JP3327459B2 - 格子を内在した複層ガラス - Google Patents

格子を内在した複層ガラス

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JP3327459B2
JP3327459B2 JP27270597A JP27270597A JP3327459B2 JP 3327459 B2 JP3327459 B2 JP 3327459B2 JP 27270597 A JP27270597 A JP 27270597A JP 27270597 A JP27270597 A JP 27270597A JP 3327459 B2 JP3327459 B2 JP 3327459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内部空間に筒型格子
辺からなる組格子を配した複層ガラスであって、ガラス
板相互の共鳴現象による防音性能の低下を抑制した、格
子を内在した複層ガラスに関する。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】複層ガラスの内部空
間に硬質樹脂等からなる格子を配することは公知であ
り、それにより、外部からガラス板を破損しての侵入を
防止するとともに、格子による装飾性を醸し出す等の利
点を有する。
【0003】前記格子を構成する格子辺は、一般的に中
実のものが用いられるケースも多いが、その分重量が増
大し、特に大サイズ複層ガラスになる程取扱が容易では
なくなり、材料コストも高騰するという問題がある。
【0004】従って本発明においては、筒型の格子(格
子辺)を用いることを前提とするものであるが、特に、
単に薄肉の中空体とした場合、後述するように格子のな
い一般の複層ガラスに対し、ガラス板の共鳴振動域にお
ける防音性能は改善されず、むしろ稍劣るという課題が
残される。
【0005】格子は、両ガラス板に対向する面が、ガラ
ス板と近接または接触させると、外部の気温変動や風圧
等の影響により、複層ガラス内の気体(通常乾燥空気を
用いるが、断熱性を改善するために熱伝導率の低いフロ
ンガス等や、防音性を改善するための空気と比重の異な
るアルゴンガス、6弗化硫黄ガス等の特殊ガスや、更に
それらと空気との混合ガスなども採用される)が膨縮
し、ガラス板と格子が強く接して、ガラス板に亀裂や破
損を生ずるケースが少なくない。
【0006】また、一方の側(例えば屋外側)からの音
波(振動)が、一方のガラス板を通じて組格子に直に伝
播し、更に他方のガラス板を介して他方の側(屋内側)
に放散して防音性が阻害され易い。
【0007】本出願人は、先に本出願人の出願にかかる
特願平7−247160号(特開平9− 86973号公報)「複層
ガラス」において、格子の厚み/内部空間層の厚みの比
率を 0.9以下とし、かつ格子を内部空間層の層厚に対し
てその中央部に配し、両ガラス板と離隔せしめること、
それにより外部雰囲気圧の変動や外部衝撃によるガラス
板の亀裂、破損の発生を防止することを提唱した。この
場合、前記の如くガラス板の振動が直に格子に伝わるこ
とはないが、格子が単なる中空の薄肉筒型の格子よりな
る場合、格子がない複層ガラスに比べ、むしろガラス板
の共鳴振動域における音響透過損失はやや劣り、JIS A
4706による遮音等級がせいぜいTS−20等級であることが
分かった。
【0008】本発明は、上記不具合に鑑み、両ガラス板
の共鳴振動域における防音性能の低下を抑制した、改善
した格子を内在した複層ガラスを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、対面
する一対のガラス板の対向面周縁部全周にスペーサーを
配置、接着して形成された内部空間に、ガラス板と非接
触に筒型格子辺からなる組格子を配在した複層ガラスに
おいて、前記筒型格子辺のガラス板面に対向する辺部お
よび/またはその側辺部に、複数の通孔またはスリット
を穿設してなる格子を内在した複層ガラスである。
【0010】更に、薄肉の中空体からなる格子辺におい
て、そのガラス板対向面方向の耐圧縮強度を増加させる
補強部を有することが望ましい。また、組格子を形成す
る交差部継手に、ガラス板に緩やかに接し、または近接
状態にある出没可能なボタン状突起を配することが好ま
しい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付の図面をもとに本発明を
説明する。図1は組格子を配した複層ガラスの正面図で
あり、複層ガラス1における、両ガラス板2の対向面周
縁部にスペーサー3を配して、内部空間4を形成する。
スペーサー3には乾燥剤を内在しており、かつ該スペー
サーに内部空間4と連通する孔またはスリット (図示せ
ず) を穿設したことにより、内部空間雰囲気を乾燥状態
に維持し、結露の発生を防ぐ。
【0012】内部空間4には縦、横に夫々筒型格子辺6
(以下単に格子辺という)を適宜間隔で配し、組込んだ
組格子5を内設する。なお、本態様においては格子辺6
の交差部に交差部継手7、7’(以下単に継手という)
を組込んだものを示したが、一方の格子辺と交差する他
方の格子辺の互いの交接部を切削して組込むようにする
等、交差部を適宜組込設計できる。また組格子は図示し
たものに限らず、格子辺を斜め方向に配し、斜交した菱
形状としたものや、ハニカム状に配したもの等各種形態
も含む。
【0013】組格子5(格子辺6)の材質は特定しない
が、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)共
重合体、アクリルエチレンスチロール(AES)共重合
体その他の重合体や共重合体、あるいはアルミニウムな
どの金属等、軽量で剛性に優れ、耐久性に富むものを採
用する。格子辺相互の間隔 (目開き) は200mm ないし40
0mm 程度の範囲で適宜採用される。
【0014】ガラス板2は通常透明で無着色または着色
したソーダ石灰系ガラスが用いられるがこれに限定する
ものではなく、型板ガラスや、摺り板ガラス、金属線入
りガラス等、あるいは熱強化ガラスや、化学強化ガラス
等の各種処理ガラス、またアルミノ珪酸系ガラスやほう
珪酸ガラス等各種成分系ガラスが採用できる。
【0015】またガラス板2の厚みは3mmを標準とし、
2mm程度ないし6mm程度のものが多く採用される。前記
範囲より高厚である程重量が増大し取扱施工性が困難と
なり、薄厚であると破損を招き易い。また、一方のガラ
ス板と他方のガラス板との厚みを換えることにより、共
鳴現象を抑える一助とすることができる。
【0016】ガラス板2の巾または長さは 500mm前後な
いし1500mm前後であり、通常1000mm□、あるいは1000mm
×1500mmのものが多く採用される。複層ガラス1の内部
空間層4の厚みは12mm程度のものが多いが、4〜6mmな
いし15mm程度のもの等広い範囲で採用できる。
【0017】図2は組格子5における格子辺6の横断面
形態を示し、図示においては断面いずれも8角形状であ
るが、円〜楕円形状や、各種多角形状も本発明の範疇で
ある。また、内部空間4の厚み(ガラス板対向面方向の
厚み)は例えば12mmであるのに対し、格子辺6のガラス
板対向面方向の厚み(図中上下厚み)は9mm程度と、ガ
ラス板2とは離隔させることにより、直にガラス板2の
振動が格子辺6に伝播しない。
【0018】格子辺6の肉厚は1mmないし2〜3mm程度
とするが、軽量化のうえで、また堅牢性を確保するうえ
では1mmないし 1.5mm程度とするのが好適である。な
お、上記好適厚みとした場合、それ自体、格子を内在し
ない複層ガラスに比べ、ガラス板の共鳴振動域における
防音機能を稍低下させる弊害を有するが、格子辺のガラ
ス板対向面方向の厚み方向の圧縮強度を増大させるべ
く、中仕切を配設し、または格子辺側辺部を高厚とする
ことにより前記弊害を改善できる。
【0019】図2Aは、公知の格子辺6であって、例え
ば硬質樹脂よりなり、肉厚1mm程度の中空体である。こ
のような硬質樹脂よりなる肉薄の格子辺の場合、ガラス
板の共鳴振動域における防音機能を稍阻害する傾向にあ
る。
【0020】図2Bは本発明にかかり、図2A同様の、
硬質樹脂よりなる肉厚1mm程度の筒型格子辺6におい
て、そのガラス板に対面しない1側辺部または両側辺部
には、2〜6mmφ程度の通孔8(8’)を穿設する(図
示においては通孔は両側辺部に設けてある)。
【0021】このケースにおいては、後述図2Cにおけ
るような、中仕切により格子辺内が左右2室に分割され
た場合のように、通孔は必ずしも両側辺部に設ける必要
はなく、1側辺部に設けても共鳴振動の抑制に効果があ
るが、好ましくは両側辺部に設けるのがよい。なお、通
孔8、8’はガラス板に対面する辺部に設けても近似し
た防音効果を有するが、格子辺の見栄え、ひいては複層
ガラスの外観を損なう恐れがある。
【0022】前記通孔8、8’は1格子辺6あたり1カ
所(一対)に設ければよく、それ以上設けてもガラス板
の共鳴振動を抑制するうえで格段の向上は望めない。通
孔8、8’は、サイズが2mmφ未満であると前記共鳴振
動の抑制は不充分であり、6mmφを越えると、該通孔が
目立って格子辺の見栄えを損ない、また、曲げ、圧縮強
度等の強度を低下する恐れがある。なお、スリットの場
合は開きを2〜3mm程度とし、長さも10数mm以下とする
等、格子辺の見栄えや強度を考慮する必要がある。
【0023】また、複層ガラス1を構成する組格子5全
体からみた通孔の配置は、図1の複層ガラス1の格子辺
6、6----における、矢印8、8’----に示すように複
数位置に設けるもので、特にスペーサー3に直接接しな
い縦の格子辺6に設けるのが共鳴振動の抑制に効果的で
ある。なお、全ての格子辺6に設ける必要はなく、必要
以上に設けてもさしてガラス板の共鳴振動抑制効果は向
上しない。前記通孔の配置は、後述図2C、図2Dに示
す格子辺の形態においても同様である。
【0024】図2Cにおいて、格子辺6は図2A同様、
硬質樹脂よりなる肉厚1mm程度の中空体を基本とする
が、ただし格子辺のガラス板対向面方向の圧縮強度を増
大すべく、例えば厚み1mm程度の中仕切を配する。さら
に格子辺6のガラス板に対面しない両側辺部には、2〜
6mmφ程度の通孔8、8’を穿設する。通孔8、8’は
図示のごとく対照に配してもよく、位置を違えて配して
もよいが、格子辺内が中仕切により左右2室に分割され
た夫々に対して設けることが肝要であり、一方のみに設
けても充分な共鳴振動の抑制効果は望めない。
【0025】図6は組格子の部分斜視図を示したもの
で、中仕切を有する格子辺6、6’における1格子辺6
(縦の格子辺)には、図示の如く通孔を設けるものであ
る。
【0026】図2Dにおいて、格子辺6は硬質樹脂より
なるが、厚み2mm程度の厚肉であって充分耐圧縮強度を
有し、中仕切は必要としない。このケースにおいては、
先述図2Bにおける場合と同様、格子辺6のガラス板に
対面しない1側辺部または両側辺部には、2〜6mmφ程
度の通孔8(8’)を穿設する(図示においては通孔は
両側辺部に設けてある)。通孔は必ずしも両側辺部に設
ける必要はなく、1側辺部に設けても共鳴振動の抑制に
効果があるが、好ましくは両側辺部に設けるのがよい。
【0027】図2Eにおいて、格子辺6は図2B同様、
硬質樹脂よりなる肉厚1mm程度の中空体を基本とする
が、ただし格子辺のガラス板対向面方向の圧縮強度を増
大すべく、側辺部10、10’の厚みを2mm程度の高厚とす
る。さらに前記1側辺部または両側辺部には、2〜6mm
φ程度の通孔8(8’)を穿設する(図示においては通
孔は両側辺部に設けてある)。通孔は必ずしも両側辺部
に設ける必要はなく、1側辺部に設けても共鳴振動の抑
制に効果があるが、好ましくは両側辺部に設けるのがよ
い。
【0028】図3は、図2Cに対応する複層ガラス格子
辺付近の断面模式図を示し、一方の側の音源からの音波
(波型で示す)Vにより、ガラス板2a を経て、内部空
間4で直接ガラス板2b 側に伝わる音波Wと、中仕切9
を有し圧縮強度を増大した格子辺6により遮られ、一部
反射等して撹乱される音波Xとが生じ、それらが干渉し
あうことにより、ガラス板2b を経て出る音波Yの振幅
は低減するものと思われる。さらに、格子辺6内の音波
Z(図示では中仕切9で仕切られた一方の側 <右側> に
ついて示したが、他方においても同様である)は、音波
Yとは波の位相を異にしており、通孔8(8’)を介し
て干渉しあい、ガラス板2b を経て出る音波Yの振幅は
更に低減するものと思われる。
【0029】複層ガラスの場合、周波数 200〜 500Hzの
域において、両ガラス板の共鳴による音響透過損失の極
小部が存在し(両ガラス板の板厚により、該周波数域に
おいて極小部は変動する)、それがTS遮音等級を低下さ
せる要因となるが、上記の如き手段を採れば、該周波数
域の音響透過損失の低下を改善することができる。
【0030】図5のグラフは、JIS A 1416(実験室にお
ける音響透過損失測定方法)により測定された周波数 1
00〜5000Hzにわたる複層ガラスの音響透過損失(dB)曲
線を示したもので、音響透過損失が大きい程、各周波数
における音波の透過を抑制したことをあらわす。また、
図中TS−20等級〜TS−35等級のラインは、JIS A 4706
(サッシ)に規定される評価基準による遮音等級ライン
を示すもので、前記音響透過損失曲線がTS各等級ライン
とほぼ同等ないしそれを上回れば、そのTS等級として評
価される。
【0031】図4は格子辺と同様な硬質樹脂よりなる継
手と、格子辺との係合状態を示す断面図である。図4A
は一の継手7を示した側断面図であり、該継手7は、そ
の本体中空部11に内在する弾発スプリング12を介して、
一方および他方の側 (図示において上および下) に出没
可能に、格子辺同様の(共)重合体、好ましくはより軟
質の(共)重合体、例えばポリ塩化ビニル、ポリプロピ
レン等からなるボタン状突起13、13' を配し、通常、ガ
ラス板2に対し組格子5(継手7)が充分離隔した状態
においては、前記夫々のボタン状突起13、13' がガラス
板2、2に緩やかに接し、または近接状態にある。ボタ
ン状突起がない場合、ガラス板2が組格子5と離隔した
状態にあるときに、突風等の何らかの外部衝撃によりガ
ラス板2と組格子5とが接すると接触音を発して耳障り
となるが、前記ボタン状突起13、13' の配設によりその
ような接触音の発生を抑制する。また、ガラス板2と組
格子5とが強く接触した場合には、ガラス板2に亀裂が
生ずる危惧があるが、ボタン状突起13、13' を配してお
けば弾発スプリング12を介在した該ボタン状突起の緩衝
作用により亀裂の発生を抑制できる。なお、外部からの
音波は、ガラス板2を介し直接ボタン状突起13、13' に
及ぶが、前記弾発スプリング12により緩衝されるので、
それによる複層ガラスの防音機能に及ぼす影響は軽微で
ある。
【0032】継手7には、格子辺6に対向する側部に挿
入片14、14' を有し、これを格子辺6の筒内に嵌挿し、
一体化した組格子5を形成するものである。格子辺6に
は例えば中仕切9を有するが、前記中仕切9で仕切られ
た空間に嵌合するように、挿入片14、14' も夫々一対設
ける等適宜設計する。
【0033】前記継手7は、全ての格子交差部に配する
必要はなく、図1に示す如くガラス板2の中央付近の1
ないし少数の格子交差部に配すればよい。
【0034】なお、継手7は、図示しないが上下に分割
した状態でプレス成型等により製作され、内部にボタン
状突起および弾発スプリングを組込んだうえで、前記分
割した状態にあるものを接合し、形成すればよい。
【0035】図4Bは別の継手を示した側断面図であ
り、該別の継手7’は、前記継手7を配した箇所以外の
格子交差部に配するもので、前記継手7の本体中空部11
に対応する中空または中実の本体(図示においては中空
の例を示す)と、前記継手7の挿入片14、14’に対応す
る挿入片よりなり、該挿入片を格子辺6の筒内に嵌挿
し、一体化した組格子5を形成するものである。
【0036】なお、格子辺6とスペーサー3との接合
は、格子辺6の端部をスペーサー3にそのまま接着する
ケースもあるが、継手7の挿入片14、14' の如きものを
(この場合本体11に相当するものはなくてもよい)、格
子辺の筒部、および予めスペーサーに穿設した嵌合孔に
跨って挿入すればよい。
【0037】本発明の格子を内在した複層ガラスにおい
て、すでに知られるように、一方と他方のガラス板の厚
みを換えたり(例えば3mm厚と4mm厚、3mm厚と5mm厚
等)、内部空間に空気と比重の異なるガス(例えばアル
ゴンガス、6弗化硫黄ガス等)を充填するようにすれ
ば、より一層の防音効果を発揮することはいうまでもな
い。
【0038】
【実施例】
〔試料作製〕サイズ1050mm×1050mm、約3mm厚のガラス
板、幅(L)18mm、高さ(H) 9mmでAES樹脂からな
る各種断面形態の格子辺、および格子継手、さらに高さ
12mmで乾燥剤を内在したアルミニウム製スペーサーを準
備した。
【0039】比較例1:組格子を用いることなく、一対
のガラス板周縁部にスペーサーを配置し、接着して複層
ガラスを製作した。
【0040】比較例2:予めスペーサーに格子辺および
継手からなる組格子を組込んだうえで、両ガラス板を接
着し、外観が図1に示すような格子を内在した複層ガラ
スを製作した。なお、格子辺(筒部肉厚1mm)として、
図2Aのごとく中仕切や通孔のないものを使用した。
【0041】実施例1:比較例2同様に格子を内在した
複層ガラスを作製した。但し格子辺として図2Bのごと
くの両側辺部に4mmφの通孔を有するもの(筒部肉厚1
mm、中仕切肉厚1mm)を採用した。
【0042】実施例2:比較例2同様に格子を内在した
複層ガラスを作製した。但し格子辺として図2Cのごと
く中仕切(筒部肉厚1mm、中仕切肉厚1mm)を有し、か
つ両側辺部に4mmφの通孔を有するものを採用した。
【0043】実施例3:比較例2同様に格子を内在した
複層ガラスを作製した。但し格子辺として図2Eのごと
くその両側辺部を 厚み(肉厚 1.8mm)とし、かつ両側
辺部に4mmφの通孔を有するものを採用した。
【0044】実施例4:実施例2同様の中仕切入り格子
を用いた、格子を内在した複層ガラスを作製した。但し
ガラス板の厚みを、一方を3mm、他方を4mmとした。
【0045】〔防音性能試験〕 試験方法:JIS A 1416(実験室における音響透過損失測
定方法)に準拠し、音源用残響室と受音用残響室の間の
開口部に枠体を介して複層ガラス試料を取付け、 100〜
5000Hzにわたる音響透過損失(dB)を測定した。さらに
JIS A 4706(サッシ)に規定される評価基準により遮音
等級を求めた。
【0046】結果:表1に、各比較例、実施例の主な周
波数における音響透過損失(dB)を、また、図5のグラ
フに、比較例1(図中COEX.1)、比較例2(COEX.2)、
実施例1(EX.1)、および実施例2(EX.2)の周波数
(Hz)−音響透過損失(dB)の関係、および遮音等級
(TS−等級) との関係を示す。
【0047】比較例1、比較例2においては、周波数 3
15Hzを底とし、 200〜 500Hzの共鳴振動域における防音
性能の低下が認められる。それに対し、実施例1ないし
実施例3においては、該音域の低下が相当改善されてお
り、更に実施例4のガラス板相互を異厚とする組合せと
すれば、格段と改善されているのが分かる。
【0048】〔格子辺の圧縮強度試験〕 試験方法:比較例2、実施例1、および実施例3に採用
した格子辺につき、その長さ50mm(幅はいずれも18mmで
あり、従って圧縮にかかわる面積は9cm2 である. また
高さはいずれも9mmである)にわたる圧縮試験を実施し
た。試験装置として、オリエンティック社製引張強度試
験機(UCT −10T)を使用し、上記面積にわたり1mm/mi
n の速度で荷重負荷し、変位(mm)−荷重(kgf)曲線に
おいて、直線的変化から曲線状にシフトする前の 0.5mi
n における強度を測定した。
【0049】結果:比較例2における格子辺において20
5kgf/9cm2 、実施例1における格子辺において888kgf
/9cm2 、実施例3における格子辺において897kgf/9
cm2の圧縮強度結果を得た。すなわち、実施例1、実施
例3は中空薄肉の格子辺において、そのガラス板対向面
方向における耐圧縮強度を増大させたことにより、図
5、および表1に示すようなガラス板の共鳴振動域にお
ける防音効果を増大させ、遮音等級を向上させることが
できることを如実に示すものである。
【0050】 〔表1〕 音響透過損失(dB) 遮音等級 例 構成 315Hz 1600Hz (TS−等級) 比 較例1 組格子なし (通常の複層ガラス) 16 39 20 比較例2 組格子あり (通孔、中仕切なし <図2A参照>) 15 41 20 実施例1 組格子あり (通孔有、中仕切無 <図2B参照>) 18 41 25 実施例2 組格子あり (通孔、中仕切あり <図2C参照>) 23 42 30 実施例3 組格子あり (通孔有、側部辺高厚<図2E参照>) 23 42 30 実施例4 組格子あり(実施例2と同一) (互いのガラス板を異厚とする) 27 42 30
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、中空の格子辺に通孔ま
たはスリットを設けることにより、複層ガラスにおける
ガラス板の共鳴振動域における防音性能の低下を抑制す
ることができ、また、薄肉の格子辺においては、そのガ
ラス板対向面方向の耐圧縮強度を増大させることによ
り、前記通孔またはスリットの穿設と相まって、前記共
鳴振動域における防音性能の低下を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】組格子を配した複層ガラスの正面図である。
【図2】組格子における格子辺の横断面形態を示し、図
2Aは従来の格子辺、図2Bは格子辺に通孔を設けたも
の、図2Cは格子辺に通孔および中仕切を設けたもの、
図2Dは格子辺の肉厚を高厚としたもの、図2Eは格子
辺の側辺部の肉厚を高厚とした(中仕切は設けない)も
のである。
【図3】音波の伝わり状態を示した、複層ガラス格子辺
付近の断面模式図である。
【図4】継手と、格子辺との係合状態を示す断面図であ
り、図4Aは一の継手とガラス板との係合状態、図4B
は別の継手とガラス板との係合状態をあらわす。
【図5】比較例および主な実施例の周波数(Hz)−音響
透過損失(dB)の関係、および遮音等級(TS−等級) と
の関係を示すグラフである。
【図6】組格子の部分斜視図である。
【符号の説明】
1 -------- 複層ガラス 2、2a、2b------ ガラス板 3 -------- スペーサー 4 -------- 内部空間 5 -------- 組格子 6、6’ --------(筒型)格子辺 7 --------(交差部)継手 8、8' -------- 通孔 9 -------- 中仕切

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対面する一対のガラス板の対向面周縁部全
    周にスペーサーを配置、接着して形成された内部空間
    に、ガラス板と非接触に筒型格子辺からなる組格子を配
    在した複層ガラスにおいて、前記筒型格子辺のガラス板
    面に対向する辺部および/またはその側辺部に、複数の
    通孔またはスリットを穿設してなることを特徴とする格
    子を内在した複層ガラス。
  2. 【請求項2】薄肉の中空体からなる格子辺の、ガラス板
    対向面方向の耐圧縮強度を増加させる補強部を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の格子を内在した複層ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】組格子を形成する交差部継手に、ガラス板
    に緩やかに接し、または近接状態にある出没可能なボタ
    ン状突起を配したことを特徴とする請求項1または2記
    載の格子を内在した複層ガラス。
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