JP3328659B2 - 禁煙用パイプ - Google Patents

禁煙用パイプ

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JP3328659B2
JP3328659B2 JP18173397A JP18173397A JP3328659B2 JP 3328659 B2 JP3328659 B2 JP 3328659B2 JP 18173397 A JP18173397 A JP 18173397A JP 18173397 A JP18173397 A JP 18173397A JP 3328659 B2 JP3328659 B2 JP 3328659B2
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賢一 長井
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、煙草の香り
を使用者の鼻孔に強制的に送り込むことで、喫煙者を禁
煙に導くことができる禁煙用パイプに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の禁煙用パイプとして、次
のようなタイプがある。第1のタイプは、煙草の煙の代
わりに、ハッカなどの香気成分を吸引するタイプである
(特開平3-272775号公報、特開平6-315367号公報、実公
平3-37440 号公報等)。このタイプには、煙草の煙を吸
う疑似行為ができるように、パイプの先に実物の煙草を
詰めて火を付け、パイプの途中から煙を排出するように
したものもある(特開平3-272775号公報)。
【0003】第2のタイプは、煙草の煙を序々に薄めて
吸引するタイプである(特開昭53-141774 号公報)。こ
のタイプでは、煙草の煙と共に吸込む空気の量を調節し
て、煙草の煙の量をしだいに少なくするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の禁煙用パイプには次のような課題があった。すな
わち、第1のタイプでは、禁煙用パイプを使用すること
で、禁煙状態を維持できるが、煙草の煙の代わりに使用
するハッカなどの香気成分自体が、ある喫煙者にとって
煙草の代わりとして役立たないことである。すなわち、
この種の香気成分が口に合う喫煙者は、ある程度、気を
紛らせることはできても、このハッカ等の代替香気成分
が口にあわない喫煙者には、このタイプの禁煙用パイプ
は使用できない不都合がある。
【0005】一方、第2のタイプでは、実際の煙草の煙
を吸引するので、すべての喫煙者が使用可能であり、第
1のタイプのように、ハッカなどの香気成分が口にあわ
ないなどといった不都合はない。しかしながら、完全に
禁煙できるまでは、実際の煙草の煙を吸引し続けるの
で、喫煙による害が無くなるものではない。すなわち、
図7に示す如く、吸引された煙が肺にまで達して、ニコ
チンやタールが血液中に入り、更に、呼気と共に煙が排
出されるものである。しかも、火を付けた煙草から立ち
のぼる副流煙が、喫煙者の周囲に与える害については、
通常の喫煙と全く変わらない不都合もある。また、パイ
プの途中から煙を排出するようにした第1のタイプの禁
煙用パイプも、同様に、火を付けた煙草から立ちのぼる
副流煙が、喫煙者の周囲に与える害を防止することはで
きないものであった。
【0006】また、当発明者の禁煙の体験から、禁煙の
初期において、その苦しみが最も高くなることがわかっ
た。しかしながら、この苦しいときに、煙草の香りを嗅
ぐことで気を紛らわせることができ、数週間後に禁煙が
成功するに至った発明者の体験を、禁煙を望むより多く
の人々に活かすことができないかと、鋭意研究に努めた
ものである。
【0007】そこで、本発明は、上述のような課題を解
決するために創出されたもので、すべての喫煙者が使用
することができ、しかも使用することで禁煙状態を持続
し、また、副流煙により周囲に与える多大な煙害も防止
する禁煙用パイプの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の第1の手段は、パイプのボウル部1と吸い
口部2とを模した疑似パイプを形成し、ボウル部1に煙
草Pを収納する収納部3を設け、この収納部3内の煙草
Pの香りを吸い口部2方向に強制的に送り出す送出機構
10を設け、送り出される煙草Pの香りを使用者の鼻孔
に向けて排出する排出孔4を吸い口部2の上部に設けた
ことにある。
【0009】第2の手段は、収納部3に収納した煙草P
を暖める加熱部5を、収納部3の周囲に配設したもので
ある。
【0010】第3の手段の送出機構10は、収納部3と
排出孔4との間に装着した電動のファン11又はポンプ
12を使用するものである。
【0011】第4の手段の送出機構20は、収納部3と
排出孔4との間に装着した手動のポンプ21を使用する
ものである。
【0012】本発明によると、収納部3内の煙草Pか
ら、煙草Pの香りが送出機構10,20を介して排出孔
4から使用者の鼻孔に強制的に送られる。使用者が煙草
Pの香りを強く嗅ぐことで、嗅覚神経系の嗅球糸球体層
に、煙草Pの香りによる刺激を直接与えることができ、
脳には喫煙時と同様の満足感を与えることができるもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施例を詳細に説明する。
【0014】図中符号1は、パイプの煙草を詰めるボウ
ルを似せて形成したボウル部1であり、符号2は、同じ
くパイプの吸い口に似せた吸い口部2である。
【0015】ボウル部1の内部に、煙草Pを収納する収
納部3を設けている。この収納部3には、紙巻き煙草や
葉巻等を収納する(図1参照)。
【0016】そして、収納部3の煙草Pから香りのみを
抽出するために、香りの強い煙草Pを使用するか、ある
いは、収納部3の周囲に加熱部5を設け、収納部3内部
の煙草Pを暖めることで、煙草Pの香りを強くするもの
である。このとき、図1に示す加熱部5は、水に反応し
て発熱する石灰や鉄粉の酸化熱等の発熱剤5Aを加熱部
5に収納している。このとき、煙草Pをボウル部1の開
口部分まで発熱剤5Aで覆うと共に、このボウル部1の
開口部分をキャップ(図示せず)で施蓋してもよい。ま
た、図4に示す加熱部5は、ニクロム線等のヒーター5
Bを加熱部5に配設して煙草Pを暖めるようにしてい
る。尚、図中符号3Aは、収納部3を仕切る金網等の仕
切網である。
【0017】このように、煙草Pから抽出される香り
は、送出機構10,20で収納部3から吸い口部2方向
に強制的に送り出される。図1、図4に示す送出機構1
0は、電動のファン11を使用したものである。このフ
ァン11は、内臓された電池13で回転するもので、ス
イッチ14で操作する。
【0018】また、図2に示す送出機構10は、電動の
ポンプ12を使用したものである。図示の送出機構10
は、電池13で作動するラック15とピニオン16とを
利用してポンプ12を往復運動させるもので、ポンプ1
2の両端部にはボール弁18を配置してある。尚、図中
において、符号19は、フィルターを示す。
【0019】更に、図3に示す送出機構20は、手動の
ポンプ21を使用したもので、ポンプ21に設けたレバ
ー22を使用者が指で移動させる以外は、図2に示す送
出機構10と同じタイプを使用している。
【0020】図5に示す実施例では、収納部3内に収納
される煙草Pの代わりに、香り成分が充填されたボンベ
6を装着している。このボンベ6に無害なエアガス等の
圧縮ガス等が充填されているときは、図に示す如く、開
閉レバー6Aを操作するだけで、煙草Pの香りを送出で
きる。また、圧縮ガス等が充填されていないときには、
前記送出機構10,20を使用するものである。
【0021】尚、各図に示すパイプの形状は、所謂マド
ラス型のパイプを模しているが、パイプの形は、図示例
に限定されるものではなく、この他女性向きとしてスト
レートなパイプ形状など、任意のパイプを模してもよ
い。
【0022】図6は、本発明禁煙用パイプが脳に刺激を
与える状態を示している。すなわち、排出孔4から使用
者の鼻孔に向けて強制的に送出された煙草Pの香りは、
嗅覚神経系の嗅球糸球体層に直接刺激を与え、煙草Pに
火を付けなくとも、脳にある程度の満足感を感じさせる
ものである。
【0023】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成したことによ
り、当初の目的を達成する。
【0024】すなわち、請求項1により、煙草Pの香り
を使用者の鼻孔に向けて強制的に排出することができる
から、嗅覚神経系の嗅球糸球体層に、煙草Pの香りによ
る刺激を直接与え、脳には喫煙時と同様の満足感を与
え、喫煙者の禁煙行為を補助することができる。
【0025】しかも、この煙草Pの香りは、すべての喫
煙者が好む香気成分であることから、ハッカなどの香気
成分を使用した従来の禁煙用パイプのように、香気成分
自体が喫煙者の口に合わないなどといった問題も解消さ
れた。
【0026】また、実際の煙草Pを使用しても、煙草P
に火を付けずに使用するから、煙草の煙を吸う疑似行為
ができるようにした禁煙用パイプや、煙草の煙を序々に
薄めて吸引するタイプの禁煙用パイプのように、火を付
けた煙草から立ちのぼる副流煙が及ぼす害もなく、周囲
に対しても極めて安全に使用できる。
【0027】更に、実際の煙草Pを使用しても、ニコチ
ンやタール分は、全く吸引しない構成なので、使用する
だけで禁煙状態を維持することができる。
【0028】また、請求項2によって、煙草Pから抽出
する香りを強くすることができる。
【0029】請求項3、4により、煙草Pから抽出した
香りを、排出孔4から使用者の鼻孔まで確実に送出する
ことができる。
【0030】このように、本発明によると、すべての喫
煙者が使用することができ、しかも使用することで禁煙
状態を持続し、また、副流煙により周囲に与える多大な
煙害も防止するなどといった極めて有益な種々の効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において電動式のファンを使用した実施
例を示す断面図である。
【図2】本発明において電動式のポンプを使用した実施
例を示す断面図である。
【図3】本発明において手動式のポンプを使用した実施
例を示す断面図である。
【図4】本発明において加熱部にヒーターを配設した実
施例を示す断面図である。
【図5】本発明においてボンベを装着した実施例を示す
断面図である。
【図6】本発明が脳に刺激を与える状態を示す概念図で
ある。
【図7】喫煙による煙の流れを示す概念図である。
【符号の説明】
P 煙草 1 ボウル部 2 吸い口部 3 収納部 3A 仕切網 4 排出孔 5 加熱部 5A 発熱剤 5B ヒーター 6 ボンベ 6A 開閉レバー 10 送出機構 11 ファン 12 ポンプ 13 電池 14 スイッチ 15 ラック 16 ピニオン 17 弾性材 18 ボール弁 19 フィルター 20 送出機構 21 ポンプ 22 レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−124082(JP,A) 特開 平6−114105(JP,A) 特開 平5−184675(JP,A) 特開 平3−272775(JP,A) 特開 平6−315367(JP,A) 特開 昭53−141774(JP,A) 実公 平3−37440(JP,Y2) 特表 昭62−501050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 15/00 - 15/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプのボウルと吸い口とを模した疑似
    パイプを形成し、ボウル部に煙草を収納する収納部を設
    け、この収納部内の煙草の香りを吸い口部方向に強制的
    に送り出す送出機構を設け、送り出される煙草の香りを
    使用者の鼻孔に向けて排出する排出孔を吸い口部の上部
    に設けたことを特徴とする禁煙用パイプ。
  2. 【請求項2】 前記収納部に収納した煙草を暖める加熱
    部を、収納部の周囲に配設した請求項1記載の禁煙用パ
    イプ。
  3. 【請求項3】 前記送出機構は、収納部と排出孔との間
    に装着した電動のファン又はポンプを使用する請求項1
    又は2記載の禁煙用パイプ。
  4. 【請求項4】 前記送出機構は、収納部と排出孔との間
    に装着した手動のポンプを使用する請求項1又は2記載
    の禁煙用パイプ。
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