水とを含有する洗浄液に、上記水分測定試薬
    を、上記所定割合にて添加混合して該試料を着色し、 然る後、着色した上記試料の色と上記標本の色とを、同
    温度で目視により照合比較することにより、上記試料の
    水分を定量することを特徴とする水分測定方法。
  2. 【請求項2】 上記水分測定試薬が、更に、鉄化合物を
    含むことを特徴とする請求項1記載の水分測定方法。
  3. 【請求項3】 上記標本が、各々の上記着色検定液の色
    と同じ色を付した着色体であることを特徴とする請求項
    又は2記載の水分測定方法。
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