JP3328807B2 - 自動車の走行特性の解析方法、及び自動車の走行特性を調整する方法と装置 - Google Patents
自動車の走行特性の解析方法、及び自動車の走行特性を調整する方法と装置Info
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Description
の解析方法に関する。
整する方法と装置にも関する。
に評価する場合の本質的な判定基準は、いわゆるドライ
バビリティである。一般に、ドライバビリティのもとに
主観的な走りの感覚が理解されており、この感覚は特に
過渡的な運転状態における車両の挙動に関係する。
開公報には、以下のようなステップで実施される自動車
の走行特性の解析方法が記述されている。 −走行特性に関する測定量を得るために実車での測定を
実施するステップ、 −予め設定されたトリガ条件、すなわち一定の測定量の
状態が満たされているかどうかを継続的にチェックする
ステップ、 −トリガ条件が満たされている場合、予め設定された関
数に基づく、1つまたはそれ以上の測定量から車両のド
ライバビリティを表す少なくとも1つの評価量を計算す
るステップ、 −評価量を出力するステップ、 ここで評価量とは、ドライバビリティに関する車両の品
質を表す変数である。この場合コストのかかる計算方法
と試験員の較正(キャリブレーション)により、測定量
から計算された評価量と試験員による主観的な評価との
間で、可能な限り広範な関係性が構築される。
性の評価が一定の変動範囲で様々に行われることは当然
である。しかしこの違いには、推計学的な要素のほか
に、一定の体系的な要素もあることが明らかになってい
る。同様に、様々なドライバーの車両のドライバビリテ
ィに関する願望および要求事項は、厳密に同じものでは
ない。これは、あらゆるドライバーが実際に最適と感じ
るようにドライバビリティを最適化することは一般的に
言って不可能であることを意味する。たとえば快適性を
重視するドライバーはジャーキング振動を特に妨げと感
じるのに対し、スポーツ性を重視するドライバーは一定
の運転状態におけるジャーキング振動をむしろ肯定的に
評価することがある。欧州特許第0304089号公開
公報とドイツ特許第3715423号公開公報から、様
々なセンサ信号に基づき、そのつどのドライバーのタイ
プを検出し、検出されたタイプに依存してエンジンまた
は車両の一般機器に対して様々な調整を行う方法または
装置が知られている。この場合、制御技術的には測定値
に基づいて調整が行われるが、その測定値に対してこの
調整が影響を及ぼすことはない。このような措置の効果
は必然的に限られている。
する課題は、主観的に感覚された値と計算結果とがより
良く一致するように、自動車の走行特性の解析技術を高
めること、及びそのつどのドライバーから十分に独立し
た走行特性調整方法と装置を提供することである。
に、本発明に係る自動車の走行特性の解析方法、及び、
自動車の走行特性を調整する方法と装置は、特許請求の
範囲の請求項1から5に記された特徴構成を備えてい
る。
走行特性の解析方法は、走行特性に関する測定量を得る
ための実車での測定を行うステップ、得られた測定量に
対して予め設定されたトリガ条件、すなわち特定の測定
量の状態が満たされているかどうかを継続的にチェック
するステップ、該当する自動車のドライバータイプを 表
す複数の変数が前記測定量から導かれるステップ、前記
ドライバータイプを表す変数に基づいて前記ドライバー
に対して予め設定されたタイプのグループから1つのド
ライバータイプが割当てられるステップ、トリガ条件が
満たされている場合、予め設定された関数に基づき、1
つまたはそれ以上の測定量から車両のドライバビリティ
を表す少なくとも1つの評価量を計算するとともに、そ
の際前記割り当てられたドライバータイプに依存する重
み係数を用いて前記測定量の重み付けが行われるステッ
プ、および評価量を出力するステップ、からなることを
特徴としている。
本発明の請求項1による自動車の走行特性の解析方法で
は、ドライバータイプを表す変数に依存する重み係数
が、評価量の計算に反映されるので、それぞれのドライ
バータイプを考慮に入れた状態で、自動車の走行特性を
良好に評価することが可能になる。
行特性を調整する方法は、走行特性に関する測定量を得
るための実車での測定を実施するステップ、予め設定さ
れたトリガ条件、すなわち特定の測定量の状態が満たさ
れているかどうかを継続的にチェックするステップ、該
当する自動車のドライバータイプを表す複数の変数が前
記測定量から導かれるステップ、前記ドライバータイプ
を表す変数に基づいて前記ドライバーに対して予め設定
されたタイプのグループから1つのドライバータイプが
割当てられるステップ、トリガ条件が満たされている場
合、予め設定された複数の関数に基づき、1つまたは複
数の測定量から車両のドライバビリティを表す複数の評
価量を計算し、これらの複数の評価量から成る1つの特
性を求めるとともに、その際前記割り当てられたドライ
バータイプに依存する重み係数を用いて前記測定量の重
み付けが行われるステップ、前記複数の評価量からなる
特性が前記ドライバータイプに依存する先に設定された
目標特性に近似するように、車両の走行特性に影響を及
ぼす少なくとも1つのアクチュエータに対する調整量の
変更が決定されるステップ、からなることを特徴として
いる。
本発明の請求項2による自動車の走行特性を調整する方
法では、測定量から導かれたドライバータイプを表す変
数に応じて、車両の走行特性を左右するアクチュエータ
等が調整操作されるので、特定のドライバータイプへ車
両の走行特性を最良に適合させることが可能になる。
行特性を調整する装置は、ドライバビリティにとり重要
な測定量を検出するためのセンサを有する測定システム
と、検出された測定量から車両のドライバビリティを表
す少なくとも1つの評価量を導くための計算ユニットと
を備え、該当する自動車のドライバータイプを表す複数
の変数が前記測定量から導かれ、前記ドライバータイプ
を表す変数に基づいて前記ドライバーに対して予め設定
されたタイプのグループから1つのドライバータイプが
決定され、予め設定された関数に基づき、1つまたはそ
れ以上の前記測定量から車両のドライバビリティを表す
複数の評価量が計算され、その際前記評価量を計算する
際に前記割り当てられたドライバータイプに依存する重
み係数を用いて前記測定量の重み付けが行われ、複数の
前記評価量からなる特性が前記ドライバータイプに依存
する先に設定された目標特性に近似するように、制御装
置が車両の走行特性に影響を及ぼす少なくとも1つのア
クチュエータを調整することを特徴としている。
本発明の請求項5による自動車の走行特性を調整する装
置では、現在のドライバータイプを決定して、制御装置
が車両の走行特性を決定されたドライバータイプにでき
るだけ合うように調整操作することができるので、ドラ
イバータイプにマッチした走行特性が得られる。
リティの評価に違いを生じさせることになる体系的な要
素は、1つまたは複数の変数で特徴づけられることが明
らかになっている。この変数は基本的にドライバビリテ
ィと同様のデータに基づいて導かれるが、必要がある場
合には追加の測定量が検出される。その際、この変数を
言葉で定義されたドライバータイプと一致させることが
できる。基本的に、獲得された測定量から1つまたは複
数の変数を導く様々な方法が考えられる。たとえば、快
適性−スポーツ性指数を表すような変数を定義すること
が可能である。その際、該当するドライバーは、特別に
快適性を重要視するケースと特別にスポーツ性を重要視
するケースとの間で、常に段階的に評価される。しかし
その代替案として、快適性とスポーツ性のそれぞれに1
つの独立変数を定義することも可能である。他方、その
変数に関する一定の不連続値のみを許容することも可能
であり、これらの値の各々は特定の予め定義されたドラ
イバータイプに相当する。このようなタイプを言葉で示
すと、たとえば、注意深い、快適性を重要視、練習不
足、スポーツ性、せわしなさ等々と表わすことができ
る。さらにドライバータイプを表す幾つかの特性のため
の変数を定義し、この変数から第2ステップで様々なタ
イプに分類することも可能である。このような特性のた
めの変数は、たとえば次のようなものに対するものであ
る。快適性/スポーツ性の比率、節約性、車両のコント
ロール等々。すなわち、このような場合には多面的な評
価が存在し、そのつどのドライバーの特性は、異なる特
徴を評価する様々な変数から作られる。
解釈は、本発明に基づく方法のより良い理解と、より良
い説明にのみ利用される。実際に実施する場合には、適
切な精度と再現性を保証するために、数学的および統計
的な方法で処理される。本発明による方法が、同様にド
ライバーが識別される従来の方法に対して持つ本質的な
相違点は、測定量に基づいて決定されたドライバータイ
プがドライバビリティの計算に用いられるという点であ
り、従って走行特性の広範な適合性自己学習の最適化を
可能にする幾重にも複雑に入り組んだ制御回路が構築さ
れる。
ビリティが各ドライバーに依存しないと見なされてはな
らないことである。ドライバータイプは、測定量から該
ドライバーの挙動に関する情報が得られるように計算の
中で用いられる。たとえば、静粛な快適性を重要視する
ドライバーであるか、それともスポーティな攻撃性を重
視するドライバーかどうかは、スロットルバルブ開度の
変化の頻度および度数が示す。ドライバータイプを評価
するために、たとえば、操舵角もしくは操舵角速度のよ
うな、必ずしも直接ドライバビリティに関係しない測定
量も考慮することができる。
で前記測定量が分類され、必要がある場合には相当する
ドライバータイプに割当てられ、もしくはドライバータ
イプを分類する変数が一定の値に割当てられる。その際
このような割当ては、同一の車両が同一のタイプのドラ
イバーによる同一の運転操作において可能な限り同一に
評価されるように実施されるのに対し、異なるタイプの
ドライバーからは異なる評価を得ることができる。ドラ
イバータイプに依存する、車両走行特性に及ぼす影響に
は様々な可能性がある。まず初めにドライバーによって
行われた行動に基づきドライバータイプが決定される。
このように把握されたドライバータイプに基づき、本発
明の第1変形態様において、影響量を変化させることが
できる。これは、期待される走行特性がそれぞれのドラ
イバータイプに適合するようにエンジン特性領域が格納
されたいくつかの種類の中から選択されることを意味す
る。このような調整制御は、好ましくは以下に説明する
調整制御と重ね合される。
は、瞬間的に決定された一つまたは複数の評価量につい
て、1つまたは複数の目標値からの偏差を決定すると言
う操作が継続的になされる。この目標値は、同時に決定
されたドライバータイプを定める変数から、予め設定さ
れた関数に従って導かれる。それ自体は公知の多変量制
御方法により、たとえばニューラルネットワークに基づ
いて目標値からの偏差を低減することが試みられてい
る。ニューラルネットワークは、簡略化された人間の脳
細胞のコンピュータ用の模擬を表し、自由に選択できる
様々なレベルの多数の入力、出力、ノードおよびノード
結合から成る。このようなニューラルネットワークの学
習により、入力量の変動が出力量つまり測定量に及ぼす
影響の予測を可能にするようなノードの重み係数を決定
することができる。したがって調整制御偏差が存在する
場合には、まず初めに一度、この調整制御偏差を小さく
するために、入力量、例えばエンジン特性領域等の選択
をどのような方法で変化できるかという評価が存在す
る。システム内の関連性は完全に知られていないので、
このような事象は、事情により最適化を達成するために
多数のステップを必要とする反復法のプロセスになる。
調整制御が段階的に実施されることである。たとえば、
追い越しを実施するために、ドライバーがアクセルペダ
ルを深く踏込み、瞬間的に最大加速度を望むことが知ら
れている場合のような、即座に実行に移せるような調整
制御介入がある。このような場合には、ジャーキング振
動等を考慮しないで最大出力を提供するために、直ちに
対応措置がとられる。これと逆に新たに走行を開始する
際に、すなわちドライバーが場合により交替するような
時は、把握されたドライバータイプに車両の基本設定が
合わせられる。走行中にドライバーが希望する変化も考
慮できるようにするため−たとえば数分単位で−走行中
の顕著な走行特性が識別され、それに対応する微調整が
行われる。
に、さらに追加で摩耗、老朽化、故障等による車両自体
の長期的な変化を識別および調整することができる。た
とえば長期的な範囲では、車両の老巧化の影響下におい
て好都合であるようにアイドリング調整が変更される。
部の結果としてドライバーによる車両操縦挙動度も算出
することができる。たとえば個々の車輪の回転数、横向
き加速度および垂直軸周りでの回転角のような種々の測
定値から、当該車両がどの程度操縦性の限界領域にある
かを算出することができる。他方、上述のように、ドラ
イバーによる車両操縦挙動度は同様に測定値から導くこ
とができる。ここで前記両方の情報を互いに関連させな
がら、ドライバーがその個人的限界領域にどの程度踏込
んでいるかを示す指数を導き出すことができる。この指
数は例えば、ドライバーが瞬間的に、安全な車両コント
ロールの圏外に入りつつある場合にこれを100%と言
う値で表現するように構成することができる。これによ
り100%以上の値になる場合、ドライバーが車両のコ
ントロールを失うことが予想される。その逆に、たとえ
ば90%と言った所定の最大値を、一般に危険が生ずる
状況に対して未だ十分な幅のある状態として定義するこ
とができる。特にドライバーに危険な状況を警告するた
めの量を表示することができる。その際、特に好ましい
のは、経験を積んで車両を良好にコントロールできるド
ライバーは、前述のような危険状況の警告では、経験を
積んでいないドライバーよりも明らかに遅れて警告され
ることである。このような方法により、運転能力に依存
して本質的に目的を定めた警告が可能になる。
領域に関する情報を提供する客観的な評価量が得られる
と言う大きな長所がある。このような値の表示は、ドラ
イバーまたは当該チームのために貴重な応答になるのみ
ならず、レースの観客にも興味を湧かせることができ
る。そのために対応するデータが中央の監視所に伝達さ
れる。
するための装置と、自動車の走行特性を調整するための
装置とに関する。これらの装置では上述の方法が実施さ
れる。
以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるで
あろう。
図面に基づいて解説する。以下に、本発明は図面に示し
た実施例を利用してより詳しく説明する。図1は、走行
特性を解析するための本発明に基づく回路のブロック図
を示す。図2は、図1の回路の制御順序を示す流れ図で
ある。図3は、走行特性に影響を及ぼす回路のブロック
図を示す。図4は、図3のブロック図の回路の動作方式
の流れ図を示す。複数のセンサS1、S2、S3は、車
両の瞬間的な状態を表す測定値を検出する。これらの測
定値の一部は、たとえば縦向き加速度(すなわち前進−
後進方向の加速度)、横向き加速度、エンジン温度等の
ような走行状態に係わり、他方、これらの測定値の他方
の部は、たとえばアクセルペダル開度(スロットルバル
ブの開度)、操舵角、操舵角速度またはシートポジショ
ンのような、ドライバーが直接影響を与える量に係る。
周期的に獲得された測定値は、測定値メモリM−SPに
ファイルされる。識別ユニットTBでは、各時点におけ
る測定値に基づき、いわゆるトリガ条件が存在するかど
うかが決定される。トリガ条件は、測定値が一定の条件
を満たすことにより定義される予め設定された走行状態
である。これらのトリガ条件の1つは、たとえばアイド
リングを表すことができ、その際、この条件はアイドリ
ングの存在とすることができる。すなわち一定のエンジ
ン回転数の減少、完全に又はほぼ完全に閉じられたスロ
ットルバルブおよびギヤが入っていない状態またはクラ
ッチが外された状態である。トリガ条件が存在する場
合、評価ユニットAWで測定量から幾つかの予め指定さ
れた関数の関数値が算出される。これらの関数値は評価
基準とも呼ばれるが、これらの評価基準の計算にはトリ
ガ条件を満たす時点での測定値が含まれるのみならず、
このトリガ条件を満たす時点の前後の一定の時間的範囲
の測定値も含まれる。たとえばトリガ条件アイドリング
が検出されたとき、その時間範囲に存在するジャーキン
グ振動の種類と規模に関する1つまたはそれ以上の評価
基準を計算することができる。この評価をさらに詳しく
するために、トリガ条件に基づいて定義された運転状態
をさらに詳しく分類することができる。たとえばアイド
リングの運転状態は、次のような細分化された運転状態
に分類することができる。発進後のアイドリング、負荷
変動後のアイドリング、エアコンディショナをオンまた
はオフ後のアイドリング、操舵中のアイドリング、ブレ
ーキ中のアイドリング等々。
000回のトリガ条件を検出することができ、かつ、所
定の関数に基づき、これに対応する評価基準の値を計算
することができる。同様の評価基準は、統計的に顕著な
情報を得るために、前述のように算出される。第1集合
ユニットAGG1では多数の関数値から、例えば15に
数を限定した個別評価量が算出される。これらの個別評
価量は、たとえば快適性、応答特性、ジャーキング特
性、低温発進特性またはこれらと類似の特性に関係する
ことができる。第2集合ユニットAGG2では、所定の
アルゴリズムに基づき個別評価量から総合評価量DRが
計算される。前述の回路は、ここまで述べた限りでは、
欧州特許第0846945号公開公報に記載されている
ような、解決策に相当する。この回路の詳細に関して
は、公表されている前記印刷物を参照のこと。しかし、
本発明に基づく解決策では、それに加えて第1ドライバ
ー解析ユニットF1において、前述の測定値から、たと
えばスポーツ性、走行適性およびこれらと類似の特性の
ような、当該ドライバーの一定の性質を表す一連の変数
が算出される。これらのドライバーの性質の特性から、
第2ドライバー解析ユニットF2で、当該ドライバーに
対して多数の予め設定されたタイプの中から1つのドラ
イバータイプFTが割当てられる。この場合に本発明で
本質的なことは、第2ドライバー解析ユニットF2で決
定されるドライバータイプFTが、集合ユニットAGG
1およびAGG2で実施される計算に用いられることで
ある。それに加えて、すでに第1ドライバー解析ユニッ
トF1での解析結果も、集合ユニットAGG1およびA
GG2における計算に影響を及ぼすことができる。その
際この影響は、本発明に基づき、総合評価の計算時に個
別評価に対する重み付けがドライバータイプに従って変
化させる方法で行われる。しかしまた、ドライバータイ
プに依存する個々の評価基準を計算から完全に除外する
ことも可能である。たとえば、特にスポーツタイプのド
ライバーが検出されたとき、ジャーキングをドライバビ
リティの評価にとり重要性のない、一定のノイズ閾値以
下と見なして無視することができる。
た。この解析では、周期的に数ミリ秒の間隔をあけて常
に繰り返して同一の計算サイクルが実施される。ある時
点tで得られた測定値は、ステップFTにおいてドライ
バータイプを決定するために予め設定された関数に適用
される。この関数は、その走行特性をテストするため
に、多数の試験員で実施された調査から、統計的な方法
を利用して導かれている。さらに、ステップTBにおい
て測定データがトリガ条件の存在に関してチェックされ
る。このときトリガ条件が存在しないことが確認される
と(ステップTBでNO分岐)、プログラムの進行は再び
サイクルの始めに戻る。トリガ条件が存在する場合(ス
テップTBでYES分岐)、ステップKRITにおいて、
予め設定された関数に基づき、特定時点での個別評価量
の値の元となる個々の評価基準から構成されるベクトル
が求められる。このベクトルは、ステップSPにおいて
メモリに記憶される。その後で、この進行が再びサイク
ルの始めに戻る。予め設定された時間範囲の経過後また
は走行の終了後、記憶された値が統計的に処理される。
その場合には、例えば同じ種類の状態に関係している値
が測定誤りを調整するために用いられて計算される。ス
テップMFTにおいてドライバータイプが計算に用いら
れ、かつ、ステップEDRにおいて個別評価量を得るた
めの評価基準が処理される。個別評価量は、試験員の主
観的な感覚と比較できるようにするため、発進特性、ア
イドリング、品質およびこれらと類似の特性のような言
葉でも定義される。ステップGDRにおいて個別評価量
が個々の変数として走行特性の総合評価を表す総合評価
量にまとめられる。この計算では、ドライバータイプに
依存する予め設定された関数が使用される。これによ
り、たとえばスポーツタイプのドライバーが、特定の車
両を、注意深いドライバーまたは快適性を重要視するド
ライバーと異なる感じ方をする状況が考慮されている。
この流れ図においてαはスタートを、Ωはエンドを表す
記号である。
様と部分的には一致している(図3の上側半分は一致し
ているがその下側半分が異なっている)。以下では、主
としてその違いについて述べる。取得されているドライ
バータイプに応じて、対応するメモリSW−SPから、
その目標とすべきドライバータイプに対応した個別評価
量を含む目標特性が呼出される。この目標特性は、多数
の試験員に出した質問の統計評価に基づき、実施したテ
スト走行との関係で得られる。この関連で述べておくべ
きことは、ある1つの値が個別評価量にとって最適であ
るとは見なされないと言うことである。最適な値は1つ
の数値範囲で存在するというか、又は『可能な限り大き
い』といった限界条件表現で設定することができる。集
合ユニットAGGで算出された実際の特性は、制御装置
REGで前述の目標特性と比較され、かつ、所定の制御
アルゴリズムに従って、たとえばエンジン特性領域に影
響を及ぼす調整量が対応するアクチュエータST1、S
T2、ST3に出力される。このような方法で、個別評
価量から成るドライバビリティの特性を、それぞれのド
ライバータイプに適した目標特性に近づけていくことが
可能になる。
な特徴で記載する。この流れ図においてもαはスタート
を、Ωはエンドを表す記号である。第1ループ1は、比
較的大きな時間間隔をもって時点t1、t2、t3でルー
チンを行い、かつ、走行駆動ごとに新たにスタートす
る。初めにステップFTGで基本的なドライバータイプ
が決定される。その際、直接ドライバビリティに関係し
ない情報も処理することができる。例えばこのシステム
は、或るドライバーが運転座席を自分に合わせて正確に
位置決めする操作に基づいて、各ドライバーの特徴に基
づいて既にメモリの中に格納されているドライバーの中
から完全に特定された一人のドライバーが新たな走行を
開始するようだという、反駁可能の仮説を立てることが
できる。ステップGEでは、このようなドライバータイ
プに依存して基本設定が行われる。その後、時点ti1、
ti2で数分の間隔をおいてルーチンが行われるもう1つ
別の時間ループ2が設けられている。このループ内にお
いて、時点tij1、tij2等でルーチンが行われるもう1
つ別のループが考慮されており、この時間間隔はミリ秒
の範囲内にある。上述のように、一方でステップFTで
ドライバータイプの識別が行われ、他方では測定値から
トリガ条件の存在がテストされる。トリガ条件が存在し
ない場合(ステップTBでNO分岐)、この経過は最内側
のループ3に復帰する。しかしトリガ条件が検出される
と(ステップTBでYES分岐)、制御プログラムA1が
呼出される。この制御プログラムでは、メモリに記憶さ
れている走行特性の目標値と実際値が相互に比較され、
かつ、調整制御偏差を小さくするため、この調整制御偏
差に基づき、対応するアクチュエータST1、ST2、
ST3に信号が送信される。しかし制御プログラムA1
では、瞬間的な運転状態と瞬間的な走行要望とに基づき
即座に適合させる必要のあるようなアクチュエータのみ
が調整される。たとえばアクセルペダルを素早くかつ完
全に踏込んだ後、これに対応するエンジン特性領域は直
ちに、エンジン出力が最大になるように調整される。
通過した場合および時点tijmが存在する場合、制御プ
ログラムA2が実施される。その際、走行中に生ずる同
一のドライバーの走行要望の変化が考慮される。これ
は、たとえば郊外走行から市街地走行へ変更することに
より限定することができる。しかしまた、普通は快適性
を指向するドライバーでも大急ぎすることもあり、また
逆に普通はスポーツタイプのドライバーもゆっくり走る
ことがある。制御プログラムA2では、このような微調
整が数分の時間間隔で実施される。ある時点tinで第2
ループ2が予め設定された回数のルーチンを行ったと
き、制御プログラムA3で基本設定が点検される。
ドライバータイプに依存して、基本的に同じ方法でドラ
イバビリティのもう1つ別の最適化を実施することがで
きる。すなわち類似の方法で、検出された測定値から車
両自体の変化に関する逆推論を時間的経過に従って引き
出すことが可能になる。これはドライバビリティに影響
を及ぼすような摩耗現象であり、または走行特性を悪化
させるような故障のこともある。走行特性の最適化を最
良に設計したとき、車両の老朽化または摩耗に限定され
た前述のような変化がそれ自体自動的に調整される。し
かし本発明に記載した意味において、このような変化を
専用の計算ユニットで事前に考慮および調整することも
可能である。
ドライバータイプを考慮して良好に評価するのみなら
ず、特定のドライバータイプへ車両の走行特性を最良に
適合させることも可能になる。
のブロック図
Claims (5)
- 【請求項1】 自動車の走行特性の解析方法であって、 −走行特性に関する測定量を得るための実車での測定を
行うステップ、 −得られた測定量に対して予め設定されたトリガ条件、
すなわち特定の測定量の状態が満たされているかどうか
を継続的にチェックするステップ、 −該当する自動車のドライバータイプを表す複数の変数
が前記測定量から導かれるステップ、−前記ドライバータイプを表す変数に基づいて前記ドラ
イバーに対して予め設定されたタイプのグループから1
つのドライバータイプが割当てられるステップ、 −トリガ条件が満たされている場合、予め設定された関
数に基づき、1つまたはそれ以上の測定量から車両のド
ライバビリティを表す少なくとも1つの評価量を計算す
るとともに、その際前記割り当てられたドライバータイ
プに依存する重み係数を用いて前記測定量の重み付けが
行われるステップ、および −評価量を出力するステッ
プ、 からなる 自動車の走行特性の解析方法。 - 【請求項2】 自動車の走行特性を調整する方法であっ
て、 −走行特性に関する測定量を得るための実車での測定を
実施するステップ、 −予め設定されたトリガ条件、すなわち特定の測定量の
状態が満たされているかどうかを継続的にチェックする
ステップ、−該当する自動車のドライバータイプを表す複数の変数
が前記測定量から導かれるステップ、 −前記ドライバータイプを表す変数に基づいて前記ドラ
イバーに対して予め設定されたタイプのグループから1
つのドライバータイプが割当てられるステップ、 −トリガ条件が満たされている場合、予め設定された複
数の関数に基づき、1つまたは複数の測定量から車両の
ドライバビリティを表す複数の評価量を計算し、これら
の複数の評価量から成る1つの特性を求めるとともに、
その際前記割り当てられたドライバータイプに依存する
重み係数を用いて前記測定量の重み付けが行われるステ
ップ、 −前記複数の評価量からなる特性が前記ドライバータイ
プに依存する先に設定された目標特性に近似するよう
に、車両の走行特性に影響を及ぼす少なくとも1つのア
クチュエータに対する調整量の変更が決定されるステッ
プ、からなる 自動車の走行特性を調整する方法。 - 【請求項3】 複数の調整量の変更が様々な時間間隔で
実施されることを特徴とする請求項2に記載の自動車の
走行特性を調整する方法。 - 【請求項4】 少なくとも1つの評価量と、必要がある
場合には測定量とが、車両から離れた監視所に伝達され
ることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車の走
行特性を調整する方法。 - 【請求項5】 ドライバビリティにとり重要な測定量を
検出するためのセンサを有する測定システムと、検出さ
れた測定量から車両のドライバビリティを表す少なくと
も1つの評価量を導くための計算ユニットとを備えた、
自動車の走行特性を調整する装置であって、−該当する自動車のドライバータイプを表す複数の変数
が前記測定量から導かれ、 −前記ドライバータイプを表す変数に基づいて前記ドラ
イバーに対して予め設定されたタイプのグループから1
つのドライバータイプが決定され、 −予め設定された関数に基づき、1つまたはそれ以上の
前記測定量から車両のドライバビリティを表す複数の評
価量が計算され、その際前記評価量を計算する際に前記
割り当てられたドライバータイプに依存する重み係数を
用いて前記測定量の重み付けが行われ、 −複数の前記評価量からなる特性が前記ドライバータイ
プに依存する先に設定された目標特性に近似するよう
に、制御装置が車両の走行特性に影響を及ぼす少なくと
も1つのアクチュエータを調整することを特徴とする自
動車の走行特性を調整する装置。
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