JP3328251B2 - 除湿剤再生機能付き除湿器 - Google Patents

除湿剤再生機能付き除湿器

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JP3328251B2
JP3328251B2 JP33573299A JP33573299A JP3328251B2 JP 3328251 B2 JP3328251 B2 JP 3328251B2 JP 33573299 A JP33573299 A JP 33573299A JP 33573299 A JP33573299 A JP 33573299A JP 3328251 B2 JP3328251 B2 JP 3328251B2
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    • F24F3/1417Air-conditioning systems in which conditioned primary air is supplied from one or more central stations to distributing units in the rooms or spaces where it may receive secondary treatment; Apparatus specially designed for such systems characterised by the treatment of the air otherwise than by heating and cooling by humidification; by dehumidification by absorbing or adsorbing water, e.g. using an hygroscopic desiccant with liquid hygroscopic desiccants

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除湿器に関し、特
に潮解性の除湿剤により空気の除湿を行う除湿部と、除
湿作用により潮解した除湿剤潮解液を加熱して除湿剤の
再生を行う除湿剤再生部とを有する除湿剤再生機能付き
除湿器に関する。
【0002】
【従来技術】特開平9−299739号公報には、湿気
を吸収する潮解性の除湿剤を用いて空気の除湿を行い、
湿気吸収により潮解した除湿剤潮解液を加熱して除湿剤
の再生を行う除湿剤再生機能付き除湿器が示されてい
る。
【0003】これによれば、除湿器は、除湿剤を収容し
た除湿室と、潮解した除湿剤潮解液を加熱する再生室
と、除湿室と再生室を連通する連通路とを有し、除湿室
で潮解した除湿剤潮解液が連通路を介して再生室に流入
する構造を有している。そして、除湿室では除湿剤によ
る除湿を行う一方、同時に再生室では加熱による除湿剤
への再生を行うことにより、除湿機能を持続させる旨が
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載された除湿剤再生機能付き除湿器では、除湿剤
は、再生により容器の底部上に配置されるため、空気と
の接触面積を底部の面積以上に広く確保することができ
ない。したがって、底部上で再生された除湿剤に対して
空気を十分に接触させることができない。
【0005】また、再生室内で再生された除湿剤は、す
ぐに再生室下部の除湿剤潮解液中に没入するため、再生
された除湿剤に空気を十分に接触させることができず、
除湿剤が本来有する除湿能力を十分に発揮することがで
きない。
【0006】このように従来の除湿剤再生機能付き除湿
器では、容器内で再生された除湿剤の除湿能力を十分に
発揮させることができず、除湿効率が低いという問題点
を有する。
【0007】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、潮解した除湿剤潮解液の再生
後においても高い除湿効率が得られる除湿剤再生機能付
き除湿器を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記不具合を解決するた
めに、請求項1に記載の発明による除湿剤再生機能付き
除湿器は、本体容器と、本体容器内に収容され潮解性の
除湿剤により本体容器内を通過する空気の除湿を行う除
湿部及び除湿部の除湿作用により潮解した除湿剤潮解液
を加熱して除湿剤の再生を行う再生部とを有する除湿剤
再生機能付き除湿器において、除湿部は、除湿剤を保持
する保持手段を有し、再生部は、除湿剤潮解液を保持手
段の上方に移動させる移動手段を有し、再生部による再
生動作は、除湿剤潮解液の加熱動作に加えて、移動手段
による移動動作、及び保持手段の上方から除湿剤潮解液
を保持手段に保持させる動作を含むことを特徴とする。
【0009】これによれば、除湿剤潮解液は、再生部に
よる再生動作において加熱されるだけでなく保持手段の
上方に移動され、更に保持手段の上方から保持手段に保
持される。そして、この動作の後、加熱された除湿剤潮
解液は保持手段で冷却され、保持手段上で再結晶化され
る。
【0010】尚、除湿剤潮解液の加熱動作と移動動作と
の先後関係は特に限定するものではなく、同時或いはい
ずれか一方を行った後に他方を行っても良い。
【0011】上記の作用により、除湿剤は、保持手段上
で再結晶化され保持されるため、表面積の大きい除湿素
子として再構成される。したがって、再生後においても
本体容器内を通過する空気を十分に接触させることがで
き、除湿能力を最大限に発揮させることができる。これ
により、高い除湿効率を持続的に得ることができる。
【0012】請求項2に記載の発明による除湿剤再生機
能付き除湿器は、前記保持手段が、除湿剤潮解液を吸収
保持可能な多孔質部材により構成されたことを特徴とす
る。これによれば、潮解した除湿剤潮解液は多孔質部材
の多孔に吸収保持される。したがって、より多くの除湿
剤潮解液を保持させることができ、より高い除湿効率を
得ることができる。
【0013】請求項3に記載の発明による除湿剤再生機
能付き除湿器は、前記保持手段が、上下方向に延在する
平板形状をなすことを特徴とする。これによれば、除湿
剤潮解液を、保持手段に沿って流下させることができ、
その際に多孔質部にスムーズに留めることができる。し
たがって、除湿剤潮解液の保持手段への保持が迅速かつ
確実に行われる。
【0014】請求項4に記載の発明による除湿剤再生機
能付き除湿器は、前記保持手段が、所定間隔ごとに複数
枚並列に配設されたことを特徴とする。これによれば、
容器内の限られた空間内で保持手段の表面積をより広く
することができる。したがって、再生動作により再構成
される除湿素子の表面積をより広く確保することがで
き、より高い除湿効率を得ることができる。
【0015】請求項5に記載の発明による除湿剤再生機
能付き除湿器は、前記移動手段により保持手段の上方に
移動された除湿剤潮解液を受けかつ底部に開口形成され
た液通過孔から除湿剤潮解液を流下させることができる
受皿部を備え、保持手段は、液通過孔を通過して流下す
る除湿剤潮解液を受ける位置に設けられたことを特徴と
する。
【0016】これによれば、移動手段により保持手段の
上方に移動された除湿剤潮解液は、受皿部に受けられる
とともに底部に形成された液通過孔から流下され、保持
手段に保持される。したがって、保持手段への保持を確
実かつ容易ならしめることができる。
【0017】請求項6に記載の発明による除湿剤再生機
能付き除湿器は、前記移動手段が、除湿剤潮解液の加熱
により生じた気泡を誘導する蒸気誘導部と、蒸気誘導部
に下端が連通し保持手段の上方に上端が開口するパイプ
部と、を有し、除湿剤潮解液の移動動作が、蒸気誘導部
により誘導されパイプ部内を上昇する気泡の上昇力を用
いて行われることを特徴とする。
【0018】これによれば、除湿剤潮解液は、パイプ部
内を上昇する気泡の上昇力によりパイプ部の下端から吸
い込まれ、パイプ部の上端から吐出される。したがっ
て、簡易な構成によって除湿剤潮解液を保持手段の上方
に容易に移動させることができる。そして、部品点数の
削減、組み立て工程数の減少により、製造コストを低減
することができる。
【0019】請求項7に記載の発明による除湿剤再生機
能付き除湿器は、前記蒸気誘導部が、除湿剤潮解液の加
熱により生じた気泡の圧力を高める高圧力化手段を有
し、除湿剤潮解液の移動動作が、その高められた気泡の
圧力を用いて行われることを特徴とする。
【0020】これによれば、高圧力化手段により蒸気誘
導部内の気泡の圧力が高められるため、パイプ部内の除
湿剤潮解液に対して、より強力な移動力を与えることが
できる。したがって、例えば、滑らかな移動が困難な粘
度の高い除湿剤潮解液も確実に移動させることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る除
湿器の分解斜視図、図2は組み立て状態における縦断面
図である。
【0022】除湿器1は、図1及び図2に示すように、
下部ケース2と上部ケース3を有し、矩形の箱形状をな
す。下部ケース2は、上部が開放された箱形状をなし、
内部には下部ケース2内に再生容器4を支持するための
下部ケースリブ2aが複数突設されている。
【0023】下部ケース2内には再生容器4が収容され
る。再生容器4は、下部ケース2よりもひとまわり小さ
く上部が開放された矩形の箱形状をなし、上端には下部
ケースリブ2aの上端に載せられるフランジ部4eが設
けられている。
【0024】再生容器4内の床面4fには、図示してい
ない電源からの電力供給により発熱するヒータ5が設け
られている。ヒータ5は、再生容器4内に貯留された潮
解した除湿剤潮解液を加熱し沸騰させることができる発
熱機能を有する。
【0025】再生容器4は、下部ケース2内で下部ケー
スリブ2aにより保持されるため、図2に示すように、
再生容器4と下部ケース2との間に所定の間隙空間Cが
形成される。この間隙空間Cは、再生容器4から下部ケ
ース2への熱伝達を抑制する役割を果たす。
【0026】再生容器4の内部には、図1に示すよう
に、再生容器4内で除湿素子再生器6を支持するための
再生容器リブ4gが突設されている。再生容器4内には
除湿素子再生器6が収容される。図3は、除湿素子再生
器6の拡大図である。除湿素子再生器6は、図3に示す
ように、蒸気誘導部10と受皿部20と多孔質板30と
パイプ部40とを有する。
【0027】蒸気誘導部10は、再生容器4の床面4f
上に置かれた際にヒータ5を間に介して床面4fに対向
する天井板11と、天井板11の周縁から垂下して床面
4fと当接する周壁板12を有し、天井板11と周壁板
12により蒸気誘導空間室13を形成する。
【0028】天井板11は、再生容器4の内壁面4a側
に移行するにしたがって漸次その高さが高くなるように
傾斜形成されている。周壁板12は、再生容器4の内壁
面4aに対向する壁部12aに下端から所定高さ及び幅
で切り欠かれた切欠部14が設けられており、その上方
位置には壁部12aを貫通しパイプ部40の下端40a
が接続される貫通孔15が穿設されている。
【0029】受皿部20は、再生容器リブ4g上に載せ
られた際に蒸気誘導部10の上方位置で水平方向に延在
するように配置される皿底板21と、皿底板21の周縁
から上方に折曲され所定高さを有する皿壁部22を有
し、皿底板21と皿壁部22により受皿空間室23を形
成する。
【0030】皿底板21は、蒸気誘導部10の天井板1
1とほぼ等しい大きさを有し、複数本の液通過孔24が
長手方向に延在するように所定間隔をおいて並列に穿設
されている。液通過孔24は、多孔質板30の厚さとほ
ぼ等しい幅を有し、図示していない微細な縦溝が設けら
れている。縦溝は、除湿剤潮解液が通過できる大きさを
有し、除湿剤潮解液を多孔質板30に沿って流下させる
ことができる位置に設けられている。
【0031】液通過孔24には多孔質板30の上端が嵌
め込み固定される。多孔質板30(保持手段)は、除湿
剤潮解液を吸収保持可能な多孔質の材料、例えばセラミ
ックス、不織布、細かい網などにより構成されており、
図2に示すように、略矩形の平板形状を有し、図1に示
すように、互いに平行に皿底板21から垂下するように
複数枚設けられる。
【0032】皿壁部22は、再生容器4の内壁面4aに
対向する対向壁部22aにパイプ部40の上端40bが
連通接続される貫通孔25が穿設されており、また、内
壁面4bに対向する対向壁部22bに蒸気を通過させる
ための蒸気抜き孔26が穿設されている。また、対向壁
部22a及び対向壁部22bの上部には受皿部20を再
生容器リブ4g上に載せるためのフランジ部27、27
が突設されている。
【0033】したがって、受皿部20は、フランジ部2
7、27が後述する再生容器蓋31の下面31aと再生
容器リブ4gの上端との間に挟持されることによって、
再生容器4内に固定保持される。
【0034】パイプ部40は、所定の内径を有し、蒸気
誘導空間室13と受皿空間室23を連通するパイプ形状
をなす。
【0035】図中、符号31は再生容器蓋であり、再生
容器4上部の開放部分を閉塞する。再生容器蓋31は、
下蓋部32と上蓋部33により構成され、図1に示すよ
うに、内部に迷路形状をなすように空気導入通路34及
び空気導出通路35が設けられている。
【0036】空気導入通路34は、再生容器4内で内壁
面4cの上部に沿うように延在する導入通路長手部34
aと、導入通路長手部34aの内壁面4b側の端部に連
続し内壁面4bの上部に沿うように延在する導入通路短
手部34bとにより構成される。また、空気導出通路3
5は、再生容器4内で内壁面4dの上部に沿うように延
在する導出通路長手部35aと、導出通路長手部35a
の内壁面4a側の端部に連続し内壁面4aの上部に沿う
ように延在する導出通路短手部35bとにより構成され
る。
【0037】下蓋部32には、導入通路短手部34bの
内壁面4d側の端部位置と導出通路短手部35bの内壁
面4c側の端部位置にそれぞれ再生容器4内に連通する
再生容器側導入開口36及び再生容器側導出開口37が
設けられている。
【0038】上蓋部33には、導入通路長手部34aの
内壁面4a側の端部位置と導出通路長手部35aの内壁
面4b側の端部位置に、後述する上部ケース3内に連通
する上部ケース側導入開口38及び上部ケース側導出開
口39が設けられている。
【0039】すなわち、下蓋部32に設けられた再生容
器側導入開口36及び再生容器側導出開口37は、上蓋
部33に設けられた上部ケース側導入開口38及び上部
ケース側導出開口39に対してそれぞれ対角位置に設け
られている。
【0040】したがって、除湿器1が横倒しされたとき
は、再生容器蓋31の再生容器4側の開口36、37と
上部ケース3側の開口38、39のいずれか一方は必ず
上方に位置することとなり、除湿剤潮解液の漏れ出しを
防止できる。尚、他の実施例として、漏れ出し防止用に
開口36、37、38、39を閉塞する閉塞手段を別途
設けてもよい。
【0041】上述の再生容器蓋31は、再生容器4の上
部開放部分を閉塞する際に、図示していないシール材を
介して気密性を有するように固着される。このため、再
生容器4内には、図2に示すように、除湿素子再生器6
を収容した再生容器室41が形成され、除湿素子再生器
6を間に介して内壁面4b側に導入側容器室42、内壁
面4a側に導出側容器室43が形成される。そして、上
蓋部33の上面33aは再生容器4のフランジ部4eと
面一になる。
【0042】上記構成を有する下部ケース2の上部には
上部ケース3が取付けられる。下部ケース2と上部ケー
ス3の外壁面は取付け時に面一となり、両者は間に介在
されたシール材により気密性を有して固定される。固定
方法として本実施の形態では、図示しないねじ止め手段
により固定を行っているが、嵌め合わせなどにより行っ
てもよい。
【0043】上部ケース3は、上部と下部が開放された
上部ケース本体50と、上部ケース本体50の上部を閉
塞する上部ケース蓋51により構成されており、上部ケ
ース本体50の側壁部50a及び側壁部50bには空気
の吸込み口52と吹出口53がそれぞれ開口形成されて
いる。そして、上部ケース本体50内の略中央位置に
は、上部ケース50内の空間を空気導入室54と空気導
出室55に分断若しくは連通させるシャッター部56が
設けられている。
【0044】図4は、シャッター部56の斜視図であ
り、図中(a)は閉塞時の状態を示し、図中(b)は開
放時の状態を示す。
【0045】シャッター部56は、図4に示すように上
部ケース本体50内を上下方向に移動可能な仕切板57
と、上部ケース本体50内に設けられ仕切板57の上下
動を案内支持するガイド部58とを有し、仕切板57に
は上部ケース蓋51のガイド孔51aを貫通して上方に
突出可能なプッシュノブ59が固定されている。
【0046】上記構成を有するシャッター部56は、図
示していない付勢手段により仕切板57及びプッシュノ
ブ59が常に上方に向かって付勢され、上部ケース蓋5
1上に突出するプッシュノブ59が押し下げられること
により下方位置に固定される。上部ケース3内は、仕切
板57の下方位置への固定により、空気導入室54と空
気導出室55に分断される。
【0047】また、仕切板57は、上部ケース蓋51と
ほぼ面一まで押し込まれたプッシュノブ59が一回押圧
されると上昇され、空気導入室54と空気導出室55と
の間が連通される。
【0048】そして、空気導出室55内には、電動ファ
ン60が設けられている。電動ファン60は、図示して
いない電源からの電力供給によって駆動され、空気導出
室55内の空気を吹出口53から外部に排出する。
【0049】次に、上記構成を有する除湿器1の除湿動
作及び再生動作について説明する。まず最初に、除湿動
作について説明する。電動ファン60に電源から電力が
供給され駆動されると、空気導出室55内の空気が吹出
口53から排出される。このため、空気が吸込み口52
から空気導入室54に吸い込まれ、上部ケース側導入開
口38、空気導入通路34、再生容器側導入開口36を
介して導入側容器室42に流入する。
【0050】ここで、多孔質板30が塩化カルシウム、
塩化リチウムなどの潮解性を有する除湿剤で覆われてい
る場合、表面積の大きな除湿素子を構成する。したがっ
て、多孔質板30の間を通過する空気は、除湿素子に水
分が吸収されて除湿され、乾燥した空気となる。
【0051】そして、乾燥した空気は、導出側容器室4
3から再生容器側導出開口37、空気導出通路35、上
部ケース側導出開口39を介して空気導出室55内に流
れ込み、吹出口53から外部に排出される。
【0052】したがって、空気は除湿され、特に電動フ
ァン60により複数の多孔質板30によって構成された
表面積の大きな除湿素子の間を強制的に通されるため、
より多くの空気を表面積の大きな除湿素子に積極的に接
触させることができる。したがって、高い除湿効率を得
ることができる。
【0053】一方、上述の除湿動作により潮解し液状化
した除湿剤である除湿剤潮解液は、多孔質板30から下
方へ流れ落ち、再生容器4の床面4f上に貯留される。
除湿剤は、潮解により体積が増大するため、その液面
は、潮解の進行とともに上昇し、最終的には多孔質板3
0の上部位置にまで至る。そして、除湿剤は潮解に応じ
て吸湿力が低下する。
【0054】そこで、低下した吸湿力を回復させるため
に除湿剤の再生が行われる。以下に上記構成を有する除
湿器1による除湿剤の再生動作について説明する。上述
の除湿動作により再生容器室41内で除湿剤潮解液を再
生するためには、まず、電動ファン60を駆動した状態
でシャッター部56の開放が行われ、それからヒータ5
の加熱がなされる。
【0055】シャッター部56の開放により上部ケース
3内の空気導入室54と空気導出室55は連通され、電
動ファン60により吸込み口52から吹出口53に向か
って大量の空気が通過される。ヒータ5は、電源供給に
より加熱され、再生容器室41内の除湿剤潮解液を沸騰
させ、ヒータ5の付近に水蒸気を含んだ気泡を発生させ
る。
【0056】気泡は、ヒータ5の付近から液中を上昇し
て蒸気誘導空間室13内に進入し、天井板11の傾斜に
よりパイプ部40側に誘導される。そして、貫通孔15
からパイプ部40内に入り、パイプ部40内を上昇して
受皿部20の受皿空間室23内に進入する。
【0057】その際、除湿剤潮解液は、パイプ部40内
を上昇する気泡の上昇力によってパイプ部40の下端4
0aからパイプ部40内に吸い込まれ、上端40bから
受皿部20の受皿空間室23内に吐出される。したがっ
て、除湿剤潮解液を多孔質板30(保持手段)の上方に
移動させることができる。
【0058】これより、別個に動力を必要とせず、簡易
な構成によって移動手段を実現することができ、部品点
数の削減、組み立て工程数の減少による製造コストの低
減を図ることができる。
【0059】尚、移動手段の他の実施例として、例え
ば、切欠部14を適度に小さく形成し、蒸気誘導部10
を固定手段など(図示せず)で床面4fに固定すること
により、蒸気誘導空間室13内で加熱により生じた気泡
の圧力を高める高圧力化手段を構成し、その高められた
気泡圧力を用いてパイプ部40内の除湿剤潮解液を上昇
移動させてもよい。
【0060】これによれば、パイプ部40内の除湿剤潮
解液に対して、より強力な移動力を与えることができ
る。したがって、例えば、滑らかな移動が困難な粘度の
高い除湿剤潮解液であってもパイプ部40内を確実に上
昇移動させることができる。
【0061】パイプ部40内を上方に移動した気泡の水
蒸気は、パイプ部40の上端40bから受皿空間室23
内に進入し、対向壁部22bの蒸気抜き孔26、26か
ら導入側容器室42の上部に排出される。
【0062】そして、再生容器蓋31の再生容器側導入
開口36及び再生容器側導出開口37からそれぞれ空気
導入通路34及び空気導出通路35を通過して、上部ケ
ース側導入開口38及び上部ケース側導出開口39から
空気導入室54及び空気導出室55内に流れ込み、電動
ファン60の駆動により上部ケース3内を通過する大量
の空気によって薄められて吹出口53から排出される。
【0063】一方、気泡の上昇力によりパイプ部40内
を移動して受皿空間室23内に吐出された除湿剤潮解液
は、液通過孔24を通過して、多孔質板30の内部に吸
収され、或いは縦溝部分から多孔質板30の表面上を下
方に向かって流下する。
【0064】多孔質板30に沿って流下する除湿剤潮解
液は、加熱による水蒸気の蒸発によって濃縮され、沸点
も上昇しているため、多孔質板30によって冷却され、
多孔質板30の内部及び表面上で再結晶化される。
【0065】ヒータ5の加熱は、除湿剤潮解液の温度が
設定温度に達するまで継続され、ヒータ5の加熱が停止
されるまで除湿剤潮解液の多孔質板30への供給が行わ
れる。これにより、多孔質板30は除湿剤で覆われ、除
湿素子が構成される。また、ヒータ5の加熱後に再生容
器4の床面4fに残った除湿剤潮解液は、濃度が高いた
め、常温への温度低下により床面4f上で再結晶化され
る。
【0066】以上の再生動作により多孔質板30の表面
積と等しい広い表面積を有する除湿素子が構成されるた
め、除湿剤潮解液の再生後においても除湿を十分に行う
ことができ、除湿能力を最大限に発揮させることができ
る。したがって、高い除湿効率を持続的に得ることがで
きる。
【0067】尚、本発明は上述の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨内で種々の変更が可能で
ある。上述の実施の形態では、保持手段として多孔質板
30を用いたが、例えば、受皿部20と蒸気誘導部10
との間に上下に所定間隔をおいて複数積層配置されたパ
レット状の容器を設けて除湿剤の保持手段として用いて
もよい。
【0068】これによれば、受皿部に移動された除湿剤
潮解液は、最初に上段の容器に流れ込み、上段の容器か
ら溢れ出たものはその下段の容器へと次々に流れ込むこ
とにより、各容器に貯留され、各容器内で再結晶化され
る。したがって、上述の多孔質板と同様に、再生におい
ても除湿剤の表面積を広く確保することができ、高い除
湿効率を得ることができる。
【0069】また、上述の実施の形態では、気泡の上昇
力を用いて除湿剤潮解液の移動を行う構成としたが、こ
れに限定されるものではなく、動力の供給により汲み上
げを行うポンプ装置を設けてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る除湿
剤再生機能付き除湿器によれば、除湿剤潮解液は、再生
動作により保持手段に保持された状態で再結晶化され
る。したがって、保持手段により、除湿剤の表面積を広
く確保することができる。このため、容器内を通過する
空気を十分に接触させることにより、除湿剤が有する除
湿能力を最大限に発揮させることができ、高い除湿効率
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る除湿器の分解斜視図であ
る。
【図2】除湿器の組み立て状態における縦断面図
【図3】除湿素子再生器の拡大図である。
【図4】シャッター部の斜視図である。
【符号の説明】
1 除湿器 2 下部ケース 3 上部ケース 5 ヒータ 6 除湿素子再生器 10 蒸気誘導部(移動手段) 20 受皿部 30 多孔質板(保持手段) 40 パイプ部(移動手段) 60 電動ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 重見 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町二丁目66 番 伊勢佐木町満利屋ビル 株式会社カ ンキョー内 (72)発明者 角田 一成 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町二丁目66 番 伊勢佐木町満利屋ビル 株式会社カ ンキョー内 (56)参考文献 特開 平9−299739(JP,A) 実開 平3−102225(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体容器と、該本体容器内に収容され潮
    解性の除湿剤により前記本体容器内を通過する空気の除
    湿を行う除湿部及び該除湿部の除湿作用により潮解した
    除湿剤潮解液を加熱して除湿剤の再生を行う再生部とを
    有する除湿剤再生機能付き除湿器において、 前記除湿部は、前記除湿剤を保持する保持手段を有し、 前記再生部は、前記除湿剤潮解液を前記保持手段の上方
    に移動させる移動手段を有し、 前記再生部による再生動作は、前記除湿剤潮解液の加熱
    動作に加えて、前記移動手段による移動動作、及び前記
    保持手段の上方から前記除湿剤潮解液を該保持手段に保
    持させる動作を含むことを特徴とする除湿剤再生機能付
    き除湿器。
  2. 【請求項2】 前記保持手段は、 前記除湿剤潮解液を吸収保持可能な多孔質部材により構
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の除湿剤再生
    機能付き除湿器。
  3. 【請求項3】 前記保持手段は、 上下方向に延在する平板形状をなすことを特徴とする請
    求項2に記載の除湿剤再生機能付き除湿器。
  4. 【請求項4】 前記保持手段は、 所定間隔ごとに複数枚並列に配設されたことを特徴とす
    る請求項3に記載の除湿剤再生機能付き除湿器。
  5. 【請求項5】 前記移動手段により前記保持手段の上方
    に移動された除湿剤潮解液を受けかつ底部に開口形成さ
    れた液通過孔から前記除湿剤潮解液を流下させることが
    できる受皿部を備え、 前記保持手段は、前記液通過孔を通過して流下する除湿
    剤潮解液を受ける位置に設けられたことを特徴とする請
    求項4に記載の除湿剤再生機能付き除湿器。
  6. 【請求項6】 前記移動手段は、前記除湿剤潮解液の加
    熱により生じた気泡を誘導する蒸気誘導部と、該蒸気誘
    導部に下端が連通し前記保持手段の上方に上端が開口す
    るパイプ部と、を有し、 前記除湿剤潮解液の移動動作は、前記蒸気誘導部により
    誘導され前記パイプ部内を上昇する気泡の上昇力を用い
    て行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の除湿剤再生機能付き除湿器。
  7. 【請求項7】 前記蒸気誘導部は、 除湿剤潮解液の加熱により生じた気泡の圧力を高める高
    圧力化手段を有し、 前記除湿剤潮解液の移動動作は、前記高圧力化手段によ
    り高められた気泡の圧力を用いて行われることを特徴と
    する請求項6に記載の除湿剤再生機能付き除湿器。
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