JP3328844B2 - プラズマプロセス装置 - Google Patents

プラズマプロセス装置

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JP3328844B2 JP25493992A JP25493992A JP3328844B2 JP 3328844 B2 JP3328844 B2 JP 3328844B2 JP 25493992 A JP25493992 A JP 25493992A JP 25493992 A JP25493992 A JP 25493992A JP 3328844 B2 JP3328844 B2 JP 3328844B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマプロセス装置に
係り、特に、ECR(Elec-tron Cyclotron Resorance)
を用いたプラズマプロセス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のECR装置の典型的な構成とし
て、J. Asmussen, Electron Cyclotronresonance micro
wave discharges for etching and thin film depositi
am, J.Vac. Sci. Technol 883, A7, 1989 に示されたも
のが知られている。これは、図4に示すように、上部よ
り導波管1にてマイクロ波2(通常2.45GHz)をプ
ラズマ室3内に導き、外部に設置した磁場コイル4によ
り、プラズマ室3中に所要の磁場(通常875guass)を
生成し、ECR層(ECRを起こすような等磁場面)を
作ってプラズマを形成するようになっている。そして、
プラズマ中で生成された気相反応物が下方の基板5上に
到達し、該基板5に対して薄膜成長やエッチングを行
う。
【0003】上記構成のECR装置は、プラズマを効率
良く形成できるために急速に実用範囲を広げているが、
薄膜トランジスタ(TFT thin film transister)の作
成工程のうち、a−Si膜(amolphaus silicon膜)を大
面積ガラス基板に生成するときなどに問題が生じる。す
なわち、キャリア移動度の大きい良質のa−Si膜を生
成するには、マイクロ波の入力パワーを下げてラジカル
含有量に比してイオン含有量の少ないプラズマを形成し
て、微結晶度の少ない薄膜を形成する必要があるが、そ
の場合、上記ECR装置ではプラズマは容器中央部分に
集中・局在化し、その結果、薄膜分布が基板中央で厚
く、周辺部で薄くなってしまう欠点がある。
【0004】このようにプラズマ不均一性の問題を解決
するために多くの出願がなされている。それらは二つの
グループに分けることができ、その第1のグループに属
するものは、特開昭63−219128号公報,特開昭
63−43324号公報,特開平1−100263号公
報,特開平2−50429号公報などであって、プラズ
マ領域から基板に至るまでの磁力線を発散型にすること
によって、仮に生成プラズマが局所集中していても基板
に入射するときには充分に拡大させ、不均一性を緩和し
ようというものである。
【0005】また、第2のグループに属するものは、特
開昭62−248226号公報,特開昭63−1315
00号公報,特開昭63−316427号公報,特開平
2−170978号公報などであって、プラズマ室内で
プラズマ集中の原因となるマイクロ波の分布を導波管や
アンテナ形状の工夫によって拡げ、プラズマを均一化し
ようというものである。具体的には、上記各公報では、
スリット付き板状アンテナをプラズマ室の壁際に配し、
そこでのマイクロ波を強くしてプラズマ分布を周辺部に
集めるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のうち、第1のグループに属するものでは、小さ
なプラズマを拡大・希釈するものであるから、薄膜速度
が拡大率に反比例して低下し、また極端な拡大はできな
いところから、A4サイズ以上の液晶パネルの作成には
向かないという問題がある。
【0007】また、第2のグループに属するものでは、
プラズマが直接金属物に接触するため、成膜時に金属汚
染を引き起こすという問題がある。この金属汚染に対し
ては、図5に示すように、金属三角錐6をテーパ導波管
7内に配し、マイクロ波を周辺部に局在させるようにし
たものが同一出願人により出願されている。これは、石
英仕切板8でプラズマが分離されるので、金属汚染の心
配はないが、テーパ導波管7内に入ってくるマイクロ波
モードがTE11の直線偏波モードであるために、金属
三角錐6の底部に相当量の高周波電流が流れ、それが二
次放射アンテナとなってプラズマ室中心部にも再び強
いマイクロ波強度分布を作ってしまうため、プラズマの
均一化が期待したほど達成できない。
【0008】本発明の目的は、マイクロ波の分布を周辺
部局在となるようにして、プラズマ分布を平坦にし成膜
の均一化を図ることができるプロセスプラズマ装置を提
案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、放電ガスが導入されプラズマが生成され
るプラズマ生成室と、該プラズマ生成室に磁場を発生す
る磁場発生手段と、前記プラズマ生成室に電磁波を導入
する導波管とを備え、前記電磁波と磁場との共鳴作用に
より前記プラズマ生成室内にプラズマを生成し、該プラ
ズマ生成室内に設置された試料の処理を行うプラズマプ
ロセス装置において、前記導波管内に金属製導体を該導
波管と同軸状に設置し、前記導波管内に同軸TEMモー
ドを導入し、該同軸TEMモードを拡張した後に、前記
金属製導体を用いて前記プラズマ生成室の周辺部に同軸
TEMモードに導入したものである。
【0010】また、本発明は、プラズマ生成室内にEC
Rを用いてプラズマを生成し試料を処理するプラズマプ
ロセス装置において、前記プラズマ生成室に接続された
導波管内に金属製導体を該導波管と同軸状に設置し、前
記導波管内に同軸TEMモードを導入し、該同軸TEM
モードを拡張した後に、前記金属製導体を用いて前記プ
ラズマ生成室の周辺部に同軸TEMモードに導入した
のである。
【0011】さらに、本発明は、プラズマ生成室内にE
CRを用いてプラズマを生成し試料を処理するプラズマ
プロセス装置において、前記プラズマ生成室に石英仕切
板を介して同軸導波管を接続し、前記同軸導波管と前記
プラズマ生成室との接続部の断面を連続させ、前記同軸
導波管内で前記石英仕切板上の中心部に所定の断面積を
有する同軸アンテナを設けたものである。
【0012】
【作用】上記構成によれば、同軸導波管変換器を設けた
ことにより、電磁波モードを導波管の直前でTE11
線偏波モードからTEM同軸モードに変換することがで
き、さらに、導波管内に金属製導体を同軸状に設置した
ので、変換したTEM同軸モードの電磁波をそのままプ
ラズマ生成室まで導くことができ、周辺部に強い電磁波
分布を形成することができる。その結果、試料に形成さ
れる成膜を均一にすることが可能となる。
【0013】また、金属製導体テーパ状に形成すると
よい。このようにすれば電磁波の進行性、すなわちホ
ーン(出口周りの境界条件によって反射波が誘起され、
それが全体の電磁波分布を乱してしまうが、その反射波
誘起が少ないこと)がよくなって、より確実にプラズマ
均一化を図ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を一実施例を図面に従って説明
する。図1は本発明のプラズマプロセス装置の概略構成
を示している。図において、矩形導波管10の一端側に
はマグネトロン11が、他端側には同軸導波管変換器1
2がそれぞれ接続されている。また同軸導波管変換器1
2にはテーパ導波管13が接続され、そのテーパ導波管
13の外側に磁場コイル14が配設されている。テーパ
導波管13の内部にはテーパ状をした同軸ホーンアンテ
ナ15がテーパ導波管13と同軸状に設けられ、その同
軸ホーンアンテナ15の一端は同軸導波管変換器12の
同軸出力の内導体とつながっている。なお、図中の符号
16は石英仕切板を、17はプラズマを、18は基板を
それぞれ示している。
【0015】次に本実施例の作用について説明する。マ
グネトロン11より発生したマイクロ波(通常2.54
GHz)の電磁波はTE11モードで矩形導波管10を
伝わり、同軸導波管変換器12に至り同軸TEMモード
に変わる。同軸TEMモードのマイクロ波は同軸ホーン
アンテナ15伝わり、石英仕切板16の外で共鳴層に
ぶつかりプラズマ17を電離する。そして、磁場コイル
14は共鳴層で電子サイクロトロン周波数となるような
磁場(通常875gauss)を発生する。プラズマ17は
概念的にドーナツ状のものとなり、そこで生成された中
性ラジカル種が基板18上に拡散・堆積することによ
り、結果として平坦な成膜が行われる。
【0016】同軸導波管変換器12は一般によく用いら
れるもので、通常の設計法に従って製作すればよく、特
に目新しいものではない。同軸ホーンアンテナ15は、
材質は例えばアルミニウムなどの良導体を用いて製作す
る。同軸ホーンアンテナ15はマイクロ波の進行に従っ
てその開口面積が大きくなるものであるから、反射波の
発生が抑えられる傾向を有しており、反射波によってマ
イクロ波分布を乱してしまうことが少ないという利点を
有している。
【0017】図2は、開口部における、つまりA−A線
に沿ったマイクロ波電場E及び磁場Hのパターンを示し
ている。従来技術におけるマイクロ波電場E及び磁場H
のパターンは、図6および図7のようになる。図6は図
5のB−B線に沿ったパターン(円形TE11モード)
であり、図7は図5のC−C線に沿ったパターン(同軸
TE11モード)である。これらのパターンはTE11
モードのものであり、内導体に電流が流れる結果、電波
がここで放射され、結果としてのマイクロ波が乱れてし
まう。これに対して本発明のマイクロ波パターンでは、
図2に示すように、内導体を横切って電流は流れないた
め、ここでの放射は問題を生じない。
【0018】図3は他の実施例を示している。本実施例
は同軸ホーンアンテナ15の中に第2の磁場コイル20
が設けられたもので、この磁場コイル20には、テーパ
導波管13の外側に設けられた磁場コイル14を流れる
電流とは逆向きの電流を流すようになっている。これに
より、プラズマ生成部のあたりで磁場が強め合い、基板
18に向かうに従って開いた磁力線パターンとなる。そ
して、基板18にはドーナツ状のプラズマが拡大されて
降り注ぐことになり(プラズマは磁力線に沿って移動す
るため)、基板18上での均一性を一層増すことにな
る。また、磁場コイル20に流す電流を可変とし調節可
能とすれば、基板18上での成膜の均一性をより一層向
上させることができる。なお、図中の符号21は磁場コ
イル20につながった引出線を、22は引出線22の端
部に設けられた端子をそれぞれ示している。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マイクロ波を軸対称性のよい同軸TEMモードとしてプ
ラズマ生成室まで導くことができるので、非中心集中型
のマイクロ波分布ひいてはプラズマ分布を形成すること
が可能となる。その結果、大面積の基板にても均一性の
高い膜を高いスループットで生成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプラズマプロセス装置
の概略構成図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】の実施例によるプラズマプロセス装置の概略
構成図である。
【図4】従来のプラズマプロセス装置の一例を示した図
である。
【図5】従来のプラズマプロセス装置の他の例を示した
図である。
【図6】図5のB−B線に沿った断面図である。
【図7】図5のC−C線に沿った断面図である。
【符号の説明】 10 矩形導波管 11 マグネトロン 12 同軸導波管変換器 13 テーパ導波管 14,20 磁場コイル 15 同軸ホーンアンテナ 16 石英仕切板 17 プラズマ 18 基板 21 引出線 22 端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 金也 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所 エネルギー研究所内 (72)発明者 島 健蔵 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 鈴木 和夫 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 審査官 山中 真 (56)参考文献 特開 平6−5386(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 14/22 H05H 1/46 G01R 33/64 H01L 21/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電ガスが導入されプラズマが生成され
    るプラズマ生成室と、該プラズマ生成室に磁場を発生す
    る磁場発生手段と、前記プラズマ生成室に電磁波を導入
    する導波管とを備え、前記電磁波と磁場との共鳴作用に
    より前記プラズマ生成室内にプラズマを生成し、該プラ
    ズマ生成室内に設置された試料の処理を行うプラズマプ
    ロセス装置において、 前記導波管内に金属製導体を該導波管と同軸状に設置
    し、前記導波管内に同軸TEMモードを導入し、該同軸
    TEMモードを拡張した後に、前記金属製導体を用いて
    前記プラズマ生成室の周辺部に同軸TEMモードに導入
    したことを特徴とするプラズマプロセス装置。
  2. 【請求項2】 プラズマ生成室内にECRを用いてプラ
    ズマを生成し試料を処理するプラズマプロセス装置にお
    いて、前記プラズマ生成室に接続された 導波管内に金属製導体
    を該導波管と同軸状に設置し、前記導波管内に同軸TE
    Mモードを導入し、該同軸TEMモードを拡張した後
    に、前記金属製導体を用いて前記プラズマ生成室の周辺
    部に同軸TEMモードに導入したことを特徴とするプラ
    ズマプロセス装置。
  3. 【請求項3】 プラズマ生成室内にECRを用いてプラ
    ズマを生成し試料を処理するプラズマプロセス装置にお
    いて、 前記プラズマ生成室に石英仕切板を介して同軸導波管を
    接続し、前記同軸導波管と前記プラズマ生成室との接続
    部の断面を連続させ、前記同軸導波管内で前記石英仕切
    板上の中心部に所定の断面積を有する同軸アンテナを設
    けた ことを特徴とするプラズマプロセス装置。
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