JP3326747B2 - 刷版の画像部面積の調整方法 - Google Patents

刷版の画像部面積の調整方法

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JP3326747B2
JP3326747B2 JP2000103694A JP2000103694A JP3326747B2 JP 3326747 B2 JP3326747 B2 JP 3326747B2 JP 2000103694 A JP2000103694 A JP 2000103694A JP 2000103694 A JP2000103694 A JP 2000103694A JP 3326747 B2 JP3326747 B2 JP 3326747B2
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刷版の画像部面積
の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず従来の、印刷物の原稿作成から印刷
に至るまでの工程の概略を、図2に従って説明する。最
初にDTP(Desktop Publishing)40において印刷原
稿をデジタルデータとして作成する。次にラスタ・イメ
ージ・プロセッサ(Raster Image Processing、以下R
IPとする)42により、画像データファイルの画像を
印刷用の網点で構成される画像に展開(RIP展開)
し、これをビットマップ形式(TIFF)の2値画像の
ファイル44として保存する。具体的には、文字の場合
ならば図6に示すように、アウトラインフォント(ベク
トルデータ)からなる文字を、ビットマップフォント
(網点)からなる文字に変換する処理である。
【0003】次にイメージセッタ46により、ビットマ
ップ形式のファイルから刷版を作成するためのフィルム
48を作成する。フィルム48の面付を行った後に、フ
ィルムの画像を焼き付けた刷版52を作成する。そして
作成した刷版52を用いて印刷機54で印刷を行い、印
刷物56を得る。
【0004】一方最近ではこの方法とは別に、ビットマ
ップ形式のファイルからCTP装置(Computer To Plat
e)50により直接刷版52を作成する方法が行われて
いる。この方法はフィルムを作成しないため、低コス
ト、高スピード、多品種少ロット品での生産性が高いと
いうメリットがある。またフィルムにゴミが付着して正
く刷版が作成できない等の不都合を回避できる、有用な
方法である。
【0005】ところで印刷機には、同一の刷版を用いた
場合でも印刷物の画像部が太くなったり細くなったりす
る特徴がある。印刷物の画像部は原稿と同じ太さとなる
のが最適であり、これにあわせるため何らかの方法によ
る調整が必要となる。上記の印刷機の特徴は、印刷機の
ブランケット特性、インクの転写性や粘度、印圧などの
要因が重なり合って生じるものと考えられるが、これら
の要因を修正して対応するのは時間とコストがかかりす
ぎる。そこで刷版の段階で画像部面積を調整して、印刷
機の特徴に対応するのが便利である。すなわち印刷物の
画像部が太くなる特徴を持つ印刷機に対しては刷版の画
像部をあらかじめ細くしておき、印刷物の画像部面積が
細くなる特徴を持つ印刷機に対しては刷版の画像部をあ
らかじめ太くしておくのである。
【0006】その具体的な方法として、従来では、フィ
ルムの画像を刷版に焼き付ける際のビームの照射時間
(露光時間)を調整して、刷版の画像部面積を調整して
いた。そのビームの照射時間は、熟練した作業者の経験
に頼る部分が大きかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の露光ビーム
照射時間による調整方法では、画像部を大幅に太くした
り細くしたりすれば輪郭がぼやけたり、特定の方向にの
み画像部を太くしたり細くしたりすることができないな
ど、調整範囲に限界がある。
【0008】また、事前に試し印刷をして刷版の画像部
面積の調整が必要と判断された場合や、調整後に印刷を
したところ再度調整が必要と判断された場合、印刷に供
するため一度現像した刷版は再度露光して画像部面積を
調整することができないため、別の刷版に再度露光をす
ることになり、その分のコストが高くなる。さらに、そ
もそも上記のCTP方式ではフィルムを作成しないた
め、CTP方式を採用する印刷工程では従来技術による
刷版の画像部面積の調整ができない。
【0009】本発明は上記問題点に着目し、自在に調整
を行うことができ、印刷後低コストで再調整ができる、
CTP方式に対応した刷版の画像部面積の調整方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る刷版の画像部面積の調整方法は、印
刷用画像データをポジタイプの刷版に露光して焼き付け
た後、前記刷版への露光位置を必要調整量分だけずらし
た位置から前記印刷用画像データを露光して重ねて焼き
付けることにより、刷版の画像部面積を減少調整する構
成とした。
【0011】また、印刷用画像データをネガタイプの刷
版に露光して焼き付けた後、前記刷版への露光位置を必
要調整量分だけずらした位置から前記印刷用画像データ
を露光して重ねて焼き付けることにより、刷版の画像部
面積を増加調整する構成とした。
【0012】さらに、印刷用画像データをネガタイプの
アブレーション刷版に露光して焼き付けた後、前記刷版
を用いて印刷を行い、印刷結果から刷版の画像部面積の
調整量を決定し、前記刷版への露光位置を必要調整量分
だけずらした位置から前記印刷用画像データを露光して
重ねて焼き付けることにより、刷版の画像部面積を増加
調整する構成とした。加えて、前記画像データは、ビッ
トマップ形式に形成されたものであることが望ましい。
【0013】
【作用】印刷物の画像部が太くなる特徴を持つ印刷機の
場合、ポジタイプの刷版に露光する。ポジタイプの刷版
はレーザービームにより露光された部分が非画像部とな
る性質を持っている。従って、印刷用画像データをポジ
タイプの刷版に露光して焼き付けた後、前記刷版への露
光位置を必要調整量分だけずらした位置から前記印刷用
画像データを露光して重ねて焼き付ければ、レーザービ
ームにより露光された部分が多くなって、刷版の画像部
面積が減少する。そして任意の方向に、しかも複数回多
重露光できるので、自在に刷版の画像部面積の調整がで
きる。
【0014】一方、印刷物の画像部が細くなる特徴を持
つ印刷機の場合、ネガタイプの刷版に露光する。ネガタ
イプの刷版はレーザービームにより露光された部分が画
像部となる性質を持っている。従って、印刷用画像デー
タをネガタイプの刷版に露光して焼き付けた後、前記刷
版への露光位置を必要調整量分だけずらした位置から前
記印刷用画像データを露光して重ねて焼き付ければ、レ
ーザービームにより露光された部分が多くなって、刷版
の画像部面積が増加する。そして任意の方向に、しかも
複数回多重露光できるので、自在に刷版の画像部面積の
調整ができる。
【0015】また、アブレーション刷版は露光された部
分が画像部となるネガタイプの刷版である。この刷版は
露光ビームを受けた部分が剥離するので現像工程を必要
とせず、印刷に用いた後でも同一刷版に再度露光するこ
とにより、画像部面積を増加させることができる。従っ
て、印刷用画像データをネガタイプのアブレーション刷
版に露光して焼き付けた後、前記刷版を用いて印刷を行
い、印刷結果から刷版の画像部面積の調整量を決定し、
前記刷版への露光位置を必要調整量分だけずらした位置
から前記印刷用画像データを露光して重ねて焼き付ける
ことにより、刷版の画像部面積を増加調整することがで
きる。このように印刷に供した刷版を無駄にすることが
なくなり、低コストで再調整ができる。
【0016】また、前記画像データとして、フィルム作
成前のビットマップ形式に形成された画像データを用い
れば、フィルムを作成しないCTP方式に対応できる。
またビットマップ形式画像データは印刷用の網点で構成
されているので、最終の印刷物に即して刷版の画像部面
積の調整ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る刷版の画像部面積の
調整方法の第1実施形態を、添付図面に従って詳細に説
明する。なお前記従来の技術において説明した部分に対
応する部分については、同一の符号を付してその説明を
省略する。
【0018】第1実施形態として、ポジビームにより印
刷用ビットマップ形式画像データをポジタイプの刷版に
走査露光して焼き付けた後、前記刷版への露光位置を必
要調整量分だけずらした位置からポジビームにより前記
印刷用ビットマップ形式画像データを走査露光して重ね
て焼き付けることにより、刷版の画像部面積を減少調整
することを特徴とする刷版の画像部面積の調整方法(以
下、ポジプレートにより画像部を減少させる方法とい
う)、およびネガビームにより印刷用ビットマップ形式
画像データをネガタイプの刷版に走査露光して焼き付け
た後、前記刷版への露光位置を必要調整量分だけずらし
た位置からネガビームにより前記印刷用ビットマップ形
式画像データを走査露光して重ねて焼き付けることによ
り、刷版の画像部面積を増加調整する刷版の画像部面積
の調整方法(以下、ネガプレートにより画像部を増加さ
せる方法という)について説明する。
【0019】本実施形態では、図2に示す印刷物の原稿
作成から印刷に至るまでの工程のうち、画像データファ
イル44からCTP装置50により直接刷版(プレー
ト)52を作成する方式を利用して、刷版の画像部面積
の調整を行う。
【0020】図2のCTP装置50に入力する画像デー
タとして、DTP40で作成した印刷原稿画像データ
を、ラスタ・イメージ・プロセッサ42により印刷用の
網点で構成される画像に展開(RIP展開)し、これを
ビットマップ形式(TIFF)の2値画像のファイル4
4として保存したものが用いられる。本実施形態にも以
下に説明するビットマップ形式画像データを使用する。
RIP展開とは具体的には、文字の場合ならば図3に示
すように、アウトラインフォント(ベクトルデータ)か
らなる文字を、ビットマップフォント(網点)からなる
文字に変換する処理である。網点は、印刷物の濃淡(明
暗)表現のために用いられる、人間が視認しにくいほど
小さな点であり、主として円形、場合により四角形を呈
する点として形成されている。このような網点を利用し
た濃淡の表現方法として、AMスクリーニング方式とF
Mスクリーニング方式がある。このうち現在の主流にな
っているAMスクリーニング方式は、均等に並べられた
網点の大きさを変えることにより濃淡を表現する方法
で、濃い部分は網点を大きく、薄い部分は網点を小さく
する。網点の大きさは100段階ほどに分けられてい
る。一方FMスクリーニング方式は、同じ大きさの網点
を用いるが、濃い部分は一定面積当たりの網点の数を増
やし、薄い部分は網点の数を減らして濃淡を表現する方
法である。なお網点は、デジタルデータとして扱われる
場合には、さらにそれぞれの網点を極めて小さなドット
(点)の集合体により構成する。ドットはそれぞれ同じ
大きさを有するので、網点の大きさとその網点を構成す
るドット数とは比例する。
【0021】一般にCTP装置50は、画像データに対
しポジビームおよびネガビームの両方の露光ビームを発
生させることが可能であり、本実施形態でも同様の性能
を具備するCTP装置を用いて、両方の露光ビームを使
用する。露光ビームはレーザー光線である。図4は各プ
レートの露光作用の説明図であり、同図(1a)(2
a)は画像データの説明図であり、同図(1b)(2
b)は露光状態のプレートの断面図であり、同図(1
c)(2c)は現像後のプレートの断面図である。ポジ
ビーム78とは、画像データ70の画像部分72以外の
部分について発生させるビームを言う。一方ネガビーム
89とは、画像データ80の画像部分82について発生
させるビームを言う。
【0022】一方、刷版にもポジタイプの刷版(ポジプ
レート)とネガタイプの刷版(ネガプレート)があり、
本実施形態では印刷機の性能に応じていずれか一方のプ
レートを使用する。ポジプレートとは露光される部分が
画像部とならないものであり、ネガプレートとは露光さ
れた部分が画像部となるものである。図4(1b)のポ
ジプレート92は、アルミ等の基板90とハロゲン化銀
等の感光材料94の層から形成されている。このプレー
トにおいて露光ビームを受けた部分の感光材料94aは
現像時に現像液との化学反応により溶解し、(1c)の
ように画像部分として残らず、一方露光ビームを受けて
いない部分の感光材料94bは現像液中に溶解せず、画
像部分73として残る。図4(2b)のネガプレート9
6は、アルミ等の基板90と光硬化樹脂等の感光材料9
8の層から形成されている。このプレートにおいて露光
ビームを受けていない部分98aは現像液中に溶解し、
画像部分として残らず、露光ビームを受けた部分の感光
材料98bは硬化して現像液中に溶解せず、(2c)の
ように画像部分83として残る。
【0023】次に本実施形態に係る刷版の画像部面積の
調整方法の具体的な手順および作用を、ビットマップ形
式画像データを構成する網点の面積の増加および減少作
用として説明する。図1は本実施形態の手順を示すブロ
ック図である。図5は網点の面積の増加および減少作用
の説明図であり、同図(1)は網点の露光位置の説明図
であり、同図(2)は網点を構成するドットの増減を示
す説明図である。
【0024】まず、実際に印刷機で印刷しようとするビ
ットマップ形式画像データを選択する(ステップ10
2)。次に、その画像データを用いて印刷機で試し印刷
を行う(ステップ104)。具体的にはその画像データ
をプレートに露光し、現像し、印刷する。試し印刷で使
用するプレートの種類はいずれを用いてもよく、使用す
る露光ビームの種類はポジプレートを使用する場合はポ
ジビームを、ネガプレートを使用する場合はネガビーム
を使用する。次に、印刷物の画像部の調整が必要かどう
かを判断し(ステップ106)、必要でなければそのプ
レートを用いて本印刷に移行する(ステップ122)。
【0025】一方調整が必要な場合には、試し印刷の結
果から印刷機の特徴を把握する(ステップ108)。把
握すべき特徴は、原稿の画像と比較して、印刷物の画像
が太くなるのか細くなるのか、どの方向に太くなってい
るのか細くなっているのか、およびどれだけ太くなって
いるのか細くなっているのかの点である。なお、当該印
刷機で印刷した他の印刷物の実績から上記特徴が予測で
きる場合は、試し印刷(ステップ104)および調整要
否の判断(ステップ106)を省略する。次に、使用す
るプレートの種類を決定する(ステップ110)。試し
印刷に用いたプレートはもはや露光できないため、以下
の画像部面積調整には新しいプレートを使用する。ステ
ップ104で把握した結果から、画像が太くなる特徴を
持つ印刷機の場合はポジプレートを使用し、画像部が細
くなる場合はネガプレートを使用する。なお使用する露
光ビームの種類は、ポジプレートを使用する場合はポジ
ビームを、ネガプレートを使用する場合はネガビームを
使用する。そして、CTP装置を用いて、ステップ10
2で選択した画像データをステップ110で決定したプ
レートに走査露光する(ステップ112、第1の露
光)。走査露光とは、画像データ全体がドット単位で構
成されていることから、まず第1行のドットを左から右
に順に露光し、次に第2行のドットを左から右に順に露
光するというようにしてすべてのドットを順に露光し、
結局画像データ全体を露光するものである。図5(1)
のAは、ステップ112でプレート上に露光された網点
の輪郭の概略を示す。図5(2)のドット1は、網点A
を構成するドットである。
【0026】次に、必要な画像部面積の調整量を決定す
る。すなわち、ステップ102で選択した画像データを
ステップ112の露光位置からずらして露光するに際
し、ずらす方向と距離を決定する(ステップ114)。
その際、ステップ108で把握した、印刷物の画像がど
の方向に太くなっているのか細くなっているのか、およ
びどれだけ太くなっているのか細くなっているのかの点
を考慮する。そしてずらした位置から、当該画像データ
を当該プレートに走査露光する(ステップ116、第2
の露光)。図5(1)のB、Cは、ステップ116でA
からずらした位置に露光した網点の輪郭の概略である。
Bは、ステップ114でb方向に1ドット分ずらすと決
定して露光したものである。Cは、b方向とは直交する
c方向に1ドット分ずらすと決定して露光したものであ
る。
【0027】ここで、ネガプレートにより画像部を増加
させる方法の場合の、ドットの増加作用について説明す
る。図5(2)(A)にドットの増加作用の説明図を示
す。ネガビームは画像データの画像部分について発生さ
せるビームであり、ネガプレートは露光ビームを受けた
部分がプレート上の画像部となる性質を有する。そこで
画像データの画像部分である網点Aについて露光ビーム
を発生させると、網点Aを構成するドット1がプレート
上の画像部となる。次に網点BまたはCについて露光ビ
ームを発生させると、ドット1以外の網点Bを構成する
ドット2Bまたは網点Cを構成するドット2Cが新たに
プレート上の画像部となる。こうしてネガプレートに対
する二重露光により、画像部面積が増加する。
【0028】次に、ポジプレートにより画像部を減少さ
せる方法の場合の、ドットの減少作用について説明す
る。図5(2)(B)にドットの減少作用の説明図を示
す。ポジビームは画像データの画像部分以外の部分につ
いて発生させるビームであり、ポジプレートは露光ビー
ムを受けた部分がプレート上の画像部とならない性質を
有する。そこで画像データの画像部分である網点A以外
の部分について露光ビームを発生させると、その部分は
後の現像時に現像液中に溶出し、網点Aを構成するドッ
ト1がプレート上の画像部となる。次に網点BまたはC
以外の部分について露光ビームを発生させると、ドット
1のうち網点BまたはCの領域からはずれるドット3
は、新たに現像液中に溶出することになる。こうしてポ
ジプレートに対する二重露光により、画像部面積が減少
する。
【0029】上記を経て、刷版の現像および印刷を行う
(ステップ118)。そして、再度印刷物の画像部の調
整が必要かどうかを判断し(ステップ120)、必要な
らば印刷機の特徴を再度把握した上、別のプレートを用
いて上記手順を繰り返す(ステップ108以下)。画像
部の再調整が必要でなければ、そのプレートを用いて印
刷機により本印刷を行う(ステップ122)。
【0030】以上のように、画像データを走査露光した
後、ずらした位置から重ねて走査露光して刷版の画像部
面積を調整する構成としたので、任意の方向に任意の距
離だけずれた位置から第2の走査露光が可能である。フ
ィルムの画像を刷版に焼き付ける際のビームの照射時間
(露光時間)の調整といった化学的方法を用いた場合に
は、画像部を大幅に太くしたり細くしたりすれば輪郭が
ぼやけたり、特定の方向にのみ画像部を太くしたり細く
したりすることができないなどの問題点があるが、本実
施形態によれば任意の距離だけずれた位置に複数回(第
2実施形態参照)の露光が可能であり、なおかつ標準的
な露光時間で露光するから、大幅な調整をしても輪郭が
ぼやけたりすることはなく、また特定の方向にのみ画像
部を調整することもできるから、結局自在に刷版の画像
部面積を調整できる。
【0031】さらに、前記画像データとして、フィルム
作成前のビットマップ方式に形成された画像データを用
いることで、フィルムを作成しないCTP方式に対応す
ることができる。またビットマップ形式画像データは印
刷用の網点で構成されているので、最終の印刷物に即し
て刷版の画像部面積の調整ができる。
【0032】次に第2実施形態として、アブレーション
刷版を使用した刷版の画像部面積の増加調整方法につい
て説明する。最近ではアブレーション刷版(プレート)
が開発され利用されている。図6はアブレーションプレ
ートの露光作用の説明図であり、同図(a)は画像デー
タの説明図であり、同図(b)は露光状態のプレートの
断面図である。アブレーションプレート196は、アル
ミ等の基板90と多層構造からなる感光材料198の層
から形成されている。このプレートは露光ビームを受け
た部分の感光材料198bが剥離し、露光ビームを受け
ていない部分の感光材料198aがプレート上に残る。
そしてその感光材料198aが親水性を有する一方、感
光材料198bの剥離によって露出した層は親油性を有
するから、露光された部分198bが画像部となる性質
を有する。すなわちネガプレートの一種であり、ネガビ
ーム89を使用して露光するなど、基本的には上記のよ
うな従来のネガプレートと同一の作用効果を有する。た
だし露光ビームの波長は、上記のような従来のネガプレ
ートに対して用いる露光ビームの波長よりも、長くする
必要がある。
【0033】このプレートは露光ビームを受けた部分の
感光材料が剥離するため、現像工程を経ることなく直接
印刷工程に用いることができる点に特徴がある。上記の
ような従来のネガプレートでは、印刷工程の前に露光ビ
ームを受けていない部分の感光材料を溶出させるための
現像工程が必要である。現像工程で溶出してしまった部
分については、再度露光しても画像部分とすることはで
きない。従って、新たに画像部面積の増加調整を行うに
は常に新しいプレートを使用する必要がある。しかし、
現像工程の不要なアブレーションプレートの場合には、
印刷に使用した後でも再度露光することにより露光ビー
ムを受けた部分の感光材料を剥離させることができ、新
たな画像部面積の増加調整を同一のプレートで行うこと
ができる。従って、試し印刷から最終的な画像部面積の
調整までを1個のプレートで行うことができるのであ
る。
【0034】そこで、アブレーションプレートを使用し
た場合の刷版の画像部面積の調整方法の具体的な手順に
ついて説明する。図7はアブレーションプレートを使用
した場合の刷版の画像部面積の調整方法のブロック図で
ある。まず、実際に印刷機で印刷しようとするビットマ
ップ形式画像データを選択する(ステップ202)。次
に、その画像データを用いて印刷機で試し印刷を行う
(ステップ204)。具体的にはその画像データをプレ
ートに露光した後、直接印刷すればよく、現像をする必
要はない。アブレーションプレートはネガプレートの一
種であるから、露光ビームにはネガビームを使用する。
次に、印刷物の画像部の調整が必要かどうかを判断し
(ステップ206)、調整が必要な場合には試し印刷の
結果から印刷機の特徴を把握する(ステップ208)。
把握すべき特徴は上記と同じである。アブレーションプ
レートの場合には試し印刷に使用したプレートに再度露
光ができるので、新たにプレートの種類を決定したり
(図1のステップ110)、新しいプレートに第1の露
光をしたり(図1のステップ112)する必要はない。
次に、必要な画像部面積の調整量を決定する(ステップ
214)。そしてずらした位置から、ステップ202で
選択した画像データを当該アブレーションプレートに走
査露光する(ステップ216)。ネガプレートにおける
画像部の増加作用は従来と同様である。上記を経て印刷
を行う(ステップ218)。この場合も直接印刷すれば
よく、現像する必要はない。そして再度印刷物の画像部
の調整が必要かどうかを判断し(ステップ220)、必
要ならば印刷機の特徴を再度把握した上、同一のアブレ
ーションプレートに対して上記手順を繰り返す(ステッ
プ208以下)。画像部の再調整が必要でなければ、そ
のプレートを用いて印刷機により本印刷を行う(ステッ
プ222)。
【0035】このように、印刷用画像データをネガタイ
プのアブレーション刷版に露光して焼き付けた後、前記
刷版を用いて印刷を行い、印刷結果から刷版の画像部面
積の調整量を決定し、前記刷版への露光位置を必要調整
量分だけずらした位置から前記印刷用画像データを露光
して重ねて焼き付けることにより、刷版の画像部面積を
増加調整する構成としたので、試し印刷をして刷版の画
像部面積の調整が必要と判断された場合や、調整後に印
刷をしたところ再度調整が必要と判断された場合に、印
刷に供した刷版を無駄にすることがなくなり、低コスト
で再調整ができる。これにより、印刷しようとする画像
データを用いて試し印刷を自由に行うことができるの
で、印刷しようとする画像データに即して印刷機の特徴
を把握することができ、効率的な画像部調整ができる。
【0036】次に第3実施形態として、ポジプレートに
より画像部を減少させる方法またはネガプレートにより
画像部を増加させる方法を複数回異なる位置に行って、
刷版の画像部面積を調整する方法について説明する。図
1のステップ104において把握すべき特徴のうち、ど
の方向に太くなっているのか細くなっているのかの点に
つき、方向性がなく全体的に太くなっているまたは細く
なっていると把握される場合、全体的に太くしたり細く
したりする必要がある。この場合、図5(1)の網点A
に加えて、網点B、網点Cおよび、b方向とc方向を2
分するd方向に網点Dを、多重露光する。すると、ネガ
プレートにより画像部を増加させる方法の場合には、図
5(2)(A)のドット2B、2C、2Dがすべて増加
し、ポジプレートにより画像部を減少させる方法の場合
には、図5(2)(B)のドット3がすべて減少する。
b方向、c方向およびd方向に均等にずらしているた
め、多重露光後の画像も多重露光前の網点Aと同じ略円
形状となり、全体的に太くしたり細くしたりすることが
できる。さらに、網点Aを中心として、45度間隔で8
方向に多重露光すれば、多重露光後の画像はさらに円形
状に近くなる。
【0037】次に第4実施形態として、印刷機の特徴を
修正する目的でなく、単に印刷物の画像部の微修正を目
的として第1実施形態の方法を用いる。当該画像部は原
稿通りに印刷できているのだが、より画像部を強調する
ための微修正が必要な場合などに有用である。その場合
最初に露光するプレートの種類によって、その後画像を
増加させるか減少させるかいずれかの方向でしか修正で
きなくなるが、あらかじめいずれの方向に修正する可能
性があるかが分かっていれば、それに対応したプレート
を最初に選択する。
【0038】また、第5実施形態として、画像データの
一部分のみを多重露光する。第4実施形態と同様に画像
部の微修正を目的として、特に画像部の一部分(パー
ツ)についてのみ調整を行うものである。画像部の一部
分を特に強調するためその部分を太くする場合や、逆に
画像部の一部分をシャープなイメージにするためその部
分を細くする場合に利用する。このような画像部の一部
分のみの多重露光は、第1実施形態と同様に一般のCT
P装置により実行可能である。具体的には、第1の露光
は第1実施形態と同様に行うが、第2の露光の前に画像
データの一部を座標で指示することによって、それ以外
の部分の画像データにマスクをかけ、指示した部分につ
いてのみ第1実施形態と同様に第2の露光を行う。また
は逆に、マスクする部分を座標で指示し、全体の画像デ
ータからマスク部分を除く処理を行って、残りの部分に
ついて第1実施形態と同様に第2の露光を行う。
【0039】
【発明の効果】印刷用画像データをポジタイプの刷版に
露光して焼き付けた後、前記刷版への露光位置を必要調
整量分だけずらした位置から前記印刷用画像データを露
光して重ねて焼き付けることにより、刷版の画像部面積
を減少調整する構成とし、また印刷用画像データをネガ
タイプの刷版に露光して焼き付けた後、前記刷版への露
光位置を必要調整量分だけずらした位置から前記印刷用
画像データを露光して重ねて焼き付けることにより、刷
版の画像部面積を増加調整する構成としたので、自在に
調整を行うことができる刷版の画像部面積の調整方法が
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る刷版の画像部面積の調整方法のブ
ロック図である。
【図2】DTPから印刷までの流れを示す説明図であ
る。
【図3】文字のRIP展開を示す説明図である。
【図4】各プレートの露光作用の説明図であり、(1
a)(2a)は画像データの説明図であり、(1b)
(2b)は露光状態のプレートの断面図であり、(1
c)(2c)は現像後のプレートの断面図である。
【図5】画像を構成する網点の面積の増加および減少作
用の説明図であり、(1)は画像の露光位置の説明図で
あり、(2)は網点を構成するドットの増減を示す説明
図である。
【図6】アブレーションプレートの露光作用の説明図で
あり、(a)は画像データの説明図であり、(b)は露
光状態のプレートの断面図である。
【図7】アブレーションプレートを使用した場合の刷版
の画像部面積の調整方法のブロック図である。
【符号の説明】
1、2B、2C、2D、3………ドット、40………D
TP、42………ラスタ・イメージ・プロセッサ、44
………TIFFファイル、46………イメージセッタ、
48………フィルム、50………CTP装置、52……
…刷版、54………印刷機、56………印刷物、70…
……画像データ、72………画像部分、73………画像
部分、78………ポジビーム、80………画像データ、
82………画像部分、83………画像部分、89………
ネガビーム、90………基板、92………ポジプレー
ト、94………感光材料、96………ネガプレート、9
8………感光材料、196………アブレーションプレー
ト、198………感光材料

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷用画像データをポジタイプの刷版に
    露光して焼き付けた後、前記刷版への露光位置を必要調
    整量分だけずらした位置から前記印刷用画像データを露
    光して重ねて焼き付けることにより、刷版の画像部面積
    を減少調整することを特徴とする刷版の画像部面積の調
    整方法。
  2. 【請求項2】 印刷用画像データをネガタイプの刷版に
    露光して焼き付けた後、前記刷版への露光位置を必要調
    整量分だけずらした位置から前記印刷用画像データを露
    光して重ねて焼き付けることにより、刷版の画像部面積
    を増加調整することを特徴とする刷版の画像部面積の調
    整方法。
  3. 【請求項3】 印刷用画像データをネガタイプのアブレ
    ーション刷版に露光して焼き付けた後、前記刷版を用い
    て印刷を行い、印刷結果から刷版の画像部面積の調整量
    を決定し、前記刷版への露光位置を必要調整量分だけず
    らした位置から前記印刷用画像データを露光して重ねて
    焼き付けることにより、刷版の画像部面積を増加調整す
    ることを特徴とする刷版の画像部面積の調整方法。
  4. 【請求項4】 前記画像データは、ビットマップ形式に
    形成されたものであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の刷版の画像部面積の調整方法。
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