JP3325988B2 - 透明ポリプロピレン複合シート又はフィルムの製造方法 - Google Patents
透明ポリプロピレン複合シート又はフィルムの製造方法Info
- Publication number
- JP3325988B2 JP3325988B2 JP34706893A JP34706893A JP3325988B2 JP 3325988 B2 JP3325988 B2 JP 3325988B2 JP 34706893 A JP34706893 A JP 34706893A JP 34706893 A JP34706893 A JP 34706893A JP 3325988 B2 JP3325988 B2 JP 3325988B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- resin
- sheet
- polypropylene
- transparent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
ッケージ,記録用透明フィルム等の用途に好適な、印刷
性(接着性,後加工性)に優れ、易滑性,帯電防止性の
付与も容易な超高透明ポリプロピレン複合シート又はフ
ィルムを製造する方法に関する。
汎用の透明シート素材として、ポリ塩化ビニルが用いら
れてきたが、近年、廃棄処理、再利用などの点から、使
用回避の傾向がある。これに伴って代替素材としてポリ
プロピレン樹脂が注目されており、このポリプロピレン
樹脂について、その透明性を高める技術が各種開発され
ている。
はフィルムの透明性を改良する方法として、急速冷却に
よる結晶化制御技術を種々提案しており(特公昭62-414
57号公報,同62-10816号公報,特開昭62-42822号公報,
同60-236719 号公報等)、既に実用化に至っている。し
かるに近年、シート製品に対する一層の品位の向上や生
産性の向上などが求められている。
リプロピレン樹脂を、冷却水の流れるスリットに導入
し、挟圧ロールを通して得たシート又はフィルムを、金
属鏡面ベルトで挟圧する方法が提案されている(特開平
4-283359号公報)。この方法によれば、金属鏡面ベルト
によりシート表面へ鏡面を転写して、透明性良好なシー
トが得られるものの、ポリプロピレン樹脂の特性に基づ
く接着性,印刷性の低さ等から、接着性,印刷性,易滑
性,帯電防止性付与に多くの困難が伴うものであった。
トについて、シート表面を研削,研磨したり、溶融ポリ
プロピレンを塗布するなどの方法(特開平4-323023号公
報)が提案されている。この方法によれば、確かに透明
性、表面光沢に優れたシートが得られるものの、やはり
ポリプロピレン樹脂の特性に基づく接着性,印刷性の低
さ等から、接着性,印刷性,易滑性,帯電防止性付与に
多くの困難が伴うばかりか、一軸延伸の場合にはシート
が縦方向に裂け易く、二軸延伸の場合には生産性が低下
するという問題があった。
ような問題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、製膜時
に急冷するか、或いはポリプロピレン樹脂に造核剤等の
改質剤を加えて改質することにより透明度(内部ヘイ
ズ)を改良したシート又はフィルムに、高光沢透明樹脂
を溶剤に溶解又は水溶液の状態でハイグロス(高光沢)
コーティングすることにより、接着性や印刷性が改良さ
れ、易滑性,帯電防止性の付与が容易であるばかりでな
く、透明性がさらに向上したポリプロピレン樹脂シート
又はフィルムが得られることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに到った。
に急冷することにより得られる、或いは原料の改質によ
り得られる、未延伸であり、かつ、0.2mm厚のとき
に0〜5%程度という内部ヘイズの低いポリプロピレン
樹脂シート又はフィルムの両面乃至片面、或いは両面乃
至片面の一部に、ポリウレタン樹脂,アクリル共重合樹
脂,エポキシ樹脂,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
及びポリ酢酸ビニル樹脂よりなる群から選ばれた1種の
接着性を有する高光沢透明樹脂を溶剤に溶解又は水溶液
の状態でコーティングすることを特徴とする、表面光沢
度が130%以上(Gs60°)である透明ポリプロピ
レン複合シート又はフィルムの製造方法を提供するもの
である。次に、請求項2に係る本発明は、透明ポリプロ
ピレン複合シートを製造することを特徴とする請求項1
に記載の方法を提供するものである。
として用いられるポリプロピレン樹脂としては、プロピ
レン単独重合体又は1種或いは2種以上の結晶性プロピ
レン系コポリマー、及びこれらの混合物を挙げることが
できる。また、本発明のシートやフィルムには、多層シ
ートやフィルムも含まれる。本発明のシートやフィルム
の厚さは特に制限はないが、通常、0.01〜2.00
mm程度である。
ポリプロピレン樹脂の製膜時に急冷することにより、或
いは原料の改質により、内部ヘイズの低いポリプロピレ
ン樹脂シート又はフィルムを製造する。すなわち本発明
の方法においては、内部ヘイズの低いポリプロピレン樹
脂シート又はフィルムとして、ポリプロピレン樹脂の製
膜時に溶融樹脂膜を急速冷却することにより、球晶の生
成を阻害し、微結晶化したものを用いることができる。
このような技術として、特公昭62-41457号公報に記載さ
れている加工技術を用いることができる。この技術によ
れば、T−ダイから溶融状態で押出された膜状の熱可塑
性樹脂を冷却水の流れるスリットに導入し、次いで水槽
に設けられた半没挟圧ロールを通して冷却することによ
り、透明性(内部ヘイズ)に優れた熱可塑性樹脂シート
またはフィルムが得られる。
ズの低いポリプロピレン樹脂シート又はフィルムとし
て、原料の改質により得られるものを用いることができ
る。ここで原料の改質法としては、シリカ,タルク,
有機カルボン酸塩及びその金属塩,有機リン酸金属塩,
ポリビニルシクロアルカン,ジベンジリデンソルビトー
ル誘導体から選ばれる1種又は2種以上の造核剤をポリ
プロピレン樹脂に添加して、ポリプロピレン樹脂を微結
晶化する方法、石油樹脂,テルペン樹脂をポリプロピ
レン樹脂に添加してポリプロピレン樹脂の球晶の生成を
阻害する方法、或いはポリプロピレンランダムコポリ
マーの如き低結晶性コポリマーを添加してポリプロピレ
ン樹脂を改質する方法が挙げられる。
はなく、上記した如きポリプロピレン樹脂の製膜時に急
冷することによるか、或いは原料の改質により原料改質
法により得られる、内部ヘイズの低いポリプロピレン樹
脂シート又はフィルムを用いる。このようにして得られ
るポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの内部ヘイズ
は、できるだけ低いことが望ましいが、0.2mm厚で
通常、0〜5%程度のものを用いればよい。また、総ヘ
イズは、通常、5〜20%程度である。
法により得られる、内部ヘイズの低いポリプロピレン樹
脂シート又はフィルムの両面乃至片面に、接着性を有す
る高光沢透明樹脂をコーティング(塗布)する。なお、
接着性を有するとは、塗布の際にポリプロピレン樹脂シ
ート又はフィルムに対し接着性があるか、或いは塗布面
とポリプロピレン樹脂シート又はフィルムとの熱接着
性,接着剤での接着性があるか、さらには塗布面と塗布
面との熱接着性,接着剤での接着性があるか、のいずれ
かを有することをいう。
の表面光沢度が130%以上(Gs60°)となるこ
と、透明度が良好なものが用いられる。このような接着
性を有する高光沢透明樹脂としては、ポリウレタン樹
脂,アクリル共重合樹脂,エポキシ樹脂,塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂及びポリ酢酸ビニル樹脂よりなる
群から選ばれた1種が用いられる。
剤に溶解又は水溶液の状態とした後、グラビアロール法
等の公知の方法で、前記した内部ヘイズの低いポリプロ
ピレン樹脂シート又はフィルムの表面に塗布することに
より行なえばよい。コーティングの厚さは特に制限はな
いが、通常、0.5〜5μm程度である。なお、塗布剤
中には、帯電防止剤,防曇剤,易滑剤,UVカット剤な
どを目的に応じて加えることができる。コーティング
後、乾燥して固化させることにより、表面光沢度が13
0%以上(Gs60°)であり、総ヘイズが10%以
下、好ましくは5%以下の透明ポリプロピレン複合シー
ト又はフィルムが得られる。
= 2.0g/10分) を樹脂温度280℃で、Tダイ押出装置
(押出機 60mm φ、L/D =28、ダイ巾 550mm、ダイリッ
プ間隔1mm )を用いて押出した。押し出された溶融樹脂
膜を冷却水(冷却水温=2℃)の流れるスリット(幅3
mm,高さ50mm )に導入し、次いで下部水槽に設けた半
没挟圧ロールを通した後、水槽内の冷却水で冷却し、引
取ロールで引取り、厚み0.25mmのポリプロピレンシート
を得た。なお、上部水槽水位は5mmであり、成形速度は
20m/min.であった。得られたシートの総ヘイズは 8.3
%であり、内部ヘイズは1.6%であって、表面光沢度
は98%(いずれもJISK−7105に準拠)であっ
た。
DICプライマーUG5)を用い、このポリウレタン樹
脂に、硬化剤(CVLハードナーNo10)を加えたコ
ート液を、第1図に示す装置(コーター)を用いて、予
めコロナ処理を施した上記ポリプロピレンシートの両面
に片面ずつ塗布した。第1図中、符号1は、ポリプロピ
レンシートの原反繰り出し部、2は塗工部、3は乾燥
炉、4は巻取り部を示す。すなわち、予めコロナ処理を
施したポリプロピレンシートの原反1を巻き出し、その
片面にグラビアロールを用いてコート液を塗布し、乾燥
炉3で乾燥した。このようにしてポリプロピレンシート
の一面にコート液を塗布し、乾燥した後に、他の面にコ
ート液を塗布し、乾燥してコーティングを施した。乾燥
は、60℃で10秒間行なった。コート液(透明樹脂)
の塗布厚さは、およそ5μmであった。得られたシート
の総ヘイズは、2.5 %であり、内部ヘイズは1.5 %であ
って、かつ表面光沢度は140%であり、透明性は良好
であった。また、このシートは、シルク,オフセット,
グラビア印刷共に良好であり、しかも従来のPVC用の
インクでも良好であった。更に、接着においてもPVC
用の溶剤型の接着剤で良好な接着であった。
4.5μm)を0.5g/lと、帯電防止剤1%とを加
えたものを用いたところ、シートの表面の動摩擦係数は
0.5であって、滑りは良好であり、帯電防止性も良好
であった。
ロピレン複合シート又はフィルムは、表面光沢に優れ、
透明性が著しく高い上に、ポリプロピレン用の特殊接着
剤や特殊インクを用いなくとも、接着性,印刷性にも優
れ、さらに帯電防止性や易滑性やアンチブロッキング性
の付与も容易である。したがって、本発明の方法により
得られる透明ポリプロピレン複合シート又はフィルム
は、ディスプレー,各種パッケージ,記録用透明フィル
ム等の素材として極めて有効に利用することができる。
の一例を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 製膜時に急冷することにより得られる、
或いは原料の改質により得られる、未延伸であり、か
つ、0.2mm厚のときに0〜5%程度という内部ヘイ
ズの低いポリプロピレン樹脂シート又はフィルムの両面
乃至片面、或いは両面乃至片面の一部に、ポリウレタン
樹脂,アクリル共重合樹脂,エポキシ樹脂,塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合樹脂及びポリ酢酸ビニル樹脂よりな
る群から選ばれた1種の接着性を有する高光沢透明樹脂
を溶剤に溶解又は水溶液の状態でコーティングすること
を特徴とする、表面光沢度が130%以上(Gs60
°)である透明ポリプロピレン複合シート又はフィルム
の製造方法。 - 【請求項2】 透明ポリプロピレン複合シートを製造す
ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34706893A JP3325988B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 透明ポリプロピレン複合シート又はフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34706893A JP3325988B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 透明ポリプロピレン複合シート又はフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07186349A JPH07186349A (ja) | 1995-07-25 |
JP3325988B2 true JP3325988B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=18387703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34706893A Expired - Lifetime JP3325988B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 透明ポリプロピレン複合シート又はフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3325988B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016175345A (ja) * | 2015-03-20 | 2016-10-06 | 住友ベークライト株式会社 | 成形用包装体 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP34706893A patent/JP3325988B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07186349A (ja) | 1995-07-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7368160B2 (en) | Packaging film | |
CA1037674A (en) | Biaxially oriented polyethylene terephthalate film having a surface suitable for writing thereon | |
US4725466A (en) | Non-sealable, biaxially oriented multi-layer polypropylene film | |
US5098497A (en) | Process for preparing embossed, coated paper | |
US5468527A (en) | Transparent, non-heat-sealable, oriented, multilayer polyolefin film, process for the production thereof, and the use thereof | |
US5100709A (en) | Multilayer film coating for rigid, smooth surfaces | |
JPS6411465B2 (ja) | ||
EP0546741B1 (en) | Polymeric films | |
JP2002522273A (ja) | 一方向引裂性を有する中密度ポリエチレンフィルム | |
US3595736A (en) | Uniaxially oriented films and tapes | |
WO2022059580A1 (ja) | 空洞含有ポリエステル系フィルム | |
JP3325988B2 (ja) | 透明ポリプロピレン複合シート又はフィルムの製造方法 | |
JPH0890740A (ja) | 化粧シートおよびその製造方法 | |
JP5079181B2 (ja) | 印刷性に優れたラベル、シール用ポリオレフィン系フィルム | |
JP4826197B2 (ja) | 改ざん防止ラベル用シートおよび改ざん防止ラベル | |
EP3500429B1 (en) | Coated, metallized films | |
JP3622860B2 (ja) | 配送伝票用ポリエステル系フィルム | |
JP2000246828A (ja) | 熱圧着ラミネート体及びその製造方法 | |
JP6836067B2 (ja) | ラミネート用ポリエステルフィルム | |
JPS62278034A (ja) | 金属蒸着フイルムおよびその積層体 | |
JP2005068317A (ja) | 熱収縮性ポリオレフィン系フィルム | |
JP2004249705A (ja) | 金属板被覆用ポリエステルフィルム、その製造方法およびポリエステルフィルム被覆金属板の製造方法 | |
JP2001205702A (ja) | 化粧シートの製造方法 | |
JP2848916B2 (ja) | 透明なインモールド用ラベル | |
JPH03187742A (ja) | 不透明化ポリプロピレン複合フイルム及びその積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020604 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120705 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130705 Year of fee payment: 11 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |